JP2015098682A - 鋼管矢板連結構造 - Google Patents
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Abstract
Description
つまり、溶接に関しては、設置済みの下方側の鋼管矢板の上方に、連結対象の鋼管矢板を配置して、位置合わせを行いながら矢板継手の全周にわたって溶接を実施する関係上、工場で実施する溶接工に比べて時間と熟練が要する。更には、溶接に伴って煙(溶接ヒューム)が発生するから周囲環境に悪影響を与える危険性もある。
また、接着に関しても、溶接と同様に、建て込む鋼管矢板の位置合わせと保持を行いながらの接着作業となることに加えて、養生時間が必要となるから、連結に時間が掛かる問題がある。
また、鋼管矢板どうしの連結作業においては、管軸芯方向に対向する矢板継手間にシール材を位置させた状態で、鋼管継手どうしの連結を行えうだけの簡単な操作によって、鋼管矢板どうしを連結することができる。
即ち、鋼管継手どうしを連結する手順内で、矢板継手どうしも水密状態に連結でき、鋼管矢板どうしの連結作業を、簡単に且つ迅速に実施できる。しかも、溶接を使用しないから煙等が発生せず、周囲環境への悪影響も防止できる。
矢板継手へのシール材の嵌着に関しては、嵌着構造は、特に限定されるものではない。例えば、シール材に、矢板継手の縁部を内嵌自在な凹溝を備えた構造や、逆に、矢板継手の縁部に、シール材を内嵌自在な凹溝を備えた構造や、溝以外にも、突起とその突起が嵌入自在な嵌入穴等の嵌着構造等、適宜、選択することが可能である。
また、シール材が矢板継手どうしの連結部から外方へはみ出し難くできるから、鋼管矢板の建て込み時に、シール材が外部地盤と強く当接して破損したり脱落することを防止しやすい。
鋼管矢板Pは、鋼管1の両端部に、管軸芯X方向に連結する別の鋼管1との機械継手部材(鋼管継手に相当)2をそれぞれ溶接によって取り付け、鋼管1の両側面のほぼ全長にわたって、並設させる別の鋼管矢板との矢板継手部材(矢板継手に相当)3をそれぞれ溶接によって取り付けて構成してある。
また、深さ方向に関しては、機械継手部材2どうしを嵌合連結して複数の鋼管矢板Pを継ぎ足すことで、所定の長さ寸法を確保することができる。
尚、図には示さないが、矢板継手部材3どうしを嵌合させて所定深度まで建て込んだら、嵌合済みの矢板継手部材3どうしの嵌合空間内に、例えば、セメントミルク等の充填材を充填し、両鋼管矢板Pどうしの良好な連結状態を維持できるようにすることが多い。
また、鋼管矢板Pどうしの連結端部で下方に位置している矢板継手部材3の上端面3aには、図3、図4に示すように、全周にわたって凹溝7が形成されている。一方、鋼管矢板Pどうしの連結端部で上方に位置している矢板継手部材3の下端面は、平坦面として形成されている。
シール材Sは、例えば、ゴム製(合成ゴムや天然ゴム)の成型品であり、矢板継手部材3の上端面3aに開口する状態に形成された凹溝7に嵌着してある。
図3(a)は、凹溝7にシール材Sを嵌着させている状況を示している。
図3(b)、図4(a)は、鋼管矢板Pどうしの連結過程を示しており、上下の鋼管矢板Pを、機械継手部材2で連結操作するだけで、上下の矢板継手部材3どうしも、シール材Sが介在する状態に連結される(図4参照)。
図3(c)、図4(b)は、上下の鋼管矢板Pどうしが連結された状況を示している。
上下の矢板継手部材3によってシール材Sが圧縮されていることで、弾性変形したシール材Sが両矢板継手部材3間を水密状態にシールすることができる。
また、シール材Sは、矢板継手部材3の凹溝7に嵌着しておけるので、シール材Sの脱落のない状態で鋼管矢板Pどうしの連結を行うことができる。
従って、鋼管矢板Pどうしの連結作業を、簡単に且つ迅速に実施できる。
しかも、溶接を使用しないから煙等が発生せず、周囲環境への悪影響も防止できる。
以下に他の実施の形態を説明する。
例えば、両端部に形成してある鋼管継手2の形状変更も可能である。
また、矢板継手3は、図11(a)に示すように、断面形状が「C」字形状の鋼材どうしの組み合わせに限るものではなく、例えば、図11(b)、図11(c)に示すように、断面形状が「T」字形状の鋼材や、図11(c)に示すように、断面形状が「L」字形状の2つの鋼材を使用するもの等の組合せによる構成であってもよい。
また、鋼管1に対する矢板継手3の取付位置や取付箇所数の変更も可能で、例えば、鋼管1の周方向での1箇所のみに設けてあるものや、3箇所以上の複数箇所に設けてあるものであってもよい。更には、複数の矢板継手3の周方向での各配置関係も適宜変更が可能である。
また、シール材Sのすべてを水膨張性を備えた材料で構成することに限らず、一部分のみ水膨張性を備えた材料で構成してあってもよい。
例えば、凹溝7は、連結端部で下方に位置する矢板継手3の上端面3aにのみ形成してあることに限らず、例えば、連結端部で上方に位置する矢板継手3の下端面3bのみに形成してあったり、図6、図7に示すように、連結端部で対向する上下の矢板継手3それぞれに凹溝7を形成してあってもよい。この場合、シール材Sが外部に暴露され難いので、より耐久性の向上を図ることができる。
また、凹溝7は、先の実施形態で説明した形状のものに限るものではなく、例えば、図8に示すように、矢板継手3の端部に、端面と側面とに開放する切欠を形成すると共に、側面側に壁となる部材8を固着して、壁となる部材8で切欠を仕切ることで同様の凹溝7を形成するものであってもよい。この場合、切欠を形成する作業を、外周側の広い空間を使用して実施できるから、効率的に凹溝7を形成することが可能となる。
また、矢板継手3にシール材Sを嵌着させる凹溝7を形成する嵌合形式に替えて、図9、図10に示すように、シール材Sに凹溝9を形成しておき、矢板継手3の端部にシール材Sを外嵌状態に嵌着するものであってもよい。
3 矢板継手部材(矢板継手に相当)
7 凹溝
P 鋼管矢板
S シール材
X 管軸芯
Claims (3)
- 連結端部に鋼管継手を備えた鋼管矢板どうしを、互いの前記鋼管継手を嵌合させて管軸芯方向に沿って連結してある鋼管矢板連結構造であって、
前記鋼管矢板の側面に、前記管軸芯方向に沿って矢板継手を設け、
前記鋼管矢板の互いの連結端部で、前記管軸芯方向に対向する前記矢板継手どうしにわたって、シール材を設けてある鋼管矢板連結構造。 - 前記シール材は、前記管軸芯方向に対向する前記矢板継手の少なくとも何れか一方に嵌着してある請求項1に記載の鋼管矢板連結構造。
- 前記シール材は、前記矢板継手の端面に形成した凹溝に内嵌させてある請求項1に記載の鋼管矢板連結構造。
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