JP2018013198A - 真空断熱材およびそれを用いた冷蔵庫 - Google Patents

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祐志 新井
Yushi Arai
祐志 新井
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一輝 柏原
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Abstract

【課題】ヒートブリッジ影響が少なく、外部からのガス侵入を抑制した真空断熱材およびこれを用いた冷蔵庫を提供する。【解決手段】繊維状材料からなる芯材と、これを覆う外被材と、を備えた真空断熱材において、前記外被材の一部の内面側に、前記外被材とは別のガス透過抑制部材を設ける。あるいは、前記外被材が、表面保護層、ガスバリヤ層及び熱溶着層を含む多層ラミネートフィルムからなり、前記表面保護層又は前記熱溶着層の表面に、ガスバリヤ剤をコーティングする。そして、このような真空断熱材を冷蔵庫に用いる。【選択図】 図5

Description

本発明は、真空断熱材とそれを用いた冷蔵庫に関するものである。
地球環境の保護を目的に、様々な分野の製品や機器の省エネルギー化が進められている。例えば一般家庭において年間の電力消費量が大きいと言われている冷蔵庫においては、インバータ化等による電気系や制御系の改良に加え、熱(冷気)を逃がさないための筐体の断熱性能改善が行われている。
冷蔵庫の従来例としては特許文献1に示されるように、真空断熱材の表面側と裏面側で異なるフィルムを組み合わせた外被材を採用したものがある。例えば表面側のフィルムにアルミ箔を含む構成を、裏面側のフィルムにはアルミ蒸着層を含む構成としたものである。この特許文献1では冷媒パイプ上に真空断熱材を配置した例が示されているが、冷媒パイプの高温影響によってフィルムからのガス浸入が増加しないよう、高温部側にアルミ箔を含むフィルムを配置したものである。
また、特許文献2に示されるように、真空断熱材の外被材を二重にして、外部からのガス浸入を抑制した例もある。
また、特許文献3に示されるように、真空断熱材特有の外被材を熱が伝わって回り込む、所謂ヒートブリッジを抑制するために、袋状の外被材フィルムの熱溶着部周辺部に金属蒸着層を設けず、無機系蒸着層をも配置した例がある。
また、特許文献4に示されるように、真空断熱材の外被材を構成するアルミ箔を含んだフィルムから、アルミ箔をループ状に抜いて、ヒートブリッジを抑制した例がある。
特許3544653号公報 特開平8−86394号公報 特開2012−219956号公報 特許5517150号公報
特許文献1の従来例では高温側に配置する真空断熱材の外被材をアルミ箔を含む構成としたことで、高温雰囲気下でガス透過量が増加するのを抑制しているが、熱伝導の良いアルミ箔の影響で熱が回り込む所謂ヒートブリッジの影響に対する考えが不足している。
また、特許文献2の従来例については、外袋を二重にすることでガスの透過は十分に抑制できると考えられるが、ヒートブリッジの影響やコストに関しての考えが不足している。
また、特許文献3の従来例については、熱溶着部付近の金属蒸着層を除去して非金属蒸着をすることで外被材のヒートブリッジ影響の抑制とガスバリヤ性を両立しているものの、無機系蒸着部の耐クラック性や加工コストに問題があると考えられ。
また、特許文献4の従来例については、外被材に含まれる金属箔の一部をループ状に抜くことで、ヒートブリッジ影響を軽減するものである。しかしながら、金属箔の熱伝導量は大きく、ヒートブリッジ影響を抑制しきれていないという問題がある。
そこで本発明は、ヒートブリッジ影響が少なく、外部からのガス侵入を抑制した真空断熱材およびこれを用いた冷蔵庫を提供するものである。
上記課題を解決するため本発明は、繊維状材料からなる芯材と、これを覆う外被材と、を備えた真空断熱材において、前記外被材の一部の内面側に、前記外被材とは別のガス透過抑制部材を設けたことを特徴とする。あるいは、繊維状材料からなる芯材と、これを覆う外被材と、を備えた真空断熱材において、前記外被材が、表面保護層、ガスバリヤ層及び熱溶着層を含む多層ラミネートフィルムからなり、前記表面保護層又は前記熱溶着層の表面に、ガスバリヤ剤をコーティングしたことを特徴とする。そして、このような真空断熱材を冷蔵庫に用いることを特徴とする。
本発明によれば、真空断熱材の一部が例えば高温部分や高湿部分に面して配置されるような、部分的にガス透過しやすい環境に晒される場合でも、外被材全体のガス透過を抑制する必要がなく、晒された部分およびその周囲だけのガス透過抑制が可能であり、簡単な加工で比較的安価に対応することができる。また、上記以外の環境で使用する場合、ガス透過抑制部材を施した部分については、ガスバリヤフィルムが二重になっていることから、仮に外側のフィルムに傷がついても、真空が解除されることなく断熱性能の維持が可能である。本発明では、上記の真空断熱材およびこれを用いた冷蔵庫の他、真空断熱材を活用した様々な機器を提供することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施形態における冷蔵庫の正面図である。 本発明の実施形態における冷蔵庫の縦断面図(図1のA−A断面)である。 本発明の実施形態における冷蔵庫の庫内野視図(図2のB−B野視)である。 従来の真空断熱材説明図である。 実施例1の真空断熱材を示す図である。 実施例1のガス透過抑制部材の断面図(図5のD部拡大図)である。 実施例1の冷蔵庫の図2のC部拡大説明図である。 実施例1のガス透過抑制部材のサイズ例を示す図である。 実施例2と3の冷蔵庫の真空断熱材を示す図である。
本発明の実施形態に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫について、図面を参照しながら以下詳細に説明する。本発明の第1の実施形態については図1〜図8を用いて、第2の実施形態については図9を用いてそれぞれ説明する。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫の外観を示す正面図である。図2は実施例1に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫の縦断面図であり、図1のA−A線の切断図である。図3は実施例1に係る真空断熱材を備えた冷蔵庫のB−B野視図である。
図1に示す実施例1を備えた冷蔵庫1は、図2に示すように、上から冷蔵室2、貯氷室3aと上段冷凍室3b、冷凍室4、野菜室5を有している。図1の符号は、上記各室の前面開口部を閉塞する扉であり、上からヒンジ10等を中心に回動する冷蔵室扉6a、6b、冷蔵室扉6a、6b以外は全て引き出し式の扉であり、貯氷室扉7aと上段冷凍室扉7b、下段冷凍室扉8、野菜室扉9を配置する。これらの引き出し式扉7〜9は扉を引き出すと、各室を構成する容器が扉と共に引き出されてくる。各扉6〜9には冷蔵庫本体1とを密閉するためのパッキン11を備え、各扉6〜9の室内側外周縁に取り付けられている。本実施例1では、各扉6〜9の表面材として強化処理をしたガラスを用いたが、これに限定することではなく、従来の鋼板等でも良い。尚、冷蔵室扉6aの冷蔵室扉6b側には冷蔵室扉6bのパッキン11の受面となる回転仕切り6cが設置されている。
また、冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3bとの間を区画断熱するために仕切断熱壁12を配置している。この仕切断熱壁12は厚さ30〜50mm程度の断熱壁で、スチロフォーム、発泡断熱材(ウレタンフォーム)、真空断熱材等、それぞれを単独使用又は複数の断熱材を組み合わせて作られている。製氷室3a及び上段冷凍室3bと下段冷凍室4の間は、温度帯が同じであるため区画断熱する仕切り断熱壁ではなく、パッキン11受面を形成した仕切り部材13を設けている。下段冷凍室4と野菜室5の間には区画断熱するための仕切断熱壁14を設けており、仕切断熱壁12と同様に30〜50mm程度の断熱壁で、これまたスチロフォーム、或いは発泡断熱材(ウレタンフォーム)、真空断熱材50等で作られている。基本的に冷蔵、冷凍等の貯蔵温度帯の異なる部屋の仕切りには仕切断熱壁を設置している。
尚、箱体20内には上から冷蔵室2、製氷室3a及び上段冷凍室3b、下段冷凍室4、野菜室5の貯蔵室をそれぞれ区画形成しているが、各貯蔵室の配置については特にこれに限定するものではない。また、冷蔵室扉6a、6b、製氷室扉7a、上段冷凍室扉7b、下段冷凍室扉8、野菜室扉9に関しても回転による開閉、引出しによる開閉及び扉の分割数等、特に限定するものではない。
箱体20は、外箱21と内箱22とを備え、外箱21と内箱22とによって形成される空間に断熱部を設けて箱体20内の各貯蔵室と外部とを断熱している。この外箱21側または前記内箱22側のいずれかに真空断熱材50又は150を配置し、真空断熱材50及び150以外の空間には硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填してある。真空断熱材50及び150の説明については後述する。
また、冷蔵庫の冷蔵室2、冷凍室3a、4、野菜室5等の各室を所定の温度に冷却するために冷凍室3a、4の背側には冷却器28が備えられており、この冷却器28と圧縮機30と凝縮機31、図示しないキャピラリーチューブとを接続し、冷凍サイクルを構成している。冷却器28の上方にはこの冷却器28にて冷却された冷気を冷蔵庫内に循環して所定の低温温度を保持する送風機27が配設されている。
また、冷蔵庫の冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3b、冷凍室4と野菜室5を区画する断熱材として、それぞれ断熱仕切り12、14を配置し、発泡ポリスチレン33と真空断熱材50で構成されている。この断熱仕切り12、14については硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填しても良く、特に発泡ポリスチレン33と真空断熱材50に限定するものではない。
また、前記内箱22の天面の一部に、断熱材23側に突き出したケース45aを有する庫内灯45を配置し、冷蔵庫の扉を開けたときの庫内を明るく、見えやすくしたものである。庫内灯45については、LED、電球、蛍光灯、キセノンランプ等、光源を特に限定するものではない。庫内灯45の配置により、ケース45aと外箱21との間の断熱材23の厚さが薄くなるため真空断熱材50を配置して断熱性能を確保している。この庫内灯45については特に図示位置に配置することを規定したものではない。
また、箱体20の天面後方部には冷蔵庫1の運転を制御するための基板や電源基板等の電気部品41を収納するための凹部40が形成されており、電気部品41を覆うカバー42が設けられている。カバー42の高さは外観意匠性と内容積確保を考慮して、外箱21の天面とほぼ同じ高さになるように配置している。特に限定するものではないが、カバー42の高さが外箱の天面よりも突き出る場合は10mm以内の範囲に収めることが望ましい。これに伴って、凹部40は断熱材23側に電気部品41を収納する空間だけ窪んだ状態で配置されるため、断熱厚さを確保するには庫内容積が犠牲になってしまう。内容積をより大きくとると凹部40と内箱22間の断熱材23の厚さが薄くなってしまうため、本実施形態においては凹部40の裏面に真空断熱材50を配置して断熱性能を確保している。実施例1では、真空断熱材50を前述の庫内灯45のケース45aと電気部品41に跨るように略Z形状に成形した1枚の真空断熱材50とした。尚、前記カバー42は外部からのもらい火や何らかの原因で発火した場合等を考慮し鋼板製としている。
また、箱体20の背面下部に配置された圧縮機30や凝縮機31は発熱の大きい部品であるため、庫内への熱侵入を防止するため、内箱22側への投影面に真空断熱材150を配置している。
ここで、実施例1における真空断熱材50及び150の配置について図2と図3で説明する。本発明における実施例1の形態では図2に示すよう、冷蔵庫1の庫内容積を拡大する目的で、図中C部に示すように冷蔵室2の庫内背面部の内箱22を一部断熱材側に凹ませた構造としている。この部分の断熱材壁構造は、通常「内箱22/発泡断熱材23/真空断熱材50/外箱21」であるが、実施例1では「内箱22/真空断熱材150/外箱21」とし、発泡断熱材23を排除したものである。
また、野菜室5の底面部の内箱22外面(断熱材23側)にも真空断熱材150を配置している。天井部は前述の通り真空断熱材50を、両側面部については外箱23の内面に、冷蔵室2と冷凍室3a、3b、4及び野菜室5に跨って真空断熱材50が配置し、冷蔵室扉6a、6b、冷凍室扉8、野菜室扉9についても外箱22(本実施例ではガラス板)内面に真空断熱材50を配置している。その他、各仕切り断熱12と14にも真空断熱材50を配置している。尚、真空断熱材50、150の配置や使用数については特に限定するものではない。
ここで、真空断熱材50と150について図4〜図6を用いて説明する。図4は従来の真空断熱材50を示したものであり、芯材51と該芯材51を一時的に圧縮状態に保持するための内包材52、前記内包材52で圧縮状態に保持した芯材51を被覆するガスバリヤ層を有する外被材53及び吸着剤54とから構成してある。該外被材53は前記真空断熱材50の両面に配置され、同じ大きさのラミネートフィルムを向い合せ、各辺の端部から一定の幅部分を熱溶着した袋状で構成されている。なお、実施例1において、前記芯材51についてはバインダー等で接着や結着していない無機繊維の積層体として平均繊維径4μmのグラスウールを用いた。
前記芯材51については、無機系繊維材料の積層体を使用することによりアウトガスが少なくなるため、断熱性能的に有利であるが、特にこれに限定するものではなく、例えば無機系繊維を加熱成形したものやバインダ成形したもの、或いはセラミック繊維やロックウール、グラスウール以外のガラス繊維等の無機繊維、及び有機繊維を用いてもよく、特に限定するものではない。前記芯材51の種類によっては内包材52は使用しない場合もあるため、これについても特に限定するものではない。
外被材53のラミネート構成についてはガスバリヤ性を有し、熱溶着可能であれば特に限定するものではないが、実施例1では、表面層、第一のガスバリヤ層、第二のガスバリヤ層、熱溶着層の4層構成からなるラミネートフィルムとし、表面層は吸湿性の低い樹脂フィルム、第一のガスバリヤ層は金属蒸着層を設けた樹脂フィルム、第二のガスバリヤ層は酸素バリヤ性の高い樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、第一と第二のガスバリヤ層については金属蒸着層同士が向かい合うように貼り合わせている。熱溶着層については表面層と同様に吸湿性の低いフィルムを用いた。具体的には、表面層を二軸延伸ポリプロピレン、第一のガスバリヤ層をアルミニウム蒸着付きのポリエチレンテレフタレート、第二のガスバリヤ層をアルミニウム蒸着付きの二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルムとし、熱溶着層を直鎖状低密度ポリエチレンフィルムとした。外被材53については特にこの構成に限定するものではない。
表面層はポリアミド(ナイロン)やポリエチレンテレフタレート等でもよく、第一及び第二のガスバリヤ層についても金属箔や樹脂系フィルムに無機層状化合物や樹脂系ガスバリヤコート材等のガスバリヤ膜を設けたものでもよい。熱溶着層には例えば酸素バリヤ性の高いポリブチレンテレフタレートフィルムや、汎用性の高いポリプロピレンフィルム、高密度、中密度、低密度等のポリエチレンフィルムを用いても良い。
また、真空断熱材50のそれぞれの外箱側と内箱側の面でフィルム構成が違っていてもよい。例えば、第二のガスバリヤ層として、一方の面がアルミ蒸着フィルム、別の面がアルミ箔という組み合わせであっても何ら問題ない。尚、各層は二液硬化型ウレタン接着剤を介してドライラミネート法によって貼り合わせられるが、接着剤、貼り合わせ方法には特にこれに限定するものではない。
表面層と熱溶着層に吸湿性の低い樹脂を配置する目的は、酸素バリヤ性の高い上記のガスバリヤ層フィルムは吸湿によりガスバリヤ性が悪化するため、表面層と熱溶着層で挟むことで、ラミネートフィルム全体の吸湿量を抑制するものである。これにより、真空断熱材50の真空排気工程においても、外被材53が持ち込む水分量が小さいため、真空排気効率が大幅に向上し、高性能化につながっている。
また、内包材52については実施例1では熱溶着可能なポリエチレンフィルム、吸着剤54については物理吸着タイプの合成ゼオライトを用いたが、いずれもこれらの材料に限定するものではない。内包材52についてはポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等、吸湿性が低く熱溶着でき、アウトガスが少ないものであれば良く、吸着剤54については水分やガスを吸着するもので、物理吸着、化学反応型吸着のどちらでも良い。
一方、図5に示す実施例1の真空断熱材150の構成は、基本的には図4の真空断熱材50と同じ構成であるが、外被材53の内面の一部に、ガス透過抑制部材153を配置したものである。ガス透過抑制部材153については、本実施例1では表面層とガスバリヤ層及び熱溶着層からなるラミネートフィルムを用いた。具体的には図6に示す図5のD部拡大図のように、表面層153aはポロプロピレンフィルム又はポリアミドフィルム、第1のガスバリヤ層153bとしてアルミ蒸着を施したポリエチレンテレフタレート、第2のガスバリヤ層153cにアルミ箔を、熱溶着層153dについては直鎖状低密度ポリエチレンフィルムとした。ガス透過抑制部材153については基本的に外被材53と同等以上のガス透過量のフィルムであればよく、層数や材質については特に限定するものではない。本実施例1ではガス透過抑制部材153の熱溶着層153dと外被材53の熱溶着層53dを同じ材質のフィルムとし、向い合せて熱溶着した。
熱溶着については図8(a)の如くガス透過抑制部材153の全面積を溶着した溶着部155とするか、図8(b)のようにガス透過抑制部材153の外形線から内側に一定の幅を有した熱溶着部156としても良い。但し、図8(b)の場合、周囲は連続した熱溶着部156とし、その内側は、外被材53とガス透過抑制部材153の間に、非溶着部として密閉部157を設けるものとする。
尚、ガス透過抑制部材153のサイズについては特に限定するものではないが、本実施例1では図7に示す図2のC部拡大図のように、内箱22と真空断熱材153が直接接着剤55により接着されている面積S1よりも大きい面積S2に設定した。これは、樹脂材で構成された内箱22側からのガス侵入が、その他の発泡断熱材23を介して配置した場合よりも大きいと考えられることから、このサイズ(面積S2)に設定したものである。
以上の構成からなる実施例1における真空断熱材50、150は芯材51の厚さを10〜20mm(配置部位によって異なる)、芯材51の密度を約230(kg/m)に設定したものを使用した。ガス透過抑制部材153を設置した真空断熱材150については前述の通り冷蔵庫1の背面部と底面部に配置した。ガス透過抑制部材153を採用した真空断熱材150を組み込んだ冷蔵庫を加速試験後(加速温度で一定期間経過後)の箱体熱漏洩量は初期値を100とした場合、103であった。
(比較例1)
実施例1において、全て通常の真空断熱材50を組み込んだ冷蔵庫の箱体熱漏洩量は初期値100に対して106であった。
(実施例2)
実施例2の冷蔵庫は、実施例1の真空断熱材150の代わりに図9に示す真空断熱材250を適用したものである。真空断熱材250は実施例1の真空断熱材150に対して、外被材53の内面とガス透過抑制部材153の間に水分吸着剤、ガス吸着剤のいずれか又は両方の吸着剤253を配置した。具体的には吸着剤253として、酸化カルシウムや合成ゼオライトを練りこんだ樹脂フィルムを配置した。吸着剤253については水分やガスを吸着するものであれば特に限定するものではない。実施例2では吸着剤253として酸化カルシウムを練りこんだものとした。以上の構成からなる実施例2の冷蔵庫の加速試験後の箱体熱漏洩量は初期値100に対して102であった。
(実施例3)
実施例3の冷蔵庫は、実施例2の真空断熱材250の吸着剤253を疎水性の合成ゼオライトとした以外は実施例2と同じである。以上の構成からなる実施例3の冷蔵庫の加速試験後の箱体熱漏洩量は初期値100に対して103であった。吸着剤253に疎水性ゼオライトを用いた実施例3の真空断熱材250については、図示しない給湯機器の貯湯タンクの断熱材として試験的に使用したところ、従来の真空断熱材50を使用した場合よりも断熱性能の悪化量が少なかったことから、使用温度帯の高い製品に有効であると考える。
本実施例1〜3に用いた真空断熱材150、250はガス透過抑制部材153を熱溶着により配置することで、真空断熱材150、250のハンドリング時の擦れ、ぶつけ等による傷付きによる破袋の防止作用もある。仮にガス透過抑制部材153の投影面にあたる外被材53に穴が開いた場合でも、ガス透過抑制部材153があるためリーク不良には至らない。本実施例1〜3の真空断熱材150、250については冷蔵庫以外にも自動販売機、給湯機器等、断熱を必要とする製品分野での活用が期待できる。また、外被材53とは別のガス透過抑制部材を設ける代わりに、外被材53そのものの表面保護層や熱溶着層の表面に、ガスバリヤ剤をコーティングしても、同様の効果が期待できる。
1 冷蔵庫 2 冷蔵室 3a 貯氷室
3b 上段冷凍室 4 下段冷凍室 5 野菜室
6a 冷蔵室扉 6b 冷蔵室扉
7a 貯氷室扉 7b 上段冷凍室扉
8 下段冷凍室扉 9 野菜室扉
10 扉用ヒンジ 11 パッキン
12,14 断熱仕切り 13 仕切り部材
20 箱体 21 外箱 22 内箱
23 発泡断熱材 27 送風機 28 冷却器
30 圧縮機 31 凝縮機
33 発泡ポリスチレン 40 凹部
41 電気部品 42 カバー 45 庫内灯
45a ケース
50 真空断熱材 51 芯材 52 内袋
53 外被材 53a 表面層
53b 第1のガスバリヤ層53c 第2のガスバリヤ層
53d 熱溶着層 54 吸着剤
150 真空断熱材 153 ガス透過抑制部材
153a 表面層 153b 第1のガスバリヤ層
153c 第2のガスバリヤ層153d 熱溶着層
155 熱溶着部 156 熱溶着部 157 密閉部
250 真空断熱材 253 吸着剤

Claims (8)

  1. 繊維状材料からなる芯材と、これを覆う外被材と、を備えた真空断熱材において、
    前記外被材の一部の内面側に、前記外被材とは別のガス透過抑制部材を設けたことを特徴とする真空断熱材。
  2. 前記外被材が、表面保護層、ガスバリヤ層及び熱溶着層を含む多層ラミネートフィルムからなり、
    前記ガス透過抑制部材が、金属箔及び熱溶着層を含む多層ラミネートフィルムからなり、
    前記外被材の前記熱溶着層と前記ガス透過抑制部材の前記熱溶着層とを熱溶着したことを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 前記ガス透過抑制部材は、全面積のうち一部を前記外被材との熱溶着部とし、
    前記熱溶着部の内側に、前記外被材と前記ガス透過抑制部材との間で密閉された非熱溶着部が存在することを特徴とする請求項1の真空断熱材。
  4. 前記非溶着部に水分吸着剤、ガス吸着剤のいずれか又は両方の機能を有する吸着剤を配置したことを特徴とする請求項3の真空断熱材。
  5. 前記ガス透過抑制部材の前記熱溶着層は、その全面積が、前記外被材の前記熱溶着層と熱溶着されていることを特徴とする請求項2の断熱材。
  6. 繊維状材料からなる芯材と、これを覆う外被材と、を備えた真空断熱材において、
    前記外被材が、表面保護層、ガスバリヤ層及び熱溶着層を含む多層ラミネートフィルムからなり、
    前記表面保護層又は前記熱溶着層の表面に、ガスバリヤ剤をコーティングしたことを特徴とする真空断熱材。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の真空断熱材を用いた冷蔵庫。
  8. 請求項7において、内箱外面に前記真空断熱材が直接配置され、前記内箱外面と前記真空断熱材との接触面部分について、前記外被材とは別の前記ガス透過抑制部材を配置するか、前記外被材の前記表面保護層又は前記熱溶着層の表面に、ガスバリヤ剤をコーティングしたことを特徴とする冷蔵庫。
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