JP2012179343A - 装身具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属固有の光沢や質感を保ったまま、様々な色彩の発色を可能にする装身具を提供する。
【解決手段】 弁金属を装身具の形状に加工し、該指装身具の表面に透明酸化被膜を生成させることにより、透明酸化被膜の干渉作用による発色によって、金属固有の光沢や質感を保ったまま、様々な色彩の発色を可能にする装身具が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は装身具に関わり、金属固有の光沢や質感を保ったまま、様々な色彩の発色を可能にする装身具に関する。
従来、装身具に様々な色彩の発色を可能にさせるには、主に着色された合成樹脂が用いられていた。
先行技術
特開2010−214046
特開平9−51810
しかしながらこの方法では金属特有の光沢や質感を損ない、また劣化による剥がれを生じる恐れがあった。装身具において金属光沢や質感は、品質を高めるための重要な要素であり、その部分において合成樹脂を使用することは品質の低下、耐久性の低下、さらには金属のもつ重量感を損なうという問題があった。
また、装身具の一部分に使用するには適しているが、装身具全体及び大部分にわたって発色させるには樹脂塗装の手間や、金属光沢特有の高級感を損なうことにもつながり実用に適したものではなかった。
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、金属固有の光沢や質感を保ったまま、様々な色彩の発色を可能にする装身具を提供する。
このため、本発明(請求項1)は、弁金属を装身具の形状に加工し、該装身具の表面に透明酸化被膜を生成させたことを特徴とする。
弁金属は熱及び陽極酸化によって透明な酸化被膜を生成する。該被膜は、光が当たると光の干渉が起こり、特定の光の波長が増幅された形で外部に出てくる。このため、青色、黄色、緑色、ピンク色、オレンジ色、紫色等の色が、極めて高い彩度で認識されるようになる。
また、本発明(請求項2)は、装身具であって、該弁金属がジルコニウムであることを特徴とする。
ジルコニウムに対し生成された酸化被膜は、膜強度が強く、装身具として長期に渡って装着された場合でも傷が付きにくく色落ちしない。このため、長期に渡り製品の品質を維持できる。
また、本発明(請求項3)は、装身具であって、該弁金属がタンタルであることを特徴とする。
タンタルに対して生成された酸化被膜は、タンタル自体の持つ固有の地金色によって、他の弁金属にはない特有の色彩が存在する。また、比重が16.65と非常に大きいため装身具に使用されるプラチナや金といった貴金属と比較しても重量感を損なわない。
また、本発明(請求項4)は、装身具であって、該弁金属がニオブであることを特徴とする。
ニオブに対して生成された酸化被膜は、ニオブの持つ地金色によって他の弁金属にはない特有の色彩が発色可能となる。また、比重が8.75と装身具に多用される銀と比較しても重量感を損なわない。
また、本発明(請求項5)は、装身具であって、該弁金属がタングステンであることを特徴とする。
タングステンに対して生成された酸化被膜は、硬度が非常に高いため日常的に使用する装身具に適した耐久性を持つ。また、比重も19.25と非常に大きいため装身具に使用されるプラチナや金といった貴金属と比較しても重量感を損なわない。
また、本発明(請求項6)は、装身具であって、該弁金属がモリブデンであることを特徴とする。
モリブデンに対して生成された酸化被膜は、モリブデンの持つ地金色によって他の弁金属にはない特有の色彩が発色可能となる。また、比重が10.28と装身具に多用される銀と比較しても重量感を損なわない。
以上説明したように本発明によれば弁金属を装身具の形状に加工し、該装身具の表面に透明酸化被膜を生成させることにより、透明酸化被膜の干渉作用による発色によって、金属固有の光沢や質感を保ったまま、様々な色彩の発色を可能にする装身具が提供される。
以下に、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態である装身具の一例として指輪を用いた場合について説明する。図1に本発明の制作工程を示す。ここでは指輪を例にとって説明するが、本発明は、指輪以外にもペンダントやイヤリング、時計などの幅広い装身具に適用可能である。
ステップ1では、材料となる弁金属を準備する。この際、準備する材料の形状は弁金属の種類によって異なる。例えばジルコニウムやタンタルの場合、切削加工が可能なので丸棒や板材を準備する。
タングステンなど非常に硬度が高い金属は、最初から指輪形状に粉末冶金されたものを使用するとよい。
ステップ2では、装身具の形状に加工を行うが、弁金属の種類によってその方法は異なる。ジルコニウムやタンタルを使用する場合、旋盤やフライス盤によって目的とする指輪形状に切削していく。その際は、最終的な表面の仕上げ状態を考慮し、加工していく。
タングステンの場合は、材料を準備する段階ですでに指輪形状になっているためこの工程は省くことができる。
ステップ2で指輪形状に完成した指輪1をステップ3で、表面を仕上げる。指輪1の表面を鏡面にするかつや消しにするかで発色時の彩度が異なるため、指輪1のデザインに合わせて表面処理を行う。どちらの仕上げでも発色は可能なので、特に限定する必要はない。
ここで、酸化被膜生成法が2つに分かれるので、陽極酸化による方法をステップ4−a。電気炉による方法をステップ4−bとする。どちらの方法でも同様の結果が得られるため、設備条件によって方法を選択するとよい。
まず、ステップ4−aの陽極酸化方法について説明する。電解漕の中に、水1リットルに対し体積比でリン酸3パーセント及び過酸化水素3パーセントが入れられた溶液を満たす。一方の電極1にチタニウムを用い、もう一方の電極2には指輪1を取り付ける。電極1と電極2の間には、交流電源より交流電圧が印加されている。交流電源ならば交流電圧は20〜240ボルト可変であるが、直流電圧が印加されるようにしてあってもよい。この時、印加される電圧の大きさにより、ジルコニウムの発色の程度や色具合が変化する。電圧は好みの発色とするように調整される。
次にステップ4−bの電気炉による方法について説明する。温度調整が可能な電気炉を用意する。前記範囲内の温度に設定された炉の中に、指輪1を置き一定時間放置すると指輪1の表面に酸化被膜が生成される。この時、炉内設定温度、放置時間によって指輪の発色の程度や色具合が変化する。設定温度及び放置時間は好みの発色とするように調整される。
このように生成された酸化被膜は、透明被膜であり、被膜自体は透明であるが、被膜に光が当たると光の干渉が起こり、特定の光の波長が増幅された形で外部に出てくる。このため、青色、黄色、緑色、ピンク色、オレンジ色、紫色等の色が、極めて高い彩度で認識されるようになる。
本発明の活用例として、指輪、時計等の装身具の他に筆記用具等の文房具、その他金属の発色を必要とするすべての分野に適用可能である。
指輪発色の作業工程を示す図

Claims (7)

  1. 弁金属を装身具の形状に加工し、該装身具の表面に透明酸化被膜を生成させたことを特徴とする装身具。
  2. 該弁金属がジルコニウムであることを特徴とする「請求項1」の装身具。
  3. 該弁金属がタンタルであることを特徴とする「請求項1」の装身具。
  4. 該弁金属がニオブであることを特徴とする「請求項1」の装身具。
  5. 該弁金属がタングステンであることを特徴とする「請求項1」の装身具。
  6. 該弁金属がモリブデンであることを特徴とする「請求項1」の装身具。
  7. 該弁金属がハフニウムであることを特徴とする「請求項1」の装身具。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015063067A (ja) * 2013-09-25 2015-04-09 三菱鉛筆株式会社 インクリフィル及び筆記具

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