JP2015106601A - 半導体装置 - Google Patents

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章裕 柳瀬
Akihiro Yanase
章裕 柳瀬
真生 関
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Abstract

【課題】装置の大型化を招くことなく、コモンモードノイズを低減するための容量を形成することができる半導体装置を提供する。
【解決手段】本発明の一態様による半導体装置は、導電性を有する構造体上に絶縁体を介して配置された第1電極部材と、前記第1電極部材上に配置され、前記第1電極部材に電流路の一端が接続された第1スイッチング素子が形成された第1半導体層と、前記構造体上に絶縁体を介して配置され、前記第1スイッチング素子の電流路の他端に電気的に接続された第2電極部材と、前記第2電極部材上に配置され、前記第2電極部材に電流路の一端が接続された第2スイッチング素子が形成された第2半導体層と、前記第2半導体層上に配置され、前記第2スイッチング素子の電流路の他端に接続された第3電極部材と、前記第3電極部材上に配置され、前記第3電極部材と前記構造体との間に容量を形成する容量形成部材と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体装置に関し、例えば車両走行用モータを駆動するための車両駆動システム等に備えられる半導体装置に関する。
従来、車両走行用モータを駆動するための車両駆動システムがサージやコモンモードノイズを発生させることが知られている。この現象は、車両駆動システムに給電するための配線に存在する配線インダクタンスや、車両駆動システムに備えられた半導体装置の内部に存在する浮遊容量などに起因している。
図8は、従来技術による車両駆動システムが発生させるサージおよびコモンモードノイズを説明するための図であり、図8(A)は、サージ(電圧)を形成する出力電圧Voutと出力電流Ioutの各波形例を示し、図8(B)は、コモンモードノイズを形成するコモンモード電圧Vcomとコモンモード電流Icomの各波形例を示す図である。
図8(A)に示すように、車両駆動システムの出力電圧Voutおよび出力電流Ioutが遷移する際、上述の配線インダクタンスや浮遊容量に起因してサージが発生する。この場合、図8(B)に示すように、車両駆動システムと車両のボディとの間の浮遊容量を介して車両のボディにコモンモード電流Icomおよびコモンモード電圧Vcomが誘起される。これらコモンモード電流Icomおよびコモンモード電圧Vcomによりコモンモードノイズが形成され、これが放射ノイズとなる。
近年、次世代の半導体スイッチング素子(例えば、SiCMOSFET, SiCJFET, GaN-HEMT, GaN-FETなど)の登場により、スイッチング動作(オン/オフ動作)が高速化する傾向にある。スイッチング動作が高速化すると、スイッチング時の電流または電圧の急激な変化によって、上述のサージやコモンモードノイズが増加する。このような状況に鑑みて、本願と同一出願人により、コモンモードノイズを低減する半導体装置が提案された(例えば、特許文献1参照)。
図9は、特許文献1に開示されたコモンモードノイズを低減する従来技術による半導体装置100を備えた車両駆動システムの回路構成例を示す図である。この従来技術による半導体装置100を備えた車両駆動システムは、バッテリBATの直流電力を交流電力に変換して、車両走行用モータ(3相交流モータ)Mの巻線に相当する負荷LOAD(M)に供給する。なお、図9では、説明の簡略化のため、車両走行用モータの他の2相分の巻線に相当する負荷と、これら2相分の巻線に相当する負荷を駆動するための半導体装置100の構成要素が省略されている。また、車両走行用モータMの各相の巻線の他端は、中性点Nに共通に接続されている。
図9において、半導体装置100の正電極端子Tpおよび負電極端子Tnは、それぞれ、バッテリBATの正電極および負電極に接続されている。正電極端子Tpおよび負電極端子Tnを介してバッテリBATから半導体装置100に直流電力が入力される。半導体装置100の内部には、正電極端子Tpと負電極端子Tnとの間にIGBT(Insulated-Gate Bipolar Transistor)等のスイッチング素子Q1,Q2が直列接続されて備えられている。スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との間の接続点には出力電極端子Toが設けられており、この出力電極端子Toに負荷LOADが接続される。スイッチング素子Q1,Q2がスイッチングして交互にオンすることにより、出力電極端子Toを介して交流電力が負荷LOADに供給される。
なお、図9において、コンデンサCxはバッテリBATから供給される直流電力の電圧を平滑化するためのものである。浮遊容量Cs1,Cs2は、スイッチング素子Q1,Q2のコレクタとエミッタとの間に形成される浮遊容量である。浮遊容量Cs3は、正電極端子Tpに繋がる半導体装置内部の導電部材と車両のボディBDYとの間に形成される浮遊容量である。浮遊容量Cs4は、出力電極端子Toに繋がる半導体装置内部の導電部材と車両のボディBDYとの間に形成される浮遊容量である。浮遊容量Cs5は、負電極端子Tnに繋がる半導体装置内部の導電部材と車両のボディBDYとの間に形成される浮遊容量である。浮遊容量Cbは、バッテリBATの負電極と車両のボディBDYとの間に形成される浮遊容量である。この浮遊容量Cbは、コモンモード電流Icomの帰線路を形成する。ダイオードD1,D2は還流ダイオードである。インダクタンスLsは、配線に寄生する配線インダクタンスである。
上述の従来技術では、正電極端子Tpの浮遊容量Cs3と負電極端子Tnの浮遊容量Cs5の各容量値を調整することにより、コモンモードノイズを形成するコモンモード電流Icomを抑制する効果を得ている。このようなコモンモードノイズの抑制効果を得るためには、浮遊容量Cs4に対し、浮遊容量Cs3および浮遊容量Cs5の容量値として比較的大きな容量値を確保する必要がある。上述の従来技術の場合、浮遊容量Cs3の容量値は、主としてスイッチング素子Q1のコレクタ電極と車両のボディBDYとの間に存在する寄生コンデンサにより確保され、浮遊容量Cs5の容量値は、主としてスイッチング素子Q2のエミッタ電極と車両のボディBDYとの間に存在する寄生コンデンサにより確保されている。なお、出力電極端子Toの浮遊容量Cs4は小さい方が望ましい。
特開2012− 19510号公報
上述の従来技術によれば、コモンモードノイズの抑制に寄与する浮遊容量Cs3,Cs5の容量値を確保するために、スイッチング素子Q1、Q2の電極面積を大きくすると、装置が大型化する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、装置の大型化を招くことなく、コモンモードノイズを低減するための容量を形成することができる半導体装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、導電性を有する構造体上に絶縁体を介して配置された第1電極部材と、前記第1電極部材上に配置され、前記第1電極部材に電流路の一端が接続された第1スイッチング素子が形成された第1半導体層と、前記構造体上に絶縁体を介して配置され、前記第1スイッチング素子の電流路の他端に電気的に接続された第2電極部材と、前記第2電極部材上に配置され、前記第2電極部材に電流路の一端が接続された第2スイッチング素子が形成された第2半導体層と、前記第2半導体層上に配置され、前記第2スイッチング素子の電流路の他端に接続された第3電極部材と、前記第3電極部材上に配置され、前記第3電極部材と前記構造体との間に容量を形成する容量形成部材と、を備えた半導体装置の構成を有する。
上記本発明の一態様において、例えば、前記容量形成部材は、前記第3電極部材に電気的に接続された第1容量電極と、前記第1容量電極と対向するように配置された第2容量電極と、前記第1容量電極と前記第2容量電極との間に配置された誘電体層と、を備え、前記第3電極部材の取り出し端子の延出方向とは異なる方向に位置する前記第2半導体層の端面側に位置するようにして、前記容量形成部材の第2容量電極と前記構造体とを接続する導電部材が配置される。
上記本発明の一態様において、例えば、前記構造体上の絶縁体とは別に、前記第1半導体層上に配置された絶縁体を更に備え、前記容量形成部材は、前記第1半導体層上に配置された絶縁体上に延在するように配置される。
上記本発明の一態様において、例えば、前記構造体上の絶縁体とは別に、前記第1半導体層上に配置された絶縁体を更に備え、前記第1半導体層上に配置された絶縁体上に配置され、前記第1電極部材と前記構造体との間に容量を形成する第2容量形成部材を更に備える。
上記本発明の一態様において、例えば、前記第2容量形成部材は、前記第1半導体層上に配置された絶縁体上に配置された第3容量電極と、前記第3容量電極と対抗するように配置された第4容量電極と、を備え、前記第3容量電極と前記第1電極部材が電気的に接続されるとともに、前記第4容量電極と前記構造体とを接続する導電部材が配置される。
上記本発明の一態様において、例えば、前記第1電極部材および前記第3電極部材の一方は、バッテリの正電極に接続され、前記第1電極部材および前記第3電極部材の他方は、前記バッテリの負電極に接続される。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、導電性を有する構造体上に絶縁体を介して配置された出力電極部材と、前記出力電極部材上に配置され、前記出力電極部材に電流路の一端が接続されたスイッチング素子が形成された半導体層と、前記半導体層上に配置され、前記スイッチング素子の電流路の他端に接続された電源電極部材と、前記電源電極部材上に配置され、前記電源電極部材と前記構造体との間に容量を形成する容量形成部材と、を備えた半導体装置の構成を有する。
上記本発明の各態様において、例えば、前記構造体はヒートシンク又はウォータージャケット又はヒートスプレッダである。
本発明の一態様によれば、装置の大型化を招くことなく、コモンモードノイズを低減するための容量を形成することができる。
本発明の第1実施形態による半導体装置を備えた車両駆動システムの回路構成例の全体を概略的に示す図である。 本発明の第1実施形態による半導体装置を備えた車両駆動システムの回路構成例の一部を概略的に示す図であり、寄生インダクタおよび浮遊容量を示す図である。 本発明の第1実施形態による半導体装置の構成例を模式的に示す図であり、(A)は半導体装置の上面図であり、(B)は、A−A’線での断面図であり、(C)は、B−B’線での断面図である。 本発明の第1実施形態による半導体装置の構成例を模式的に示す図であり、(A)は半導体装置の上面図であり、(B)は、半導体装置の側面図である。 本発明の第2実施形態による半導体装置の構成例を模式的に示す図であり、(A)は半導体装置の上面図であり、(B)は、D−D’線での断面図である。 本発明の第3実施形態による半導体装置を備えた車両駆動システムの回路構成例の全体を概略的に示す図である。 本発明の第3実施形態による半導体装置の構成例を模式的に示す図であり、(A)は半導体装置の上面図であり、(B)は、E−E’線での断面図である。 従来技術による半導体装置を備えた車両駆動システムが発生させるサージおよびコモンモードノイズを説明するための図であり、(A)は、サージを形成する半導体装置の出力電圧と出力電流の各波形例を示し、(B)は、コモンモードノイズを形成するコモンモード電圧とコモンモード電流の各波形例を示す図である。 コモンモードノイズを低減する従来技術による半導体装置を備えた車両駆動システムの回路構成例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による半導体装置1Aを備えた車両駆動システム1の回路構成の全体を概略的に示す図である。本実施形態では、車両駆動システム1は、車両走行用モータMを駆動するためのものである。車両駆動システム1に備えられた半導体装置1Aは、車両走行用モータM(3相交流モータ)を駆動するための制御系のパワーモジュールを構成し、バッテリBATから供給される直流電力を3相交流電力に変換して車両走行用モータMの各相の巻線に供給する。ただし、この例に限らず、本発明による半導体装置1Aは、車両駆動システムに限らず、任意の電力変換装置や駆動装置等に適用することができる。
半導体装置1Aの正電極端子Tpには、配線Wpを介してバッテリBATの正電極が接続され、半導体装置1Aの負電極端子Tnには、配線Wnを介してバッテリBATの負電極が接続される。配線Wpと配線Wnとの間には、平滑用のコンデンサCxが接続されている。コンデンサCxは所謂Xコンデンサを構成する。また、配線Wpと車両のボディBDYとの間にはコンデンサCy1が接続され、配線Wnと車両のボディBDYとの間にはコンデンサCy2が接続されている。これらコンデンサCy1,Cy2は所謂Yコンデンサを構成する。半導体装置1Aの出力電極端子To1,To2,To3には、それぞれ、車両走行用モータMの各相(U相、V相、W相)の巻線の一端が接続される。
半導体装置1Aは、スイッチング素子Q11,Q21,Q12,Q22,Q13,Q23(以下、スイッチング素子Q11〜Q23と称す。)と、ダイオードD11,D21,D12,D22,D13,D23と、コンデンサ(容量形成部材)C1とを備えている。本実施形態では、スイッチング素子Q11〜Q23は、IGBT(Insulated-Gate Bipolar Transistor)である。ただし、スイッチング素子Q11〜Q23は、IGBTに限定されず、スイッチング動作(オン/オフ動作)が可能であることを限度として、任意の半導体素子であり得る。
スイッチング素子Q11のコレクタは正電極端子Tpに接続され、スイッチング素子Q11のエミッタにはスイッチング素子Q21のコレクタが接続され、スイッチング素子Q21のエミッタは負電極端子Tnに接続されている。スイッチング素子Q11のコレクタおよびエミッタには、それぞれ、ダイオードD11のカソードおよびアノードが接続され、スイッチング素子Q21のコレクタおよびエミッタには、それぞれ、ダイオードD21のカソードおよびアノードが接続されている。スイッチング素子Q11とスイッチング素子Q21との間の接続点には出力電極端子To1が接続されている。出力電極端子To1には車両走行用モータMの例えばU相の巻線の一端が接続される。
同様に、スイッチング素子Q12のコレクタは正電極端子Tpに接続され、スイッチング素子Q12のエミッタにはスイッチング素子Q22のコレクタが接続され、スイッチング素子Q22のエミッタは負電極端子Tnに接続されている。スイッチング素子Q12のコレクタおよびエミッタには、それぞれ、ダイオードD12のカソードおよびアノードが接続され、スイッチング素子Q22のコレクタおよびエミッタには、それぞれ、ダイオードD22のカソードおよびアノードが接続されている。スイッチング素子Q12とスイッチング素子Q22との間の接続点には出力電極端子To2が接続されており、出力電極端子To2には車両走行用モータMの例えばV相の巻線の一端が接続される。
また同様に、スイッチング素子Q13のコレクタは正電極端子Tpに接続され、スイッチング素子Q13のエミッタにはスイッチング素子Q23のコレクタが接続され、スイッチング素子Q23のエミッタは負電極端子Tnに接続されている。スイッチング素子Q13のコレクタおよびエミッタには、それぞれ、ダイオードD13のカソードおよびアノードが接続され、スイッチング素子Q23のコレクタおよびエミッタには、それぞれ、ダイオードD23のカソードおよびアノードが接続されている。スイッチング素子Q13とスイッチング素子Q23との間の接続点には出力電極端子To3が接続されており、出力電極端子To3には車両走行用モータMの例えばW相の巻線の一端が接続される。
なお、車両走行用モータMの各相の巻線の他端は、後述の図2に示す中性点Nに共通に接続されている。
スイッチング素子Q21,Q22,Q23の各エミッタと、車両のボディBDYに繋がるグランド接続端子Tgとの間には、コモンモードノイズを抑制するための本実施形態の特徴部に関連するコンデンサC1が接続されている。本実施形態では、後述する例えば図3(A)〜(C)に示すように、コンデンサC1は、容量形成部材80Aとしてスイッチング素子Q21上に積層するようにして配置されている。ただし、この例に限定されず、コンデンサC1は、その他の任意のスイッチング素子上に積層して備えられてもよく、また、各スイッチング素子上に個別的または選択的に備えられても良い。また、本実施形態では、コンデンサC1は、デバイス構造上、スイッチング素子Q21,Q2,Q23の各エミッタ電極の近傍に配置されている。
なお、コンデンサC1の一方の電極は、スイッチング素子Q21,Q22,Q23の各エミッタに限らず、コモンモードノイズを抑制することができることを限度に、スイッチング素子Q21,Q22,Q23の各エミッタに電気的に接続される導電部材の任意の部位に接続することも可能である。また、コンデンサC1の他方の電極は、コモンモード電流の経路を形成する車両の任意の部位に接続することも可能である。コンデンサC1のデバイス構造上の詳細については後述する。
図2は、図1に示す本発明の第1実施形態による半導体装置1Aを備えた車両駆動システム1の回路構成例の一部を概略的に示す図であり、回路における代表的な寄生インダクタ(Ls)および浮遊容量Cb,Co,Cs1,Cs2,Cs3,Cs4,Cs5を示す図である。
図2では、図1に示す車両走行用モータMのU相の巻線に相当する負荷LOADを駆動するための構成要素のみが示されており、残りのV相およびW相の各巻線に相当する負荷を駆動するための要素(例えば、スイッチング素子Q12,Q22,Q13,Q23など)は省略されている。
以下では、説明の簡略化のため、車両走行用モータMのU相の巻線に相当する負荷LOADを駆動するためのスイッチング素子Q11,Q21に関連する要素に着目して説明するが、車両走行用モータMのV相およびW相の巻線に相当する負荷を駆動するためのスイッチング素子Q12,Q22、Q13,Q23等に関連する要素についてもスイッチング素子Q11,Q21に関連する要素等と同様である。
図2に示すように、半導体装置1Aの内部において、スイッチング素子Q11のコレクタとエミッタとの間には浮遊容量Cs1が形成され、スイッチング素子Q21のコレクタとエミッタとの間には浮遊容量Cs2が形成されている。正電極端子Tpに繋がる配線等の導電部材と車両のボディBDYとの間には浮遊容量Cs3が形成され、出力電極端子To1に繋がる配線等の導電部材と車両のボディBDYとの間には浮遊容量Cs4が形成され、スイッチング素子Q21のエミッタに繋がる配線等の導電部材と車両のボディBDYとの間には浮遊容量Cs5が形成されている。各構成要素を接続する配線には寄生インダクタンス(Ls)が存在する。また、車両のボディBDYとバッテリBATの負電極との間には、コモンモード電流の帰線路を形成する浮遊容量Cbが存在する。
本実施形態では、そのデバイス構造上、スイッチング素子Q11のコレクタと車両のボディBDYとの間に存在する浮遊容量Cs3に対し、スイッチング素子Q21のエミッタと車両のボディBDYとの間に存在する浮遊容量Cs5の容量値が小さくなっている。コンデンサC1(容量形成部材)は、スイッチング素子Q21のエミッタと車両のボディBDYとの間に形成される浮遊容量Cs5に対して電気的に並列接続されている。本実施形態では、このようにコンデンサC1を浮遊容量Cs5と並列接続することにより、浮遊容量Cs5の見かけ上の容量値を浮遊容量Cs3の容量値に合わせている。即ち、浮遊容量Cs5とコンデンサC1との合成容量値は、浮遊容量Cs3と概ね等しく設定される。これにより、後述するようにコモンモード電流Icomを抑制する効果を得ている。
車両のボディBDYに誘起されるコモンモード電流Icomは、浮遊容量Cs3と浮遊容量Cs5により形成される所謂Yコンデンサにより抑制し得ることから、このコモンモード電流Icomを抑制するためには、本来、浮遊容量Cs3と浮遊容量Cs5との容量値の差が数パーセント程度以内であることが望ましい。第1実施形態では、見かけ上、そのような条件が満足されるようにコンデンサC1の容量値が設定される。
例えば、浮遊容量Cs5とコンデンサC1とを合成した容量を合成容量Cs51とすれば、浮遊容量Cs3の容量値と合成容量Cs51の容量値との差が浮遊容量Cs3の容量値の数パーセント以内になるように、コンデンサC1の容量値が設定される。ただし、この例に限定されず、コモンモードノイズを抑制することができる限度において、コンデンサC1の容量値は任意に設定し得る。
図3は、本発明の第1実施形態による半導体装置1Aの構成例を模式的に示す図であり、半導体装置1Aのデバイス構造の一例を示す。図3の例では、スイッチング素子Q11,Q21に関連した要素のみを示している。ここで、図3(A)は半導体装置1Aの上面図であり、図3(B)は、図3(A)に示すA−A’線での断面図であり、図3(C)は、図3(A)に示すB−B’線での断面図である。
図3(A)および図3(B)を参照すると、導電性を有する放熱用の構造体であるヒートシンクHS上に導電部材10が配置され、この導電部材10上に絶縁体20を介してスイッチング素子Q21の電極部材32(第1電極部材)が配置されている。本実施形態では、ヒートシンクHSは、グランド接続端子Tgに電気的に接続されており、グランド接続端子Tgを介して車両のボディBDYと電気的に接続されている。
なお、本実施形態において、例えば、「ヒートシンクHS上に導電部材10が配置され」なる表現における「上」は、ヒートシンクHSの表面に導電部材10が接するようにして配置されることを意味し、ヒートシンクHSを通る鉛直線の上方向に限定されない任意の方向に導電部材10がヒートシンクHSと接するように配置され得ることを意味する。その他の類似の表現についても同様である。
電極部材32は、導電部材43に接続され、導電部材43を介して出力電極端子To1に電気的に接続されている。電極部材32上には半導体層47が配置されている。半導体層47には、電極部材32に電流路の一端(コレクタ)が接続されたスイッチング素子Q21が形成されている。半導体層47上には、電極部材としてのバスバー52が配置されている。バスバー52には、半導体層47に形成されたスイッチング素子Q21の電流路の他端(エミッタ)が電気的に接続されている。バスバー52は、導電部材42に接続され、導電部材42を介して負電極端子Tnに電気的に接続されている。
バスバー52上には、容量形成部材80A(容量基板)として、導電部材81A(第1容量電極)、絶縁体(誘電体層)82A、導電部材83A(第2容量電極)が積層されている。容量形成部材80Aは、コンデンサC1を構成し、負電極端子Tnに繋がる電極部材であるバスバー52と放熱用の構造体であるヒートシンクHSとの間に容量(コンデンサC1の容量)を形成するためのものである。本実施形態では、ヒートシンクHSはグランド接続端子Tgに接続されているので、容量形成部材80Aは、ヒートシンクHSに接続されたグランド接続端子Tgとバスバー52との間に容量を形成する。ただし、この例に限定されず、容量形成部材80Aによる容量の形成部位は、コモンモード電流を抑制することができることを限度として任意である。
容量形成部材80Aは、バスバー52に電気的に接続された第1容量電極としての導電部材81Aと、導電部材81Aと対向するように配置された第2容量電極としての導電部材83Aと、導電部材81Aと導電部材83Aとの間に配置された誘電体層としての絶縁体82Aとを備えている。このうち、導電部材81A,83Aは、コンデンサC1の対向電極に相当し、絶縁体82Aは、コンデンサの対向電極間に配置された誘電体層に相当する。導電部材83Aは、後述する導電部材90(図4)を介してヒートシンクHSと電気的に接続されている。導電部材81Aは、例えば導電性接着剤によりバスバー52に取り付けられる。
図3(B)から理解されるように、半導体層47に形成されたスイッチング素子Q21に着目すれば、半導体装置1Aは、放熱用の構造体であるヒートシンクHS上に、導電部材10、絶縁体20、電極部材32、半導体層47、バスバー52、容量形成部材80A(導電部材81A、絶縁体82A、導電部材83A)を積層して備えている。なお、ダイオードD21が形成された半導体層48は、スイッチング素子Q21が形成された半導体層47と共に、電極部材32とバスバー52との間に配置され、ダイオードD21のカソードは、導電部材32に電気的に接続され、そのアノードはバスバー52に電気的に接続されている。
次に、図3(A)および図3(C)を参照すると、ヒートシンクHS上には、絶縁体20を介して、上述のスイッチング素子Q21の電流路の他端に電気的に接続された電極部材31(第2電極部材)が配置されている。電極部材31は、導電部材41を介して正電極端子Tpに電気的に接続されている。電極部材31上には、この電極部材31に電流路の一端(コレクタ)が接続されたスイッチング素子Q11が形成された半導体層45が配置されている。半導体層45上には、スイッチング素子Q11の電流路の他端(エミッタ)に電気的に接続された電極部材(第3電極部材)としてバスバー51が配置されている。バスバー51は、導電部材44を介して電極部材32に電気的に接続されている。
図3(C)から理解されるように、半導体層45に形成されたスイッチング素子Q11に着目すれば、半導体装置1Aは、放熱用の構造体であるヒートシンクHS上に、導電部材10、絶縁体20、電極部材31、半導体層45(スイッチング素子Q11)、バスバー51を積層して備えている。なお、ダイオードD11が形成された半導体層46は、スイッチング素子Q11が形成された半導体層45と共に、電極部材31とバスバー51との間に配置され、ダイオードD11のカソードは、導電部材31に電気的に接続され、そのアノードはバスバー51に電気的に接続されている。
図4は、本発明の第1実施形態による半導体装置の構成例を模式的に示す図である。ここで、図4(A)は半導体装置1Aの上面図であり、上述の図3(A)を180℃回転させた図に相当する。図4(B)は、(A)に示す視線方向ViewXから見た半導体装置1Aの側面図である。
図4(A)および図4(B)に示すように、上述の図3(A)および図3(B)に示す容量形成部材80Aの導電部材83A(第2容量電極)と放熱用の構造体をなすヒートシンクHSとが柱状の導電部材90により電気的に接続されている。その必要上、本実施形態では、導電部材83Aには導電部材90と接続するための接続用端子が設けられ、ヒートシンクHSにも、導電部材90と接続するための接続用端子が設けられている。そのような接続用端子として、例えばねじを用いることができる。その他、半田、溶接、導電性接着剤などにより導電部材90を導電部材83AおよびヒートシンクHSと接続してもよい。また、導電部材90は柱状に限らず、ワイヤー状のものであっても良い。また、導電部材90の一端は、ヒートシンクHSのほか、例えばグランド電位(所定電位)となる部材に接続されていれば良く、例えばヒートシンクHSに結合されたウォータージャケットやヒートスプレッダ等に接続されていても良い。
本実施形態では、導電部材90は、バスバー52の取り出し端子である導電部材42の延出方向とは異なる方向に位置する半導体層47の端面側に位置するようにして配置されている。図4(A)の例では、バスバー52の取り出し端子である導電部材42は、図右方向に延出しており、導電部材90は、導電部材42の延出方向とな異なる図下方向に位置する半導体層47の一端面側に配置されている。導電部材90は、導電部材83AおよびヒートシンクHSを除いて、周囲の部材から電気的に絶縁されている。このような導電部材90の配置形態によれば、導電部材90と他の部材との間の絶縁距離を確保することができる。導電部材90は、例えば円柱状の導電体である。なお、この例に限定されず、絶縁距離を確保することができるのであれば、導電部材90の配置位置は任意に設定することができる。例えば、正電極端子Tp、負電極端子Tn、出力電極端子Toが配置された半導体端面と同一の端面側に導電部材90を配置することも可能である。また、導電部材90の形状は円柱状に限らず、任意に設定し得る。
上述のように、第1実施形態では、スイッチング素子Q21が形成された半導体層47の上方に、負電極端子Tnに繋がるバスバー52が配置されている。一方、スイッチング素子Q11が形成された半導体素45の下方には、正電極端子Tpに繋がる電極部材31が、ヒートシンクHS上に配置された導電部材10上に絶縁体20を介して配置されている。このような配置構造に起因して、負電極端子Tnに繋がるバスバー52と車両のボディBDYとの間に存在する浮遊容量Cs5の対向電極間の距離が、正電極端子Tpに繋がる電極部材31と車両のボディBDYとの間に存在する浮遊容量Cs3の対向電極間の距離よりも大きくなる。この結果、浮遊容量Cs5の容量値が浮遊容量Cs3の容量値よりも小さくなり、この限りにおいて、コモンモードノイズの抑制効果を充分に得ることができない。
しかしながら、第1実施形態によれば、容量形成部材80Aが、バスバー52とヒートシンクHSとの間に、浮遊容量Cs5と電気的に並列接続されたコンデンサC1を形成する。このため、見かけ上、負電極端子Tnと車両のボディBDYとの間の浮遊容量Cs5を大きくすることができる。第1実施形態では、前述したように、浮遊容量Cs5とコンデンサC1との合成容量値が浮遊容量Cs3と概ね等しくなるように、コンデンサC1の容量値が設定される。これにより、浮遊容量Cs3と、浮遊容量Cs5とコンデンサC1との合成容量とにより、半導体装置1Aの内部に所謂Yコンデンサが形成される。
ここで、コンデンサC1は、スイッチング素子Q21のエミッタと、車両のボディBDYに接続されたヒートシンクHS(車両のボディBDYと同電位)に繋がるグランド接続端子Tgとの間に形成される。このため、出力電極端子To1から例えば浮遊容量Cs4を通じて車両のボディBDYに伝達されるコモンモード電流Icomが、半導体装置1Aのスイッチング素子Q21の近傍でコンデンサC1(および浮遊容量Cs5)を介して負電極端子Tnに戻される。また、出力電極端子To1と車両のボディBDYとの間の浮遊容量Coに起因するコモンモード電流Icomの経路が短縮される。このため、車両のボディBDYにはコモンモード電流Icomが殆ど流れない。これにより、コモンモード電流Icomによるコモンモードノイズが抑制され、放射ノイズを抑制することが可能になる。
また、第1実施形態によれば、コンデンサC1を形成する容量形成部材80Aは、スイッチング素子Q21の上方に位置するバスバー52上に配置される。このため、容量形成部材80Aを備えたことによる半導体装置1Aのサイズ(面積)の大型化を抑制することができる。また、容量形成部材80Aと負極電極端子Tnまたは車両のボディBDYとの間を接続する導電部材(配線)の長さを抑制することができるので、この導電部材による配線インダクタンスLsの増加を抑制することができる。
また、第1実施形態によれば、容量形成部材80Aが一種の絶縁基板として機能し、この絶縁基板がスイッチング素子Q21の上部を覆うので、ノイズシールド効果が得られる。このため、スイッチング素子Q11,Q21等の駆動を制御するための制御回路基板(図示なし)をスイッチング素子Q21の上方に配置しても、この制御回路基板に与えるノイズの影響を抑制できる。ノイズシールド効果の観点からすれば、スイッチング素子Q11,Q21が形成された半導体層45,47とスイッチング素子の駆動を制御する制御回路基板(図示なし)との間に、制御回路基板の全域にわたって絶縁基板として機能する容量形成部材80Aを形成することが望ましい。
また、第1実施形態によれば、ヒートシンクHSに導電部材90を接続するための接続用端子を設けることにより、ヒートシンクHSに対する半導体装置1Aの位置決めを容易に行うことができる。また、接続用端子をヒートシンクHSに設けることにより、半導体装置1AをヒートシンクHSに取り付けるための作業も容易になる。
また、第1実施形態によれば、正電極端子Tp、負電極端子Tn、出力電極端子Toが配置された半導体端面とは別の端面側に導電部材90を配置したので、装置サイズを大きくすることなく、導電部材90と、その他の端子(例えば正電極端子Tpの導電部材41、負電極端子Tnの導電部材42、出力電極端子To1の導電部材43など)との間の絶縁距離を充分に確保することができる。
また、第1実施形態によれば、容量形成部材80Aがスイッチング素子Q21の上方に積層されるようにして配置されるので、容量形成部材80Aの寄生インダクタンス(Ls)を小さく抑えることができる。また、容量形成部材80Aが形成するコンデンサC1の容量を必要以上に大きくする必要がないので、装置の大型化を招くことがない。
以上、本発明の第1実施形態を説明したが、スイッチング素子Q11とスイッチング素子Q21の各デバイス構造を入れ替えてもよい。この場合、例えば、図3(A)〜(C)において、導電部材41には負電極端子Tnが接続され、導電部材42には正電極端子Tpが接続され、半導体層45にはスイッチQ21が形成され、半導体層47にはスイッチング素子Q11が形成される。
また、図1における三相のパワーモジュールにおいては、U,V,Wの各相毎にコンデンサC1(容量形成部材)を個別に設け、合計3個のコンデンサC1を設けても良い。この際、ヒートシンクHSには3つのコンデンサ(容量形成部材)C1に対する接続用端子を別々の箇所に設けても良いし、1箇所にまとめて配置しても良い。
また、スイッチング素子Q11,Q21の各デバイス構造を揃えてもよい。この場合、図3(C)に示されるスイッチング素子Q11のデバイス構造は、図3(B)に示されるスイッチング素子Q21のデバイス構造と同等とされる。この場合、スイッチング素子Q11,Q21の各デバイス構造に容量形成部材80Aは、コモンモード電流Icomの抑制効果が得られるように、浮遊容量Cs3と浮遊容量Cs5のそれぞれに個別に容量を付加する。
また、本発明による半導体装置は、スイッチング素子Q21に関連した構成要素のみにより規定し直すことができる。即ち、この場合の本発明による半導体装置は、例えば、出力電極部材43と、半導体層47と、バスバー52(電源電極部材)と、容量形成部材80Aとを備えるものとして規定される。このうち、出力電極部材43は、ヒートシンク等の構造体上に絶縁体を介して配置される。半導体層47は、出力電極部材43上に配置され、半導体層47には出力電極部材43に電流路の一端が接続されたスイッチング素子Q21が形成される。電源電極部材(バスバー)52は、半導体層47上に配置され、電源電極部材52にはスイッチング素子Q21の電流路の他端が接続される。容量形成部材80Aは、電源電極部材52上に配置され、電源電極部材52と上記構造体との間にコンデンサC1に対応する容量を形成する。この構成において、例えば半導体層47の概念には、スイッチング素子Q21のみならず、スイッチング素子Q11が形成された半導体層45が含まれる。また、例えばバスバー52(電源電極部材)の概念には、負電極端子Tnのみならず、正電極端子Tpに繋がる電極部材が含まれる。また、また、例えばスイッチング素子Q21の概念は、スイッチング素子Q11が含まれる。また、例えば容量形成部材80Aの概念には、浮遊容量Cs5のみならず、浮遊容量Cs3と並列にコンデンサを形成するものが含まれる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図5は、本発明の第2実施形態による半導体装置2Aの構成例を模式的に示す図である。ここで、図5(A)は、半導体装置2Aの上面図であり、図5(B)は、図5(A)に示すD−D’線での半導体装置2Aの断面図である。第2実施形態では、上述の第1実施形態の図3および図4に示す構成において、スイッチング素子Q11が形成された半導体層45上に位置するバスバー51上に絶縁体70(絶縁体20とは別の絶縁体)を更に配置して備えると共に、容量形成部材80Aに代えて、スイッチング素子Q11とスイッチング素子Q21とに跨って形成された容量形成部材80Bを備えている。
容量形成部材80Bは、バスバー52に電気的に接続された第1容量電極としての導電部材81Bと、導電部材81Bと対向するように配置された第2容量電極としての導電部材83Bと、導電部材81Aと導電部材83Aとの間に配置された誘電体層としての絶縁体82Bとを備えている。このうち、導電部材83Bは、第1実施形態と同様に、導電部材90(図4(A),(B))を介してヒートシンクHSと電気的に接続されている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
容量形成部材80Bは、第1実施形態の容量形成部材80Aと同様に、負電極端子Tnに繋がる電極部材であるバスバー52と放熱用の構造体であるヒートシンクHSとの間に容量を形成するものであるが、容量形成部材80Aによって形成される容量よりも大きな容量を有するコンデンサC1を形成することができる。そのために、容量形成部材80Bは、スイッチ素子Q21が形成された半導体層47上のバスバー52から、スイッチング素子Q11が形成された半導体層45上に配置された絶縁体70上に延在するようにして、スイッチング素子Q11とスイッチング素子Q21とに跨って配置され、これによりコンデンサC1の対向電極面積を増加させている。
なお、容量形成部材80Bによって形成されるコンデンサC1の容量値を更に増やす必要のある場合には、容量形成部材80Bを構成する絶縁体82Bとして、例えば、樹脂に高誘電率のセラミックスフィラーを混合した樹脂コンポジットを用いることができる。これにより、容量形成部材80Bのサイズを大きくすることなく、コンデンサC1の容量値を増加させることができる。
第2実施形態によれば、第1実施形態に比較して、スイッチング素子Q21のエミッタと車両のボディBDYとの間に形成されるコンデンサC1の容量値を増加させることができる。従って、第2実施形態は、例えば、第1実施形態の容量形成部材80Aによって形成されるコンデンサC1の容量値が足りない場合に有用となる。
また、第2実施形態では、出力電極端子To1に繋がるバスバー51上のスペースを活用し、バスバー51上に絶縁体70を介して容量形成部材80Bを延在させたので、装置サイズの増加を招くことなく、コンデンサC1の容量値を増やすことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図6は、本発明の第3実施形態による半導体装置3Aを備えた車両駆動システム3の回路構成例の全体を概略的に示す図である。また、図7は、本発明の第3実施形態による半導体装置3Aの構成例を模式的に示す図であり、(A)は半導体装置3Aの上面図であり、(B)は、(A)に示すE−E’線での断面図である。第3実施形態では、前述の第1実施形態の図3および図4の構成において、更に、図7(B)に示すように、スイッチング素子Q11が形成された半導体層45上に位置するバスバー51上に第2実施形態と同様の絶縁体70(絶縁体20とは別の絶縁体)を配置して備えると共に、導電部材41を介して正電極端子Tpに繋がる導電部材31と放熱用の構造体をなすヒートシンクHSとの間に、図6においてコンデンサC2によって示される容量を形成する容量形成部材80Cを備える。
容量形成部材80Cは、正電極端子Tpに繋がる導電部材41に電気的に接続された容量電極としての導電部材81Cと、導電部材81Cと対向するように配置された容量電極としての導電部材83Cと、導電部材81Cと導電部材83Cとの間に配置された誘電体層としての絶縁体82Cとを備えている。このうち、導電部材83Cは、第1実施形態と同様に、導電部材90(図4(A),(B))に対応する導電部材(図示なし)を介してヒートシンクHSと電気的に接続されている。また、容量形成部材80Cによって形成されるコンデンサC2の容量値を更に増やす必要がある場合には、第2実施形態と同様に、絶縁体82Cとして、例えば、樹脂に高誘電率のセラミックスフィラーを混合した樹脂コンポジットなどを用いることができる。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
第3実施形態によれば、容量形成部材80Cは、正電極端子Tpに繋がる電極部材31と車両のボディBDYとの間に、浮遊容量Cs3と並列に、コンデンサC2によって示される容量を形成する。このため、第1実施形態に比較して、見かけ上、浮遊容量Cs3の容量値を増加させることができる。従って、第3実施形態は、例えば、第1実施形態における浮遊容量Cs3の容量値が足りない場合に有用である。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
第4実施形態では、上述の第3実施形態において、第1実施形態の構成要素に相当する容量形成部材80Aを構成する導電部材81Aは、導電性接着剤によりバスバー52に取り付けられている。また、容量形成部材80Cを形成する導電部材81Cは、絶縁体70を介さずに、絶縁性接着剤によりバスバー51上に取り付けられ、導電部材81Cは、絶縁性接着剤によりバスバー51と電気的に絶縁されている。これら導電性接着剤の硬化と絶縁性接着剤の硬化は同一工程で実施される。このため、第4実施形態によれば、導電性接着剤と絶縁性接着剤を硬化させるための製造工程を簡略化することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形、変更、置換、付加などが可能である。
例えば、上述の第1実施形態および第2実施形態では、コンデンサC1(容量形成部材)を負電極端子Tnに繋がるスイッチング素子Q21,22,23の各エミッタと、車両のボディBDYに繋がるグランド端子Tgとの間に設けたが、抑圧すべきコモンモード電流の種類によっては、正電極端子Tpに繋がるスイッチング素子Q11,Q12,Q13の各コレクタと車両のボディBDYに繋がるグランド端子Tgとの間に設けてもよい。
また、グランド端子Tgが接続される車両のボディBDYの電位は、グランド電位である場合に限らず、任意の電位(概ね一定の電位)である場合を含む。
1…車両駆動システム
1A,2A,3A…半導体装置
10…導電部材
20…絶縁体
31,32…電極部材
41,42,43,44…導電部材
45,46,47,48…半導体層
51,52…バスバー(電極部材)
70…絶縁体
80A,80B,80C…容量形成部材
81A,81B,81C,83A,83B,83C…導電部材(容量電極)
82A,82B,82C…絶縁体(誘電体層)
BAT…バッテリ
BDY…車両のボディ
C1,C2,Cx,Cy1,Cy2…コンデンサ
Cb,Co,Cs1,Cs2,Cs3,Cs4,Cs5…浮遊容量
D11,D21,D12,D22,D13,D23…ダイオード
HS…ヒートシンク
M…車両走行用モータ
Q11,Q21,Q12,Q22,Q13,Q23…スイッチング素子
Tn…負電極端子
To1,To2,To3…出力電極端子
Tp…正電極端子

Claims (8)

  1. 導電性を有する構造体上に絶縁体を介して配置された第1電極部材と、
    前記第1電極部材上に配置され、前記第1電極部材に電流路の一端が接続された第1スイッチング素子が形成された第1半導体層と、
    前記構造体上に絶縁体を介して配置され、前記第1スイッチング素子の電流路の他端に電気的に接続された第2電極部材と、
    前記第2電極部材上に配置され、前記第2電極部材に電流路の一端が接続された第2スイッチング素子が形成された第2半導体層と、
    前記第2半導体層上に配置され、前記第2スイッチング素子の電流路の他端に接続された第3電極部材と、
    前記第3電極部材上に配置され、前記第3電極部材と前記構造体との間に容量を形成する容量形成部材と、
    を備えた半導体装置。
  2. 前記容量形成部材は、
    前記第3電極部材に電気的に接続された第1容量電極と、
    前記第1容量電極と対向するように配置された第2容量電極と、
    前記第1容量電極と前記第2容量電極との間に配置された誘電体層と、
    を備え、
    前記第3電極部材の取り出し端子の延出方向とは異なる方向に位置する前記第2半導体層の端面側に位置するようにして、前記容量形成部材の第2容量電極と前記構造体とを接続する導電部材が配置された、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記構造体上の絶縁体とは別に、前記第1半導体層上に配置された絶縁体を更に備え、
    前記容量形成部材は、
    前記第1半導体層上に配置された絶縁体上に延在するように配置された、請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記構造体上の絶縁体とは別に、前記第1半導体層上に配置された絶縁体を更に備え、
    前記第1半導体層上に配置された絶縁体上に配置され、前記第1電極部材と前記構造体との間に容量を形成する第2容量形成部材を更に備えた、請求項1または2に記載の半導体装置。
  5. 前記第2容量形成部材は、
    前記第1半導体層上に配置された絶縁体上に配置された第3容量電極と、
    前記第3容量電極と対抗するように配置された第4容量電極と、
    を備え、
    前記第3容量電極と前記第1電極部材が電気的に接続されるとともに、
    前記第4容量電極と前記構造体とを接続する導電部材が配置された、請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記第1電極部材および前記第3電極部材の一方は、バッテリの正電極に接続され、前記第1電極部材および前記第3電極部材の他方は、前記バッテリの負電極に接続された、請求項1から5の何れか1項に記載の半導体装置。
  7. 導電性を有する構造体上に絶縁体を介して配置された出力電極部材と、
    前記出力電極部材上に配置され、前記出力電極部材に電流路の一端が接続されたスイッチング素子が形成された半導体層と、
    前記半導体層上に配置され、前記スイッチング素子の電流路の他端に接続された電源電極部材と、
    前記電源電極部材上に配置され、前記電源電極部材と前記構造体との間に容量を形成する容量形成部材と、
    を備えた半導体装置。
  8. 前記構造体はヒートシンク又はウォータージャケット又はヒートスプレッダである、請求項1から7の何れか1項に記載の半導体装置。
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