JP2006045339A - 防汚塗料組成物及び該組成物を用いた塗装方法 - Google Patents

防汚塗料組成物及び該組成物を用いた塗装方法 Download PDF

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弘幸 河合
Yoichi Tagi
洋一 多木
Hirokazu Terajima
弘和 寺嶋
Nobukazu Matsuoka
伸和 松岡
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Abstract

【課題】
水中構造物に対して、水中生物の付着を防止でき、防汚性、耐久性などに優れた保護塗膜に適する防汚塗料組成物及びそれを用いた塗装方法を提供する。
【解決手段】 (A)ポリオール、(B)ポリイソシアネート、(C)HLBが1〜15のシリコーンオイル及び(D)水酸基含有シリコーン樹脂を含有する防汚塗料組成物及び水中構造物に該組成物を塗装することを特徴とする塗装方法、ポリオール(A)が、ポリイソプレンポリオール、ポリカプロラクトンポリオール及びポリエーテルポリオールよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。
【選択図】なし。

Description

本発明は、船舶、港湾施設、ブイ、パイプライン、橋梁、発電所の導水路管、海底基地、海底油田掘削設備、養殖網、定置網などの水中構造物の表面に水中生物が付着生育するのを防止し、該構造物を長期にわたって保護するのに適する防汚塗料組成物及び該組成物を用いた塗装方法に関する。
海、河川、湖沼などの水中には、例えばフジツボ、ホヤ、セルプラ、ムラサキイガイ、カラスガイ、フサコケムシ、アオノリ、アオサなどの生物が多数生息しており、このような水中に上記水中構造物が設置もしくは就航すると、その飛沫部から没水部表面に生物が付着生育して種々の被害が発生する。
上記水中構造物の生物付着防止方法として、従来は銅化合物又は有機錫化合物などの化学物質を防汚薬剤として塗料中に配合し、それを水中構造物に塗装し、塗膜から水中に徐々に溶出させることにより水中生物の付着を抑制していた。しかしながら、防汚薬剤は無毒ではないので、その低減が求められており、例えば特許文献1には、被膜形成樹脂に特定のオキシアルキレン基含有オルガノポリシロキサンを特定割合で含む防汚塗料を用いる方法が記載されている。該塗料によれば、防汚塗料における防汚薬剤の量を低減させても水中生物の付着が抑制できるが、付着した水中生物が水流によって取れ難くなることがあった。また、特許文献2には、特定のショアー硬度を有する弾性ポリウレタン塗膜を特定の厚さに形成する方法及び該弾性ポリウレタン塗膜の上にシリコーン系防汚塗膜を形成する方法が記載されている。該方法によれば、水中生物の付着を抑制することができ、付着しても容易に除去できるものであるが、ポリウレタン塗膜の弾性が不十分であり、長期間の浸漬により、塗膜の弾性が低下し水中生物が付着し易くなることがあった。また、その時付着した水中生物が水流によって取れ難くなることがあった。
特開平3−20370号公報 特開平7−26174号公報
本発明の目的は、水中構造物表面に対して、水中生物の付着を防止でき、防汚性、耐久性などに優れた保護塗膜を形成できる防汚塗料組成物及び該組成物を用いた塗装方法を提供することである。
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討した結果、ポリオール、ポリイソシアネート、特定のシリコーンオイル及び水酸基含有シリコーン樹脂を含有する防汚塗料組成物により本発明に到達した。即ち本発明は、
1. (A)ポリオール、(B)ポリイソシアネート、(C)HLBが1〜15のシリコーンオイル及び(D)水酸基含有シリコーン樹脂を含有する防汚塗料組成物、
2. ポリオール(A)が、ポリイソプレンポリオール、ポリカプロラクトンポリオール及びポリエーテルポリオールよりなる群から選ばれる少なくとも1種である1項に記載の防汚塗料組成物、
3. 水酸基含有シリコーン樹脂(D)が、塗料中の樹脂固形分中に0.1〜10重量%の範囲内で含まれることを特徴とする1項または2項に記載の防汚塗料組成物、
4. 水中構造物表面に、1項ないし3項のいずれか1項に記載の防汚塗料組成物を塗装することを特徴とする塗装方法、
5. 水中構造物表面に、ポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)を含有するウレタン系塗料を中塗り塗料として塗装した後、該塗膜上に1項ないし3項のいずれか1項に記載の防汚塗料組成物を塗装することを特徴とする塗装方法、
6. 4項又は5項に記載の塗装方法により、水中構造物表面に塗膜が形成されてなる塗装体、
に関する。
本発明の防汚塗料組成物によれば、形成される塗膜が、ゴム変形をする性質を有し、例えば水中生物などの接触の際などに大きく変形することができ、水中生物がその変形に追随出来ず、付着しにくい効果を有するものである。しかもシリコーンオイルが徐々に除放して、塗膜表層に浮き出てくることから、生物付着を抑制する効果がさらに向上し、水中生物が付着した場合であっても、水流により付着物が取り除かれやすい性質を有するものである。
ポリオール(A)
本発明においてポリオール(A)としては、従来公知のものが制限なく使用でき、分子中に少なくとも2個の水酸基を有する樹脂が挙げられ、例えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、水酸基含有エポキシ樹脂、水酸基含有アルキド樹脂等を挙げることができ、1種または2種以上を併用して用いることができる。中でも、ポリエーテルポリオール、ポリイソプレンポリオール及びポリカプロラクトンポリオールよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好適である。
上記ポリエーテルポリオールの具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAポリエチレングリコールエーテル、ビスフェノールAポリプロピレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンにポリプロピレングリコールを付加したトリオール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等、これらポリエーテルポリオールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加した化合物等が挙げられる。 本発明においては、形成塗膜の弾性が良好であることからポリオールとしてポリイソプレンポリオールを使用することが望ましい。
また、上記ポリオール(A)は、塗膜の弾性、強靭さの点から、重量平均分子量が、500〜20000、好ましくは1000〜4000の範囲内であることが望ましい。
本明細書において、重量平均分子量は、溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィにより測定した重量平均分子量をポリスチレンの重量平均分子量を基準にして換算したときの値である。
また、上記ポリオール(A)の水酸基価としては、20〜300mgKOH/g、好ましくは40〜200mgKOH/gの範囲内であることが望ましい。
また、上記ポリオール(A)には、1,3−ブチレングリコール、オクタンジオール、トリシクロデカンジメチロール、水添ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノールなどの低分子量グリコール類を必要により包含することができる。
ポリイソシアネート(B)
本発明の防汚塗料組成物において、硬化剤として用いられるポリイソシアネート(B)としては、分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を含有する化合物が挙げられ、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂肪族環式ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイソシアネートメチル等の脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。また、これら例示の化合物のビューレット体、ヌレート体、さらにはカプロラクトン等により変性したアダクト体であってもよく、これらは単独でもしくは2種以上併用して用いることができる。これらの中でも脂肪族ジイソシアネートが好適である。
上記ポリイソシアネート(B)の配合割合は、硬化性及び塗膜の弾性の点から、上記防汚塗料組成物中に含まれるOH基に対してポリイソシアネートのイソシアネート基の比が当量比で0.5〜1.5、好ましくは0.8〜1.2の範囲内になるように配合することが望ましい。
シリコーンオイル(C)
本発明において、HLBが1〜15の範囲内であるシリコーンオイル(C)としては、例えば、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン型シリコーンオイル、アルキル・ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン型シリコーンオイルなどの側鎖にポリオキシアルキレン基を有するポリエーテル変性シリコーンオイルなどが挙げられ、これらは単独で、又は2種以上併用して用いることができる。
本明細書において、シリコーンオイル(C)のHLB値は、シリコーンオイルの分子量をW、ポリエーテルの分子量をW1、ポリプロピルエーテルの分子量W2とすると{(W1+W2)/W}×20の式により算出することができる。HLB値が1未満では、本発明の防汚塗料組成物から形成される塗膜からの該シリコーンオイル(C)の溶出・染み出しが不十分となり、水中生物が付着しやすくなり、他方15を超えると、オイルの親水性が高すぎ、溶出速度が速すぎて、長期間の防汚性能が維持出来なくなるから好ましくない。
上記シリコーンオイル(C)の好ましいHLB値の範囲としては2〜10を挙げることができる。
上記シリコーンオイル(C)の配合量は、本発明の防汚塗料組成物から形成される塗膜物性とシリコーンオイル(C)の溶出期間の点から、ポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)の合計100重量部に対して20〜199重量部、好ましくは40〜80重量部の範囲内が好適である。
水酸基含有シリコーン樹脂(D)
本発明において、水酸基含有シリコーン樹脂(D)は、形成塗膜を撥水性にし、防汚性を向上させる役割と、上記ポリオール(A)と共に上記ポリイソシアネート(B)と反応して、形成塗膜に架橋構造を導入させ、該塗膜に弾性を与えるものであり、分子末端に水酸基を有するものが望ましい。また、水酸基はSi原子に結合していることが望ましい。
かかる水酸基含有シリコーン樹脂(D)として、市販品としては、「22−160AS」、「KF−6001」、「KF−6002」、「KF−6003」、「X−22−4015」、「X−22−170DX」(以上、信越化学社製)、「ライトホーベー5000」、「グラノール410」(以上共栄社化学社製)等があげられ、これらは単独で又は2種以上併用して使用できる。
上記水酸基含有シリコーン樹脂(D)は10〜100mgKOH/g、好ましくは30〜80mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有することが望ましい。
該水酸基含有シリコーン樹脂(D)は、塗膜表面の表面張力およびシリコーンオイル(C)との相溶性の点から、本発明の防汚塗料組成物の樹脂固形分中に0.1〜10重量%、0.5〜10重量%、さらに好ましくは2〜8重量%含まれることが望ましい。
また、本発明の防汚塗料組成物は、水中構造物に適用した場合において、水中における生物など異物付着防止効果を向上させるために当該分野にて公知の防汚剤を必要に応じて含有することもできる。
該防汚剤としては、例えば、トリフェニルボロン・アミン錯体、テトラフェニルボロン・アンモニウム塩、トリフェニルボロンピリジン塩等のボロン系化合物;ジンクピリチオン、銅ピリチオン等の金属ピリチオン系化合物;ビス(トリフェニルスズ)オキサイド、ビス(トリブチルスズ)オキサイド、トリブチルスズアセテート、トリブチルスズクロライド、トリフェニルスズハイドロオキサイド、トリフェニルスズバーサテート、ビス(トリブチルスズ)α、α´−ジブロムサクシネート等の有機錫系化合物;テトラメチルチウラムジスルファイド等の含窒素硫黄系化合物;ジンクジメチルジチオカーバメート、マンガン−2−エチレンビスジチオカーバメート等の金属ジチオカルバミン酸化合物;2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル等のニトリル系化合物;N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素等の尿素系化合物、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン系化合物;2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド等のマレイミド系化合物;2−メチルチオ−4−tert−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン等のトリアジン系化合物、塩基性酢酸銅、亜鉛化銅、チオシアン銅、銅粉末等の銅系防汚剤;ベンゾチアゾール系化合物等が挙げられ、単独でもしくは2種以上併用して使用することができる。
上記防汚剤を配合する場合はその配合量は、形成塗膜の耐ワレ性の点から、防汚塗料組成物の樹脂固形分に対して300重量%以下、好ましくは250重量%以下とすることが適当である。
本発明の防汚塗料組成物は、顔料を含有していてもよく、好適な顔料としては、特に限定されるものではないが、酸化亜鉛、ベンガラ、タルク、酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、ベントナイト、バリタ、フタロシアニンブルー、カーボンブラック、紺青などがあげられ、これらは単独であるいは2種以上を組み合せて使用できる。
本発明の防汚塗料組成物には、さらに必要に応じて、フタル酸系の可塑剤;キシレン樹脂、クマロン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の改質用樹脂、防腐剤、防カビ剤、防藻剤、抗菌剤、湿潤剤、消泡剤、増粘剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、艶消し剤、染料、酸化防止剤、界面活性剤、造膜助剤、香料等の添加剤;有機溶剤等の塗料用添加剤を適宜配合することができる。
上記の通り得られる本発明の防汚塗料組成物は、通常、成分(A)、(B)及び(D)を含む成分を主剤とし、成分(C)を硬化剤とする2液型塗料として提供され、使用直前に混合され塗布に供される。
上記防汚塗料組成物は、刷毛塗り、吹付け塗り、ローラー塗り、浸漬等の公知の手段で塗布することができる。その塗布量は、一般的に、乾燥膜厚として25〜500μm、好ましくは75〜300μmの範囲内が適当である。塗膜の乾燥は室温(例えば40℃以下)で行うことができるが、必要に応じて加熱乾燥を行ってもよい。
上記防汚塗料組成物は、形成塗膜が適度なゴム変形(小さな外力で大きい変形を起こし、外力を除くと急速に殆どもとの形に戻る性質)をすることが可能であり、具体的にはポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)及び水酸基含有シリコーン樹脂(D)から形成される塗膜の弾性率が1500mN/mm以下、300〜1500mN/mm、さらには500〜1200mN/mm、且つ弾性変形率が90%以上、特に95%以上とすることができる。
該塗膜の弾性率が1500mN/mmを超えると、塗膜が硬くなり、水中生物が付着しやすくなることがあり、他方、弾性変形率が90%未満では、塗膜が外力による変形後もとに戻りにくい性質になり、水中生物が付着しやすくなることがある。
一般に弾性率は、物体が弾性限界内で変化するときの応力とひずみの比を意味し、本明細書においては、20℃、一週間の乾燥条件で作成した乾燥膜厚が100μmのフリー塗膜を試験片として、引っ張り試験機「EZ−TEST」(商品名、SIMADZU社製)を用いて、測定条件を200mm/minで測定した値(mN/mm)とする。
また、弾性変形率は、弾性エネルギー(We)と塑性エネルギー(Wr)の和に対する弾性エネルギーの割合であり、本明細書においては、塩化ビニル板に試料を乾燥膜厚が100μmとなるように20℃、1週間の乾燥条件で作成した試験体を、フィッシャー硬度計「FISCHER SCOPE H−100」(商品名、FISCHER社製)を用いて、測定条件を荷重10mN、モード:LOADING+CREEP+UNLOADING+CREEPに設定して測定した値(%)とする。
また、上記防汚塗料組成物において、ポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)及び水酸基含有シリコーン樹脂(D)から形成される塗膜の表面張力は、一般に、20dyne/cm以上、特に20〜60dyn/cmの範囲内とすることができる。
本明細書において、塗膜の表面張力は、塩化ビニル板に試料を乾燥膜厚が150μmとなるように20℃、1週間の乾燥条件で作成した試験体を用いて、接触角計「FACE」(商品名、協和界面科学株式会社製)を用いて、20℃雰囲気で水およびパラフィンを滴下した時の接触角を測定して、算出した値とする。
本発明方法は、水中構造物表面に、上記防汚塗料組成物を塗装することを特徴とする塗装方法である。
本発明方法が適用される水中構造物としては、船舶、パイプライン、橋梁、発電所の導水路管、海底基地、海底油田掘削設備、養殖網、定置網などが挙げられる。
本発明方法において、該水中構造物表面としては、上記水中構造物基体に直接又は該基体に旧塗膜が設けられてなる旧塗装面を包含し、さらに、該水中構造物基体又は該基体に旧塗膜が設けられてなる旧塗装面上に、あらかじめ下塗り塗料による下塗り塗膜を設けたものであってもよい。かかる下塗り塗膜としては、ウォッシュプライマー、ジンクエポキシ系ショッププライマー等のプライマー類を塗布して形成させたプライマー塗膜;ビニルタール系、油性サビ止め、塩化ゴム系、エポキシ系等の下塗りプライマー類を塗布して形成した下塗りプライマー塗膜;プライマー及び下塗りプライマーの塗料を塗布して形成させた複層塗膜等が挙げられる。
本発明方法においては、下塗り塗膜として、エポキシ系の下塗りプライマー塗膜をあらかじめ設けることが望ましい。
本発明方法においては、水中構造物表面に、上記ポリオール(A)及び上記ポリイソシアネート(B)を含有するウレタン系塗料を中塗り塗料として塗装した後、該塗膜上に上記防汚塗料組成物を塗装することが望ましい。これにより、水中構造物表面にゴム変形を有する複層塗膜を形成でき、水中生物に付着を抑制する効果が向上するものである。
上記ポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)としては、上記防汚塗料組成物の説明で列記したものと同様のものを使用することができる。
上記ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)の配合割合は、硬化性及び塗膜の弾性の点から、上記ポリオールのOH基に対してポリイソシアネートのイソシアネート基の比が当量比で0.5〜1.5、好ましくは0.8〜1.2の範囲内になるように配合することが望ましい。
また、上記ウレタン系塗料は、水中構造物又は上記防汚上塗り塗膜との付着性を向上させる目的から、シランカップリング剤を含有することが望ましい。かかるシランカップリング剤としては、具体的にはN−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルジメトキシエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のエポキシ系シランカップリング剤等が挙げられる。
該シランカップリング剤は、上記ウレタン系塗料の樹脂固形分に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%の範囲内で使用することが好適である。
上記ウレタン系塗料は、必要に応じて、フタル酸系の可塑剤;キシレン樹脂、クマロン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の改質用樹脂;酸化チタン、酸化鉄、タルク、シリカ、カオリン、マイカ、アルミナ、炭酸カルシウム等の顔料;防腐剤、防カビ剤、防藻剤、抗菌剤、湿潤剤、消泡剤、増粘剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、艶消し剤、染料、酸化防止剤、界面活性剤、造膜助剤、香料等の添加剤;有機溶剤等を配合することができる。
上記ウレタン系塗料は、通常、2液型塗料として提供され、使用直前に混合され塗布に供される。
本発明方法において、上記ウレタン系塗料から形成される塗膜は、適度なゴム変形を有することができ、具体的には該ウレタン系塗料に含まれる樹脂成分による塗膜の弾性率が1500mN/mm以下、300〜1500mN/mm、さらには500〜1200mN/mm且つ弾性変形率が90%以上、95%以上とすることができる。
また、上記ウレタン系塗料において、樹脂成分から形成される塗膜の表面張力は、一般に、20dyne/cm以上、特に20〜60dyn/cmの範囲内とすることができる。
上記ウレタン系塗料は、刷毛塗り、吹付け塗り、ローラー塗り、浸漬等の公知の手段で塗布することができる。その塗布量は、一般的に、乾燥膜厚として25〜500μm、好ましくは75〜300μmの範囲内が適当である。塗膜の乾燥は室温(例えば40℃以下)で行うことができるが、必要に応じて加熱乾燥を行ってもよい。
つぎに、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ウレタン系中塗り塗料の製造
製造例1
「Poly ip」(注1)100部、タルク100部、チタン白20部、タレ止め剤3部、「SH6040」(商品名、東レダウコーニング(株)エポキシ系シランカップリング剤)1部、ジブチル錫ジラウレートの10%キシレン溶液0.5部を均一化するまで混合攪拌し、ベース塗料を作成した。次いで「レタン6000硬化剤」(商品名、関西ペイント社製、ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート、有効成分50%、イソシアネート含量11.3%)を45部を塗装直前に混合攪拌し、均一化させてウレタン系中塗り塗料を得た。該中塗り塗料の樹脂成分から形成されるクリヤー塗膜の弾性率は1200mN/mm、弾性変形率が100%、表面張力が32dyne/cmであった。
ウレタン系上塗り防汚塗料の製造
実施例1〜12及び比較例1〜8
表1の配合組成に基づき、表1の主剤を均一化するまで混合攪拌し、各主剤を作成した。つぎに、表1の組成に準じて各主剤に各硬化剤を塗装の直前に混合、攪拌し、均一なウレタン系上塗り防汚塗料を調製した。
試験塗板の作成
10cm×30cmのサンドブラスト板にエポキシ系防食塗料を乾燥膜厚が300μmとなるように塗装し、上記製造例1で得られたウレタン系中塗り塗料をエアスプレーを用いて乾燥塗膜膜厚が200μmになるように塗装し、20℃で1日乾燥させて、ウレタン系中塗り塗膜を形成した。次いで該塗膜上に、上記実施例及び比較例で得られた各ウレタン系上塗り防汚塗料をハケを用いて乾燥塗膜膜厚が100μmになるように塗装し、20℃で7日以上乾燥させて、ポリウレタン防汚塗膜を形成、浸漬試験用の試験板を得た。
性能評価
上記各試験塗板を用いて、下記性能評価に供した。結果を表1に併せて示す。表中には各ウレタン系上塗り防汚塗料の樹脂成分からシリコーンオイルを除いたクリヤー塗膜の弾性率、弾性変形率の値を併記した。測定方法は、明細書の記載に準じて行った。
Figure 2006045339
(注1)「Poly ip」:商品名、出光石油化学(株)社製、ポリイソプレンジオール、重量平均分子量2500、水酸基価46.6
(注2)「L220AL」:商品名、ダイセル化学(株)社製、ポリカプロラクトンジオール、重量平均分子量2000、水酸基価53〜59
(注3)「CM211」:商品名、旭電化(株)社製、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、水酸基価100
(注4)「ライトホーベー500」:商品名、共栄化学社製、水酸基を有するオルガノポリシロキサン
(注5)「グラノール410」:商品名、共栄化学社製、水酸基を有するオルガノポリシロキサン、水酸基価40〜50mgKOH/g
(注6)「XL604」:商品名、東レ・ダウコーニング社製、ポリオキシアルキレン鎖を側鎖に有するポリエーテル変性シリコーンオイル、HLB2.0
(注7)「SH8400」:商品名、東レ・ダウコーニング社製、ポリオキシアルキレン鎖を側鎖に有するポリエーテル変性シリコーンオイル、HLB8.0
(注8)「510K」:商品名、東レ・ダウコーニング社製、シリコーンオイル、HLB0
(注9)「レタン6000硬化剤」:商品名、関西ペイント社製、ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート、有効成分50%、イソシアネート含量11.3%
(注10)「E−402−90T」:商品名、旭化成ケミカルズ(株)社製、カプロラクトン変性ヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤、有効成分90%、イソシアネート含量8.5%
評価基準
(*1)塗膜外観:各試験体の表面状態を目視で評価した。
○:ワレがなく良好、×:ワレが認められる
(*2)テープ剥離性:耐生物付着性を各試験体に対するテープの付着し難さにより評価した。
○:試験体に付着させたテープを容易に剥がすことができる、○△試験体に付着させたテープを剥がすのに若干力を要する、×:試験体に付着させたテープを剥がすのにかなり強い力を要する
(*3)防汚性:表2記載の浸漬期間後の試験板に対する貝類などの付着面積を目視で観察し、下記基準を目安として5段階で評価した。また、ローター試験とは、水流による剥離/摩耗、物理的ダメージを評価する試験であり、海上にある筏に取り付けてある船の運航速度をシュミレーションした、海水中で15ノットの回転速度で動いている試験機に試験塗板を装着して評価した。この場合は、試験塗板に用いる基材として7.5×15cmのサンドブラスト板を使用した。
5点:付着物がほとんどなし良好、3点:付着物の面積が50%程度、0点:付着物の面積がほぼ100%

Claims (6)

  1. (A)ポリオール、(B)ポリイソシアネート、(C)HLBが1〜15のシリコーンオイル及び(D)水酸基含有シリコーン樹脂を含有する防汚塗料組成物。
  2. ポリオール(A)が、ポリイソプレンポリオール、ポリカプロラクトンポリオール及びポリエーテルポリオールよりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の防汚塗料組成物。
  3. 水酸基含有シリコーン樹脂(D)が、塗料中の樹脂固形分中に0.1〜10重量%の範囲内で含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の防汚塗料組成物。
  4. 水中構造物表面に、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の防汚塗料組成物を塗装することを特徴とする塗装方法。
  5. 水中構造物表面に、ポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)を含有するウレタン系塗料を中塗り塗料として塗装した後、該塗膜上に請求項1ないし3のいずれか1項に記載の防汚塗料組成物を塗装することを特徴とする塗装方法。
  6. 請求項4又は5に記載の塗装方法により、水中構造物表面に塗膜が形成されてなる塗装体。
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