JP5982276B2 - 真空断熱材及び真空断熱材を用いた冷蔵庫 - Google Patents

真空断熱材及び真空断熱材を用いた冷蔵庫 Download PDF

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本発明は、真空断熱材及び真空断熱材を用いた冷蔵庫に関する。
本技術分野の背景技術として、特開2009−024921号公報(特許文献1)がある。この公報には、「冷蔵庫において、真空断熱材を立体形状に曲げて放熱パイプと制御基板,電源基板等の電気部品に跨って配置すること」が記載されている(要約欄)。
特開2009−024921号公報
しかしながら、特許文献1記載の構成では、平板状の真空断熱材を部分的に屈曲若しくは湾曲させた場合、元の平板形状に戻ろうとするスプリングバックを抑制する必要があり、屈曲若しくは湾曲の範囲が限定的になる場合があった。
そこで本発明は、屈曲あるいは湾曲し易い真空断熱材を提供することを目的とする。また、屈曲あるいは湾曲し易い真空断熱材を用いることで、真空断熱材の貼付面の密着性を向上して熱漏洩を低減した冷蔵庫を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、繊維集合体の芯材と、前記芯材を覆う外被材と、を有する真空断熱材であって、前記繊維集合体の引張強度が6.1N以下であり、前記繊維集合体はグラスウールであって、平均繊維長さが7〜18cmである。

本発明によれば、屈曲あるいは湾曲し易い真空断熱材を提供することができる。また、屈曲あるいは湾曲し易い真空断熱材を用いることで、真空断熱材の貼付面の密着性を向上して熱漏洩を低減した冷蔵庫を提供することができる。
本発明の実施例1に係る冷蔵庫の正面図である 図1のA−A断面図である 本発明の実施例1に係る真空断熱材の概略断面図である 本発明の実施例1に係る真空断熱材を壁面に設けた断面図である 本発明の実施例1に係る真空断熱材を冷蔵庫外箱に設けた側面外観透視図である 本発明の実施例5に係る給湯器に真空断熱材を設けた概略図である
以下、本発明の実施形態について、図1〜図3を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1に係る冷蔵庫の正面図である。図2は、図1のA−A断面図である。
本実施形態の冷蔵庫1は、図2に示すように、上から冷蔵室2、下段冷凍室4、野菜室5を有している。また、冷蔵室2と下段冷凍室4の間には、左右に製氷室3aと上段冷凍室3bを有している。冷蔵室2、製氷室3a、上段冷凍室3b、下段冷凍室4、及び野菜室5は、それぞれの前面開口を閉塞する扉を備えている。すなわち、冷蔵室扉6a,6b、製氷室扉7a、上段冷凍室扉7b、下段冷凍室扉8、及び野菜室扉9を配置する。冷蔵室扉6a、6bは、ヒンジ10等を中心に回動する回転式のフレンチ扉である。製氷室扉7a、上段冷凍室扉7b、下段冷凍室扉8、及び野菜室扉9は、引き出し式の扉であり、各扉を引き出すと、各貯蔵室を構成する容器が扉と共に引き出される。各扉には、冷蔵庫本体1aと密閉するためのパッキン等のシール部材11を備え、一例として、各扉の貯蔵室内側外周縁に取り付けられている。
冷蔵室2と、製氷室3a及び上段冷凍室3bとの間を上下に区画断熱するために、仕切断熱壁12を配置している。この仕切断熱壁12は厚さ30〜50mm程度の断熱壁で、スチロフォーム、発泡断熱材(硬質ウレタンフォーム)、及び真空断熱材を、それぞれ単独又は複数組み合わせて構成されている。一例として、本実施形態では、発泡ポリスチレン33と真空断熱材50cで構成されているが、硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填しても良く、特に発泡ポリスチレン33と真空断熱材50cに限定するものではない。
製氷室3a、上段冷凍室3b、及び下段冷凍室4の間は、上下左右で温度帯が同じであるため、区画断熱する仕切断熱壁ではなく、パッキン11受面を形成した仕切り部材13を設けている。
下段冷凍室4と野菜室5の間には、上下に区画断熱するための仕切断熱壁14を設けている。仕切断熱壁14は、仕切断熱壁12と同様に30〜50mm程度の断熱壁で、スチロフォーム、発泡断熱材(硬質ウレタンフォーム)、及び真空断熱材を、それぞれ単独又は複数組み合わせて構成されている。一例として、本実施形態では、発泡ポリスチレン33と真空断熱材50cで構成されているが、硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填しても良く、特に発泡ポリスチレン33と真空断熱材50cに限定するものではない。
本実施形態では、冷蔵、冷凍等のように、貯蔵温度帯の異なる貯蔵室間の仕切りには、仕切断熱壁を設置して、同様の温度帯の貯蔵室間の仕切りには、仕切り部材を設置している。
本実施形態では、冷蔵庫本体1aを構成する箱体20内に、上から冷蔵室2、製氷室3a及び上段冷凍室3b、下段冷凍室4、野菜室5をそれぞれ区画形成しているが、各貯蔵室の配置については特にこれに限定するものではない。公知の冷蔵庫の形態に基づき、上下方向や左右方向に配置や貯蔵容量等、レイアウトを適宜変更可能である。
また、冷蔵室扉6a、6b、製氷室扉7a、上段冷凍室扉7b、下段冷凍室扉8、野菜室扉9に関しても回転による開閉、引き出しによる開閉及び扉の分割数等、特に限定するものではない。
箱体20は、外箱21と内箱22とを備え、外箱21と内箱22とによって形成される空間に断熱部を設けて箱体20内の各貯蔵室と外部とを断熱している。外箱21は、鋼板製であり、内箱22は樹脂製である。この外箱21と内箱22の間の空間に真空断熱材50を配置し、真空断熱材50以外の空間には硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填してある。真空断熱材50については図3で説明する。なお、本実施形態では、真空断熱材50の配置箇所を特定するために、符号a乃至dを付して説明する。
冷蔵庫1の各貯蔵室を所定の温度に冷却するために冷凍室3a、4の背側には冷却器28が備えられている。この冷却器28と圧縮機30と凝縮機31、キャピラリーチューブ(図示せず)とを接続し、冷凍サイクルを構成している。冷却器28の上方には、冷却器28にて熱交換した冷気を冷蔵庫1の各貯蔵室内に循環して所定の低温温度を保持する送風機27が配設されている。
また、箱体20の天面後方部には冷蔵庫1の運転を制御するための基板や電源基板等の電気部品41を収納するための凹部40が形成されている。さらに、凹部41の上方には、電気部品41を覆うカバー42が設けられている。カバー42の高さは外観意匠性と内容積確保を考慮して、外箱21の上面21aとほぼ同じ高さになるように配置している。
特に限定するものではないが、カバー42の高さが外箱21の上面21aよりも突出する場合は10mm以内の範囲に収めることが望ましい。これに伴って、凹部40は発泡断熱材23側に電気部品41を収納する空間だけ窪んだ状態で配置されるため、断熱厚さを確保するため必然的に内容積が犠牲になってしまう。内容積をより大きくとると凹部40と内箱22間の発泡断熱材23の厚さが薄くなってしまう。このため、凹部40の発泡断熱材23中に真空断熱材50aを配置して断熱性能を確保、強化している。本実施例では、真空断熱材50aを冷蔵室2内の庫内灯ケース(図示せず)と電気部品41に跨るように略Z形状に成形した1枚の真空断熱材50aとしている。尚、カバー42は耐熱性を考慮し鋼板製としている。
また、箱体20の背面下部には、外箱21の底面21dを折り曲げて形成された空間に、圧縮機30や凝縮機31が配置されている。圧縮機30や凝縮機31は発熱の大きい部品であるため、庫内への熱侵入を防止するため、外箱21の底面21d又は底面21dの内箱22側への投影面に真空断熱材50dを配置している。
また、箱体20の後面21b内面には、真空断熱材50bを配置している。
次に、真空断熱材50について、図3を用いてその構成を説明する。図3は、本発明の実施例1に係る真空断熱材の概略断面図である。真空断熱材50は、芯材51と、吸着剤55と、吸着剤55を内材させた芯材51を圧縮状態に保持するための内包材52と、内包材52で圧縮状態に保持した芯材51を被覆するガスバリヤ層を有する外被材53と、で構成している。なお、内包材52は必ずしも必要ではなく、芯材51を外被材53で覆う構成としてもよい。
外被材53は、真空断熱材50の両面に配置され、同じ大きさのラミネートフィルムの稜線から一定の幅の部分を熱溶着により貼り合わせた袋状で構成されている。
本実施例において、芯材51はバインダ等で接着や結着していない繊維集合体の積層体として平均繊維径4μmのグラスウールを用いた。芯材51については、無機系繊維材料の積層体を使用することによりアウトガスが少なくなる。
外被材53のラミネート構成については、ガスバリヤ性を有し、熱溶着可能であれば特に限定するものではないが、本実施形態においては、表面保護層、第一ガスバリヤ層、第二ガスバリヤ層、熱溶着層の4層構成からなるラミネートフィルムとしている。表面保護層は保護材の役割を持つ樹脂フィルムとし、第一ガスバリヤ層は樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、第二ガスバリヤ層は酸素バリヤ性の高い樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、第一ガスバリヤ層と第二ガスバリヤ層は金属蒸着層同士が向かい合うように貼り合わせている。熱溶着層については表面層と同様に吸湿性の低いフィルムを用いた。具体的には、表面層を二軸延伸タイプのポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の各フィルム、第一ガスバリヤ層をアルミニウム蒸着付きの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、第二ガスバリヤ層をアルミニウム蒸着付きの二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム又はアルミニウム蒸着付きの二軸延伸ポリビニルアルコール樹脂フィルム、或いはアルミ箔とし、熱溶着層を未延伸タイプのポリエチレン、ポリプロピレン等の各フィルムとした。
この4層構成のラミネートフィルムの層構成や材料については、特にこれらに限定するものではない。例えばガスバリヤ層として、金属箔、或いは樹脂系のフィルムに無機層状化合物、ポリアクリル酸等の樹脂系ガスバリヤコート材、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等によるガスバリヤ膜を設けたものや、熱溶着層には例えば酸素バリヤ性の高いポリブチレンテレフタレートフィルム等を用いても良い。
表面層については、第一ガスバリヤ層の保護材であるが、真空断熱材の製造工程における真空排気効率を良くするためにも、好ましくは吸湿性の低い樹脂を配置するのが良い。
また、通常、第二ガスバリヤ層に使用する金属箔以外の樹脂系フィルムは、吸湿することによってガスバリヤ性が著しく悪化してしまうため、熱溶着層についても吸湿性の低い樹脂を配置することで、ガスバリヤ性の悪化を抑制すると共に、ラミネートフィルム全体の吸湿量を抑制するものである。これにより、先に述べた真空断熱材50の真空排気工程においても、外被材53が持ち込む水分量を小さくできるため、真空排気効率が大幅に向上し、断熱性能の高性能化につながっている。
尚、各フィルムのラミネート(貼り合せ)は、二液硬化型ウレタン接着剤を介してドライラミネート法によって貼り合わせるのが一般的であるが、接着剤の種類や貼り合わせ方法には特にこれに限定するものではなく、ウェットラミネート法、サーマルラミネート法等の他の方法によるものでもよい。
(実施例1)
本発明の実施例1について、図1から3を参照しながら説明する。
真空断熱材50に用いる芯材51は、繊維集合体のグラスウールを用いている。グラスウールは、バインダを用いることなく、柔軟性と、所定の圧縮荷重に対する反発力を有する状態のまま、内包材52となる高密度ポリエチレンに包まれて脱気される。芯材51を含む内包材52は外被材53に挿入されて、真空包装することで真空断熱材50を形成している。
なお、グラスウールにバインダを用いることで、取扱い性が容易になるが、バインダでグラスウールの繊維同士を結合させることで硬度が高くなる。この真空断熱材50を成形するために曲げ加工を行うと、バインダで結着した繊維が割れて砕けてしまう。また、バインダを用いることで繊維同士が結合し硬度が高くなっていることから、曲げ成形をすることが困難である。
さらに、繊維が割れて砕けた部分では、熱伝導が高くなり、バインダの結合部から熱が伝わることで、真空断熱材50としての性能が低下してしまう。そのため、グラスウールにバインダを用いない芯材51を用いた真空断熱材50とすることで、繊維同士が結合していないため、真空断熱材50を成形するために曲げ加工をしても、真空断熱材50内で繊維が移動しやすくなり、曲げ加工での応力も少なく、成形が容易となる。
実施例1では、真空断熱材50の芯材51となる繊維集合体として、平均繊維径を6.8μm、平均繊維長18cmの繊維集合体を用いた。
繊維径の測定方法は、繊維を紡糸して繊維集合体となったものを、顕微鏡で拡大し30本の測定の平均値とした。本実施例においては、顕微鏡にて拡大測定を行った。なお、この測定方法の他にも、マイクロネア測定機によって、一定量の繊維に圧力をかけて通過する空気量から繊維径を測定する方法もある。
平均繊維長の測定方法は、繊維紡糸時、繊維化された直後に繊維を集綿し、繊維同士が絡み合っていない状態の集綿した繊維長さの平均から平均繊維長とした。一度繊維化され繊維集合体となったグラスウールの繊維長を測定するには、繊維同士が絡み合っていることから、測定困難であり、一度繊維をほぐすか、繊維一本を拡大し測定しなくてはならず、非常に測定が困難である。そのため、繊維を紡糸した直後に測定することで容易に測定することができる。
実施例1の繊維集合体において、引張強度を測定したところ4.3Nの測定結果が得られた。引張強度の測定方法においては、引張試験機を用いて評価を行った。繊維集合体のグラスウールを評価サンプルサイズの50mm×200mmにカットし、目付量を1155g/m2となるものを用いた。このサンプルを引張試験機に引張間距離100mmとなるように上下50mmを引張試験機に装着し、引張速度を150mm/minで引張試験を行い、サンプルが破断したときの最大引張強さを引張強度とした。引張試験機には、SHIMADZU社製のAUTOGRAPFH、AG-X10kNを用いて試験をした。
次に、このサンプルを用いて作製した真空断熱材において、曲げ強度を確認した。曲げ強度の測定方法においては、真空断熱材の寸法として、幅285mm、長さ485mm、厚さ15mmの真空断熱材を、支点間距離210mmの冶具で支える。支点間距離の中央に10mm/minで圧力を加え、押し込み深さを25mmとしたときの最大圧力を曲げ強度とした。この曲げ試験から得られた試験結果は、2.6MPaとなった。
曲げ強度の圧力は2.6MPaと小さいことから、曲げ用の治具を用いなくても真空断熱材50を曲げ加工することが可能である。
また、本実施例においては、引張強度の低い繊維集合体を用いることで、真空断熱材内の繊維が移動し易い。このことから、真空断熱材50に曲部54を成形加工することも容易である(図4参照)。
また、屈曲や湾曲に成形を行う際、本実施形態の真空断熱材50は曲げ易くなるとともに、表面の凹凸を低減でき平滑度を高めることができる。
曲がり形状の他にも段付き形状とすることも可能である。段付き形状とするためには、ローラによる圧縮や、プレスによる段付き形状加工がある。本実施形態の真空断熱材50は、引張強度が小さく、曲げ強度が小さいことで、真空断熱材50内の繊維が移動し易い。このことから、ローラやプレス加工による段付き形状の加工も容易に行うことができ、段付き部のグラスウール繊維の割れや破断を防止できる。グラスウール繊維の割れや破断を防止できることから、真空断熱材50としての断熱性能を低下させることなく、曲げ形状を有することができる。
(実施例2)
実施例2の真空断熱材50は、平均繊維径を6.2μm、平均繊維長を7cmとした繊維集合体のグラスウールを用いたものである。なお、平均繊維径、平均繊維長、引張強度、及び曲げ強度の測定方法は、実施例1記載の方法と同様である。
本実施例では、実施例1よりも平均繊維径を細くし、平均繊維長を短くすることで、グラスウールの引張強度を2.1Nと小さくすることができる。これは、平均繊維長を短くすることで、引張強度が小さくなったためである。これにより、曲げ強度は1.2MPaとなり曲げ性の良い真空断熱材50を得ることができる。
また、取扱い性に関して、グラスウールを真空断熱材50とする規定寸法にカットする工程や、グラスウールを搬送する工程、外被材53に挿入する工程において、本実施例の芯材51の引張強度は小さいことから、繊維が裂けてしまうことがある。そこで、本実施例はグラスウールを規定寸法にカット直後に内包材52でグラスウールを包むことで、繊維が裂けるのを防止した状態で搬送することができる。これにより、曲げ性の良い真空断熱材50を得ることができる。
(実施例3)
実施例3の真空断熱材50は、繊維径を6.0μm、繊維長を7cmとし、実施例2よりも繊維径を細くした繊維集合体のグラスウールを用いたものである。なお、平均繊維径、平均繊維長、引張強度、及び曲げ強度の測定方法は、実施例1記載の方法と同様である。
本実施例のグラスウールの引張強度は、2.0Nとなり、曲げ強度は1.3MPaとなる。これにより、繊維径を細くしたことによる引張強度と曲げ強度の差はほとんど無く、曲げ強度が低いことから、曲げ性の良い真空断熱材50を得ることができる。
(実施例4)
実施例4の真空断熱材50は、繊維径を3.7μm、繊維長を18cmとした繊維集合体のグラスウールを用いたものである。なお、平均繊維径、平均繊維長、引張強度、及び曲げ強度の測定方法は、実施例1記載の方法と同様である。
このグラスウール繊維の引張強度は6.1Nとなり、曲げ強度は4.5MPaとなる。実施例1よりも繊維径を細くすることで、繊維同士か絡み合い引張強度は高くなっている。すなわち、繊維同士が絡み合うことにより曲げ強度が高くなっている。引張強度、曲げ強度が高くなっているが、容易に屈曲や湾曲加工が可能であり、曲げ性の良い真空断熱材50を得ることができる。また、製造工程においては引張強度が6.1Nであることから、製造時にグラスウールが繊維間で裂けることが抑制されて、取扱い性が良好である。
次に、図4と図5を用いて、実施例1から実施例4における真空断熱材50を、冷蔵庫1の外箱21に配置した構成を説明する。図4は、本発明の実施例1に係る真空断熱材を壁面に設けた断面図である。図5は、本発明の実施例1に係る真空断熱材を冷蔵庫外箱に設けた側面外観透視図である。
図4及び図5では、真空断熱材50を外箱21の内面に貼り付けた状態である。外箱21の側面21eと真空断熱材50との間には、冷媒を循環させる放熱パイプ60を配置している。真空断熱材50は、放熱パイプ60の上から外箱21内面に貼り付けているが、本実施形態では、真空断熱材50の芯材51に引張強度6.1N以下の繊維集合体を用いることで、溝や段形状を予め成形することなく貼り付けることが可能である。これは、引張強度を6.1N以下とすることで、真空断熱材50内部の繊維が移動しやすくなり、貼り付け時に立体的な形状に合わせて、繊維が追随して移動し易くなるためである。これにより、真空断熱材50を貼り付ける際、放熱パイプ60との隙間を小さくすることができ、真空断熱材50と放熱パイプ60との隙間からの熱漏洩を低減することができる。
引張強度を低くするための構成としては、平均繊維径3.7〜6.8μm、平均繊維長7〜18cmの繊維集合体を用いたことが挙げられる。繊維長が従来よりも長く、引張強度が従来よりも低い芯材51を用いることで、従来よりも曲げ易い真空断熱材50が得られる。
また、溝や段形状を有することなく放熱パイプ60の上面に貼り付けることができることから、図5に示すような放熱パイプ60が複雑な形状に屈曲している場合においても、真空断熱材50をそのまま貼りつけることが可能であり、真空断熱材50と放熱パイプ60との隙間を少なくすることができる。
隙間を少なくして真空断熱材50を貼りつけることが可能であることから、真空断熱材50の面積を貼り付け面に対して最大限確保することができ、断熱性能の高い箱体とすることができる。
また、従来の真空断熱材50は放熱パイプ60用の溝や段形状を有する場合、直線形状としている。これは、ローラ押しにて形成する場合においては、直線の形状しか形成することはできないためである。よって、複雑な形状の溝を形成するためには、プレス加工で形成する必要であり、放熱パイプ60の形状に沿った専用のプレス治具を用いなければならない。そのため、放熱パイプ60の形状が複数ある場合は、プレス治具も形状に合わせて複数が必要となり、製造コストが増大する。
本実施形態では、真空断熱材50の芯材51に引張強度6.1N以下の繊維集合体を用いることで、真空断熱材50を放熱パイプ60の上に貼りつけても、放熱パイプ60の形状に沿った真空断熱材50の形状となる。そのため、放熱パイプ60の形状に合わせた複数の治具を必要とすることなく、立体形状部に貼り付けることが可能である。
また、複雑な形状にプレスする場合においては、成形するときに真空断熱材50の曲げ強度が高いことから高圧力が必要である。そのため、高圧力によって外被材53が延伸されて、ガスバリヤ性能の低下や破れが発生してしまう。
本実施形態の真空断熱材50においては、真空断熱材50の芯材51に引張強度6.1N以下の繊維集合体を用いることで、曲げ強度が小さく、真空断熱材50を放熱パイプ60の上に貼り付けても、芯材51と追従して外被材53を成形することができる。そのため、外被材53の延伸が少なく、ガスバリヤ性能の低下や破れの発生を防止することができる。
本実施例においては、放熱パイプ60の形状に沿って真空断熱材50を外箱21内面に配置したが、真空断熱材50の芯材51に引張強度6.1N以下の繊維集合体を用いて、曲げ性の良好な真空断熱材50とすることで、凹凸の多い箱体20の立体形状部にも貼付けることができる。特に、真空断熱材50を貼り付ける面の一部にリブ形状等の凸部となった部分や、外箱21と内箱22の接合部においても、貼付け面と真空断熱材50との隙間を少なくし、貼り付けることが可能である。すなわち、棚板設置用の凹凸部、箱体20と内装部品との固定用ネジ、外箱21と内箱22の接合端部にも容易に貼り付けることができる。
また、箱体20に限定されず、扉にも真空断熱材50を適用可能である。すなわち、扉外装部材と扉内装部材との間に真空断熱材50を配置する場合、扉外装部材と扉内装部材の接合端部、引き出し扉用の扉枠取付部、回転扉用のヒンジ取付部等、真空断熱材50を各部形状に追従して貼り付け可能である。
また、仕切断熱壁12,14にも適用可能である。すなわち、仕切断熱壁を構成する複数の部材の接合部形状まで追従して貼り付け可能である。
(実施例5)
次に、図6を用いて実施例5について説明する。図6は、本発明の実施例5に係る給湯器に真空断熱材を設けた概略図である。
給湯器70の貯湯タンク71には、真空断熱材50を直接貼付けて配置している。給湯器70の貯湯タンク71においては、円柱状の形態や、四角柱状の構造があるため、貯湯タンク71に沿って真空断熱材50を配置するためには、曲げや湾曲形状にする必要がある。
本実施例の真空断熱材50の芯材51に引張強度6.1N以下の繊維集合体のグラスウールを用いることで、貯湯タンク70に沿って真空断熱材50を追従して曲げて配置することができる。
ここで、真空断熱材50の芯材51に樹脂繊維を用いた場合、樹脂繊維は曲げ強度が小さいことから、貯湯タンク71に沿って真空断熱材50を配置することができる。しかしながら、給湯器70の貯湯タンク71は高温の湯を貯蔵するため、貯湯タンク71の温度は100℃近くまで上昇する。真空断熱材50の芯材51に樹脂繊維を用いると、融点の低い樹脂繊維では繊維同士の融着が発生する可能性があり好ましくない。繊維同士が融着すると、繊維同士の融着部で熱移動が生じやすくなり、断熱性能が低下する。また、繊維同士の融着により、空隙率が低下して、真空断熱材50の厚みが減少する。
そのため、本実施例では真空断熱材50の芯材51に引張強度6.1N以下のグラスウールを用いることで、繊維の融点が高く、貯湯タンク71に貼りつけても繊維の融着が発生せず、性能を保持することができる。
以上の各実施例においては、真空断熱材50を冷蔵庫1や給湯器70に用いた例を中心に説明したが、貼付け面に凹凸形状や、湾曲形状を有した構造物に真空断熱材50を貼り付けることも可能である。用途の一例として、自動販売機、自動車、断熱BOX等があり、これらにおいても真空断熱材50の芯材51に引張強度6.1N以下の繊維集合体を用いて、曲げ性の良い真空断熱材50とすることで、貼付け面と真空断熱材50との隙間を少なくし、熱漏洩の少ない断熱性能とすることができる。
1 冷蔵庫
1a 冷蔵庫本体
20 箱体
21 外箱
21a 上面
21b 後面
21d 底面
21e 側面
22 内箱
23 発泡断熱材
33 発泡ポリスチレン
50 真空断熱材
51 芯材
52 内包材
53 外被材
55 吸着剤
54 曲部
60 放熱パイプ
70 給湯器
71 貯湯タンク

Claims (3)

  1. 繊維集合体の芯材と、前記芯材を覆う外被材と、を有する真空断熱材であって、
    前記繊維集合体の引張強度が6.1N以下であり、
    前記繊維集合体はグラスウールであって、平均繊維長さが7〜18cmであることを特徴とする真空断熱材。
  2. 請求項1記載の真空断熱材において、前記繊維集合体の平均繊維径が3.7〜6.8μmであることを特徴とする真空断熱材。
  3. 外箱と内箱との間に真空断熱材と発泡断熱材とを配置した冷蔵庫において、前記真空断熱材は請求項1又は2記載の構成であって、前記真空断熱材は少なくとも前記外箱又は前記内箱に沿う曲げ形状を有することを特徴とする冷蔵庫。
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