JP6015418B2 - 医用画像処理装置及びプログラム - Google Patents
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Description
患者の所定部位をX線撮影することにより得られた医用画像に基づいて骨塩定量を計測する骨塩定量計測手段と、
前記骨塩定量計測手段により計測された骨塩定量の結果値と、その計測元の医用画像と、患者情報及び計測日時と、を対応付けて記憶する記憶手段と、
前記骨塩定量計測手段により計測された骨塩定量の結果値及び前記記憶手段に記憶されている同一患者の過去の結果値に基づいて、骨塩定量の経時変化を示すグラフを作成し、前記計測元の医用画像に対応付けて前記記憶手段に記憶させるグラフ作成手段と、
前記記憶手段に記憶されている医用画像が別の患者情報に対応付けし直された場合に、当該医用画像に基づいて計測された骨塩定量の結果値と、前記別の患者情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている骨塩定量の結果値とに基づいて当該医用画像に対応するグラフを作成し直し、当該医用画像に対応付けて前記記憶手段に記憶させるグラフ再作成手段と、
を備える。
前記記憶手段に記憶されている医用画像を前記別の患者情報に対応付けし直すために元の患者情報から切り離した場合に、前記元の患者情報に対応するグラフであって、当該医用画像よりも後にX線撮影された医用画像に対応するグラフが前記記憶手段に存在する場合、当該グラフを前記元の患者情報から切り離した医用画像に基づく骨塩定量の結果値を含まないグラフに更新する第1のグラフ更新手段を備える。
前記記憶手段に記憶されている医用画像が別の患者情報に対応付けし直された場合に、前記別の患者情報に対応するグラフであって、当該医用画像よりも後にX線撮影された医用画像に対応するグラフが前記記憶手段に存在する場合、当該グラフを前記別の患者情報に対応付けし直された医用画像に基づく骨塩定量の結果値を含むグラフに更新する第2のグラフ更新手段を備える。
前記記憶手段に記憶されている医用画像が別の患者情報に対応付けし直された場合に、その旨を通知する通知手段を備える。
コンピューターを、
患者の所定部位をX線撮影することにより得られた医用画像に基づいて骨塩定量を計測する骨塩定量計測手段、
前記骨塩定量計測手段により計測された骨塩定量の結果値と、その計測元の医用画像と、患者情報及び計測日時と、を対応付けて記憶する記憶手段、
前記骨塩定量計測手段により計測された骨塩定量の結果値及び前記記憶手段に記憶されている同一患者の過去の結果値に基づいて、骨塩定量の経時変化を示すグラフを作成し、前記計測元の医用画像に対応付けて前記記憶手段に記憶させるグラフ作成手段、
前記記憶手段に記憶されている医用画像が別の患者情報に対応付けし直された場合に、当該医用画像に基づいて計測された骨塩定量の結果値と、前記別の患者情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている骨塩定量の結果値とに基づいて当該医用画像に対応するグラフを作成し直し、当該医用画像に対応付けて前記記憶手段に記憶させるグラフ再作成手段、
として機能させる。
図1は、本実施の形態における施設内システム1のシステム構成を示すブロック図である。
施設内システム1は、開業医やクリニック等の比較的小規模の医療施設に適用されるシステムであり、図1に示すように、モダリティ2と、医用画像処理装置3と、受付装置4と、イメージャー5と、汎用プリンター6と、クライアントPC(Personal Computer)
7と、から構成されている。施設内システム1を構成する各装置は、例えば図示しないスイッチングハブ等を介してLAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク(以下単に「ネットワーク」という)8に接続されている。医用画像処理装置3は、医師の常駐場所である診察室に設けられたWS(ワークステーション)であることが好ましい。なお、この医用画像処理装置3として作動するWSがモダリティ2の起動や処理条件等を制御する構成としてもよい。
以下、施設内システム1を構成する各装置について説明する。
モダリティ2は、患者の診断対象部位を被写体として撮影を行い、撮影した画像をデジタル変換して医用画像を生成する画像生成装置である。
ここで、CRカセッテは、例えば放射線エネルギーを蓄積する輝尽性蛍光体シートを備える放射線画像変換プレートを内蔵しており、放射線が照射されると被写体の放射線透過率分布に従った量の放射線を輝尽性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に蓄積させ、この輝尽性蛍光体層に被写体の放射線画像を記録するものである。読取装置は、CRカセッテ内の輝尽性蛍光体シートに励起光を照射し、これによりシートから発光される輝尽光を光電変換し、得られた画像信号をA/D変換して画像データを生成するものである。
ここで入力される患者情報は、例えば患者ID、患者氏名(漢字)、患者氏名(カナ)、患者氏名(ASCII)、性別、生年月日等である。なお、モダリティ2においてこれらすべてを入力する必要はなく、患者情報を何ら入力しないとすることもできる。モダリティ2が患者情報として患者IDのみを入力する仕様である場合には、モダリティ2の入力部は、例えばテンキー等でもよい。
えるものであってもよい。
また、医用画像処理装置3は、骨塩定量検査機能を備えている。骨塩定量検査は、左手及びアルミスロープ(詳細後述)が撮影された医用画像から骨塩定量を計測する検査である。
記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAM32に展開し、展開されたプログラムに従って後述する診断支援処理、骨塩定量計測処理をはじめとする各種処理を実行することで、骨塩定量計測手段、グラフ作成手段、グラフ再作成手段、第1のグラフ更新手段、第2のグラフ更新手段として機能する。
れる。記憶部33には、前述のように各種プログラムが記憶されているほか、医用画像を読影診断に適した画質に調整するための画像処理パラメーター(階調処理に用いる階調曲線を定義したルックアップテーブル(LUT)等)等が記憶されている。また、骨塩定量の計測で用いられる各種パラメーターの固定値(例えば、骨塩定量最適化画像の作成に用いるLUT、G値、S値)、若年成人平均値(YAM)、男女別年代別平均値等が記憶されている。
患者情報DB330は、受付装置4から受信した患者情報リストを格納するためのデータベースである。
画像DB331は、医用画像や骨塩定量のグラフ画像を格納するためのデータベースである。画像DB331は、画像DB331に格納されている画像に関する各種情報を格納するための画像情報テーブル331aを有している。
画像情報テーブル331aは、図3に示すように、「UID」、「撮影日時」、「検査ID」、「撮影部位」、「患者ID」、「患者氏名」、「年齢」、「性別」、「画像保存先」等の項目を有しており、画像DB331に格納された各画像に係る検査情報、患者情報、画像保存先のパス等を記憶する。なお、画像保存先として、モダリティ2から送信された医用画像(オリジナル画像という)、オリジナル画像から作成された処理済み画像、オリジナル画像から作成されたサムネイル画像、骨塩定量検査により作成されたグラフ画像、及びグラフ画像から作成されたグラフサムネイル画像、のそれぞれの画像保存先のパスを格納する。画像情報テーブル331aに格納される情報により、医用画像とグラフ画像は、互いに対応付けられるとともに、患者情報や検査情報等と対応付けられ、患者情報や撮影日時等をキーとして検索可能に記憶される。
次に、施設内システム1を設置した医療施設における骨塩定量検査の流れ(1)〜(5)について説明する。
(1)まず、受付において、患者の受付が行われる。受付された患者の患者情報は受付装置4により入力され、この患者情報を含む患者情報リストが医用画像処理装置3に送信される。医用画像処理装置3においては、受付装置4から送信された患者情報リストがRAM32に記憶される。
(2)次いで、診察室において、診察や必要な検査の決定が行われる。診察は、問診や、患者の過去のカルテ、画像やレポートの閲覧等により行われる。
(3)骨塩定量検査が必要であると決定された場合、撮影室において、モダリティ2により患者の左手のX線撮影が行われる。
本実施の形態においては、DIP法により骨塩定量検査を行うこととして説明する。DIP法は、図5に示すように、アルミスロープALと左手第二中手骨Bを並べて等倍でX線撮影して、得られた医用画像におけるアルミスロープALと第二中手骨Bの陰影濃度を比較解析するものである。アルミスロープALは、長手方向に1cmで1mm厚さの変わる斜度のついたアルミニウム製のスロープ部材である。撮影時には、アルミスロープALを患者左手の右隣に、手前に厚い側がくるように配置してモダリティ2によりX線撮影が行われる。
なお、医用画像処理装置3は、後述するように、被写体となる患者の体型の個体差やモダリティ2の装置特性の変化による照射X線量の変動に拘わらず、読影に適した読影用画像を作成することができる。そのため、撮影時には特に個別に調整を行わず、固定の撮影条件で撮影を行うことができる。
(4)左手のX線撮影後、撮影により得られた医用画像は、医用画像処理装置3において取り込まれ、患者情報と対応付けられてオリジナル画像として画像DB331に記憶される。また、オリジナル画像から読影用画像及び骨塩定量最適化画像が作成され、骨塩定量最適化画像に基づいて骨塩定量の計測が行われ、結果値やグラフ等の計測結果を示すグラフ画像が作成される。作成された骨塩定量最適化画像及びグラフ画像は、オリジナル画像及びその患者情報に対応付けて画像DB331に記憶される。
(5)計測結果に基づいて診断や治療が行われる。
次に、医用画像処理装置3の動作について説明する。
医用画像処理装置3においては、診断支援処理を実行することで、上述の診断の流れの(4)の動作が実現される。
図6に、医用画像処理装置3の制御部31により実行される診断支援処理のフローチャートを示す。診断支援処理は、制御部31と記憶部33に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
画像取込ボタン351bは、モダリティ2から送信される医用画像を現在診断対象となっている患者(患者表示欄351fに表示されている患者)の画像として取り込むことを指示するためのボタンである。画像取込ボタン351bが押下された場合、次に画像取込ボタン351bが押下されて取り込みの解除が指示されるか又はビューアー画面351が閉じられるか他の画面に遷移するまでの間にモダリティ2から受信された医用画像は、現在診断対象となっている患者の画像として取り込まれる。
計測ボタン351cは、計測メニューの表示を指示するためのボタンである。計測メニューには、骨塩定量計測が含まれる。
患者表示欄351fは、現在診断対象として選択されている患者の患者情報を表示するための欄である。
サムネイル表示欄351gは、画像表示欄351aに表示する医用画像を選択するために、同一患者の医用画像(過去に撮影された画像を含む)のサムネイル画像を表示するための欄である。
表示画像選択欄351hは、サムネイル表示欄351gに表示する画像の分類(CR、骨塩定量(グラフ))を選択するための欄である。
ステップS2においては、通信部36によりモダリティ2からの医用画像が受信されると、受信された医用画像が患者リスト画面において選択された患者の患者情報と対応付けられ、オリジナル画像として画像DB331に保存される。画像情報テーブル331aには、新たなレコード(当該検査のレコード)が追加され、選択された患者の患者情報、受信した画像のヘッダ部に書き込まれているUID、撮影日時、検査部位、検査ID、オリジナル画像の保存先パス等が書き込まれる。また、オリジナル画像からサムネイル画像が作成され、画像DB331に保存される。また、作成されたサムネイル画像の保存先パスが画像情報テーブル331aの当該検査のレコードに書き込まれる。
ここで、モダリティ2では、毎回の撮影時には特に個別に調整を行わず、固定の撮影条件で撮影を行っている。そのため、オリジナル画像は、患者の体型(骨塩定量検査の場合は手の厚み)やモダリティ2の装置特性の変化等による照射X線量の変動によって画像にバラツキがある。しかし、読影する画像にバラツキがあると、安定した読影診断ができない。そこで、医用画像処理装置3においては、読影に適した画像を安定して出力するために、オリジナル画像に画像処理を施して、読影用として予め定められた基準を満たした読影用画像が作成される。画像処理の内容としては、例えば、階調変換処理、周波数強調処理、ダイナミックレンジ圧縮処理等が挙げられる。作成された読影用画像は、画像DB331に保存されるとともに、その保存先パスが画像情報テーブル331aの当該検査のレコードの処理済み画像の保存先パスに書き込まれる。
〈照射野認識処理〉
階調変換処理、周波数強調処理等の前提として、まず入力されたオリジナル画像において照射野認識処理が実行される。照射野とは被写体を介してX線が到達した領域をいい、照射野認識処理ではこの照射野領域と照射野外領域(照射野を除く他の領域)との判別が行われる。これは、偏った信号値(画素のデジタル濃度信号値)の照射野外領域も含めて階調変換処理等を行うと適切な処理がなされないためである。
照射野領域が判別されると、この照射野領域から関心領域(以下、ROI:Region Of Interestという)が設定される。このとき、ROIの設定とともに、基準信号値の設定が行われる。
ROIは、例えば、オリジナル画像の水平方向及び垂直方向を順次走査してそれぞれの方向における信号値のプロファイルを作成し、信号値のプロファイルに基づいて特定することができる。また、パターンマッチングによりROIを特定してもよく、その手法は何れを適用してもよい。
以上のようにして前処理が終了すると、階調変換処理が行われる。
階調変換処理は、オリジナル画像の濃度、コントラストを調整するための処理である。医師がX線画像の読影により人体構造の疾病の有無を診断する場合、X線画像上における構造物の濃度やコントラスト(階調性)に基づき、疾病の有無が判断される。よって、読影に適した濃度、コントラストに調整することにより、医師の疾病の検出作業を支援することができる。
図8A、図8Bの座標系において、第4象限は、モダリティ2の輝尽性蛍光体プレートへの到達X線量と、オリジナル画像の信号値との関係(モダリティ2の読取特性)を示している。また、第3象限は、オリジナル画像の信号値と、正規化処理が施された後の正規化信号値の関係(正規化特性)を示している。第2象限は、正規化信号値と、基本LUTにより変換された読影用画像の信号値(デジタル濃度信号値)との関係(階調変換特性)を示している。なお、ここでは読影用画像の信号値を0〜4095の12ビット分解能としている。
G=(D2−D1)/(logE2−logE1)・・・(1)
ここで、
D1=0.25+Fog、D2=2.0+Fog、Fog=0.2であり、
E1、E2はそれぞれD2、D1に対応する入射X線量である。
胸部や乳房等の人体各部位を観察対象とする場合、G値は一般に、2.5〜5.0程度のものが用いられることが多い。
S=QR×P1/P2・・・(2)
ここで、
QRは量子化領域値であり、P1は信号値1535(QR=200、出力濃度1.2)となる到達X線量、P2は階調変換後の画像で出力濃度1.2となった画素の実際の到達X線量である。
P1の値は、撮影前の量子化領域QR値の設定で一意に決まるものである。
周波数強調処理としては、例えば特公昭62−62373号に示されるアンシャープマスク処理や、特開平9−44645号公報に示される多重解像度解析を適用することができる。周波数強調処理では、下記の式(3)で示される演算を行ってオリジナル画像に含まれるあるマスクサイズの特定の周波数成分に強調係数αを乗じて強調することにより、オリジナル画像から所望の鮮鋭度の画像を得る。
S=So+α(So−Sus)・・・(3)
なお、 S :周波数処理画像信号
So :オリジナル画像信号
Sus:非鮮鋭画像信号
α :強調係数
ここで、非鮮鋭画像信号Susは、注目画素を中心として一辺が2N+1画素(Nは正の整数)の正方形領域(マスク)を設定し、マスク内の画素値の平均値を中心画素の非鮮鋭画像信号としたものである。
周波数強調処理により、骨等の構造物のエッジが強調された画像を得ることができる。
ダイナミックレンジ圧縮処理としては、例えば特許250950号に示される手法を適用することができる。ダイナミックレンジ圧縮処理では、下記の式(4)で示される演算を行って、ある信号値Aより低濃度領域の画像信号に補正係数βを乗じて補正を行うことにより、当該低濃度領域の濃度階調を圧縮する。
S=So+β(A−Sus)・・・(4)
ただし、β=βL(Sus≦A)
β=βH(Sus>A)
なお、 S :ダイナミックレンジ圧縮処理画像信号
So :オリジナル画像信号
Sus:非鮮鋭画像信号
β :補正係数
A :定数(閾値)
以上のように、オリジナル画像に階調変換処理、周波数強調処理、ダイナミックレンジ圧縮処理を施すことにより、読影用画像が作成される。
そこで、本実施の形態においては、骨塩定量の計測が指示された際に自動的に骨塩定量最適化画像作成処理を実行して読影用画像から骨塩定量の計測に適した骨塩定量最適化画像を作成し、計測に用いることで、読影用画像を用いて計測することにより計測結果が誤ることを防止することができる。
図10に、骨塩定量画面352の一例を示す。骨塩定量画面352には、診断対象患者の患者情報352a、撮影部位352b、計測日時352c、測定値352d、コメント欄352e、確定ボタン352f等が表示されている。ステップS102においては、測定値352dとして、骨塩定量DB332に記憶されている、診断対象患者の最終の結果値(即ち、前回結果値)が読み出され、初期表示される。
また、骨塩定量画面352には、二点指定欄352gが設けられている。骨塩定量測定においては、左手の第二中手骨の上端の最も突出している部分と下端の最も凹んでいる部分の二点を指定する必要があり、この二点指定欄352gは、二点を指定するための画像を表示する。
まず、図11Aに示すように、指定された二点(X1、Y1)、(X2、Y2)の座標間の距離がL値(骨長)として算出される。次いで、骨塩定量最適化画像における二点間の中央部の、骨長の10パーセントの部分を縦幅、横幅を固定値とした範囲が測定領域として決定されるとともに、パターンマッチング等により画像中のアルミスロープの位置が検出される。そして、アルミスロープ像の濃度を基準にして測定領域内の骨の濃度がアルミスロープのどの厚さの部分と一致しているかに基づいて骨濃度GSが算出され、算出された骨濃度の積分値ΣGSを骨幅Dで除した値(ΣGS/D(mmAl))がDIP値(骨塩量)として算出される。更に、平均骨皮質幅MCI(MCI=(D−d)/D)が算出される。Dは骨幅、dは骨髄幅である。図11Bは、左手第二中手骨Bの中央部の断層面及び濃度プロファイルを示す図である。骨幅D、骨髄幅dは、例えば、図11Bに示すように、左手第二中手骨Bの中央部の濃度プロファイルに基づいて算出することができる。
算出されたL値、DIP値、MCI、測定領域座標(左上(X3,Y3)、右下(X4,Y4))、検出されたアルミスロープの位置座標左上(左上(X5,Y5)、右下(X6,Y6))は、RAM32に一時的に記憶される。
操作部34により、二点の座標P1、P2の移動が指示されず(ステップS106;NO)、確定ボタン352fが押下されると(ステップS107;YES)、計測結果が確定され、骨塩定量最適化画像、結果値及び計測に用いたパラメーターが保存され(ステップS108)、処理は図6のステップS9に移行する。ステップS108においては、具体的には、骨塩定量DB332に新たなレコードが追加され、当該検査の検査ID、計測日時、患者情報、結果値及び計測に用いたパラメーター(算出されたL値、DIP値、MCI、二点指定座標((X1,Y1)、(X2,Y2))、測定領域座標(左上(X3,Y3)、右下(X4,Y4))、検出されたアルミスロープの位置座標左上(左上(X5,Y5)、右下(X6,Y6))が書き込まれる。また、骨塩定量最適化画像が画像DB331に保存され、画像情報テーブル331aの、当該検査のレコードの処理済み画像の保存先パスが骨塩定量最適化画像のパスに変更される。これにより、骨塩定量最適化画像及び計測結果の結果値が患者情報及びオリジナル画像に1:1で対応付けて記憶される。
ステップS9においては、まず、例えば、横軸を日付、縦軸をΣGS/D(mmAl)としたグラフ領域が描画される。次いで、骨塩定量DB332から診断対象の患者の患者IDと同一患者IDを持つ今回及び過去の結果値のレコードが検索され、検索されたレコードのΣGS/Dがグラフ領域に日付順にプロットされる。また、グラフとともに、検索されたレコードのΣGS/DとMCIの値の経時的な変化を一覧にした結果一覧表が作成される。更に、骨塩定量DB332に記憶されている結果値に基づいて、今回の結果が同性同年代の平均値の何パーセントか(同年代比)、若年成人平均値(YAM)の何パーセントか(YAM比)、が算出され、患者情報、今回の結果値の数値、同年代比、YAM比、グラフ、結果一覧表を含む1枚のグラフ画像が作成される。画像のファイルフォーマットは、PNG、JPEG、PDF等、何れでも良い。作成されたグラフ画像は、画像DB331に保存され、画像情報テーブル331aの、当該検査のレコードに、グラフ画像の保存先パスが格納される。また、グラフ画像のサムネイル画像が作成され、画像DB331に保存されるとともに、画像情報テーブル331aの、当該検査のレコードに、グラフサムネイル画像の保存先パスが格納される。これにより、グラフ画像及びグラフサムネイル画像が患者情報及びオリジナル画像に1:1で対応付けて記憶される。
図13に、グラフ画像が表示されたビューアー画面351の一例を示す。画像表示欄351aには、ステップS9で作成されたグラフ画像及び計測元となった骨塩定量最適化画像が並べて表示される。
医師は、グラフ画面を確認することで、患者の骨塩量の変化を把握することができ、治療の必要性や方針をたてることができる。また、グラフ画像と計測元の画像とを並べて表示するので、前回の結果から大きな変化があった場合、計測元の画像を観察することにより、その結果が正しいのか、撮影条件(撮影倍率、撮影角度や手の配置の仕方等)に起因するものなのかの判断が容易となる。
操作部34により終了ボタン351iが押下されると(ステップS13;YES)、診断支援処理は終了する。
(a)医用画像に基づいて作成されたグラフ画像を削除する。
(b)医用画像を誤った患者の患者情報から切り離す。
(c)医用画像を正しい患者の患者情報に対応付けし直す。
(d)正しい患者についてのビューアー画面351から骨塩定量計測処理を再度実施し、グラフ画像を作成し直す。
(e)誤った患者と正しい患者に対し、患者情報を対応付けし直した医用画像よりも後に撮影された医用画像に対応するグラフ画像が作成されていた場合には、そのグラフ画像を作成し直す。
また、正しい患者の患者情報に医用画像を再割り付けした後、再割り付け先の患者のビューアー画面351を開く操作が行われた際に、既に医用画像から取得されている結果値やパラメーターを利用して再割り付け先の患者についてのグラフ画像を自動的に再作成する(グラフ再作成処理)。更に、正しい患者に対し、患者情報を対応付けし直した医用画像よりも後に撮影された医用画像に対応するグラフ画像が作成されていた場合には、そのグラフ画像を作成し直して更新する。
これにより、骨塩定量の計測元の医用画像を正しい患者の患者情報に対応付けし直した場合の再計測の手間を省くとともに、誤ったグラフ画像の削除漏れや必要なグラフ画像の作成し忘れを防止することを可能とする。
まず、患者切り離し処理について説明する。
図14に、医用画像処理装置3の制御部31により実行される患者切り離し処理のフローチャートを示す。患者切り離し処理は、誤った患者(医用画像の移動元の患者)についてのビューアー画面351上の操作に応じて制御部31と記憶部33に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
図15に、ビューアー画面351上におけるステップS21〜S22の操作の一例を示す。図15に示すように、対象となる医用画像を選択し、右クリックメニューMから「名称未設定に移動」を選択することで、患者情報の切り離しを行うことができる。
ステップS23においては、選択された医用画像のUIDを有するレコードが画像DB331の画像情報テーブル331aから検索され、検索されたレコードにグラフ画像の保存先パスが格納されている場合に、骨塩定量検査済みの医用画像であると判断される。
図16に、ステップS24において表示されるメッセージ画面353の一例を示す。図16に示すように、メッセージ画面353には、「この画像を名称未設定フォルダー333に移動しますか?本作業を行うと移動する画像に紐付いた骨塩定量のグラフは削除されます」等のメッセージ353a、名称未設定フォルダー333への移動を指示するための「はい」ボタン353b、及び名称未設定フォルダー333への移動をキャンセルすることを指示するための「いいえ」ボタン353cが表示される。
ステップS27においては、具体的には、ステップS23の判断に際して検索されたレコードのオリジナル画像、サムネイル画像、処理済み画像の保存先パスに記憶されているオリジナル画像、サムネイル画像、骨塩定量最適化画像が名称未設定フォルダー333に移動される。また、ステップS23の判断に際して検索された画像情報テーブル331aの各項目の情報は、患者情報及び保存先パスの情報が削除された上で未確定画像情報テーブル333aの追加したレコードに移動される(画像DB331からは削除される)。また、未確定画像情報テーブル333aの追加したレコードの保存先パスの項目には、名称未設定フォルダー333に移動されたオリジナル画像、サムネイル画像、骨塩定量最適化画像の保存先パスの情報が書き込まれる。更に、骨塩定量DB332の、未確定画像情報テーブル333aに追加したレコードと同一検査IDのレコードの患者情報が削除される。
そこで、ステップS28においては、移動元の患者情報に係るグラフ画像であって、名称未設定フォルダー333に移動した医用画像よりも後に撮影された医用画像に対応するグラフ画像は、移動した医用画像に基づく結果値を含まない、移動元の患者についての結果値のみで構成されたグラフ画像に更新される。具体的には、移動元の患者情報に対応付けて骨塩定量DB332に記憶されている結果値(移動した医用画像よりも後に撮影された医用画像に対応する骨塩定量の結果値及びその直前の過去5回分の結果値)に基づいて、移動した医用画像よりも後にX線撮影された医用画像に対応するグラフ画像が作成し直され、更新される。
次に、再割り付け処理について説明する。
図17に、医用画像処理装置3の制御部31により実行される再割り付け処理のフローチャートを示す。再割り付け処理は、制御部31と記憶部33に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
図18Aに、名称未設定画面354の一例を示す。図18Aに示すように、名称未設定画面354には、名称未設定フォルダー333内の未確定画像が表示される未確定画像表示欄354aと、患者情報DB330に記憶されている患者情報リストを表示するための患者情報リスト欄354bと、患者情報リスト欄354bに表示される患者情報の検索条件や並び順を入力するための検索条件入力欄354cと、患者リスト画面に戻ることを指示するための戻るボタン354dと、が設けられている。
なお、再割り付けされたデータは名称未設定フォルダー333及び未確定画像情報テーブル333aから削除される。
次に、グラフ再作成処理について説明する。
図20に、医用画像処理装置3の制御部31により実行されるグラフ再作成処理のフローチャートを示す。グラフ再作成処理は、患者リスト画面からの再割り付けフラグが設定された患者情報の選択操作に応じて実行される処理であり、制御部31と記憶部33に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
図21に、メッセージ画面356の一例を示す。図21に示すように、メッセージ画面356には、「骨塩定量を計測した画像が登録されました。グラフを更新します」等のメッセージ356aと、ユーザーが承諾したことを入力するための「はい」ボタン356bが設けられている。
具体的には、骨塩定量DB332に記憶されている、再割り付けフラグが設定された医用画像の検査IDと検査IDが一致するレコードの結果値、及び選択された患者の患者IDと同一患者IDを持つ過去のレコードの結果値に基づいて、図6のステップS9で説明したのと同様の処理により、再割り付けフラグが設定された医用画像に対応する、上記選択された患者についてのグラフ画像及びグラフサムネイル画像が自動的に作成し直され、画像DB331に記憶される。
従って、骨塩定量の計測元の医用画像を正しい患者の患者情報に対応付けし直した場合の再計測の手間を省くとともに、再作成が必要な骨塩定量のグラフ画像の作成し忘れを防止することができる。
従って、ユーザーが、切り離された医用画像に基づく骨塩定量の結果値を含む元の患者のグラフ画像を特定してビューアー画面上で選択したり、再度骨塩定量計測処理を指示したりする等の作業をしなくても、自動的に元の患者の結果値のみを含む正しいグラフ画像に更新されるので、再作成が必要な元の患者のグラフ画像の作成し忘れを防止することができる。
従って、再割り付けされた医用画像に基づく骨塩定量の結果値を含んでいない再割り付け先の患者のグラフ画像を特定してビューアー画面上で選択したり、再度骨塩定量計測処理を指示したりする等の作業をしなくても、自動的に再割り付けされた医用画像に基づく骨塩定量の結果値を含む正しいグラフ画像に更新されるので、再作成が必要な再割り付け先の患者のグラフ画像の作成し忘れを防止することができる。
従って、ユーザーが骨塩定量計測済みの医用画像が再割り付けされたことを認識することが可能となる。
また、上記実施形態においては、グラフを画像化することとして説明したが、これに限定されるものではない。
の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
2 モダリティ
3 医用画像処理装置
4 受付装置
5 イメージャー
6 汎用プリンター
7 クライアントPC
8 ネットワーク
31 制御部
32 RAM
33 記憶部
330 患者情報DB
331 画像DB
331a 画像情報テーブル
332 骨塩定量DB
333 名称未設定フォルダー
34 操作部
35 表示部
351 ビューアー画面
352 骨塩定量画面
353 メッセージ画面
354 名称未設定画面
355 確認画面
356 メッセージ画面
36 通信部
37 メディアドライブ
38 計時部
39 バス
Claims (5)
- 患者の所定部位をX線撮影することにより得られた医用画像に基づいて骨塩定量を計測する骨塩定量計測手段と、
前記骨塩定量計測手段により計測された骨塩定量の結果値と、その計測元の医用画像と、患者情報及び計測日時と、を対応付けて記憶する記憶手段と、
前記骨塩定量計測手段により計測された骨塩定量の結果値及び前記記憶手段に記憶されている同一患者の過去の結果値に基づいて、骨塩定量の経時変化を示すグラフを作成し、前記計測元の医用画像に対応付けて前記記憶手段に記憶させるグラフ作成手段と、
前記記憶手段に記憶されている医用画像が別の患者情報に対応付けし直された場合に、当該医用画像に基づいて計測された骨塩定量の結果値と、前記別の患者情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている骨塩定量の結果値とに基づいて当該医用画像に対応するグラフを作成し直し、当該医用画像に対応付けて前記記憶手段に記憶させるグラフ再作成手段と、
を備える医用画像処理装置。 - 前記記憶手段に記憶されている医用画像を前記別の患者情報に対応付けし直すために元の患者情報から切り離した場合に、前記元の患者情報に対応するグラフであって、当該医用画像よりも後にX線撮影された医用画像に対応するグラフが前記記憶手段に存在する場合、当該グラフを前記元の患者情報から切り離した医用画像に基づく骨塩定量の結果値を含まないグラフに更新する第1のグラフ更新手段を備える請求項1に記載の医用画像処理装置。
- 前記記憶手段に記憶されている医用画像が別の患者情報に対応付けし直された場合に、前記別の患者情報に対応するグラフであって、当該医用画像よりも後にX線撮影された医用画像に対応するグラフが前記記憶手段に存在する場合、当該グラフを前記別の患者情報に対応付けし直された医用画像に基づく骨塩定量の結果値を含むグラフに更新する第2のグラフ更新手段を備える請求項1又は2に記載の医用画像処理装置。
- 前記記憶手段に記憶されている医用画像が別の患者情報に対応付けし直された場合に、その旨を通知する通知手段を備える請求項1〜3の何れか一項に記載の医用画像処理装置。
- コンピューターを、
患者の所定部位をX線撮影することにより得られた医用画像に基づいて骨塩定量を計測する骨塩定量計測手段、
前記骨塩定量計測手段により計測された骨塩定量の結果値と、その計測元の医用画像と、患者情報及び計測日時と、を対応付けて記憶する記憶手段、
前記骨塩定量計測手段により計測された骨塩定量の結果値及び前記記憶手段に記憶されている同一患者の過去の結果値に基づいて、骨塩定量の経時変化を示すグラフを作成し、前記計測元の医用画像に対応付けて前記記憶手段に記憶させるグラフ作成手段、
前記記憶手段に記憶されている医用画像が別の患者情報に対応付けし直された場合に、当該医用画像に基づいて計測された骨塩定量の結果値と、前記別の患者情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている骨塩定量の結果値とに基づいて当該医用画像に対応するグラフを作成し直し、当該医用画像に対応付けて前記記憶手段に記憶させるグラフ再作成手段、
として機能させるためのプログラム。
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