JP4982616B2 - 不織布の製造方法 - Google Patents

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本発明は、不織布の製造方法に関する。
不織布の構成繊維を起毛させる技術として、例えば、ニードルパンチや、サンドペーパーを用いて不織布を加工したり、植毛技術により不織布に植毛したりする方法が考えられる。
例えば、特許文献1には、不織布に密着加工による機械的な力を加えて構成繊維に脆弱部を形成した後、脆弱部の形成された不織布を、サンドペーパーを被覆したローラーに通し、その後さらに起毛機にかけて構成繊維を起毛させた不織布を製造する方法が記載されている。また、特許文献2には、立毛シートを揉み処理した後、サンドペーパーを用い擦過処理する立毛シートの処理方法が記載されている。
また、特許文献3には、ウエッブを収縮させ、その後収縮させたウエッブをニードルパンチを用いて処理する不織布の製造方法が記載されている。また、特許文献4には、単に不織布シートの構成繊維が破断するまで伸長させて不織布シートを製造する方法が記載されている。上述の特許文献1〜4の製造方法で製造される不織布等は、確かに柔軟な肌触り(風合い)を有している。
しかしながら、特許文献1に記載の起毛させた不織布を製造する方法、及び特許文献2に記載の立毛シートの処理方法は、何れも、サンドペーパーを用いて不織布を加工しているため、不織布に大きなダメージを与えてしまい、得られる起毛不織布の不織布破断強度の低下を軽減することが難しい。また、特許文献3に記載の不織布の製造方法は、ニードルパンチを用いて処理するため、製造スピードが遅くコストを抑えることが難しい。また、特許文献4に記載の不織布シートの製造方法は、延伸処理だけで起毛させているため、延伸処理により不織布に大きなダメージを与えてしまい、得られる起毛不織布の不織布強度の低下を軽減することが難しい。
特開昭50−65645号公報 特開昭59−187665号公報 特開昭54−106676号公報 特開昭52−46181号公報
したがって、本発明の課題は、構成繊維の起毛した肌触りのよい不織布を得ると共に、得られた起毛不織布の不織布破断強度の低下を軽減した不織布の製造方法を提供することにある。また、本発明の課題は、構成繊維の起毛した不織布を得ると共に、製造スピードが速くコストを抑えることができる不織布の製造方法を提供することにある。
本発明は、50℃以下の温度で不織布の複数箇所それぞれに部分延伸加工を施し、該部分延伸加工の施された不織布に該不織布の構成繊維を起毛する起毛加工を施す不織布の製造方法を提供するものである。
本発明の不織布の製造方法によれば、構成繊維の起毛した肌触りのよい不織布が得られるとともに、得られた起毛不織布の不織布破断強度の低下を軽減した不織布が得られる。また、本発明の不織布の製造方法によれば、構成繊維の起毛した不織布が得られるとともに、製造スピードが速くコストが抑えられる。
図1は、本発明の不織布の製造方法に用いられる好適な加工装置を示す模式図である。 図2は、図1に示す加工装置の有する部分延伸加工部を斜めから視た模式図である。 図3は、図2に示す部分延伸加工部の要部拡大断面図である。 図4は、図1に示す加工装置の有する起毛加工部を斜めから視た模式図である。 図5は、本発明の不織布の起毛した構成繊維の本数を測定する方法を示した模式図である。
以下、本発明の不織布の製造方法をその好ましい実施態様に基づき、図面を参照しながら説明する。
尚、不織布に関しては、構成繊維の配向方向を見て、一般的に繊維の配向方向に沿う方向をMD方向又は長手方向、それと直交する方向をCD方向又は幅方向として、以下説明する。また、以下の説明では、MD方向(長手方向)の不織布を搬送する方向とロールを周方向に回転させることによりシートを搬送する方向とは同じ方向を意味し、不織布のCD方向(幅方向)とロール回転軸方向とは同じ方向を意味する。
図1〜図4は、本発明の不織布の製造方法に用いられる加工装置(以下、単に加工装置ともいう。)の一実施形態を模式的に示したものである。
図1に示すように、本実施形態の加工装置1は、部分延伸加工部2と、部分延伸加工部2の下流側に配される起毛加工部3とに大別される。
部分延伸加工部2は、不織布4の複数箇所それぞれに部分延伸加工を施す部分であり、本実施形態の加工装置1においては、図1,図2に示すように、一対の凹凸ロール21,22を備えている。ここで言う、「部分延伸」加工とは、一般的におこなわれるロール間の速度差により不織布全体に延伸処理を施すものではなく、未延伸部分と延伸部分とを有するように加工する方法である。未延伸部分とは不織布中の延伸処理を施されていない部分であり、「延伸処理を施さない」とは、加工上積極的に延伸処理を施さないという意味である。
一対の凹凸ロール21,22は、一方のロール21が周面に複数個の凸部210を有し、他方のロール22が、周面に一方のロール21の凸部210に対応する位置に凸部210が入り込む凹部220を有している。一対の凹凸ロール21,22は、アルミニウム合金又は鉄鋼等の金属性の円筒形状のものである。本実施形態の加工装置1においては、互いに噛み合う凸部210と凹部220とが周面に設けられた一対の凹凸ロール21,22からなる所謂スチールマッチングエンボスローラー23を備えている。図3に示すように、スチールマッチングエンボスローラー23は、ロール21の周面に設けられた複数個の凸部210とロール22の周面に設けられた複数個の凹部220とが、互いに噛み合うように形成されており、複数個の凸部210は、ロール21の回転軸方向及び周方向にそれぞれ均一に且つ規則的に配されている。一対のロール21,22は、ギア(図示せず)を用いて駆動手段(図示せず)からの駆動力が伝達されることによって回転する。尚、一対のロール21,22を、何れか一方の回転軸に駆動手段(図示せず)からの駆動力を伝達させ、噛み合いによって回転させてもよいが、互いの溝の中心で延伸することで、部分延伸が効果的におこなわれる観点から、噛み合いとは別に、ギアを用いて駆動力を伝達することが好ましい。一対のロール21,22の回転速度(周速度V2)は、加工装置1の備える制御部(不図示)により制御されている。ここで、ロール21,22の周速度V2は、(ロール21の歯先外形―かみ合いの深さD)を直径として、ロールの回転数より円周の速度として求められる。
ロール21の周面の凸部210の形状は、上部からみて円形、四角形、楕円形、ダイヤ形、長方形(搬送方向又は搬送方向に直交する方向に長い)でもよいが、不織布4の破断強度低下が少ない点から円形が好ましい。また凸部210を側面から見た形状としては台形、四角形、湾曲形状等があげられ、ロール回転時の擦り合わせが少ない点から、台形が好ましく、台形の底辺角が70度〜89度であることがさらに好ましい。
部分延伸加工部2は、加工前の不織布4に高い柔軟性等の改良効果が現れ、延伸後の不織布4’の破断強度を保つ観点から、不織布4の複数箇所それぞれを機械延伸倍率1.05〜20倍に延伸することが好ましく、2〜10倍に延伸することが更に好ましい。ここでいう機械延伸倍率は、不織布4に延伸処理を施す、ロール21の凸部210とロール22の凹部220との噛み合い形状により求めた値を意味する。複数箇所それぞれの機械延伸倍率は、図3に示ように、ロール21における周方向に隣り合う凸部210同士の距離(ピッチP1)、ロール21における回転軸方向に隣り合う凸部210同士の距離(ピッチP2)、及びロール21の各凸部210とロール22の各凸部との噛み合いの深さD、及びロール21における凸部210の頂点の周方向の距離(ドット直径A1)、ロール21における凸部頂点の回転軸方向の距離(ドット直径A2)により、下記〔数1〕,〔数2〕に示す数式で求められる。ロール21の凸部210の形状とロール22の凸部の形状が異なる場合は、ドット直径A1をロール21とロール22それぞれの頂点の周方向の距離の平均値として求められる。ドット直径A2も同様にロール21とロール22それぞれの頂点の回転軸方向の距離の平均値として求められる。また、ドット上面の形状が長方形以外に円形、楕円、そして多角形の場合も同様に求められる。このときの機械延伸倍率は、延伸倍率が最も高い部分(ロール21の凸部210とロール22の凸部が最も接近した部位)の延伸倍率とする。これを機械延伸倍率とする。ただし、機械延伸倍率はロール形状でない、例えば特開2007−22066記載の平板タイプ、キャタピラタイプ、などの形状であっても同様に求められる。
周方向の機械延伸倍率
Figure 0004982616
回転軸方向の機械延伸倍率
Figure 0004982616
尚、求められる周方向及び回転軸方向の何れか一方の機械延伸倍率が、前記範囲の機械延伸倍率を満たしていればよい。
部分延伸加工部2の一対の凹凸ロールは、機械延伸倍率を前記範囲とし、加工後に得られる不織布の破断強度低下を低減するために、供給された不織布4の総面積に対し10%〜80%の部分に部分延伸加工を施すことが好ましく、40%〜80%の部分に部分延伸加工を施すことが更に好ましい。ここで、部分延伸加工を施す不織布4の複数箇所とは、図3に示すように、ロール21の各凸部210とロール22の各凹部220との噛み合いにより延伸される部分、詳述すると、ロール21の各凸部210におけるエッジ210aと、ロール22の各凹部220における窪み始めのエッジ220aとにより延伸される部分のことを意味する。各凸部の凸面(頂部表面)上にあたる不織布部分は積極的に延伸作用を受けにくい。従って、不織布4の総面積に対し部分延伸加工を施した部分とは、供給した不織布4の総面積から、ロール21の各凸部210の頂部表面の面積を総和した総面積を除き、更に、ロール21において隣り合う各凸部210同士の間の底面の面積を総和した総面積を除いた部分のことを意味する。不織布に加わる実効的な延伸効果として、不織布のトータル延伸倍率は、延伸される部分の面積率と延伸される部分にかかる不織布の延伸倍率とを掛けた値に、未延伸部分(実質的に延伸されない部分を含む)の延伸倍率を1倍として未延伸の面積率を足した値によって求められる。また、延伸される部分にかかる不織布の延伸倍率は、周方向(MD方向)の不織布延伸倍率と回転軸方向(CD方向)の不織布延伸倍率とに分けられる。つまり下記の式(1)により求められる。

不織布のトータル延伸倍率 = {周方向(MD方向)の不織布の延伸倍率 × 不織布のMD方向の延伸面積率} + {回転軸方向(CD方向)の不織布の延伸倍率 × 不織布の回転軸方向(CD方向)の延伸面積率} +{未延伸部分(実質的に延伸されない部分を含む)の延伸倍率(1倍) × 不織布の未延伸の面積率}・・・(1)
ここで、周方向(MD方向)の不織布延伸倍率は、不織布の供給速度比によっても異なるため、上記周方向の機械延伸倍率に、後述する供給速度とロール21(またはロール22)の周速との比(ロール周速/供給速度)を掛けた値を意味する。回転軸方向(CD方向)の不織布延伸倍率は、不織布に皺がよることにより幅が縮まるため、上記回転軸方向の機械延伸倍率に、ロール21とロール22の通過前後の不織布の幅変化比(ロール通過後の不織布幅/ロール通過前の不織布幅)を掛けた値を意味する。MD方向、CD方向ともに延伸を受ける場合(不織布が斜め方向に延伸を受ける場合)は、機械延伸倍率をベクトルとしてMD方向とCD方向との合成和として求められる。また、凸部の形状が、上部からみて、円形などの場合は、それぞれの点における機械延伸倍率の積分値として求められる。不織布のトータル延伸倍率が下記範囲であると、部分延伸により、元の不織布の有する熱圧着部と熱圧着部との間の繊維が細くなる、熱圧着部の周辺部と(熱圧着部と繊維との境界近傍)で切れ目(裂け目)が延伸作用によって形成され、起毛時に繊維がその部分で切断され易く、さらに熱圧着部が延伸により変形するため、熱圧着部自体が柔らかくなるため、起毛時に熱圧着部での剥離が生じにくく起毛繊維が短くなり、起毛しやすく、肌触りの優れた不織布が得られる。延伸前の元の不織布に比べ部分延伸加工により破断強度低下が少なく、肌触りの良いものが得られる点から、不織布のトータル延伸倍率は、1.3倍〜4倍であることが好ましく、1.5倍〜3倍であることが更に好ましい。不織布の熱圧着部の面積率とトータル延伸倍率の比{不織布の熱圧着部の面積率(%)/(トータル延伸倍率(倍)×100)}は、好ましくは0.02〜0.12、より好ましくは0.04〜0.10であることが、破断強度を維持しつつ、熱圧着部を適度に壊し、起毛量が多くなる点でよい。尚、元の不織布は、平面方向に規則的に分散する熱圧着部を備えており、熱圧着部とは、熱による構成繊維の圧着部のみならず、超音波による構成繊維の圧着部を含む意味である。
機械延伸倍率を前記範囲とし、部分延伸加工を施す部分を前記範囲とするために、図3に示すように、ロール21の各凸部210は、ロール21の周面から凸部210の頂点までの高さhが、1〜10mmであることが好ましく、2〜7mmであることが更に好ましい。周方向に隣り合う凸部210同士の距離(ピッチP1)は、0.01〜20mmであることが好ましく、1〜10mmであることが更に好ましく、回転軸方向に隣り合う凸部210同士の距離(ピッチP2(不図示))は、0.01〜20mmであることが好ましく、1〜10mmであることが更に好ましい。ロール21の各凸部210の頂部表面の形状に特に制限はなく、例えば、円形、多角形、楕円形等が用いられ、各凸部210の頂部表面の面積は、0.01〜500mm2であることが好ましく、0.1〜10mm2であることが更に好ましい。また、隣り合う各凸部210同士の間の各底面の面積は、0.01〜500mm2であることが好ましく、0.1〜10mm2であることが更に好ましい。また、凸部210のエッジ部がR形状であることが、加工時に不織布の孔が開きにくい点から好ましく、R値としては0.2mm〜0.5×ドット直径A1または0.5×ドット直径A2であることが好ましい。この場合の凸部210の表面の面積は、Rの中間点(凸部を上面から投影して)とする。部分的な機械延伸倍率も同様に中間点から求める。
さらに、不織布の熱圧着部(エンボスなどによる熱融着部等)のピッチと、一対のロール21,22の凸部210のピッチとの比の関係(不織布の熱圧着部のピッチ/凸部のピッチ)が0.05〜0.7、より好ましくは0.1〜0.4であると、延伸される部分に不織布の熱圧着部が存在する可能性が高くなる。そのため、熱圧着部が変形して柔らかくなるとともに、延伸による弱化点が不織布の熱圧着部の周辺部にて形成されやすくなるため、軽い力でも不織布の表面を起毛しやすく、起毛繊維の短いものが得られ、毛玉ができにくく肌触りの良いものが得られる点で好ましい。ここで、不織布の熱圧着部のピッチと一対のロール21,22の凸部210のピッチとの比の好ましい範囲は、不織布のMD方向における熱圧着部のピッチと一対のロール21,22の凸部210の周方向のピッチP1との比、及び不織布のCD方向における熱圧着部のピッチと一対のロール21,22の凸部210の回転軸方向のピッチP2との比の何れか一方を満たしていれば良いが、両方満たしていることが好ましい。
ロール22の各凹部220は、図2,図3に示すように、ロール21の各凸部210に対応する位置に配されている。機械延伸倍率を前記範囲とし、部分延伸加工を施す部分を前記範囲とするために、図3に示すように、ロール21の各凸部210とロール22の各凸部との噛み合いの深さD(各凸部210と各凹部220とが重なっている部分の長さ)は、0.1〜10mmであることが好ましく、1〜8mmであることが更に好ましい。ロール21の凸部210の頂部とロール22の凹部220の底部との間は、不織布4を供給した際に、不織布4を挟持しないように間隔が開いている方が、不織布4が硬くならないので好ましい。
また、部分延伸加工部2は、図2に示すように、スチールマッチングエンボスローラー23の上流側及び下流側に、不織布4を搬送する搬送ロール24,25を備えている。不織布4の搬送速度V1は、加工装置1の備える制御部(不図示)により制御されている。ここで、不織布4の搬送速度V1とは、不織布4のロールから繰り出された不織布4表面での速度を意味する。
起毛加工部3は、部分延伸加工の施された不織布4’の構成繊維41を起毛する部分であり、本実施形態の加工装置1においては、図4に示すように、周面に凸部310が設けられた凸ロール31を備えている。凸ロール31は、アルミニウム合金又は鉄鋼等の金属性の円筒形状のものである。凸ロール31は、その回転軸に駆動手段(図示せず)からの駆動力が伝達されることによって回転する。凸ロール31の回転速度(周速度V4)は、加工装置1の備える制御部(不図示)により制御されている。ここで、凸ロール31の周速度V4とは、ロール21,22の周速度V2と同様に、凸ロール31表面での速度を意味する。
起毛加工部3は、図4に示すように、凸ロール31の上流側及び下流側に、不織布4’を搬送する搬送ロール32,33を備えている。延伸加工された不織布4’の搬送速度V3は、加工装置1の備える制御部(不図示)により制御されている。ここで、延伸加工された不織布4’の搬送速度V3とは、延伸加工前の不織布4の搬送速度V1と同様に、凸ロール31に供給される不織布4’表面での速度を意味する。
凸ロール31の各凸部310は、凸ロール31の周面から凸部310の頂点までの高さが、0.01〜3mmであることが好ましく、0.01〜1mmであることが更に好ましい。周方向に隣り合う凸部310同士の距離(ピッチ)は、0.01〜50mmであることが好ましく、0.01〜3mmであることが更に好ましく、回転軸方向に隣り合う凸部310同士の距離(ピッチ)は、0.01〜30mmであることが好ましく、0.01〜3mmであることが更に好ましい。凸部の密度は500〜5000個/cm2であることが起毛の作用点が多くなり、起毛量の多い不織布が得られる点でこのましい。凸ロール31の各凸部310の頂部表面の形状に特に制限はなく、例えば、円形、多角形、楕円形等が用いられ、各凸部310の頂部表面の面積は、0.001〜20mm2であることが好ましく、0.01〜1mm2であることが更に好ましい。
本実施形態の加工装置1においては、部分延伸加工の施された不織布4’の構成繊維41を更に効率よく起毛する観点から、図4に示すように、凸ロール31の位置より、凸ロール31の下流側の搬送ロール33の位置を高く設定しており、延伸加工の施された不織布4’が凸ロール31の接触面に、10〜180°の抱き角αで接触していることが好ましく、30〜120°の抱き角αで接触していることが更に好ましい。尚、本実施形態の加工装置1においては、抱き角αとなるように、凸ロール31と搬送ロール33との位置を変えているが、変えなくてもよい。
本実施形態の加工装置1は、上述したように、制御部(不図示)を備えており、該制御部は、一対のロール21,22の駆動手段に基づく周速度V2、凸ロール31の駆動手段に基づく周速度V4、張力検出器による張力の検出に基づく不織布4の搬送速度V1、及び張力検出器による張力の検出に基づく延伸加工された不織布4’の搬送速度V3の速度制御を、所定の動作シーケンスに従って制御する。
次に、本発明の不織布の製造方法の一実施態様を、上述した本実施形態の加工装置1を用いて、図1〜図4を参照しながら説明する。
本発明の不織布の製造方法は、先ず、50℃以下の温度で不織布4の複数箇所それぞれに部分延伸加工を施す。本実施態様においては、図1に示すように、原料である帯状の不織布4を、ロールから巻き出して、搬送ロール24,25により不織布4を部分延伸加工部2の有するスチールマッチングエンボスローラー23の一対のロール21,22間に供給し、不織布4に部分延伸加工を施す。具体的には、搬送ロール24,25により搬送された不織布4を、図2,図3に示す、一方のロール21の有する複数個の凸部210と、他方のロール22の有する複数個の凹部220との間で挟圧し、該部分延伸加工によって不織布4の複数箇所それぞれに搬送方向及び搬送方向に直交する方向に延伸加工を施す。このように、搬送方向及び搬送方向に直交する方向に延伸加工を施すことによって、不織布4の破断強度減少を方向別に抑えることができる。ここで、50℃以下の温度とは、ロール21,22に積極的に温度を掛けず、不織布4に延伸加工を施す際、常温であることを意味する。言い換えれば、不織布4に延伸加工を施す際に、不織布の構成繊維間で熱融着を起こしてしまうことにより、不織布4が硬くなってしまわない観点から、如何なる種類の構成繊維樹脂の融点よりも低い温度であることを意味する。尚、搬送方向に直交する方向とは、上述したロールの回転軸方向と同方向である。
本実施態様においては、良好に部分延伸加工を施すため、図2に示す、不織布4を一対の凹凸ロール21,22間に供給する際の供給速度V1と一対の凹凸ロール21,22の周速度V2との関係を、V1>V2とすることが好ましく、V1/V2の値が1.05以上とすることが更に好ましく、V1/V2の値が1.1以上とすることが特に好ましい。尚、上限値は、搬送される不織布4に弛みを生じない観点から、V1/V2の値が10より小さいことが好ましい。V1/V2を小さくすることで、より起毛量が増え、肌触りが向上する。
本実施態様のような部分延伸加工ではなく、通常一般に行われている一軸延伸等の全体延伸の場合には、供給速度よりも平滑ロールの周速度の方が大きくなるため先ほどのV1/V2が1よりも小さくなり、例えば通常のスパンボンド不織布では1.3倍以上の不織布のトータル延伸倍率(一軸延伸ではV2/V1により求められる)があると不織布に破れ等が生じてしまう。そのため、不織布のトータル延伸倍率を上げることができないが、本実施態様においては、1.3倍以上の不織布のトータル延伸倍率があっても不織布に破れ等が生じ難い。
本発明の不織布の製造方法は、次いで、部分延伸加工の施された不織布4’に不織布4’の構成繊維を起毛する起毛加工を施す。本実施態様においては、図1に示すように、部分延伸加工の施された不織布4’を、搬送ロール32,33により、周面に凸部310が設けられた凸ロール31に搬送し、図4に示す凸ロール31により、部分延伸加工の施された不織布4’の構成繊維を不織布4’の表面から起毛させる。
本実施態様においては、不織布4’の構成繊維を不織布4’の表面から効率的に起毛させる観点から、図4に示すように、凸ロール31の回転方向を、延伸加工の施された不織布4’の搬送方向に対して逆方向に回転させることが好ましい。このように逆方向に回転させる場合には、V4/V3の値が0.3〜10であり、V4>V3であることが好ましく、V4/V3の値が1.1〜10であることが更に好ましく、1.5〜5であることが、十分な起毛ができロールに繊維の絡みつきも少ないため、特に好ましい。逆方向に回転させ周速度に差があることで、より起毛量が増え肌触りが向上する。尚、凸ロール31が逆方向でなく、延伸加工の施された不織布4’の搬送方向に対して正方向である場合には、部分延伸加工の施された不織布4’の搬送速度V3と凸ロール31の周速度V4との関係を、V4/V3の値が1.1〜20であることが好ましく、1.5〜10であることが更に好ましく、2〜8であることが特に好ましい。
上記加工を施す不織布4としては、例えば、スパンボンド不織布、スパンボンドの層とメルトブローンの層との積層不織布を用いることができ、あるいはトウの状態の連続長繊維からなる不織布を用いることができ、安価で、破断強度が高く、しかも薄い観点から、スパンボンド不織布を好適に用いることができる。尚、上記積層不織布の場合には、スパンボンドの層をメルトブローンの層の表面及び/又は裏面に配した不織布であることが好ましい。スパンボンドの層とメルトブローンの層との積層不織布は、その全体が、再生ポリプロピレン樹脂を50重量%以上含んだポリプロピレン樹脂からなる繊維から構成されていることが好ましい。また上記トウの状態の連続長繊維は、その太さが、5〜30μmであることが好ましく、10〜20μmであることが更に好ましい。
不織布4は、安価でかつ、良好な肌触り感が得られ、加工適正の観点から、その坪量が、10〜100g/m2であることが好ましく、10〜25g/m2であることが更に好ましい。不織布4の有する熱圧着部である複数個の熱融着部は、例えば、エンボス凸ロールとフラットロールなどによる熱圧着により間欠的に形成されたものや、超音波融着により形成されたもの、間欠的に熱風を加えて部分融着させて形成されたものなどがあげられる。この中で熱圧着により形成されたものが起毛させやすい点で好ましい。熱融着部の形状は、特に制限されず、例えば、円形、菱形、三角形等の任意の形状であってもよい。不織布4の一面の表面積に占める熱融着部の合計面積の割合は、5〜30%であることが好ましく、10〜20%であることが、毛玉が出来にくい点で更に好ましい。
スパンボンド不織布を用いる場合、スパンボンド不織布の有するエンボスによる複数個の熱融着部は、各熱融着部の面積が、0.05〜10mm2であることが好ましく、0.1〜1mm2であることが更に好ましい。前記熱融着部の数は、10〜250個/cm2であることが好ましく、35〜65個/cm2であることが更に好ましい。前記熱融着部の形状は、特に制限されず、例えば、円形、菱形、三角形等の任意の形状であってもよい。スパンボンド不織布の一面の表面積に占める熱融着部の合計面積の割合は、5〜30%であることが好ましく、10〜20%であることが更に好ましい。
また、スパンボンド不織布は、単層のものでもよく、複数層積層されたものでもよい。
スパンボンド不織布を用いる場合、スパンボンド不織布を構成する構成繊維は、熱可塑性樹脂からなり、熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、ビニル系樹脂、ビニリデン系樹脂などが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブデン等が挙げられる。ポリエステル系樹脂としてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。ポリアミド系樹脂としてはナイロン等が挙げられる。ビニル系樹脂としてはポリ塩化ビニル等が挙げられる。ビニリデン系樹脂としてはポリ塩化ビニリデン等が挙げられる。これら各種樹脂の変成物や混合物等を用いることもできる。前記構成繊維の線径は、部分延伸加工前において、5〜30μmであることが好ましく、10〜20μmであることが更に好ましい。
以上説明したように、加工装置1を用いて不織布を製造する本実施態様の不織布の製造方法によれば、最初に50℃以下の温度で不織布4の複数箇所それぞれに部分延伸加工を施すプレ加工を行っているため、その後、起毛加工を施す際に起毛させ易く、また、熱融着され難いため、不織布4’の構成繊維の起毛した肌触りのよい、柔らかな不織布4’’が得られる。また、得られた不織布4’’は、加工前の不織布4の複数箇所それぞれに部分延伸加工を施しており、該複数箇所以外においては、該部分延伸加工を施していないため、その部分で不織布強度を維持でき、不織布強度の低下を軽減することができる。特に、原料となる不織布4として、スパンボンド不織布のような不織布自体の強度が高い不織布を用いた場合には、搬送スピードを速くすることができ、不織布4’’の製造コストを抑えることができる。尚、本実施態様においては、部分延伸加工を一対のロール21,22からなるロールを用いて行い、更に起毛加工を凸ロール31からなるロールを用いて行っているので、不織布4’’の製造スピードを上げることができ、更に不織布4’’の製造コストを抑えることができる。
特に、不織布4として、上述したスパンボンド不織布を用いた場合には、元のスパンボンド不織布の破断強度の値が、坪量20g/m2で10〜30N/50mmである不織布に対し、加工後に得られるスパンボンド不織布の破断強度の値が、5〜20N/50mmであり、不織布強度の低下を50%以下に軽減することができる。このように、加工後に得られるスパンボンド不織布の破断強度の値は、元のスパンボンド不織布の破断強度の値と略同じである。破断強度は、元のスパンボンド不織布又は加工後に得られるスパンボンド不織布のX方向及びY方向のいずれか一方において前記の範囲を満たしていることが好ましく、両方向において前記の範囲を満たしていることが更に好ましい。破断強度は以下の方法で測定される。
〔破断強度の測定法〕
元のスパンボンド不織布又は加工後に得られるスパンボンド不織布を、X方向(幅方向、CD方向)に200mm、Y方向(長手方向、MD方向)に50mmの寸法の長方形形状の測定片を切り出す。この切り出された長方形形状の測定片を測定サンプルとする。この測定サンプルを、X方向が引張方向となるように、引張試験機(例えば、オリエンテック社製テンシロン引張り試験機「RTA−100」)のチャックに取り付ける。チャック間距離は150mmとする。測定サンプルを300mm/分で引っ張り、サンプル破断までの最大荷重点をX方向の破断強度とする。また、Y方向(長手方向、MD方向)に200mm、X方向(幅方向、CD方向)に50mmの寸法の長方形形状の測定片を切り出し、これを測定サンプルとする。この測定サンプルを、そのY方向が引張方向となるように引張試験機のチャックに取り付ける。上述したX方向の破断強度の測定方法と同様の手順によってY方向の破断強度を求める。
また、特に、不織布4として、上述したスパンボンド不織布を用いた場合には、加工後に得られるスパンボンド不織布の表面から起毛した不織布の構成繊維が短く、外観の美観を損ない難い。ここで、不織布の表面から起毛した構成繊維とは、起毛した構成繊維の先端が不織布の表面より0.2mm以上、上方に位置する繊維を意味する。
スパンボンド不織布を用いた場合に、スパンボンド不織布の表面から起毛した不織布の構成繊維が短い理由として、本発明者は、部分延伸加工部2のスチールマッチングエンボスローラー23によりスパンボンド不織布を延伸する際に、スパンボンド不織布の熱融着部に弱化点を形成し、その後、起毛加工部3の凸ロール31により表面を加工するため、弱化点の形成された熱融着部からスパンボンド不織布の構成繊維である連続長繊維が破断し、熱融着部から切断された繊維が形成されるためと推測している。
不織布は、肌触りが良くなる観点から、起毛している繊維が、8本/cm以上であることが好ましく、12本/cm以上であることが更に好ましい。また、十分な破断強度が得られる観点から上限は100本/cm以下、より好ましくは外観上、毛羽立って見えない点から40本/cm以下が好ましい。起毛している繊維は、以下の測定法により測定する。
〔起毛した構成繊維の本数の測定方法〕
図5は、起毛した構成繊維の本数を測定する方法を示した模式図である。サンプリングおよび測定環境は22℃65%RH環境下にて行う。先ず、測定する不織布から、鋭利なかみそりで、20cm×20cmの測定片を切り出し、図5(a)に示すように、測定片を起毛側が外向きになるように山折りして測定サンプル104を形成する。次に、この測定サンプル104を、A4サイズの黒い台紙の上に載せ、図5(b)に示すように、さらにその上に、縦1cm×横1cmの穴107をあけたA4サイズの黒い台紙を載せる。このとき、図5(b)に示すように、測定サンプル104の折り目105が、上側の黒い台紙の穴107から見えるように配置する。両台紙には、富士共和製紙株式会社の「ケンラン(黒)連量265g」を用いた。その後、上側の台紙の穴107の両側それぞれから、折り目105に沿って外方に5cmはなれた位置に、50gのおもりをそれぞれ載せ、測定サンプル104が完全に折りたたまれた状態を作る。次に、図5(c)に示すように、マイクロスコープ(KEYENCE社製VHX−900)を用いて、30倍の倍率で、台紙の穴107内を観察し、測定サンプル104の折り目105から0.2mm上方に平行移動した位置に形成される仮想線108よりも上方に起毛している起毛した繊維の本数を計測する。このとき測定する不織布において、起毛加工の施された部位の幅が1cm以上の場合は、起毛加工の施された部位を含むように、20cm×20cmの測定片を3片切り出して計測する。また、起毛加工の施された部位の幅が1cm以下の場合は、無作為に20cm×20cmの測定片を3片切り出して計測する。以上の操作を、測定する不織布に対して3枚分計測し、計9箇所の平均をとり、起毛した構成繊維の本数とする。
また、起毛した構成繊維の数を数える際には、例えば、図5(c)に示す繊維106aのように、折り目105から0.2mm上方にある仮想線108を2回横切る繊維がある場合、その繊維は2本と数える。具体的には、図5(c)に示す例では、仮想線108を1回横切る繊維が4本、仮想線108を2回横切る繊維106aが1本存在するが、2回横切る繊維106aは2本と数え、起毛した構成繊維の本数は6本となる。
本発明の不織布の製造方法により得られる構成繊維の起毛した不織布は、植毛とは異なり、不織布に接着剤等を用いて、新たな繊維を付着させる操作がないため、使用される接着剤等の薬剤により肌に悪影響を及ぼす危険性が低減できる。また、使用時の植毛繊維のはがれ、接着面の露出などの問題も起こらない。また、例えば、吸収性物品に使われている不織布のひとつであるスパンボンド不織布は薄く、一般的な起毛加工では破れが生じやすく困難であるが、本発明の不織布の製造方法によれば、起毛密度が高く肌触りのよい起毛(スパンボンド)不織布が得られる。
本発明の不織布の製造方法により得られる不織布は、また、厚みはないがふっくらとしていることを特徴としており、加工前の不織布と高荷重下での厚みはほとんど変わらないが、低荷重下での厚みに違いが見られる。例えば、本発明の不織布の製造方法により得られるスパンボンド不織布、及び加工前の通常のスパンボンド不織布の何れも、坪量15g/m2では、10gf/cm2の高荷重下では、厚みが、0.15mm〜0.18mm程度で変わらない。しかし、0.05gf/cm2の低荷重下では、加工前の通常のスパンボンド不織布では、0.41mm〜0.46mmであるのに対して、本発明の不織布の製造方法により得られるスパンボンド不織布では、0.5mm〜0.6mmと、異なる厚みになる。尚、0.05gf/cm2という荷重は、不織布を軽く押さえたときの人の指の荷重に相当し、このわずかな厚みの違いを認識して、人はふっくらさを感じる。
本発明の不織布の製造方法は、上述の実施態様の製造方法に何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。
例えば、本実施態様の不織布の製造方法に用いられる加工装置1においては、図1,図2に示すように、部分延伸加工部2に、一対の互いにかみ合う凹凸ロール21,22からなるスチールマッチングエンボスローラー23を備えているが、スチールマッチングエンボスローラー23に換えて、互いに噛み合う歯溝が周面に設けられた一対の歯溝ロールを備えていてもよい。またこの場合、一対の歯溝ロールは、搬送方向にかみ合うものでもよいし、搬送方向と交差する方向にかみ合うものでもよい。搬送方向と交差する方向にかみ合う一対の歯溝ロールの場合、押込み量を多くしても、一対の歯溝ロールが回転可能となるため機械延伸倍率の高い加工ができ、肌触りのよい不織布が得られる。より好ましくは未延伸部分が間欠的に分布することで、不織布の破断強度低下が少なく、加工時にしわが入りにくいことから、また、MD方向とCD方向の両方に延伸を加えられ肌触りに優れることから、スチールマッチエンボスローラーがよい。
さらに、意匠性を持たせるため、ストライプ状に起毛したり、パターン的に模様をつけて部分的に起毛させることも好ましい。
また、本実施態様の不織布の製造方法に用いられる加工装置1においては、図1,図4に示すように、起毛加工部3に、周面に凸部310が設けられた凸ロール31を備えているが、凸ロール31に換えて、互いに噛み合う歯溝が周面に設けられた一対の歯溝ロールを備えていてもよいし、ローレット加工したロールや溶射加工したロール、カードワイヤーでもよい。また摩擦抵抗のある素材を周面に設けたロールを備えていてもよい。前記ロールの周面に設けられる摩擦抵抗のある素材としては、ゴムやサンドペーパー等が挙げられる。さらに、部分延伸と起毛加工は連続して行ってもよく、逐次に行っても良い。本実施態様の不織布の製造方法によれば、起毛加工後、不織布原反として巻き取ることで起毛した繊維がいったんは潰れても、その後巻きだした際、手に触れたり、巻き出し機などのガイドロールに通すだけで用意に潰れた起毛繊維が起きて、肌触りのよい不織布および吸収性物品が得られるメリットもある。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例によって何ら制限されるものではない。
[実施例1]
エチレン−プロピレンコポリマー樹脂からなるスパンボンド不織布の層を有する、目付け15g/m2、1.3dtex、熱圧着部(エンボスによる熱融着部)の面積率15%のSMS不織布を用いた。図1〜図4に示した前述の加工方法により起毛加工を施した実施例1の不織布を得た。用いたスチールマッチングエンボスローラー23のロールにおける各凸部210は、その高さが2.8mmであり、ロール21の各凸部210とロール22の各凸部との噛み合いの深さDは、2.7mmであった。また、機械延伸倍率は2.9倍であり、回転軸方向に隣り合う凸部210同士の距離(ピッチP2)は、7mmであり、周方向に隣り合う凸部210同士の距離(ピッチP1)は、7mmであった。スチールマッチエンボスのロールの周速度V2は20m/minであり、不織布の搬送速度V1は26m/minであった。また、起毛に用いた凸ロール31の各凸部310の高さは、0.6mmであり、回転軸方向に隣り合う凸部同士の距離(ピッチ)は、1.4mmであり、周方向に隣り合う凸部同士の距離(ピッチ)は、2.1mmであった。不織布の搬送速度V3は20m/minであり、不織布の搬送方向に対して逆方向に4倍の周速度V4で凸ロール31を回転させた。抱き角は130度であった。実施例1においては、片面のみ起毛した。不織布のトータル延伸倍率は1.7倍であった。不織布の熱圧着部のピッチと、凹凸ロールの凸部のピッチとの比(不織布の熱圧着部のピッチ/凸部のピッチ)はMD方向(ロール周方向)が0.43、CD方向(ロール回転軸方向)が0.37で行った。不織布の熱圧着部の面積率と不織布のトータル延伸倍率の比は、0.088であった。
[実施例2]
プロピレン樹脂からなるスパンボンド不織布の層を有する、目付け13g/m2、繊維径15.9μm、熱圧着部(エンボスによる熱融着部)の面積率13%のSMS不織布を用いた。実施例1と同じ条件の加工を施し、実施例2の不織布を得た。不織布のトータル延伸倍率は1.7倍であった。不織布の熱圧着部のピッチと、凹凸ロールの凸部のピッチとの比(不織布の熱圧着部のピッチ/凸部のピッチ)はMD方向(ロール周方向)が0.41、CD方向(ロール回転軸方向)が0.24で行った。不織布の熱圧着部の面積率と不織布のトータル延伸倍率の比は、0.076であった。
[実施例3]
プロピレン樹脂からなるスパンボンド不織布の層を有する、目付け18g/m2、1.8dtex、熱圧着部(エンボスによる熱融着部)の面積率12%の、メルトブローン層のない、スパンボンド層のみの不織布を用いた。実施例1と同じ条件の加工を施し、実施例3の不織布を得た。不織布のトータル延伸倍率は1.7倍であった。不織布の熱圧着部のピッチと、凹凸ロールの凸部のピッチとの比(不織布の熱圧着部のピッチ/凸部のピッチ)はMD方向(ロール周方向)が0.3、CD方向(ロール回転軸方向)が0.3で行った。不織布の熱圧着部の面積率と不織布のトータル延伸倍率の比は、0.071であった。
[実施例4]
実施例1と同じく、エチレン−プロピレンコポリマー樹脂からなるスパンボンド不織布の層を有する、目付け15g/m2、1.3dtexのSMS不織布を用いた。実施例1と同様にスチールマッチングエンボスローラーによる加工をおこなった。不織布のトータル延伸倍率は1.7倍であった。不織布の熱圧着部のピッチと、凹凸ロールの凸部のピッチとの比(不織布の熱圧着部のピッチ/凸部のピッチ)はMD方向(ロール周方向)が0.43、CD方向(ロール回転軸方向)が0.37で行った。不織布の熱圧着部の面積率と不織布のトータル延伸倍率の比は、0.088であった。その後、起毛には突起高さが最大約0.07mm、突起の密度が約2000個/cm2の凸ロールを用いた。不織布の搬送速度V3は20m/minであり、不織布の搬送方向に対して逆方向に4倍の周速度V4で凸ロール31を回転させた。抱き角は60度であった。実施例4においても、片面のみ起毛した。
[比較例1]
実施例1と同じく、エチレン−プロピレンコポリマー樹脂からなるスパンボンド不織布の層を有する、目付け15g/m2、1.3dtexのSMS不織布を、比較例1の不織布とした。
[比較例2]
実施例1と同じく、エチレン−プロピレンコポリマー樹脂からなるスパンボンド不織布の層を有する、目付け15g/m2、1.3dtexのSMS不織布を用いた。次に、トラスコ中山(株)製サンドペーパー粒度♯240を110φのロール全周に両面テープにより接着、そのロールの全周360度の内、8.5度接触する状態で抱きかけ、このSMS不織布を10m/minで流した。その際サンドペーパーを接着したロールは40m/minで進行方向とは逆回転に回転させて起毛した比較例2の不織布を得た。
[比較例3]
実施例2と同じく、プロピレン樹脂からなるスパンボンド不織布の層を有する、目付け13g/m2、繊維径15.9μmのSMS不織布を、比較例3の不織布とした。
[比較例4]
実施例2と同じく、プロピレン樹脂からなるスパンボンド不織布の層を有する、目付け13g/m2、繊維径15.9μmのSMS不織布を用いた。次に、比較例2と同じ条件の加工を施し、比較例4の不織布を得た。
[比較例5]
実施例3と同じく、プロピレン樹脂からなるスパンボンド不織布の層を有する、目付け18g/m2、1.8dtexの、メルトブローン層のない、スパンボンド層のみの不織布を、比較例5の不織布とした。
[比較例6]
実施例3と同じく、プロピレン樹脂からなるスパンボンド不織布の層を有する、目付け18g/m2、1.8dtexの、メルトブローン層のない、スパンボンド層のみの不織布を用いた。次に、比較例2と同じ条件の加工を施し、比較例6の不織布を得た。
性能評価
〔肌触りの官能評価〕
実施例1〜3、比較例1〜6で得られた不織布について、比較例1の不織布を基準(3点)としたときの10段階の(10点に近づく程よりよい肌触り)官能評価を行い、各不織布について3枚の平均値を、整数桁に四捨五入して求め、実施例1〜3、比較例1〜6で得られた不織布それぞれが、各々の未処理の不織布に対して(実施例1と比較例1、実施例2と比較例3、実施例3と比較例5、比較例2と比較例1、比較例4と比較例3、比較例6と比較例5)、求められた官能評価の平均値が向上していれば○とし、平均値が変わらないものは×として表1,表2,表3に示した。
〔起毛した構成繊維の評価〕
実施例1〜3、比較例1〜6で得られた不織布について、前述した起毛した構成繊維の本数の測定方法により、起毛した構成繊維の本数を測定した。起毛した構成繊維の本数が10本以上の場合に○とし、20本以上の場合に◎とし、10本未満の場合に×として表1,表2,表3に示した。
〔破断強度の評価〕
実施例1〜3、比較例1〜6で得られた不織布について、前述した破断強度の測定法により、X方向(幅方向、CD方向)に200mm、Y方向(長手方向、MD方向)に50mmの測定サンプルを取り出し、チャック間を150mmにした引張試験機(島津製作所製)で、引張速度300mm/分で引っ張り、X方向(幅方向、CD方向)の強度を測定し、4枚の平均値をX方向(幅方向、CD方向)の強度とした。次に、各々の未処理の不織布に対して(実施例1と比較例1、実施例2と比較例3、実施例3と比較例5、比較例2と比較例1、比較例4と比較例3、比較例6と比較例5)、X方向(幅方向、CD方向)の強度の比が50%以上の場合に○とし、50%未満の場合に×として表1,表2,表3に示した。
Figure 0004982616
Figure 0004982616
Figure 0004982616
表1に示す結果から明らかなように、実施例1の不織布は、肌触りに優れ、破断強度減少も少ない不織布であった。具体的には、実施例1の不織布は、比較例1の不織布と比較して肌触りが大きく向上していることがわかる。一方、比較例2の不織布は、比較例1の不織布と比較して、肌触りがよくなっているものの、破断強度の減少が著しいことがわかる。実施例1の不織布に関しては、起毛した繊維の多くは、ループ状ではなく端部が切れており、指先の引っかかりもなかった。またロール部には繊維くずが見られず良好だった。一方、比較例2の不織布の製造時には、サンドペーパーに繊維くずの付着が見られ、サンドペーパーの耐久性にも問題を生じた。
表2に示す結果から明らかなように、実施例2の不織布も、実施例1の不織布と同様に、肌触りが向上していて破断強度減少も少ない不織布であった。具体的には、比較例4の不織布は、元の比較例3の不織布と比較して、破断強度はそれほど落ちなかったものの、肌触りの向上は見られず、実施例2の不織布のみ、元の比較例3の不織布に比べて肌触りが向上し、破断強度減少も抑えられた。
表3に示す結果から明らかなように、実施例3の不織布も、実施例1の不織布と同様に、肌触りが向上していて破断強度減少も少ない不織布であった。具体的には、比較例6の不織布は、元の比較例5の不織布と比較して、破断強度は落ちなかったものの、肌触りの向上は見られず、実施例3の不織布のみ、元の比較例5の不織布に比べて肌触りが向上し、破断強度減少も抑えられた。
1 加工装置
2 部分延伸加工部
21,22 凹凸ロール
210 ロール21の周面に有する凸部
210a 凸部210におけるエッジ
220 ロール22の周面に有する凹部
220a 凹部220における窪み始めのエッジ
23 スチールマッチングエンボスローラー
24,25 搬送ロール
3 起毛加工部
31 凸ロール
310 凸ロール31の周面に有する凸部
32,33 搬送ロール
4 加工前の不織布
4’ 部分延伸加工の施された不織布
4’’ 加工装置1を用いて得られた不織布

Claims (9)

  1. 50℃以下の温度で不織布の複数箇所それぞれに部分延伸加工を施し、該部分延伸加工の施された不織布に該不織布の構成繊維を起毛する起毛加工を施す不織布の製造方法。
  2. 前記部分延伸加工は、前記不織布の前記複数箇所それぞれを機械延伸倍率1.05〜20倍に延伸する請求項1に記載の不織布の製造方法。
  3. 前記部分延伸加工によって前記不織布の前記複数箇所それぞれに搬送方向及び搬送方向に直交する方向に延伸加工を施す請求項1又は2に記載の不織布の製造方法。
  4. 前記部分延伸加工は、一対の凹凸ロールを用いて行い、
    一方のロールが周面に複数個の凸部を有し、他方のロールが周面に一方の前記ロールの前記凸部に対応する位置に該凸部が入り込む凹部を有しており、
    前記不織布を一対の前記凹凸ロール間に供給し、該不織布に前記部分延伸加工を施す請求項1〜3の何れか1項に記載の不織布の製造方法。
  5. 一対の前記凹凸ロールは、供給された前記不織布の総面積に対し10%〜80%の部分に前記部分延伸加工を施す請求項4に記載の不織布の製造方法。
  6. 前記不織布を一対の前記凹凸ロール間に供給する際の供給速度V1と一対の前記凹凸ロールの周速度V2との関係を、V1>V2とした請求項4に記載の不織布の製造方法。
  7. 前記起毛加工は、周面に複数個の凸部を有する凸ロールを用いて行い、
    前記凸ロールの回転方向を前記不織布の搬送方向に対して逆方向に回転させ、
    前記部分延伸加工の施された不織布の搬送速度V3と前記凸ロールの周速度V4との関係を、V4/V3=0.3〜10とした請求項1〜6の何れか1項に記載の不織布の製造方法。
  8. 前記不織布のトータル延伸倍率が、1.3〜4.0倍である請求項1〜7の何れか1項に記載の不織布の製造方法。
  9. 元の前記不織布は、平面方向に規則的に分散する熱圧着部を備え、
    前記熱圧着部のピッチと一対の前記凹凸ロールの前記凸部のピッチとの比(熱圧着部のピッチ/凸部のピッチ)が0.05〜0.7である請求項1〜8の何れか1項に記載の不織布の製造方法。
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