JP2019042423A - 被包装置および吸収性物品の製造装置 - Google Patents
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Abstract
Description
手順1:連続体の幅方向中央にコアを載置する
手順2:連続体のうちコアに対して幅方向外側の端縁領域を折り立てる
たとえば、手順2において、連続体に対してコアが載置される側とは反対側を板状の部材で案内することが提案されている(特許文献1参照)。
吸収性物品とは、着用者に装着され、着用者から排泄される尿や経血といった液体を吸収し保持する衛生用品である。この吸収性物品としては、テープ型やパンツ型の紙おむつ(いわゆる「使い捨ておむつ」),尿パッド,生理用ナプキン,パンティーライナーなどが挙げられる。以下の実施形態では、吸収性物品として紙おむつを例示する。
紙おむつにおいては、着用者の腹部に対向して配置される前身頃と背部に対向して配置される後身頃とを結ぶ方向を長手方向とする。これらの前身頃と後身頃との間には、着用者の股下に配置(股間に対向して配置)される股下部が位置する。また、紙おむつが着用者に装着された状態(以下「装着状態」と略称する)において、着用者の肌に向かう側(装着状態で内側)を肌面側とし、肌面側の反対側(装着状態で外側)を非肌面側とする。さらに、肌面側と非肌面側とを結ぶ方向を厚み方向とし、長手方向および厚み方向の何れにも直交する方向を幅方向とする。
そのほか、特に断らない限り「数値X〜数値Y」なる表記は、「数値X以上であって数値Y以下である」ことを意味する。
[1.構成]
以下、製造装置の製造対象である紙おむつの構成を述べ、その後に、製造装置の構成を述べる。
[1−1.紙おむつ]
図1に示すように、紙おむつ1には吸収体10が内蔵され、この吸収体10に対して種々のシート2,3,4,5が重ね合わせられている。
吸収体10は、吸水性部材である。この吸収体10は、コアラップシート(以下「ラップシート」と略称する)11で吸収体コア(以下「コア」と略称する)12が被包されている。
ラップシート11には、ティシュペーパや親水性の不織布などのシート状部材が用いられる。
なお、パルプ繊維に加えてまたは替えて、レーヨン繊維やコットン繊維といった他の繊維材料を用いてもよい。また、高吸水性樹脂に加えてまたは替えて、消臭剤や芳香剤といった他の混合剤を用いてもよい。
上記した吸収体10に対して、肌面側にはセンターシート2およびサイドシート3が積層され、非肌面側にはバックシート4およびカバーシート5が積層されている。
センターシート2は、水分を透過させて吸収体10に吸収させるため、透水性をもつ。また、センターシート2は、紙おむつ1において最も肌面側に配置される(このことから「トップシート」とも称される)。このセンターシート2は、吸収体10よりも幅方向寸法が大きく、肌面側から吸収体10を被覆する。
また、バックシート4は、吸収体10から非肌面側への液漏れを防ぐため、非透水性をもつ。
そのほか、紙おむつ1には、装着状態における着用者への追従性を高めるため、立体ギャザー6,レッグギャザー7,ウエストギャザー8といった種々のギャザーが設けられている。これらのギャザー6,7,8では、糸ゴムや伸縮フィルムといった伸縮性部材によってサイドシート3やカバーシート5などが皺寄せられる。
つぎに、図2を参照して、紙おむつ1の製造装置20を説明する。
製造装置20では、吸収体10の半製品(以下「中間体」という)を被包することによって製造する工程をはじめ、シート2,3,4,5の積層やギャザー6,7,8の形成といったさまざまな工程が実施される。ここでは、製造装置20のうち、吸収体10の中間体を製造する被包ユニット21(被包装置)を詳述する。
ただし、マット中間体12′として、搬送方向に沿って断続的に配置されるマット中間体を用いてもよいし、幅方向に沿って断続的に配置されるマット中間体を用いてもよい。言い換えれば、互いに搬送方向や幅方向に離間させた状態のマット中間体がシート中間体11′に載置されてもよい。
以下、搬送機構30,被包機構40,吸引機構50の順に各構成を述べる。
搬送機構30は、シート中間体11′を搬送するコンベヤである。この搬送機構30は、シート中間体11′に対して搬送方向に沿う張力(いわゆる「ドロー」)を印加(張架)しつつ搬送する。
このように搬送されるシート中間体11′の上方には、マット中間体12′が載せられている。具体的には、図3に示すように、シート中間体11′の幅方向において、中央領域RC(第一幅領域)にマット中間体12′が載置されている。逆に言えば、シート中間体11′の中央領域RCよりも幅方向外側の端縁領域RS(第二幅領域)には、マット中間体12′が載置されていない。
・パラメータ1:「目付量」8〜18[gsm]
・パラメータ2:「通気度」0.02〜10[kPa・s/m]
・パラメータ3:「端縁領域RSにおける幅方向の寸法」20〜40[mm]
「通気度」とは、シート中間体11′の通気性に対応するパラメータである。ここで用いる「通気度」は、シート中間体11′の厚み方向に空気が流れるときの抵抗であり、通気度(通気抵抗)が小さいほど通気性が高くなる。なお、ここでいう「通気度」は、カトーテック製AUTOMATIC AIR−PERMEABILITY TESTER KES−F8−AP1(通気性試験機)によって測定された通気抵抗(kPa・s/m)である。
なお、上記したパラメータ1,2は、シート中間体11′のうち少なくとも端縁領域RSのパラメータであり、中央領域RCは上記したパラメータ1,2に限定されるものではない。
さらに、コンベヤベルト31b,32bは、シート中間体11′を下方(コンベヤベルト31b,32bで囲まれる空間内)へ吸引可能に構成されている。たとえば、コンベヤベルト31b,32bが通気性材料から構成される。あるいは、幅方向(図2では紙面手前側と紙面奥側とを結ぶ方向)に間隔をあけて並設されたコンベヤベルト31b,32bが用いられる。
被包機構40は、シート中間体11′の中央領域RCに対して端縁領域RSを折り立てて、シート中間体11′でマット中間体12′を包み込む機構である。
ここでは、第二搬送機構32と搬送方向位置が重畳して配置された被包機構40を例示する。そのため、下流領域RDに搬送されたシート中間体11′の中央領域RCに対して端縁領域RSが折り立てられる。
そこで、本実施形態の被包機構40には、シート中間体11′に対して二方向から折り立てを案内する二種のロール41,45が設けられている。
ロール41,45のうち上流側に配置された一方は、下流端縁領域RDSの幅方向外側(第二側)に対して周面42から張力を印加する上流ロール41(第二ロール,第二部材)である。他方は、下流端縁領域RDSの幅方向内側(第一側)に対して周面46から張力を印加する下流ロール45(第一ロール,第一部材)である。
これらのロール41,45は、シート中間体11′の折り立てを協働して案内することから、「案内機構」と言える。また、ロール41,45は、折り立てられるシート中間体11′に対して協働して張力を印加することから、「張力印加機構」とも言える。
言い換えれば、二種のロール41,45によって折り立てられているシート中間体11′の下流端縁領域RDSは、上流側が幅方向内側に凸であって下流側が幅方向外側に凸のS字状をなす。
さらに、ロール41,45どうしの搬送方向間隔が35〜50[mm]に設定されている。ここでいう「搬送方向間隔」とは、ロール41,45の軸心CU,CDどうしの軸心間距離を意味する。
厳密に言えば、下流端縁領域RDSのうちロール41,45よりも上流側の領域の一部は被包領域に含まれる。ただし、以下の説明では、上流端縁領域RUSを上流領域と見做すとともに下流端縁領域RDSを被包領域と見做して、端縁領域RUSの捲り上がりに関する領域を簡明に区分する。
この押さえロール49は、ロール41,45よりも上流側に配置されている。ここでいう「上流側に配置されている」とは、押さえロール49の軸心CPがロール41,45よりも上流側に位置することを意味する。
つぎに、図2を参照して、吸引機構50について説明する。
吸引機構50は、シート中間体11′を下方(マット中間体12′が載置される側とは反対側,すなわち、コンベヤベルト31b,32bへ向かう側)に吸引するサクション機構である。吸引機構50によって吸引されたシート中間体11′は、コンベヤベルト31b,32bに向けて付勢される。
これらの吸引機構51,52によれば、コンベヤベルト31b,32bが通気性材料から構成されている場合には、コンベヤベルト31b,32bを上方から下方に透過させた空気が吸引(吸気)される。また、吸引機構51,52は、コンベヤベルト31b,32bが幅方向に間隔をあけて並設されている場合には、その間隔を通じて吸気される。
ところが、吸引機構50によるシート中間体11′の吸引力を一律に増大させると、被包機構40によるシート中間体11′の折り立て方向と吸引方向とが反対向きであることから、シート中間体11′の折り立て性の低下を招くおそれがある。
そこで、本実施形態の吸引機構50では、シート中間体11′において幅方向に沿って並ぶ領域ごとに吸引力の大小が調節されている。具体的には、下記の表1に示すように吸引機構50による吸引力が設定されている。
シート中間体11′の幅方向に着目すると、シート中間体11′の折り立て性を確保しつつ搬送の安定性を確保する観点から、上流領域RUおよび下流領域RDの双方において、中央領域RCよりも端縁領域RSのほうが小さい。すなわち、中央領域RCに大きな吸引力を設定することで、シート中間体11′の安定した搬送を確保しつつ、端縁領域RSに抑えられた吸引力を設定することで、シート中間体11′の折り立て性を確保している。
一方、端縁領域RSについては、上流領域RUのほうが下流領域RDよりも吸引力が小さく設定されている。たとえば、上流端縁領域RUSの吸引力は0〜1.0[kpa]に設定され、下流端縁領域RDSの吸引力は0〜1.5[kpa]に設定される。
本実施形態は、上述したように構成される。
以下、吸引機構50による作用および効果を述べ、その後に、ロール41,45による作用および効果を述べる。
(1)シート中間体11′に対する吸引機構50の吸引力は、上流中央領域RUCよりも上流端縁領域RUSのほうが小さく設定される。このことから、被包機構40によるシート中間体11′の折り立てにともなって捲り上がりはじめる上流端縁領域RUSに対する吸引力が抑えられる。そのため、上流端縁領域RUSにおける皺やヨレの発生を抑えることができ、上流端縁領域RUSの円滑な立ち上がりに寄与する。よって、シート中間体11′によるマット中間体12′の被包性を高めることができる。
(4)特に、上流端縁領域RUSに対する吸引力がゼロに設定される場合には、上流端縁領域RUSは吸引されない。そのため、搬送機構30によって搬送されるシート中間体11′に印加された張力によって、上流端縁領域RUSの立ち上がりを促すことができる。この点からも、シート中間体11′による被包性を更に高めることができる。そのうえ、下流端縁領域RUSへの下流吸引機構52の配設を省略が可能であり、装置コストの低減に寄与する。
(1)被包機構40には、シート中間体11′の下流端縁領域RDSに対して、幅方向外側から張力を印加する上流ロール41だけでなく、幅方向内側から張力を印加する下流ロール45が設けられる。そのため、上流ロール41で折り立てられた下流端縁領域RDSに皺やヨレが発生したとしても、かかる皺やヨレを下流ロール45で延ばすことで解消することができる。よって、シート中間体11′によるマット中間体12′の被包性を高めることができる。
上述した実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
さらに、搬送方向は、水平方向に限らず、周囲の構成や要求仕様等に応じて種々の配向に設定することができる。たとえば、上流搬送機構における搬送方向は水平方向であり、下流搬送機構における搬送方向が下流に向かうにつれて上方に延びる斜め上向きであってもよい。
なお、搬送機構のベルトコンベヤに替えて、ローラコンベヤやスラットコンベヤなどの通気性が確保されたさまざまなコンベヤを用いることもできる。
10 吸収体
11 ラップシート
11′ シート中間体(連続体)
12 コア
12′ マット中間体(内包部材)
20 (吸収性物品の)製造装置
21 被包ユニット(被包装置)
30 搬送機構
31 上流搬送機構(第一搬送機構)
32 下流搬送機構(第二搬送機構)
31b,32b コンベヤベルト
40 被包機構
41 上流ロール(第二ロール,第二部材)
42 周面
43 当接箇所(第二箇所)
45 下流ロール(第一ロール,第一部材)
46 周面
47 当接箇所(第一箇所)
49 押さえロール(押さえ部)
50 吸引機構
51 上流吸引機構(第一吸引機構)
52 下流吸引機構(第二吸引機構)
CD,CP,CU 軸心
RC 中央領域(第一幅領域)
RS 端縁領域(第二幅領域)
RU 上流領域
RD 下流領域(被包領域)
RUC 上流中央領域
RUS 上流端縁領域
RDC 下流中央領域
RDS 下流端縁領域
Claims (9)
- 第一幅領域には内包部材が載置されるとともに前記第一幅領域よりも幅方向外側の第二幅領域には前記内包部材が載置されていない帯状の連続体を張架しつつ搬送する搬送機構と、
前記第一幅領域に対して前記第二幅領域を折り立てて前記内包部材を前記連続体で被包する被包機構と、を備え、
前記被包機構は、前記連続体において折り立てられる前記第二幅領域において、前記連続体のうち前記内包部材が載置される側である第一側から張力を印加する第一部材と、前記第一側とは反対側である第二側から張力を印加する第二部材とを有する
被包装置。 - 前記被包機構は、前記第一側に対して前記第一部材が当接する第一箇所と前記第二側に対して前記第二部材が当接する第二箇所とを結ぶ方向が搬送方向に対して交差する
請求項1に記載された被包装置。 - 前記第二箇所よりも前記第一箇所のほうが搬送方向下流側であって幅方向外側に位置する
請求項2に記載された被包装置。 - 前記被包機構は、前記内包部材を押さえる押さえ部を有し、前記押さえ部よりも搬送方向下流側に前記第一部材および前記第二部材が配置された
請求項1〜3の何れか1項に記載された被包装置。 - 前記被包機構は、前記第一部材として前記第一側に周面の当接する第一ロールが設けられ、前記第二部材として前記第一ロールよりも搬送方向上流側に配置されるとともに前記第二側に周面の当接する第二ロールが設けられた
請求項1〜4の何れか1項に記載された被包装置。 - 搬送方向および幅方向に対して直交する基準方向に対して、前記第一ロールの軸心の傾斜角度が2〜7[°]であり、前記第二ロールの軸心の傾斜角度が2〜10[°]である
請求項5に記載された被包装置。 - 前記第一ロールと前記第二ロールとの搬送方向間隔が35〜50[mm]である
請求項5または6に記載された被包装置。 - 前記連続体のうち少なくとも前記第二幅領域は、目付量が8〜18[gsm]であり、通気度が0.02〜10[kPa・s/m]であり、幅方向の寸法が20〜40[mm]である
請求項1〜7の何れか1項に記載された被包装置。 - 請求項1〜8の何れか1項に記載された被包装置を備え、
前記内包部材としてマット中間体を用いるとともに、前記連続体として前記マット中間体を被包するラップシートに分断されるシート中間体を用いる
吸収性物品の製造装置。
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