JP2015093041A - 宝石付き指輪及び宝石付き指輪の製造方法 - Google Patents

宝石付き指輪及び宝石付き指輪の製造方法 Download PDF

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【課題】 チタンの特性を活かしつつ、婚約指輪のような華やかな外観形状でしかも宝石付きの指輪とその製造方法を提供する。【解決手段】 宝石3が爪留めされている宝石付き指輪1であって、チタンの鋳造によって、爪22,石座23及びリング21が一体形成されている。リング21(指輪のリング部分)の幅寸法は宝石3の外径寸法よりも小さい。そして、リング21には発色性質を発現する酸化皮膜が形成されている。宝石3はダイヤモンドである。【選択図】 図3

Description

本発明は、宝石付き指輪と、宝石付き指輪の製造方法に関する。
装飾品としての指輪は、結婚指輪(wedding ring)と、婚約指輪(engagement ring)が広く知られている。指輪本体は、金、銀、白金(プラチナ)などの貴金属や、ホワイトゴールドやピンクゴールドなどの貴金属合金が用いられている。近年は、指輪本体にチタン、タンタル、イリジウムなどの特殊金属を用いたものがある。そして、装飾美や宝飾品としての価値をさらに高めるため、宝石付き指輪がある。宝石としては、ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド、オパールなどがある。
指輪本体は、貴金属や特殊金属からなり、鋳造法、鍛造法、切削法、圧延法などで製作される。
貴金属や特殊金属の中でも、特にチタンは、生体適合性(生体親和性)が非常に高く、一般には人体アレルギー反応がでない、という特徴がある。また、チタンは、白金や金とほぼ同等の強い耐食性を有する。さらに、チタンは、鋼鉄以上の強度を持つ一方、質量は鋼鉄の約45%と非常に軽い、などの特徴があることから、近年、チタン製の指輪が市場に出回り始めている。
チタン製の装飾品に関し、特許文献1〜4が文献公知となっている。
特許文献1は、宝石付き指輪に関し、オパールやルビーなどの丸い形状の宝石をC字形状の指輪本体の左右の腕で挟むことで宝石が直接指に触れるようにしたこと、指輪本体にチタンを用いてもよいこと、が記載されている。しかし、特許文献1には、指輪本体をどのようにして製作するかについての記述はない。
特許文献2は、指輪に関し、円環形状の指輪にチタンが用いられること、指輪の製造にはロストワックス法を用いることができること、が記載されている。しかし、特許文献2には、単純な円環形状の指輪を製造するに際しロストワックス法を用いることができることを示しているに過ぎない。
特許文献3は、宝石付き指輪に関し、外側装飾品と内側装飾品と留め部材等を指輪本体に組み付けること、外側装飾品と内側装飾品にはチタンを用いてもよいこと、が記載されている。しかし、特許文献3には、指輪本体をどのようにして製作するかについての記述はない。
特許文献4は、複数の構成部材を組み合わせてなる指輪に関し、円環形状の指輪にチタンが用いられること、指輪の製造には圧延法を用いることができること、着色に関し陽極酸化法があること、が記載されている。しかし、特許文献4には、陽極酸化法についての具体的な説明はない。
特開平9−051809号公報 特開2006−247282号公報 特開2008−264288号公報 特開2004−097735号公報
しかしながら、従来、指輪において、チタンを用いる場合は、単純な円環形状とするか、または、主として切削法で製作されていた。換言すれば、鋳造法は単純な円環形状のみの適用しかない。これは、チタンを鋳造しようとすると、溶湯を鋳型に流し込むときにどうしても空気が入ってしまうので、ボリュームのある指輪を作ると、この空気が鬆(す)として表面に出てしまうことがあるからである。しかしながら、切削法でチタン製の指輪を製作すると、生産効率が極めて低く、また、比較的単純な形状しか加工できず、外観形状がやぼったいものとなる。
すなわち、婚約指輪のような華やかな外観形状でしかも宝石付きの指輪をチタンで製造することは、業界では誰も行っていなかった。
このような実情に鑑みて、本発明の目的は、チタンの特性を活かしつつ、華やかな外観形状とした宝石付き指輪とその製造方法を提供するものである。
本発明の宝石付き指輪は、宝石が爪留めされている宝石付き指輪であって、チタンの鋳造によって、爪,石座及びリングが一体形成されていることを特徴とする。ここで、前記リングとは、指輪のリング部分を指している。
本発明によれば、前記宝石が爪留めされている構成であるから、直接リングに宝石を留める構成と比較して、より華やかな外観形状の宝石付き指輪となり、尚且つ、チタンの鋳造によって、爪,石座及びリングが一体形成されている宝石付き指輪であるから、生体適合性(生体親和性)が非常に高く、いわゆる金属アレルギーの人でも抵抗なく宝石付き指輪を身に付けることができる。
チタンには、純チタンと、チタンを主成分としたチタン合金がある。純チタンはJIS1種、JIS2種などがある。チタン合金は代表的なものとしては、高力合金系のJIS60種(通称6−4合金)、JIS61種(通称3−2−5合金)、15−3−3−3合金などがある。純チタンは常温ではα相であり、6−4合金はα相、β相両方を持つα−β合金である。また15−3−3−3合金は準安定のβ相をもつ、β合金である。
前記爪は、前記宝石を中心として前記石座の外周に回転対称で複数配置される。前記爪留めには、立爪、角爪、ききょう爪などがある。前記爪には、鬼爪、わし爪、おがみ爪、三角爪、平爪、板爪、丸爪、並爪、丸線爪などがある。
本発明は、前記爪,石座及びリングが純チタン製であることを特徴とする。
本発明によれば、純チタン製であることで、チタン合金製と比べて硬度が小さくなり、複数の前記爪を機械的に曲げ易く前記宝石を留めることが容易となる。また、純チタンは、チタン合金と比べて、柔らかな風合いをだすことができる。
前記宝石としては、ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド、ヒスイ、オパールなどがある。
本発明は、前記宝石がダイヤモンドであることを特徴とする。
本発明によれば、チタン特有の銀色と、ダイヤモンド特有の透明感のある色との相乗効果によって、より華やかな美しさがある。
本発明は、前記リングの幅寸法が前記宝石の外径寸法よりも小さいことを特徴とする。
本発明によれば、前記リングの幅よりも大きな外径の宝石を留めることとなり、見映えがよくて洗練された外観形状を呈するため、婚約指輪として好適なものとなる。
本発明は、前記リングには発色性質を発現する酸化皮膜が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、チタン表面に形成された酸化皮膜の厚さに応じて特定の色の光だけが強められ、その特定の色に見えるという、チタン特有の発色性質によって、前記リングが好みの色にカラーリングされることとなり、より華やかな色彩を帯びることとなる。
本発明の宝石付き指輪の製造方法は、チタンを鋳造して、爪,石座及びリングを一体形成し、その後、前記爪に外力を加えて前記石座に宝石を留めることを特徴とする。
本発明によれば、鋳造によって、爪,石座及びリングを一体的に同時形成するため、合理的な製造方法となり、かつ、チタンを鋳造することで、生体適合性(生体親和性)が非常に高く、いわゆる金属アレルギーの人でも抵抗なく指輪を身に付けることができる。尚且つ、前記爪に外力を加えて前記石座に宝石を留めることで、リングに宝石を留める構成と比較して、より華やかな外観形状の宝石付き指輪とすることができる。
本発明では、既知のロストワックス法に基づいて鋳造する。金属チタンを溶かした溶湯を鋳型に流し込む湯口は、前記石座とは反対側の位置であり、かつ、前記リングの外側位置とすることが好ましい。湯道を切り離して前記リングの該当箇所を磨いて外形を仕上げることが容易となるからである。
本発明は、前記リングの幅寸法を前記宝石の外径寸法よりも小さく設定することを特徴とする。
本発明によれば、溶湯を鋳型に流し込むときに空気が鋳型に閉じ込められ難くなり、もしも空気が鋳型に閉じ込められて、この空気が鬆(す)として表面に出てしまったとしても前記リングの幅寸法が小さく設定されているから目立たないようにできる。本発明品において、前記鬆(す)が表面に出てしまったとしてもそれは従来品よりも小さいものであるから、例えば、レーザを用いて前記指輪を構成するチタンと同じ金属チタンを共付けすることで前記鬆(す)を見えないようにできる。また例えば、研磨材を用いて研磨することによって前記鬆(す)を見えないようにできる。そして本発明によれば、前記リングの幅よりも大きな外径の宝石を留めることとなり、見映えがよくて洗練された外観形状を呈するため、婚約指輪として好適なものとなる。
チタンは、チタン表面に形成された酸化皮膜の厚さに応じて特定の色の光だけが強められ、その特定の色に見えるという、チタン特有の発色性質を有する。前記酸化皮膜を形成する方法としては、熱処理法と、陽極酸化法、がある。熱処理法は、例えば温度が200℃程度の熱を加えることで所定の酸化皮膜を形成する。陽極酸化法は、チタン製品を陽極に、通電性の良い金属を陰極にして導電性の水溶液に浸し、電圧をかけると陰極からは水素が、陽極からは酸素が発生する。この、陽極で発生した酸素とチタンが結びつき、表面に酸化チタンの膜を形成することとなり、その際に電圧と浸漬時間を調節することで膜厚を自由にコントロールすることができる。可視光に含まれる色であれば、どんな色でもチタンを発色させることは原理的には可能である。
本発明は、陽極酸化法によって前記リングに発色性質を発現する酸化皮膜を形成することを特徴とする。
本発明によれば、陽極酸化法によって電圧値と印加時間のいずれかないしは両方を調節して前記リングを好みの色にカラーリングすることで、より華やかな色彩を前記リングに帯びさせることができる。また、前記リングの電解液への浸漬を複数回繰り返す作業や、浸漬の都度、電流値、電圧値及び印加時間を調節することで、カラーグラデーションを前記リングに付与することが容易にできる。
本発明は、例えば、前記宝石を留める前に、陽極酸化法によって前記リングに発色性質を発現する酸化皮膜を形成する場合がある。この場合は、前記爪や前記石座についても発色性質を発現する酸化皮膜を形成することが容易にできるという利点がある。そして、前記宝石とのマッチングやデザイン上の好みに応じて、不要な個所の前記酸化皮膜を磨き落としてから前記宝石を留めることとなる。
本発明は、例えば、前記宝石を留めた後に、陽極酸化法によって前記リングに発色性質を発現する酸化皮膜を形成する場合がある。この場合は、物理的に力を加える加工が終わってから陽極酸化処理を行うので、酸化皮膜を形成してから物理的に力を加える場合と比較して、酸化皮膜にダメージが加わらないという利点がある。そして、ダイヤモンドは絶縁体であるから、陽極酸化法における通電の影響を受けることはない。
本発明の宝石付き指輪によれば、前記宝石が爪留めされている構成であるから、直接リングに宝石を留める構成と比較して、より華やかな外観形状の宝石付き指輪となり、尚且つ、チタンの鋳造によって、爪,石座及びリングが一体形成されている指輪であるから、生体適合性(生体親和性)が非常に高く、いわゆる金属アレルギーの人でも抵抗なく指輪を身に付けることができる。本発明によれば、純チタン製であることで、チタン合金製と比べて硬度が小さくなり、複数の前記爪を機械的に曲げ易く前記宝石を留めることが容易となる。また、純チタンは、チタン合金と比べて、柔らかな風合いをだすことができる。本発明によれば、チタン特有の銀色と、ダイヤモンド特有の透明感のある色との相乗効果によって、より華やかな美しさがある。本発明によれば、前記リングよりも大きなサイズの宝石を留めることとなり、見映えがよくて洗練された外観形状を呈するため、婚約指輪として好適なものとなる。そして、チタン特有の発色性質によって、前記リングが好みの色にカラーリングされることで、より華やかな色彩を帯びることとなる。
本発明の宝石付き指輪の製造方法によれば、鋳造によって、爪,石座及びリングを一体的に同時形成するため、合理的な製造方法となり、かつ、チタンを鋳造することで、生体適合性(生体親和性)が非常に高く、いわゆる金属アレルギーの人でも抵抗なく指輪を身に付けることができる。尚且つ、前記爪に外力を加えて前記石座に宝石を留めることで、リングに宝石を留める構成と比較して、より華やかな外観形状の宝石付き指輪とすることができる。本発明によれば、溶湯を鋳型に流し込むときに空気が鋳型に閉じ込められ難くなり、もしも空気が鋳型に閉じ込められて、この空気が鬆(す)として表面に出てしまったとしても前記リングの幅寸法が小さく設定されているから目立たないようにできる。そして本発明によれば、前記リングよりも大きなサイズの宝石を留めることとなり、見映えがよくて洗練された外観形状を呈するため、婚約指輪として好適なものとなる。
本発明の宝石付き指輪の製造手順を示すフローチャート図である。 本発明の宝石付き指輪の製造手順の他の例を示すフローチャート図である。 本発明の実施形態の宝石付き指輪を示す斜視図である。 上記実施形態の宝石付き指輪を示す正面図である。 上記実施形態の宝石付き指輪を示す平面図である。 上記実施形態において、宝石を留める前段階の指輪を示す斜視図である。 上記指輪を示す正面図である。 上記指輪を示す平面図である。 上記指輪の鋳造工程を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態の宝石付き指輪の外観を例示する斜視図である。 本発明の実施形態の宝石付き指輪の外観を例示する斜視図である。
本発明を実施するための形態を、実施例に基づいて以下に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明と実質同一又は均等の範囲内において、既知の変更を加えることが可能である。
(実施の形態)
図1は、本発明の宝石付き指輪の製造手順の一例を示すフローチャート図である。本発明の宝石付き指輪1の製造手順は、例えば、モデリング(符号S1)、鋳造(符号S2)、宝石留め(符号S3)、陽極酸化処理(符号S4)の順番で加工される。
モデリング(符号S1)は、既知のコンピュータを使用し、当該コンピュータにインストールされているグラフィックス処理ソフトウエアを起動させて、指輪のデザインを作成し、出来たものをワックスにて造形する。前記ソフトウエアには、3D−CADソフトウエア、2D−CADソフトウエア、その他市販の描画ソフトウエアがある。上記以外に、ワックスを手作業で削って造形する場合もある。
指輪をモデリング(符号S1)した後、鋳造する(符号S2)。鋳造(符号S2)は、既知のロストワックス法に基づいて、純チタンを鋳造する。図9は、本発明に係る指輪2の鋳造工程を模式的に示す断面図である。一例としては、ワックスで造形した指輪の模型を型枠に入れ、石膏などの埋没材51を型枠に流し込んで硬化させ、埋没材51が完全に固まったら、鋳型を逆さにして炉に入れ、脱ロウ及び焼成をする。ワックスを熱で流し出す事によって、ワックス模型の部分がすべて空洞となり、当該空洞部分がそのまま金属の流れるスペースとなる。図9に示す例では、金属チタンを溶かした溶湯を鋳型に流し込む湯口52は、指輪2の石座23とは反対側の位置であり、かつ、指輪2のリング21の外側位置としている。湯口52によってできた湯道を切り離してリング21の該当箇所を磨いて外形を仕上げることが容易となるからである。そして、純チタンを鋳造して、爪,石座及びリングを一体形成する。そして、型枠を外して埋没材51を壊して金属塊を取り出し、湯道を切り離してリング21の該当箇所を磨いて外形を仕上げて指輪2とする。一度溶かして冷えた金属は表面が酸化膜で覆われているため、希硫酸に浸けるなどの酸洗いをする場合がある。そして、金ヤスリや紙ヤスリなどを使い、湯道の痕や、タマガネなどの不要な部分を落として行き、金属ヘラなどで全体をさらに滑らかに仕上げ、さらに研磨剤をつけて磨くなどして所望の外形寸法とする。
図6は、本実施形態において、宝石3を留める前段階の指輪2を示す斜視図である。図7は、宝石3を留める前段階の指輪2を示す正面図である。図8は、宝石3を留める前段階の指輪2を示す平面図である。本実施例では、指輪2は、リング21と、石座23と、複数の爪22が一体的に同時形成されている。図6に示す例では、リング21上の石座23の周囲に等間隔で4つの爪22が配されている。リング21を正面から見ると、爪22及び石座23が王冠のようにも見える(図7を参照)。リング21を上から見ると、2つの円弧形状が石座23の中心よりも手前の位置で結合し、線対称形状であるが、非回転対称形状となっており、それゆえに、より華やかに見える(図8を参照)。なお、上記の爪22の配置数は、一例であり、爪22の配置数の態様は顧客の好みやデザイン上の理由から任意に選定される。
そして、リング21の外周面には溝24が形成されている(図6、図8)。溝24は、形状としての美しさと、後述する陽極酸化皮膜を溝24に形成することで、当該陽極酸化皮膜を保護する役割とがある。
鋳造(符号S2)した後、宝石留めをする(符号S3)。宝石留め(符号S3)は、前記爪に外力を加えて前記石座に宝石を留める。一例としては、ダイヤモンド3を石座23に置いて、鏨を用いて、複数の爪22をリング方向に均等に曲げて、ダイヤモンド3を爪留めする。
図3は、本実施形態の宝石付き指輪1を示す斜視図である。図4は、本実施形態の宝石付き指輪1を示す正面図である。図5は、本実施形態の宝石付き指輪1を示す平面図である。本実施例では、宝石付き指輪1は、ブリリアントカットしたダイヤモンド3を複数の爪22にて爪留めしている。図3〜図5に示す例では、ダイヤモンド3がラウンドブリリアントカットされ平面視で丸くなっており、ダイヤモンド3の外周を4つの爪22が平面視で四角形の対角線上に配されていることから、平面視ではプリンセスカットされたダイヤモンドのようにも映り、おしゃれに見える。なお、上記のダイヤモンド3のカット例は、一例であり、ダイヤモンド3のカットの態様は顧客の好みやデザイン上の理由から任意に選定される。
本実施形態によれば、鋳造によって、爪,石座及びリングを一体的に同時形成するため、合理的な製造方法となり、かつ、純チタンを鋳造することで、生体適合性(生体親和性)が非常に高く、いわゆる金属アレルギーの人でも抵抗なく指輪を身に付けることができる。尚且つ、複数の爪22に外力を加えて石座23に宝石3を留めることで、より華やかな外観形状の宝石付き指輪1とすることができる。そして、図5に示すとおり、リング21の幅寸法D1を宝石3の外径寸法D2よりも小さく設定している(D1<D2)。本実施形態によれば、溶湯を鋳型に流し込むときに空気が鋳型に閉じ込められ難くなり、もしも空気が鋳型に閉じ込められて、この空気が鬆(す)として表面に出てしまったとしてもリング21の幅寸法が小さく設定されているから目立たないようになる。
そして、宝石留め(符号S3)した後、陽極酸化処理する(符号S4)。陽極酸化処理(符号S4)は、既知の陽極酸化法に基づいて、指輪2に施される。より具体的には、チタン製指輪2を陽極に、通電性の良い金属を陰極にして導電性の水溶液に浸し、電圧をかけると陰極からは水素が、陽極からは酸素が発生する。この、陽極で発生した酸素とチタンが結びつき、表面に酸化チタンの膜を形成することとなり、その際に電圧と浸漬時間を調節することで膜厚を自由にコントロールすることができる。可視光に含まれる色であれば、どんな色でもチタンを発色させることは原理的には可能である。そして、純チタンを用いることで、より鮮やかな発色となる。
図10は、本実施形態の宝石付き指輪1の外観を例示する斜視図である。図10に示す例では、指輪2のリング21に陽極酸化処理を施して、酸化皮膜によって赤ワインのような赤色を発色させた後、リング21の外周面の溝24以外の箇所を磨いて上記酸化皮膜を除去している。これによって、リング21は、溝24が赤色となり、それ以外の箇所がチタン特有の銀色となる。図10に示す例によれば、チタン酸化皮膜による赤色などのカラーと、チタン本来の銀色と、ダイヤモンド特有の透明感のある色と、の相乗効果によって、より華やかな美しさがある。
図1に示すフローチャートの例では、陽極酸化処理(符号S4)は、陽極酸化法によって電圧値と印加時間のいずれかないしは両方を調節してリング21を好みの色にカラーリングすることで、より華やかな色彩をリング21に帯びさせることができる。図1に示すフローチャートの例では、物理的に力を加える加工が終わってから陽極酸化処理を行うので、酸化皮膜を形成してから物理的に力を加える場合と比較して、酸化皮膜にダメージが加わらないという利点がある。そして、溝24は、形状としての美しさがあり、尚且つ、陽極酸化皮膜を溝24に形成することで、当該陽極酸化皮膜が擦れ落ちないように保護する役割がある。
陽極酸化処理(符号S4)については、顧客の好みや、宝石3とのカラーマッチングや、外形デザインとの関係から、省略する場合がある。
図2は、本発明の宝石付き指輪の製造手順の他の例を示すフローチャート図である。本発明の宝石付き指輪1の製造手順は、例えば、モデリング(符号S1)、鋳造(符号S2)、陽極酸化処理(符号S4)、宝石留め(符号S3)、の順番である。ここで、符号S1〜S4で示す各作業は上述のとおりであり、図1と図2とでは、陽極酸化処理(符号S4)と宝石留め(符号S3)の順序みが相違しているが、基本的な製造方法は同じである。
図2に示すフローチャートの例では、陽極酸化処理(符号S4)は、陽極酸化法によって電圧値と印加時間のいずれかないしは両方を調節して指輪2を好みの色にカラーリングすることで、より華やかな色彩を指輪2に帯びさせることができる。また、指輪2の電解液への浸漬を複数回繰り返す作業や、浸漬の都度、電流値、電圧値及び印加時間を調節することで、カラーグラデーションを指輪2に付与することが容易にできる。
図11は、本実施形態の宝石付き指輪1Aと1Bの外観を例示する斜視図である。図11に示す例では、指輪2自体に陽極酸化処理を施して、酸化皮膜によって発色させた後、リング21の外周面の溝24以外の箇所のうち、銀色のラインとしたい部分のみを磨いて上記酸化皮膜を除去している。これによって、指輪2は多色となり、チタン特有の銀色をも備えている。図11に示す例によれば、符号1Aの宝石付き指輪は、緑色、青色、赤色、紫色などの多彩な色合いでカラーグラデーションが指輪2に付与されている。また、符号1Bの宝石付き指輪は、緑色、橙色、赤色、紫色などの多彩な色合いでカラーグラデーションが指輪2に付与されている。
図2に示すに示すフローチャートの例では、爪22や石座23についても発色性質を発現する酸化皮膜を形成することが容易にできるという利点がある。そして、宝石3とのマッチングやデザイン上の好みに応じて、不要な部分の前記酸化皮膜を磨き落としてから宝石3を留めるか、または、宝石3を留めてから、不要な部分の前記酸化皮膜を磨き落とすこととなる。
図2に示すフローチャート以外の方法としては、例えば、1回目の陽極酸化処理(符号S4)を行い、宝石留め(符号S3)を行い、2回目の陽極酸化処理(符号S4)を行う場合もある。
そして、必要に応じて、再度、指輪2の銀色の部分にしたいところを磨き上げて、宝石付き指輪1が完成する。
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。酸化皮膜は、陽極酸化処理に限定されず、熱処理によって酸化皮膜を形成してもよい。また、マスキングしてから陽極酸化処理を行うことで、必要な部分のみ発色させることも可能である。上述の例では、指輪2のリング21には、溝24が形成されているとして説明したが、溝24がない場合もある。また、溝24に代えて、柄や模様やラインや凹凸を設けることも可能であり、これらと溝24を組み合わせることも任意に設定できる。上述の例では、宝石3は、ダイヤモンドであるとして説明したが、ルビー、サファイア、エメラルド、ヒスイ、オパールなどの既知の宝石を用いる場合がある。上述の例では、リング21上の石座23の周囲に等間隔で4つの爪22が配されているとして説明したが、これに限定されず、6つの爪や、5つの爪や、3つの爪や、2つの爪や、1つの爪とする場合がある。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
1、1A、1B 本発明の宝石付き指輪、
2 指輪、
3 宝石、
21 リング(指輪のリング部分)、
22 爪、
23 石座

Claims (10)

  1. 宝石が爪留めされている宝石付き指輪であって、チタンの鋳造によって、爪,石座及びリングが一体形成されていることを特徴とする宝石付き指輪。
  2. 前記爪,石座及びリングが純チタン製であることを特徴とする請求項1記載の宝石付き指輪。
  3. 前記宝石がダイヤモンドであることを特徴とする請求項1または2記載の宝石付き指輪。
  4. 前記リングの幅寸法が前記宝石の外径寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の宝石付き指輪。
  5. 前記リングには発色性質を発現する酸化皮膜が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の宝石付き指輪。
  6. チタンを鋳造して、爪,石座及びリングを一体形成し、その後、前記爪に外力を加えて前記石座に宝石を留めることを特徴とする宝石付き指輪の製造方法。
  7. 前記爪,石座及びリングが純チタン製であることを特徴とする請求項6記載の宝石付き指輪の製造方法。
  8. 前記宝石がダイヤモンドであることを特徴とする請求項6または7記載の宝石付き指輪の製造方法。
  9. 前記リングの幅寸法を前記宝石の外径寸法よりも小さく設定することを特徴とする請求項6から8のいずれか一項記載の宝石付き指輪。
  10. 陽極酸化法によって前記リングに発色性質を発現する酸化皮膜を形成することを特徴とする請求項6から9のいずれか一項記載の宝石付き指輪の製造方法。
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