JP2015091721A - 吸湿性包装体 - Google Patents
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Abstract
Description
さらに、吸湿剤を充填するための工程が増え、作業効率が低下し、製造コストがかかるという問題がある。
(1)少なくともガスバリア層とヒートシール層とを有するガスバリア性積層フィルム2枚を、該ヒートシール層面を重ね合せて周縁部をヒートシールして得られる包装体であって、該ガスバリア性積層フィルム2枚のうちの少なくとも1枚のヒートシール層が、吸湿性ヒートシール層であることを特徴とする、上記吸湿性包装体。
(2)前記吸湿性ヒートシール層が、吸湿剤を含有するヒートシール性樹脂からなる、上記(1)に記載の吸湿性包装体。
(3)前記吸湿剤が、化学吸湿剤である、上記(2)に記載の吸湿性包装体。
(4)血糖値測定センサ用の包装体である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の吸湿性包装体。
また、吸湿剤を充填しないため、輸送中や保管中に破袋しにくく、ガスバリア層が損なわれることもなく、長期にわたって、内容物を安定して保存することができる。
<本発明の吸湿性易剥離性包装体の層構成>
図1は、本発明の吸湿性包装体の層構成について、その一例を示す概略的断面図である。図1に示されるように、本発明の包装体は、ガスバリア層(1、4)とヒートシール層(2、3)とを有するガスバリア性積層フィルム(A、B)2枚を、該ヒートシール層(2、3)の面同士を対向させて重ね合せ、周縁部をヒートシールして得られるものである。ここで、該ガスバリア性積層フィルム2枚のうちの少なくとも1枚(A)は、そのヒートシール層(2)が、吸湿性を示す吸湿性ヒートシール層である。 吸湿性または非吸湿性ヒートシール層(2、3)は、単層構成または多層構成であってよい。
吸湿性を示すヒートシール層(2)が多層構成である場合、該吸湿性ヒートシール層(2)は、少なくとも、吸湿剤及びバインダー樹脂を含有する樹脂組成物からなる層と、ヒートシール性樹脂からなる層とを有する。ここで、該バインダー樹脂は、ヒートシール性樹脂であってよく、また、該ヒートシール性樹脂からなる層は、吸湿剤を含んでいてもよい。
本発明において、ガスバリア層(1、4)は、特に限定されず、公知又は市販の酸素ガスまたは水蒸気に対するバリア性を有するガスバリア性フィルムからなってよい。
上記フィルムの中でも、シリカ蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルム、アルミニウム箔をラミネートした積層フィルム等を使用することが、ガスバリア性に優れている点から好ましい。また、特にアルミニウム箔を使用することによって遮光性を付与することができ、これにより、光照射により劣化し易い製品の包装体としても、好適に用いることができる。
より好ましくは、包装体を構成するガスバリア性積層フィルム2枚のうち、1枚が、非透明性ガスバリア層(1)と吸湿性ヒートシール層(2)とを有する非透明性吸湿性ガスバリア性積層フィルム(A)であり、もう1枚が、透明性ガスバリア層(4)と非吸湿性ヒートシール層(3)とを有する透明性非吸湿性ガスバリア性積層フィルム(B)である。
透明性ガスバリア層としては、例えばシリカ蒸着フィルムを用いることが好ましく、例えばIB−PET−RB(大日本印刷(株)製)を好適に用いることができる。
またさらに、上記蒸着膜上に、以下で説明するようなガスバリア性塗布膜を設けてもよい。これにより、一層優れたガスバリア性が得られる。
ガスバリア性塗布膜は、1層または2層以上を重層した複合ポリマー層であってよい。また、その厚さは、乾燥膜厚が0.01〜30μm、好ましくは0.1〜10μmであってよい。
本発明の包装体を構成するガスバリア性積層フィルム2枚のうちの1枚は、そのヒートシール層が、吸湿性を示す吸湿性ヒートシール層であり、もう1枚のヒートシール層は、吸湿性を示しても、または非吸湿性であってもよい。
本発明において、吸湿性ヒートシール層に含まれる吸湿剤としては、特に限定されず、絶乾効果または調湿効果を有する公知又は市販の材料を使用することができる。なお、絶乾効果とは、相対加湿度が0%付近まで吸湿する効果を示し、調湿効果とは、湿度が高い時には吸湿し、湿度が低い時には放湿して、湿度を一定にする効果を指す。
ヒートシール性樹脂としては、特に制限されず、公知又は市販のヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂を用いることができる。
吸湿性ヒートシール層への吸湿剤の添加量は、吸湿性ヒートシール層中における吸湿剤が添加された層の全質量、すなわち、吸湿剤添加層の全質量に対して1質量%以上であれば吸湿効果を示すことが可能であるが、良好な吸湿効果を得るためには、好ましくは3質量%以上である。一方、良好な製膜性を得るためには、吸湿剤の添加量は55質量%未満であることが必要である。
本発明の一態様において、吸着性ヒートシール層は、吸湿剤をヒートシール性樹脂中に混練してなる樹脂組成物からなる単層構造である。
本発明において、包装体を構成するガスバリア性積層フィルム2枚のうちの1枚のヒートシール層が、吸湿性を示さない非吸湿性ヒートシール層である場合、この層を構成する樹脂は、ヒートシール性を有するものであれば特に制限されず、公知又は市販のヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂を用いることができる。例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン等のポリエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、ポリプロピレン、プロピレンエラストマー、 エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、酸変性ポリオレフィン系樹脂等、を使用でき、これらの樹脂に限定されない。
上記ガスバリア層を構成するガスバリア性フィルム上に、上記ヒートシール層を積層することにより、本発明の包装体を構成するガスバリア性積層フィルムが得られる。
本発明において、この積層方法は、特に限定されないが、ヒートシール層を形成する樹脂または樹脂組成物を、場合により接着層を介して、ガスバリア性フィルム上にエクストルージョンコーティングすることにより積層することができる。エクストルージョンコーティングにおいては、まず、上記樹脂または樹脂組成物を加熱し溶融させて、Tダイスで必要な幅方向に拡大伸張させてカーテン状に押出し、該溶融樹脂をガスバリア性フィルム上へ流下させて、ゴムロールと冷却した金属ロールとで挟持することで、ヒートシール層の形成とガスバリア性フィルムへの接着と積層を同時に行う。
接着層としてドライラミネート用接着剤を用いる場合は、溶媒へ分散または溶解した接着剤を一方のフィルム上に塗布し乾燥させて、もう一方のフィルムを重ねて積層した後に、30〜120℃で数時間〜数日間エージングすることで、接着剤を硬化させて積層する。
また、本発明において、ガスバリア性積層フィルムは、ガスバリア層及びヒートシール層以外に、さらなる層を有していてもよい。
本発明の包装体は、上記ガスバリア性積層フィルムを製袋してなるものであり、ヒートシール層の面同士が対向するように、積層フィルム2枚を重ね合せ、その周縁部をヒートシールすることにより製造することができる。
ポリエチレン樹脂中に酸化カルシウム35質量%を含有する吸湿性樹脂組成物(大日精化工業(株)、ぺリコン)と、LLDPE(プライムポリマー(株)、ULTZEX 2022F)とを、インフレーション法(押出し温度180℃)により共押出製膜し、LLDPE層10μm/吸湿性樹脂組成物層(酸化カルシウム35質量%)60μm/LLDPE層10μmの吸湿性ヒートシール性樹脂フィルムを製造した。
吸湿性ヒートシール性樹脂フィルムとして、吸湿性ヒートシール性樹脂フィルム(佐々木化学薬品(株)、ドライキープ(R)SPES30−132J)を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の吸湿性包装体を製造した。
吸湿性を有しないガスバリア性積層フィルム中のガスバリア層として、PETフィルム上にアルミニウム箔を貼り合わせてなるガスバリア性フィルムの代わりに、PETフィルム(厚さ12μm)上に化学気相成長法により酸化珪素蒸着膜(厚さ10nm)を設け、さらにガスバリア性塗布膜(厚さ200nm)を設けたガスバリア性フィルム(大日本印刷(株)、IB−PET−RB)を適用して、ガスバリア性塗布膜/蒸着膜/PETフィルム/接着剤/LLDPEフィルムの層構成を有するガスバリア性積層フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の吸湿性包装体を製造した。
吸湿性ガスバリア性積層フィルム及び吸湿性を有しないガスバリア性積層フィルム中のガスバリア層として、PETフィルム上にアルミニウム箔を貼り合わせてなるガスバリア性フィルムの代わりに、PETフィルム(厚さ12μm)上に化学気相成長法により酸化珪素蒸着膜(厚さ10nm)を設け、さらにガスバリア性塗布膜(厚さ200nm)を設けたガスバリア性フィルム(大日本印刷(株)、IB−PET−RB)を適用して、ガスバリア性塗布膜/蒸着膜/PETフィルム/接着剤/吸湿性ヒートシール性樹脂フィルム、及び、ガスバリア性塗布膜/蒸着膜/PETフィルム/接着剤/LLDPEフィルムの層構成を有する積層フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の吸湿性包装体を製造した。
吸湿性を有しないガスバリア性積層フィルムのアルミニウム箔とLLDPEフィルムとの間に、ドライラミネート用接着剤を介して、実施例1で製造した吸湿性ヒートシール性樹脂フィルムを積層し、PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/吸湿性ヒートシール性樹脂フィルム/接着剤/LLDPEフィルムの層構成を有する積層フィルムを製造した以外は、実施例1と同様にして、本発明の吸湿性包装体を製造した。
吸湿性を有しない積層フィルムのPETフィルムとLLDPEフィルムとの間に、ドライラミネート用接着剤を介して、実施例1で製造した吸湿性ヒートシール性樹脂フィルムを積層し、ガスバリア性塗布膜/蒸着膜/PETフィルム/接着剤/吸湿性ヒートシール性樹脂フィルム/LLDPEフィルムの層構成を有する積層フィルムを作製した以外は、実施例4と同様にして、本発明の吸湿性包装体を製造した。
吸湿性ヒートシール性樹脂フィルム(佐々木化学薬品(株)、ドライキープ(R)SPES30−111J)を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の吸湿性包装体を製造した。
吸湿性ヒートシール性樹脂フィルム(佐々木化学薬品(株)、ドライキープ(R)SPES30−132J)を2枚用い、実施例1と同様にしてPETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/吸湿性ヒートシール性樹脂フィルムを2枚作製し、吸湿性ヒートシール層の面同士を対向させて重ね合せ、その周辺端部を160℃、1kgf/cm2、1秒の条件でヒートシールすることにより、本発明の吸湿性包装体を製造した。
ポリエチレン樹脂中に酸化カルシウム50質量%を含有する吸湿性樹脂組成物(ぺリコン:大日精化工業(株))と、LLDPE(プライムポリマー社(株)、ULTZEX
2022F)とを、インフレーション法(押出し温度180℃)により共押出製膜し、LLDPE層10μm/吸湿性樹脂組成物層(酸化カルシウム50質量%)30μm/LLDPE層10μmの吸湿性ヒートシール性樹脂フィルムを製造した以外は、実施例1と同様にして、本発明の吸湿性包装体を製造した。
ポリエチレン樹脂中に酸化カルシウム15質量%を含有する吸湿性樹脂組成物(大日精化工業(株)、ぺリコン)と、LLDPE(プライムポリマー社(株)、ULTZEX
2022F)とを、インフレーション法(押出し温度180℃)により共押出製膜し、LLDPE層10μm/吸湿性樹脂組成物層(酸化カルシウム15質量%)30μm/LLDPE層10μmの吸湿性ヒートシール性樹脂フィルムを製造した以外は、実施例1と同様にして、本発明の吸湿性包装体を製造した。
ポリエチレン樹脂中に酸化カルシウム35質量%を含有する吸湿性樹脂組成物(大日精化工業(株)、ぺリコン)と、LLDPE(プライムポリマー社(株)、ULTZEX
2022F)とを、インフレーション法(押出し温度180℃)により共押出製膜し、LLDPE層10μm/吸湿性樹脂組成物層(酸化カルシウム35質量%)30μm/LLDPE層10μmの吸湿性ヒートシール性樹脂フィルムを製造した以外は、実施例1と同様にして、本発明の吸湿性包装体を製造した。
吸湿性ヒートシール性樹脂フィルムとして、吸湿性ヒートシール性樹脂フィルム(佐々木化学薬品(株)、ドライキープ(R)SPES30−132J)を用いた以外は、実施例3と同様にして、本発明の吸湿性包装体を製造した。
吸湿性ヒートシール性樹脂フィルムを貼り合わせる代わりに、吸湿剤を含まないLLDPE(プライムポリマー(株)、ULTZEX
2022F)からなるヒートシール層(厚さ50μm)を設けた以外は、実施例1と同様にして、積層フィルムおよび包装体を製造した。
実施例及び比較例で作製した積層フィルムにより、パウチ袋(120mm×160mm)を作製し、パウチ内に吸湿計を入れ、7日放置後の相対化湿度を測定した。評価結果を表1に示す。
1、4 ガスバリア層
2、3 ヒートシール層
2a、2c 吸湿剤を含有しないヒートシール性樹脂層
2b 中間層
Claims (4)
- 少なくともガスバリア層とヒートシール層とを有するガスバリア性積層フィルム2枚を、該ヒートシール層面を重ね合せて周縁部をヒートシールして得られる包装体であって、該ガスバリア性積層フィルム2枚のうちの少なくとも1枚のヒートシール層が、吸湿性ヒートシール層であることを特徴とする、上記吸湿性包装体。
- 前記吸湿性ヒートシール層が、吸湿剤を含有するヒートシール性樹脂からなる、請求項1に記載の吸湿性包装体。
- 前記吸湿剤が、化学吸湿剤である、請求項2に記載の吸湿性包装体。
- 血糖値測定センサ用の包装体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸湿性包装体。
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