JP2019214812A - 長繊維不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】滑らかな表面を有し、ふっくら感が優れた長繊維不織布に関する。【解決手段】本発明に係る長繊維不織布は、一端のみが融着部により固定され、長手方向に延びた複数の自由繊維を有する長繊維不織布であって、複数の前記自由繊維には扁平繊維が含まれており、該扁平繊維は、横断面が扁平な扁平部と非扁平部を有し、該扁平部の長手方向の両側に非扁平部が存在する。【選択図】図1

Description

本発明は、長繊維からなる不織布に関する。
スパンボンド不織布は、破断強度が高く加工適正に優れ、しかも経済的であることから、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられている。これまでのスパンボンド不織布は、全体的にふっくら感等が十分でなく、肌触り(風合い)を向上させることが難しいとされてきた。
スパンボンド不織布をもとに、肌触りを改善した不織布を得ることが提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1の不織布は、長繊維の一部が破断されて、一端部のみが熱融着部により固定され、且つ他端部の自由端部が太くなっている繊維を備えたものである。これによって、特許文献1の不織布は、破断強度が高いにも拘わらず全体にふっくら感があり、肌触りが向上するという利点を有している。
特開2012−92475号公報
例えば、吸収性物品や清掃用シートに使用される長繊維不織布に要求される肌触り(風合い)は、近年より一層高いものとなっており、ふっくら感だけでなく、滑らかさも兼ね備えることが必要とされている。また、特許文献1には、滑らかさについて、何ら記載されていない。長繊維不織布のふっくら感と滑らかさには更なる改善の余地がある。
本発明は、滑らかな表面を有し、ふっくら感が優れた長繊維不織布に関する。
本発明は、一端のみが融着部により固定され、長手方向に延びた複数の自由繊維を有する長繊維不織布であって、複数の前記自由繊維には扁平繊維が含まれており、該扁平繊維は、横断面が扁平な扁平部と非扁平部を有し、該扁平部の長手方向の両側に非扁平部が存在する長繊維不織布に関する。
本発明に係る長繊維不織布は、滑らかな表面を有し、ふっくら感が優れたものである。
本発明の長繊維不織布の一実施形態を示す模式図である。 扁平繊維の一例を説明する模式図である。 自由繊維の確認方法を説明するための説明図である。 本実施形態に使用し得る長繊維の断面の例を示す図である。 扁平率の求め方を説明する図である。 長繊維不織布のSEM写真である。 非扁平部の繊維径の求め方の一例を説明する模式図である。 非扁平部の繊維径の求め方の他の例を説明する模式図である。 起毛加工部を説明する模式図である。 加工距離を説明するための模式図である。
本発明に係る長繊維不織布1(以下、単に「不織布」とも称する)は、図1に示すように、複数の自由繊維4aを含む起毛部4と、融着部3とを有する。自由繊維4aのそれぞれは、図1に示すように一端20aのみが融着部3に固定され、他端20bに向かう長手方向に非扁平部22が延びている。長繊維とは、一般に繊維長が30mm以上の繊維をいう。自由繊維4aの少なくとも1本は、扁平部21と非扁平部22を有し、扁平部の長手方向の両側に非扁平部22が存在する扁平繊維20である(図2参照)。扁平部21は、自由繊維の長手方向に交差する方向に扁平な横断面を有している。
扁平部21は、扁平繊維20の屈曲を促進する。扁平繊維20は、扁平部21より他端20b側が、扁平部21を起点として容易に屈曲して動くことができる。こうして扁平繊維20が屈曲するので、不織布1に触れた指を動かした場合に感じる繊維の抵抗は低減される。扁平部21を有する扁平繊維20が存在することで、表面が滑らかな不織布1を得ることができる。
自由繊維4aは、不織布1を観察して確認することができる。自由繊維4aの確認方法を、図3を参照にして説明する。先ず、測定対象となる不織布から、20cm×20cmの測定片を鋭利な剃刀で切り出す。切り出された測定片は、図3(a)に示すように、起毛した面を表側にして折り目105で山折りする。こうして、測定サンプル104を準備する。
測定サンプル104は、図3(b)に示すようにA4サイズの黒色台紙102の上に載せ、さらにその上に、縦1cm×横1cmの開口107を有するA4サイズの黒色台紙103を載せる。測定サンプル104の折り目105が、台紙103の開口107から見えるように配置する。台紙102,103としては、富士共和製紙株式会社の「ケンラン(黒)坪量265g」を用いる。
上側の台紙103の開口107の両側で、折り目105に沿って外方に5cmの位置に、50gの錘109をそれぞれ配置する。これによって、測定サンプル104が完全に折りたたまれた状態とする。
次に、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製VHX−900)を用いて、30倍の倍率で、台紙103の開口107内の測定サンプル104を観察する。走査型電子顕微鏡(SEM)により観察してもよい。図3(c)に示すように、折り目105から0.2mm上方に平行移動した位置に仮想線108を設ける。この仮想線108を横切っている繊維を自由繊維4aとする。
扁平部21は、自由繊維4aの前記長手方向と交差する横断面の観察結果に基づいて決定することができる。自由繊維4aの任意の横断面について、その横断面を囲むことのできる最小面積の楕円を仮想する。この楕円における長辺及び短辺を測定して、(長辺)/(短辺)を扁平率とする。任意の横断面での扁平率が、長手方向に延びる非扁平部22の扁平率の1.4倍以上の部分を扁平部21とする。こうした扁平部21を有する自由繊維4aが、本実施形態の不織布1における扁平繊維20である。
[横断面の観察方法]
自由繊維4aの長手方向と交差する横断面の観察方法を、以下に説明する。測定サンプル104の自由繊維4aの繊維径を変化させないため、自由繊維4aを予め液体窒素で凍結しておく。凍結状態の自由繊維4aを、カミソリの刃などを用いて長手方向に交差する方向に切断する。切断した自由繊維4aの横断面を上記のマイクロスコープ、又はSEMにより観察し、この横断面の100倍拡大画像を得る。
こうして得られた拡大画像を基に、画像解析測定ソフト(Image Processing and Analysis in Java)等を用いて、自由繊維4aの横断面を囲むことのできる最小面積の楕円を仮想し、扁平率を算出する。また、非扁平部22は、自由繊維4aを含まない不織布を構成する繊維を差し、測定対象となる不織布の横断面画像から、上述と同様にして扁平率を算出する。
非扁平部22の横断面は、必ずしも真円に限定されず、非真円であってもよい。本実施形態に使用し得る長繊維2の横断面の例を、図4に示す。横断面が真円の繊維としては、図4(a)に示す通常スパンボンド繊維及び図4(b)に示す二成分系偏芯繊維が挙げられる。二成分系の場合、横断面における各成分の配置は限定されず、通常起こり得る任意の状態で2種類の成分が含まれている。
非真円の横断面を有する繊維としては、図4(c)に示すような、二成分系のサイドバイサイド型が挙げられる。さらに、図4(d)及び図4(e)に示すような異形断面を有していてもよい。図4(c)〜図4(e)に示すような非真円の横断面の場合には、それぞれ図5(a)〜図5(c)に示すように楕円VEを仮想して、長辺LS及び短辺SSを測定することができる。
扁平繊維20における扁平部21及び非扁平部22の平面視における繊維径は、SEM写真を観察して求めることができる。図3を参照して説明したように、不織布1の測定サンプルを観察し、10カ所についてSEM写真を撮影する。図6に示すように、一本の扁平繊維20について観察される最大の繊維径dmaxを記録し、10枚の写真から得られた繊維径の平均値を、扁平部21の平面視における繊維径d1とする。このように、平面視における繊維径に基づいて扁平部21を画定してもよい。
非扁平部22の平面視における繊維径は、例えば以下のようにして求めることができる。前述の10枚のSEM写真のなかで、繊維径の一番大きな扁平部21を有する扁平繊維20に着目する。この場合には、図7に示すように、扁平部21における折り目105側の扁平開始位置21Sと、折り目105との間の中間点22Mにおける繊維径を、非扁平部22の平面視における繊維径d2とする。
扁平繊維20は、図8に示すように、扁平部21における折り目105側の扁平開始位置21Sと、折り目105との間に、第2の扁平部211を有する場合がある。第2の扁平部211の平面視における繊維径は、第1の扁平部21より小さい。この場合には、第1の扁平部21における折り目105側の扁平開始位置21Sと、第2の扁平部211における他端20b側の扁平開始位置211Sとの間の中間点22M、即ち第1及び第2の扁平部における最も近い開始位置同士の間の中間での繊維径を、非扁平部22の平面視における繊維径d2とする。
扁平部が複数存在する場合には、平面視における繊維径が最大の部分を第1の扁平部21とする。図3に示したような測定サンプル104を観察したとき、第1の扁平部21に最も近い折り目105側の扁平部が、第2の扁平部211となる。
扁平部21と非扁平部22との平面視における繊維径の比(d1/d2)が1.4以上であれば、扁平繊維20は、扁平部21を起点として十分に屈曲することができるので、不織布1の表面はよりいっそう滑らかになる。扁平繊維20の強度を維持するために、平面視における繊維径の比(d1/d2)は6以下であることが望まれる。
上述したような扁平繊維20は、自由繊維4a全体の10%以上を占めることが好ましい。この場合には、不織布1の表面を十分に滑らかにすることができる。扁平繊維20の割合は、自由繊維4a全体の20%以上であることがより好ましく、30%以上であることが最も好ましい。不織布1の強度を維持するために、扁平繊維20の割合は、自由繊維4a全体の70%以下とすることが望まれる。
扁平繊維20の割合は、平面視における繊維径の場合と同様に、10枚のSEM写真を観察して求めることができる。まず、10枚のSEM写真を撮影し、それぞれについて上述した手法により1cmの範囲内の自由繊維4aの本数を数える。10枚のSEM写真について得られた自由繊維4aの本数の平均を、不織布1における自由繊維4aの本数とする。
同様の10枚のSEM写真を同様に観察して、扁平繊維20の本数を数える。上述したような平面視における繊維径がd1である扁平部21を有する自由繊維4aが、扁平繊維20に相当する。10枚のSEM写真について得られた扁平繊維20の本数の平均を、不織布1における扁平繊維20の本数とする。
扁平部21の長さは、扁平繊維20の全長の5%以上であることが好ましい。複数の扁平部21を有する扁平繊維20の場合、全扁平部21の長手方向における長さの合計が、扁平部21の長さとなる。扁平部21の長さの割合が扁平繊維20の全長の5%以上であれば、十分な滑らかさを不織布1の表面に付与することができる。扁平部21は、扁平繊維20の全長の10%以上を占めることがより好ましく、15%以上を占めることが最も好ましい。不織布1の強度を維持するために、扁平部21の長さは、扁平繊維20の全長の50%以下とすることが望まれる。
扁平部21の長さの割合は、扁平繊維20の割合を求める場合と同様に、10枚のSEM写真を観察して求めることができる。まず、10枚のSEM写真を撮影し、それぞれについて1cmの範囲内の扁平繊維20の長さを測定する。折り目105から他端20bまでの全長を、扁平繊維20の繊維長さとする。10枚のSEM写真について得られた繊維長さの平均を求め、不織布1における扁平繊維20の全長(L1)とする。
上述と同様の10枚のSEM写真から、1本の扁平繊維20中の全ての扁平部21について、扁平が開始する位置から扁平が終了する位置までの距離を測定する。上述したように平面視における繊維径がd1の部分を扁平部21とする。10枚のSEM写真中の全ての扁平繊維20について、扁平部21の長さの平均を求めて、不織布1における扁平部21の長さ(L2)とする。(扁平部の長さL2)/(扁平繊維の全長L1)×100を、不織布1における扁平部21の長さの割合とする。
不織布1においては、扁平繊維20が少なくとも一方の表面に露出していることが好ましい。扁平繊維20は、不織布1全体を厚み方向に3等分した際、上方及び下方の少なくとも一方に配置されている。不織布1の厚みは、不織布を上述の台紙で挟んだときの不織布断面を、マイクロスコープで観察して測定することができる。
次に、本発明に係る不織布1の製造方法を説明する。不織布1の製造には、図9に示すような起毛加工部5を備えた製造装置を用いることができる。
起毛加工部5は、図9に示すように、周面に凸部510が設けられた凸ロール51を備え、凸ロール51の上流側及び下流側に、原料不織布10’を搬送する搬送ロール52,53が設けられている。凸ロール51は、その回転軸に駆動手段(図示せず)から伝達される駆動力により回転する。スパンボンド不織布を構成する長繊維2の一部が、凸ロール51で破断されて、一端部20aのみがスパンボンド不織布の融着部3により固定されている自由繊維4aを有する不織布1が形成される(図1参照)。
凸ロール51の各凸部510は、凸ロール51の周面から凸部510の頂点までの高さが、0.001mm以上であることが好ましく、また、3mm以下であることが好ましく、0.1mm以下であることがより好ましい。回転軸方向に隣り合う凸部510同士の距離(ピッチ)は、0.1mm以上であることが好ましく、また、50mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましい。周方向に隣り合う凸部510同士の距離(ピッチ)は、0.1mm以上であることが好ましく、また、50mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましい。凸ロール51の各凸部510の頂部表面の形状に特に制限はなく、例えば、円形、多角形、楕円形等が用いられ、各凸部510の頂部表面の面積は、0.001mm2以上であることが好ましく、0.01mm2以上であることが好ましく、また、20mm2以下であることが好ましく、1mm2以下であることがより好ましい。
原料不織布10’は、搬送ロール52,53により、周面に凸部510が設けられた凸ロール51に100m/min以上の速度で搬送される。凸ロール51との接触部分における原料不織布10’の搬送速度を100m/min以上とするとともに、後述する加工距離の条件を満たせば、所望の扁平部21を自由繊維に形成することができる。搬送速度VNWは、200m/min以上であることが好ましい。原料不織布10’を安定に搬送するために、搬送速度VNWは1500m/min以下であることが好ましく、1000m/min以下であることがより好ましい。
原料不織布10’における長繊維2の一部を破断して、扁平繊維20を効率よく形成するためには、凸ロール51の回転方向は、原料不織布10’の搬送方向とは逆方向とすることが好ましい。この場合、凸ロール51の回転速度は、原料不織布10’の搬送速度の0.3倍以上10倍以下とすることが好ましい。一方、搬送方向に対して順方向に凸ロール51を回転させる場合には、1.5倍以上20倍以下の速度で凸ロール51を回転させることが好ましい。ここで、凸ロール51の速度は、凸ロール51の周面での周速度をさす。
起毛加工を施す工程は、下記式(1)で求められる加工距離が、800mm以上である。加工距離を800mm以上とするとともに、原料不織布10’の搬送距離VNWを上述したように100m/min以上とすることによって、原料不織布10’中の自由繊維4aに所望の扁平部21を形成することができる。加工距離は、1000mm以上であることが好ましい。不織布の強度を損なわないために、加工距離は、4000mm以下であることが好ましく、2000mm以下であることがより好ましい。

(式中、Vrollは凸ロールの周速度、VNWは原料不織布の搬送速度、θは原料不織布の抱き角度、Dは凸ロールのロール径である。)
なお、上記式(1)で求められる加工距離は、図10に示すように、凸ロール51と不織布とが接している距離PLを意味する。また、凸ロール51のロール径Dは、凸ロール51の周面での直径である。
長繊維2の一部をより効率よく破断して、扁平繊維20をより効率よく形成するために、原料不織布10’は、10°以上180°以下の抱き角度θで凸ロール51に接触していることが好ましい。原料不織布10’のネックインによる幅減少を低減できることから、抱き角度θは、80°以上160°以下であることがより好ましい。
一端部20aのみが融着部3により固定され、扁平部21が形成された扁平繊維20を、不織布1の両面に形成することもできる。この場合には、凸ロール51により加工した原料不織布10’の表面と異なる表面(裏面)を、別の凸ロール51を用いてさらに加工すればよい。
原料不織布10’は、凸ロール51との摩擦により生じた熱と、搬送の際の引張力とによって表面が起毛加工されて自由繊維4aに扁平部21が形成される。原料不織布10’が凸ロール51に接している部分が加熱部となり、原料不織布10’が凸ロール51から離れている部分が冷却部となる。
加熱部は加工距離に依存し、加工距離PLが大きいほど凸ロール51の凸部510が加熱されやすくなる。一方、冷却部は凸ロール51の搬送速度VNWに依存し、搬送速度VNWが速い場合には、凸ロール51の凸部510が冷却されにくくなる。本発明者らは、原料不織布10’の搬送速度VNWと、加工距離PLとを適切に選択することで、最適な加熱及び冷却を可能とし、扁平部21を有する扁平繊維20を備えた不織布1を作製することができた。
原料不織布10’は、起毛加工の前に、特許文献1に記載されているように、部分延伸加工が施されていてもよい。
部分延伸加工部4(特許文献1、図3)は、互いに噛み合う凸部410と凹部420とが周面に設けられた一対のロール41,42からなるスチールマッチングエンボスローラー43を備えている。
不織布1は、主として使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品における構成部材として好適に用いられる。構成部材としては、例えば、表面シート、裏面シート、吸収体、使い捨ておむつの外包材を構成するシート等が挙げられる。特に、不織布1は、着用時に着用者の手があたる吸収性物品の外包材を構成するシートに好適に用いられる。不織布1は、清掃用シートにも好適に用いられる。
次に、本発明の実施例について説明するが、これにより本発明が限定されるものではない。
原料不織布として、繊維径17μmのポリプロピレンホモポリマー樹脂製繊維からなるスパンボンド不織布を使用した。熱圧着部(エンボスによる熱融着部)の面積率は10%で、坪量は17g/mである。この原料不織布を、図9に示したような凸ロール51により起毛加工して、実施例1の不織布を作製した。凸ローラ51としては、高さが0.2mmの凸部511を約2000個/cmの密度で有するサンドブラストローラを用いた。原料不織布10’の搬送速度VNWは、100m/mmとし、抱き角度θは120°とした。凸ロール51は、原料不織布10’の搬送方向とは逆方向に回転させた。凸ロール51の周速度Vrollは−100m/minである。用いた凸ロール51のロール径Dは、400mmである。これらの値を用いると、実施例1における加工距離は837mmと式(1)から算出された。
さらに、下記表1に示すように加工条件を変更して、実施例2〜6の不織布を作製した。比較例1においては、特許文献1の実施例1に記載されているスチールマッチングエンボスローラーと凸ロールとを用いた二段階処理をして得た。
スチールマッチングエンボスローラーのロールは、高さが2.8mmの凸部を有する。回転軸方向に隣り合う凸部同士の距離(ピッチ)は、7mmであり、周方向に隣り合う凸部同士の距離(ピッチ)は、7mmである。ロールの各凸部とロールの各凹部との噛み合いの深さは、2.7mmである。抱き角度は120°として、凸ロール51は原料不織布10’の搬送方向とは逆方向に回転させた。凸ロール51の周速度Vrollは−100m/minであった。
その他は、本願明細書の実施例1と同様の方法で加工した。比較例2〜6においては、本願明細書の実施例1と同様の方法で加工し、加工条件は下記表1に示すように加工条件を変更した。
得られた不織布の表面を観察して、表面の滑らかさ及びふっくら感を数値で評価した。川端季雄著、「風合い評価の標準化と解析」、第2版、社団法人日本繊維機械学会 風合い計測と規格化研究委員会、昭和55年7月10日発行、に記載の方法に従い、カトーテック株式会社製のKESシステム(総称)を用いて測定した。具体的には、滑らかさについてはSMDにより評価し、ふっくら感については微小荷重時の圧縮特性値を用いて評価した。いずれについても、数値の値が小さいほど好ましい。
(SMDの評価方法)
SMDは、表面試験機KES FB4−A(カトーテック株式会社製)を用いて求めた。測定対象となる不織布から、20cm×20cmの試験片を切り出して準備し、平滑な金属平面の試験台に取りつけた。試験片には、接触子を9.8cN(誤差±0.49cN以内)でばねにより圧着した。接触子は、幅5mmでU字状に曲げたピアノ線(0.5mm径)からなる。
試験片を一定速度(0.1cm/sec)で水平に2cm移動させることで、19.6cN/cmの一軸張力が試験片に与えられた。ばねの定数は24.5cN/mm(誤差±0.98cN/mm以内)とし、共振周波数は表面接触から離れた状態で30Hz以上とした。1枚の測定サンプルについて、3箇所測定した。2枚のサンプル合計6箇所の測定を行った。6箇所それぞれの値を算出して、それらの平均値を表面粗さSMDとした。
(微小荷重時の圧縮特性値の評価方法)
微小荷重時の圧縮特性値は、特開2014−139359公報記載の「微小荷重時の圧縮特性値」に準じ、以下の手順で行った。測定は22℃65%RH環境下にて行った。微小荷重時の圧縮特性値の算出の元となるデータは、KES FB3−AUTO−A(カトーテック株式会社製)を用いて測定した。
不織布1を20cm×20cmにカットして、3枚の測定サンプルを準備した。1枚の測定サンプルを、扁平部21を有する自由繊維4aを備えた面を上に向けて試験台に設置した。次に、面積2cmの円形平面をもつ鋼板の間に挟み、圧縮速度20μm/sec、最大圧縮荷重9.80cN/cm(10.0gf/cm)で圧縮した。このとき、鋼板間の変位量をx(mm)とし、荷重をy(cN/cm)とし、荷重を検知した点の位置をx=0として圧縮方向に測定した。回復過程も同一速度で測定した。
微小荷重時の圧縮特性値は、測定したデータ(x、y)より、微小荷重時の厚みの変形量を抽出して算出した。具体的には、回復過程ではない一回目の、荷重が0.29cN/cm(0.30gf/cm)から0.98cN/cm(1.00gf/cm)の間の荷重とそのときの変形量のデータを抽出し、xとyの関係について近似直線を最小二乗法により求め、そのときの傾きを上記特性値とした(単位(cN/cm)/mm)。1枚の測定サンプルについて、3箇所測定した。3枚のサンプル合計9箇所の測定を行った。9箇所それぞれの値を算出して、それらの平均値をその不織布の微小荷重時の圧縮特性値とした。
さらに、各不織布のSEM写真から自由繊維の繊維径を求め、扁平部の有無を確認した。扁平部が存在する場合には、非扁平部と扁平部との繊維径の比、扁平繊維の割合、扁平繊維における扁平部の割合を調べた。得られた結果を、物性値とともに下記表2にまとめる。表2中、比較例7は原料不織布そのものである。

上記表2に示すように、扁平繊維を有する実施例1〜6の不織布は、扁平繊維を有していない比較例1〜7の不織布より滑らかさ及びふっくら感が優れている。実施例の不織布は、上記表1に示したように原料不織布を100m/min以上の速度で搬送し、上記式(1)で表される加工距離を800mm以上として起毛加工を行ったので、適切な扁平部を形成することができた。
原料不織布の搬送速度及び加工距離が同時に上述の条件を満たさない場合には、扁平部が形成されないことが比較例1〜6に示されている。実施例1〜6の不織布は、未加工の原料不織布に対し、滑らかさ及びふっくら感が顕著に向上したことが、比較例7との比較からわかる。滑らかさ及びふっくら感が向上した実施例1〜6の不織布を用いることによって、より優れた肌触りを有する吸収性物品を得ることができる。
1 長繊維不織布
3 融着部
4a 自由繊維
20 扁平繊維
20a 一端
21 扁平部
22 非扁平部

Claims (7)

  1. 一端のみが融着部により固定され、長手方向に延びた複数の自由繊維を有する長繊維不織布であって、
    複数の前記自由繊維には扁平繊維が含まれており、
    該扁平繊維は、横断面が扁平な扁平部と非扁平部を有し、該扁平部の長手方向の両側に非扁平部が存在する、
    長繊維不織布。
  2. 前記扁平繊維において、前記扁平部の平面視における繊維径は、前記非扁平部の平面視における繊維径の1.4倍以上である請求項1記載の長繊維不織布。
  3. 前記扁平繊維は、複数の前記自由繊維の10%以上を占める請求項1又は2記載の長繊維不織布。
  4. 前記扁平部の長さは、前記扁平繊維の長さの5%以上を占める請求項1乃至3のいずれか1項記載の長繊維不織布。
  5. 前記扁平繊維は、少なくとも一方の表面に露出している請求項1乃至4のいずれか1項記載の長繊維不織布。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の長繊維不織布を備える吸収性物品。
  7. 原料不織布に起毛加工を施す工程を備えた長繊維不織布の製造方法であって、
    外周に凸部を有する凸ロールに前記原料不織布を接触させ、
    前記原料不織布の搬送速度を100m/min以上とし、
    下記式(1)で表される加工距離が800mm以上である、
    長繊維不織布の製造方法。

    (式中、Vrollは凸ロールの周速度、VNWは原料不織布の搬送速度、θは原料不織布の抱き角度、Dは凸ロールのロール径である。)
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