JP2020076426A - 真空断熱材 - Google Patents
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Abstract
【課題】真空排気時の水分の吸着性能を上げて初期性能を低減しつつ、真空断熱材の表面性を良くした、真空断熱材を提供する。【解決手段】ガスバリヤ層を有するフィルムを向い合せて一部を熱溶着して袋状とした外被材の中に、繊維材料を含む芯材と、第一の吸着剤と、前記第一の吸着剤よりも水分吸着速度の遅い第二の吸着剤と、を配置した真空断熱材において、前記第一の吸着剤は芯材の層間に配置し、前記第二の吸着剤は芯材の表面に配置する。【選択図】 図5
Description
本発明は、真空断熱材に関する。
地球温暖化防止の観点から、社会の取り組みとしてCO2排出量低減のため、発電の自然エネルギー化等が進められている。一般家庭においては電力消費を抑制することが重要であり、例えば1日中通電される冷蔵庫の消費電力量低減は不可欠である。このような状況の下、真空断熱材を断熱材の一部に採用した冷蔵庫が主流となっており、省エネ性能を向上させている。
冷蔵庫等に用いられている真空断熱材は、その内部を減圧状態とすることで高い断熱性能を発揮するが、高い断熱性能を長期に亘って維持するために、一般的に外部から真空断熱材内部に侵入するガス等を吸着する吸着剤が用いられる。
例えば、特許文献1に示されるように、無機繊維からなるシート状成形体を少なくとも2層以上積層してなる芯材と、少なくとも水分を吸着する吸着剤と、ガスバリヤ性フィルムからなる外被材とで形成され、無機繊維からなるシート状成形体の層間に吸着剤が挟持されている真空断熱材を備えた冷蔵庫がある。吸着剤は生石灰(酸化カルシウム)であることが開示されている。
また、特許文献2に示されるように、フィルター部で覆われたゼオライトからなるペレットと、外包材で覆われた酸化カルシウムからなる乾燥剤とで構成された真空維持デバイスを用いた真空断熱材がある。ゼオライトからなるペレットをフィルムや水分吸着剤等からなるフィルターで覆うことが特徴であるとしている。
また、特許文献3に示されるように、水分吸着速度の異なる第一、第二の吸着剤を隣接させて配置した真空断熱材がある。
特許文献1は、芯材に凹部等の固定構造を設けずに芯材の層間で吸着剤を狭持することを特徴としているが、芯材のどの部分に吸着剤を配置するのかについては記載がない。
また、特許文献2については、断面配置図しかなく、吸着剤の平面方向の配置位置が不明瞭である。
また、特許文献3についても、第一の吸着剤と第二の吸着剤の断面(厚み)方向の位置関係は記載されているが、平面方向の配置位置が不明確である。
そこで、本発明は、真空排気時の水分の吸着性能を上げて初期性能を低減しつつ、長期に亘って低熱伝導率を維持した、真空断熱材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、ガスバリヤ層を有するフィルムを向い合せて一部を熱溶着して袋状とした外被材の中に、繊維材料を含む芯材と、第一の吸着剤と、前記第一の吸着剤よりも水分吸着速度の遅い第二の吸着剤と、を配置した真空断熱材において、前記第一の吸着剤は芯材の層間に配置し、前記第二の吸着剤は芯材の表面に配置することを特徴とする。
本発明によれば、真空排気時の水分の吸着性能を上げて初期性能を低減しつつ、長期に亘って低熱伝導率を維持した、真空断熱材を提供できる。
本発明の実施形態に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫について、図面を参照しながら以下詳細に説明する。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫の外観を示す正面図である。図2は実施例1に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫の縦断面図であり、図1のA−A線の切断図である。図3は実施例1に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫のB−B野視図である。
図1は本発明の実施例1に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫の外観を示す正面図である。図2は実施例1に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫の縦断面図であり、図1のA−A線の切断図である。図3は実施例1に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫のB−B野視図である。
図1に示す実施例1を備えた冷蔵庫1は、図2に示すように、上から冷蔵室2、貯氷室3aと上段冷凍室3b、冷凍室4、野菜室5を有している。図1の符号は、上記各室の前面開口部を閉塞する扉であり、上からヒンジ10等を中心に回動する冷蔵室扉6a、6b、冷蔵室扉6a、6b以外は全て引き出し式の扉であり、貯氷室扉7aと上段冷凍室扉7b、下段冷凍室扉8、野菜室扉9を配置する。これらの引き出し式扉7〜9は扉を引き出すと、各室を構成する容器が扉と共に引き出されてくる。各扉6〜9には冷蔵庫本体1を密閉するためのパッキン11を備え、各扉6〜9の室内側外周縁に取り付けられている。本実施例1では、各扉6〜9の表面材として強化処理をしたガラスを用いたが、これに限定することではなく、従来の鋼板等でも良い。尚、冷蔵室扉6aの冷蔵室扉6b側には冷蔵室扉6bのパッキン11の受面となる回転仕切り6cが設置されている。
また、冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3bとの間を区画断熱するために仕切断熱壁12を配置している。この仕切断熱壁12は厚さ30〜50mm程度の断熱壁で、スチロフォーム、発泡断熱材(ウレタンフォーム)、真空断熱材等、それぞれを単独使用又は複数の断熱材を組み合わせて作られている。製氷室3a及び上段冷凍室3bと下段冷凍室4の間は、温度帯が同じであるため区画断熱する仕切り断熱壁ではなく、パッキン11受面を形成した仕切り部材13を設けている。下段冷凍室4と野菜室5の間には区画断熱するための仕切断熱壁14を設けており、仕切断熱壁12と同様に30〜50mm程度の断熱壁で、これまたスチロフォーム、或いは発泡断熱材(ウレタンフォーム)、真空断熱材50等で作られている。基本的に冷蔵、冷凍等の貯蔵温度帯の異なる部屋の仕切りには仕切断熱壁を設置している。尚、箱体20内には上から冷蔵室2、製氷室3a及び上段冷凍室3b、下段冷凍室4、野菜室5の貯蔵室をそれぞれ区画形成しているが、各貯蔵室の配置については特にこれに限定するものではない。また、冷蔵室扉6a、6b、製氷室扉7a、上段冷凍室扉7b、下段冷凍室扉8、野菜室扉9に関しても回転による開閉、引出しによる開閉及び扉の分割数等、特に限定するものではない。
箱体20は、外箱21と内箱22とを備え、外箱21と内箱22とによって形成される空間に断熱部を設けて箱体20内の各貯蔵室と外部とを断熱している。この外箱21側または内箱22側のいずれかに真空断熱材150を配置し、真空断熱材150以外の空間には硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填してある。真空断熱材150の説明については後述する。
また、冷蔵庫の冷蔵室2、冷凍室3a、4、野菜室5等の各室を所定の温度に冷却するために冷凍室3a、4の背側には冷却器28が備えられており、この冷却器28と圧縮機30と凝縮機31、図示しないキャピラリーチューブとを接続し、冷凍サイクルを構成している。冷却器28の上方にはこの冷却器28にて冷却された冷気を冷蔵庫内に循環して所定の低温温度を保持する送風機27が配設されている。また、冷蔵庫の冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3b、冷凍室4と野菜室5を区画する断熱材として、それぞれ断熱仕切り12、14を配置し、発泡ポリスチレン33と真空断熱材50で構成されている。この断熱仕切り12、14については硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填しても良く、特に発泡ポリスチレン33と真空断熱材50に限定するものではない。
また、内箱22の天面の一部に、断熱材23側に突き出したケース45aを有する庫内灯45を配置し、冷蔵庫の扉を開けたときの庫内を明るく、見えやすくしたものである。庫内灯45については、LED、電球、蛍光灯、キセノンランプ等、光源を特に限定するものではない。庫内灯45の配置により、ケース45aと外箱21との間の断熱材23の厚さが薄くなるため真空断熱材50を配置して断熱性能を確保している。この庫内灯45については特に図示位置に配置することを規定したものではない。
また、箱体20の天面後方部には冷蔵庫1の運転を制御するための基板や電源基板等の電気部品41を収納するための凹部40が形成されており、電気部品41を覆うカバー42が設けられている。カバー42の高さは外観意匠性と内容積確保を考慮して、外箱21の天面とほぼ同じ高さになるように配置している。特に限定するものではないが、カバー42の高さが外箱の天面よりも突き出る場合は10mm以内の範囲に収めることが望ましい。これに伴って、凹部40は断熱材23側に電気部品41を収納する空間だけ窪んだ状態で配置されるため、断熱厚さを確保するには庫内容積が犠牲になってしまう。内容積をより大きくとると凹部40と内箱22間の断熱材23の厚さが薄くなってしまうため、本実施形態においては凹部40の裏面に真空断熱材150を配置して断熱性能を確保している。実施例1では、真空断熱材150を前述の庫内灯45のケース45aと電気部品41に跨るように略Z形状に成形した1枚の真空断熱材150とした。尚、カバー42は外部からのもらい火や何らかの原因で発火した場合等を考慮し鋼板製としている。
また、箱体20の背面下部に配置された圧縮機30や凝縮機31は発熱の大きい部品であるため、庫内への熱侵入を防止するため、内箱22側への投影面に真空断熱材150を配置している。
ここで、実施例1における真空断熱材150の配置について図2と図3で説明する。本実施例では図2に示すよう、冷蔵庫1の庫内容積を拡大する目的で、図中C部に示すように冷蔵室2の庫内背面部の内箱22を一部断熱材側に凹ませた構造としている。この部分の断熱材壁構造は、通常「内箱/発泡断熱材/真空断熱材/外箱」であるが、実施例1では「内箱22/真空断熱材150/外箱21」とし、発泡断熱材23を排除したものである。
また、野菜室5の底面部の内箱22外面(断熱材23側)にも真空断熱材150を配置している。天井部は前述の通り真空断熱材150を、両側面部については外箱23の内面に、冷蔵室2と冷凍室3a、3b、4及び野菜室5に跨って真空断熱材150が配置し、冷蔵室扉6a、6b、冷凍室扉8、野菜室扉9についても外箱22(本実施例ではガラス板)内面に真空断熱材150を配置している。その他、各仕切り断熱12と14にも真空断熱材150を配置している。尚、真空断熱材150の配置や使用数については特に限定するものではない。
ここで、真空断熱材について図4〜図8を用いて説明する。図4は従来の真空断熱材50を示したものであり、芯材51と該芯材51を一時的に圧縮状態に保持するための内包材52、内包材52で圧縮状態に保持した芯材51を被覆するガスバリヤ層を有する外被材53及び吸着剤54とから構成してある。該外被材53は真空断熱材50の両面に配置され、同じ大きさのラミネートフィルムを向い合せ、各辺の端部から一定の幅部分を熱溶着した袋状で構成されている。なお、実施例1において、芯材51についてはバインダ等で接着や結着していない無機繊維の積層体として平均繊維径4μmの短繊維を用いている。芯材51については、無機系繊維材料の積層体を使用することによりアウトガスが少なくなるため、断熱性能的に有利であるが、特にこれに限定するものではなく、例えば無機系繊維を加熱成形したものやバインダ成形したもの、或いはセラミック繊維やロックウール、グラスウール以外のガラス繊維等の無機繊維、及び有機繊維を用いてもよく、特に限定するものではない。芯材51の種類によっては内包材52は使用しない場合もある。
例えば、連続フィラメント法により得られる長繊維がある。この長繊維は平均繊維径7μm以上13μm以下のグラスウールは無機の長繊維が積層されたマット状をなしたものである。長繊維芯材は、連続フィラメント法により得られた繊維のウェブを重ねたものである。このようなウェブを複数層重ね、ニードルパンチ加工を行うことで芯材嵩を小さくすることができる。そのため、内包材52を用いることなく、外被材53に挿入しやすくすることができる。また、複数のニードルパンチマットの層間に吸着剤を配置した場合、真空断熱材を作製する工程で吸着剤のずれやこぼれが発生する。そのため、ニードルパンチマットの層を全層を貫通させて固定することで、搬送時等で層間から吸着剤がこぼれるのを防止することができる。
外被材53のラミネート構成についてはガスバリヤ性を有し、熱溶着可能であれば特に限定するものではないが、実施例1では、表面層、第一のガスバリヤ層、第二のガスバリヤ層、熱溶着層の4層構成からなるラミネートフィルムとし、表面層は吸湿性の低い樹脂フィルム、第一のガスバリヤ層は金属蒸着層を設けた樹脂フィルム、第二のガスバリヤ層は酸素バリヤ性の高い樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、第一と第二のガスバリヤ層については金属蒸着層同士が向かい合うように貼り合わせている。熱溶着層については表面層と同様に吸湿性の低いフィルムを用いた。具体的には、表面層を二軸延伸ポリプロピレン、第一のガスバリヤ層をアルミニウム蒸着付きのポリエチレンテレフタレート、第二のガスバリヤ層をアルミニウム蒸着付きの二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルムとし、熱溶着層を直鎖状低密度ポリエチレンフィルムとした。外被材53については特にこの構成に限定するものではない。表面層はポリアミド(ナイロン)やポリエチレンテレフタレート等でもよく、第一及び第二のガスバリヤ層についても金属箔や樹脂系フィルムに無機層状化合物や樹脂系ガスバリヤコート材等のガスバリヤ膜を設けたものでもよい。熱溶着層には例えば酸素バリヤ性の高いポリブチレンテレフタレートフィルムや、汎用性の高いポリプロピレンフィルム、高密度、中密度、低密度等のポリエチレンフィルムを用いても良い。また、真空断熱材50のそれぞれの外箱側と内箱側の面でフィルム構成が違っていてもよい。例えば、第二のガスバリヤ層として、一方の面がアルミ蒸着フィルム、別の面がアルミ箔という組み合わせであっても何ら問題ない。尚、各層は二液硬化型ウレタン接着剤を介してドライラミネート法によって貼り合わせられるが、接着剤、貼り合わせ方法には特にこれに限定するものではない。
表面層と熱溶着層に吸湿性の低い樹脂を配置する目的は、酸素バリヤ性の高い上記のガスバリヤ層フィルムは吸湿によりガスバリヤ性が悪化するため、表面層と熱溶着層で挟むことで、ラミネートフィルム全体の吸湿量を抑制するものである。これにより、真空断熱材50の真空排気工程においても、外被材53が持ち込む水分量が小さいため、真空排気効率が大幅に向上し、高性能化につながっている。
また、内包材52については熱溶着可能なポリエチレンフィルム、吸着剤54については物理吸着タイプの合成ゼオライトを用いたが、いずれもこれらの材料に限定するものではない。内包材52についてはポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等、吸湿性が低く熱溶着でき、アウトガスが少ないものであれば良く、吸着剤54については水分(水や水蒸気)を吸着するもので、物理吸着、化学反応型吸着のどちらでも良い。
一方、図5に示す実施例1の真空断熱材150の構成は、基本的には図4の真空断熱材50と同じ構成であるが、吸着剤54の代わりとして、水分吸着速度の速い第一の吸着剤154と、水分吸着速度の遅い第二の吸着剤155と、の二種類の吸着剤を配置したものである。第一の吸着剤154として合成ゼオライト、第二の吸着剤として酸化カルシウムを用いた。
本実施例では、第一の吸着剤154は芯材の層間に配置し、第二の吸着愛155は芯材の表面に配置している。また、第二の吸着剤は、外被材53が折り返される面に配置することが好ましい。これにり、外被材53が折り返される面と反対側の面、すなわち、外箱21の内面に貼り付ける側の面、の平面性が向上し、真空断熱材の配置時に、外箱21内面との密着性が良くなる。
合成ゼオライトについては親水性で細孔径が0.3〜1.0nmであればよく、ビーズタイプに限定することなく、ペレット状や他の形状についても使用することができる。また、天然ゼオライトを用いても構わない。本実施例においては、合成ゼオライトを芯材151の層間に直接ばら撒いて用いたが、不織布等の通気性を有する袋に入れてもよく、特に限定するものではない。また、酸化カルシウムについては、本実施例では粉末状の生石灰を用いたが、粒度が大きいものでもよく、特に限定するものではない。本実施例においては、第一の吸着剤154と第二の吸着剤155の配置を図5に示すように、互いが接触しない位置に配置した。
なお、本実施例においては水分吸着速度の速い第一の吸着剤154と、水分吸着速度の遅い第二の吸着剤155と、の二種類の吸着剤を配置しているが、第三、第四と吸着剤の種類を増やして配置しても吸着性能を高めることができ、真空断熱材の性能を向上させることができる。
以上の構成からなる実施例1における真空断熱材150は、芯材51の厚さを10〜20mm(配置部位によって異なる)、芯材51の密度を約230(kg/m3)に設定したものを使用した。
実施例1で冷蔵庫1の各部に真空断熱材150を組み込み、箱体熱漏洩量の初期値と1年経過後の値を測定し確認し、初期値100(基準)、1年後102という結果が得られた。
尚、実施例1で用いた真空断熱材150のサイズについては、冷蔵庫1の各部にそれぞれ合わせたものであり、具体的に記載しないが、第一の吸着剤154と第二の吸着剤155の使用量もそれぞれ真空断熱材150のサイズに応じて設定している。第一の吸着剤154と第二の吸着剤155の使用量については特に限定するものではない。
(比較例)
実施例1において、全て従来の真空断熱材50を組み込んだ冷蔵庫の箱体熱漏洩量は初期値100、1年後106であった。
実施例1において、全て従来の真空断熱材50を組み込んだ冷蔵庫の箱体熱漏洩量は初期値100、1年後106であった。
(実施例2)
図6に示す実施例2の真空断熱材は、実施例1の真空断熱材に真空断熱材凹部100と真空断熱材凸部101を設けている。この真空断熱材凹部100側は外箱21の内壁面に対して粘着テープやホットメルト等によって取り付けられる。一方で真空断熱材凸部101側には、発泡断熱材23が充填される。なお、真空断熱材凹部100と外箱21との間には、放熱用配管等が配置される。
図6に示す実施例2の真空断熱材は、実施例1の真空断熱材に真空断熱材凹部100と真空断熱材凸部101を設けている。この真空断熱材凹部100側は外箱21の内壁面に対して粘着テープやホットメルト等によって取り付けられる。一方で真空断熱材凸部101側には、発泡断熱材23が充填される。なお、真空断熱材凹部100と外箱21との間には、放熱用配管等が配置される。
ここで、真空断熱材に凹部や凸部を設ける場合、吸着剤が配置されていると、凹凸形状が規定の寸法よりも大きくなってしまう。したがって、吸着剤、特に第二の吸着剤255は、凹部や凸部が設けられていない、平面部に配置ししている。
(実施例3)
図7に示す実施例3の真空断熱材は、実施例1の真空断熱材に真空断熱材曲げ部102を設けている。真空断熱材に曲げ部を設けた場合、真空断熱材の芯材表面に配置した第二の吸着剤355は、曲げ部が設けられていない、平面部に配置している。これは、真空断熱材曲げ部102に第二の吸着剤が配置された場合、吸着剤の鋭角部分と外被材との間での応力によって、外被材が破損してしまう恐れがあり、真空断熱材のリークが発生してしまうためである。
(実施例4)
なお、真空断熱材150の製造方法としては、まず、外被材53として、矩形状のガスバリアフィルム2枚を向い合せ、その三辺を熱溶着して三方袋とする。その後、三方袋内に芯材51と各吸着剤を挿入し、袋内部を減圧しながら、外被材53の袋の開口部53aを熱溶着させて密封することにより真空断熱材150が得られる。
図7に示す実施例3の真空断熱材は、実施例1の真空断熱材に真空断熱材曲げ部102を設けている。真空断熱材に曲げ部を設けた場合、真空断熱材の芯材表面に配置した第二の吸着剤355は、曲げ部が設けられていない、平面部に配置している。これは、真空断熱材曲げ部102に第二の吸着剤が配置された場合、吸着剤の鋭角部分と外被材との間での応力によって、外被材が破損してしまう恐れがあり、真空断熱材のリークが発生してしまうためである。
(実施例4)
なお、真空断熱材150の製造方法としては、まず、外被材53として、矩形状のガスバリアフィルム2枚を向い合せ、その三辺を熱溶着して三方袋とする。その後、三方袋内に芯材51と各吸着剤を挿入し、袋内部を減圧しながら、外被材53の袋の開口部53aを熱溶着させて密封することにより真空断熱材150が得られる。
また、第一の吸着剤154と第二の吸着剤155を配置する位置については、図8(b)のように、外被材53の開口部53aから遠い芯材51の奥側と、外被材53の開口部53aから近い芯材51の手前側にそれぞれ第一の吸着剤154と第二の吸着剤155の両方を配置してもよい。ただし、第一の吸着剤154は、開口部53aに近い側よりも遠い側に多く配置している。一方で、第二の吸着剤155は、開口部53aから遠い側よりも近い側に多く配置している。また、開口部53aから遠い側では、第一の吸着剤154の方が第二の吸着剤155よりも多く存在し、開口部53aに近い側では、第二の吸着剤155の方が第一の吸着剤154よりも多く存在する。尚、第一の吸着剤154及び第二の吸着剤155については、それぞれ実施例2、3に記載の第一の吸着剤254、354及び第二の吸着剤255、355であってもよい。
本実施例1〜4に用いた真空断熱材150,250,350は、吸着速度の速い第一の吸着剤154,254,354を、芯材の中間に配置することで、真空断熱材150,250,350の初期の内部圧力を低い安定状態に比較的早く到達させることができる。このため、初期の熱伝導率が低い値を示し、この真空断熱材を冷蔵庫に用いれば、省エネ性能を良好にすることが可能となる。また、真空断熱材特有の断熱性能の経時劣化についても、吸着速度の遅い第二の吸着剤により、長期に亘って内部圧力の上昇を抑制する効果がある。これは、真空断熱材の使用期間中に外部から外被材の開口部付近に浸入する僅かな量の水蒸気や、第一の吸着剤で吸着された後に脱離してしまった水分が、第二の吸着剤により継続的に吸着されるためである。なお、本実施例1〜4の真空断熱材150,250,350については、冷蔵庫以外にも自動販売機、給湯機器等、断熱を必要とする製品分野での活用が期待できる。
以上のように、本発明に係る真空断熱材およびそれを用いた冷蔵庫等の機器については、長期間使用した後も安定した断熱性能が得られることから、電力消費量の少ない製品や機器を提供できる。
1 冷蔵庫、2 冷蔵室、3a 貯氷室、3b 上段冷凍室、
4 下段冷凍室、5 野菜室、6a 冷蔵室扉、6b 冷蔵室扉、
7a 貯氷室扉、7b 上段冷凍室扉、8 下段冷凍室扉、
9 野菜室扉、10 扉用ヒンジ、11 パッキン、
12,14 断熱仕切り、13 仕切り部材、
20 箱体、21 外箱、22 内箱、23 発泡断熱材、
27 送風機、28 冷却器、30 圧縮機、31 凝縮機、
33 発泡ポリスチレン、40 凹部、41 電気部品、
42 カバー、45 庫内灯、45a ケース、
50 真空断熱材、
51 芯材、
52 内袋、
53 外被材、
150,250,350 真空断熱材、
100 真空断熱材凹部
101 真空断熱材凸部
102 真空断熱材曲げ部
154,254,354 第一の吸着剤、
155,255,355 第二の吸着剤、
354a 第一の吸着剤の不織布、355a 第二の吸着剤の不織布
4 下段冷凍室、5 野菜室、6a 冷蔵室扉、6b 冷蔵室扉、
7a 貯氷室扉、7b 上段冷凍室扉、8 下段冷凍室扉、
9 野菜室扉、10 扉用ヒンジ、11 パッキン、
12,14 断熱仕切り、13 仕切り部材、
20 箱体、21 外箱、22 内箱、23 発泡断熱材、
27 送風機、28 冷却器、30 圧縮機、31 凝縮機、
33 発泡ポリスチレン、40 凹部、41 電気部品、
42 カバー、45 庫内灯、45a ケース、
50 真空断熱材、
51 芯材、
52 内袋、
53 外被材、
150,250,350 真空断熱材、
100 真空断熱材凹部
101 真空断熱材凸部
102 真空断熱材曲げ部
154,254,354 第一の吸着剤、
155,255,355 第二の吸着剤、
354a 第一の吸着剤の不織布、355a 第二の吸着剤の不織布
Claims (7)
- ガスバリヤ層を有するフィルムを向い合せて一部を熱溶着して袋状とした外被材の中に、繊維材料を含む芯材と、第一の吸着剤と、前記第一の吸着剤よりも水分吸着速度の遅い第二の吸着剤と、を配置した真空断熱材において、前記第一の吸着剤は芯材の層間に配置し、前記第二の吸着剤は芯材の表面に配置することを特徴とする真空断熱材。
- 前記真空断熱材が曲げあるいは凹凸形状を有しており、前記第二の吸着剤が前記曲げあるいは凹凸形状が設けられていない平面部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材。
- 前記芯材は複数の層から成り、前記芯材の全層を貫通させて固定した固定部を設けることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材。
- 前記芯材となる繊維材料が連続フィラメント法により製造され、ニードルパンチ加工をされていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の真空断熱材。
- 前記第一の吸着剤を合成または天然のゼオライト、前記第二の吸着剤を酸化カルシウムとしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の真空断熱材。
- 前記第一の吸着剤を粉末状の酸化カルシウム、第二の吸着剤を粒状の酸化カルシウムとしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の真空断熱材。
- 前記第一、第二の吸着剤を、いずれも通気性を有する不織布からなる袋に収納した粉末状の酸化カルシウムとし、前記第一の吸着剤の不織布が第二の吸着剤の不織布よりも通気性が高いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の真空断熱材。
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