JP6328885B2 - コーティング組成物及び積層体 - Google Patents
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Description
例えば、太陽電池発電や風力発電等の環境に優しい再生可能なエネルギーは、炭酸ガス等の温暖化を誘発すると言われているガスを排出しないため、クリーンなエネルギーとして研究開発が盛んに行われており、安全性や扱いやすさに優れていることから、太陽電池や太陽熱発電は、今後一層注目を浴びると考えられている。
また、システムの建設上のコストダウンを目的として、ガラスを樹脂で代替して使用し、軽量化によってコストダウンを図る傾向がある。
さらに、汚れによるメンテナンスコストを削減するため、樹脂基材の表面に汚れ防止を目的として所定の防汚塗膜を形成する技術も提案されている。
さらにまた、一般的に太陽熱発電設備は、年間を通して日射量の多い砂漠地帯に建設される。よって、樹脂基材の表面に汚れ防止を目的として形成される塗膜は、昼夜の寒暖の差が激しい環境下においても、十分な耐久性及び密着性を有していることが必要とされる。
また、特許文献2には、機械的強度、透明性、耐候性、耐薬品性、光学特性、防汚性、防曇性、及び帯電防止性等に優れた水性高分子分散体を用いた塗膜が開示されている。
さらに、特許文献3には、防汚性、透明性、親水性に優れ、高温環境下においても表面親水性を維持できるコーティング組成物が開示されている。
さらにまた、特許文献4には、光触媒機能を有し、親水性、耐汚染性を長期に発揮し得る光反射鏡が開示されている。
またさらに、特許文献5には、耐候性、防汚性能が良好で、樹脂基材の保護性が良好なコーティング組成物が開示されている。
また、特許文献6には、防汚性、耐傷性に優れ、樹脂フィルム状支持体の最外層に無機微粒子を分散させた防汚層が形成されたフィルムミラーが開示されている。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
少なくとも樹脂基材を含む複合体の最表面に、コーティング組成物よりなる防汚層が形
成されている積層体であって、
前記コーティング組成物は、
(A)金属酸化物、(B)重合体エマルジョン粒子、(C)加水分解性珪素化合物、及
び(D)pKa<5の有機酸を含み、
前記(A)金属酸化物の平均粒子径が5〜30nmであり、
前記(B)重合体エマルジョン粒子の数平均粒子径が90〜110nmであり、
前記(B)重合体エマルジョン粒子が、カルボキシル基含有ビニル単量体及び水酸基含有ビニル単量体を含む単量体を乳化重合したシェル層を有するコア/シェル層構造を有しており、
前記(A)金属酸化物:前記(B)重合体エマルジョン粒子の含有割合が、3:1〜1
.2:1であり、
前記(D)pKa<5の有機酸が、メタンスルホン酸であり、
表面張力が28〜34mN/mである、積層体。
〔2〕
前記(C)加水分解性珪素化合物が、エポキシ基を含有する、前記〔1〕に記載の積層
体。
〔3〕
前記(A)金属酸化物が、水酸基、エポキシ基、チオール基、及びアミノ基からなる群
より選ばれる1種以上を含有する(C)加水分解性珪素化合物で表面処理されている、前
記〔1〕又は〔2〕に記載の積層体。
〔4〕
前記(B)重合体エマルジョン粒子が、さらに、エポキシ基からなる官能基を含有する、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の積層体。
〔5〕
前記複合体と前記防汚層との間に接着層を有し、前記接着層が、エポキシ基、水酸基、
カルボキシル基からなる群より選ばれる1種の官能基を含有する、前記〔1〕乃至〔4〕
のいずれか一に記載の積層体。
〔6〕
前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の積層体を含むリフレクター装置。
〔7〕
前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の積層体を含む太陽熱発電用ミラー。
〔8〕
前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の積層体を含む集光用レンズ。
本実施形態のコーティング組成物は、(A)金属酸化物、(B)重合体エマルジョン粒子、及び(C)加水分解性珪素化合物を含み、表面張力が15〜40mN/mである。
本実施形態のコーティング組成物の表面張力は、20〜35mN/mであることが好ましく、25〜30mN/mであることがさらに好ましい。
コーティング組成物の表面張力が15mN/m以上であることにより均一な塗装性が得られ、40mN/mを超えるとハジキが発生し均一な塗装が困難となる。
コーティング組成物の表面張力は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
またさらに、(B)重合体エマルジョン粒子は、コアシェル構造を有していることが好ましい。かかる場合、(B)重合体エマルジョン粒子を介して(A)金属酸化物や樹脂基材がシラノール基の縮合やエポキシ基の結合によって結合されると(B)重合体エマルジョン粒子が緩衝材となって、前記コーティング組成物により形成した塗膜に柔軟性を付与し、塗膜形成面である所定の基材の伸縮に追従することが可能となるため好ましい。
(C)加水分解性珪素化合物を含むことにより、(A)金属酸化物と(B)重合体エマルジョン粒子との化学的な結合を導入することができ、一層強固な塗膜を形成できる。
さらに、(C)加水分解性珪素化合物のシラノール基と(A)金属酸化物の表面に存在する水酸基との間の縮合反応による化学結合が形成したり、あるいは、(C)加水分解性珪素化合物と(A)金属酸化物との間に水素結合が形成したりすることにより、本実施形態のコーティング組成物から得られる塗膜は、高い機械的強度を有する。
((A)金属酸化物)
本実施形態のコーティング組成物は、(A)金属酸化物を含む。
当該(A)金属酸化物は、成膜性の観点から、球状の金属酸化物(a1)及び/又はアスペクト比(長径/短径)が3〜25の非球状の金属酸化物(a2)を含むことが好ましい。
ここで、平均粒子径とは、粒子が一次粒子の形で存在している場合には一次粒子径を、凝集粒子の形で存在している場合は凝集粒子径(二次粒子径)を指し、以下の方法により決定することができる。すなわち、球状の金属酸化物(a1)の粒子が100個〜200個写るように調整して撮影した透過型顕微鏡(TEM)写真の中に存在している該当の粒子の粒子径(二軸平均径、すなわち、短径と長径との平均値)を測定し、当該測定された各粒子径の平均値を求めることにより算出することができる。
さらに、前記球状の金属酸化物(a1)及び前記非球状の金属酸化物(a2)が、後述する加水分解性珪素化合物(C)で表面処理されていることが好ましい。
前記(A)金属酸化物、球状の金属酸化物(a1)及び前記非球状の金属酸化物(a2)の表面処理に用いる(C)加水分解性珪素化合物は、水酸基、エポキシ基、チオール基、アミノ基からなる群より選ばれる1種以上の官能基を含むことが金属酸化物(A)と樹脂基材との密着性の観点から好ましい。
本実施形態のコーティング組成物は、(B)重合体エマルジョン粒子を含む。
重合体エマルジョン粒子(B)は、所定の重合体により構成されており、当該重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリ(メタ)アクリレート系、ポリ(メタ)アクリレート−シリコーン系共重合体、ポリビニルアセテート系、ポリブタジエン系、ポリ塩化ビニル系、塩素化ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリスチレン系、ポリスチレン−(メタ)アクリレート系共重合体、ロジン系誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物等から構成される重合体等が挙げられる。
(B)重合体エマルジョン粒子は、密着性の観点から、エポキシ基、水酸基、カルボキシ基からなる群より選ばれる1種の官能基を含有することが好ましい。
なお、重合体エマルジョン粒子(B)には、前記加水分解性珪素化合物(b1)と2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)とが重合した重合体が含まれていてもよく、(b1)、(b2)がそれぞれ単独で重合した重合体が混合された状態で含まれていてもよい。
なお、数平均粒子径は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
具体的には、金属酸化物(A)が有する水酸基と、重合体エマルジョン粒子(B)が有する2級及び/又は3級アミド基との水素結合や、金属酸化物(A)が有する水酸基と、重合体エマルジョン粒子(B)を構成する加水分解性金属化合物(b1)の重合生成物との縮合(化学結合)等が挙げられる。
(式(1)中、Wは炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基、アミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表す。Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の炭化水素基を表す。xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数である。また、x+y=4である。)
なお、重合体エマルジョン粒子(B)の質量は、上述した2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)や、これと共重合可能なその他のビニル単量体(b3)、さらには加水分解性珪素化合物(b1)が全て重合した場合に得られる重合生成物の質量であるものとする。
前記加水分解性珪素化合物(b1)の含有量は、重合安定性の観点から、重合体エマルジョン粒子(B)100質量%に対して、0.01質量%以上50質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
なお、前記(b1)や(b2)等は、水素結合や化学結合等の各種結合によって複合化されていることが好ましいが、その結合の形態や状態等について何らかの限定を行うものではない。更に、重合体エマルジョン粒子(B)中の一部分のみにおいて上記したような複合化が行われていてもよい。
アルキル部の炭素数が1〜50の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。
前記エチレンオキシド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
塗膜透明性と温冷繰り返し試験での柔軟性付与の観点から(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルが好ましく、これらを組み合わせて使用することは更に好ましい。
エポキシ基含有ビニル単量体の使用量は、全ビニル単量体中において好ましくは0.01〜50質量%、さらに好ましくは0.05〜20質量%である。
乳化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤;酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレート等の四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン型界面活性剤やラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤等が挙げられる。
前記シード(核)となる物質は、特に限定されず、公知のものを用いることもでき、反応条件等に応じて適宜選択することができる。
重合反応は、系中のpHが好ましくは1.0〜10.0、より好ましくは1.0〜6.0の範囲で進行させればよい。pHは、燐酸二ナトリウムやボラックス、又は、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等のpH緩衝剤を用いて調節することが可能である。
さらには、最外層のシェル層に水酸基及び又はエポキシ基含有することが好ましい。
重合体エマルジョン粒子(b)のシェル層に水酸基及び又はエポキシ基が存在することにより、本実施形態のコーティング組成物により塗膜を形成する際、塗膜形成面との密着性が一層良好になる。
重合体エマルジョン粒子(B)の最外層のシェル層におけるエポキシ基の割合は、エポキシ基を含む加水分解性珪素化合物(b1−2)、エポキシ基を含む他のビニル単量体(b3−2)の、全ビニル単量体に対する質量比率を調整することによって制御することができる。
(b1−2)の好ましい範囲は、0.01<(b1−2)/{(b2)+(b1)+(b3)}<0.2となり、(b3−2)の好ましい範囲は、0.01<(b3−2)/{(b2)+(b1)+(b3)}<0.2である。
本実施形態のコーティング組成物は、(C)加水分解性珪素化合物を含む。
当該加水分解性珪素化合物(C)は、下記式(2)、(3)、及び(4)で表される化合物からなる群より選ばれる1種類以上の加水分解性化合物であることが好ましい。
加水分解性珪素化合物(C)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
なお、上述した(b1)加水分解性珪素化合物は、重合体エマルジョン粒子(B)を構成する成分であり、当該(B)成分中に一体として組み込まれており、前記加水分解性珪素化合物(C)は、(A)成分及び(B)成分とは別個独立して添加されるものであり、上述した(b1)加水分解性珪素化合物とは明確に区別される。
(式(2)中、R1は水素原子、ハロゲン基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、及びエポキシ基からなる群より選ばれるいずれかを有してもよい、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を表す。Xは、加水分解性基を表し、nは0〜3の整数である。)
(式(3)中、X3は加水分解性基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基を表す。nは0又は1である。)
(式(4)中、R3は炭素数1〜6のアルキル基を表す。nは2〜8の整数である。)
本実施形態のコーティング組成物においては、(D):pKa<5の有機酸をさらに含有することが好ましい。
pKa<5の有機酸(D)を含有させることにより、(B)の分散安定性の効果が得られる。
有機酸(D)は、pKa<4であることがより好ましく、pKa<3であることがさらに好ましい。
中でもアルキルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸が基材との濡れ性、シラノールとの縮合速度、エポキシ基の開環速度の観点から好ましい。
(D)有機酸の好ましい添加量は、コーティング組成物のpHが2〜6、好ましくは3〜5の範囲となるように適宜選択される。
さらには塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸と組み合わせて使用しても良い。
有機酸に対する無機酸の使用量は、質量比で0.5以下が好ましい。
0.5を超えると(B)重合体粒子の分散安定性が低下し、コーティング組成物により形成した塗膜の透明性が低下する傾向がある。
有機酸(D)は水で希釈して用いることが好ましく、濃度としては1質量%以下が好ましく、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以下とする。濃度が1質量%を超えると(B)重合体エマルジョン粒子の分散安定性が低下する傾向がある。
本実施形態のコーティング組成物は、金属酸化物(A)と重合体エマルジョン粒子(B)との質量比率((A):(B))が1:0.05〜1:10であることが好ましく、1:0.1〜1:5であることがより好ましく、1:0.5〜1:3であることがさらに好ましい。
金属酸化物(A)と加水分解性珪素化合物(C)との質量比率((A):(C))は、1:0.05〜1:5であることが好ましく、1:0.1〜1:3であることがより好ましく、1:0.2〜1:2であることがさらに好ましい。
本実施形態のコーティング組成物は、重合体エマルジョン粒子(B)、金属酸化物(A),加水分解珪素化合物(C)、必要に応じて有機酸(D)を混合し、必要に応じて所定の乳化剤、溶剤を用いて表面張力が15〜40mN/mになるように調製することにより製造できる。
本実施形態のコーティング組成物の表面張力は、15〜40mN/mである。好ましくは20〜35mN/m、より好ましくは25〜30mN/mである。
40mN/m以下であると、塗膜形成面との界面において均一な濡れ性が得られ、化学的相互作用が十分に得られ、密着性が良好になる。また、15mN/m以上であると、添加材を多く添加する必要がないため、透明性の低下を防止することができる。
当該乳化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム{花王(株)製ペレックス(商標)OT−P、または三井サイテック(株)製エアロゾル(商標)OT−75など}、スルホコハク酸ジヘキシルナトリウム{三井サイテック(株)製エアロゾル(商標)MA−80など}、三洋化成(株) 製エレミノール(商標)JS−2,JS−5、花王(株)製ラテムル(商標)S−120,S−180,S−180A、三井サイテック(株)製エアロゾル(商標)TR−70、A−196−85、AY−100、IB−45、A−102,A−103、501などのスルホコハク酸系乳化剤が挙げられる。
前記乳化剤は、コーティング組成物の固形分100質量部に対して、0.01〜20質量部とすることが好ましく、より好ましくは、0.1〜10質量部、さらに好ましくは0.5〜5質量部である。
前記有機溶剤のSP値が前記範囲であると、重合体エマルジョンとの相溶性が良好であり、また蒸気圧が50Pa以下であることで塗工液中の溶媒の蒸発速度を抑制することで濡れ性が良好となる。
含有量が多いと塗工液に凝集が生じやすく、0.1 質量部以下の場合濡れ性や密着性効果がない。
上記有機溶剤としては、イソプロピルアルコール(SP値11.5、蒸気圧4000Pa) 、1−ブチルアルコール(SP値11.4、蒸気圧50Pa)、2−ブチルアルコール(SP値11.1、蒸気圧1670Pa)、イゾブチルアルコール(SP値11.0、蒸気圧658Pa)、1−ペンタノール(SP値10.6、蒸気圧526Pa)、テキサノール(SP値8.5、蒸気圧1.3Pa)、N−メチル−2−ピロリドン(SP値:11.2、蒸気圧 43Pa))、ジメチルスルホキシド(SP値:12.8蒸気圧 59Pa)、N,N−ジメチルホルムアミド(SP値:11.5蒸気圧 360Pa)等が挙げられる。
本実施形態の積層体は、少なくとも樹脂基材を含む複合体の最表面に、前記コーティング組成物よりなる防汚層が形成されている。
前記樹脂基材としては、従来公知の種々の樹脂フィルムを用いることができる。以下に限定されるものではないが、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等が挙げられる。
ポリカーボネート系フィルム、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルム、アクリルフィルムが透明性の観点から好ましい。特にポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム又はアクリルフィルムを用いることが柔軟性の観点から好ましい。あるいはポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂の単独又は複合素材が強度の観点から好ましく、耐候剤等を練り込まれたものがさらに好ましい。上述した樹脂基材は、コロナ放電、プラズマ等による表面処理が施されていてもよい。
前記複合体は、上述した樹脂基材を含み、その他本実施形態の積層体の用途、機能に応じた各種の層を具備する構成を有する。
本実施形態の積層体を反射用の積層体とする場合には、複合体は上述した樹脂基材上に反射層を具備する構成を有する。
当該反射層は、銀鏡反応や、銀錯体を樹脂基材に塗布、乾燥、加熱焼成する湿式法、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法等の乾式法により形成することができる。
防汚層は、上述した樹脂基材を含む前記複合体の最表面に形成されている。
防汚層は、上述した前記反射層形成面側に設けられていてもよく、前記反射層形成面側とは反対側の面に設けられていてもよい。
防汚層は、本実施形態のコーティング組成物を塗布し、乾燥することにより形成することができる。
コーティング組成物を塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、スプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。生産性の観点から、ロールコート、スクリーン印刷、グラビア印刷が好ましい。さらには大判の基材上へ塗装する目的ではロールコート法が好ましい。
前記乾燥方法としては、特に限定されないが、例えば、自然乾燥、冷風乾燥、熱風乾燥、赤外線乾燥等、これらの組み合わせが挙げられる。前記乾燥温度としては、5〜300℃が好ましく、10〜200℃がより好ましく、50〜150℃がさらに好ましい。
防汚層は、表面水接触角が、防汚性の観点から40°以下であることが好ましく、より好ましくは20°以下である。表面水接触角が40℃以下であると親水性の汚れを防ぐ効果を発揮するため好ましい。
表面水接触角は後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
前記防汚層は、所定の接着層を介して前記複合体上に形成されていてもよい。
防汚層形成面との密着性が良好な場合には、接着層を設けなくてもよく、直接複合体に形成してもよい。
接着層は、エポキシ基、水酸基、及びカルボキシル基からなる群より選ばれる1種の官能基を含有する。これにより、接着性の向上効果が得られる。
接着層の構成材料としては、エポキシ基を有する加水分解性珪素化合物が使用できる。
接着層の材料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、各種アルコキシオリゴマー(例えば、信越化学工業社製「X−41−1053」「X−41−1059A」「X−41−1056」)、多官能エポキシシラン(例えば、信越化学工業社製「X−12−981」「X−12−984」)等が挙げられる。
さらには、接着性や機械的強度の観点から、上述した材料と併用して、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、及びそれらのオリゴマーやシリコーンポリマー、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等の水酸基含有ポリマー、ポリアクリル酸やアクリル酸共重合体等のカルボキシル基含有ポリマーを使用することが好ましく、あらかじめこれらを化学的に複合化して使用することが密着性を安定して発現させる観点からより好ましい。
なお、アクリル樹脂やウレタン樹脂等、公知の材料よりなる接着層を形成すてもよい。。
これら接着層4は上述した有機酸(D)を含有してもよい。
接着層4の形成方法として、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理、オゾン処理などによって最表面にカルボニル基や水酸基等の極性基を形成させる方法や、サンドブラスト処理によって表面積を増やす方法等が挙げられる。
本実施形態の積層体は、上述した反射層、接着層の他、所定の機能層を有していてもよい。
例えば、ハードコート層(HC層)、保護層、紫外線吸収層、粘着層等が挙げられる。
ハードコート層(HC層)は、透明な材料により形成することが好ましく、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂等が挙げられる。さらに必要に応じてコロイダルシリカ等の金属酸化物のナノ粒子を併用してもよい。
HC層は、ゾルゲル法や紫外線硬化型等、従来公知の形成方法や、ラミネート法等により形成できる。
保護層としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やアクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)等の単層のフィルムや、PET/アルミナ蒸着PET/PET、PVF(商品名テドラー)/PET/PVF、PET/Al箔/PET等の複層のフィルムを用いることができる。
保護層は透明であっても不透明であってもよく、少なくとも片面に粘着層が付いていてもよい。
本実施形態の積層体は、太陽熱発電システムを構成するリフレクター装置、太陽熱発電用ミラー、及び集光用レンズとして利用することができる。
図5に、リフレクター装置の概略斜視図を示す。
当該リフレクター装置は、光反射鏡32と、前記光反射鏡32の反射面側に形成された、本実施形態の積層体30と、前記反射鏡32を支持する支持体34とを備える。本実施形態の積層体30は、光反射鏡32の保護部材(以下、単に「保護部材」と記載する場合がある。)として機能する。リフレクター装置の構成は、特に限定されず、適宜好適な構成に変形することができる。
本実施形態の積層体は、前記リフレクター装置と、このリフレクター装置により集光される太陽光を電気エネルギーに変換する装置と、を備える太陽熱発電システムにおける、太陽熱発電用ミラーとしても利用することができる。太陽熱発電システムの構成は、特に限定されず、適宜好適な構成に変形することができる。
また、本実施形態の積層体は、温度差が激しい環境下においても優れた防汚性、防曇性、基材密着性を発揮するため、リフレクター装置及び集光用レンズ、太陽熱発電用ミラー、太陽熱発電用集光ガラス、建材の防汚コートとして好適である。
((1)平均粒子径(nm)の測定)
金属酸化物(A)について、50,000〜100,000倍に拡大し、金属酸化物(A)の粒子が100個〜200個写るように調整して透過型顕微鏡写真を撮影した。
次いで、撮影された各金属酸化物(A)の粒子径(長径と短径)を測定し、それらの平均値((長径+短径)/2)を求め、平均粒子径とした。
実施例及び比較例で製造したコーティング組成物から、JIS S6006が規定する試験用鉛筆を製造し、当該試験用鉛筆を用いて、JIS K5400に規定される鉛筆硬度の評価方法に従い、1kg荷重における鉛筆硬度を評価した。
実施例及び比較例で製造した積層体の防汚層(比較例2においてはハードコート層)の表面に、脱イオン水の滴(1.0μL)を乗せ、20℃で10秒間放置した。その後、日本国協和界面科学製CA−X150型接触角計を用いて初期接触角を測定した。積層体に対する水の接触角が小さいほど、表面の親水性が高いと評価した。
JIS K5400に準拠し、実施例及び比較例で製造した積層体をカミソリの刃で2mm間隔の縦横6本ずつ切れ目を入れて25個の碁盤目を製造し、市販のセロハン粘着テープをよく密着させた後、90度手前方向に急激に剥がした時、被膜が剥離せずに残存したマス目数(X)をX/100で表示した。
密着性は、以下の基準により評価した。
100/100:◎
90/100以上100/100未満:○
80/100以上90/100未満:○△
60/100以上80/100未満:△
60/100未満:×
実施例及び比較例で得られた実施例及び比較例で製造した積層体について、加速環境試験器(エスペック(株)製、EHS−411)を用い、温度85℃から−40℃の間を100回繰り返すサイクル試験を実施した。当該試験後の密着性を上記(5)の方法に従い評価した。
膜厚計(大塚電子製、商品名「FE−3000」)を用い、樹脂基材上に積層された防汚層の膜厚(波長:633nm)を測定した。
紫外可視近赤外分光光度計(日本分光製、商品名V−670) と大型積分球計とを用いて、実施例及び比較例で製造した積層体の反射率を測定した。
測定波長350nm−2500nmの範囲とし、ISO9050に準拠して反射率を評価した。
測定は防汚層側(比較例2においてはハードコート層側)から入射した光の反射率を測定値とした。
自動表面張力計(協和界面科学製 DY−300)を用いて、実施例で製造したコーティング組成物の表面張力を測定した。
後述する合成例により製造した重合体エマルジョン粒子(B)の数平均粒子径は、動的光散乱式粒度分布測定装置(日機装社製 マイクロトラックUPA)により測定した。
以下、後述する実施例及び比較例において用いた重合体エマルジョン粒子(B)の合成例を記載する。(合成例1)
<重合体エマルジョン粒子(B−1)水分散体の合成>
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸12gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層としてジメチルジメトキシシラン185g及びフェニルトリメトキシシラン(b1)151gの混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。
次に、得られた混合液(3)に、シェル層としてアクリル酸ブチル100g、アクリル酸エチルヘキシル50g、メタクリル酸グリシジル(b3−2)30g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(b3)20g、テトラエトキシシラン(b1)30g、フェニルトリメトキシシラン(b1)145g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(b1)1.3gの混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド160g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gの混合液(5)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。
その後、混合物(6)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、精製水で濃度を調整して数平均粒子径90nmの重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体(固形分10質量%、pH3.5)を得た。
<重合体エマルジョン粒子(B−2)水分散体の合成>
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸12gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層としてジメチルジメトキシシラン185g及びフェニルトリメトキシシラン(b1)151gの混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。
次に、得られた混合液(3)に、シェル層としてアクリル酸ブチル100g、アクリル酸エチルヘキシル50g、メタクリル酸グリシジル(b3−2)30g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(b3)40g、テトラエトキシシラン(b1)30g、フェニルトリメトキシシラン(b1)145g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(b1)1.3g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(b1−2)30gの混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド160g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gの混合液(5)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。
その後、混合物(6)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、製水で濃度を調整して数平均粒子径100nmの重合体エマルジョン粒子(B−2)の水分散体(固形分10質量%、pH3.5)を得た。
<重合体エマルジョン粒子(B−3)水分散体の合成>
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水2600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸12g、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの25%水溶液(エマルゲン950、花王(株)製)20gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層としてメタクリル酸18g、メタクリル酸メチル216g、アクリル酸ブチル216g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(b1)6.9g、メチルトリメトキシシラン101g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、の混合液(2)を反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。
次に、得られた混合液(3)に、シェル層としてアクリル酸ブチル245g、メタクリル酸メチル245g、アクリル酸10g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(b3)68g、メタクリル酸グリシジル(b3−2)34g、テトラエトキシシラン(b1)20g、フェニルトリメトキシシラン(b1)20g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(b1)1.3g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(b1−2)40g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gの混合液(4)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(5)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(5)を約2時間撹拌した。
その後、混合物(5)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、精製水で濃度を調整して数平均粒子径110nmの重合体エマルジョン粒子(B−3)の水分散体(固形分10質量%、pH3.8)を得た。
<重合体エマルジョン粒子(B−4)水分散体の合成>
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸12gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層としてジメチルジメトキシシラン185g及びフェニルトリメトキシシラン(b1)151gの混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。次に、得られた混合液(3)に、シェル層としてアクリル酸ブチル(b3)100g、アクリル酸エチルヘキシル(b3)50g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(b3)20g、テトラエトキシシラン(b1)30g、フェニルトリメトキシシラン(b1)145g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(b1)1.3g、の混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド160g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gの混合液(5)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。その後、混合物(6)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、製水で濃度を調整して数平均粒子径95nmの重合体エマルジョン粒子(B−4)の水分散体(固形分10質量%、pH3.2)を得た。
重合体エマルジョン粒子(B)として合成例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体を用いた。球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS(表中、「ST−OXS」と記載する)」、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)を用いた。
加水分解性珪素化合物(C)として、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(三菱化学社製「MS−56」)を用いた。
これらを、下記表1に記載の固形分換算質量比で混合し、メタンスルホン酸の0.5質量%水溶液を加えて、コーティング組成物のpHを3に調整し、室温で3時間撹拌した。
さらにスルホコハク酸系乳化剤(花王(株)製、ラテムルS−180A)の2質量%水溶液と、20%エタノール水で、表面張力28mN/m、固形分5%となるように調整してコーティング組成物(F−1)を得た。
前記コーティング組成物を用いて、図1に示す構成の積層体を製造した。
樹脂基材1として厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、商品名ルミラー T60)を用い、当該樹脂基材1の一の主面に無電解銀メッキを施し、その上に酸化防止処理を実施し、反射層2を形成した。さらに保護層6として厚さ100μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、商品名ルミラー E20)をラミネートして貼り合わせて反射基材(G−1)を得た。
前記反射基材(G−1)にコロナ処理を施し、その後、コーティング組成物(F−1)を、前記反射層2の形成面とは反対側の主面にスピンコーターで塗布し、室温で30分乾燥した後、80℃で2時間熱養生して膜厚1μmの防汚層3が形成された積層体を得た。
得られた積層体の評価結果を、下記表1に示す。
なお、表1中、(B’)は、前記熱養生後に得られる重合体エマルジョン粒子(B)に由来する重合体粒子であり、(C’)は、前記熱養生後に得られる加水分解性珪素化合物(C)の加水分解縮合物とする。
前記コーティング組成物で形成した防汚層3における、(A)/(B’)/(C’)比率を=120/100/20とした。その他の条件は、実施例1と同様にして積層体を製造した。得られた積層体の評価結果を下記表1に示す。
前記コーティング組成物で形成した防汚層3における、(A)/(B’)/(C’)比率を=120/100/1とした。その他の条件は、実施例1と同様にして積層体を製造した。得られた積層体の評価結果を下記表1に示す。
樹脂基材1としてデラグラス(旭化成テクノプラス社製:厚さ3mm)を使用した。その他の条件は、実施例1と同様にして積層体を製造した。得られた積層体の評価結果を下記表1に示す。
重合体エマルジョン粒子(B)として、前記合成例2で合成した重合体エマルジョン粒子(B−2)の水分散体を用いた。その他の条件は、前記実施例3と同様にして積層体を製造した。得られた積層体の評価結果を下記表1に示す。
重合体エマルジョン粒子(B)として、前記合成例4で合成した重合体エマルジョン粒子(B−4)の水分散体、金属酸化物(A)である球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)を用い、加水分解性珪素化合物(C)として、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(三菱化学社製「MS−56」)を用い、これらを下記表2に示す固形分換算質量比で混合し、メタンスルホン酸の0.5質量%水溶液を加えてコーティング組成物のpHを3に調整し室温で3時間撹拌した。
さらにスルホコハク酸系乳化剤(花王(株)製、ラテムルS−180A)の2質量%水溶液と20%エタノール水を用いて、表面張力29mN/m、固形分5%となるように調整してコーティング組成物(F−6)を得た。
次に、99.5%のエタノール100gに10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液10gを加え、さらに3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを5g加えて、室温で24時間撹拌して加水分解させ接着層用組成物E1を得た。当該接着層用組成物E1により接着層E−1を形成した。
前記コーティング組成物及び接着層用組成物E1を用いて、図2に示す構成の積層体を製造した。
樹脂支持体1として厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、商品名ルミラー T60)を用い、当該樹脂支持体1の一の主面に無電解銀メッキを施し、その上に酸化防止処理を実施し、反射層2を形成した。さらに保護層6として厚さ100μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、商品名ルミラー E20)をラミネートして貼り合わせて反射用複合体(G−6)を得た。
次に、前記樹脂支持体1の、反射層2の形成面側とは反対側の主面に、前記接着層用組成物E1をスピンコーターで塗布し、室温で乾燥して、80℃で15分間乾燥して接着層4を形成した。さらに、前記接着層4上に、前記コーティング組成物(F−6)をスピンコーターで塗布し、室温で30分乾燥した後、80℃で2時間熱養生して膜厚1μmの防汚層3が形成された積層体を製造した。得られた積層体の評価結果を、下記表2に示す。
99.5%のエタノール100gに10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液10gを加え、さらに3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを5g加えて、シラノール変性ポリビニルアルコール((株)クラレ製、商品名R1130)の5%水溶液を5g加えてから室温で24時間撹拌して加水分解させ、接着層用組成物E2を得た。前記接着層用組成物E1を接着層用組成物E2に変更した。当該接着層用組成物E2により接着層E−2を形成した。その他の条件は、実施例6と同様にして積層体を得た。
得られた積層体の評価結果を下記表2に示す。
99.5%のエタノール100gに10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液10gを加え、さらに3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを5g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.5g、テトラエトキシシラン5gを室温で24時間撹拌して加水分解させ、接着層用組成物E3を得た。前記接着層用組成物E1を接着層用組成物E3に変更した。当該接着層用組成物E3により接着層E−3を形成した。その他の条件は、実施例6と同様にして積層体を得た。
得られた積層体の評価結果を下記表2に示す。
重合体エマルジョン粒子(B)として、前記合成例3で合成した重合体エマルジョン粒子(B−3)の水分散体を用いた。その他の条件は、実施例6と同様にして積層体を得た。得られた積層体の評価結果を下記表2に示す。
重合体エマルジョン粒子(B)として合成例4で合成した重合体エマルジョン粒子(B
−4)の水分散体を用いた。球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径5nmの
水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」、日産化学工業(株)製、固
形分10質量%)を用いた。加水分解性珪素化合物(C)として、テトラメトキシシラン
の部分加水分解縮合物(三菱化学社製「MS−56」)を用いた。これらを、下記表2に
記載の固形分換算質量比で混合し、シュウ酸の0.5質量%水溶液を加えてコーティング
組成物のpHを3.3に調整し室温で3時間撹拌した。
さらにスルホコハク酸系乳化剤(花王(株)製、ラテムルS−180A)の2質量%水溶
液と20%エタノール水で表面張力29mN/m、固形分5%となるように調整してコー
ティング組成物(F−6)を得た。
次に、99.5%のエタノール100gに10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水
溶液10gを加え、さらに3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを5g加えて、
室温で24時間撹拌して加水分解させ接着層用組成物E1を得た。当該接着層用組成物E
1により接着層E−1を形成した。
前記コーティング組成物及び接着層用組成物E1を用いて、図2に示す構成の積層体を
製造した。
樹脂支持体1として厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、
商品名ルミラー T60)を用い、当該樹脂支持体1の一の主面に無電解銀メッキを施し
、その上に酸化防止処理を実施し、反射層2を形成した。さらに保護層6として厚さ10
0μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、商品名ルミラー E2
0)をラミネートして貼り合わせて反射用複合体(G−10)を得た。
次に、前記樹脂支持体1の、反射層2の形成面側とは反対側の主面に、前記接着層用組
成物E1をスピンコーターで塗布し、室温で乾燥して、80℃で15分間乾燥して接着層
4を形成した。さらに、前記接着層4上に、前記コーティング組成物(F−10)をスピ
ンコーターで塗布し、室温で30分乾燥した後、80℃で2時間熱養生して膜厚1μmの
防汚層3が形成された積層体を製造した。得られた積層体の評価結果を、下記表2に示す
。
重合体エマルジョン粒子(B)として合成例4で合成した重合体エマルジョン粒子(B−4)の水分散体を用いた。球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)を用いた。加水分解性珪素化合物(C)として、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(三菱化学社製「MS−56」)を用いた。
これらを表2に記載の固形分換算質量比で混合し、メタンスルホン酸の0.5質量%水溶液を加えてコーティング組成物のpHを3に調整し室温で3時間撹拌した。
さらにテキサノール(東京化成(株)、)をコーティング組成物の固形分に対して15質量%加え、固形分5%となるように調整してコーティング組成物(F−11)を得た。当該コーティング組成物(F−11)の表面張力は34mN/mであった。
コーティング組成物として前記(F−11)を使用した。その他の条件は、実施例6と同様にして積層体を得た。得られた積層体の評価結果を表2に示す。
重合体エマルジョン粒子(B)として合成例4で合成した重合体エマルジョン粒子(B−4)の水分散体を用いた。球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)を用いた。加水分解性珪素化合物(C)として、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(三菱化学社製「MS−56」)を用いた。
これらを、下記表3に記載の固形分換算質量比で混合し、メタンスルホン酸の0.5質量%水溶液を加えてコーティング組成物のpHを3に調整し室温で3時間撹拌した。さらにテキサノール(東京化成(株)、)をコーティング組成物の固形分に対して15質量%加え、固形分5%となるように調整してコーティング組成物(F−11)を得た。その時の表面張力は34mN/mであった。
前記コーティング組成物を用いて、図3に示す構成の積層体を製造した。
樹脂支持体1として厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、商品名ルミラー T60)を用い、当該樹脂支持体1の一の主面に無電解銀メッキを施し、その上に酸化防止処理を実施し、反射層2を形成した。さらに保護層6として厚さ100μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、商品名ルミラー E20)をラミネートして貼り合わせて反射複合体(G−1)を得た。
次に、前記樹脂支持体1の、反射層2の形成面側とは反対側の主面に、ハードコート剤(JSR製 オプスター(登録商標)Z7534)をメチルエチルケトンで固形分濃度が50質量%になるように希釈し塗工し、その後、80℃で乾燥、さらに紫外線1.0J/cm2を照射して硬化させ、厚さ10μmの透明のHC層5を設けた。
さらにこのHC層5にコロナ処理を施し、その後、コーティング組成物(F−11)をスピンコーターで塗布し、室温で30分乾燥した後、80℃で2時間熱養生して膜厚1μmの防汚層3が形成された積層体を得た。得られた積層体の評価結果を下記表3に示す。
重合体エマルジョン粒子(B)として合成例4で合成した重合体エマルジョン粒子(B−4)の水分散体を用いた。球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径3nmの水分散酸化ジルコニウム(商品名「SZR−W」、堺化学工業(株)製、固形分30質量%)を用いた。加水分解性珪素化合物(C)として、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(三菱化学社製「MS−56」)を用いた。これらを下記表3に記載の固形分換算質量比で混合し、メタンスルホン酸の0.5質量%水溶液を加えてコーティング組成物のpHを3に調整し室温で3時間撹拌した。さらにスルホコハク酸系乳化剤(花王(株)製、ラテムルS−180A)の2質量%水溶液と20%エタノール水で表面張力29mN/m、固形分5%となるように調整してコーティング組成物(F−13)を得た。
コーティング組成物として、前記コーティング組成物(F−13)を用いた以外は、実施例6と同様にして積層体を得た。得られた積層体の評価結果を下記表3に示す。
重合体エマルジョン粒子(B)として合成例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体を用いた。その他の条件は実施例13と同様にして積層体を得た。得られた積層体の評価結果を下記表3に示す。
重合体エマルジョン粒子(B)として合成例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体を用いた。球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)を用いた。非球状の金属酸化物(a2)の原料として平均直径約12nmのシリカ一次粒子から構成された、平均長径が約70nm、平均アスペクト比が5.8(大部分の粒子が、アスペクト比(長径/短径)が3〜25の範囲内にあった)、平均粒子径100nm、の数珠状シリカの水性分散液(商品名「スノーテックスOUP」(表3中、ST−OUPと記載する。)、日産化学工業(株)製、固形分15質量%)を用いた。これらを固形分換算でa1/a2=70/30で配合した。
加水分解性珪素化合物(C)として、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(三菱化学社製「MS−56」)を用いた。これらを下記表3に記載の固形分換算質量比で混合し、メタンスルホン酸の0.5質量%水溶液を加えてコーティング組成物のpHを3に調整し室温で3時間撹拌した。さらにスルホコハク酸系乳化剤(花王(株)製、ラテムルS−180A)の2質量%水溶液と20%エタノール水で表面張力29mN/m、固形分5%となるように調整してコーティング組成物(F−15)を得た。
コーティング組成物(F−15)を用いた以外は実施例3と同様にして積層体を製造した。得られた積層体の評価結果を下記表3に示す。
球状の金属酸化物(a1)と非球状の金属酸化物(a2)の比率を固形分換算でa1/a2=80/20に変更した。その他の条件は、実施例15と同様にして積層体を製造した。得られた積層体の評価結果を下記表3に示す。
球状の金属酸化物(a1)と非球状の金属酸化物(a2)の比率を固形分換算でa1/a2=90/10に変更した。その他の条件は、実施例15と同様にして積層体を製造した。得られた積層体の評価結果を下記表3に示す。
重合体エマルジョン粒子(B)として合成例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−2)の水分散体を用いた。球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)を用いた。加水分解性珪素化合物(C)として、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(三菱化学社製「MS−56」)を用いた。これらを下記表4に記載の固形分換算質量比で混合し、室温で3時間撹拌した。精製水で固形分5%となるように調整して表面張力41mN/mのコーティング組成物(F−18)を得た。
コーティング組成物(F−18)を用いた以外は実施例3と同様にして積層体を製造した。得られた積層体の評価結果を下記表4に示す。
図4に示す構成の積層体を製造した。
樹脂支持体1として厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、商品名ルミラー T60)を用い、当該樹脂基材1の一主面に無電解銀メッキを施し、その上に酸化防止処理を実施し反射層2を形成した。さらに保護層6として厚さ100μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、商品名ルミラー E20)をラミネートして貼り合わせて反射基材(G−1)を得た。
前記反射層2の形成面側とは反対側の主面に、ハードコート剤(JSR製 オプスター(登録商標)Z7534)をメチルエチルケトンで固形分濃度が50質量%になるように希釈して塗工した。その後、80℃で乾燥、さらに紫外線1.0J/cm2を照射して硬化させ、厚さ10μmの透明のHC層5を設けた。得られた積層体の評価結果を下記表4に示す。
(B’):熱養生後に得られる重合体エマルジョン粒子(B)に由来する重合体粒子
(C’):熱養生後に得られる加水分解性珪素化合物(C)の加水分解縮合物
(b1−2):エポキシ基を含む加水分解性珪素化合物
(b1−2)比率は、(B)重合体エマルジョン粒子のシェル層における仕込み比率であって、下記式により求められる。
(b1−2)/〔(b1)+(b2)+(b3)〕
(b3−2):エポキシ基を含むビニル単量体
(b3−2)比率は、(B)重合体エマルジョン粒子のシェル層における仕込み比率であって、下記式により求められる。
(b3−2)/〔(b1)+(b2)+(b3)〕
MSA:メタンスルホン酸
TX:テキサノール
一方、比較例では温度差が激しい環境下での樹脂基材を含む複合体との密着性が低いことが確認された。
2 反射層
3 防汚層
4 接着層
5 ハードコート層
6 保護層
30 積層体
32 光反射鏡
34 支持体
Claims (8)
- 少なくとも樹脂基材を含む複合体の最表面に、コーティング組成物よりなる防汚層が形成されている積層体であって、
前記コーティング組成物は、
(A)金属酸化物、(B)重合体エマルジョン粒子、(C)加水分解性珪素化合物、及
び(D)pKa<5の有機酸を含み、
前記(A)金属酸化物の平均粒子径が5〜30nmであり、
前記(B)重合体エマルジョン粒子の数平均粒子径が90〜110nmであり、
前記(B)重合体エマルジョン粒子が、カルボキシル基含有ビニル単量体及び水酸基含有ビニル単量体を含む単量体を乳化重合したシェル層を有するコア/シェル層構造を有しており、
前記(A)金属酸化物:前記(B)重合体エマルジョン粒子の含有割合が、3:1〜1.2:1であり、
前記(D)pKa<5の有機酸が、メタンスルホン酸であり、
表面張力が28〜34mN/mである、積層体。 - 前記(C)加水分解性珪素化合物が、エポキシ基を含有する、請求項1に記載の積層体。
- 前記(A)金属酸化物が、水酸基、エポキシ基、チオール基、及びアミノ基からなる群
より選ばれる1種以上を含有する(C)加水分解性珪素化合物で表面処理されている、
請求項1又は2に記載の積層体。 - 前記(B)重合体エマルジョン粒子が、さらに、エポキシ基からなる官能基を含有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記複合体と前記防汚層との間に接着層を有し、
前記接着層が、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基からなる群より選ばれる1種の官
能基を含有する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の積層体。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の積層体を含むリフレクター装置。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の積層体を含む太陽熱発電用ミラー。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の積層体を含む集光用レンズ。
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