JP2015100592A - 医用画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御部31は、被写体としての中手骨部を標準物質と共にX線撮影することにより得られた医用画像データに画像処理を施して読影用画像データを作成し、骨塩定量計測用画像データを作成し、当該骨塩定量計測用画像データに基づいて骨塩定量を計測するものであって、読影用画像データの作成において、医用画像データからX線の照射野領域の画像データを認識し、認識された照射野領域より外側の領域の画像データに対して黒化処理を施す。
【選択図】図2
Description
DIP法とは、標準物質のアルミスロープと左手第二中手骨を同時にX線撮影し、得られたX線画像におけるアルミスロープと左手第二中手骨との陰影濃度を比較し骨塩量を計測する手法である。
しかしながら、照射野絞りを使用して撮影すると、図15Aに示すように、撮影時にX線がほとんど照射されない白画像領域Wが画像の周囲に形成されてしまうことがある。この場合、図15Bに示すように、アルミスロープの検出処理の際に、白画像領域Wをアルミスロープと誤検出し、骨塩量の計測を正しく行うことができないという問題があった。
請求項1に記載の発明は、
被写体としての中手骨部を標準物質と共にX線撮影することにより得られた医用画像データに画像処理を施して読影用画像データを作成する読影用画像作成手段と、
前記読影用画像作成手段による画像処理に基づき骨塩定量計測用画像データを作成し、当該骨塩定量計測用画像データに基づき骨塩定量を計測する骨塩定量計測手段と、
を備える医用画像処理装置であって、
前記読影用画像作成手段は、
前記医用画像データからX線の照射野領域の画像データを認識する照射野認識手段と、
前記照射野認識手段により認識された前記照射野領域より外側の領域の画像データに対して黒化処理を施す黒化処理手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記黒化処理手段は、前記照射野認識手段により認識された前記照射野領域が予め設定された基準領域の範囲内にある場合、前記基準領域内で且つ前記照射野領域より外側の領域の画像データに対して黒化処理を施すことを特徴とする。
前記読影用画像作成手段は、
前記照射野領域が前記基準領域の範囲外にある場合、前記照射野領域より外側の領域の画像データを切り出すトリミング処理を行うトリミング手段を備えたことを特徴とする。
前記医用画像は、照射野絞りを使用して撮影されることを特徴とする。
図1は、本実施の形態における施設内システム1のシステム構成を示すブロック図である。
施設内システム1は、開業医やクリニック等の比較的小規模の医療施設に適用されるシステムであり、図1に示すように、モダリティー2と、医用画像処理装置3と、受付装置4と、イメージャー5と、汎用プリンター6と、クライアントPC(Personal Computer)7と、から構成されている。
施設内システム1を構成する各装置は、例えば図示しないスイッチングハブ等を介してLAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク(以下単に「ネットワーク」という)8に接続されている。
医用画像処理装置3は、医師の常駐場所である診察室に設けられたWS(ワークステーション)であることが好ましい。なお、この医用画像処理装置3として作動するWSがモダリティー2の起動や処理条件等を制御する構成としてもよい。
以下、施設内システム1を構成する各装置について説明する。
モダリティー2としては、例えば、CR(Computed Radiography)装置、超音波診断装置、内視鏡装置、CT(Computed Tomography)撮影装置、磁気共鳴画像撮影装置(MRI:magnetic resonance imaging)等が挙げられる。本実施の形態においては、モダリティー2をCR装置として説明するが、その他のモダリティーを備える構成としてもよい。
ここで、CRカセッテは、例えば放射線エネルギーを蓄積する輝尽性蛍光体シートを備える放射線画像変換プレートを内蔵しており、放射線が照射されると被写体の放射線透過率分布に従った量の放射線を輝尽性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に蓄積させ、この輝尽性蛍光体層に被写体の放射線画像を記録するものである。
読取装置は、CRカセッテ内の輝尽性蛍光体シートに励起光を照射し、これによりシートから発光される輝尽光を光電変換し、得られた画像信号をA/D変換して画像データを生成するものである。
ここで入力される患者情報は、例えば患者ID、患者氏名(漢字)、患者氏名(カナ)、患者氏名(ASCII)、性別、生年月日等である。なお、モダリティー2においてこれらすべてを入力する必要はなく、患者情報を何ら入力しないとすることもできる。モダリティー2が患者情報として患者IDのみを入力する仕様である場合には、モダリティー2の入力部は、例えばテンキー等でもよい。
医用画像処理装置3は、モダリティー2により生成された医用画像を患者情報と対応付けてデータベースに保存したり、医用画像に画像処理を施して医師による診断のために表示部に表示したりするための装置であり、一般的なPCに用いられるモニターよりも高精細のモニターを備えるものであってもよい。
また、医用画像処理装置3は、骨塩定量検査機能を備えている。骨塩定量検査は、左手及びアルミスロープ(詳細後述)が撮影された医用画像から骨塩定量を計測する検査である。
医用画像処理装置3は、図2に示すように、制御部31、RAM(Random Access Memory)32、記憶部33、操作部34、表示部35、通信部36、メディアドライブ37、計時部38等を備えて構成されており、各部はバス39により接続されている。
画像DB331は、医用画像や骨塩定量のグラフ画像を格納するためのデータベースである。画像DB331は、画像DB331に格納されている画像に関する各種情報を格納するための画像情報テーブル331aを有している。
画像情報テーブル331aは、図3に示すように、「UID」、「撮影日時」、「検査ID」、「撮影部位」、「患者ID」、「患者氏名」、「年齢」、「性別」、「画像保存先」等の項目を有しており、画像DB331に格納された各画像に係る検査情報、患者情報、画像保存先のパス等を記憶する。
なお、画像保存先として、モダリティー2から送信された医用画像(オリジナル画像という)、オリジナル画像から作成された処理済み画像、オリジナル画像から作成されたサムネイル画像、骨塩定量検査により作成されたグラフ画像、及びグラフ画像から作成されたグラフサムネイル画像、のそれぞれの画像保存先のパスを格納する。画像情報テーブル331aに格納される情報により、医用画像やグラフ画像は、患者情報や検査情報等と対応付けられ、患者情報や撮影日時等をキーとして検索可能に記憶される。
骨塩定量DB332は、図4に示すように、「検査ID」、「計測日時」、「患者ID」、「患者名」、「年齢」、「性別」、「結果値」、「パラメーター」等の項目を有し、骨塩定量検査毎のこれらの情報を格納する。結果値は、例えば、L値、DIP値、MCI等である。パラメーターは、例えば、検査時に指定された2点の座標((X1,Y1)、(X2,Y2))、計測対象領域の座標(左上(X3,Y3)、右下(X4,Y4))、アルミスロープの座標(左上(X5,Y5)、右下(X6,Y6))である。なお、結果値とパラメーターについては、詳細を後述する。
次に、施設内システム1を設置した医療施設における骨塩定量検査の流れ(1)〜(5)について説明する。
(1)まず、受付において、患者の受付が行われる。受付された患者の患者情報は受付装置4により入力され、この患者情報を含む患者情報リストが医用画像処理装置3に送信される。医用画像処理装置3においては、受付装置4から送信された患者情報リストがRAM32に記憶される。
(2)次いで、診察室において、診察や必要な検査の決定が行われる。診察は、問診や、患者の過去のカルテ、画像やレポートの閲覧等により行われる。
(3)骨塩定量検査が必要であると決定された場合、撮影室において、モダリティー2により患者の左手のX線撮影が行われる。
本実施の形態においては、DIP法により骨塩定量検査を行うこととして説明する。
DIP法は、図5に示すように、アルミスロープALと左手第二中手骨Bを並べて等倍でX線撮影して、得られた医用画像におけるアルミスロープALと第二中手骨Bの陰影濃度を比較解析するものである。アルミスロープALは、長手方向に1cmで1mm厚さの変わる斜度のついたアルミニウム製のスロープ部材である。撮影時には、アルミスロープALを患者左手の右隣に、手前に厚い側がくるように配置してモダリティー2によりX線撮影が行われる。
なお、医用画像処理装置3は、後述するように、被写体となる患者の体型の個体差やモダリティー2の装置特性の変化による照射X線量の変動に拘わらず、読影に適した読影用画像を作成することができる。そのため、撮影時には特に個別に調整を行わず、固定の撮影条件で撮影を行うことができる。
(4)左手のX線撮影後、撮影により得られた医用画像は、医用画像処理装置3において取り込まれ、骨塩定量の計測が行われ、結果値やグラフ等の計測結果(検査結果)が出力される。
(5)計測結果に基づいて診断や治療が行われる。
次に、医用画像処理装置3の動作について説明する。
図6に、医用画像処理装置3の制御部31により実行される診断支援処理のフローチャートを示す。診断支援処理は、制御部31と記憶部33に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
ビューアー画面351は、医用画像をモダリティー2から取り込んで読影用に表示するための画面であるが、このビューアー画面351から骨塩量計測の実行を指示したり計測結果を表示したりすることができる。ビューアー画面351は、操作部34の所定の操作により表示部35に表示された患者リスト画面(受付装置4から送信された患者情報リストが表示された画面)から操作部34により診断対象の患者の患者情報を選択することにより表示される。
図7に示すように、ビューアー画面351には、画像を表示するための画像表示欄351a、画像取込ボタン351b、計測ボタン351c、各種ツールボタン351d、印刷ボタン351e、患者表示欄351f、サムネイル表示欄351g、表示画像選択欄351h、終了ボタン351i等が設けられている。
画像取込ボタン351bは、モダリティー2から送信される医用画像を現在診断対象となっている患者(患者表示欄351fに表示されている患者)の画像として取り込むことを指示するためのボタンである。画像取込ボタン351bが押下された場合、次に画像取込ボタン351bが押下されて取り込みの解除が指示されるか又はビューアー画面351が閉じられるか他の画面に遷移するまでの間にモダリティー2から受信された医用画像は、現在診断対象となっている患者の画像として取り込まれる。
計測ボタン351cは、計測メニューの表示を指示するためのボタンである。計測メニューには、骨塩定量計測が含まれる。
患者表示欄351fは、現在診断対象として選択されている患者の患者情報を表示するための欄である。
サムネイル表示欄351gは、画像表示欄351aに表示する医用画像を選択するために、同一患者の医用画像(過去に撮影された画像を含む)のサムネイル画像を表示するための欄である。
表示画像選択欄351hは、サムネイル表示欄351gに表示する画像の分類(CR、骨塩定量(グラフ))を選択するための欄である。
終了ボタン351iは、処理の終了を指示するためのボタンである。
ステップS2においては、通信部36によりモダリティー2からの医用画像が受信されると、受信された医用画像が患者リスト画面において選択された患者の患者情報と対応付けられ、オリジナル画像として画像DB331に保存される。画像情報テーブル331aには、受信した画像のヘッダ部に書き込まれているUID、撮影日時、検査部位、オリジナル画像の保存先パス等が書き込まれる。また、オリジナル画像からサムネイル画像が作成され、画像DB331に保存される。また、作成されたサムネイル画像の保存先パスが画像情報テーブル331aに書き込まれる。
ここで、モダリティー2では、毎回の撮影時には特に個別に調整を行わず、固定の撮影条件で撮影を行っている。そのため、オリジナル画像は、患者の体型(骨塩定量検査の場合は手の厚み)やモダリティー2の装置特性の変化等による照射X線量の変動によって画像にバラツキがある。しかし、読影する画像にバラツキがあると、安定した読影診断ができない。そこで、医用画像処理装置3においては、読影に適した画像を安定して出力するために、オリジナル画像に以下の各種の画像処理を施して、読影用として予め定められた基準を満たした読影用画像が作成される。作成された読影用画像は、画像DB331に保存されるとともに、その保存先パスが画像情報テーブル331aに書き込まれる。
〈照射野認識処理〉
まず入力されたオリジナル画像において照射野認識処理が実行される。照射野とは被写体を介してX線が到達した領域をいい、照射野認識処理では照射野領域と照射野外領域(照射野を除く他の領域)との判別が行われる。これは、偏った信号値(画素のデジタル濃度信号値)の照射野外領域も含めて後続の階調変換処理等を行うと適切な処理がなされないこととなるためである。このように、制御部31は、オリジナル画像データからX線の照射野領域の画像データを認識する照射野認識手段として機能する。
また、本実施の形態においては、オリジナル画像に対して予め設定された大きさの基準領域Mが設定されている。基準領域Mは、後続の骨塩定量測定処理において必要な画像のサイズを規定している。
例えば特開平10−143634号に開示されたように、照射野の所定の点から放射状走査により円形照射野の境界であると考えられる点、即ちエッジ候補点を検出し、このエッジ候補点に対して照射野外部から照射野中心に向かって平滑重視の条件で例えばSNAKES(スネイクス)モデルに代表される動的輪郭抽出アルゴリズムを実行して、エッジ候補点に沿う閉曲線を求める手法を用いてもよい。
また、例えば特開平5−7579号に開示されたように、オリジナル画像を複数の小領域に分割し、この分割領域毎に分散値を求め、求めた分散値に基づいて照射野領域を判別することとしてもよい。通常、照射野外領域では略一様の到達X線量となるため、その小領域の分散値は小さくなる。一方、照射野領域のエッジを含む小領域では到達X線量が大きい部分(照射野外領域)と被写体によって到達X線量がいくらか低減された部分(照射野領域)とが混在することから、分散値は大きくなる。よって、分散値が一定値以上大きい小領域にエッジが含まれるとしてこのような小領域に囲まれる領域を照射野領域と判別する。
図8Aは、オリジナル画像の所定濃度を有する領域(照射野)が基準領域Mとほぼ重なる場合を示し、このとき、枠部Kは、基準領域域Mの外形と重なる位置となる。つまり、このようなオリジナル画像では、基準領域域M内に照射野は認識されないこととなる。
一方、図8Bは、オリジナル画像の所定濃度を有する領域(照射野)が基準領域Mより小さい場合を示し、このとき、枠部Kは、基準領域域M内に位置することとなる。図8Bの画像は、例えば、照射野絞りを使用してX線画像撮影を行った際に得られる画像であり、撮影時に放射線がほとんど照射されない領域(白画像領域)Wが、照射野の周囲に白い枠状に存在している。
また、図示は省略するが、オリジナル画像の所定濃度を有する領域(照射野)が基準領域Mより大きい場合には、枠部Kは、基準領域域Mの外側に位置する。
照射野外黒化処理は、照射野の周囲の白画像領域Wの画像データに一定の濃度となるデータ値を割り当てる(白画像領域Wの画像データを一定の信号値で塗り潰す)処理である。これは、後続の骨塩定量測定処理の際に、白画像領域Wをアルミスロープと誤って検出するのを防止するための処理である。このように、制御部31は、照射野認識手段により認識された照射野領域より外側の白画像領域Wの画像データに対して黒化処理を施す黒化処理手段として機能する。
かかる手法では、先ず、放射線画像の画像データ(Sorg)に基づいて、例えば縦10画素×横10画素の画素マトリックスからなる非鮮鋭マスクを設定し、設定された非鮮鋭マスクに基づいて、各画素ごとに非鮮鋭マスク信号(Sus)を求める。
次に、各画素ごとの非鮮鋭マスク信号(Sus)について、予め設定されたルックアップテーブルを参照し、非鮮鋭マスク信号(Sus)の値に応じた加算成分(f(Sus))を出力する。このとき照射野外領域(Pout)に対応した非鮮鋭マスク信号(Sus)には加算成分αが出力され、照射野領域(Pin)に対応した非鮮鋭マスク信号(Sus)には加算成分0が出力される。つまり、照射野外領域(Pout)に対応した画素については加算成分αが出力され、照射野領域(Pin)に対応した画素については加算成分0が出力される。
そして、画素ごとの加算成分(f(Sus))と当該画素の原画像データ(Sorg)とを加算し、その結果が出力される。このとき照射野外領域(Pout)に対応した画素についての加算処理後の画像データ(Sproc)は、略0に等しい原画像データ(Sorg)と最高濃度値の加算成分(f(Sus))との和であり、最高濃度値を示す。一方、照射野領域(Pin)に対応した画素についての加算処理後の画像データ(Sproc)は、原画像データ(Sorg)と略0に等しい加算成分(f(Sus))との和であり、略原画像データ(Sorg)がそのまま出力されることになる。
よって、照射野外領域は最高濃度で塗り潰され、照射野領域は原画像がそのまま出力される。
また、これ以外にも、例えば特開平9−97321号に開示されたように、照射野外領域の画像信号レベルに基づいて輝度レベルを反転させて表示する手法等を用いることもできる。
図9に示すように、照射野外黒化処理の結果、照射野の周囲に存在した白画像領域Wが塗りつぶされて、図8Aに類似した(基準領域M内に白画像領域Wの存在しない)画像となる。
ここで、図8Aのオリジナル画像に対しても同様の照射野外黒化処理が実行されているが、基準領域M内に白画像領域Wが存在しないため、結果として、基準領域M内では照射野外黒化処理が実行されないのと同様である。
また、照射野認識処理の結果、照射野領域が基準領域域Mの外側にある場合(即ち、基準領域域Mの外側に白画像領域Wが存在した場合、或いは、基準領域域Mと照射野領域が重なった場合)、白画像領域Wを切り出す公知のトリミング処理を行うこととしても良い。このように、制御部31は、照射野領域が基準領域Mの範囲外にある場合、照射野領域より外側の白画像領域Wの画像データを切り出すトリミング処理を行うトリミング手段として機能する。
照射野外黒化処理が行われた後、照射野領域から関心領域(以下、ROI:Region Of Interestという)が設定される。このとき、ROIの設定とともに、基準信号値の設定が行われる。
ROIは、例えば、オリジナル画像の水平方向及び垂直方向を順次走査してそれぞれの方向における信号値のプロファイルを作成し、信号値のプロファイルに基づいて特定することができる。また、パターンマッチングによりROIを特定してもよく、その手法は何れを適用してもよい。
以上のようにして前処理が終了すると、階調変換処理が行われる。
階調変換処理は、オリジナル画像の濃度、コントラストを調整するための処理である。医師がX線画像の読影により人体構造の疾病の有無を診断する場合、X線画像上における構造物の濃度やコントラスト(階調性)に基づき、疾病の有無が判断される。よって、読影に適した濃度、コントラストに調整することにより、医師の疾病の検出作業を支援することができる。
周波数強調処理としては、例えば特公昭62−62373号に示されるアンシャープマスク処理や、特開平9−44645号公報に示される多重解像度解析を適用することができる。この周波数強調処理により、骨等の構造物のエッジが強調された画像を得ることができる。
ダイナミックレンジ圧縮処理としては、例えば特許250950号に示される手法を適用することができる。
医師は、読影用画像を観察することで、撮影がうまくいったか(再撮影が必要であるか否か)を確認することができる。また、計測を必要としない検査の場合、読影用画像を読影して診断を行うことができる。その際、ツールボタン351dを操作して、所望の画質に調整することができる。また、詳細を後述するが、骨塩定量の計測においては、医師等の操作者が左手第二中手骨上の二点を指定する必要がある。この二点の指定を容易にするために、予めツールボタン351dの濃度コントラストボタンや画質調整ボタンを操作して、操作者が二点の指定のしやすい、エッジが強調された画像に調整しておくこともできる。
制御部31は、骨塩定量の計測を実行すると判定しないとき、すなわち、操作部34により、計測ボタン351cの押下及び骨塩定量計測メニューの選択以外の操作が行われたと判定すると(ステップS5;NO)、操作に応じた処理を実行する(ステップS6)。そして、制御部31は、操作部34により終了ボタン351iが押下されたか否かを判定し(ステップS7)、操作部34により終了ボタン351iが押下されたと判定すると(ステップS7;YES)、診断支援処理を終了する。また、制御部31は、操作部34により終了ボタン351iが押下されたと判定しないときは(ステップS7;NO)、ステップS5に移行する。
図11に、骨塩定量画面352の一例を示す。
骨塩定量画面352には、診断対象患者の患者情報352a、撮影部位352b、計測日時352c、測定値352d、コメント欄352e、確定ボタン352f等が表示されている。ステップS102においては、測定値352dとして、骨塩定量DB332に記憶されている、診断対象患者の最終の結果値(即ち、前回結果値)が読み出され、初期表示される。
また、骨塩定量画面352には、二点指定欄352gが設けられている。骨塩定量測定においては、左手の第二中手骨の上端の最も突出している部分と下端の最も凹んでいる部分の二点を指定する必要があり、この二点指定欄352gは、二点を指定するための画像を表示する。
なお、左手第二中子骨の二点の指定は、医師の操作部34による操作以外にも、制御部31により、適切な二点が自動で指定される構成とすることもできる。
まず、図12Aに示すように、指定された二点(X1、Y1)、(X2、Y2)の座標間の距離がL値(骨長)として算出される。
次いで、骨塩定量最適化画像における二点間の中央部の、骨長の10パーセントの部分を縦幅、横幅を固定値とした範囲が測定領域として決定される。
また、パターンマッチング等により画像中のアルミスロープの位置が検出される。ここで、本実施の形態においては、上述したように、読影用画像作成時に照射野黒化処理が実行されるため、オリジナル画像が照射野周囲に白画像領域Wを有する画像(図8B参照)であったとしても、骨塩定量最適化画像には白画像領域Wが存在せず、白画像領域Wがアルミスロープと誤って検出されることが防止されるようになっている。
そして、アルミスロープ像の濃度を基準にして測定領域内の骨の濃度がアルミスロープのどの厚さの部分と一致しているかに基づいて骨濃度GSが算出され、算出された骨濃度の積分値ΣGSを骨幅Dで除した値(ΣGS/D(mmAl))がDIP値(骨塩量)として算出される。
更に、平均骨皮質幅MCI(MCI=(D−d)/D)が算出される。Dは骨幅、dは骨髄幅dである。
図12Bは、左手第二中手骨Bの中央部の断層面及び濃度プロファイルを示す図である。
骨幅D、骨髄幅dは、例えば、図12Bに示すように、左手第二中手骨Bの中央部の濃度プロファイルに基づいて算出することができる。
算出されたL値、DIP値、MCI、測定領域座標(左上(X3,Y3)、右下(X4,Y4))、検出されたアルミスロープの位置座標左上(左上(X5,Y5)、右下(X6,Y6))は、RAM32に一時的に記憶される。
図13に、骨塩定量計測後の骨塩定量画面352を示す。
図13に示すように、ステップS105においては、骨塩定量画面352の測定値352dに、ステップS104における計測により得られた結果であるL値、ΣGS/D、MCIが表示される。また、二点指定欄352gに表示されている画像上に、指定された二点の座標P1、P2、測定領域R1、検出されたアルミスロープの位置R2がアノテーションで表示される。
P1、P2は、操作部34によりそのアノテーションをドラッグアンドドロップすることにより移動させることができる。
制御部31は、操作部34により二点の座標P1、P2の移動が指示されたと判断すると(ステップS106;YES)、ステップS104に戻り、新たに指定された(移動後の)二点を用いて、再度の計測を実行する。
操作部34により、二点の座標P1、P2の移動が指示されず(ステップS106;NO)、確定ボタン352fが押下されると(ステップS107;YES)、制御部31は、計測結果を確定し、骨塩定量最適化画像、結果値及び計測に用いたパラメーターを保存し(ステップS108)、処理は図6のステップS9に移行する。
ステップS108においては、具体的には、骨塩定量DB332に新たなレコードが追加され、結果値及び計測に用いたパラメーター(算出されたL値、DIP値、MCI、二点指定座標((X1,Y1)、(X2,Y2))、測定領域座標(左上(X3,Y3)、右下(X4,Y4))、検出されたアルミスロープの位置座標左上(左上(X5,Y5)、右下(X6,Y6))が書き込まれる。また、骨塩定量最適化画像が画像DB331に保存され、画像情報テーブル331aの、当該検査のレコードの処理済み画像の保存先パスが骨塩定量最適化画像のパスに変更される。
作成されたグラフ画像は、画像DB331に保存され、画像情報テーブル331aの、当該検査のレコードに、グラフ画像の保存先パスが格納される。また、グラフ画像のサムネイル画像が作成され、画像DB331に保存されるとともに、画像情報テーブル331aの、当該検査のレコードに、グラフサムネイル画像の保存先パスが格納される。
図14に、グラフが表示されたビューアー画面351の一例を示す。画像表示欄351aには、ステップS9で作成されたグラフ画像及び計測元となった骨塩定量最適化画像が並べて表示される。
医師は、グラフ画面を確認することで、患者の骨塩量の変化を把握することができ、治療の必要性や方針をたてることができる。
また、グラフと計測元の画像とを並べて表示するので、前回の結果から大きな変化があった場合、計測元の画像を観察することにより、その結果が正しいのか、撮影条件(撮影倍率、撮影角度や手の配置の仕方等)に起因するものなのかの判断が容易となる。
そして、制御部31は、操作部34により終了ボタン351iが押下されたか判断し(ステップS13)、終了ボタン351iが押下されると(ステップS13;YES)、診断支援処理を終了する。一方、終了ボタン351iが押下されないと(ステップS13;NO)、ステップS11に移行する。
このため、白画像領域Wが照射野周囲に形成されたオリジナル画像であっても、読影用画像データの作成時にこの白画像領域Wが塗り潰され、あたかも白画像領域Wが無いような読影用画像データが作成されて、この読影用画像データを用いて骨塩定量計測用画像データが作成される。
よって、骨塩定量の計測時に、白画像領域Wがアルミスロープと間違われて誤検出されるのを防止することができる。
このため、基準領域M内の白画像領域Wが塗りつぶされ、適切な読影用画像データを得ることができる。
このため、基準領域Mからはみ出た白画像領域Wがトリミングされ、適切な読影用画像データを得ることができる。
このため、照射野絞りを使用してX線撮影することで照射野外領域に白画像が写りこんだ医用画像データに対しても、アルミスロープの誤検出が発生せず、正確な骨塩定量の計測を行うことができる。
2 モダリティー
3 医用画像処理装置
4 受付装置
5 イメージャー
6 汎用プリンター
7 クライアントPC
8 ネットワーク
31 制御部(読影用画像作成手段、骨塩定量計測手段、照射野認識手段、黒化処理手段)
32 RAM
33 記憶部
331 画像DB
331a 画像情報テーブル
332 骨塩定量DB
34 操作部
35 表示部
351 ビューアー画面
352 骨塩定量画面
36 通信部
37 メディアドライブ
38 計時部
39 バス
Claims (4)
- 被写体としての中手骨部を標準物質と共にX線撮影することにより得られた医用画像データに画像処理を施して読影用画像データを作成する読影用画像作成手段と、
前記読影用画像作成手段による画像処理に基づき骨塩定量計測用画像データを作成し、当該骨塩定量計測用画像データに基づき骨塩定量を計測する骨塩定量計測手段と、
を備える医用画像処理装置であって、
前記読影用画像作成手段は、
前記医用画像データからX線の照射野領域の画像データを認識する照射野認識手段と、
前記照射野認識手段により認識された前記照射野領域より外側の領域の画像データに対して黒化処理を施す黒化処理手段と、
を備えたことを特徴とする医用画像処理装置。 - 前記黒化処理手段は、前記照射野認識手段により認識された前記照射野領域が予め設定された基準領域の範囲内にある場合、前記基準領域内で且つ前記照射野領域より外側の領域の画像データに対して黒化処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
- 前記読影用画像作成手段は、
前記照射野領域が前記基準領域の範囲外にある場合、前記照射野領域より外側の領域の画像データを切り出すトリミング処理を行うトリミング手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の医用画像処理装置。 - 前記医用画像は、照射野絞りを使用して撮影されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の医用画像処理装置。
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