JP2015092485A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】有機エレクトロルミネッセンス素子の素子特性を改善させるために、特に、光の取出し効率を大幅に改善させるために、屈折率が高く、薄膜の安定性や耐久性に優れているとともに、青、緑および赤それぞれの波長領域において吸収を持たない材料から構成されるキャッピング層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること。【解決手段】少なくとも陽極電極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、陰極電極およびキャッピング層をこの順に有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記キャッピング層が下記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。【選択図】なし

Description

本発明は、各種の表示装置に好適な自発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と略称する)に関するものであリ、詳しくは特定のアリールアミン化合物を用いた有機EL素子に関するものであり、特に、光の取出し効率が大幅に改善された有機EL素子に関するものである。
有機EL素子は自己発光性素子であるため、液晶素子に比べて明るく視認性に優れ、鮮明な表示が可能であることから、活発な研究がなされてきた。
1987年にイーストマン・コダック社のC.W.Tangらは各種の役割を各材料に分担した積層構造素子を開発することにより有機材料を用いた有機EL素子を実用的なものにした。彼らは電子を輸送することのできる蛍光体と正孔を輸送することのできる有機物とを積層し、両方の電荷を蛍光体の層の中に注入して発光させることにより、10V以下の電圧で1000cd/m以上の高輝度が得られるようになった(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
現在まで、有機EL素子の実用化のために多くの改良がなされ、積層構造の各種の役割をさらに細分化して、基板上に順次に、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極を設けた電界発光素子において、高効率と耐久性が、底部から発光するボトムエミッション構造の発光素子によって達成されるようになってきた(例えば、非特許文献1参照)。
近年、高い仕事関数を持った金属を陽極に用い、上部から発光するトップエミッション構造の発光素子が用いられるようになってきた。画素回路によって発光部の面積が制限されてしまうボトムエミッション構造の発光素子とは違い、トップエミッション構造の発光素子では、発光部を広くとれるという利点がある。トップエミッション構造の発光素子では、陰極にLiF/Al/Ag(例えば、非特許文献2参照)、Ca/Mg(例えば、非特許文献3参照)、LiF/MgAgなどの半透明電極が用いられる。
このような発光素子では、発光層で発光した光が他の膜に入射する場合に、ある角度以上で入射すると、発光層と他の膜との界面で全反射されてしまう。このため、発光した光の一部しか利用できていなかった。近年、光の取出し効率を向上させるために、屈折率の低い半透明電極の外側に、屈折率の高い「キャッピング層」を設けた発光素子が提案されている(例えば、非特許文献2および3参照)。
トップエミッション構造の発光素子におけるキャッピング層の効果は、Ir(ppy)を発光材料に用いた発光素子において、キャッピング層がない場合は電流効率が38cd/Aであったものが、キャッピング層として膜厚60nmのZnSeを使用した発光素子では、64cd/Aと約1.7倍の効率向上が認められた。また、半透明電極とキャッピング層の透過率の極大点と効率の極大点とが必ずしも一致しないことが示されており、光の取出し効率の最大点は干渉効果によって決められることが示されている(例えば、非特許文献3参照)。
キャッピング層の形成には、精細度の高いメタルマスクを用いることが提案されているが、かかるメタルマスクでは、熱による歪みによって位置合わせ精度が悪くなるという問題点があった。すなわち、ZnSeは、融点が1100℃以上と高く(例えば、非特許文献3参照)、精細度の高いマスクでは正確な位置に蒸着することができない。無機物の多くは蒸着温度が高く、精細度の高いマスクの使用には適さず、発光素子そのものにもダメージを与える可能性がある。さらに、スパッタ法による成膜では、発光素子にダメージを与えてしまうため、無機物を構成材料とするキャッピング層は使用することができない。
屈折率を調整するキャッピング層として、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(以後、Alqと略称する)を使用する場合(例えば、非特許文献2参照)、Alqは緑の発光材料または電子輸送材料として一般的に使用される有機EL材料として知られているが、青色発光素子に使用される450nm付近に弱い吸収を持つ。そのために、青色発光素子の場合、色純度の低下と、光の取出し効率がともに低下するという問題点もあった。
有機EL素子の素子特性を改善させるために、特に、光の取出し効率を大幅に改善させるために、キャッピング層の材料として、屈折率が高く、薄膜の安定性や耐久性に優れた材料が求められている。
特開平8−048656号公報 特許第3194657号公報 WO2013−038627号
応用物理学会第9回講習会予稿集55〜61ページ(2001) Appl.Phys.Lett.,78,544(2001) Appl.Phys.Lett.,82,466(2003) Aust.J.Chem.,45,371(1992) J.Org.Chem.,60,7508(1995) Synth.Commun.,11,513(1981) Appl.Phys.Let.,98,083302(2011)
本発明の目的は、有機EL素子の素子特性を改善させるために、特に、光の取出し効率を大幅に改善させるために、屈折率が高く、薄膜の安定性や耐久性に優れているとともに、青、緑および赤それぞれの波長領域において吸収を持たない材料から構成されるキャッピング層を備えた有機EL素子を提供することにある。
本発明に適したキャッピング層の材料における物理的な特性としては、(1)屈折率が高いこと、(2)蒸着が可能で熱分解しないこと、(3)薄膜状態が安定であること、(4)ガラス転移温度が高いことをあげることができる。また、本発明に適した素子の物理的な特性としては、(1)光の取出し効率が高いこと、(2)色純度の低下がないこと、(3)経時変化することなく光を透過すること、(4)長寿命であることをあげることができる。
本発明者らは上記の目的を達成するために、アリールアミン系材料が薄膜の安定性や耐久性に優れていることに着目して、屈折率が高い特定のアリールアミン化合物を選別し、キャッピング層を構成する材料として用いた有機EL素子を作製し、素子の特性評価を鋭意行った結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下の有機EL素子が提供される。
1)少なくとも陽極電極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、陰極電極およびキャッピング層をこの順に有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記キャッピング層が下記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を含む、有機EL素子。
Figure 2015092485
(1)
(式中、Ar、Ar、Ar、Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、nは0〜4の整数を表す。ここで、Ar、Ar、Ar、Arの少なくとも1つは、下記構造式(B)で示される1価基であるか、もしくは、該1価基を置換基として有するものとする。)
Figure 2015092485
(B)
(式中、R、R、R、Rは相互に同一でも異なってもよく、連結基、もしくは水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であって、単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはN−Arを介して互いに結合して環を形成していてもよい。Xは炭素原子または窒素原子を表し、Yは炭素原子、酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を表し、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、もしくは連結基を表し、Ar、Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、もしくは連結基であって、Yが酸素原子もしくは硫黄原子である場合、YはArを有さないものとし、XおよびYが窒素原子である場合、Ar、Ar、Arのいずれかひとつが置換基、もしくは連結基であるものとし、Xが窒素原子かつYが炭素原子である場合、XはArを有さないものとする。Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。ただし、R、R、R、R、Ar、Ar、Arのいずれか1つのみが連結基であるものとし、Xが窒素原子、かつYが酸素原子もしくは硫黄原子である場合を除く。なお、Ar、Ar、Arは相互に同一でも異なってもよい。)
2)前記構造式(B)が下記構造式(B−1)で示される1価基である、上記1)記載の有機EL素子。
Figure 2015092485
(B−1)
(式中、R、R、R、Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であって、単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはN−Arを介して互いに結合して環を形成してもよい。Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。)
3)前記構造式(B)が下記構造式(B−2)で示される1価基である、上記1)記載の有機EL素子。
Figure 2015092485
(B−2)
(式中、R、R、Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であって、RとRは単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはN−Arを介して互いに結合して環を形成してもよい。Ar、Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。)
4)前記構造式(B)が下記構造式(B−3)で示される1価基である、上記1)記載の有機EL素子。
Figure 2015092485
(B−3)
(式中、R、R、R、Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であって、単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはN−Arを介して互いに結合して環を形成してもよい。Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。)
5)前記構造式(B)が下記構造式(B−4)で示される1価基である、上記1)記載の有機EL素子。
Figure 2015092485
(B−4)
(式中、R、R、R、Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であって、単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはN−Arを介して互いに結合して環を形成してもよい。Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。)
6)前記構造式(B)が下記構造式(B’)で示される1価基である、上記1)記載の有機EL素子。
Figure 2015092485
(B’)
(式中、R、R、R、R、R、Rは相互に同一でも異なってもよく、連結基、もしくは水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であって、単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはN−Arを介して互いに結合して環を形成していてもよい。Xは炭素原子または窒素原子を表し、Yは炭素原子、酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を表し、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、もしくは連結基を表し、Ar、Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、もしくは連結基であって、Yが酸素原子もしくは硫黄原子である場合、YはArを有さないものとし、XおよびYが窒素原子である場合、Ar、Ar、Arのいずれかひとつが置換基、もしくは連結基であるものとし、Xが窒素原子かつYが炭素原子である場合、XはArを有さないものとする。Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。ただし、R、R、R、R、R、R、Ar、Ar、Arのいずれか1つのみが連結基であるものとし、Xが窒素原子、かつYが酸素原子もしくは硫黄原子である場合を除く。)
7)前記一般式(1)において、nが0である、上記1)記載の有機EL素子。
8)前記一般式(1)において、nが1である、上記1)記載の有機EL素子。
9)前記一般式(1)において、nが2である、上記1)記載の有機EL素子。
10)前記一般式(1)において、Ar、Ar、Ar、Arのいずれか2つが、前記構造式(B)で示される1価基であるか、もしくは該1価基を置換基として有するものである、上記1)記載の有機EL素子。
11)前記一般式(1)において、ArおよびArが、前記構造式(B)で示される1価基であるか、もしくは該1価基を置換基として有するものである、上記1)記載の有機EL素子。
12)前記キャッピング層の厚さが、30nm〜120nmの範囲内である、上記1)記載の有機EL素子。
13)前記キャッピング層の屈折率が、該キャッピング層を透過する光の波長が450nm〜750nmの範囲内において、1.85以上である、上記1)記載の有機EL素子。
14)前記一般式(1)で表される化合物を有機エレクトロルミネッセンス素子のキャッピング層に用いる方法。
一般式(1)中のAr〜Arで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、具体的に、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピリジル基、フリル基、ピロリル基、チエニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、およびカルボリニル基などをあげることができる。また、ArとAr、もしくはArとArは単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはN−Arを介して互いに結合して環を形成していてもよい。ここで、「N−Ar」の「N」は窒素原子を表し、「Ar」は「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」であって、前記例示した基と同様の基をあげることができ、これらの基が有していてよい置換基も、同様に下記に例示した置換基をあげることができる。
一般式(1)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」としては、具体的に、重水素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基;メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基などの炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基;アリル基などのアルケニル基;ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基などのアラルキル基;フェニルオキシ基、トリルオキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのアリールアルキルオキシ基;フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基などの芳香族炭化水素基もしくは縮合多環芳香族基;ピリジル基、フリル基、チエニル基、ピロリル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルボリニル基などの芳香族複素環基;スチリル基、ナフチルビニル基などのアリールビニル基;アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基などの芳香族炭化水素基もしくは縮合多環芳香族基で置換されたジ置換アミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基などのジアラルキルアミノ基;ジピリジルアミノ基、ジチエニルアミノ基などの芳香族複素環基で置換されたジ置換アミノ基;ジアリルアミノ基などのジアルケニルアミノ基;アルキル基、芳香族炭化水素基、縮合多環芳香族基、アラルキル基、芳香族複素環基またはアルケニル基から選択される置換基で置換されたジ置換アミノ基のような基をあげることができ、これらの置換基は、さらに前記例示した置換基が置換していてもよい。
また、これらの置換基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはN−Arを介して互いに結合して環を形成していてもよい。ここで、「N−Ar」は、上記一般式(1)中のAr〜Arで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」に関して規定した「N−Ar」と同じものを意味する。
構造式(B)、(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−4)、(B’)中のR〜Rで表される、「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」としては、具体的に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基および2−ブテニル基などをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはN−Arを介して互いに結合して環を形成していてもよい。ここで、「N−Ar」は、上記一般式(1)中のAr〜Arで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」に関して規定した「N−Ar」と同じものを意味する。
構造式(B)、(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−4)、(B’)中のR〜Rで表される、「置換基を有する炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」、「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基」または「置換基を有する炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基」における「置換基」としては、上記一般式(1)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
構造式(B)、(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−4)、(B’)中のR〜Rで表される、「置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」における「炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」としては、具体的に、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、1−アダマンチルオキシ基および2−アダマンチルオキシ基などをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはN−Arを介して互いに結合して環を形成していてもよい。ここで、「N−Ar」は、上記一般式(1)中のAr〜Arで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」に関して規定した「N−Ar」と同じものを意味する。
構造式(B)、(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−4)、(B’)中のR〜Rで表される、「置換基を有する炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」または「置換基を有する炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基」における「置換基」としては、上記一般式(1)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
構造式(B)、(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−4)、(B’)中のR〜Rで表される、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、上記一般式(1)中のAr〜Arで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
構造式(B)、(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−4)、(B’)中のR〜Rで表される、「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」としては、上記一般式(1)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
構造式(B)、(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−4)、(B’)中のR〜Rで表される、「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」における「アリールオキシ基」としては、具体的に、フェニルオキシ基、トリルオキシ基、ビフェニリルオキシ基、ターフェニリルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、フェナントリルオキシ基、フルオレニルオキシ基、インデニルオキシ基、ピレニルオキシ基、ペリレニルオキシ基などをあげることができ、これらの基同士が単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはN−Arを介して互いに結合して環を形成していてもよい。ここで、「N−Ar」は、上記一般式(1)中のAr〜Arで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」に関して規定した「N−Ar」と同じものを意味する。
構造式(B)、(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−4)、(B’)中のR〜Rで表される、「置換アリールオキシ基」における「置換基」としては、上記一般式(1)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
構造式(B)、(B−2)、(B’)中のAr、Ar、Arで表される、「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」としては、上記一般式(1)中のAr〜Arで表される「置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基」、「置換もしくは無置換の芳香族複素環基」または「置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基」における「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」または「縮合多環芳香族基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
構造式(B)、(B−2)、(B’)中のAr、Ar、Arで表される、「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」としては、上記一般式(1)中のAr〜Arで表される「置換芳香族炭化水素基」、「置換芳香族複素環基」または「置換縮合多環芳香族基」における「置換基」に関して示したものと同様のものをあげることができ、とりうる態様も、同様のものをあげることができる。
一般式(1)において、nは0〜4の整数を表し、nは0、1または2であることが好ましく、0または1であることがより好ましい。
一般式(1)において、Ar、Ar、Ar、Arの少なくとも1つが前記構造式(B)である態様か、Ar、Ar、Ar、Arの少なくとも1つが前記構造式(B)をその置換基として有する態様、もしくは、Ar、Ar、Ar、Arの少なくとも1つが前記構造式(B)であり、かつAr、Ar、Ar、Arの少なくとも1つが前記構造式(B)をその置換基として有する態様であるものとし、Ar、Ar、Ar、Arのいずれか2つが前記構造式(B)である態様か、Ar、Ar、Ar、Arのいずれか2つが前記構造式(B)をその置換基として有する態様、もしくは、Ar、Ar、Ar、Arのいずれか1つが前記構造式(B)であり、かつ前記構造式(B)ではないAr、Ar、Ar、Arのいずれか1つが前記構造式(B)をその置換基として有する態様であることが好ましく、ArおよびArが前記構造式(B)である態様か、ArおよびArが前記構造式(B)をその置換基として有する態様、もしくは、Arが前記構造式(B)であり、Arが前記構造式(B)をその置換基として有する態様であることがより好ましく、ArおよびArが前記構造式(B−1)、(B−3)または(B−4)を置換基として有する態様、もしくは、前記構造式(B−2)である態様がより好ましい。
一般式(1)中のAr、Ar、Ar、Arとしては、芳香族炭化水素基、縮合多環芳香族基、前記構造式(B)、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基が好ましく、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フェナントリル基、フルオレニル基、前記構造式(B)、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基がより好ましく、フェニル基、ビフェニリル基、フルオレニル基、前記構造式(B)、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基が特に好ましい。
構造式(B)、(B−2)、(B’)中のAr、Ar、Arとしては、芳香族炭化水素基、縮合多環芳香族基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基が好ましく、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フェナントリル基、フルオレニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基がより好ましい。
一般式(1)において、R、R、R、R、Ar、Ar、Arのいずれか1つのみが連結基であるものとする。
構造式(B)、(B’)において、Xは炭素原子または窒素原子を表し、Yは炭素原子、酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を表す。ここで、Yが酸素原子、もしくは硫黄原子である場合、YはArの連結基、もしくは置換基を有さない(Arが存在しない)ものとし、XおよびYが窒素原子である場合、Ar、Ar、Arのいずれかひとつが連結基、もしくは置換基である(Ar、Ar、Arのいずれかふたつが存在しない)ものとし、Xが窒素原子かつYが炭素原子である場合、Ar、Arのいずれかが連結基、もしくは置換基である(Ar、Arのいずれかが存在しない)ものとする。
構造式(B)、(B’)において、Xが窒素原子である場合、Yは窒素原子であることが好ましく、この場合において、Ar、ArもしくはArの連結基は、Ar、Ar、Ar、Arの炭素原子と結合する(構造式(B)もしくは(B’)が、Ar、Ar、ArもしくはArの置換基となる)のが、化合物の安定性の観点から好ましい。
構造式(B)、(B’)において、Xが炭素原子である場合、Yは炭素原子、酸素原子、または硫黄原子であることが好ましく、酸素原子、または硫黄原子であることがより好ましい。
構造式(B)、(B’)において、Xが窒素原子、かつYが酸素原子もしくは硫黄原子である場合は本発明から除かれる。
本発明の有機EL素子に好適に用いられる、前記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物は、有機EL素子の正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子阻止層またはキャッピング層の構成材料として使用することができる。
また、本発明の有機EL素子において、前記キャッピング層の厚さは、30nm〜120nmの範囲であることが好ましく、40nm〜80nmの範囲であることがより好ましい。
また、本発明の有機EL素子において、前記キャッピング層を透過する光の波長が450nm〜750nmの範囲内における、該キャッピング層の屈折率が1.85以上であることが好ましく、1.90以上であることがより好ましい。
また、本発明の有機EL素子において、前記キャッピング層を2種以上の異なる構成材料を積層することによって作製してもよい。
本発明の有機EL素子は、透明または半透明電極の外側に設けた、半透明電極よりも屈折率の高いキャッピング層を有するため、光の取出し効率を大幅に向上することができる有機EL素子が得られる。また、キャッピング層に、前記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を使用することによって、400℃以下の温度で成膜することができるので、発光素子にダメージを与えることなく、また高精細マスクを用いて各色の光の取出し効率を最適化することができるとともに、フルカラーディスプレイに好適に適用でき、色純度がよく鮮明で明るい画像を表示することができる。
本発明の有機EL素子は、キャッピング層の材料として、屈折率が高く、薄膜の安定性や耐久性に優れた有機EL素子用の材料を用いているため、従来の有機EL素子に比べて、光の取出し効率を大幅に向上することができる。さらに、高効率、長寿命の有機EL素子を実現することが可能となった。
本発明実施例1の化合物(1−1)のH−NMRチャート図である。 本発明実施例2の化合物(1−32)のH−NMRチャート図である。 本発明実施例3の化合物(1−2)のH−NMRチャート図である。 本発明実施例4の化合物(1−22)のH−NMRチャート図である。 本発明実施例5の化合物(1−23)のH−NMRチャート図である。 本発明実施例6の化合物(1−25)のH−NMRチャート図である。 実施例10〜13、比較例1の有機EL素子構成を示した図である。
本発明の有機EL素子に好適に用いられる、前記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物は新規な化合物であり、これらの化合物は例えば、以下のように合成できる。例えば、1,2−ジアミノベンゼン誘導体とニトロアリール誘導体より、既知の方法によって、2−アミノアリールアゾベンゼン誘導体を合成し、ビス(アセタト−O)フェニルイオジンによる酸化的環化反応を行うことによってアリール基を有するベンゾトリアゾール誘導体を合成することができる(例えば、非特許文献4参照)。
ここでハロゲン原子、例えばブロモ原子を置換基として有する、1,2−ジアミノベンゼン誘導体もしくはニトロアリール誘導体を用いることによって、アリール基を有するベンゾトリアゾール誘導体のブロモ置換体を合成することができる。続いて、このブロモ置換体とジアリールアミンとのウルマン反応、ブッフバルド・ハートウィッグ反応などによる縮合反応を行うことによって、本発明の一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を合成することができる。
また、前記合成したアリール基を有するベンゾトリアゾール誘導体に対して、N−ブロモコハク酸イミドなどによるブロモ化を行うことによっても、ブロモ化されたベンゾトリアゾール誘導体を合成することができる。ここで、ブロモ化の試薬、条件を変更することによって、置換位置の異なるブロモ置換体を得ることができる。そして、同様の反応を行うことによって、本発明の一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を合成することができる。
また、このブロモ置換体に対し、種々のアリールハライドとピナコールボランやビス(ピナコラート)ジボロンとの反応で合成されたボロン酸またはボロン酸エステル誘導体(例えば、非特許文献5参照)とをSuzukiカップリングなどのクロスカップリング反応(例えば、非特許文献6参照)を行うことによっても、本発明の一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を合成することができる。
また、前記ブロモ置換体からボロン酸またはボロン酸エステル(例えば、非特許文献5参照)誘導体を合成し、種々のジアリールアミノ基を有するアリールハライドとのSuzukiカップリングなどのクロスカップリング反応(例えば、非特許文献6参照)を行うことによっても、本発明の一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を合成することができる。
ここで、相当する置換基を有するベンゾチアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、もしくはインドール誘導体のブロモ置換体、もしくはブロモ化を行った後のブロモ置換体に対し、同様の反応を行うことによって、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、もしくはインドール基を有する本発明の一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を合成することができる。
本発明の有機EL素子に好適に用いられる、前記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物の中で、特に好ましい化合物の具体例を以下に示すが、これらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2015092485
(1−1)
Figure 2015092485
(1−2)
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(1−3)
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(1−7)
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(1−19)
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(1−55)
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(1−56)
これらの化合物の精製はカラムクロマトグラフによる精製、シリカゲル、活性炭、活性白土などによる吸着精製、溶媒による再結晶や晶析法などによって行い、最終的には、昇華精製などによる精製を行った。物性値として、ガラス転移点(Tg)と屈折率の測定を行った。ガラス転移点(Tg)は薄膜状態の安定性の指標となるものであり、屈折率は光の取出し効率の向上に関する指標となるものである。
ガラス転移点(Tg)は、粉体を用いて高感度示差走査熱量計(ブルカー・エイエックスエス製、DSC3100S)によって測定した。
屈折率は、シリコン基板の上に80nmの薄膜を作製して、分光測定装置(フィルメトリクス社製、F10−RT−UV)を用いて測定した。
本発明の有機EL素子の構造としては、例えば、トップエミッション構造の発光素子の場合、ガラス基板上に順次に、金属からなる陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、半透明陰極およびキャッピング層からなるもの、また、陽極と正孔輸送層の間に正孔注入層を有するもの、正孔輸送層と発光層の間に電子阻止層を有するもの、発光層と電子輸送層の間に正孔阻止層を有するもの、電子輸送層と陰極の間に電子注入層を有するものがあげられる。これらの多層構造においては有機層を何層か省略あるいは兼ねることが可能であり、例えば正孔輸送層と電子阻止層を兼ねた構成、電子輸送層と正孔阻止層を兼ねた構成とすることもできる。有機EL素子の各層の膜厚の合計は、200nm〜750nm程度が好ましく、350nm〜600nm程度がより好ましい。また、キャッピング層の膜厚は、例えば、30nm〜120nmが好ましく、40nm〜80nmがより好ましい。この場合、良好な光の取出し効率が得られる。なお、キャッピング層の膜厚は、発光素子に使用する発光材料の種類、キャッピング層以外の有機EL素子の厚さなどに応じて、適宜変更することができる。
本発明の有機EL素子の陽極としては、ITOや金のような仕事関数の大きな電極材料が用いられる。
本発明の有機EL素子の正孔注入層として、分子中にトリフェニルアミン構造を3個以上、単結合またはヘテロ原子を含まない2価基で連結した構造を有するアリールアミン化合物、例えば、スターバースト型のトリフェニルアミン誘導体、種々のトリフェニルアミン4量体などの材料や銅フタロシアニンに代表されるポルフィリン化合物、ヘキサシアノアザトリフェニレンのようなアクセプター性の複素環化合物や塗布型の高分子材料などを用いることができる。これらは、単独で成膜してもよいが、他の材料とともに混合して成膜した単層として使用してもよく、単独で成膜した層同士、混合して成膜した層同士、または単独で成膜した層と混合して成膜した層の積層構造としてもよい。これらの材料は蒸着法の他、スピンコート法やインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。
本発明の有機EL素子の正孔輸送層として、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(m−トリル)ベンジジン(以後、TPDと略称する)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(α−ナフチル)ベンジジン(NPD)や1,1−ビス[4−(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC)、特に、分子中にトリフェニルアミン構造を2個、単結合またはヘテロ原子を含まない2価基で連結した構造を有するアリールアミン化合物、例えば、N,N,N’,N’−テトラビフェニリルベンジジンなどを用いるのが好ましい。また、分子中にトリフェニルアミン構造を3個以上、単結合またはヘテロ原子を含まない2価基で連結した構造を有するアリールアミン化合物、例えば、種々のトリフェニルアミン3量体および4量体などを用いるのが好ましい。これらは、単独で成膜してもよいが、他の材料とともに混合して成膜した単層として使用してもよく、単独で成膜した層同士、混合して成膜した層同士、または単独で成膜した層と混合して成膜した層の積層構造としてもよい。これらの材料は蒸着法の他、スピンコート法やインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。
また、正孔注入層あるいは正孔輸送層において、該層に通常使用される材料に対し、さらにトリスブロモフェニルアミンヘキサクロルアンチモンなどをPドーピングしたものや、TPDなどのベンジジン誘導体の構造をその部分構造に有する高分子化合物などを用いることができる。
本発明の有機EL素子の電子阻止層として、4,4’,4’’−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(以後、TCTAと略称する)、9,9−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]フルオレン、1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン(以後、mCPと略称する)、2,2−ビス(4−カルバゾール−9−イルフェニル)アダマンタン(Ad−Cz)などのカルバゾール誘導体、9−[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−9−[4−(トリフェニルシリル)フェニル]−9H−フルオレンに代表されるトリフェニルシリル基とトリアリールアミン構造を有する化合物などの電子阻止作用を有する化合物を用いることができる。これらは、単独で成膜してもよいが、他の材料とともに混合して成膜した単層として使用してもよく、単独で成膜した層同士、混合して成膜した層同士、または単独で成膜した層と混合して成膜した層の積層構造としてもよい。これらの材料は蒸着法の他、スピンコート法やインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。
本発明の有機EL素子の発光層として、Alqをはじめとするキノリノール誘導体の金属錯体、各種の金属錯体、アントラセン誘導体、ビススチリルベンゼン誘導体、ピレン誘導体、オキサゾール誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体などを用いることができる。また、発光層をホスト材料とドーパント材料とで構成してもよく、ホスト材料として、前記発光材料に加え、チアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ポリジアルキルフルオレン誘導体などを用いることができる。またドーパント材料としては、キナクリドン、クマリン、ルブレン、ペリレンおよびそれらの誘導体、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、アミノスチリル誘導体などを用いることができる。これらは、単独で成膜してもよいが、他の材料とともに混合して成膜した単層として使用してもよく、単独で成膜した層同士、混合して成膜した層同士、または単独で成膜した層と混合して成膜した層の積層構造としてもよい。
また、発光材料として燐光発光材料を使用することも可能である。燐光発光体としては、イリジウムや白金などの金属錯体の燐光発光体を使用することができる。Ir(ppy)などの緑色の燐光発光体、FIrpic、FIr6などの青色の燐光発光体、BtpIr(acac)などの赤色の燐光発光体などが用いられ、このときのホスト材料としては正孔注入・輸送性のホスト材料として4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(CBP)やTCTA、mCPなどのカルバゾール誘導体などを用いることができる。電子輸送性のホスト材料として、p−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン(UGH2)や2,2’,2’’−(1,3,5−フェニレン)−トリス(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール)(TPBI)などを用いることができ、高性能の有機EL素子を作製することができる。
燐光性の発光材料のホスト材料へのドープは濃度消光を避けるため、発光層全体に対して1〜30重量パーセントの範囲で、共蒸着によってドープすることが好ましい。
また、発光材料としてPIC−TRZ、CC2TA、PXZ−TRZ、4CzIPNなどのCDCB誘導体などの遅延蛍光を放射する材料を使用することも可能である(例えば、非特許文献7参照)。
これらの材料は蒸着法の他、スピンコート法やインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。
本発明の有機EL素子の正孔阻止層として、バソクプロイン(BCP)などのフェナントロリン誘導体や、アルミニウム(III)ビス(2−メチル−8−キノリナート)−4−フェニルフェノレート(以後、BAlqと略称する)などのキノリノール誘導体の金属錯体、各種の希土類錯体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、オキサジアゾール誘導体など、正孔阻止作用を有する化合物を用いることができる。これらの材料は電子輸送層の材料を兼ねてもよい。これらは、単独で成膜してもよいが、他の材料とともに混合して成膜した単層として使用してもよく、単独で成膜した層同士、混合して成膜した層同士、または単独で成膜した層と混合して成膜した層の積層構造としてもよい。これらの材料は蒸着法の他、スピンコート法やインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。
本発明の有機EL素子の電子輸送層として、Alq、BAlqをはじめとするキノリノール誘導体の金属錯体、各種金属錯体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ピリドインドール誘導体、カルボジイミド誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、シロール誘導体などを用いることができる。これらは、単独で成膜してもよいが、他の材料とともに混合して成膜した単層として使用してもよく、単独で成膜した層同士、混合して成膜した層同士、または単独で成膜した層と混合して成膜した層の積層構造としてもよい。これらの材料は蒸着法の他、スピンコート法やインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。
本発明の有機EL素子の電子注入層として、フッ化リチウム、フッ化セシウムなどのアルカリ金属塩、フッ化マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、酸化アルミニウムなどの金属酸化物などを用いることができるが、電子輸送層と陰極の好ましい選択においては、これを省略することができる。
さらに、電子注入層あるいは電子輸送層において、該層に通常使用される材料に対し、さらにセシウムなどの金属をNドーピングしたものを用いることができる。
本発明の有機EL素子の半透明陰極として、アルミニウムのような仕事関数の低い電極材料や、マグネシウム銀合金、マグネシウムカルシウム合金、マグネシウムインジウム合金、アルミニウムマグネシウム合金のような、より仕事関数の低い合金やITO、IZOなどが電極材料として用いられる。
本発明の有機EL素子のキャッピング層として、前記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物などを用いるのが好ましい。これらは、単独で成膜してもよいが、他の材料とともに混合して成膜した単層として使用してもよく、単独で成膜した層同士、混合して成膜した層同士、または単独で成膜した層と混合して成膜した層の積層構造としてもよい。これらの材料は蒸着法の他、スピンコート法やインクジェット法などの公知の方法によって薄膜形成を行うことができる。
なお、上記では、トップエミッション構造の有機EL素子について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ボトムエミッション構造の有機EL素子や、上部および底部の両方向から発光するデュアルエミッション構造の有機EL素子についても、同様に適用することができる。これらの場合、光が発光素子から外部に取出される方向にある電極は、透明又は半透明である必要がある。
キャッピング層を構成する材料の屈折率は、隣接する電極の屈折率よりも大きいことが好ましい。すなわち、キャッピング層によって、有機EL素子における光の取出し効率は向上するが、その効果は、キャッピング層と、キャッピング層に接している材料との界面での反射率が大きい方が、光干渉の効果が大きいために有効である。そのため、キャッピング層を構成する材料の屈折率は、隣接する電極の屈折率よりも大きい方が好ましく、屈折率が1.70以上であればよいが、1.80以上がより好ましく、1.85以上であることが特に好ましい。
以下、本発明の実施の形態について、実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<N,N’−ビス{4−(2H−ベンゾ[1,2,3]トリアゾール−2−イル)フェニル}−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル(化合物(1−1))の合成>
窒素置換した反応容器に、2−(4−ブロモフェニル)−2H−ベンゾ[1,2,3]トリアゾール4.2g、N,N’−ジフェニルベンジジン2.3g、tert−ブトキシナトリウム2.0g、トルエン50mlを加え、30分間超音波を照射しながら窒素ガスを通気した。酢酸パラジウム62.0mg、トリ−tert−ブチルホスフィン0.2mlを加えて加熱し、91℃で5時間攪拌した。室温まで冷却した後、トルエン50mlを加え、抽出操作を行うことによって有機層を採取した。有機層を濃縮した後、カラムクロマトグラフ(担体:NHシリカゲル、溶離液:トルエン/n−ヘキサン)によって精製し、さらに、n−ヘキサン100mlを用いた分散洗浄を行うことによって、N,N’−ビス{4−(2H−ベンゾ[1,2,3]トリアゾール−2−イル)フェニル}−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル(化合物(1−1))の黄色粉体3.3g(収率66%)を得た。
得られた黄色粉体についてNMRを使用して構造を同定した。
H−NMR(THF−d)で以下の34個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=8.26(4H)、7.89(4H)、7.60(4H)、7.39(4H)、7.33(4H)、7.24(4H)、7.21(8H)、7.10(2H)。
<N,N’−ビス(2−フェニル−2H−ベンゾ[1,2,3]トリアゾール−5−イル)−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル(化合物(1−32))の合成>
窒素置換した反応容器に、5−ブロモ−2−フェニル−2H−ベンゾ[1,2,3]トリアゾール4.1g、N,N’−ジフェニルベンジジン2.3g、tert−ブトキシナトリウム2.0g、トルエン50mlを加え、30分間超音波を照射しながら窒素ガスを通気した。酢酸パラジウム62.0mg、トリ−tert−ブチルホスフィン0.2mlを加えて加熱し、91℃で3.5時間攪拌した。室温まで冷却した後、トルエン50mlを加え、抽出操作を行うことによって有機層を採取した。有機層を濃縮した後、カラムクロマトグラフ(担体:シリカゲル、溶離液:トルエン/n−ヘキサン)によって精製した。さらに、THF25mlを加えて溶解した後、メタノール100mlを滴下することによって晶析精製し、N,N’−ビス(2−フェニル−2H−ベンゾ[1,2,3]トリアゾール−5−イル)−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル(化合物(1−32))の黄褐色粉体4.0g(収率:80%)を得た。
得られた黄褐色粉体についてNMRを使用して構造を同定した。
H−NMR(THF−d)で以下の34個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=8.32(4H)、7.81(2H)、7.59(4H)、7.54(4H)、7.43(2H)、7.40(2H)、7.32(4H)、7.28(2H)、7.20(4H)、7.18(4H)、7.09(2H)。
<N,N’−ビス{4−(2H−ベンゾ[1,2,3]トリアゾール−2−イル)フェニル}−N,N’−ジフェニル−4,4’’−ジアミノ−1,1’:4’,1’’−ターフェニル(化合物(1−2))の合成>
窒素置換した反応容器に、4,4’’−ジヨード−1,1’:4’,1’’−ターフェニル14.0g、{4−(2H−ベンゾ[1,2,3]トリアゾール−2−イル)フェニル}フェニルアミン18.3g、炭酸カリウム13.2g、銅粉0.3g、亜硫酸水素ナトリウム0.9g、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸0.7g、ドデシルベンゼン30mlを加えて加熱し、210℃で44時間撹拌した。室温まで放冷した後、トルエン50mlを加え、析出物をろ過によって採取した。析出物に1,2−ジクロロベンゼン230mlを加え、加熱することによって溶解し、熱時ろ過によって不溶物を除去した。ろ液を濃縮し、1,2−ジクロロベンゼンを用いた晶析精製を行った後、メタノールを用いた分散洗浄を行うことによって、N,N’−ビス{4−(2H−ベンゾ[1,2,3]トリアゾール−2−イル)フェニル}−N,N’−ジフェニル−4,4’’−ジアミノ−1,1’:4’,1’’−ターフェニル(化合物(1−2))の黄色粉体22.2g(収率96%)を得た。
得られた黄色粉体についてNMRを使用して構造を同定した。
H−NMR(CDCl)で以下の38個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=8.24(4H)、7.99−7.92(4H)、7.72−7.58(7H)、7.50−7.12(23H)。
<N,N’−ビス{4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル}−N,N’−ジフェニル−4,4’’−ジアミノ−1,1’:4’,1’’−ターフェニル(化合物(1−22))の合成>
実施例3において、{4−(2H−ベンゾ[1,2,3]トリアゾール−2−イル)フェニル}フェニルアミンに代えて、{4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル}フェニルアミンを用い、同様の条件で反応を行うことによって、N,N’−ビス{4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル}−N,N’−ジフェニル−4,4’’−ジアミノ−1,1’:4’,1’’−ターフェニル(化合物(1−22))の黄色粉体12.4g(収率47%)を得た。
得られた黄色粉体についてNMRを使用して構造を同定した。
H−NMR(CDCl)で以下の38個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=8.13(4H)、7.80−7.55(11H)、7.50−7.16(23H)。
<N,N’−ビス{4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル}−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル(化合物(1−23))の合成>
実施例1において、2−(4−ブロモフェニル)−2H−ベンゾ[1,2,3]トリアゾールに代えて、2−(4−ブロモフェニル)−ベンゾオキサゾールを用い、同様の条件で反応を行うことによって、N,N’−ビス{4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル}−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル(化合物(1−23))の淡黄色粉体8.8g(収率54%)を得た。
得られた淡黄色粉体についてNMRを使用して構造を同定した。
H−NMR(CDCl)で以下の34個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=8.12(4H)、7.80−7.72(2H)、7.60−7.53(5H)、7.41−7.14(23H)。
<N,N’−ビス{4−(ベンゾチアゾール−2−イル)フェニル}−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル(化合物(1−25))の合成>
実施例1において、2−(4−ブロモフェニル)−2H−ベンゾ[1,2,3]トリアゾールに代えて、2−(4−ブロモフェニル)−ベンゾチアゾールを用い、同様の条件で反応を行うことによって、N,N’−ビス{4−(ベンゾチアゾール−2−イル)フェニル}−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル(化合物(1−25))の淡黄色粉体9.3g(収率62%)を得た。
得られた淡黄色粉体についてNMRを使用して構造を同定した。
H−NMR(CDCl)で以下の34個の水素のシグナルを検出した。
δ(ppm)=8.10−7.88(8H)、7.60−7.13(26H)。
<N,N’−ビス{4−(ベンゾチアゾール−2−イル)フェニル}−N,N’−ジフェニル−4,4’’−ジアミノ−1,1’:4’,1’’−ターフェニル(化合物(1−27))の合成>
窒素置換した反応容器に、N−{4−(ベンゾチアゾール−2−イル)フェニル}フェニルアミン9.3g、4,4’’−ジヨード−1,1’:4’,1’’−ターフェニル7.1g、tert−ブトキシナトリウム4.6g、トルエン140mlを加え、30分間超音波を照射しながら窒素を通気した。酢酸パラジウム0.20g、tert−ブチルホスフィンの50%(v/v)トルエン溶液0.5gを加えて加熱し、攪拌しながら3時間加熱還流した。室温まで冷却し、ろ過によって析出物を採取した後、1,2−ジクロロベンゼン/メタノールの混合溶媒を用いた晶析精製を繰り返すことによって、N,N’−ビス{4−(ベンゾチアゾール−2−イル)フェニル}−N,N’−ジフェニル−4,4’’−ジアミノ−1,1’:4’,1’’−ターフェニル(化合物(1−27))の緑色粉体7.0g(収率58%)を得た。
本発明の化合物について、高感度示差走査熱量計(ブルカー・エイエックスエス製、DSC3100S)によってガラス転移点を求めた。
ガラス転移点
例示化合物(1−1) 125℃
例示化合物(1−32) 110℃
例示化合物(1−2) 135℃
例示化合物(1−22) 137℃
例示化合物(1−23) 128℃
例示化合物(1−25) 127℃
例示化合物(1−27) 137℃
本発明の化合物は100℃以上のガラス転移点を有している。このことは、本発明の化合物において薄膜状態が安定であることを示すものである。
本発明の化合物を用いて、シリコン基板の上に膜厚80nmの蒸着膜を作製して、分光測定装置(フィルメトリクス社製、F10−RT−UV)を用いて633nmにおける屈折率を測定した。比較のために、下記構造式の比較化合物(2−1)、(2−2)およびAlqについても測定した(例えば、特許文献3参照)。
屈折率
例示化合物(1−1) 1.90
例示化合物(1−32) 1.90
例示化合物(1−2) 1.90
例示化合物(1−22) 1.89
例示化合物(1−23) 1.93
例示化合物(1−25) 1.93
例示化合物(1−27) 1.91
比較化合物(2−1) 1.81
比較化合物(2−2) 1.80
比較化合物(Alq) 1.70
Figure 2015092485
(2−1)
Figure 2015092485
(2−2)
このように本発明の化合物は比較化合物(2−1)、(2−2)およびAlqの屈折率1.70〜1.81より大きい値を有しており、大きな有機EL素子における光の取出し効率の向上が期待できる。
有機EL素子は、図7に示すように、ガラス基板1上に金属陽極2として反射ITO電極をあらかじめ形成したものの上に、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、電子注入層7、陰極8、キャッピング層9の順に蒸着して作製した。
具体的には、膜厚150nmのITOを成膜したガラス基板1をイソプロピルアルコール中にて超音波洗浄を20分間行った後、250℃に加熱したホットプレート上にて10分間乾燥を行った。その後、UVオゾン処理を2分間行った後、このITO付きガラス基板を真空蒸着機内に取り付け、0.001Pa以下まで減圧した。続いて、金属陽極2を覆うように正孔注入層3として、下記構造式の化合物(HIM−1)を膜厚5nmとなるように形成した。この正孔注入層3の上に、正孔輸送層4として前記比較化合物(2−1)を膜厚70nmとなるように形成した。この正孔輸送層4の上に、発光層5として化合物EMD−1(SFC株式会社製NUBD370)と化合物EMH−1(SFC株式会社製ABH113)を、蒸着速度比がEMD−1:EMH−1=5:95となる蒸着速度で二元蒸着を行い、膜厚25nmとなるように形成した。この発光層5の上に、電子輸送層6として下記構造式の化合物(ETM−1)と下記構造式の化合物(ETM−2)を、蒸着速度比が(ETM−1):(ETM−2)=50:50となる蒸着速度で二元蒸着を行い、膜厚30nmとなるように形成した。この電子輸送層6の上に、電子注入層7としてフッ化リチウムを膜厚0.5nmとなるように形成した。この電子注入層7の上に、陰極8としてマグネシウム銀合金を膜厚14nmとなるように形成した。最後に、キャッピング層9として実施例1の化合物(1−1)を膜厚60nmとなるように形成した。作製した有機EL素子について、大気中、常温で特性測定を行った。
作製した有機EL素子に直流電圧を印加した発光特性の測定結果を表1にまとめて示した。
Figure 2015092485
(HIM−1)
Figure 2015092485
(ETM−1)
Figure 2015092485
(ETM−2)
実施例10において、キャッピング層9として実施例1の化合物(1−1)に代えて実施例2の化合物(1−32)を膜厚60nmとなるように形成した以外は、同様の条件で有機EL素子を作製した。作製した有機EL素子について、大気中、常温で特性測定を行った。作製した有機EL素子に直流電圧を印加した発光特性の測定結果を表1にまとめて示した。
実施例10において、キャッピング層9として実施例1の化合物(1−1)に代えて実施例3の化合物(1−2)を膜厚60nmとなるように形成した以外は、同様の条件で有機EL素子を作製した。作製した有機EL素子について、大気中、常温で特性測定を行った。作製した有機EL素子に直流電圧を印加した発光特性の測定結果を表1にまとめて示した。
実施例10において、キャッピング層9として実施例1の化合物(1−1)に代えて実施例4の化合物(1−22)を膜厚60nmとなるように形成した以外は、同様の条件で有機EL素子を作製した。作製した有機EL素子について、大気中、常温で特性測定を行った。作製した有機EL素子に直流電圧を印加した発光特性の測定結果を表1にまとめて示した。
[比較例1]
比較のために、実施例10において、キャッピング層9として実施例1の化合物(1−1)に代えてAlqを膜厚60nmとなるように形成した以外は、同様の条件で有機EL素子を作製した。作製した有機EL素子について、大気中、常温で特性測定を行った。作製した有機EL素子に直流電圧を印加した発光特性の測定結果を表1にまとめて示した。
Figure 2015092485
表1に示すように、電流密度10mA/cm時における駆動電圧は、Alqを用いた比較例1の素子(4.19V)と実施例10〜13の素子(4.17〜4.18V)ではほぼ同等であるのに対し、輝度、発光効率、電力効率においては、Alqを用いた比較例1の素子(発光効率:5.13cd/A、電力効率:3.78lm/W)に対し実施例10〜13の素子(発光効率:5.31〜5.36cd/A、電力効率:3.98〜4.06lm/W)はいずれも向上した。特に外部量子効率では、比較例1の素子(10.72%)に対し実施例10〜13の素子(11.41〜11.93%)は、大幅な向上が確認できた。このことは、キャッピング層に屈折率の高い、本発明の有機EL素子に好適に用いられる材料を含むことにより、光の取出し効率を大幅に改善できることを示している。
以上のように、本発明の有機EL素子に好適に用いられる、一般式(1)で表されるアリールアミン化合物は、屈折率が高く、光の取出し効率を大幅に改善でき、薄膜状態が安定であるため、有機EL素子用の化合物として優れている。該化合物を用いて有機EL素子を作製することにより、高い効率を得ることができるとともに、耐久性を改善させることができる。また、青、緑および赤それぞれの波長領域において吸収を持たない該化合物を用いることにより、色純度がよく鮮明で明るい画像を表示したい場合に、特に好適である。例えば、家庭電化製品や照明の用途への展開が可能となった。
1 ガラス基板
2 金属陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 電子輸送層
7 電子注入層
8 陰極
9 キャッピング層

Claims (11)

  1. 少なくとも陽極電極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、陰極電極およびキャッピング層をこの順に有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記キャッピング層が下記一般式(1)で表されるアリールアミン化合物を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2015092485
    (1)
    (式中、Ar、Ar、Ar、Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表し、nは0〜4の整数を表す。ここで、Ar、Ar、Ar、Arの少なくとも1つは、下記構造式(B)で示される1価基であるか、もしくは、該1価基を置換基として有するものとする。(但し、前記構造式(B)が下記構造式(B−1)、(B−2)、(B’)となる場合を除くものとする。))
    Figure 2015092485
    (B)
    (式中、R、R、R、Rは相互に同一でも異なってもよく、連結基、もしくは水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であって、単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはN−Arを介して互いに結合して環を形成していてもよい。Xは炭素原子または窒素原子を表し、Yは炭素原子、酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を表し、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、もしくは連結基を表し、Ar、Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、もしくは連結基であって、Yが酸素原子もしくは硫黄原子である場合、YはArを有さないものとし、XおよびYが窒素原子である場合、Ar、Ar、Arのいずれかひとつが置換基、もしくは連結基であるものとし、Xが窒素原子かつYが炭素原子である場合、XはArを有さないものとする。Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。ただし、R、R、R、R、Ar、Ar、Arのいずれか1つのみが連結基であるものとし、Xが窒素原子、かつYが酸素原子もしくは硫黄原子である場合を除く。)
    Figure 2015092485
    (B−1)
    (式中、R、R、R、Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であって、単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはN−Arを介して互いに結合して環を形成してもよい。Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。)
    Figure 2015092485
    (B−2)
    (式中、R、R、Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であって、RとRは単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはN−Arを介して互いに結合して環を形成してもよい。Ar、Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。)
    Figure 2015092485
    (B’)
    (式中、R、R、R、R、R、Rは相互に同一でも異なってもよく、連結基、もしくは水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であって、単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはN−Arを介して互いに結合して環を形成していてもよい。Xは炭素原子または窒素原子を表し、Yは炭素原子、酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を表し、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、もしくは連結基を表し、Ar、Arは相互に同一でも異なってもよく、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、もしくは連結基であって、Yが酸素原子もしくは硫黄原子である場合、YはArを有さないものとし、XおよびYが窒素原子である場合、Ar、Ar、Arのいずれかひとつが置換基、もしくは連結基であるものとし、Xが窒素原子かつYが炭素原子である場合、XはArを有さないものとする。Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。ただし、R、R、R、R、R、R、Ar、Ar、Arのいずれか1つのみが連結基であるものとし、Xが窒素原子、かつYが酸素原子もしくは硫黄原子である場合を除く。)
  2. 前記構造式(B)が下記構造式(B−3)で示される1価基である、請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2015092485
    (B−3)
    (式中、R、R、R、Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であって、単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはN−Arを介して互いに結合して環を形成してもよい。Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。)
  3. 前記構造式(B)が下記構造式(B−4)で示される1価基である、請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2015092485
    (B−4)
    (式中、R、R、R、Rは相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数5ないし10のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であって、単結合、置換もしくは無置換のメチレン基、酸素原子、硫黄原子またはN−Arを介して互いに結合して環を形成してもよい。Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、または置換もしくは無置換の縮合多環芳香族基を表す。)
  4. 前記一般式(1)において、nが0である、請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記一般式(1)において、nが1である、請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記一般式(1)において、nが2である、請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記一般式(1)において、Ar、Ar、Ar、Arのいずれか2つが、前記構造式(B)で示される1価基であるか、もしくは該1価基を置換基として有するものである、請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記一般式(1)において、ArおよびArが、前記構造式(B)で示される1価基であるか、もしくは該1価基を置換基として有するものである、請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記キャッピング層の厚さが、30nm〜120nmの範囲内である、請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記キャッピング層の屈折率が、該キャッピング層を透過する光の波長が450nm〜750nmの範囲内において、1.85以上である、請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記一般式(1)で表される化合物を有機エレクトロルミネッセンス素子のキャッピング層に用いる方法。
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