JP2015101817A - 不織布及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明の不織布の製造方法によれば、そのような不織布を連続して製造することができる。
本実施形態の不織布1は、図1に示すように、長繊維2を含むウェブから形成された不織布であって、該ウェブが引き裂かれてなる引裂部4を複数有している。不織布1については、図1に示すように、構成繊維の配向方向により繊維の配向方向に沿うMD方向を長手方向(Y方向)、それと直交するCD方向を幅方向(X方向)と判断する。従って、以下の説明では、Y方向とMD方向とは同じ方向を意味し、X方向とCD方向は同じ方向を意味する。
22℃65%RH環境下にて、原料不織布10から、長繊維2の配向方向(Y方向)に10mm、配向方向と直交する方向(X方向)に50mm以上の寸法の長方形形状の測定片を切り出す。この切り出された長方形形状の測定片の中央領域にある1個の熱融着部3を選出する。次に、図3に示すように、選出した1個の熱融着部3における破断伸度を測定するために、1個の熱融着部3における測定片の長手方向の中間位置にて、長方形形状の測定片の長手方向に沿う両側縁それぞれから1個の熱融着部3の両側縁それぞれの位置まで、水平方向に延びる切り込みを入れて測定サンプルを作製する。この測定サンプルを、CD方向(X方向)が引張方向となるように、引張試験機(例えば、オリエンテック社製テンシロン引張り試験機「RTA−100」)のチャックに取り付ける。チャック間距離は25mmとする。測定サンプルを100mm/分で引っ張り、測定サンプルが破断する破断伸度(%)を測定する。尚、破断伸度(%)は、設定した上記チャック間距離に対する、破断の際に伸長されて増加した分の長さの割合であり、例えば、設定した上記チャック間距離25mmのサンプルが50mmに伸長されて破断した場合、その破断伸度(%)は{(50−25)/25}×100=100%とされる。
先ず、22℃、65%RH環境下にて、図5(a)に示すように、測定する不織布1から、鋭利なかみそりで、CD方向に2cm、MD方向に2cmの大きさの測定片を切り出す。切り出す際、可能な限り引裂部4を外すようにすることが好ましい。そして、図5(b)に示すように、引裂部4を外す位置であって、複数個の熱融着部3を通るCD方向に延びる折り返し線Zにて山折りした測定サンプルを、図5(c)に示すように、カーボンテープを載せた走査型電子顕微鏡(SEM)用アルミ製試料台に載せて固定する。次に、およそ750倍に拡大したSEM画像から、一端部20aのみが熱融着部3により固定されている起毛繊維20をランダムに10本選出し、それら繊維の自由端部の先端付近の写真撮影を行なう。得られた写真(図6参照)から、自由端部20bの先端から120μm離れた位置での起毛繊維20の繊維径(自由端部20bを除く部位での起毛繊維20の径21a)をそれぞれ測定する。自由端部20bを除く部位での起毛繊維20の径21aの測定時における傾きを、そのまま自由端部20b側に平行移動し、自由端部20bの先端と先端から20μm離れた位置との間に挟まれた領域において最も太くなっている位置での繊維21の繊維径(自由端部20bでの繊維21の径21b)を測定する。尚、先端部が扁平状である場合は観察角度によっては先端が太く見えない場合もあるが、その場合でも得られた写真でそのまま測定する。
先端繊維径の増加割合(%)=[((21b−21a)÷21a)×100]・・・(1)
尚、原料不織布10は、柔軟なものが得られ肌触りに優れる点と開口しやすい観点から、そのバルクソフトネスが、15cN以下であることが好ましく、10cN以下であることが更に好ましく、そして3cN以上であることが好ましく、具体的には、3cN以上15cN以下であることが好ましく、3cN以上10cN以下であることが更に好ましい。
バルクソフトネスは、以下の測定法により測定する。
不織布1のバルクソフトネスは、22℃65%RH環境下にて、不織布1をY方向(長手方向)に150mm、X方向(幅方向)に30mm切り出し、直径45mmのリング状に、ホッチキスを用いて端部を上下2箇所で止める。このときステープラーの芯はY方向(長手方向)に長くなるようにする。引張試験機(例えば、オリエンテック社製テンシロン引張り試験機「RTA−100」)を用いて、試料台の上に前記リングを筒状に立て、上方から台とほぼ平行な平板にて圧縮速度10mm/分の速度で圧縮していった際の最大荷重を測定し、バルクスフトネスとする。
通気度は、カトーテック製AUTOMATIC AIR−PERMEABILITY TESTER KES−F8−AP1(通気性試験機)により通気抵抗を測定し、その逆数として求められる。
微小荷重時の圧縮特性値は、以下の測定法により測定する。
微小荷重時の圧縮特性値の算出の元となるデータの測定はカトーテック株式会社製のKES FB3−AUTO−A(商品名)を用い、22℃65%RH環境下にて測定を行う。具体的には、不織布1を20cm×20cmに3枚カットして測定サンプルを準備する。次にそのうちの1枚の測定サンプルを試験台に起毛面を上に向けて設置する(起毛してない場合、または両面が起毛している場合は両方測定して小さいほうを採用する)。次に、面積2cm2の円形平面の鋼板間で圧縮する。圧縮速度20μm/sec、最大圧縮荷重10gf/cm2、回復過程も同一速度で測定する。このとき、鋼板間の変位量をx(mm)とし、荷重をy(gf/cm2)とし、荷重を検知した点の位置をx=0として圧縮方向に測定する。xの値は圧縮されるほど大きくなる。
本実施態様は、長繊維2を含むウェブを熱融着部3により固定した原料不織布10を、一対の凹凸ローラ51,52間に供給して、不織布10の複数箇所それぞれに部分延伸加工を施す不織布の製造方法である。本実施態様では、部分延伸加工にて、原料不織布10を、1×102s-1以上の歪み速度で延伸して、長繊維を含むウェブが引き裂かれてなる引裂部4を複数有し、複数の引裂部4の内の一部は、弧状に引き裂かれ且つ該弧状の引裂部の外周縁が捲れて開口部40を形成している不織布1を製造する。以下、具体的に説明する。
歪み速度V[s-1]=押込速度Vx / 最初の原料不織布の長さL0・・・(2)
ここで、最初の原料不織布の長さL0とは、一方の凹凸ローラ51の凸部511と他方の凹凸ローラ52の凸部521とが最も近接した際に一対の凹凸ローラ51,52間に搬送された原料不織布10の搬送方向の長さを意味する(図9参照)。尚、凹凸ローラ51,52の凸部511,521の頂部のエッジ部にR形状が施されている場合は、例えば凸部511,521を側面視した際の側面に沿った側辺の延長線と凸部511,521の頂部を側面視した際の頂面に沿った天辺の延長線との交点を、凸部511,521の頂部の仮想エッジ部として判断する。
押込速度Vx=延伸量D/凹凸ローラが最大に噛み合うまでの時間tmax・・・(3)
ここで、延伸量Dとは、一方の凹凸ローラ51の凸部511及び他方の凹凸ローラ52の凸部521が互いに垂直に位置した際、即ち、一方の凹凸ローラ51の凸部511が他方の凹凸ローラ52の凹部522に最大に噛み合った際に一対の凹凸ローラ51,52間に搬送された原料不織布10の搬送方向の長さを意味する(図9参照)。また、最大に噛み合うまでの時間tmaxとは、一方の凹凸ローラ51の凸部511と他方の凹凸ローラ52の凸部521とが最も近接する時から一方の凹凸ローラ51の凸部511及び他方の凹凸ローラ52の凸部521が互いに垂直に位置する迄の時間を意味する。尚、凹凸ローラ51,52の凸部511,521の頂部のエッジ部にR形状が施されている場合は、上述したように仮想エッジ部を想定して判断する。
凹凸ローラが最大に噛み合うまでの時間tmax
=凹凸ローラが最大に噛み合うまでの距離Lmax/加工速度・・・(4)
ここで、凹凸ローラが最大に噛み合うまでの距離Lmaxとは、一方の凹凸ローラ51の凸部511と他方の凹凸ローラ52の凸部521とが最も近接する位置から一方の凹凸ローラ51の凸部511及び他方の凹凸ローラ52の凸部521が互いに垂直となる位置迄の距離を意味する。また、加工速度とは、不織布の搬送速度を意味する。
尚、凹凸ローラ51,52の凸部511,521の頂部のエッジ部にR形状が施されている場合は、上述したように仮想エッジ部を想定して判断する。
本実施形態の不織布1は、図1、図2及び図4に示すように、ウェブが引き裂かれてなる引裂部4を複数有しており、そして、複数の引裂部4の内の一部は、弧状に引き裂かれ且つ該弧状の引裂部41の外周縁が捲れて開口部40を形成している。その為、高い通気性を確保することができ、また、開口部40が溶融により形成されておらず、引き裂かれて形成しているので、肌触りも良い。また、不織布1の有する開口部40は、弧状の引裂部41の外周縁が捲れた形状で形成されているので、ウエットバックし難く、特に軟便の液戻りの難さが期待でき、しかも貫通する穴を連想し難く不織布の品質が向上する。
以下、不織布1を利用した使い捨ておむつを例に挙げ、具体的に説明する。
吸収性本体8は、図12に示すように、液透過性の表面シート82、液不透過性(撥水性も含む)の裏面シート83及び両シート82,83間に介在された液保持性の吸収体81を有しており、図11に示すように、実質的に縦長である。
外包材9は、図11に示すように、着用者の背側に配される背側部A、腹側に配される腹側部B、それらの間に位置し股間部に配される股下部Cを有しており、背側部Aと腹側部Bの両側縁部9a,9b同士が接合されて、一対のサイドシール部(図示せず)、一対のレッグ開口部(図示せず)及びウエスト開口部(図示せず)が形成される。また、外包材9は、おむつの外面を形成する外層シート92、その肌当接面側に位置して部分的に該外層シート92と接合された内層シート91を有しており、ウエスト開口部及びレッグ開口部を形成するウエスト部及びレッグ部9dにおける両シート91,92間に、ギャザー形成用のウエスト部弾性部材93及びレッグ部弾性部材94が配されている。
吸収性本体8の長手方向に沿う両側部には、図12に示すように、液不透過性又は撥水性で且つ通気性の素材から構成された側方カフス84,84が設けられている。各側方カフス84の自由端部近傍には、側方カフス形成用の弾性部材85が伸長状態で配設固定されている。側方カフス84は、おむつの装着時に自由端部側が起立し、吸収性本体8の幅方向への排泄物の流出を阻止することができる。側方カフス84形成用シートは、図12に示すように、吸収性本体8の幅方向外方の所定幅の部分が、吸収体81の非肌当接面側に巻き込まれて、吸収体81と裏面シート83との間に固定されている。尚、所定幅の部分は、裏面シート30と外包材9との間に固定されていてもよい。
側方カフス形成用の弾性部材85、ウエスト部弾性部材93及びレッグ部弾性部材94としては、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるもの等を、特に制限なく用いることができる。例えば、天然ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体、ポリスチレン−ポリブタジエン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン等のポリエチレン−αオレフィン共重合体等からなる伸縮性の材料等を用いることができる。
また、本発明の不織布の製造方法は、上述の実施態様の製造方法に何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。
また、上述の本実施態様の不織布1の製造方法においては、図7に示すように、部分延伸加工を施した後の不織布10’に、該不織布10’の構成繊維を起毛する起毛加工を施して不織布1を製造しているが、部分延伸加工を施す前の原料不織布10に、該不織布10の構成繊維を起毛する起毛加工を施し、その後部分延伸加工を施して不織布1を製造してもよい。
また、原料不織布10は、ふっくら感を高め、タッチ感を高める観点から、原料不織布10を構成する繊維の融点未満の温度で熱処理されていることが好ましく、特に熱風処理されていることが好ましい。
長繊維を含むウェブから形成された不織布であって、
前記ウェブが引き裂かれてなる引裂部を複数有し、
複数の前記引裂部の内の一部は、弧状に引き裂かれ且つ該弧状の引裂部の外周縁が捲れて開口部を形成している不織布。
前記不織布は、前記ウェブを熱融着部により固定して形成された不織布であり、
前記開口部を形成する第1弧状引裂部は、前記熱融着部の全周の内の一部の周縁に沿って引き裂かれ、更に、隣り合う前記熱融着部同士の間の長繊維が引き裂かれて形成されている前記<1>に記載の不織布。
<3>
前記複数の引裂部は、前記開口部を形成する第1弧状引裂部と、弧状に引き裂かれ且つ該弧状の引裂部の外周縁が捲れていない第2弧状引裂部と、円形状に引き裂かれた円状引裂部とからなる前記<1>又は<2>に記載の不織布。
<4>
前記第2弧状引裂部も前記円状引裂部も、前記第1弧状引裂部41と同様に、前記熱融着部の全周の内の一部の周縁に沿って引き裂かれ、更に、隣り合う前記熱融着部同士の間の長繊維が引き裂かれて形成されている前記<1>〜<3>の何れか1に記載の不織布。
<5>
前記引裂部における、前記第1弧状引裂部の割合が30%以上である前記<3>に記載の不織布。
<6>
前記引裂部における前記第1弧状引裂部の割合が、30%以上、好ましくは45%以上であり、好ましくは100%以下である前記<1>〜<5>の何れか1に記載の不織布。
<7>
前記引裂部の表面積が、好ましくは2mm2以上10mm2以下、更に好ましくは3mm2以上7mm2以下である前記<1>〜<6>の何れか1に記載の不織布。
<8>
前記引裂部の数は、5個/cm2以上300個/cm2以下、好ましくは10個/cm2以上150個/cm2以下である前記<1>〜<7>の何れか1に記載の不織布。
前記長繊維の一部が破断されて、一端部のみが前記熱融着部により固定され他端部側が自由端部となっている起毛繊維を備えている前記<1>〜<8>の何れか1に記載の不織布。
<10>
前記起毛繊維は、自由端部が太くなっている繊維及び自由端部が太くなっていない繊維からなる前記<1>〜<9>の何れか1に記載の不織布。
<11>
前記先端が太くなっている繊維は、その先端部における断面が扁平状(楕円や潰れた形状)である前記<1>〜<10>の何れか1に記載の不織布。
<12>
前記起毛繊維における、前記自由端部が太くなっている繊維の割合が、20%以上であることが好ましく、30%以上であることが更に好ましく、40%以上であることが特に好ましい前記<1>〜<11>の何れか1に記載の不織布。
<13>
前記不織布のバルクソフトネスは、10cN以下、好ましくは5.5cN以下であり、そして0.5cN以上である前記<1>〜<12>の何れか1に記載の不織布。
<14>
前記不織布は、その通気度が、750m/Pa・s以上であることが好ましく、1000m/Pa・s以上であることが更に好ましく、そして3000m/Pa・s以下である前記<1>〜<13>の何れか1に記載の不織布。
<15>
前記不織布は、その微小荷重時の圧縮特性値が18.0(gf/cm2)/mm以下、好ましくは15.0(gf/cm2)/mm以下であり、1.00(gf/cm2)/mm以上である前記<1>〜<14>の何れか1に記載の不織布。
<16>
前記<1>〜<15>の何れか1に記載の不織布を構成部材として用いた吸収性物品。
長繊維を含むウェブを熱融着部により固定した原料不織布を、一対の凹凸ローラ間に供給して、該不織布の複数箇所それぞれに部分延伸加工を施す不織布の製造方法であって、
前記部分延伸加工にて、前記原料不織布を、1×102s-1以上の歪み速度で延伸して、
長繊維を含むウェブが引き裂かれてなる引裂部を複数有し、
前記複数の引裂部の内の一部は、弧状に引き裂かれ且つ該弧状の引裂部の外周縁が捲れて開口部を形成している不織布を製造する不織布の製造方法。
前記部分延伸加工にて、前記原料不織布を1×102s-1以上の歪み速度、好ましく、1×103s-1以上の歪み速度で延伸し、5×103s-1以下の歪み速度で延伸する前記<17>に記載の不織布の製造方法。
<19>
前記一対の凹凸ローラは、一方のローラが周面に複数個の凸部を有し、他方のローラが周面に一方の前記ローラの前記凸部に対応する位置に該凸部が入り込む凹部を有しており、
前記一方のローラの前記凸部の頂部での周速度(V1)に対する前記製造された不織布の搬送速度(V2)のドロー比(V2/V1)が、1.2以上である前記<7>又は<8>に記載の不織布の製造方法。
<20>
一方の前記ローラの前記凸部の頂部での周速度(V1)に対する製造された不織布の搬送速度(V2)のドロー比(V2/V1)が、1.2以上であることが好ましく、1.3以上であることが更に好ましい前記<17>〜<19>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
<21>
一方の前記ローラの前記凸部は、一方の該ローラの底から該凸部の頂点までの高さhが、1mm以上10mm以下であることが好ましく、2mm以上7mm以下であることが更に好ましい前記<1>〜<20>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
<22>
回転軸方向に隣り合う、一方の前記ローラの前記凸部同士の距離(ピッチ)は、0.01mm以上20mm以下であることが好ましく、1mm以上10mm以下であることが更に好ましく、周方向に隣り合う、一方の前記ローラの前記凸部同士の距離(ピッチ)P1は、0.01mm以上20mm以下であることが好ましく、1mm以上10mm以下であることが更に好ましい前記<17>〜<21>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
<23>
一方の前記ローラの前記凸部と、他方の前記ローラの凸部との噛み合いの深さdは、3.5mm以上であり、3.7mm以上であることが好ましく、4mm以上であることが更に好ましく、そして5mm以下である前記<17>〜<22>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
<24>
前記原料不織布として、1個の前記熱融着部における前記長繊維の配向方向に直交する方向の破断伸度が、45%以下である不織布を用いる前記<17>〜<23>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
<25>
前記原料不織布として、1個の前記熱融着部における前記長繊維の配向方向に直交する方向(X方向)の破断伸度が、45%以下、好ましくは35%以下、更に好ましく30%以下であり、また、5%以上である不織布を用いる前記<17>〜<24>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
<26>
前記部分延伸加工は、50℃以下の温度で行う前記<17>〜<25>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
<27>
前記部分延伸加工を施す前の前記原料不織布、又は該部分延伸加工を施した後の不織布に、該不織布の構成繊維を起毛する起毛加工を施す前記<17>〜<26>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
前記起毛加工は、周面に凸部が設けられた凸ローラを用いて施され、
前記凸ローラの前記凸部は、該凸ローラの周面から該凸部の頂点までの高さが、0.001mm以上3mm以下であることが好ましく、0.001mm以上0.1mm以下であることが更に好ましい前記<17>〜<27>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
<29>
前記原料不織布の搬送速度に対し、0.3倍以上10倍以下の速度で前記凸ローラを回転させる前記<17>〜<28>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
原料不織布として、繊維径15μmのポリプロピレン樹脂からなる坪量17g/m2のスパンボンド不織布を使用した。尚、上述した原料不織布における1個の熱融着部3のX方向の破断伸度の測定法に基づいて測定した1個の熱融着部3のX方向の破断伸度は、27%であった。また、上述したバルクソフトネスの測定方法に基づいて測定した原料不織布のバルクソフトネスは5.4cNであった。次に、このスパンボンド不織布を、図7〜図9に示すスチールマッチングエンボスローラ53に通して部分延伸加工のみを施して実施例1の不織布を作製した。アウトフィードローラ7での不織布の搬送速度は1000m/minであり、凹凸ローラが最大に噛み合うまでの距離Lmaxは22mmであり、延伸量Dは4.0mmであり、最初の原料不織布の長さL0は1.0mmであった。これらの値から、上述した式(2),(3),(4)を用いて歪み速度を求め、表1に示した。また、凹凸ローラの凸部の頂部での周速度V1は728m/minであり、この値と上述した不織布の搬送速度の値からドロー比(V2/V1)を求め、表1に示した。また、用いたスチールマッチングエンボスローラ53におけるローラ51の各凸部511の高さが5mmであり、周方向に隣り合う凸部511同士の距離(ピッチP1)は8mmであり、回転軸方向に隣り合う凸部511同士の距離(ピッチP2)は8mmであった。スチールマッチングエンボスローラ53のローラ52における各凸部521も同じである。
実施例1と同じ原料不織布を使用し、アウトフィードローラ7での不織布の搬送速度が200m/minである以外は、実施例1と同様の条件で実施例2の不織布を作製した。尚、実施例1と同様に、上述した式(2),(3),(4)を用いて歪み速度を求め、表1に示した。
実施例1と同じ原料不織布を使用し、凹凸ローラが最大に噛み合うまでの距離Lmaxが22mmであり、凹凸ローラの凸部の頂部での周速度V1が744m/minである以外は、実施例1と同様の条件で部分延伸加工し、更に凸部611がランダムパターンで配された凸ローラ61により起毛加工して実施例3の不織布を作製した。尚、実施例1と同様に、上述した式(2),(3),(4)を用いて歪み速度を求め、表1に示した。また、実施例1と同様に、ドロー比(V2/V1)を求め、表1に示した。凸ローラ61の凸部611の密度は、2000個/cm2であった。
原料不織布として、繊維径16μmのポリプロピレン樹脂からなる坪量20g/m2のスパンボンド不織布を使用した。尚、上述した原料不織布における1個の熱融着部3のX方向の破断伸度の測定法に基づいて測定した1個の熱融着部3のX方向の破断伸度は、27%であった。また、上述したバルクソフトネスの測定方法に基づいて測定した原料不織布のバルクソフトネスは7.4cNであった。アウトフィードローラ7での不織布の搬送速度が800m/min、凹凸ローラが最大に噛み合うまでの距離Lmaxが 22mmであり、凹凸ローラの凸部の頂部での周速度V1が612m/minである以外は、実施例1と同様の条件で実施例4の不織布を作製した。尚、実施例1と同様に、上述した式(2),(3),(4)を用いて歪み速度を求め、表1に示した。また、実施例1と同様に、ドロー比(V2/V1)を求め、表1に示した。
原料不織布として、繊維径16μmのポリプロピレン樹脂からなる坪量18g/m2のスパンボンド不織布を使用した。尚、上述した原料不織布における1個の熱融着部3のX方向の破断伸度の測定法に基づいて測定した1個の熱融着部3のX方向の破断伸度は、43%であった。また、上述したバルクソフトネスの測定方法に基づいて測定した原料不織布のバルクソフトネスは3.2cNであった。アウトフィードローラ7での不織布の搬送速度が600m/minであり、凹凸ローラの凸部の頂部での周速度V1が439m/minである以外は、実施例1と同様の条件で部分延伸加工し、更に凸部611がランダムパターンで配された凸ローラ61により起毛加工して実施例5の不織布を作製した。尚、実施例1と同様に、上述した式(2),(3),(4)を用いて歪み速度を求め、表1に示した。また、実施例1と同様に、ドロー比(V2/V1)を求め、表1に示した。
原料不織布として、繊維径15μmのポリプロピレン樹脂からなる坪量17g/m2のスパンボンド不織布を使用した。尚、上述した原料不織布における1個の熱融着部3のX方向の破断伸度の測定法に基づいて測定した1個の熱融着部3のX方向の破断伸度は、25%であった。また、上述したバルクソフトネスの測定方法に基づいて測定した原料不織布のバルクソフトネスは11.6cNであった。アウトフィードローラ7での不織布の搬送速度が400m/minであり、凹凸ローラの凸部の頂部での周速度V1が319m/minである以外は、実施例1と同様の条件で部分延伸加工し、更に凸部611がランダムパターンで配された凸ローラ61により起毛加工して実施例6の不織布を作製した。尚、実施例1と同様に、上述した式(2),(3),(4)を用いて歪み速度を求め、表1に示した。
比較例1の不織布として原料不織布として、繊維径15μmのポリプロピレン樹脂からなる坪量17g/m2のスパンボンド不織布を使用した。このスパンボンド不織布に直径3mmの大きさの円形を針を用いて開口を形成した。
実施例1と同じ原料不織布を使用し、アウトフィードローラ7での不織布の搬送速度が50m/minであり、凹凸ローラの凸部の頂部での周速度V1が34m/minである以外は、実施例1と同様の条件で比較例2の不織布を作製した。尚、実施例1と同様に、上述した式(2),(3),(4)を用いて歪み速度を求め、表1に示した。また、実施例1と同様に、ドロー比(V2/V1)を求め、表1に示した。
実施例1〜6、比較例1〜2の不織布について、上述した方法に従って、バルクソフトネス、引裂部4の数、引裂部4(第1弧状引裂部41、第2弧状引裂部42及び円状引裂部43)における第1弧状引裂部41の割合、通気度を測定した。評価環境は室温20℃、湿度60%RHであった。それらの結果を下記表1に示す。
実施例1〜6、比較例1〜2の不織布を用いた使い捨ておむつから胴回りギャザーとレッグギャザーを取り除き、展開状態で表面シート側を上にして水平に固定した。おむつの吸収性コアを覆っている被覆シートの長手方向腹側部側の端部の先端から125mmの位置に定量ポンプを用いて、仮想の軟便であるグリセリン/水=94/6の溶液を総量10g注入した。注入1分後に予め重量を測定したOHPシートを乗せ、その上から重さ1.9kg、幅60mmのローラを乗せてローラをおむつ長手方向に回転させた。その後OPHシートを取り除いて重量を測定し、初期重量との差を軟便液戻り量として算出した。各使い捨ておむつについて3回の平均値を、整数桁に四捨五入して、吸収時間を測定した。それらの結果を下記表1に示す。
2 長繊維
20 起毛繊維
20a 起毛繊維の一端部
20b 起毛繊維の自由端部
21 自由端部20bが太くなっている繊維
22 自由端部20bが太くなっていない繊維
23 ループ状の繊維
3 熱融着部
4 引裂部
40 開口部
41 第1弧状引裂部
42 第2弧状引裂部
43 円状引裂部
200 製造装置
10,10’ 原料不織布
10R 原反ロール
5 部分延伸加工部
51,52 一対の凹凸ローラ
511,521 凸部
512,522 凹部
53 スチールマッチングエンボスローラ
54,55 搬送ローラ
6 起毛加工部
61 凸ローラ
611 凸部
62,63 搬送ローラ
7 アウトフィードローラ
100 パンツ型使い捨ておむつ
8 吸収性本体
81 吸収体
82 表面シート
83 裏面シート
84 側方カフス
85 側方カフス形成用の弾性部材
9 外包材
91 内層シート
92 外層シート
93 ウエスト部弾性部材
94 レッグ部弾性部材
9a,9b 側縁部
9d レッグ部
A 背側部、B 腹側部、C 股下部
Claims (11)
- 長繊維を含むウェブから形成された不織布であって、
前記ウェブが引き裂かれてなる引裂部を複数有し、
複数の前記引裂部の内の一部は、弧状に引き裂かれ且つ該弧状の引裂部の外周縁が捲れて開口部を形成している不織布。 - 前記不織布は、前記ウェブを熱融着部により固定して形成された不織布であり、
前記開口部を形成する第1弧状引裂部は、前記熱融着部の全周の内の一部の周縁に沿って引き裂かれ、更に、隣り合う前記熱融着部同士の間の長繊維が引き裂かれて形成されている請求項1に記載の不織布。 - 前記複数の引裂部は、前記開口部を形成する第1弧状引裂部と、弧状に引き裂かれ且つ該弧状の引裂部の外周縁が捲れていない第2弧状引裂部と、円形状に引き裂かれた円状引裂部とからなる請求項1又は2に記載の不織布。
- 前記引裂部における、前記第1弧状引裂部の割合が30%以上である請求項3に記載の不織布。
- 前記長繊維の一部が破断されて、一端部のみが前記熱融着部により固定され他端部側が自由端部となっている起毛繊維を備えている請求項2〜4の何れか1項に記載の不織布。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載の不織布を構成部材として用いた吸収性物品。
- 長繊維を含むウェブを熱融着部により固定した原料不織布を、一対の凹凸ローラ間に供給して、該不織布の複数箇所それぞれに部分延伸加工を施す不織布の製造方法であって、
前記部分延伸加工にて、前記原料不織布を、1×102s-1以上の歪み速度で延伸して、
長繊維を含むウェブが引き裂かれてなる引裂部を複数有し、
前記複数の引裂部の内の一部は、弧状に引き裂かれ且つ該弧状の引裂部の外周縁が捲れて開口部を形成している不織布を製造する不織布の製造方法。 - 前記一対の凹凸ローラは、一方のローラが周面に複数個の凸部を有し、他方のローラが周面に一方の前記ローラの前記凸部に対応する位置に該凸部が入り込む凹部を有しており、
前記一方のローラの前記凸部の頂部での周速度(V1)に対する前記製造された不織布の搬送速度(V2)のドロー比(V2/V1)が、1.2以上である請求項7に記載の不織布の製造方法。 - 前記原料不織布として、1個の前記熱融着部における前記長繊維の配向方向に直交する方向の破断伸度が、45%以下である不織布を用いる請求項7又は8に記載の不織布の製造方法。
- 前記部分延伸加工は、50℃以下の温度で行う請求項7〜9の何れか1項に記載の不織布の製造方法。
- 前記部分延伸加工を施す前の前記原料不織布、又は該部分延伸加工を施した後の不織布に、該不織布の構成繊維を起毛する起毛加工を施す請求項7〜10の何れか1項に記載の不織布の製造方法。
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