JP2015105806A - 真空断熱箱体 - Google Patents

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Masaru Kinugawa
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Abstract

【課題】物理吸着の吸着剤、および、化学吸着の吸着剤は、使用温度によりその吸着性能が変化することから、各吸着剤が密封されている位置により真空断熱パネルを用いた真空断熱箱体の断熱性能にばらつきが生じる結果となる。
【解決手段】この発明に係る真空断熱箱体は、気体の通過を遮断するシートと、断熱性を有する芯材と、ガスを吸着する少なくとも一つの吸着剤とを有し、前記シート間に前記芯材及び前記吸着剤を挟み、真空に排気した状態で封止することで、密封された内部を真空に保つ真空断熱パネルを備えた真空断熱箱体であって、前記吸着剤は、設置時における前記真空断熱パネル中の温度に関する条件に基づいて、所定の位置に配置されるものである。
【選択図】図1

Description

この発明は、断熱材として真空断熱パネルを用いた真空断熱箱体、たとえば冷蔵庫、保冷庫、冷凍庫、および、保温庫等の冷温装置に関するものである。
近年、環境問題への関心の高まりから、電化製品一般について省エネルギーへの要求が強まっている。冷蔵庫、冷凍庫または保温庫等は、断熱性の向上が省エネルギーに直接結びつくことから、高性能な断熱材として真空断熱パネルが使用され始めている。
真空断熱パネルは、ウレタンやガラスファイバー等のコア材を気密性のあるシートで密封し、その中を真空に保った構造をもつ。断熱性能を維持するためには、パネル内部を真空に保つ必要がある。しかし、時間が経過するにしたがいコア材から放出したガスやシートを透過したガスによりパネル内部を真空に保つことができなくなる。そのため、このようなガスを吸着するため、物理吸着によるゼオライト等の吸着剤や、化学吸着による酸化カルシウム等の吸着剤が、それぞれ単独もしくは組み合わされてシート内に密封されている。
パネル内部を真空に保つ目的でガスを吸着するため、パネル内部に性質の異なる複数種の吸着剤を組合せて入れる文献公知発明がある(例えば、特許文献1または2参照)。
特開2009−018826号公報、図1、図2 特開2006−125600号公報、図1〜図5
真空断熱パネルに使用される吸着剤は、これまでに様々な種類のものが提案されてきている。これらの吸着剤の吸着原理は、大別すれば、たとえばゼオライト等の物理吸着によるものと、たとえば酸化カルシウム等の化学吸着によるものに分けられる。
このうち、物理吸着は温度により単位体積あたりの吸着可能な量(最大吸着量)が異なる特性がある。その特性は、温度が上がれば最大吸着量が減少し、温度が下がれば最大吸着量は増加するというものである。また、物理吸着は化学吸着に比べて吸着速度が速く可逆性を有するという特徴がある。つまり、物理吸着の吸着剤は温度を下げると、最大吸着量は増加するが、吸着速度は低下するという特性を持つ。しかし、物理吸着の吸着剤は、もともと吸着速度が速いため、温度がある程度低くても吸着剤に到達したガスは速やかに吸収されるため、実質的な性能に影響を及ぼさない。よって、物理吸着の吸着剤は、より低温の状態で使用することによりトータルとして性能が向上する。
一方、化学吸着の吸着剤は、吸着ガスとの結合力が強いため、反応を断ち切る温度まで加熱しないかぎり、一旦吸着したガスを放出しない特徴がある。つまり、上記反応を断ち切る温度以下では最大吸着量は変化しない。また、化学吸着の吸着剤は、化学反応の活性化エネルギーが温度に依存するため、反応速度(吸着速度)も温度に依存する。すなわち、温度が上がると、反応速度が上がるため吸着速度も速くなる。化学吸着の吸着剤は、上記理由から、吸着速度が速い方がより良い真空度を保つことができ断熱性能が向上する。よって、化学吸着の吸着剤は、より高温の状態で使用することによりトータルとして性能が向上する。なお、反応速度の速い化学反応を用いた吸着剤では、吸着剤の取り扱い作業中に反応が終了し効果がなくなる可能性があるため、反応速度をコントロールしている場合もある。
例えば、物理吸着の吸着剤を内包する真空断熱パネルを用いた冷凍冷蔵庫を作製した場合、吸着剤が温度の低い庫内側にあるか、温度の高い放熱板側にあるか、または真空断熱パネルの中央部に位置するかで吸着量に大きな差が現れる。更にいえば、庫内側であっても、冷凍室に面しているか、冷蔵室に面しているかによっても吸着量に差が現れる。このため、冷凍冷蔵庫に設置する真空断熱パネルの向き(吸着がどこに入っているか)により、吸着剤の吸着量にばらつきが生じ、その結果、断熱性能にばらつきが生じる。
一方、物理吸着の吸着剤ではそれほど影響は無いものの、化学吸着の吸着剤が冷却側の温度の低い方にあると、反応速度が遅くなることで吸着速度が遅くなる。吸着速度が遅くなると、真空断熱パネル内の残留ガス圧が異なり、断熱性能にも影響を及ぼす。化学吸着の吸着剤は、製品組み立て時の吸着剤の取り扱い作業中は反応せずまたは反応が十分遅く、製品組み立て後は反応が速い方が良い。
以上説明したように、物理吸着の吸着剤、および、化学吸着の吸着剤は、使用温度によりその吸着性能が変化することから、各吸着剤が密封されている位置により真空断熱パネルを用いた真空断熱箱体の断熱性能にばらつきが生じる結果となる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、真空断熱箱体の断熱性能のばらつきを低減するとともに、吸着剤の性能を最大限に引き出し、製品の使用時における真空断熱箱体としての断熱性能の向上を目的とするものである。
この発明に係る真空断熱箱体は、気体の通過を遮断するシートと、断熱性を有する芯材と、ガスを吸着する少なくとも一つの吸着剤とを有し、前記シート間に前記芯材および前記吸着剤を挟み、真空に排気した状態で封止することで、密封された内部を真空に保つ真空断熱パネルを備えた真空断熱箱体であって、前記吸着剤は、前記真空断熱箱体を設置した時における前記真空断熱パネル中の温度に関する条件に基づいて、所定の位置に配置されるものである。
この発明によれば、真空断熱箱体に用いられている真空断熱パネルの断熱性能のばらつきを低減するとともに、吸着剤の性能を最大限に引き出し、真空断熱箱体に係る製品の設置し動作させた時における真空断熱箱体としての断熱性能を向上することができる。
この発明の実施の形態1による真空断熱箱体である冷蔵庫を示す断面図である。 この発明の実施の形態1による真空断熱パネルを示す断面図である。 この発明の実施の形態1による真空断熱箱体である冷凍冷蔵庫を示す断面図である。 この発明の実施の形態2による真空断熱箱体である給湯器を示す断面図である。 この発明の実施の形態3による真空断熱箱体である自動販売機を地面と平行な面で切断した場合の断面図である。 この発明の実施の形態1による真空断熱パネルを示す断面図である。 この発明の実施の形態1による真空断熱パネルを示す断面図である。 吸着剤が芯材を挟み対向する位置に設けられた場合の熱伝道を示す断面図である。 吸着剤が芯材を挟み対向する位置に設けられていない場合の断面図である。
実施の形態1.
次に、図面を用いて、この発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
まず、この発明の実施の形態の理解に不可欠な吸着剤の特性について説明する。真空断熱パネルに使用される吸着剤は、これまでに様々な種類のものが提案されてきている。これらの吸着剤の吸着原理は、大別すれば、たとえばゼオライト等の物理的性質を利用した物理吸着によるものと、たとえば酸化カルシウム等の化学的性質(化学反応)を利用した化学吸着によるものに分けられる。
このうち、物理吸着は温度により単位体積あたりの吸着可能な量(最大吸着量)が異なるという特性がある。その特性は、温度が上がれば最大吸着量が減少し、温度が下がれば最大吸着量は増加するというものである。また、物理吸着は化学吸着に比べて吸着速度が速く可逆性を有するという特性がある。つまり、物理吸着の吸着剤は温度を下げると、最大吸着量は増加するが、吸着速度は低下するという特性を持つ。しかし、物理吸着の吸着剤は、もともと吸着速度が速いため、温度がある程度低くても吸着剤に到達したガスは速やかに吸収されるため、実質的な性能に影響を及ぼさない。よって、物理吸着の吸着剤は、吸着剤を内包する真空断熱パネルを用いた真空断熱箱体の設置時(電気的、機械的に動作するものは、設置し動作させた時。いわゆる使用時)に、より低温の状態で使用することによりトータルとして性能が向上する。
一方、化学吸着の吸着剤は、吸着ガスとの結合力が強いため、反応を断ち切る温度まで加熱しないかぎり、一旦吸着したガスを放出しない特性がある。つまり、上記反応を断ち切る温度以下では最大吸着量は変化しない。また、化学吸着の吸着剤は、化学反応の活性化エネルギーが温度に依存するため、反応速度(吸着速度)も温度に依存する。すなわち、温度が上がると、反応速度が上がるため吸着速度も速くなる。化学吸着の吸着剤は、上記理由から、吸着速度が速い方がより良い真空度を保つことができ断熱性能が向上する。よって、化学吸着の吸着剤は、吸着剤を内包する真空断熱パネルを用いた真空断熱箱体の設置時(電気的、機械的に動作するものは、設置し動作させた時。いわゆる使用時)に、より高温の状態で使用することによりトータルとして性能が向上する。
図1は、この発明の実施の形態1による真空断熱箱体である冷蔵庫を示す断面図である。この断面図は、冷蔵庫1を設置した状態での水平方向の断面図である。図において、冷蔵庫1は、図中左側に示された前扉2と図中右側に示された本体3とからなる。図中中央に示された空間部が庫内4であり、冷蔵、冷凍するものを保管する空間となる。本体3の背面(図中右)には、庫内4の温度を一定に保つため、庫内4の熱を冷蔵庫1の外部である背面側庫外に逃がすための放熱板10が設けられている。前扉2、本体3の各側面部(図中上下)および背面部の内部には、真空断熱パネル5が設けられている。
図2は、この発明の実施の形態1による真空断熱パネルを示す断面図である。図において、扉等に内蔵する前の真空断熱パネル5は、気体の通過を遮断するガスバリア性のある袋状のシート6の中に、真空断熱パネル5の断熱性能を発揮するため、および、形状を保持するための芯材7と、酸化カルシウムを主成分とする第一の吸着剤8と、ゼオライトを主成分とする第二の吸着剤9が、真空断熱パネル5の内部を真空に排気した状態で封止されている。
前扉2内に配置されている真空断熱パネル5の内部には、酸化カルシウムを主成分とする第一の吸着剤8が庫外側、ゼオライトを主成分とする第二の吸着剤9が庫内側にくるように設置されている。本体3の各側面部の内部に設置されている真空断熱パネル5も同様に酸化カルシウムを主成分とする第一の吸着剤8が庫外側、ゼオライトを主成分とする第二の吸着剤9が庫内側にくるように設置されている。また、本体3の背面部の内部には、庫内4の熱を冷蔵庫1の外部である背面側庫外に逃がすための発熱体である放熱板10およびモーターを内蔵した圧縮機(圧縮機は通常冷蔵庫の一番下側に配置されているため、ここでは図示していない)が設けられている。本体3の背面部の内部に配置されている真空断熱パネル5の内部には、酸化カルシウムを主成分とする第一の吸着剤8がより高い温度となる放熱板10やモーターに近い側、ゼオライトを主成分とする第二の吸着剤9が庫内側にくるように設置されている。
この発明の実施の形態1による真空断熱パネルを使用する場合、誤った方向または裏表逆に設置したとき、十分な性能が発揮できないか、若しくは、逆の効果を奏する場合も考えられる。そのため、真空断熱パネル5が正しく設置されるように、真空断熱箱体の製造時において、真空断熱パネル5の上下左右の向き及び表裏を容易に判断するための目印を付けるのが望ましい。このような構成とすることで、真空断熱パネルを真空断熱箱体に組み込む際に方向を容易に判別できるので、真空断熱箱体の製造時における真空断熱パネルの組み込みミスを防止することができるという効果を奏する。
目印は、色付けまたはスタンプにより表示しても良いし、シール等を貼り付けてもよい。また、目印は真空断熱パネル5の片面にのみ設けてもよいし、両面に付けてもよい。また、目印は真空断熱パネル5の一部に設けてもよいし、複数の箇所に設けても構わない。また、目印は真空断熱パネル5を製造する前のシート6に設けてもよいし、製造後に付けても構わない。
また、図6で示すように、真空断熱パネル5のシート6の接着部等のはみ出た部分を折り返した部分である折り返し部23の折り返し方により所定の吸着剤が設けられた位置(図においては、真空断熱パネル5の表裏の内、第二の吸着剤9が設けられた側)を特定する等により判別できるようにしてもよい。なお、真空断熱パネル5の両側にある芯材の入っていない部分、たとえば折り返し部23は、両面のシートを接着するのに必要な部分であるが、真空断熱箱体に組み入れる際には、折り返し部23のように折り返す等の処理が必要となる。この折り返した部分を所定の吸着剤が設けられた方向に向くように、予めテープや粘着剤等で止めておくことで本構成を実現することが容易にできる。
また、図7に示すように、真空断熱パネル5の外装であるガスバリア性のシート6の色を真空断熱パネル5の両方の面で異なる色としても構わない。図のように、たとえば青色の第一のシート61側にゼオライトを主成分とする第二の吸着剤9を設け、無色の第二のシート62側に酸化カルシウムを主成分とする第一の吸着剤8を入れる。冷蔵庫1の組み立て時に、冷蔵庫1の庫内側に青色が向くように真空断熱パネル5を設置することで、誤った設置を少なくすることができる。更に、上下方向または左右方向についても規定する場合には、必要に合わせて目印を追加すればよい。なお、ここでは、青色及び無色の組み合わせとしたが、判別可能な色または模様であれば如何様な組み合わせでもよいことはいうまでもない。
また、酸化カルシウムを主成分とする第一の吸着剤8およびゼオライトを主成分とする第二の吸着剤9が設けられた面のみを規定するのではなく、第一の吸着剤8および第二の吸着剤9が設けられた位置を特定するために、それぞれの位置を識別できる目印をつけてもよい。このとき識別には、たとえば、目印の形状、文字、または、色で分ければよい。このように位置を特定することで後述する第一の吸着剤8および第二の吸着剤9が重なり配置されることを防止することができる。
また、図3は、この発明の実施の形態1による真空断熱箱体である冷凍冷蔵庫を示す断面図である。図に示す冷凍冷蔵庫11のように、庫内が異なる温度の部屋、ここでは、冷蔵庫内41と冷凍庫内42に仕切壁43で仕切られている場合、たとえば背面部のように冷蔵庫内41と冷凍庫内42の両方に面する部分に設けられた真空断熱パネル5においては、ゼオライトを主成分とする第二の吸着剤9を、冷凍庫内42に近い方のより温度の低い箇所に設置するのが望ましい。なお、他の部分の真空断熱パネル5においても、第二の吸着剤9を冷凍庫内42に近い方のより温度の低い箇所に設置するのが望ましい。また、仕切壁43内に真空断熱パネル5が設けられている場合にも、第二の吸着剤9を冷凍庫内42に近い方の面に設置するのが望ましいことはいうまでもない。
ここで、高温側と低温側が真空断熱パネルの両面に位置する場合には、第一の吸着剤8および第二の吸着剤9は、芯材7を挟んで対向する位置には設置しない方がよい。芯材7が第一の吸着剤8および第二の吸着剤9の厚さに比べ十分厚い場合には、断熱性能にさほど問題とはならないが、たとえば図8で示すように、第一の吸着剤8および第二の吸着剤9は、芯材7を挟んで対向する位置に設けた場合には、図中矢印で示した方向に熱が伝わり、たとえば図9で示すように、位置をずらして設けた場合に比べ、吸着剤の厚さ分芯材7の厚さを薄くする結果となり、その分断熱性能が低下する(極端な例であるが吸着剤の厚さが芯材の厚さの1/2以上あると、重なった部分では熱がほぼ自由に出入りし断熱性能が得られない可能性がある)。よって、第一の吸着剤8および第二の吸着剤9は、芯材7を挟んで位置をずらして設置するようにするとよい。
一方、第一の吸着剤8および第二の吸着剤9をずらして配置した場合でも、それぞれの部分で芯材の厚みが吸着剤の厚み分薄くなるが、この場合は、通常の内部に吸着剤を設けた真空断熱パネルの場合も同様であり、内部に吸着剤を有する真空断熱パネルとの比較においては、断熱性能が劣るというものではない。
実際の冷凍冷蔵庫においては、冷凍庫の設定温度が通常−20度程度であるのに対し、夏場の放熱板付近の温度は約50度に達する。このような場合に、仮に吸着剤の位置を制御しないとしたら、その断熱性能のばらつきはかなり大きいものとなる。一方、本願発明に係る真空断熱パネルを用いた場合には、上記のような温度差がある場合でも、断熱性能のばらつきを押さえ、かつ、最良の断熱性能を提供することが可能となる。
実施の形態2.
上記の実施の形態1では、冷蔵庫を例にとり、使用時に、庫外(環境または設置場所。以下庫外とのみ記載する場合がある)より庫内(断熱箱内または中側。以下庫内とのみ記載する場合がある)の温度が低くなる真空断熱箱体について説明した。一方、動作時に庫外より庫内の温度が高くなる真空断熱箱体にも使用することができる。図4は、この発明の実施の形態2による真空断熱箱体である給湯器を示す断面図である。給湯器12のタンク13は、周囲を真空断熱パネル5で覆われている。また、図4には図示していないが、真空断熱パネル5の隙間は、断熱効果があるウレタンを用いて埋めたり、給湯器12の全体を外壁で覆ったりすることが一般的である。図において、上記実施の形態1で示した番号が付された部分については、上記実施の形態1で記載した構成と同様であるため、ここでは説明を省略する。
この構成によれば、タンク13には、給水用の第一の給水管14、温められた水を取り出す取水用の第一の取水管15、タンク13の内部に溜められた水を温める熱交換器18にタンク13の内部に溜められた水を供給するためにタンク13の下部に設けられた第二の給水管16、および、熱交換器18で暖めた水をタンク13の内部に戻すためにタンク13の下部に設けられた第二の取水管17の4つの管が設けられている。これらの管を通じた水の巡回により、通常、タンク13の上部には温められた水が蓄えられ、タンク13の下部には供給された冷たい水がある。よって、タンク13の上部に近い側は熱く、下部に近い側は冷たくなっている。
上記より、タンク13の側面に設置する真空断熱パネル5中の酸化カルシウムを主成分とする第一の吸着剤8は、温度の高いタンク13の上部に近い側に設置する。一方、ゼオライトを主成分とする第二の吸着剤9は、温度の低いタンク13の下部に近い側または庫外に近い側に設置する。
また、タンク13の上面に設置する真空断熱パネル5中の酸化カルシウムを主成分とする第一の吸着剤8は、タンク13の上部に近い側で、第二の取水管17が設けられた近傍がより望ましい。一方、ゼオライトを主成分とする第二の吸着剤9は、タンク13の上部から離れた側、かつ、庫外に近い側が望ましく。特に第二の取水管17が設けられた位置から離れた側がより望ましい。
また、タンク13の下面に設置する真空断熱パネル5中の酸化カルシウムを主成分とする第一の吸着剤8は、タンク13の上面に設置する真空断熱パネル5中の温度差に比べて温度差が少ないため、設置位置による吸着剤の特性に大きく影響は与えないが、たとえば、酸化カルシウムを主成分とする第一の吸着剤8をタンク13の下部に近い側に、ゼオライトを主成分とする第二の吸着剤9を庫外、即ち、床面に近い側に設けるのも一案である。
なお、上記第一の吸着剤8および第二の吸着剤9の設置位置は、あくまで一例であり、特にこの位置に限定するものではない。熱交換器18の仕様、または、設置環境等により相対的に温度の低い側および高い側は異なるので、これら設計条件および使用条件を考慮した上で適宜設置場所を決定すればよい。また、他の条件、たとえば真空断熱パネルの吸着剤の設置場所を多様に変えることができない等、異なるパターン数が限られる場合等に、特に影響が少ないような場所、上記実施の形態2については、タンク13の下面に設置する真空断熱パネル5のような場合は、一部、第一の吸着剤8および第二の吸着剤9の設置位置が逆となる場合も考えうるが、その場合も、熱交換器18全体として、本発明の効果を奏することができれば、本実施の形態の一態様と考えうる。
実施の形態3.
上記の実施の形態1では、冷蔵庫を例にとり、使用時に、庫外(環境または設置場所。以下庫外とのみ記載する場合がある)より庫内(断熱箱内または中側。以下庫内とのみ記載する場合がある)の温度が低くなる真空断熱箱体について説明した。一方、真空断熱箱体中に保温室および冷却室が両方あるような機器についても使用することができる。図5は、この発明の実施の形態3による真空断熱箱体である自動販売機を地面と平行な面で切断した場合の断面図である。図中、下方向が前面方向を指し、前面側には商品を補充するために開閉することができる内扉22がある。なお、冷却機構および加熱機構の詳細については、本発明とは直接的な関係が薄いので、ここでは説明を省略する。図において、上記実施の形態1で示した番号が付された部分については、上記実施の形態1で記載した構成と同様であるため、ここでは説明を省略する。
図において、自動販売機19には、保温室20及び保冷室21が設けられ、保温室20及び保冷室21の間及び周囲は、真空断熱パネル5が設置されている。通常動作状態では、電源等を除き、保温室20に面する側で温度が高くなり、保冷室21に面する側では温度が低くなる。ここで、保温室20の周囲に配置された真空断熱パネル5中に設けられた酸化カルシウムを主成分とする第一の吸着剤8は、全て保温室20に面する側に設けられている。一方、ゼオライトを主成分とする第二の吸着剤9は、温度の低い保冷室21に面する側または庫外側に設けられている。また、保冷室21の周囲に配置された真空断熱パネル5中に設けられたゼオライトを主成分とする第二の吸着剤9は、全て保冷室21に面する側に設けられている。一方、酸化カルシウムを主成分とする第一の吸着剤8は、温度の高い保温室20に面する側または庫外側に設けられている。
このような構成とすることで、温かい飲み物及び冷たい飲み物の両方を一つの装置で販売している自動販売機19では、ゼオライトを主成分とする第二の吸着剤9を一つの真空断熱パネル5中の相対的に温度の低い側に設け、酸化カルシウムを主成分とする第一の吸着剤8を一つの真空断熱パネル5中の相対的に温度の高い側に設けることができ、それぞれの吸着剤の吸着性能を高いレベルで保持するとともに、真空断熱パネルの断熱性能のばらつきを押さえ、結果として真空断熱箱体の断熱性能を高めることができる。
なお、以上説明した実施の形態では、吸着剤としてゼオライトおよび酸化カルシウムを例にとり説明したが、それぞれ物理吸着による吸着剤および化学吸着による吸着剤の代表例としてあげたものであり、その他の吸着剤、たとえば物理吸着による吸着剤としては、シリカゲルまたは活性アルミナなど、化学吸着による吸着剤としては、酸化マグネシウムまたは活性金属などであっても同様の効果が期待できる。
また、以上説明した実施の形態では、物理吸着による吸着剤であるゼオライト、および、化学吸着による吸着剤である酸化カルシウムの2種類の吸着剤を使用した場合について説明をした。しかし、物理吸着による吸着剤のみを1種類以上使用した場合、または、化学吸着による吸着剤のみを1種類以上使用した場合でも、少なくとも1種類の物理吸着による吸着剤を、保冷または保温する空間に配置するそれぞれの真空断熱パネル中で相対的に温度が低くなる箇所に設置、または、少なくとも1種類の化学吸着による吸着剤を、保冷または保温する空間に配置するそれぞれの真空断熱パネル中で相対的に温度が高くなる箇所に設置することで、物理吸着または化学吸着による吸着剤の内どちらか一方のみを使用した場合でも、それぞれの吸着剤の特性を向上させることができる。
1 冷蔵庫、2 前扉、3 本体、4 庫内、41 冷蔵庫内、42 冷凍庫内、43 仕切壁、5 真空断熱パネル、6 シート、61 第一のシート、62 第二のシート、7 芯材、8 第一の吸着剤、9 第二の吸着剤、10 放熱板、11 冷凍冷蔵庫、12 給湯器、13 タンク、14 第一の給水管、15 第一の取水管、16 第二の給水管、17 第二の取水管、18 熱交換器、19 自動販売機、20 保温室、21 保冷室、22 内扉、23 折り返し部

Claims (7)

  1. 気体の通過を遮断するシートと、
    断熱性を有する芯材と、
    ガスを吸着する少なくとも一つの吸着剤とを有し、
    前記シート間に前記芯材および前記吸着剤を挟み、真空に排気した状態で封止することで、密封された内部を真空に保つ真空断熱パネルを備えた真空断熱箱体であって、
    前記吸着剤は、前記真空断熱箱体を設置した時における前記真空断熱パネル中の温度に関する条件に基づいて、所定の位置に配置される真空断熱箱体。
  2. 前記吸着剤は、化学的性質を利用した化学吸着による第一の吸着剤および物理的性質を利用した物理吸着による第二の吸着剤にうち少なくとも1種類であり、
    前記真空断熱箱体の設置時において、前記第一の吸着剤は前記真空断熱パネル中の温度が相対的に高くなる箇所に配置し、前記第二の吸着剤は前記真空断熱パネル中の温度が相対的に低くなる箇所に配置される請求項1記載の真空断熱箱体。
  3. 前記真空断熱パネルは、化学的性質を利用した化学吸着による第一の吸着剤および物理的性質を利用した物理吸着による第二の吸着剤を含む複数種類の吸着剤を有し、
    前記第一の吸着剤は、前記第二の吸着剤に対し、前記真空断熱箱体の設置時において、温度が高くなる箇所に配置される請求項2記載の真空断熱箱体。
  4. 前記第一の吸着剤は酸化カルシウムを主成分とし、前記第二の吸着剤はゼオライトを主成分とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の真空断熱箱体。
  5. 前記シートは、前記吸着剤の配置箇所が判別できる目印を有する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の真空断熱箱体。
  6. 前記目印は、前記シートの色に関する違いにより判別するものである請求項5記載の真空断熱箱体。
  7. 前記目印は、前記シートに付されたスタンプにより判別するものである請求項5または請求項6のいずれかに記載の真空断熱箱体。
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