JP2015103661A - 貼り合わせウェーハの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜厚調整のためのエッチング後も膜厚均一性が維持された貼り合わせウェーハを高歩留りで製造する方法を提供する。
【解決手段】ボンドウェーハの表面に、水素イオン及び希ガスイオンから選ばれる一種類以上のガスイオンをイオン注入してウェーハ内部にイオン注入層を形成し、ボンドウェーハのイオン注入した表面とベースウェーハの表面とを直接又は絶縁膜を介して貼り合わせた後、イオン注入層を剥離面としてボンドウェーハを剥離することにより、ベースウェーハ上に薄膜を有する貼り合わせウェーハを作製した後、薄膜の減厚加工を行う貼り合わせウェーハの製造方法において、
減厚加工は、温度調節されたエッチング液を満たした薬液槽に浸漬して薄膜をエッチングすることによって薄膜の膜厚調整を行うエッチング工程を含み、
エッチング工程では、薬液槽の周囲を断熱材によって被覆した状態でエッチングを行う貼り合わせウェーハの製造方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、イオン注入剥離法を用いた貼り合わせウェーハの製造方法に関し、特に、ETSOI(Extremely Thin SOI(Silicon On Insulator)、極めて薄いSOI)と呼ばれ、SOI層膜厚が30nm以下で、ウェーハ面内で±0.5nmの膜厚均一性が要求されるSOIウェーハの製造方法に関する。
SOIウェーハの製造方法、特に先端集積回路の高性能化を可能とする薄膜SOIウェーハの製造方法として、イオン注入したウェーハを貼り合わせ後に剥離してSOIウェーハを製造する方法(イオン注入剥離法:スマートカット法(登録商標)とも呼ばれる方法)が注目されている。
このイオン注入剥離法は、二枚のシリコンウェーハの内、少なくとも一方に酸化膜を形成すると共に、一方のシリコンウェーハ(ボンドウェーハ)の上面から水素イオン又は希ガスイオン等のガスイオンを注入し、ウェーハ内部にイオン注入層(微小気泡層又は封入層とも呼ぶ)を形成する。その後、イオンを注入した方の面を、酸化膜を介して他方のシリコンウェーハ(ベースウェーハ)と密着させ、その後熱処理(剥離熱処理)を加えて微小気泡層を劈開面として一方のウェーハ(ボンドウェーハ)を薄膜状に剥離する。さらに、熱処理(結合熱処理)を加えて強固に結合してSOIウェーハを製造する技術である(特許文献1)。この段階では、劈開面(剥離面)がSOI層の表面となっており、SOI膜厚が薄くてかつ均一性も高いSOIウェーハが比較的容易に得られている。
しかし、剥離後のSOIウェーハ表面にはイオン注入によるダメージ層が存在し、また、表面粗さが通常のシリコンウェーハの鏡面に比べて大きなものとなっている。したがって、イオン注入剥離法では、このようなダメージ層と表面粗さを除去することが必要になる。従来、このダメージ層等を除去するために、結合熱処理後の最終工程において、タッチポリッシュと呼ばれる研磨代の極めて少ない鏡面研磨(取り代:100nm程度)が行われていた。ところが、SOI層に機械加工的要素を含む研磨をしてしまうと、研磨の取り代が均一でないために、水素イオンなどの注入と剥離によって達成されたSOI層の膜厚均一性が悪化してしまうという問題が生じる。
このような問題点を解決する方法として、タッチポリッシュの代わりに高温熱処理を行って表面粗さを改善する平坦化処理が行われるようになってきている(特許文献2、3、4)。平坦化処理が行われるようになったことによって、現在では、直径300mmでSOI層の膜厚レンジ(面内膜厚の最大値から最小値を引いた値)が3nm以内(すなわち、ウェーハ面内で±1.5nm)の優れた膜厚均一性を有するSOIウェーハが、イオン注入剥離法によって量産レベルで得られている。
一方、イオン注入剥離法において、剥離後の減厚処理としてSOI層をアンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液(SC1)でエッチングすることによって面内均一に減厚する方法(特許文献5)や、SC1によるエッチングによりSOI層の膜厚調整を行う方法(特許文献6)が開示されている。
特開平5−211128号公報 特開平11−307472号公報 特開2000−124092号公報 再公表特許 WO2003/009386 特開2000−173976号公報 特開2004−311526号公報
近年の携帯型端末の普及に伴い、半導体デバイスの低消費電力化、微細化、高機能化が必要となっており、デザインルールで22nm世代以降の有力な候補として、SOIウェーハを用いた完全空乏型のデバイス開発が行われている。この完全空乏型デバイスでは、SOIの膜厚が10nm程度と非常に薄くなることに加えて、SOIの膜厚分布がデバイスの閾値電圧に影響することから、SOIの面内膜厚分布として膜厚レンジが1nm以下(すなわち、ウェーハ面内で±0.5nm)の膜厚均一性が求められているが、量産レベルではこの要求を満たすことは非常に困難であった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、膜厚調整のためのエッチング後も膜厚均一性が維持された貼り合わせウェーハを高歩留りで製造する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、
ボンドウェーハの表面に、水素イオン及び希ガスイオンから選ばれる一種類以上のガスイオンをイオン注入して前記ボンドウェーハ内部にイオン注入層を形成し、前記ボンドウェーハのイオン注入した表面とベースウェーハの表面とを直接又は絶縁膜を介して貼り合わせた後、前記イオン注入層を剥離面としてボンドウェーハを剥離することにより、前記ベースウェーハ上に薄膜を有する貼り合わせウェーハを作製した後、前記薄膜の減厚加工を行う貼り合わせウェーハの製造方法において、
前記減厚加工は、温度調節されたエッチング液を満たした薬液槽に浸漬して前記薄膜をエッチングすることによって前記薄膜の膜厚調整を行うエッチング工程を含み、
前記エッチング工程では、前記薬液槽の周囲を断熱材によって被覆した状態でエッチングを行う貼り合わせウェーハの製造方法を提供する。
このような貼り合わせウェーハの製造方法であれば、膜厚調整のためのエッチング後も膜厚均一性が維持された貼り合わせウェーハを高歩留りで製造することができる。
またこのとき、前記ボンドウェーハとしてシリコンウェーハを用い、前記エッチング液としてアンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液(SC1)を用いることが好ましい。
SC1はパーティクルや有機物汚染を除去するため、イオン注入剥離法を用いたSOIウェーハの製造工程において頻繁に用いられるため効果が高い。
またこのとき、前記温度調節は、50℃〜80℃の範囲内の所定の温度に調節することが好ましい。
このような温度であれば、エッチング速度が適度であり、膜厚調整に時間がかかりすぎず、膜厚調整を行うのに適している。
またこのとき、前記断熱材として、気泡緩衝材を用いることが好ましい。
気泡緩衝材を用いれば、極めて簡便かつ安価に薬液槽を被覆することができる。
以上のように、本発明の貼り合わせウェーハの製造方法であれば、膜厚調整のためのエッチング後も膜厚均一性が維持された貼り合わせウェーハを高歩留りで製造することができる。また、断熱材として気泡緩衝材を用いれば、極めて簡便かつ安価に薬液槽を被覆することができる。
本発明の貼り合わせウェーハの製造方法におけるエッチング工程に用いられる薬液槽の一例を示す概略断面図である。 本発明の貼り合わせウェーハの製造方法におけるエッチング工程に用いられる洗浄ラインの一例を示す概略図である。 実験例の1バッチのウェーハ間の取り代を比較したグラフである。 実験例のウェーハ面内の取り代を比較したグラフである。 実験例で膜厚測定を行った、ウェーハ中心線から左右にR/2の位置を示す説明図である。
上述のように、SOIの面内膜厚分布として膜厚レンジが1nm以下(すなわち、ウェーハ面内で±0.5nm)の膜厚均一性が求められており、イオン注入剥離法で薄膜(SOI層)を形成する場合、イオン注入深さの面内バラツキの影響により、剥離直後であってもある程度の膜厚レンジ(<1nm)を有するので、最終製品としてウェーハ面内で±0.5nmの膜厚均一性を有するSOI層を得るためには、剥離後の膜厚調整(犠牲酸化処理、平坦化熱処理、エッチング等)において、その膜厚レンジを悪化させない(あるいは改善する)ことが重要である。これについては、特開2013−125909号公報において、イオン注入条件や犠牲酸化条件を工夫することによって、最終製品としてウェーハ面内で±0.5nmの膜厚均一性を有するSOI層を得る製造方法が開示されている。
この製造方法であれば、イオン注入条件や犠牲酸化条件を工夫することによって剥離後の膜厚レンジを悪化させない(あるいは改善する)ことができるが、その一方で、犠牲酸化処理や平坦化熱処理などの工程を行う際には、その前後に、SC1などの薬液を用いた洗浄工程(エッチング工程)が複数回行われるため、その洗浄工程でのSOI層の取り代の面内均一性やウェーハ間均一性を考慮する必要があることが明らかとなった。
本発明者が鋭意検討したところによれば、SC1などの薬液は、一般的に、薬液槽内で±1℃程度の精度で温度調整されているが、薬液槽の壁面の周囲温度は薬液温度よりも低いため、薬液槽壁面は熱交換され、薬液槽の壁面温度は各面ごとにそれぞれ熱が奪われ、温度が低下する。その結果、薬液槽内に配置されたウェーハのSOI膜厚は、ウェーハ面内やスロット位置で取り代が微妙に異なってくる。その取り代の相違は極めて微量であるため、比較的厚膜(例えば100nm以上)のSOI層の場合には、洗浄後の膜厚均一性にほとんど影響を及ぼさないが、ET−SOIの場合には無視できない相違となることを新たに見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ボンドウェーハの表面に、水素イオン及び希ガスイオンから選ばれる一種類以上のガスイオンをイオン注入して前記ボンドウェーハ内部にイオン注入層を形成し、前記ボンドウェーハのイオン注入した表面とベースウェーハの表面とを直接又は絶縁膜を介して貼り合わせた後、前記イオン注入層を剥離面としてボンドウェーハを剥離することにより、前記ベースウェーハ上に薄膜を有する貼り合わせウェーハを作製した後、前記薄膜の減厚加工を行う貼り合わせウェーハの製造方法において、
前記減厚加工は、温度調節されたエッチング液を満たした薬液槽に浸漬して前記薄膜をエッチングすることによって前記薄膜の膜厚調整を行うエッチング工程を含み、
前記エッチング工程では、前記薬液槽の周囲を断熱材によって被覆した状態でエッチングを行う貼り合わせウェーハの製造方法である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、本明細書では貼り合わせウェーハとして、シリコンウェーハを用いて作製するSOIウェーハを例に挙げて説明するが、本発明の「貼り合わせウェーハ」はSOIウェーハにも、シリコンウェーハにも限定されない。
すなわち、イオン注入剥離法で貼り合わせウェーハを製造する場合のエッチングによる減厚加工であれば、いずれのものにも適用可能である。
例えば、SiGeウェーハや化合物半導体、その他のウェーハを、シリコン、石英、Al等と貼り合わせる場合が挙げられる。この場合、貼り合わせるボンドウェーハには絶縁膜はあってもなくてもよい。また、エッチング液は、形成された薄膜をエッチングできるものであればよく、用いるボンドウェーハに合せて適宜選択すればよい。
本発明の貼り合わせウェーハの製造方法では、まずベースウェーハ上に薄膜を有する貼り合わせウェーハを作製する。この貼り合わせウェーハの作製は、イオン注入剥離法(スマートカット法(登録商標)とも呼ばれる)による公知の方法で行えばよく、すなわち、
ボンドウェーハの表面に、水素イオン及び希ガスイオンから選ばれる一種類以上のガスイオンをイオン注入してボンドウェーハ内部にイオン注入層を形成し、ボンドウェーハのイオン注入した表面とベースウェーハの表面とを直接又は絶縁膜を介して貼り合わせた後、イオン注入層を剥離面としてボンドウェーハを剥離することにより、ベースウェーハ上に薄膜を有する貼り合わせウェーハを作製する。
このとき、ボンドウェーハとしては特に限定されないが、シリコンウェーハを用いることが好ましい。
減厚加工(エッチング工程)に用いられる貼り合わせウェーハは、イオン注入剥離法で作製された薄膜(SOI層)の膜厚レンジが3nm以内(すなわち、ウェーハ面内で±1.5nm)の貼り合わせウェーハであることが好ましく、1nm以内(すなわち、ウェーハ面内で±0.5nm)であることがより好ましい。
また、剥離後に犠牲酸化処理や平坦化熱処理を行ってもよい。この犠牲酸化処理や平坦化熱処理は公知の方法で行えばよい。
貼り合わせウェーハを作製後、薄膜の減厚加工を行う。
減厚加工は、温度調節されたエッチング液を満たした薬液槽に剥離後の貼り合わせウェーハを浸漬して薄膜をエッチングすることによって行うが、本発明ではこのとき薬液槽の周囲を断熱材によって被覆した状態でエッチングを行う。
以下、図面を参照しながら本発明の貼り合わせウェーハの製造方法におけるエッチング工程(洗浄工程)をさらに詳しく説明する。
エッチング工程に用いられる薬液槽の概略断面図を図1に示す。
エッチング工程では、薬液槽1の周囲に断熱材2を被覆したものを使用する。薬液槽1内には剥離後の貼り合わせウェーハ3が配置されており、SC1等のエッチング液は図1右側の駆動エリアのポンプ8の作用により図1中の実線矢印aのように循環され、エッチングが行われる。
エッチング液の温度は、オーバーフロー部5に配置された温度計6とヒーター7によりPID制御され、所望の温度(例えば70±1℃)にコントロールされる。また、オーバーフロー部5からポンプ8に戻されたエッチング液は、フィルター4を通って再びヒーター7により所望の温度にコントロールされて薬液槽1内に入る。
また、薬液槽1の上部に設置されているエアフィルター9を通して、白抜き矢印bで示されるようなクリーンエアーのダウンフローが形成され、薬液槽1の周囲を経由して側壁側や下部の排気ダクト10を通ってメイン排気に排出される構造となっている。
従来のエッチング工程では、このクリーンエアーと薬液槽1やリンス槽などの間で熱交換が行われるため、薬液槽1の周囲や薬液中に微量の温度分布が生じ、ウェーハ面内やウェーハ間の取り代に微小な差異が生じていたが、本発明では薬液槽1の周囲を断熱材2によって被覆した状態でエッチングを行うことで、薬液槽1内のエッチング液温度の偏りを低減し、これによりウェーハ面内、ウェーハ間ともに取り代均一性が極めて高いエッチング(洗浄)を行うことができる。すなわち、エッチング後も膜厚均一性を維持することが可能となる。
またボンドウェーハとしてシリコンウェーハを用いた場合、エッチング液としては、アンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液であり、シリコンのエッチング作用があるSC1を用いることが好ましい。
SC1はパーティクルや有機物汚染を除去するため、イオン注入剥離法を用いたSOIウェーハの製造工程において頻繁に用いられるため効果が高い。
またこのとき、温度調節は、50℃〜80℃の範囲内の所定の温度に調節することが好ましい。
エッチング液が50℃以上であれば、エッチング速度が適度であり、膜厚調整に時間がかかりすぎない。また、エッチング液が80℃以下であれば、エッチング速度が大きすぎないため、膜厚調整を行うのに適している。
また、薬液槽の周囲を被覆する断熱材としては特に限定されないが、気泡緩衝材を用いれば、極めて簡便かつ安価に薬液槽を被覆することができるため好ましい。
気泡緩衝材としてはプチプチ、エアーキャップ(いずれも登録商標)等が挙げられる。
被覆位置としては、十分な断熱効果を得るためにできるだけ薬液槽の全面を被覆することが好ましい。
また断熱材の厚さ(被覆厚)としては、十分な断熱効果を得るためにはできるだけ厚くすることが好ましいが、例えば50mm程度もあれば十分な断熱効果が得られる。
また、本発明の貼り合わせウェーハの製造方法におけるエッチング工程(洗浄工程)全体は、例えば図2のような洗浄ラインによって行われる。
図2中のAはロードエリア、Bは第一洗浄エリア(アルカリ)、Cは第二洗浄エリア(酸)、Dは乾燥エリア、Eはアンロードエリアである。Bの第一洗浄エリア(アルカリ)では、上述の図1の薬液槽1にSC1等のアルカリ性のエッチング液を用いてエッチング後、リンス槽11、リンス槽12でリンスする。Cの第二洗浄エリア(酸)では、エッチング液をSC2(塩酸と過酸化水素水の混合水溶液でシリコンのエッチング作用なし)等の酸性のエッチング液として第一洗浄エリアと同様にエッチング及びリンスを行う。
なお、上述の図1は、図2中の矢印方向から見た薬液槽1の概略断面図である。
また、もちろん、本発明の貼り合わせウェーハの製造方法におけるエッチング工程を一般的な鏡面研磨ウェーハ(PWウェーハ)のエッチング工程(洗浄工程)に適用することも可能であるが、PWウェーハの厚さはμmのオーダーで管理されているため、nm未満の取り代を厳密に調整することを目的とした本発明の貼り合わせウェーハの製造方法におけるエッチング工程を適用しても、得られる効果はほとんどない。
以上のように、本発明の貼り合わせウェーハの製造方法であれば、膜厚調整のためのエッチング後も膜厚均一性が維持された貼り合わせウェーハを高歩留りで製造することができる。また、断熱材として気泡緩衝材を用いれば、極めて簡便かつ安価に薬液槽を被覆することができる。
以下、実験例、実施例、及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実験例)
上述のように、図1中のクリーンエアーと薬液槽1や図2中のリンス槽11などの間で熱交換が行われるため、薬液槽の周囲や薬液中に微量の温度分布が生じ、ウェーハ面内やウェーハ間の取り代に微小な差異が生ずるものと推定される。
洗浄(エッチング)中の薬液中の微小な温度差(ウェーハ間、ウェーハ面内)の測定は困難であるため、図2のBで示される第一洗浄エリアにおいて、1バッチ(25枚)のSOIウェーハ(シリコン単結晶ウェーハからなるベースウェーハ上にSiOからなる埋め込み酸化膜層とシリコン単結晶層からなるSOI層が順次積層された構造)の繰り返し洗浄を行って、ウェーハ間やウェーハ面内の取り代を調査する実験を行った。
図3は1バッチのウェーハ間の取り代を比較したグラフであり、SOIウェーハ25枚を配置したウェーハキャリアの各スロット位置における平均取り代(洗浄前後にSOI層膜厚を全面測定して求めた取り代の平均値)を示している。
図3のグラフから、ウェーハキャリア内において、駆動エリア側(メイン排気側)に配置されたウェーハの取り代が少ないことがわかった。すなわち、薬液槽の駆動エリア側(メイン排気側)の液温が相対的に低いことが推定される。
次に、ウェーハ面内の取り代を比較するため、ノッチ部が最上部になるようにSOIウェーハをウェーハキャリア内に配置して繰り返し洗浄を行ったウェーハの洗浄前後の膜厚を、ウェーハ中心線から左右にR/2の位置(R:半径)での測定(図5参照)を行い、両者の測定位置における平均取り代を算出してプロットしたグラフを図4に示す。
図4のグラフから、ロードエリア側の半面に比べ、リンス槽側の半面の平均取り代が少ないことがわかった。すなわち、リンス槽側の液温が相対的に低いことが推定される。
(実施例及び比較例)
図2の洗浄ラインの第一洗浄エリアを用い、薬液槽(石英槽)の周囲に断熱材を被覆した場合(実施例)と被覆しない場合(比較例)で1バッチ(25枚)のSOIウェーハを繰り返し洗浄(エッチング)し、取り代を比較した。
[洗浄条件]
(洗浄フロー)
SC1(76±1℃)→リンス(25℃)→リンス(25℃)を6回繰り返した。
(断熱材)
気泡緩衝材、被覆厚:50mm
被覆位置:側壁面4方向(オーバーフロー部分も含む)
[使用ウェーハ]
イオン注入剥離法(ボンドウェーハ及びベースウェーハとしてシリコン単結晶ウェーハを使用)により作製され、剥離後に犠牲酸化処理及び平坦化熱処理を行い、SOI層の平均膜厚が90nm、膜厚レンジ(ウェーハ面内)が1.0nm(±0.5nm)に調整されたSOIウェーハ25枚(直径300mm、結晶方位<100>)を使用した。なお、この25枚のSOIウェーハは、バッチ内のウェーハ間の膜厚レンジ(最大−最小)も1.0nmに調整されている。
[SOI膜厚測定]
ADE社製Acumapにより周辺3mmを除外した全面(4237点)を測定した。
Figure 2015103661
表1に示されるように、実施例の25枚については、SC1での洗浄を6回繰り返した後の、バッチ内取り代公差、平均取り代レンジはそれぞれ0.09nm、0.03nmと小さく、ウェーハ間、ウェーハ面内共に膜厚レンジ1.0nm(±0.5nm)の膜厚均一性をほぼ維持していた。一方、比較例の25枚については、バッチ内取り代公差、平均取り代レンジがそれぞれ0.54nm、0.53nmと大きく、ウェーハ間、ウェーハ面内共に膜厚レンジが約1.5nmに悪化した。
以上のように、本発明の貼り合わせウェーハの製造方法であれば、膜厚調整のためのエッチング後も膜厚均一性が維持された貼り合わせウェーハを高歩留りで製造できることが明らかになった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…薬液槽(SC1槽)、 2…断熱材、 3…剥離後の貼り合わせウェーハ、
4…フィルター、 5…オーバーフロー部、 6…温度計、 7…ヒーター、
8…ポンプ、 9…エアフィルター、 10…排気ダクト、 11、12…リンス槽、
a…エッチング液の流れ、 b…エアーの流れ、
A…ロードエリア、 B…第一洗浄エリア(アルカリ)、
C…第二洗浄エリア(酸)、 D…乾燥エリア、 E…アンロードエリア。

Claims (4)

  1. ボンドウェーハの表面に、水素イオン及び希ガスイオンから選ばれる一種類以上のガスイオンをイオン注入して前記ボンドウェーハ内部にイオン注入層を形成し、前記ボンドウェーハのイオン注入した表面とベースウェーハの表面とを直接又は絶縁膜を介して貼り合わせた後、前記イオン注入層を剥離面としてボンドウェーハを剥離することにより、前記ベースウェーハ上に薄膜を有する貼り合わせウェーハを作製した後、前記薄膜の減厚加工を行う貼り合わせウェーハの製造方法において、
    前記減厚加工は、温度調節されたエッチング液を満たした薬液槽に浸漬して前記薄膜をエッチングすることによって前記薄膜の膜厚調整を行うエッチング工程を含み、
    前記エッチング工程では、前記薬液槽の周囲を断熱材によって被覆した状態でエッチングを行うことを特徴とする貼り合わせウェーハの製造方法。
  2. 前記ボンドウェーハとしてシリコンウェーハを用い、前記エッチング液としてアンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液を用いることを特徴とする請求項1に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
  3. 前記温度調節は、50℃〜80℃の範囲内の所定の温度に調節することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
  4. 前記断熱材として、気泡緩衝材を用いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
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