JP2015093242A - 熱機関の排ガス浄化装置および排ガス浄化方法 - Google Patents

熱機関の排ガス浄化装置および排ガス浄化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ゼオライト成分を含むNOx浄化触媒を利用する熱機関の排ガス浄化装置において、当該熱機関から排出される酸素過剰雰囲気の排ガスの温度が変動しても、当該排ガス中のNOx成分を高度に浄化すること。
【解決手段】
CO及びHCの酸化反応における化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気の排ガスを排出するための排ガス流路を備える熱機関の排ガス浄化装置において、当該排ガス流路内に配置され、ゼオライト成分を含み、排ガス中のNOxを浄化するNOx浄化触媒を備え、当該NOx浄化触媒へ流入する前に排ガス中のCO2量を低減させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、乗用車及び建設機械等のディーゼルエンジンに代表される内燃機関またはボイラ及びガスタービンなどの外燃機関から排出される酸素過剰雰囲気の排ガス中の窒素酸化物(NOx)を浄化するための熱機関の排ガス浄化装置および排ガス浄化方法に関する。
近年、空燃比(ガス中の空気と燃料との比)が燃料希薄であるディーゼルエンジン及びリーンバーンエンジンといった内燃機関、またはガスタービン及び化学プラント等のように酸素過剰の雰囲気下で運転する外燃機関の増加に伴い、過剰酸素下で一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)、アンモニア(NH3)成分を高度に酸化浄化する方法が要求されている。
CO,HCを酸化浄化する方法としては、白金(Pt)やパラジウム(Pd)といった貴金属を用いて酸化する方法が知られており、ディーゼルエンジン等から排出される排ガス浄化に適用されている。しかし、本手法では窒素酸化物(NOx)を浄化することができない。
そこで、NOxを浄化することを目的として、尿素もしくはNH3を排ガス流路へ吹き込み、NOx浄化触媒にてNOxとNH3成分を反応させることでNOxを浄化する技術が開示されている。更には添加NH3成分の大気中への拡散を防止する為、NOx浄化触媒の後段にNH3酸化触媒を設置する技術が開示されている(例えば特許文献1,2)。
特開平8−038856号公報 特開平8−290062号公報
ところで、本発明者らは、ゼオライト成分が含まれたNOx浄化触媒でもって酸素過剰雰囲気の排ガス中のNOxを浄化する場合には、排ガス温度が比較的低いとき(例えば、ディーゼルエンジンであればエンジン始動時など)にNOx浄化活性が低下することがあることを知見した。
特許文献1には、NOxと反応しなかったNH3成分と残留NOxを反応させてNH3とNOxを浄化することが記載されている。しかし、排ガス温度が低いことがNOx浄化活性に影響を与えるか否かについては記載がない。また、特許文献1の技術は、NOx浄化触媒としてTiO2担体を用いておりゼオライト成分を含まないため、浄化活性が低下する要因は主として熱負荷であると考えられる。
特許文献2についても同様に、排ガス温度が低いことがNOx浄化活性へ及ぼす影響については記載が無い。
本発明の目的は、ゼオライト成分を含むNOx浄化触媒を利用する熱機関の排ガス浄化に関して、当該熱機関から排出される酸素過剰雰囲気の排ガスの温度が変動しても、当該排ガス中のNOx成分を高度に浄化できる熱機関の排ガス浄化装置および排ガス浄化方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気中に、ゼオライト成分を含有するNOx浄化触媒を設置し、排ガス中のCO2量を低減させた後に、該排ガスを前記NOx浄化触媒へ接触させることとした。
本発明によれば、過剰な酸素雰囲気で運転される熱機関からの排ガスの温度が変動しても、当該排ガスに含まれるNOxを効率良く浄化することができる。さらに本発明によれば、NOxだけでなくCO,HC,NH3の浄化も可能である。従って、熱機関からのNOx,CO,HC,NH3排出量を高度に抑制することができる。
ゼオライト含有NOx浄化触媒について、流入するCO2ガス濃度を変化させた場合のNOx浄化活性を示す図。 CO2捕捉材について、ガス温度とCO2脱離割合の相関を示す図。 エンジン排ガス流路へ実施例触媒1及び実施例材料2を設置した排ガス浄化装置の概略図。 エンジン排ガス流路へ実施例触媒1を設置した排ガス浄化装置において、CO2低減ガスを流通させたことを示す図。 エンジン排ガス流路へHC,CO酸化触媒を設置した排ガス浄化装置の概略図。 エンジン排ガス流路へHC,CO酸化触媒を設置した他の排ガス浄化装置の概略図。 エンジン排ガス流路へHC,CO酸化触媒を設置したさらに他の排ガス浄化装置の概略図。 ディーゼルエンジンを備える機械に搭載された排ガス浄化装置の概略構成図。 本発明の排ガス浄化装置の適用対象の一例である油圧ショベルを示す図。 本発明の排ガス浄化装置の適用対象の一例であるダンプトラックを示す図。
本発明者らは、鋭意検討した結果、酸素過剰雰囲気の排ガス中のNOxをゼオライト成分が含まれたNOx浄化触媒で浄化する場合には、該NOx浄化触媒へ流入するCO2量を低減させことで該排ガス中のNOxが効果的に浄化されることを明らかにした。まず、発明者らがこのように想到した理由について説明する。
一般に、乗用車や建設機械等のディーゼルエンジンに代表される内燃機関及びボイラやガスタービンなどの外燃機関から排出される排ガスは、化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気であることが多い。また、これら内燃機関及び外燃機関からの排ガスには、NOx,CO,HCが一般に含まれており、場合によってはNH3成分も含まれている。本発明において、化学量論量とは、排ガス中に含まれるO2及びCO,HCが互いに過不足無く反応する場合の、O2,CO,HCの量を意味する。そして、「過剰な酸素雰囲気(酸素過剰雰囲気)」とは、排ガス中に含まれるCOおよびHCを全て酸化しうる量(化学量論量)よりも酸素量が多い酸素雰囲気を意味するものとする。この点について具体例を挙げて詳細に説明する。
排ガス中にO2,CO、及びHCが含有されている場合に、これら3種のガスにおける反応として下記化学式(1)、(2)が考えられる。
Figure 2015093242
Figure 2015093242
例えば、排ガス中にCO及びC3H6がそれぞれ300ppm存在する場合、上記化学式(1)及び(2)の反応が進行する為にはO2がそれぞれ150ppm、1350ppm必要である。即ち、本例のように排ガス中にCO及びC3H6がそれぞれ300ppm存在する場合、O2が1500ppm(=150ppm+1350ppm)よりも多い場合が「過剰な酸素雰囲気(酸素過剰雰囲気)」となる。
ところで、ゼオライト成分を含むNOx浄化触媒を排ガス流路に設置し、該NOx浄化触媒に流入する排ガス中にNOx還元剤として例えばNH3成分を混合させた場合には、下記反応式(3)によりNOとNH3が反応し、NOxが浄化される。
Figure 2015093242
特に、酸素過剰の雰囲気下で利用される乗用車や建設機械等のディーゼルエンジンやガスタービンでは、その排ガスの温度は400℃以上になり得るため、NOx浄化触媒に耐熱性能が要求される。そこで、本発明では、ゼオライト成分をNOx浄化触媒に含有させた。これにより触媒の耐熱性能が向上し、さらにはNOxを浄化できる温度域が高まる為、上記適用対象でのNOx浄化触媒として好適となる。
しかし、本発明者等は、NOx浄化触媒にゼオライト成分が含有されていると、排ガス温度が低い場合に排ガス中に共存するCO2によってNOx浄化活性が低下することを知見した。例えばエンジン始動時等の場合には、エンジンがまだ温まっていない為、生じる排ガス温度も低い。従ってゼオライト成分を含むNOx浄化触媒を設置していても排ガス中に共存するCO2によってNOxが十分に浄化できない可能性がある。
共存するCO2によりNOx浄化活性が低下する理由は明らかでは無い。NOx浄化触媒へCO2が流入すると、NOx浄化触媒にCO2が付着し被毒を受け、触媒上の反応活性点が減少し、NOxの浄化反応が低下すると考えられる。本事象はゼオライト成分使用により顕著に生じている。
そこで、発明者等は、NOx浄化触媒へ流入するCO2量を低減させることで上記不具合を解消できることを見出した。CO2量を低減すれば、NOx浄化触媒へのCO2吸着が抑制され、NOxを高度に浄化することができる。
CO2を低減する手段については特に拘らないが、例えば、NOx浄化触媒の前段に排ガス中のCO2を捕捉できる機能を有するCO2捕捉材を設置する構成がある。なお、ここでいう「前段」とは、排ガスの通過する“順番”がNOx浄化触媒よりも「前」であることを示す。すなわち、例えば、直線状の排ガス流路においてNOx浄化触媒の上流側にCO2捕捉材を設置する場合だけでなく、或る円の径方向の内側から外側に向かって排ガスが通過する流路においてNOx浄化触媒の径方向内側にCO2捕捉材が配置される場合(排ガスが径方向の外側から内側に向かう場合には径方向外側にCO2捕捉材を配置する)をも含む。また「後段」についても同様に、排ガスの通過する“順番”を規定するものとする。
CO2捕捉材を設置することでNOx浄化触媒へ流入するCO2量を低減させれば、ゼオライトを含有したNOx浄化触媒上でのNOx浄化反応が進む。特にNOxの還元成分としてNH3成分を使用した場合には、CO2捕捉材の設置によりNOxとNH3の反応が進み、系外へのNOx,NH3放出が高度に抑制できるという効果も得られる。
また、例えばディーゼルエンジン排ガス中にはSOxやすす等の触媒被毒成分が存在しており、NOx浄化触媒が被毒を受けることでNOx浄化性能が低下することも考えられるが、NOx浄化触媒への流入するCO2量を低減させることで、その場合でも系外へのNOx放出が高度に抑制できる。
また、発明者等は、排ガス中のCO2が少ないほどNOx浄化率が向上することを知見した。つまり、排ガス温度が同一であれば、NOx浄化触媒へ流入するCO2量が少ないほどNOx浄化活性向上作用が大きくなる。
さらに、CO2の低減量に対してNOx浄化率が増加する割合(浄化率増加割合)は、排ガス温度の上昇とともに低減すること(換言すれば、排ガス温度が低下するほど浄化率増加割合は増加する)も知見した。排ガス温度が低いほどCO2がNOx浄化触媒へ付着し易い為と考えられる。従って、例えば、ディーゼルエンジンの始動時等のようにエンジン温度がまだ低く、エンジンから排出される排ガス温度が低い場合において、本発明は特に顕著な効果を奏すると指摘できる。
またさらに、発明者等は、排ガス温度をさらに上昇させていくと、CO2を低減させてもNOx浄化率が変化しない温度(限界温度)が存在することも知見した。限界温度を超える領域では、CO2が存在していてもNOx浄化率が変化しないので、CO2量はNOx浄化率に影響を与えない。
排ガス流路にCO2捕捉材を設置した場合、CO2捕捉材によるCO2捕捉反応が継続すると捕捉材のCO2捕捉能力を超えてしまう可能性がある。このような不具合を解消する為には、NOx浄化触媒に流入する排ガス温度が限界温度(例えば、300℃程度)よりも高い場合には、捕捉したCO2を脱離する機能(特性)を有するCO2捕捉材を用いると好ましい。
先述のように、NOx浄化触媒に流入する排ガス温度が限界温度を超えると、排ガス中に共存するCO2によるNOx浄化反応低下はほぼ見られなくなる。これは排ガス温度が限界温度を超えた場合、NOx浄化触媒へCO2が付着しにくくなる為と考えられる。従って、排ガス温度が限界温度を超えた場合、NOx浄化触媒の前段に設置したCO2捕捉材からCO2を脱離させることでNOx浄化触媒へCO2が流入しても殆ど問題は無い。
もしくは、排ガス温度が限界温度よりも低い場合に、CO2捕捉材からCO2を脱離させる場合には、排ガス流路にバイパスを設けて、脱離したCO2ガスをNOx浄化触媒に流通させない手法も考えられる。
CO2量を低減する手段の他の例としては、排ガス温度が低い場合にエンジンの燃焼状態を制御して不完全燃焼させることでエンジンからのCO2発生量を抑制するものがある。つまり、エンジンコントロールユニットなどのエンジン制御装置によりエンジンでの燃焼を制御することで、排ガスを発生する内燃機関として利用するだけでなく、当該排ガス中のCO2量の低減手段として利用するのである。なお、エンジンで不完全燃焼を発生させる方法は公知のもの(吸気を増加させる、燃焼噴射タイミングを変化させる等)が利用可能である。
本発明が低減対象とするNOxは、窒素と酸素からなるものであれば特に拘らない。例としてNO,NO2,N2O,N2O3等が挙げられる。
NOxの還元成分として代表的なものにNH3ガスや尿素等が挙げられる。更には排ガス流路へ添加するNH3成分について、NH3ガスや尿素以外に、シアヌル酸、メラミン、ビウレット等が考えられる。また、CO、HCおよびH2をNOxの還元成分として用いることもできる。この場合使用できるHCとしては、水素と炭素からなるものであれば特に拘らない。例としてCH4、C3H6、C2H4、C2H2、C3H8等が挙げられる。
NOx浄化触媒の後段には、排ガス中のCOあるいはHCを酸化する触媒(CO,HC浄化触媒)を設置することが好ましく、これにより排ガス中のCOあるいはHCが高度に浄化される。更にはNH3も同時に酸化浄化できる。この種の酸化触媒は、NOx浄化触媒の前段に設置することも可能ではあるが、後段の方が好ましい。これは、前段に設置するとCOあるいはHCが酸化されて生成したCO2がNOx浄化触媒へ流入しやすくなり、NOx浄化活性が低下する可能性があるためである。
NOx浄化触媒の前段に酸化触媒を設置する場合には、酸化触媒とNOx浄化触媒との間にCO2捕捉材を設置する等すれば、NOx浄化触媒へのCO2流入を抑制することができる。
CO,HC浄化触媒は、無機化合物の多孔質担体と、当該多孔質担体上に触媒活性成分として担持されたPt,Pd,Rh,Au,Ir,Ru,Osから選ばれた少なくとも1種とを有し、前記多孔質担体が、Al,Ce,Si,Ti,Zrから選ばれた少なくとも1種を含む触媒とすることでCO,HC浄化性能が高まる。CO,HC浄化触媒の多孔質担体として比表面積が高い酸化物を用いると、上記の触媒活性成分(Pt,Pd,Rh,Au,Ir,Ru,Osから選ばれた少なくとも1種)が高分散化し、CO,HC浄化性能が高まる。特に多孔質担体としてAlを含む酸化物を使用すると安定して高いHC浄化性能が得られる。本発明において用いる多孔質担体の比表面積は、30〜800m2/gの範囲が好ましく、特に50〜400m2/gの範囲が好ましい。
触媒活性成分としてPt,Pd,Rh,Au,Ir,Ru,Osから選ばれた2種以上を含有させると、特に熱劣化後のCO,HC浄化性能が高まる。理由は定かでないが、活性成分同士が合金化することで貴金属の凝集が抑制される為と考えられる。特にPtとPdの組み合わせや、PtとRhの組み合わせは耐熱性能を高める。
触媒活性成分のPt,Pd,Rh,Au,Ir,Ru,Osの合計担持量は、好ましくは、多孔質担体2mol部に対して元素換算で0.0003mol部〜1.0mol部である。Pt,Pd,Rh,Au,Irの合計担持量が0.0003mol部未満であると、担持効果は不十分となり、一方、1.0mol部を越えると、活性成分自体の比表面積が低下し、さらに触媒コストが高くなる。
ここで「mol部」とは、各成分のmol数換算での含有比率を意味する。例えば、A成分2mol部に対してB成分の担持量が1mol部とは、A成分の絶対量の多少に関わらず、mol数換算でA成分が2に対し、B成分が1の割合で担持されていることを意味する。
本発明に適用するゼオライト含有NOx浄化触媒は、NOxが浄化できるゼオライト含有触媒であれば特に拘らない。しかしNOx浄化触媒として、ゼオライト担体と、当該ゼオライト担体上に触媒活性成分として担持されたV,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zrから選ばれた少なくとも1種とを含む触媒を使用すると、排ガス中のNOxが効果的に浄化される。更にはNH3成分を排ガス流路へ吹き込むことでNOxが高度に浄化される。本触媒は、耐熱性能も高く、350℃以上の温度領域においてもNOxを効果的に浄化できる。
触媒活性成分として使用するV,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zrは二元素以上組み合わせても良い。理由は定かではないが、二元素以上組合せることで相互作用が生じ、高い性能を有すると考えられる。
担体成分として使用するゼオライトは、比表面積が高いため、触媒活性成分の分散度を向上させるとNOx浄化性能が高まる効果がある。また活性成分をイオン状態のまま担持すると、活性が向上すると考えられる。
ゼオライトについては特に限定されないが、SiO2とAl2O3のモル比が5以上であるハイシリカゼオライトを使用すると耐熱性能が高まる。用いるゼオライト種としてはβゼオライト、Y型ゼオライト、ZSM-5、モルデナイト、フェリエライト等が挙げられる。
ゼオライト含有NOx浄化触媒に係る触媒活性成分のV,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zrの合計担持量は、好ましくはゼオライト担体に対して元素換算で0.1wt%以上30wt%以下とし、より好ましくは1.0wt%以上10wt%以下とする。V,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zrの合計量が0.1wt%以下であると、担持効果は不十分となり、一方、30wt%を超えると活性成分自体の比表面積が低下し、さらに触媒コストが高くなるからである。
本発明に使用するCO2捕捉材としてはCO2を捕捉する材料であれば特に拘りが無い。しかし、NOx浄化触媒へのCO2流入を高度に抑制する観点からは、当該材料は、Al,Ce,Si,Ti,Zrから選ばれた少なくとも1種を含む無機化合物とし、更にPt,Pd,Rh,Irを実質的に含まない材料とすることが好ましい。まず、Al,Ce,Si,Ti,Zrから選ばれた少なくとも1種を含むことで排ガス中のCO2を高度に除去することが可能となる。AlとSiからなるゼオライト成分を使用することもできる。更にPt,Pd,Rh,Irを実質的に含まないことで、CO2捕捉材に流入するCOやHCが酸化反応を受けにくくなる為、CO2が発生し難くなり、後段のNOx浄化触媒へのCO2流入を抑制できる。
なお、ここで「実質的」というのは、排ガス中のCOやHCを酸化することができない程度に少ない量であることを意味しており、具体的なPt,Pd,Rh,Irの合計担持量は、元素換算でAl,Ce,Si,Ti,Zrの元素換算の合計2mol部に対して0.0002mol部以下である。Pt,Pd,Rh,Irの合計担持量が0.0002mol部を超えると、排ガス中のCOやHCが酸化を受けNOx浄化触媒に流入するCO2量が増加する可能性がある。
CO2捕捉材が、更にアルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれた少なくとも1種を含有すると、更にCO2捕捉能力は高まる。アルカリ金属、アルカリ土類金属を含有することで捕捉できるCO2が増える。更にはCO2を脱離する温度が高温化する為、アルカリ金属やアルカリ土類金属の組合せや添加量もしくは添加方法を変化させることでCO2捕捉材からのC CO2脱離温度(CO2捕捉材からC CO2が脱離を開始する最低温度)を最適化できる。当該脱離温度は、先述の限界温度に近づけることが好ましい。この場合、限界温度を超えた温度領域でのみCO2が脱離することになるが、当該温度領域ではCO2はNOx浄化率に影響を与えない。また、排ガス温度の変動傾向によっては、脱離温度を限界温度より小さい値に設定してCO2を脱離可能な時間を多めに確保することで、脱離温度未満でのCO2の捕捉を確実に行う運用を図っても良い。
アルカリ金属、アルカリ土類金属種類には特に拘らない。例えば、アルカリ金属としてはLi,Na,K,Rb,Csを、アルカリ土類金属としてはMg,Ca,Sr,Baを使用できる。
アルカリ金属やアルカリ土類金属の添加量は目的に応じて任意に変更できる。
具体的にはアルカリ金属とアルカリ土類金属の合計担持量は好ましくは元素換算で、Al,Ce,Si,Ti,Zrの元素換算の合計2mol部に対して0.5mol部〜10mol部である。これは、アルカリ金属とアルカリ土類金属の合計担持量が0.5mol部未満であると、担持効果は不十分となり、一方、10mol部を越えると、CO2捕捉材自体の比表面積が低下してCO2捕捉量が低下するからである。
ゼオライト含有NOx浄化触媒、CO2捕捉材、CO,HC浄化触媒に使用する多孔質担体、または触媒活性成分は、基材上に担持させてもよい。基材としては従来から使用されてきたコージェライト、Si-Al-Oからなるセラミックス或いはステンレススチールなどの耐熱性金属基板などが適している。基材を用いる場合には、CO,HC浄化性能を向上させる上で、多孔質担体の担持量は、基材1Lに対して10g以上300g以下であることが好ましい。これは、10g以下であると貴金属の分散が低下し触媒活性が低下するからである。一方300g以上であると、基材がハニカム形状の場合にガス流路への目詰まりが発生し易くなる等の不具合が生じるようになるからである。
ゼオライト含有NOx浄化触媒、CO2捕捉材、CO,HC浄化触媒の調製方法としては、例えば、含浸法、混練法、共沈法、ゾルゲル法、イオン交換法、蒸着法等の物理的調製方法や化学反応を利用した調製方法などを用いることができる。なかでも、化学反応を利用した調製方法を用いることで、触媒活性成分の原料と多孔質担体との接触が強固になり、触媒活性成分のシンタリング等を防止できる。
ゼオライト含有NOx浄化触媒、CO2捕捉材、CO,HC浄化触媒の出発原料としては、硝酸化合物、塩化物、酢酸化合物、錯体化合物、水酸化物、炭酸化合物、有機化合物などの種々の化合物、金属、金属酸化物を用いることができる。例えば触媒活性成分として2種以上の元素を組み合わせる場合には、活性成分が同一の溶液中に存在するような含浸液を用いて共含浸法にて調製することで触媒成分を均一に担持することができる。
ゼオライト含有NOx浄化触媒、CO2捕捉材、CO,HC浄化触媒の形状は、用途に応じて適宜調整できる。例えば、コージェライト、Si-Al-O、SiC、ステンレス等の各種基体材料からなるハニカム構造体に、本発明の浄化触媒をコーティングして得られるハニカム形状をはじめ、ペレット状、板状、粒状、粉末状などが挙げられる。ハニカム形状の場合、その基材はコ−ジェライトまたはSi-Al-Oからなる構造体を用いることが好適であるが、触媒温度が高まる恐れがある場合には、触媒活性成分と反応しにくい基材(例えばFeを主成分とするメタルハニカム等の基材)を用いることが好ましい。また、多孔質担体と触媒活性成分のみでハニカムを形成してもよい。また、フィルター機能を有する基材を使用すれば、排ガス中のすす等を浄化できるようになり好ましい場合がある。
本発明はCO及びHCの酸化反応における化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気の排ガスの浄化に対して特に有効であり、常に排ガス中の酸素が化学量論量よりも過剰である場合の方が好適である。
以下、本発明の実施例及び実施の形態について説明する。
<ゼオライト含有NOx浄化触媒調製法>
Y型ゼオライト(東ソー製)粉末へ硝酸Fe溶液を含浸し、大気下にて150℃で10h乾燥して得られたサンプルを電気炉にて大気下にて600℃で1時間の焼成を行うことで、ゼオライトに対し金属元素換算で2wt%のFeが担持されたFe/ゼオライト粉末を得た。本Fe/ゼオライト粉末及びアルミナゾルを水へ添加して調製したスラリーをコージェライト製ハニカム(300セル/inc2)にコーティングした後、150℃の熱風を15分間流通させることで乾燥した。更に得られたサンプルを電気炉にて大気下にて600℃で1時間の焼成を行うことでハニカムの見かけの容積1リットルあたり250gのFe/ゼオライトをコーティングしたハニカム触媒(ゼオライト含有NOx浄化触媒)を得た。以下では本触媒を実施例触媒1と称することがある。
<触媒性能評価方法-基準ガス>
実施例触媒1の性能を評価する為、次の条件でNOx浄化性能を評価した。容量6c.c.のハニカム触媒を石英ガラス製反応管中に固定した。この反応管を電気炉中に設置した。反応管に導入する反応ガスは、酸素過剰雰囲気の排ガスを模擬した組成、NOx:150ppm, NH3:180ppm, CO2:0%〜8.5%, O2:10%, H2O:6%, N2:残差とした。触媒のNOx浄化性能を次式に示すNOx浄化率により見積もった。なお、体積空間速度は45,000/hとした。反応ガスを流通させながら、当該反応ガスの温度(ガス温度)を200℃、250℃、300℃となるように加熱制御し、NOx浄化性能を測定した。
Figure 2015093242
<検討結果:NOx浄化率>
図1に実施例触媒1について、各ガス温度にてCO2濃度を変化させた場合のNOx浄化率を示した。ガス温度が200℃の場合、ガス中のCO2濃度が低くなるほどNOx浄化活性は向上し、CO2濃度を8.5%から0%とすることでNOx浄化率は10%から30%へ大きく向上した。更にガス温度が250℃の場合もCO2濃度低減による活性の向上が見られた。一方でガス温度が300℃の場合はCO2濃度の変化による活性への影響は見られなかった。
本結果から、ガス温度が250℃以下の場合に排ガス中のCO2濃度を低減させるとNOx浄化率が向上するのは明らかである。
また、本結果からは、300℃で既に限界温度に達していると判断できる。より具体的には当該限界温度は250℃より大きく300℃以下の領域に存在することが分かる。
本実施例ではCO2を低減する手段としてCO2捕捉材を利用し、当該CO2捕捉材に対して、NOx浄化触媒に流入する排ガス温度が250℃以下の場合にCO2を捕捉する機能と、NOx浄化触媒に流入する排ガス温度が300℃よりも高い場合に捕捉したCO2を脱離する機能を付加した。当該CO2捕捉材は次のように調製した。
<CO2捕捉材調製法>
本実施例では、市販のCeO2粉末(第一稀元素製セリアHS)に対し、硝酸Ca溶液を含浸した後、120℃で乾燥、続いて500℃で1h焼成することで、CO2捕捉材を得た。Caの添加量はCeO2に対し金属元素換算で25mol%とした。以下では本CO2捕捉材を実施例材料2と称することがある。
<CO2捕捉性能評価方法>
実施例材料2のCO2捕捉性能を評価するため、次の条件でCO2捕捉脱離性能試験を行った。容量1c.c.の実施例材料2(直径0.5mm〜1mm)を石英ガラス製反応管中に固定した。この反応管を電気炉に設置し、反応管内へHeを流通させながら実施例材料2を400℃で1h前処理した。
その後、Heを流通させながら反応管に導入されるガス温度が50℃となるように加熱制御し、本材料に、5ccの4%CO2-Heガスを6分間隔で導入することでCO2を捕捉させた。
その後、Heを流通させながら反応管に導入されるガス温度を電気炉にて高めることで実施例材料2に捕捉していたCO2を脱離させた。
(検討結果)
実施例材料2について、CO2を捕捉させた後、Heを流通させながらガス温度を高めた場合に実施例材料2から脱離するCO2量を計測した結果を図2に示す。CO2の脱離割合は下記式にて求めた。
Figure 2015093242
図2からは、少なくとも、250℃以下ではCO2が脱離しないことと、300℃以上でCO2脱離量が増加して400℃までに全てCO2が脱離していることが分かる。従って、実施例材料2は、CO2捕捉能力を有すること、更には捕捉したCO2を300℃以上で脱離することが分かる。
図3に、実施例触媒1の前段に実施例材料2を配置した排ガス浄化装置の構成を示した。この図に示す排ガス浄化装置は、ディーゼルエンジンの排気マニホールド(図示せず)に接続される排気管(排ガス流路)に設けられている。図3の排ガス浄化装置では、排気管内の実施例材料2の後段かつ実施例触媒1の前段においてNOx還元剤の供給口が設けられており、当該供給口を介してNOx還元剤としてNH3が排ガスに対して供給されている。当該供給口は、NOx還元剤の供給手段の一例に過ぎず、実施例触媒1と実施例材料2の間に開口する供給管を取り付ける等、排ガスに対してNOx還元剤が供給可能であれば他の構成でも良い。
ディーゼルエンジンの排ガスの温度は負荷に応じて100℃程度から400℃程度までの範囲で変動することが多いが、このように決まった範囲で排ガス温度が変化する場合には、実施例触媒1のように当該温度変動範囲の中に限界温度が含まれるNOx浄化触媒を利用することが好ましい。このような場合、限界温度またはこれに近い温度でCO2を脱離するCO2捕捉材を当該NOx浄化触媒の前段に設置すれば、ディーゼルエンジンの使用中は排ガスの温度に応じてCO2の捕捉と脱離が適宜繰り返されることになるので、捕捉されたCO2を別途脱離する必要や、CO2捕捉材を交換する必要が無くなり、メンテナンス性が向上する。
図3の例では、エンジン始動時等の排ガス温度が250℃以下と低い場合には、排ガス中のCO2は実施例材料2にて捕捉される。更に時間が経過し排ガス温度が300℃を超えると実施例材料2に捕捉されていたCO2が脱離し、400℃になると実施例材料2に捕捉されていたCO2は全て除去される。一方で実施例触媒1は300℃以上の温度ではCO2共存の影響を受けない。従って、本構成とすることで高いNOx浄化活性を維持しつつ、実施例材料2を繰返し使用することができる。
図4に、ディーゼルエンジンの制御にて実施例触媒1に流入するCO2量を低減する実施例を示す。すなわち、本実施例はCO2量を低減させる手段としてエンジンを利用するものである。エンジン制御によりエンジン内で不完全燃焼を生じさせることで、排ガス中のCOやHCを増加し、CO2量を低減することができる。従って排ガス温度が250℃以下の場合に、上記エンジン制御を実施することで、実施例触媒1によるNOx浄化活性を高めることができる。
次に、図1に示した排ガス浄化装置に対して、HC,CO酸化触媒を追加設置する場合について図5〜図7を用いて説明する。本実施例で利用するHC,CO酸化触媒は次のように調製した。
<HC,CO酸化触媒の調製法>
当該HC,CO酸化触媒を得るに当たって、まず、ベーマイト粉末を電気炉にて大気下にて600℃で5時間の焼成を行うことでAl2O3粉末を得て、これにアルミナゾルと水を添加して調製したスラリーをコージェライト製ハニカム(300セル/inc2)にコーティングした後、150℃の熱風を15分間流通させることで乾燥した。更に得られたサンプルを電気炉にて大気下にて600℃で1時間の焼成を行うことでハニカムの見かけの容積1リットルあたり200gのAl2O3粉末をコーティングした。得られたアルミナコートハニカムに対し、ジニトロジアンミンPt硝酸溶液と硝酸Pd溶液の混合溶液を含浸し、150℃の熱風を15分間流通させ乾燥後、電気炉にて600℃で1時間焼成した。本手法により、元素換算でPtとPdがハニカム1L当たりそれぞれ1.5g、0.5g含有するPtPd/Al2O3ハニカム触媒粉末を得た。次に本酸化触媒をHC,CO酸化触媒として用いた排ガス浄化装置の構成について説明する。なお、以下では本酸化触媒を単に酸化触媒と称することがある。
図5は実施例触媒1の後段に設置された酸化触媒を備える本実施例の排ガス浄化装置の構成図であり、図6は実施例材料2の後段かつ実施例触媒1の前段に設置された酸化触媒を備える比較例の排ガス浄化装置の構成図であり、図7はエンジンの後段かつ実施例材料2の前段に設置された酸化触媒を備える本実施例の変形例に係る排ガス浄化装置の構成図である。
このうち図6の比較例では、エンジンから排出されたCO2は、実施例材料2で捕捉されるが、排ガス中のCO、HCが酸化触媒に含まれるPt,Pdにより酸化を受け、CO2が発生してしまう為、実施例触媒1の前段でCO2量が増加してしまうので、実施例触媒1のNOx浄化活性は結局低下してしまう。
上記不具合を解消する為には、図5に示すように、酸化触媒を実施例触媒1の後段に設置すると良い。これにより酸化触媒を追加しても高いNOx浄化活性を維持することができる。また、図7に示すように、酸化触媒をエンジンの後段かつ実施例材料2の前段に設置しても高いNOx浄化活性を維持することができる。
なお、上記の酸化触媒と同様にHC,COの酸化触媒が既にエンジンの後段に設置されている機械に対しては、当該既存の酸化触媒の後段に実施例材料2と実施例触媒1を追加すれば図7の構成の排ガス浄化装置を容易に構成できる。つまり、既存の機械の改造という観点からは、図7に示した排ガス浄化装置を構成することが好ましい場合がある。
図8に本発明の実施の形態に係る排ガス浄化装置の概略構成図を示した。この図に示す排ガス浄化装置は、ディーゼルエンジン1の排ガスを浄化するものであり、エンジン1等の制御を行うためのコントローラ(制御装置)9を備えている。
ディーゼルエンジン1は、燃焼室(シリンダ)1a内の空気をピストン1bで圧縮して高温にし、その圧縮空気に燃料噴射装置2を介して燃料を供給して自然着火させることで動力を得ている。また、ディーゼルエンジン1は、吸気管4と燃焼室1aの間に吸気バルブ1cを備えており、燃焼室1aと排気管3の間に排気バルブ1dを備えている。なお、図8には吸排気バルブ1c,1dを1個ずつ示したが、各バルブの数はこれだけに限定されない。
排気管3の出口側には排ガス浄化材料5,6,7が設置されており、排ガスは排ガス浄化材料5,6,7へ供給される。浄化材料5としては実施例2で示したCO2捕捉材(実施例材料2)が、浄化材料6としては実施例1で示したNOx浄化触媒(実施例触媒1)が、浄化材料7としては実施例5で示したCO,HC酸化触媒(酸化触媒)が設置されている。
また、浄化材料5の後段かつ浄化材料6の前段には、排ガスに対してNH3を供給するためのNH3注入口8が設けられている。注入口8にはNH3タンク11が接続されており、注入口8からのNH3供給量はコントローラ9によって制御されている。
上記のように構成される本実施の形態の排ガス浄化装置とすることで、排ガス浄化材料5,6,7にCO2,NOx及びCO,HCが流入した場合でも高度にNOx,CO,HCを除去することができる。
更には、浄化材料5の後段かつ浄化材料6の前段に設置された排ガス温度センサ10にて浄化材料6(NOx浄化触媒)に流入する排ガス温度が低いと判断した場合、コントローラ9は、エンジン1内での燃焼を不完全燃焼とすることで、浄化材料6に流入するCO2量を低減することも可能であり、高度にNOxを除去することができる。このように排ガス温度に応じてエンジン1で不完全燃焼を起こす制御は、浄化材料5が設置されていない場合に適用することもできるが、浄化材料5が設置されている場合に適用しても良い。
上記で説明してきた本発明に係る排ガス浄化装置は、酸素過剰雰囲気の排ガスを排出する内燃機関または外燃機関を備え、当該排ガス中にNOxを含むものであれば適用可能であり、この条件を満たせば適用対象は特に限定しないが、以下においてその適用対象の一部について図を用いて説明する。
図9は、本発明に係る排ガス浄化装置が搭載される建設機械の一例を示す図である。この図に示す油圧ショベルは、下部走行体71、上部旋回体72及び多関節型の作業装置73を備えている。
下部走行体71は、クローラ74a,74bを独立して駆動制御する一対の走行用油圧モータ76,77を備えている。上部旋回体72は、旋回フレーム78上に搭載された原動機としてのディーゼルエンジン81と、旋回油圧モータ(油圧アクチュエータ)83を備えている。旋回油圧モータ83の駆動力は減速機構79を介して伝達され、その駆動力により下部走行体71に対して上部旋回体72(旋回フレーム78)が旋回駆動される。
作業装置73は上部旋回体72の前方に搭載されている。作業装置73は、ブーム61を駆動するためのブームシリンダ62と、アーム63を駆動するためのアームシリンダ64と、バケット65を駆動するためのバケットシリンダ66を備えている。
また、上部旋回体72の旋回フレーム78上には、走行用油圧モータ76,77、旋回油圧モータ83、ブームシリンダ62、アームシリンダ64、バケットシリンダ66等の油圧アクチュエータを駆動するための油圧システム67が搭載されている。油圧システム67は、これらの油圧アクチュエータに圧油を供給するための油圧ポンプ(図示せず)と、これらの油圧アクチュエータを駆動制御するためのコントロールバルブ(図示せず)等を備えている。エンジン81は当該油圧ポンプを駆動し、これにより当該油圧ポンプから吐出された圧油が当該コントロールバルブを介して各油圧アクチュエータに供給され、各アクチュエータが駆動される。
図10は、本発明に係る排ガス浄化装置が搭載される建設機械の一例であるダンプトラックの概略図である。この図に示すダンプトラックは、頑丈なフレーム構造をなし、前輪92および後輪93を有する車体(フレーム)91と、車体91上に搭載された荷台としてのベッセル94とキャビン95とを備えている。
ベッセル94は、例えば砕石物や石炭等の重い荷物を多量に積載するための容器として構成されており、キャビン95を上側から覆う庇部94aを前側上部に備えている。ベッセル94は車体91の後部の軸96を中心として油圧シリンダ(ホイストシリンダ)97により起伏される。
キャビン95の下側には原動機としてディーゼルエンジン98が搭載されている。エンジン98は、油圧ポンプ(図示せず)や、後輪3を駆動する電動機(図示せず)に電力を供給するための発電機(図示せず)などを駆動する。
このように図9,10に示した建設機械はともにディーゼルエンジン81,98を搭載しており、その排気マニホールドに接続される排気管に本発明に係る排ガス浄化装置を搭載することができる。上記の建設機械の他にも、ホイールローダ、クローラキャリアおよびクレーン等、ディーゼルエンジンを搭載したあらゆる建設機械に適用可能である。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内の様々な変形例が含まれる。例えば、本発明は、上記の実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず、その構成の一部を削除したものも含まれる。また、ある実施の形態に係る構成の一部を、他の実施の形態に係る構成に追加又は置換することが可能である。
1…エンジン、1a…燃焼室、1b…ピストン、1c…吸気バルブ、1d…排気バルブ、2…燃料噴射装置、3…排気管、4…吸気管、5…排ガス浄化材料(実施例材料2)、6…排ガス浄化材料(実施例触媒1)、7…排ガス浄化材料(CO,HC酸化触媒)、8…NH3注入口、9…エンジンコントローラ、10…排ガス温度センサ、11…NH3タンク

Claims (10)

  1. CO及びHCの酸化反応における化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気の排ガスを排出するための排ガス流路を備える熱機関の排ガス浄化装置において、
    前記排ガス流路内に配置され、ゼオライト成分を含み、前記排ガス中のNOxを浄化するNOx浄化触媒と、
    該NOx浄化触媒へ流入するCO2量を低減させる手段と
    を備えることを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  2. 請求項1に記載の熱機関の排ガス浄化装置において、
    前記CO2量を低減させる手段は、前記NOx浄化触媒の前段に設置されたCO2捕捉材であることを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  3. 請求項1または2に記載の熱機関の排ガス浄化装置において、
    前記NOx浄化触媒の後段に設置され、排ガス中のCOあるいはHCを酸化する触媒をさらに備えることを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  4. 請求項2に記載の熱機関の排ガス浄化装置において、
    前記CO2捕捉材の前段に設置され、排ガス中のCOあるいはHCを酸化する触媒をさらに備えることを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  5. 請求項1に記載の熱機関の排ガス浄化装置において、
    前記CO2量を低減させる手段は、前記NOx浄化触媒に流入する排ガスの温度が250℃以下の場合に、該NOx浄化触媒へ流入するCO2量を低減することを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  6. 請求項2から4のいずれかに記載の熱機関の排ガス浄化装置において、
    前記CO2捕捉材は、前記NOx浄化触媒に流入する排ガス温度が250℃以下の場合にCO2を捕捉する機能を有し、前記NOx浄化触媒に流入する排ガス温度が300℃よりも高い場合に捕捉したCO2を脱離する機能を有することを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  7. 請求項2,3,4および6のいずれかに記載の熱機関の排ガス浄化装置において、
    前記CO2捕捉材が、Al,Ce,Si,Ti,Zrから選ばれた少なくとも1種を含む無機化合物であり、更にPt,Pd,Rh,Irを実質的に含まないことを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  8. 請求項2,3,4,6および7のいずれかに記載の熱機関の排ガス浄化装置において、
    前記CO2捕捉材が、更にアルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の熱機関の排ガス浄化装置において、
    前記NOx浄化触媒に流入する排ガスは、常に、CO及びHCの酸化反応における化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気であることを特徴とする熱機関の排ガス浄化装置。
  10. 化学量論量よりも過剰な酸素雰囲気中に、ゼオライト成分を含有するNOx浄化触媒を設置し、排ガス中のCO2量を低減させた後に、該排ガスを前記NOx浄化触媒へ接触させることを特徴とする排ガス浄化方法。
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