JP2020034209A - 冷蔵庫 - Google Patents

冷蔵庫 Download PDF

Info

Publication number
JP2020034209A
JP2020034209A JP2018159904A JP2018159904A JP2020034209A JP 2020034209 A JP2020034209 A JP 2020034209A JP 2018159904 A JP2018159904 A JP 2018159904A JP 2018159904 A JP2018159904 A JP 2018159904A JP 2020034209 A JP2020034209 A JP 2020034209A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat insulating
insulating material
vacuum heat
case
refrigerator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018159904A
Other languages
English (en)
Inventor
正康 津布久
Masayasu Tsufuku
正康 津布久
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Global Life Solutions Inc
Original Assignee
Hitachi Global Life Solutions Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Global Life Solutions Inc filed Critical Hitachi Global Life Solutions Inc
Priority to JP2018159904A priority Critical patent/JP2020034209A/ja
Publication of JP2020034209A publication Critical patent/JP2020034209A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Thermal Insulation (AREA)
  • Refrigerator Housings (AREA)

Abstract

【課題】ウレタンフォームを充填させなくても、外力によって真空断熱材が傷づくのを防止した仕切断熱壁とすることで、外箱と内箱との間にウレタンフォームを充填した後であっても、仕切断熱壁の取り付けが可能な冷蔵庫を提供する。【解決手段】外箱と、内箱と、前記外箱と内箱との間に充填される発泡断熱材と、隣接する空間を区画して断熱する仕切断熱壁と、を備えた冷蔵庫において、前記仕切断熱壁は、第一のケースと、前記第一のケースと対向して設けられる第二のケースと、前記第一のケースと第二のケースとにより形成される空間内に収納され、外包材の内部に芯材を封入した状態で内部を減圧してなる真空断熱材と、を有し、前記真空断熱材と第二のケースとの間に、前記真空断熱材よりも軟らかい軟質部材を設けた。【選択図】図4

Description

本発明は、真空断熱材を備えた冷蔵庫に関する。
近年の冷蔵庫は、省エネルギー化のため、冷蔵庫箱体(筐体)の断熱材である硬質ウレタンフォームに真空断熱材を併用して断熱性能を大幅に向上させた製品が発売されている。真空断熱材とは例えば硬質ウレタンフォームの10倍以上の断熱性能を有するものである。
従来の技術としては、真空断熱材は一般的には作業性等を考慮して、例えば冷蔵庫筐体の外箱側の平坦な部分に配置される例が多いが、真空断熱材特有とも言える外被材のヒートブリッジ影響によって本来の断熱性能を十分に発揮することができていない場合があった。ここで、ヒートブリッジとは、鋼板等の熱伝導率の高い部材からなる冷蔵庫外箱に設置された真空断熱材が、温度の高い外気から外箱を通し、さらに後述する図3に示す真空断熱材の外被材(例えば金属層を有する多層にラミネートされたフィルム状の材料とする)の端部に形成された折り曲げ部を介して、芯材を通ることなく発泡ウレタン(硬質ウレタンフォーム)に橋絡する現象(逆に冷蔵庫内部から外気への流れでも同様)を云い、本発明の説明においても同様の意味で用いる。
また、特許文献1に示される従来技術として、被覆材によりその外周を覆われた真空断熱材からなる断熱パネルを備えた冷蔵庫が示されている。
特開2011−241988号公報
特許文献1に記載の冷蔵庫は、断熱パネル外側に設けられた外被材の周囲にウレタンフォームを充填することで、仕切断熱壁を形成している。
本発明の目的は、ウレタンフォームを充填させなくても、外力によって真空断熱材が傷づくのを防止した仕切断熱壁とすることで、外箱と内箱との間にウレタンフォームを充填した後であっても、仕切断熱壁の取り付けが可能な冷蔵庫を提供することにある。
本発明は、外箱と、内箱と、前記外箱と内箱との間に充填される発泡断熱材と、隣接する空間を区画して断熱する仕切断熱壁と、を備えた冷蔵庫において、前記仕切断熱壁は、第一のケースと、前記第一のケースと対向して設けられる第二のケースと、前記第一のケースと第二のケースとにより形成される空間内に収納され、外包材の内部に芯材を封入した状態で内部を減圧してなる真空断熱材と、を有し、前記真空断熱材と第二のケースとの間に、前記真空断熱材よりも軟らかい軟質部材を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、ウレタンフォームを充填させなくても、外力によって真空断熱材が傷づくのを防止した仕切断熱壁とすることで、外箱と内箱との間にウレタンフォームを充填した後であっても、仕切断熱壁の取り付けが可能な冷蔵庫を提供できる。
本発明の実施形態に係る冷蔵庫の斜視図である。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫のA−A断面図である。 本発明の実施形態に係る真空断熱材の断面図である。 本発明の実施形態に係る仕切断熱壁の断面図である。 本発明の実施形態に係る真空断熱材及び軟質部材の分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る仕切断熱壁の拡大要部断面図である。 本発明の実施形態に係る仕切断熱壁の拡大要部断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(冷蔵庫本体1の構成)
図1は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫の斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫のA−A断面図である。
実施形態の冷蔵庫本体1は、上から冷蔵温度で冷却する冷蔵室2、製氷した氷を貯蔵する製氷室4、冷凍温度で冷却する上段切替室3(冷蔵温度帯室又は冷凍温度帯室)および下段切替室5(冷蔵温度帯室又は冷凍温度帯室)、野菜を収納する野菜室6を有している。
冷蔵室扉2a、製氷室扉4a、上段切替室扉3a、下段切替室扉5a、野菜室扉6aは、それぞれ冷蔵室2、製氷室4、上段切替室3、下段切替室5、野菜室6の各室の手前側の前面開口部を開閉する。各扉内には、発泡断熱材12と真空断熱材13とが必要に応じて配置されている。
尚、本実施の形態において6は野菜室として説明するがこれに限らず、切替室(冷蔵温度帯室又は冷凍温度帯室)としても問題ない。
図1に示す冷蔵室扉2aは、ヒンジ等を中心に回動する扉であり、これ以外の製氷室扉4a、上段切替室扉3a、下段切替室扉5a、野菜室扉6aは、引き出し式の扉である。
引き出し式の製氷室扉4a、上段切替室扉3a、下段切替室扉5a、野菜室扉6aを引き出すと、各貯蔵室内の収納容器が扉と共に引き出されてくる。
冷蔵室扉2a、製氷室扉4a、上段切替室扉3a、下段切替室扉5a、野菜室扉6aには、冷蔵庫本体1との間を密閉するためのパッキン(図示せず)が、冷蔵庫本体1側の外周縁部に取り付けられている。
冷蔵温度の冷蔵室2と冷凍温度の製氷室4及び上段切替室3との間には、それぞれを区画して断熱するための仕切断熱壁7aを配置している。仕切断熱壁7は、厚さ20〜50mm程度の断熱壁で、発泡断熱材(硬質ウレタンフォーム)等により形成されている。
製氷室4及び上段切替室3と下段切替室5との間は、これら上下方向に隣接した室を区画して断熱する仕切断熱壁7cを配置し、その前方にパッキン受面を形成した仕切り部材を設けている。仕切断熱壁7cは、厚さ20〜50mm程度の断熱壁で、ケース内に真空断熱材等を収納することで形成されている(詳細は後述)。
冷凍温度の下段切替室5と野菜保存温度の野菜室6の間には、それぞれを区画して断熱するための仕切断熱壁7bを設けている。仕切断熱壁7bは、厚さ20〜50mm程度の断熱壁で、発泡断熱材(硬質ウレタンフォーム)、真空断熱材等により形成されている。
このように、基本的に冷蔵温度帯と冷凍温度帯とのように、貯蔵温度帯が異なる貯蔵室の仕切りには断熱性がある仕切断熱壁7a,7b,7cを設置している。
なお、冷蔵庫本体1の内部は、図2に示すように、上から冷蔵室2、製氷室4及び上段切替室4、下段切替室5、野菜室6の貯蔵室をそれぞれ区画形成しているが、各貯蔵室の配置については特にこれに限定するものではない。また、冷蔵室扉2a、製氷室扉4a、上段切替室扉3a、下段切替室扉5a、野菜室扉6aに関しても回転による開閉、引き出しによる開閉及び扉の分割数等、特に限定されない。
図2に示す冷蔵庫本体1は、PCM(Pre−Coated−Metal)鋼板等の鋼板製の外箱11と、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂等の樹脂製の内箱10とを備えている。内箱10は、冷蔵室2、製氷室4及び上段切替室3、下段切替室5、野菜室6を形成している。
外箱11と内箱10との間に形成される空間は、断熱空間として、冷蔵庫本体1内の各貯蔵室と外部空間とを断熱している。
この外箱11と内箱10との間の断熱空間に、真空断熱材13を配置し、真空断熱材13以外の断熱空間には硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材12を充填している。真空断熱材13については後記するが、図示しない固定部材、支持部材等で外箱11又は内箱10に固定支持されるか、ホットメルト等の接着剤で外箱11又は内箱10に固定されている。
また、冷蔵室2、製氷室4、上段切替室3、下段切替室5、野菜室6等の各貯蔵室を所定の温度に冷却するために製氷室4、上段切替室3、下段切替室5の背側には冷却器8を配置する冷却器室9が形成されている(図2参照)。
この冷却器8と、圧縮機23と、図示しない凝縮機と、図示しないキャピラリーチューブとを接続し、冷凍サイクルを構成している。
冷却器8の上方には、冷却器8にて冷却された冷気を冷蔵庫本体1の各貯蔵室内を循環させて所定の低温温度に保持する送風機24が配設されている。
また、図2に示す冷蔵庫本体1の上面の後方部には、電気部品が実装された電源基板等を収納するための凹形状の制御装置配置部14が形成されている。電気部品が実装された電源基板等の制御手段によって、冷蔵庫本体1の各種冷却運転や諸機能の駆動/停止等を制御している。さらに、制御装置配置部14の上方には、電気部品を覆うカバー14aが設けられている。カバー14aの高さは外観意匠性、冷蔵庫本体1の内容積確保、及び耐熱性を考慮して、冷蔵庫本体1の天面とほぼ同じ高さになるように配置している。特に限定するものではないが、カバー14aの高さが冷蔵庫本体1の天面よりも外側に突き出る場合は、10mm以内の範囲に収めることが望ましい。
これに伴って、制御装置配置部14は発泡断熱材12側(庫内側)に電気部品を収納する空間の制御装置配置部14だけ窪んだ状態で配置されるため、断熱厚さを確保しようとする場合、庫内側に突き出し、必然的に冷蔵庫本体1の内容積が犠牲になってしまう。一方、冷蔵庫本体1の内容積をより大きくとる場合には、制御装置配置部14と内箱10間の発泡断熱材12の厚さが薄くなってしまう。このため、図2に示すように、制御装置配置部14に対向する発泡断熱材12の中に真空断熱材13aを配置して断熱性能を確保、強化している。本実施形態では、図示しない庫内灯のケースと制御装置配置部14に跨るように略Z形状に成形した1枚の真空断熱材13aとしている。
また、図2に示す冷蔵庫本体1の背面下部(図2の冷蔵庫本体1の右下)の機械室に配置された圧縮機23や凝縮機(図示せず)は、発熱の大きい部品であるため、庫内の内箱10への熱侵入を防止するため、圧縮機23や凝縮機の内箱10側への投影面に真空断熱材(図示せず)を配置してもよい。なお、図2において真空断熱材は複数に分割されているが、単一の真空断熱材を複数箇所折り曲げて機械室前方と野菜室6後方との間の熱移動を遮断する構成としてもよい。この場合、真空断熱材の外包材(詳細は後述)を通した熱移動、いわゆるヒートブリッジ現象が抑制されて、断熱性能が向上する。
ここで、主にヒートブリッジとは、外箱11や仕切断熱壁7の内部に配された真空断熱材13が、温度の高い側(例えば、冷蔵庫外部や冷蔵温度帯室)から外箱11や仕切断熱壁7を通し、さらに真空断熱材13の外被材(例えば金属層を有する多層にラミネートされたフィルム状の材料とする)の端部を介して、真空断熱材13内の芯材を通ることなく、真空断熱材13の配されていない箇所に橋絡してしまう現象を云う(逆に冷蔵庫内部から外気や、冷凍温度帯側から冷蔵温度帯側への流れでも同様)。
(真空断熱材13の基本構成)
次に、真空断熱材13の構成について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施形態に係る真空断熱材の断面図である。
真空断熱材13は、真空のスペースを形成するための芯材17と、該芯材17を圧縮状態に保持するための内包材15b(図3では破線で表示)と、水分やガス等を吸着する吸着剤25と、内包材15bで圧縮状態に保持した芯材17を被覆するガスバリヤ層を有する外包材15aとを有し構成している。なお、図3においては、吸着剤25を強調して示している。
外包材15aは真空断熱材13の両面外側に配置され、同等の大きさのラミネートフィルムの外縁から一定の幅の部分を熱溶着により貼り合わせた袋状で構成されている。なお、貼り合わせ箇所は芯材17が位置せず、中央側に折り返した折り返し部16としている。
真空断熱材13の芯材17については、バインダ等で接着や結着していない無機繊維の積層体としている。芯材17は、無機系繊維材料の積層体を使用することによりアウトガス(ガスの発生)が少なくなるため、断熱性能的に有利であるが、特にこれに限定するものではなく、例えばセラミック繊維やロックウール、グラスウール、グラスファイバー、アルミナ、シリカアルミナ、シリカ、ロックウール、炭化ケイ素等の無機繊維等でもよい。芯材51の種類によっては内包材15bが不要の場合もある。
また、芯材17については、無機系繊維材料の他に、有機系樹脂繊維材料を用いることができる。有機系樹脂繊維の場合、耐熱温度等の芯材17としての性能をクリヤしていれば特に使用に際しては制約されるものではない。具体的には、ポリスチレンやポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等をメルトブローン法やスパンボンド法等で以下の実施例の繊維径になるように繊維化するが、繊維化できる有機系樹脂や繊維化方法であれば特に限定されない。
繊維集合体は無機繊維又は有機繊維からなり嵩密度が低いものが好ましく、繊維集合体の圧縮強度は以下のように測定する。繊維集合体を所定の大きさ(100mm×100mm)に切断し、100mm2当たり25gとなるよう荷重を加える。加重を加えた状態で繊維集合体の厚さ(単位:mm)を測定した後、目付け(繊維集合体の1m2当たりの重量 単位:kg/m2)で割った値を圧縮強度(単位:mm/(kg/m2))とする。この、圧縮強度が高いほど加重に対する抵抗力が大きくなり、形状維持に適した芯材となる。また、繊維同士を接着する方法としてバインダ剤の使用、熱プレス等があり、これらの手法を用いると繊維同士が接着することで圧縮強度が高くなるが、繊維を接着している点が熱パスとなり熱伝導率が悪化することから好ましくない。
繊維径の測定方法は、繊維を紡糸して繊維集合体としたものを、顕微鏡で拡大して30本の測定値の平均値とした。
なお、本実施例においては、顕微鏡にて拡大測定を行う方法や、マイクロネア測定器による測定方法がある。マイクロネア測定器は、綿等の繊維繊度を測定する計器であり、一定量の繊維塊の空気流に対する抵抗を測定して、繊維繊度を測定するものである。具体的には、一定重量の繊維を一定容積になるように試料ホルダに収納して、一定圧力の空気を送風する。そして、その時の空気流量を読み取ることで、繊維径をμオーダーで測定するものである。
繊維径については細い方が好ましいが、環境への配慮、工業的な生産性を考慮し10μm以下であることが望ましく、更には5.2μm以下であることがより好ましい。
外包材15aのラミネート構成についてはガスバリヤ性を有し、熱溶着可能であれば特に限定するものではないが、本実施形態においては、表面(保護)層、第一のガスバリヤ層、第二のガスバリヤ層、熱溶着層の4層構成からなるラミネートフィルムとする。
表面層は保護材の役割を持つ樹脂フィルムとし、第一のガスバリヤ層は樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、第二のガスバリヤ層は酸素バリヤ性の高い樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、第一のガスバリヤ層と第二のガスバリヤ層は金属蒸着層同士が向かい合うように貼り合わせている。熱溶着層については表面層と同様に吸湿性の低いフィルムを用いた。
具体的には、外包材15aは、表面層を二軸延伸タイプのポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の各フィルム、第一のガスバリヤ層をアルミニウム蒸着付きの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、第二のガスバリヤ層をアルミニウム蒸着付きの二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム又はアルミニウム蒸着付きの二軸延伸ポリビニルアルコール樹脂フィルム、或いはアルミ箔とし、熱溶着層を未延伸タイプのポリエチレン、ポリプロピレン等の各フィルムとした。
この4層構成のラミネートフィルムの層構成や材料については特にこれらに限定するものではない。例えば第一と第二のガスバリヤ層として、金属箔、或いは樹脂系のフィルムに無機層状化合物、ポリアクリル酸等の樹脂系ガスバリヤコート材、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等によるガスバリヤ膜を設けたものや、熱溶着層には例えば酸素バリヤ性の高いポリブチレンテレフタレートフィルム等を用いても良い。表面層については第一のガスバリヤ層の保護材であるが、真空断熱材13の製造工程における真空排気効率を良くするためにも、好ましくは吸湿性の低い樹脂を配置するのが良い。
また、通常、第二のガスバリヤ層に使用する金属箔以外の樹脂系フィルムは、吸湿することによってガスバリヤ性が著しく悪化してしまうため、熱溶着層についても吸湿性の低い樹脂を配置することで、ガスバリヤ性の悪化を抑制すると共に、ラミネートフィルム全体の吸湿量を抑制するものである。これにより、先に述べた真空断熱材13の真空排気工程においても、外包材15aが持ち込む水分量を小さくできるため、真空排気効率が大幅に向上し、断熱性能の高性能化につながる。
なお、各フィルムのラミネート(貼り合せ)は、二液の反応熱で硬化させる二液硬化型ウレタン接着剤を介してドライラミネート法によって貼り合わせるのが一般的であるが、接着剤の種類や貼り合わせ方法には特にこれに限定するものではなく、ウェットラミネート法、サーマルラミネート法等の他の方法によるものでも良い。
また、内包材15bについては本実施形態では熱溶着可能なポリエチレンフィルムを用い、吸着剤25については物理吸着タイプの合成ゼオライトを用いたが、いずれもこれらの材料に限定するものではない。内包材15bについてはポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等、吸湿性が低く熱溶着でき、アウトガスが少ないものであれば良い。
吸着剤25については、水分やガスを吸着するものであり、物理吸着、化学反応型吸着のどちらでも良く、シリカゲル、酸化カルシウム、合成ゼオライト、活性炭、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等を用いることができる。
(仕切断熱壁7の構成)
次に、隣接した温度帯の異なる貯蔵室の間を区画する仕切断熱壁7のうち、製氷室4及び上段切替室3と下段切替室5との間に配された仕切断熱壁7cの構成を、図4を用いて説明する。尚、他の仕切断熱壁7a,7bについても、同様の構成としても良い。
仕切断熱壁7cの外郭は上ケース7c1と下ケース7c2とからなる。下ケース7c2の上面側、即ち、仕切断熱壁7c内側の面にはヒータ26が配されている。このヒータ26は、過剰に冷却された下段切替室5内の温度を上昇させて適切な温度に調節するものである。このヒータ26の上方には、真空断熱材13よりも軟らかい軟質部材27が配される。更に、軟質部材27の上方に真空断熱材13が配され、これらを覆うように上ケース7c1が設けられる。下ケース7c2の側面のフランジ部よりも外側に上ケース7c1の側面のフランジ部が位置し、爪による係合や、ねじやビス等により固定している。
ここで、一般的に真空断熱材13は、真空成形後の形状や寸法、面精度にばらつきが生じ易い。具体的には、真空断熱材13は、縦断面視において中央付近が撓んだ略U字状に湾曲してしまう場合や、一方の端部から他方の端部にかけて緩やかに略J字状に湾曲してしまう場合がある(上下方向若しくは左右方向に±5mm程度のばらつき)。また、真空断熱材13の上面及び下面には細かな凹凸が多数生じる等、面精度にばらつきが生じ易い。この面精度の影響により変形した真空断熱材13を、上ケース7c1及び下ケース7c2の内部に直接配してしまうと、真空断熱材13の形状に併せて、上ケース7c1及び下ケース7c2も変形してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、有底形状の軟質部材27を真空断熱材13の重力方向(下側)に配したことで、真空断熱材13の面精度により生じる寸法のばらつきを吸収することができる。このとき、軟質部材27は真空断熱材13よりも柔軟性のある材料であれば良く、これにより真空断熱材13のばらつきをより吸収できる。
また、有底形状の軟質部材27を設けたことで、真空断熱材13と上ケース7c1及び下ケース7c2との間に生じる隙間を小さくすることができ、その隙間を介して生じるおそれのあるヒートブリッジ現象を抑制し、隣接した異なる温度帯の貯蔵室間を区画した際の断熱性能を向上することができる。また、仕切断熱壁7cの下方から外力が加わった場合や、下ケース7c2内で真空断熱材13が移動した場合であっても、真空断熱材13が損傷するのを防止できる。
軟質部材27を介在させずに真空断熱材13とヒータ26とが直接接触している場合、下方からの外力が加わった際に、真空断熱材13とヒータ26とが点(線)で接触し、真空断熱材13を傷つけるおそれがある。これに対し、軟質部材27を柔軟性のある材料、例えば、ウレタンフォームやスチロフォーム等とで形成したことにより、ヒータ26は軟質部材27に押し当てられるため、真空断熱材13の傷つきやヒータ26の断線を防ぐことができる。
しかも、軟質部材27として、予め発泡させて成形しておいた断熱材を用いることで、真空断熱材13が存在しない部分からの熱侵入も極力抑制できる。また、上ケース7c1の側面が、下ケース7c2の側面よりも外側に位置しているため、上ケース7c1を下ケース7c2に被せる際に、上ケース7c1の側面が真空断熱材13に接触することがないので、真空断熱材13が損傷するのを防止できる。
(軟質部材27の構成)
また、図4及び図5に示すように、軟質部材27は、真空断熱材13の底面13a及び側面13b,13c,13d,13eのうちの少なくとも一部を覆うように、底面27a及び側面27b,27c,27d,27eからなる縦断面略コ字状としている。
尚、本実施形態において、軟質部材27の底面27a及び側面27b,27c,27d,27eは袋状の一体成形品で説明しているが、これに限らず、底面27a及び側面27b,27c,27d,27eを別部品で構成していてもよい。また、側面27b,27c,27d,27eのうち少なくとも1面を備えていればよく、例えば、底面27a及び側面27b,27dからなるコ字形状に一体成形、底面27a及び側面27bからなるL字形状に一体成形であってもよく、一体成形されていない他の側面は別部品により構成して着脱可能としてもよい。側面27b,27c,27d,27eを設けたことで、側面方向へのヒートブリッジを抑制できる。
次に、図6及び図7は、図4に示す仕切断熱壁7の端部の拡大断面図である。
図6に示すように、真空断熱材13の上下方向の寸法をa、側面27b,27c,27d,27eのフランジ部の高さ寸法をbとし、a≦bの位置関係、即ち、側面27b,27c,27d,27eのフランジ部の上端部よりも真空断熱材13の上面13fが下方に位置する場合、上ケース7c1と真空断熱材13との間に空間が形成される。この空間により、仕切断熱壁7の上方からの外力や衝撃に対して真空断熱材13を保護できる。
また、図7に示すように、a≧bの位置関係であってもよい。即ち、側面27b,27c,27d,27eのフランジ部の上端部よりも真空断熱材13の上面13fが上方に位置する場合、側面27b,27c,27d,27eのフランジ部の上端部に弾性部材からなるシール材28を設ける。仕切断熱壁7cの組み立て時、シール材28は上カバー7c1に押圧されて圧縮された状態で隙間cに介在する(シール材28の高さ寸法≧隙間c)。このように隙間cを埋めることで、仕切断熱壁7cの下方の貯蔵室からのヒートブリッジによる熱が仕切断熱壁7c内へ侵入しにくくでき、仕切断熱壁7c内で結露することを抑制し、結露水を吸収したことによる軟質部材27(スチロフォーム等の成形断熱材)の劣化、及び、結露水による霜が成長したことによる上カバー7c1及び下カバー7c2の変形を防ぐことができる。
また、仕切断熱壁7内に配された真空断熱材13の上下方向の高さを寸法a、仕切断熱壁7内に配された断熱材の上下方向の高さを寸法d(即ち、真空断熱材13及び軟質部材27の底部13aの高さ寸法)としたとき、d/aは1.1以上4.0以下とする。例えば、寸法aを15mm、寸法dを20mmとした場合、d/aは1.33となる。仕切断熱壁7内の断熱材の寸法a,寸法dをこの式の関係とすることで、仕切断熱壁7の厚みを小さく(薄く)して貯蔵室の内容積を拡大するとともに、仕切断熱壁7を介して隣接して区画された温度帯の異なる貯蔵室の間の断熱性能を向上することができる。
尚、真空断熱材13の高さ寸法aは12mm〜30mmの範囲、真空断熱材13及び軟質部材27の底部13aの高さ寸法dは14mm〜50mmの範囲で構成することが望ましい。一般的に、真空断熱材13の断熱性能は発泡断熱材の約10倍とされており、真空断熱材13の厚みを上述範囲内で構成できれば断熱性能は十分に確保できる。即ち、軟質部材27は、真空断熱材13は成形後の形状の撓みや、面に複数の凹凸が形成され、大量生産する上で生じるおそれのある、形状や寸法、面精度等のばらつきを補うことができればよい。
そこで、真空断熱材13よりも軟質な材料からなる軟質部材27により、真空断熱材13の重力方向側から覆うことで該ばらつきを吸収でき、仕切断熱壁7内に設けられた真空断熱材13の設置スペース寸法内に収めることが可能となる。このように、仕切断熱壁7内の設置スペース内にほぼ隙間を形成することなく真空断熱材13を配したことで、ヒートブリッジや仕切断熱壁7内の結露等の影響を抑制できる。また、真空断熱材13の底面13aや側面13b,13c,13d,13eに弾性を有するシール材(図示せず)を設けることで、真空断熱材13と軟質部材27との間の隙間を減少でき断熱性能を更に向上できる。
以上、実施の形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の形態であっても実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。
1 冷蔵庫本体
2 冷蔵室
2a 冷蔵室扉
3 上段切替室
4 製氷室
5 下段切替室
6 野菜室
7a,7b,7c 仕切断熱壁
7c1 上ケース
7c2 下ケース
8 冷却器
9 冷却器室
10 内箱
10a 内箱端部
11 外箱
11a 係合部
12 発泡断熱材
13 真空断熱材
13a 真空断熱材の底面
13b,13c,13d,13e 真空断熱材の側面
14 制御装置配置部
15a 外包材
15b 内包材
16 折り返し部
17 芯材
19 冷蔵庫構成部品(冷媒パイプ)
20 冷蔵庫構成部品
23 圧縮機
24 送風機
25 吸着剤
26 ヒータ
27 軟質部材
27a 軟質部材の底面
27b,27c,27d,27e 軟質部材の側面
28 シール材

Claims (7)

  1. 外箱と、内箱と、前記外箱と内箱との間に充填される発泡断熱材と、隣接する空間を区画して断熱する仕切断熱壁と、を備えた冷蔵庫において、
    前記仕切断熱壁は、第一のケースと、前記第一のケースと対向して設けられる第二のケースと、前記第一のケースと第二のケースとにより形成される空間内に収納され、外包材の内部に芯材を封入した状態で内部を減圧してなる真空断熱材と、を有し、
    前記真空断熱材と第二のケースとの間に、前記真空断熱材よりも軟らかい軟質部材が設けられたことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記軟質部材は、前記真空断熱材の底面を覆うとともに、少なくとも前記真空断熱材の側面の一部を覆う、断面略コ字形状もしくは断面略L字形状としたことを特徴とする、請求項1記載の冷蔵庫。
  3. 前記真空断熱材の上面の高さ位置よりも、前記軟質部材のフランジ部の上端部の高さ位置の方が上方に位置することを特徴とする、請求項1または2記載の冷蔵庫。
  4. 前記軟質部材のフランジ部の上端部の高さ位置は、前記真空断熱材の上面の高さ位置よりも下方に位置し、
    前記軟質部材のフランジ部の上端部に弾性部材からなるシール材を設け、
    前記シール材の高さ位置は、前記真空断熱材の上面の高さ位置よりも上方に位置することを特徴とする、請求項1または2記載の冷蔵庫。
  5. 前記真空断熱材の厚み寸法は、前記軟質部材の厚み寸法よりも大きいことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか記載の冷蔵庫。
  6. 前記軟質部材と前記第二のケースとの間に、ヒータを有することを特徴とする、請求項1または2記載の冷蔵庫。
  7. 前記軟質部材は、断熱材であることを特徴とする、請求項1または2記載の冷蔵庫。
JP2018159904A 2018-08-29 2018-08-29 冷蔵庫 Pending JP2020034209A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018159904A JP2020034209A (ja) 2018-08-29 2018-08-29 冷蔵庫

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018159904A JP2020034209A (ja) 2018-08-29 2018-08-29 冷蔵庫

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020034209A true JP2020034209A (ja) 2020-03-05

Family

ID=69667647

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018159904A Pending JP2020034209A (ja) 2018-08-29 2018-08-29 冷蔵庫

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020034209A (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10253244A (ja) * 1997-03-11 1998-09-25 Sanyo Electric Co Ltd 冷蔵庫
JP2007100732A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Oji Engineering Kk 断熱被覆用パネルユニットとこれを用いた断熱被覆構造
JP2008057919A (ja) * 2006-09-01 2008-03-13 Hitachi Appliances Inc 冷蔵庫
JP2011241988A (ja) * 2010-05-14 2011-12-01 Hitachi Appliances Inc 断熱箱体および冷蔵庫
US20150315779A1 (en) * 2012-12-06 2015-11-05 Dow Corning Corporaton Construction Panels
JP2016173187A (ja) * 2015-03-16 2016-09-29 東芝ライフスタイル株式会社 真空断熱装置およびそれを備えた冷蔵庫
JP2017172724A (ja) * 2016-03-24 2017-09-28 旭硝子株式会社 断熱パネルおよび断熱構造

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10253244A (ja) * 1997-03-11 1998-09-25 Sanyo Electric Co Ltd 冷蔵庫
JP2007100732A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Oji Engineering Kk 断熱被覆用パネルユニットとこれを用いた断熱被覆構造
JP2008057919A (ja) * 2006-09-01 2008-03-13 Hitachi Appliances Inc 冷蔵庫
JP2011241988A (ja) * 2010-05-14 2011-12-01 Hitachi Appliances Inc 断熱箱体および冷蔵庫
US20150315779A1 (en) * 2012-12-06 2015-11-05 Dow Corning Corporaton Construction Panels
JP2016173187A (ja) * 2015-03-16 2016-09-29 東芝ライフスタイル株式会社 真空断熱装置およびそれを備えた冷蔵庫
JP2017172724A (ja) * 2016-03-24 2017-09-28 旭硝子株式会社 断熱パネルおよび断熱構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5492685B2 (ja) 真空断熱材及びそれを用いた冷蔵庫
KR100980175B1 (ko) 냉장고
EP2397802B1 (en) Refrigerator
KR100507783B1 (ko) 단열 상자 및 이것에 이용하는 진공 단열재
JP5798942B2 (ja) 真空断熱材及びこれを用いた冷蔵庫、機器
JP2013050242A (ja) 冷蔵庫及びその製造方法、冷凍庫
JP2010276308A (ja) 真空断熱材を備えた冷蔵庫
JP2013061131A (ja) 真空断熱材を備えた冷蔵庫
KR101560355B1 (ko) 진공 단열재, 냉장고, 진공 단열재를 사용한 기기
JP5401258B2 (ja) 冷蔵庫
JP4778996B2 (ja) 真空断熱材及びそれを用いた冷蔵庫
JP2011099566A (ja) 真空断熱パネル及び冷蔵庫
JP2011153721A (ja) 冷蔵庫
JP2009299764A (ja) 真空断熱材及びこれを用いた断熱容器
JP2013053722A (ja) 真空断熱材及びこれを用いた断熱機器
JP2013024440A (ja) 冷蔵庫
JP2013040717A (ja) 真空断熱材及びそれを用いた冷蔵庫
JP2012229849A (ja) 冷蔵庫および冷凍庫
JP2020034209A (ja) 冷蔵庫
JP2012026583A (ja) 冷蔵庫
JP5810054B2 (ja) 真空断熱材及び冷蔵庫
JP5982211B2 (ja) 真空断熱材、冷蔵庫、真空断熱材を用いた機器
JP5953159B2 (ja) 真空断熱材及び冷蔵庫
JP2012026622A (ja) 真空断熱材及びこれを用いた冷蔵庫
JP2015001290A (ja) 真空断熱材及び冷蔵庫

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180831

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200814

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200820

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20210309

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20210318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210713

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220118