JP5810054B2 - 真空断熱材及び冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、真空断熱材及び冷蔵庫に関する。
本技術分野の背景技術として、特開2006−38122号公報(特許文献1)、特開2006-112641(特許文献2)がある。
特許文献1には、芯材と水分吸着剤と前記芯材と前記水分吸着剤を被覆するガスバリヤ性を有する外包材とからなり、前記芯材が平均繊維径3〜5μmのガラス短繊維をガラスの融点より低い450℃で5分間加熱プレスしボード状に成形された真空断熱材が記載されている。
特許文献2には、内袋内に柔軟性を有する無機繊維の積層体が収納された芯材と、この芯材を収納する金属箔ラミネートフィルム等で気体の透過を防止可能なフィルムからなる外包材とを具え、前記内袋は溶着部と通気部とを有し、前記外包材はその内部を減圧し溶着密封され、前記外包材の耳部内に前記内袋の耳部が位置することが記載されている。
特開2006−38122号公報 特開2006-112641号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、熱プレスによってガラス短繊維が硬化することで、固体を通じた熱伝導率が上昇して断熱性能が悪化する。また、真空断熱材を曲げ加工や溝加工すると、硬化したガラス短繊維が割れて、更に熱伝導率が上昇し、断熱性能が悪化する。
特許文献2に記載の構成では、芯材は柔軟性を有したままの状態でることから、外包材を減圧封止した状態でも、曲げ加工や溝加工等の後工程によって断熱性能の低下をある程度抑えることができる。しかし、芯材は柔軟性を有することから、端部は負圧によって外包材によって圧縮されて、先細り薄肉形状となる。そのため、真空断熱材の端部の形状にばらつきが生じて、端部の断熱性能を向上することが難しかった。
また、真空断熱材を冷蔵庫に適用する場合、真空断熱材の配置空間には冷蔵庫の各種構成部品が配置されていることから、これらによる外包材の損傷を避ける必要があった。真空断熱材の端部形状にばらつきがあると、このばらつき寸法分を考慮して、冷蔵庫構成部品から離した状態で真空断熱材を配置しなければならず、真空断熱材を配置できない空間が広くなってしまう。
そこで本発明は、端部の断熱性能及び寸法精度の向上した真空断熱材を提供することを目的とする。また、端部の寸法精度を向上した真空断熱材を配置することで、真空断熱材の設置面積を拡大でき、断熱性能の向上した冷蔵庫を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、繊維集合体の芯材と、該芯材を収納して減圧封止した外包材と、を備えた真空断熱材において、前記芯材の厚み方向に突出する突出部が該芯材の端部に形成されて、前記外包材の端部は前記突出部に沿って折り返され、前記突出部における前記芯材及び前記外包材を含む厚さが他の部分よりも厚いことを特徴とする。
本発明によれば、端部の断熱性能及び寸法精度の向上した真空断熱材を提供することができる。また、端部の寸法精度を向上した真空断熱材を配置することで、真空断熱材の設置面積を拡大でき、断熱性能の向上した冷蔵庫を提供することができる。
本発明の実施形態に係る冷蔵庫の斜視図である。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫のA−A断面図である。 本発明の実施形態に係る真空断熱材の断面図である。 本発明の実施形態に係る真空断熱材の突出部を形成する前の端部を拡大した断面図である。 本発明の実施形態に係る真空断熱材の突出部を形成する方法を説明する図である。 本発明の実施形態1に係る真空断熱材を冷蔵庫に適用した状態の図である。 本発明の実施形態2に係る真空断熱材を冷蔵庫に適用した状態の図である。 本発明の実施形態3に係る真空断熱材を冷蔵庫に適用した状態の図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(冷蔵庫本体1の構成)
図1は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫の斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫のA−A断面図である。
実施形態の冷蔵庫本体1は、上から冷蔵温度で冷却する冷蔵室2、製氷した氷を貯蔵する製氷室4、冷凍温度で冷却する上段冷凍室3(切替え室又は急冷凍室)および下段冷凍室5、野菜を収納する野菜室6を有している。
冷蔵室扉2a、製氷室扉4a、上段冷凍室扉3b、下段冷凍室扉5a、野菜室扉6aは、それぞれ冷蔵室2、製氷室4、上段冷凍室3、下段冷凍室5、野菜室6の各室の手前側の前面開口部を開閉する。各扉内には、発泡断熱材12と真空断熱材13が配置されている。
図1に示す冷蔵室扉2aは、ヒンジ等を中心に回動する扉であり、これ以外の製氷室扉4a、上段冷凍室扉3a、下段冷凍室扉5a、野菜室扉6aは、引き出し式の扉である。
引き出し式の製氷室扉4a、上段冷凍室扉3a、下段冷凍室扉5a、野菜室扉6aを引き出すと、各貯蔵室内の収納容器が扉と共に引き出されてくる。
冷蔵室扉2a、製氷室扉4a、上段冷凍室扉3a、下段冷凍室扉5a、野菜室扉6aには、冷蔵庫本体1との間を密閉するためのパッキン(図示せず)が、冷蔵庫本体1側の外周縁部に取り付けられている。
冷蔵温度の冷蔵室2と冷凍温度の製氷室4及び上段冷凍室3との間には、それぞれを区画して断熱するための仕切断熱壁7aを配置している。仕切断熱壁7は厚さ30〜50mm程度の断熱壁で、スチロフォーム、発泡断熱材(硬質ウレタンフォーム)、真空断熱材等、それぞれを単独使用、或いは、これらの複数の断熱材を組み合わせて形成されている。
製氷室4及び上段冷凍室3と下段冷凍室5との間は、同じ冷凍の温度帯であり温度差が同じ又は小さいため、区画して断熱する仕切り断熱壁ではなく、パッキン受面を形成した仕切り部材13を設けている。
冷凍温度の下段冷凍室5と野菜保存温度の野菜室6の間には、それぞれを区画して断熱するための仕切断熱壁7bを設けている。仕切断熱壁8は、仕切断熱壁7と同様に30〜50mm程度の断熱壁であり、同様に、スチロフォーム、或いは発泡断熱材(硬質ウレタンフォーム)、真空断熱材等で形成されている。このように、基本的に冷蔵温度と冷凍温度との貯蔵温度帯が異なる貯蔵室の仕切りには断熱性がある仕切断熱壁7a,7bを設置している。
仕切断熱壁7a,7bは、発泡断熱材12を単独又は真空断熱材13と組み合わせて用いて構成してもよく、特に限定されない。
なお、冷蔵庫本体1の内部は、図2に示すように、上から冷蔵室2、製氷室4及び上段冷凍室4、下段冷凍室5、野菜室6の貯蔵室をそれぞれ区画形成しているが、各貯蔵室の配置については特にこれに限定するものではない。また、冷蔵室扉2a、製氷室扉4a、上段冷凍室扉3a、下段冷凍室扉5a、野菜室扉6aに関しても回転による開閉、引き出しによる開閉及び扉の分割数等、特に限定されない。
図2に示す冷蔵庫本体1は、PCM(Pre−Coated−Metal)鋼板等の鋼板製の外箱11と、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂等の樹脂製の内箱10とを備えている。内箱10は、冷蔵室2、製氷室4及び上段冷凍室3、下段冷凍室5、野菜室6を形成している。
外箱11と内箱10との間に形成される空間は、断熱空間として、冷蔵庫本体1内の各貯蔵室と外部空間とを断熱している。
この外箱11と内箱10との間の断熱空間に、真空断熱材13を配置し、真空断熱材13以外の断熱空間には硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材12を充填している。真空断熱材13については後記するが、図示しない固定部材、支持部材等で外箱11又は内箱10に固定支持されるか、ホットメルト等の接着剤で外箱11又は内箱10に固定されている。
また、冷蔵室2、製氷室4、上段冷凍室3、下段冷凍室5、野菜室6等の各貯蔵室を所定の温度に冷却するために製氷室4、上段冷凍室3、下段冷凍室5の背側には冷却器8を配置する冷却器室9が形成されている(図2参照)。
この冷却器8と、圧縮機23と、図示しない凝縮機と、図示しないキャピラリーチューブとを接続し、冷凍サイクルを構成している。
冷却器8の上方には、冷却器8にて冷却された冷気を冷蔵庫本体1の各貯蔵室内を循環させて所定の低温温度に保持する送風機24が配設されている。
また、図2に示す冷蔵庫本体1の上面の後方部には、電気部品が実装された電源基板等を収納するための凹形状の制御装置配置部14が形成されている。電気部品が実装された電源基板等の制御手段によって、冷蔵庫本体1の各種冷却運転や諸機能の駆動/停止等を制御している。さらに、制御装置配置部14の上方には、電気部品を覆うカバー14aが設けられている。カバー14aの高さは外観意匠性、冷蔵庫本体1の内容積確保、及び耐熱性を考慮して、冷蔵庫本体1の天面とほぼ同じ高さになるように配置している。特に限定するものではないが、カバー14aの高さが冷蔵庫本体1の天面よりも外側に突き出る場合は、10mm以内の範囲に収めることが望ましい。
これに伴って、制御装置配置部14は発泡断熱材12側(庫内側)に電気部品を収納する空間の制御装置配置部14だけ窪んだ状態で配置されるため、断熱厚さを確保しようとする場合、庫内側に突き出し、必然的に冷蔵庫本体1の内容積が犠牲になってしまう。一方、冷蔵庫本体1の内容積をより大きくとる場合には、制御装置配置部14と内箱10間の発泡断熱材12の厚さが薄くなってしまう。このため、図2に示すように、制御装置配置部14に対向する発泡断熱材12の中に真空断熱材13aを配置して断熱性能を確保、強化している。本実施形態では、図示しない庫内灯のケースと制御装置配置部14に跨るように略Z形状に成形した1枚の真空断熱材13aとしている。
また、図2に示す冷蔵庫本体1の背面下部(図2の冷蔵庫本体1の右下)の機械室に配置された圧縮機23や凝縮機(図示せず)は、発熱の大きい部品であるため、庫内の内箱10への熱侵入を防止するため、圧縮機23や凝縮機の内箱10側への投影面に真空断熱材(図示せず)を配置してもよい。なお、図2において真空断熱材は複数に分割されているが、単一の真空断熱材を複数箇所折り曲げて機械室前方と野菜室6後方との間の熱移動を遮断する構成としてもよい。この場合、真空断熱材の外包材(詳細は後述)を通した熱移動、いわゆるヒートブリッジ現象が抑制されて、断熱性能が向上する。
(真空断熱材13の基本構成)
次に、真空断熱材13(13a)の構成について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施形態に係る真空断熱材の断面図である。
真空断熱材13は、真空のスペースを形成するための芯材17と、該芯材17を圧縮状態に保持するための内包材15b(図3では破線で表示)と、水分やガス等を吸着する吸着剤25と、内包材15bで圧縮状態に保持した芯材17を被覆するガスバリヤ層を有する外包材15aとを有し構成している。なお、図3においては、吸着剤25を強調して示している。
外包材15aは真空断熱材13の両面外側に配置され、同等の大きさのラミネートフィルムの外縁から一定の幅の部分を熱溶着により貼り合わせた袋状で構成されている。なお、貼り合わせ箇所は芯材17が位置せず、中央側に折り返した折り返し部16としている。
真空断熱材13の芯材17については、バインダ等で接着や結着していない無機繊維の積層体としている。芯材17は、無機系繊維材料の積層体を使用することによりアウトガス(ガスの発生)が少なくなるため、断熱性能的に有利であるが、特にこれに限定するものではなく、例えばセラミック繊維やロックウール、グラスウール、グラスファイバー、アルミナ、シリカアルミナ、シリカ、ロックウール、炭化ケイ素等の無機繊維等でもよい。芯材51の種類によっては内包材15bが不要の場合もある。
また、芯材17については、無機系繊維材料の他に、有機系樹脂繊維材料を用いることができる。有機系樹脂繊維の場合、耐熱温度等の芯材17としての性能をクリヤしていれば特に使用に際しては制約されるものではない。具体的には、ポリスチレンやポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等をメルトブローン法やスパンボンド法等で以下の実施例の繊維径になるように繊維化するが、繊維化できる有機系樹脂や繊維化方法であれば特に限定されない。
繊維集合体は無機繊維又は有機繊維からなり嵩密度が低いものが好ましく、繊維集合体の圧縮強度は以下のように測定する。繊維集合体を所定の大きさ(100mm×100mm)に切断し、100mm2当たり25gとなるよう荷重を加える。加重を加えた状態で繊維集合体の厚さ(単位:mm)を測定した後、目付け(繊維集合体の1m2当たりの重量 単位:kg/m2)で割った値を圧縮強度(単位:mm/(kg/m2))とする。この、圧縮強度が高いほど加重に対する抵抗力が大きくなり、形状維持に適した芯材となる。また、繊維同士を接着する方法としてバインダ剤の使用、熱プレス等があり、これらの手法を用いると繊維同士が接着することで圧縮強度が高くなるが、繊維を接着している点が熱パスとなり熱伝導率が悪化することから好ましくない。
繊維径の測定方法は、繊維を紡糸して繊維集合体としたものを、顕微鏡で拡大して30本の測定値の平均値とした。
なお、本実施例においては、顕微鏡にて拡大測定を行う方法や、マイクロネア測定器による測定方法がある。マイクロネア測定器は、綿等の繊維繊度を測定する計器であり、一定量の繊維塊の空気流に対する抵抗を測定して、繊維繊度を測定するものである。具体的には、一定重量の繊維を一定容積になるように試料ホルダに収納して、一定圧力の空気を送風する。そして、その時の空気流量を読み取ることで、繊維径をμオーダーで測定するものである。
繊維径については細い方が好ましいが、環境への配慮、工業的な生産性を考慮し10μm以下であることが望ましく、更には5.2μm以下であることがより好ましい。
外包材15aのラミネート構成についてはガスバリヤ性を有し、熱溶着可能であれば特に限定するものではないが、本実施形態においては、表面(保護)層、第一のガスバリヤ層、第二のガスバリヤ層、熱溶着層の4層構成からなるラミネートフィルムとする。
表面層は保護材の役割を持つ樹脂フィルムとし、第一のガスバリヤ層は樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、第二のガスバリヤ層は酸素バリヤ性の高い樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、第一のガスバリヤ層と第二のガスバリヤ層は金属蒸着層同士が向かい合うように貼り合わせている。熱溶着層については表面層と同様に吸湿性の低いフィルムを用いた。
具体的には、外包材15aは、表面層を二軸延伸タイプのポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の各フィルム、第一のガスバリヤ層をアルミニウム蒸着付きの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、第二のガスバリヤ層をアルミニウム蒸着付きの二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム又はアルミニウム蒸着付きの二軸延伸ポリビニルアルコール樹脂フィルム、或いはアルミ箔とし、熱溶着層を未延伸タイプのポリエチレン、ポリプロピレン等の各フィルムとした。
この4層構成のラミネートフィルムの層構成や材料については特にこれらに限定するものではない。例えば第一と第二のガスバリヤ層として、金属箔、或いは樹脂系のフィルムに無機層状化合物、ポリアクリル酸等の樹脂系ガスバリヤコート材、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等によるガスバリヤ膜を設けたものや、熱溶着層には例えば酸素バリヤ性の高いポリブチレンテレフタレートフィルム等を用いても良い。表面層については第一のガスバリヤ層の保護材であるが、真空断熱材13の製造工程における真空排気効率を良くするためにも、好ましくは吸湿性の低い樹脂を配置するのが良い。
また、通常、第二のガスバリヤ層に使用する金属箔以外の樹脂系フィルムは、吸湿することによってガスバリヤ性が著しく悪化してしまうため、熱溶着層についても吸湿性の低い樹脂を配置することで、ガスバリヤ性の悪化を抑制すると共に、ラミネートフィルム全体の吸湿量を抑制するものである。これにより、先に述べた真空断熱材13の真空排気工程においても、外包材15aが持ち込む水分量を小さくできるため、真空排気効率が大幅に向上し、断熱性能の高性能化につながる。
なお、各フィルムのラミネート(貼り合せ)は、二液の反応熱で硬化させる二液硬化型ウレタン接着剤を介してドライラミネート法によって貼り合わせるのが一般的であるが、接着剤の種類や貼り合わせ方法には特にこれに限定するものではなく、ウェットラミネート法、サーマルラミネート法等の他の方法によるものでも良い。
また、内包材15bについては本実施形態では熱溶着可能なポリエチレンフィルムを用い、吸着剤25については物理吸着タイプの合成ゼオライトを用いたが、いずれもこれらの材料に限定するものではない。内包材15bについてはポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等、吸湿性が低く熱溶着でき、アウトガスが少ないものであれば良い。
吸着剤25については、水分やガスを吸着するものであり、物理吸着、化学反応型吸着のどちらでも良く、シリカゲル、酸化カルシウム、合成ゼオライト、活性炭、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等を用いることができる。
(真空断熱材の突出部の構成と形成方法)
次に、図3、図4、図5を用いて真空断熱材の突出部の構成と形成方法について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る真空断熱材の突出部を形成する前の端部を拡大した断面図である。図5は、本発明の実施形態に係る真空断熱材の突出部を形成する方法を説明する図である。
まず、芯材14は熱プレスやバインダによって硬化されていない、柔軟性と反発性を有する繊維集合体である。この芯材14を外包材15a内に収納して減圧した後、外包材端部16aが熱溶着されることで、真空封止されている。なお、芯材14を内包材15bで包んで仮圧縮状態にすれば、外包材15aへの挿入が容易となる。
ここで、芯材14を外包材15aに収納して減圧封止すると、端部の寸法L1の範囲で薄肉部18aが形成される。これは、外包材15aによって柔軟な繊維集合体である芯材14が、中央部に比べて端部で圧縮され易いことによる。
すると、真空断熱材の13は、中央部に比べて端部で薄くなり、断熱性能が端部で低下することがある。また、芯材14の圧縮工程の差によって、薄肉部18aの形成に個体差が生じて、寸法精度が低下することがある。
そこで、図5に示すように、真空断熱材13を台座21に載置して、芯材14端部である薄肉部18aにローラーを一例とする可動体22を押し当て、破線で示す突出部18を形成する。本実施例の芯材14は、熱プレスやバインダによって硬化しておらず柔軟性を有するので、可動体22によって容易に変形させることが可能である。これにより、真空断熱材13端部が直線状になり、寸法精度が向上する。また、真空断熱材13端部において厚み方向に突出する突出部18が形成されるため、真空断熱材13端部の断熱性能を高めることができる。すなわち、熱プレスやバインダによって硬化していない柔軟性を有する芯材14を採用した真空断熱材13であっても、端部まで断熱性能を向上させることができ、かつ端部の寸法精度を向上することができる。
一方、外包材端部16aは、芯材14が存在しないか、わずかに繊維が存在するため、折り返すことが容易である。なお、外包材15a自体は金属層を有するので、ある程度の剛性を備え、これにより外包材端部16aを折り返した場合に、スプリングバックによって折り返えした状態から折り返す前の位置(図4の位置)に戻ろうとする。そのため、折り返し部16はテープやホットメルト等の接着剤で、外包材15a表面に接着しておく。
より具体的には、図5に示すように、外包材端部16aを突出部18に沿って折り返して折り返し部16(破線位置)として、さらにテープやホットメルト等の接着剤で、突出部18に位置する外包材15a表面に接着させる。これにより、真空断熱材13の平面方向における外包材15aの重なり部分の芯材14は突出部18により厚さが増している。そのため、外包材15aの金属層を通じて熱が伝わりやすくなる、いわゆるヒートブリッジ現象による断熱性能の低下を抑制できる。
(実施形態1)
次に、実施形態1における、真空断熱材の冷蔵庫への配置について、図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施形態1に係る真空断熱材を冷蔵庫に適用した状態の図である。
図6では、突出部18は発泡断熱材12と対向するよう設ける。真空断熱材13は、内箱10と対向する外箱11にホットメルトや両面テープ等の接着剤で接着されており、突出部18は内箱10側に向いて発泡断熱材12と対向させている。
一般的に、内箱10と外箱11は、外箱11の端部を折り曲げて形成された断面C字形状の係合部11aに、内箱端部10aを挿入して係合させることで締結されて組立てられる。
この構成において、外箱11の係合部11aは金属製であり、端部が鋭利な状態の場合がある。そこで、真空断熱材13は、係合部11aに接触しないように、図6の所定距離L2を離して配置する必要がある。
従来は、図4に示すように端部に個体毎にばらつきがあり、寸法制御が困難な薄肉部18aが形成されるため、L2寸法は安全を考慮して大きく設定する必要があった。一方、本実施形態では、真空断熱材13に突出部18を形成することで、端部の寸法精度を向上させている。よって、従来に比べて寸法L2を短く設定することができる。これにより、真空断熱材13の設置面積を拡大することができ、断熱性能を向上させることができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2における、真空断熱材の冷蔵庫への配置について、図7を用いて説明する。図7は、本発明の実施形態2に係る真空断熱材を冷蔵庫に適用した状態の図である。なお、実施形態1と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
実施形態2が実施形態1と異なる点は、突出部18を外箱11と対向するように配置した点である。
一般的に、冷媒が内部を流通する冷媒パイプ19は、高温となる箇所がある。この高温となる冷媒パイプ19を、金属製の外箱11と接触又は近接して配置することで、冷媒パイプ19の熱を冷蔵庫本体1の外側に排出して放熱している。しかし、冷媒パイプ19は外箱11と内箱10との間に配置されるため、冷蔵庫内である内箱10側を暖める可能性がある。
そこで、本実施形態では、突出部18を芯材17の一端と他端に形成して、突出部18,18を外箱11と対向するように配置している。さらに、一端と他端の突出部18,18
の間に、冷蔵庫構成部品である冷媒パイプ19を配置する。これにより、冷媒パイプ19の熱が内箱10側に伝わることを抑制することができる。
図7の構成では、放熱パイプ19が所定距離で複数配置されている。そして、この複数の放熱パイプ19の間も、真空断熱材13の平面部が位置するようにする。すなわち、放熱パイプ19に対向する真空断熱材の13の平面部に、凹形状を形成している。これにより、真空断熱材13の全体の厚みを大幅に低減させることなく、断熱性能を向上することができる。
また、真空断熱材13と外箱11との接着面積を大きく確保することができ、発泡断熱材12の発泡圧による真空断熱材13の位置ずれを防止することができる。
(実施形態3)
次に、実施形態3における、真空断熱材の冷蔵庫への配置について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施形態3に係る真空断熱材を冷蔵庫に適用した状態の図である。なお、実施形態1,2と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
実施形態3が実施形態1,2と異なる点は、真空断熱材13の一端と他端に突出部18を形成し、突出部18は外箱11と対向するように配置して、突出部18,18間に複数の冷蔵庫構成部品20を配置した点である。
実施形態2で説明した放熱パイプ19に限らず、外箱11と内箱10との間に冷蔵庫構成部品20が真空断熱材13側に突出している場合がある。その場合であっても、図8に示すように冷蔵庫構成部品20を避けるように突出部18の高さ及び幅を設定して配置すれば、突出部18の上端を外箱11に接着させて配置することができる。
なお、一般的に真空断熱材13を外箱11に貼り付けた後、外箱11と内箱10との間に発泡断熱材12を充填発泡させる。この際に、発泡断熱材12による発泡圧が真空断熱材13に加わるため、この発泡圧に耐えて位置ずれしないようにする必要がある。また、突出部18,18と外箱11で形成された空間に発泡断熱材12が侵入して、真空断熱材13が外箱11から剥がれないようにする必要がある。
そこで本実施形態では、この発泡圧に耐えるように、突出部18の外箱11への接着幅及び高さを設定して接着強度を確保している。必要な接着強度は、接着剤の種類や発泡断熱材の種類によって異なるが、実験や解析によって特定できる。
以上より、各実施形態によれば、真空断熱材に曲げ加工や溝加工等の後加工をしても断熱性能の低下を抑えることができ、端面の寸法精度を向上することができる。また、断熱性能の低下を抑えつつ端面の寸法精度の向上した真空断熱材を冷蔵庫に適用することで、断熱性能の高い省エネルギー性に優れた冷蔵庫とすることができる。
1 冷蔵庫本体
2 冷蔵室
2a 冷蔵室扉
3 上段冷凍室
4 製氷室
5 下段冷凍室
6 野菜室
7a,7b 仕切断熱壁
8 冷却器
9 冷却器室
10 内箱
10a 内箱端部
11 外箱
11a 係合部
12 発泡断熱材
13 真空断熱材
14 制御装置配置部
15a 外包材
15b 内包材
16 折り返し部
16a 外包材端部
17 芯材
18 突出部
18a 薄肉部
19 冷蔵庫構成部品(冷媒パイプ)
20 冷蔵庫構成部品
21 台座
22 可動体
23 圧縮機
24 送風機25 吸着剤

Claims (3)

  1. 繊維集合体の芯材と、該芯材を収納して減圧封止した外包材と、を備えた真空断熱材において、
    前記芯材の厚み方向に突出する突出部が該芯材の端部に形成されて、前記外包材の端部は前記突出部に沿って折り返され、前記突出部における前記芯材及び前記外包材を含む厚さが他の部分よりも厚いことを特徴とする真空断熱材。
  2. 内箱と外箱との間に発泡断熱材と真空断熱材を配置した冷蔵庫において、
    前記真空断熱材は、
    繊維集合体の芯材と、該芯材を収納して減圧封止した外包材と、を備え、
    前記芯材の厚み方向に突出する突出部が該芯材の端部に形成されて、前記外包材の端部は前記突出部に沿って折り返され、前記突出部における前記芯材及び前記外包材を含む厚さが他の部分よりも厚く
    前記突出部は前記発泡断熱材と対向するように、又は前記外箱と対向するように配置したことを特徴とする冷蔵庫。
  3. 前記突出部は前記芯材の一端と他端に形成されて、前記突出部を前記外箱と対向するように配置した場合、前記一端と他端の突出部の間に冷蔵庫構成部品を配置したことを特徴とする、請求項2記載の冷蔵庫。
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