JP2015090427A - 液晶配向膜の製造方法およびそれを使用した液晶表示素子 - Google Patents

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士朗 谷口
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和則 丸山
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史晃 小寺
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正直 高島
小谷 邦彦
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Abstract

【課題】主に横電界方式の液晶表示素子において、少ない紫外光照射量で配向性を付与でき、かつ極めて優れた液晶配向安定性を有する配向膜の製造方法を提供する。【解決手段】第1の光応答性高分子を含む被膜が表面に形成された第1基板と、第2の光応答性高分子を含む被膜が表面に形成された第2基板と、を互いの被膜同士向かい合うよう離間して配置し、かつ当該離間した被膜間に液晶組成物を充填する工程(1)と、150nm〜800nmの偏光を前記第1の光応答性高分子を含む被膜および第2の光応答性高分子を含む被膜に照射する工程(2)と、を含む、液晶配向性を付与する光配向膜の製造方法。【選択図】図1

Description

本願発明は液晶配向膜の製造方法及び当該製造方法により得られた液晶配向膜を用いた液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、液晶分子の配列の状態を電場等の外部刺激によって変化させて、これに伴う光学特性の変化を表示に利用している。このような液晶表示素子は、二枚の透明基板の間隙に液晶分子を充填された状態の構成をしており、当該液晶分子と当接する基板の内側には前記液晶分子を予め特定の方向に配列させるための配向処理が基板表面に通常施される。なお、ここでいう特定の方向に配向させるとは、主に、基板に対して略垂直方向の配列または略水平方向の配列である。
一般に配向処理は、大きく分けて、ガラス等の基板表面にポリイミド等の高分子の膜を基板表面に形成し、これを一方向に布等で摩擦するラビング法と、基板上に設けた塗膜に異方性を有する光を照射して液晶配向能を生じさせる光配向法とに分類される。前者のラビング法では、ラビングの方向と基板に接する液晶分子の長軸(ダイレクタ)方向とが平行になるように配列する点(略水平方向の配列)および配向膜の製造装置が簡便である点といった長所を有するものの、製造工程において配向膜表面に生じた傷やほこりが原因で配向欠陥が発生する問題や基板のサイズが大型化に伴い、基板全面に亘って、かつ長期間均一な配向を得るためのラビング装置の設計および管理が困難になるという問題がある。一方、後者の光配向法では、光の吸収能が偏光の電気ベクトルの方向によって異なる基(以下、光配向性基と略す)を有する化合物に光を照射して、光配向性基を一定の方向に配列させ、当該光配向性基と当接する液晶分子に対して液晶配向能を発現させる特性を有するものであるため、傷やほこりが原因の配向欠陥や基板全面に亘って長期間均一な配向を得るというラビング法の問題点は解決することができるという長所はある。しかしながら、実用化レベルの液晶配向能を得るためには相当量の光照射量を必要する短所も存在する。
このような光配向膜の代表的な例である特許文献1では、無偏光の光を照射して80.0〜89.7度の範囲のプレチルト角を発現する光配向膜について記載されている。当該特許文献1には、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物との反応から得られたポリアミック酸を含む溶液を基板に滴下して、前記基板平面を光源に対して45度傾けて無偏光を照射して液晶配向膜を形成していることが開示されている。
また、大面積の光配向膜を製造する場合には、大出力の紫外線ランプを使用して長時間照射することが必要となる。このような光照射量を低減させるための技術としては、特許文献2に示すように、塗膜面に偏光紫外線を照射して偏光方向に対応する方向に塗膜中の化合物分子を配向させた後、前記塗膜を焼成する液晶配向膜の製造方法が開示されている。
さらに、特許文献3では、照射角度や照射量のばらつき、各光配向膜が発現する配向規制力の向きや大きさ等のばらつきなどが存在し、これらばらつきがある膜同士を貼りあわせると目的のプレチルト角を備えた液晶分子を形成できないことを鑑みて、液晶層を基板で挟んだ後、一方の外側面から他方の外側面へ向けて当該面に対して30°〜60°程度の傾斜光を照射する配向処理を行うことが開示されている。
特開2010−101999号公報 特開2002−90752号公報 国際公開2011/099215号
上記の引用文献1〜3は、基板に対して液晶分子が略垂直方向に配列するVAモードであるため、電場により液晶分子が基板に対して液晶分子が略垂直方向−略水平方向に可逆的に応答する。したがって、略垂直方向に配列させる配向膜は、配向膜との接触面積が少なく配向規制力が強くなくてもよい。さらに、液晶表示素子の表示特性の一つである視野角特性については、垂直配向型では一つの画素中に各々配向方向の異なる複数の液晶ドメインを形成する(配向分割構造を導入する)マルチドメイン垂直配向方式(MVA方式)が一般化しており、電極に設けたスリット(開口部)あるいはリブ(突起構造)またはポリマー配向支持(PSA;Polymer Sustained Alignment)技術により配向分割構造を実現しており、配向膜と液晶分子との配向規制より、配向分割構造の方が重要視される。
しかしながら、IPSモードやFFSモードといった基板と略平行方向の電場により液晶分子が基板に対して水平な同一面内で可逆的に応答するような横電界型液晶表示素子の場合は、黒表示における視野角依存性および色再現性を低減するためには、電極表面で1度以下の低いプレチルト角であることが要求される。また仮に、製造時点で低いプレチルト角に液晶分子を揃えたとしても、長時間の連続駆動後に液晶分子が初期配列位置まで戻らない場合があり、その場合の電気光学特性の変化が観察者には焼付きとして認識される。また、液晶分子の配向規制力を高めるために大出力の紫外線ランプを使用して長時間照射すると光配向膜が黄変してVHRの低下を招いたり、カラーフィルタの色と混色する問題点が発生する。さらに、必要な液晶配向規制力の発現には、感光性有機膜の形成された被紫外線照射基材を180℃程度まで加熱して、1,500mJ/cmもの高いエネルギーの紫外光を照射する必要があるなど、コスト面で不利である。そのため、垂直配向型の技術をそのまま横電界型に適用できず、光配向膜方式を採用した水平配向型の液晶表示素子が実現できていないのが現状であり、光配向膜の不十分な液晶配向規制力(方位角アンカリングエネルギー)に起因して、残像や焼付きが問題になる場合があるため、その改良が望まれている。特に近年の大型化した高世代マザーガラス基板に高い温度を与えることは、撓みや歪みを生じさせ、被紫外光照射面の不均一から、結果的に発現する液晶配向規制力自体が不均一となり、歩留まりを低下させる等の問題も生じている。
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、少ない紫外線照射量で制御可能な液晶配向性を有し、液晶の配向安定性に優れ、光重合モノマー等に代表される残存物の悪影響が排除され、さらに、長時間の熱や電界による配向ずれの起きない液晶配向層、それを具備する液晶表示素子並びにその液晶表示素子の製造方法を提供することを課題とする。特に、IPSモードやFFSモードに代表される横電界方式の液晶表示素子においてこれら課題を達成できるような液晶配向剤、それを用いて形成される液晶表示素子及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために様々な材料と光配向法による液晶表示素子の製造方法を鋭意検討した結果、特定の構造を有する感光性ポリマーを用いて表面に成膜した基板により成る液晶セルに、液晶組成物を充填した状態で、該感光性ポリマー薄膜に対して紫外光を照射することにより、少ない紫外光照射量で配向性を付与でき、かつ極めて優れた液晶配向安定性を有する配向膜およびそれを有する液晶表示素子が得られることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は、特に横電界方式の液晶表示素子において優れた液晶配向安定性を示すことができる。
本発明は、最低限の照射回数および照射量で液晶配向能を付与することができる。
本発明は、少ない紫外線照射量で液晶配向性が付与され、さらに改善された残像や焼付き特性を示す液晶配向膜およびそれを備えた液晶表示素子並びにその製造方法である。
本発明の液晶表示素子の構成の一例を模式的に示す分解斜視図である。 図1における基板2上に形成された電極層3のII線で囲まれた領域を拡大した平面図である。 図2におけるIII−III線方向に図1に示す液晶表示素子を切断した断面図である。
本発明の第一は、第1の光応答性高分子を含む被膜が表面に形成された第1基板と、第2の光応答性高分子を含む被膜が表面に形成された第2基板と、を互いの被膜同士向かい合うよう離間して配置し、かつ当該離間した被膜間に液晶組成物を充填する工程(1)と、150nm〜800nmの偏光を前記第1の光応答性高分子を含む被膜および第2の光応答性高分子を含む被膜に照射する工程(2)と、を含む、液晶配向性を付与する光配向膜の製造方法である。
これにより、特に横電界方式の液晶表示素子において優れた液晶配向安定性を示すことができる。また、偏光を少なくとも1回照射して液晶配向能を膜に付与することができるため、配向膜の黄変の問題を低減することができる。
また、本発明に係る光配向膜の製造方法は、第1の光応答性高分子を含む被膜が表面に形成された第1基板と、第2の光応答性高分子を含む被膜が表面に形成された第2基板と、を互いの被膜同士向かい合うよう離間して配置し、かつ当該離間した被膜間に液晶組成物を充填する工程(1)と、150nm〜800nmの偏光を前記第1の光応答性高分子を含む被膜および第2の光応答性高分子を含む被膜に照射する工程(2)と、前記第1の光応答性高分子を含む被膜および第2の光応答性高分子を含む被膜に光を照射する工程(3)と、を含むことが好ましい。換言すると、本発明の製造方法において、第1基板および第2基板の表面に被膜を形成した後、当該被膜に対して2回光を照射し、かつ当該被膜に対して2回照射する光の少なくとも一方が偏光であることが好ましい。
これにより、液晶分子に対するアンカリング力を向上することができ、少ない紫外線照射量で液晶配向性が付与され、さらに改善された残像や焼付き特性を示す液晶配向膜を提供することができる。
以下、本発明に係る液晶配向膜の製造方法の詳細について工程毎に詳説する。
本発明に係る液晶配向膜の製造方法を分説すると、(未反応の)光応答性高分子を含む被膜を一対の基板上に形成し液晶組成物を含む液晶層を前記一対の基板間に充填させる工程(1)と、前記光応答性高分子(未反応の状態も含む)に対して所定の偏光を照射し前記光応答性高分子を反応させる工程(2)と、必要により前記光応答性高分子(未反応の状態も含む)に対して所定の光を照射する工程(3)と、を有するものである。以下、工程ごとに説明する。
「工程(1)」
本発明に係る工程(1)は、第1の光応答性高分子を含む被膜が表面に形成された第1基板と、第2の光応答性高分子を含む被膜が表面に形成された第2基板と、を互いの被膜同士向かい合うよう離間して配置し、かつ当該離間した被膜間に液晶組成物を充填するものである。以下当該工程を分説する。
本発明において、基板上に光応答性高分子を含む被膜を形成する方法としては、光応答性高分子を含む溶液を調製して塗布法で被膜を形成することが好ましい。より詳細には、溶媒および光応答性高分子を混合して光応答性高分子溶液を調製した後、前記光応答性高分子溶液を第1のおよび/または第2の基板上に塗布した後、0.1〜30分間35〜150℃で乾燥し、さらに80℃〜250℃で5〜75分間乾燥し塗膜を形成することが好ましく、前記光応答性高分子溶液を基板上に塗布した後、0.5〜15分間40〜120℃で乾燥し、さらに100℃〜200℃で5〜75分間乾燥し塗膜を形成することがより好ましく、前記光応答性高分子溶液を基板上に塗布した後、1〜3分間50〜100℃で乾燥し、さらに120℃〜180℃で5〜75分間乾燥し被膜を形成することがさらに好ましい。
これにより、均質な膜厚の光応答性高分子膜を製膜できるという効果を奏すると考えられる。
本発明に係る被膜の平均厚みは、製造される液晶配向膜の厚さによって適宜変更するものであるが、1〜1000nmであることが好ましく、5〜500nmであることがより好ましく、10〜200nmであることがさらに好ましく、20〜90nmであることがよりさらに好ましい。特に、本発明に係る製造方法により得られる液晶配向膜の平均膜厚は、200nm以下であることが好ましく、50〜150nmの範囲がより好ましいため、前記光応答性高分子溶液を2回以上基板上に塗布してもよい。
本発明に係る被膜の平均厚みの測定方法は、光配向膜を塗布及び光照射後に行う接触式膜厚測定計を用いた段差測定である。また、本発明に係る製造方法により得られた液晶配向膜の平均膜厚の測定方法も同様である。
また、本発明の塗布方法は、スピンコート法、バーコート法、フレキソ印刷法、インクジェット法などが挙げられる。
本発明の被膜の乾燥方法は、加熱乾燥、真空乾燥などが挙げられる。また本発明に係る乾燥条件は、使用する溶媒の沸点に応じて公知の乾燥方法を適宜選択できる。均一な薄膜を得るために本発明の被膜の形成に必要な乾燥回数は、1回以上5回以下であることが好ましく、1回以上3回以下であることがより好ましく、2段階の乾燥工程を経ることが特に好ましい。特に、2回目の乾燥を行う場合は、残留溶媒によるVHR(保持率)の低下を排除する観点で好ましい。当該具体的な乾燥条件は、0.1〜20分間20〜150℃で加熱した後80℃〜250℃で1〜100分間加熱することが好ましく、0.5〜10分間30〜120℃で加熱した後100℃〜240℃で2〜90分間加熱することが好ましく、1〜3分間50〜100℃で加熱した後120℃〜180℃で5〜75分間加熱することが好ましく、2〜3分間70〜90℃で加熱した後150℃〜180℃で5分間乾燥することがより好ましい。
また、本発明における被膜を形成する場合の乾燥温度は、使用する光応答性高分子の種類によっても適宜変更されるものであるが、ポリアミック酸主鎖を用いた場合、閉環ポリイミド化を進行させる目的で2回目の乾燥を100〜240℃で行うことが好ましい。
(光応答性高分子)
本発明に係る第1の光応答性高分子と、本発明に係る第2の光応答性高分子とは同一であっても異なる材料でもよく、当該第1のまたは第2の光応答性高分子としては、光に応答して化学構造が変化する高分子であることが好ましく、光に応答して分子鎖長を変化する高分子がより好ましい。具体的には、光に応答して側鎖同士の二量化により架橋構造を形成する光応答性二量化型高分子、光に応答して異性化し偏光軸に対して略垂直に配向する光応答性異性化型高分子および光に応答して高分子鎖が切断する光応答性分解型高分子からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、光応答性二量化型高分子が特に好ましい。
すなわち本発明は、光に応答して側鎖同士の二量化により架橋構造を形成する第1の光応答性二量化型高分子を含む被膜が表面に形成された第1基板と、光に応答して側鎖同士の二量化により架橋構造を形成する第2の光応答性二量化型高分子を含む被膜が表面に形成された第2基板と、を互いの被膜同士向かい合うよう離間して配置し、かつ当該離間した被膜間に液晶組成物を充填した状態で250〜350nmの偏光を前記第1の光応答性二量化型高分子を含む被膜および第2の光応答性高分子を含む被膜に照射して前記光応答性二量化型高分子を架橋化することを特徴とする、光配向膜の製造方法であることがより好ましい。
液晶組成物と未配向の液晶配向膜とを直接当接した状態で、外部から偏光を照射するとアンカリングエネルギーが向上すると考えられる。これにより、優れた液晶配向安定性を示す光配向膜を提供することができる。特に、本発明に係る製造プロセスで光応答性二量化型高分子を使用して配向膜を製造する場合、液晶組成物存在下で光応答性高分子に光を照射して液晶配向性を付与しても、光分解などで生じる光応答性高分子由来の残渣を生じないため、不要な物質が液晶層中に混入しにくい。
本発明において、光に応答し側鎖同士の二量化により架橋構造を形成する光応答性二量化型高分子としては、高い光感度及び大きな配向特性を備えていることが好ましい。すなわち、本発明に係る光応答性二量化型高分子は、主鎖骨格または側鎖に感光性基を有することが好ましい。当該主鎖骨格は、ポリ(メタ)アクリレート、ポリオルガノシロキサン、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、ポリスチレン、多官能エポキシと多官能カルボン酸からなる重合体など目的に応じて適宜選択することができるが、ポリ(メタ)アクリレート、ポリオルガノシロキサン、ポリアミック酸及びその誘導体が好ましく、ポリ(メタ)アクリレートがより好ましい。また、前記感光性基はその目的に応じて、主鎖骨格中に、または側鎖として導入することができるが、側鎖として導入することが好ましい。側鎖に導入する場合は、少なくとも一つの環構造を有することが好ましく、具体的には連結基で結ばれていてもよい隣り合った二つ以上の5員環構造、6員環構造、ヘテロ環構造、または縮合環構造を有することがより好ましい。感光性基としては光二量化、光異性化、光分解型を用いる事ができ、光二量化が好ましい。なかでも、桂皮酸、カルコン、クマリン構造を有する感光性基が好ましく、カルコンまたは桂皮酸を有する感光性基がさらに好ましい。好ましい桂皮酸含有感光性基およびカルコン含有感光性基は、選択される主鎖に応じて、異なる重合性部位を備えた種々の桂皮酸誘導体及びカルコン誘導体として定義することができる。
本発明に係る光応答性高分子の具体的な構造は、以下の一般式(1A)、(1B)および以下の一般式(2)からなる群から選択される少なくとも1種で表される光応答性二量化型高分子が好ましい。また、前記光応答性高分子は、一般式(4)および/または一般式(5)で示される化合物を重合してなる光応答性二量化型高分子であることが好ましい。
本発明に係る光応答性高分子は、下記の一般式(1A)または(1B):
Figure 2015090427
(上記一般式(1)中、Spは、単結合、−(CH−(式中、uは1〜20を表す。)、−OCH−、−CHO−、―COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCF−および−C≡C−からなる群から選択される少なくとも1種の二価の連結基であり、これらの置換基において非隣接のCH基の一つ以上は独立して、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−Si(CH−O−Si(CH―、−NR−、−NR−CO−、−CO−NR−、−NR−CO−O−、−O−CO−NR−、−NR−CO−NR−、−CH=CH−、−C≡C−又は−O−CO−O−(式中、Rは独立して水素又は炭素原子数1から5のアルキル基を表す。)で置換することができ、
、Aはそれぞれ独立して、
(a) トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−、−NH−又は−S−に置き換えられてもよい)、
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい)、及び
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、2,5−チオフェニレン基、2,5−フラニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)又は基(c)はそれぞれ無置換であるか又は一個以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はメトキシ基によって置換されていても良く、
、ZおよびZは、それぞれ独立して、単結合、−(CH−(式中、uは1〜20を表す。)、−OCH−、−CHO−、―COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCF−又は−C≡C−を表すが、これらの置換基において非隣接のCH基の一つ以上は独立して、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−Si(CH−O−Si(CH―、−NR−、−NR−CO−、−CO−NR−、−NR−CO−O−、−O−CO−NR−、−NR−CO−NR−、−CH=CH−、−C≡C−又は−O−CO−O−(式中、Rは独立して水素又は炭素原子数1から5のアルキル基を表す。)で置換することができ、
Xは、−O−、単結合、−NR−またはフェニレン基であり、
は、重合性基、アルコキシ基、シアノ基または炭素原子数1〜12個のフッ化アルキル基であり、
mは、0、1、または2であり、
及びMはそれぞれ独立して同一であっても異なっていても良く、以下の一般式(U−1)〜(U−13)のいずれか1種のモノマー単位を表し、
Figure 2015090427
(上記一般式(U−1)〜(U−10)中、破線はSpへの結合を表し、Rは独立して水素原子、炭素原子数1から5のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子を表し、それぞれの構造中の任意の水素原子はフッ素原子、塩素原子、メチル基、フェニル基、メトキシ基によって置換されていてもよく、
上記一般式(U−11)〜(U−13)中、破線はSpへの結合を表し、Rは4価の環構造、Rは3価の有機基、Rは水素原子、水酸基、炭素原子数1〜15個のアルキル基、炭素原子数1〜15個のアルコキシ基を表す。)
y及びwは、コポリマーのモル分率を表し、0<y≦1かつ、0≦w<1であり、nは4〜100,000を表し、M及びMのモノマー単位は各々独立して1種類でも2種類以上の異なる単位からなっていても良い。)
で表される光応答性二量化型高分子、その加水分解物または加水分解物の縮合物であることが好ましい。
また、上記本発明に係る一般式(1)で表される光応答性高分子の好ましい形態として、Zが単結合である光応答性二量化型高分子が好ましい。なお、前記3価の有機基は、ベンゼン、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルエタン、ジフェニルメタン、ジフェニルアミンから選ばれる骨格が好ましい。
また、4価の環構造としては例えば以下の式(1.1)〜(1.26)が挙げられる。
Figure 2015090427
Figure 2015090427
本発明に係る光応答性高分子は、下記の一般式(2):
Figure 2015090427
(上記一般式(2)中、MおよびMはそれぞれ互いに独立して、アクリレート、メタクリレート、2−クロロアクリレート、2−フェニルアクリレート、低級アルキル基でN−置換されていてもよいアクリルアミド、メタクリルアミド、2−クロロアクリルアミド、2−フェニルアクリルアミド、ビニルエーテル、ビニルエステル、スチレン誘導体およびシロキサン類からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位であり、
は、アクリレート、メタクリレート、2−クロロアクリレート、2−フェニルアクリレート、低級アルキルでN−置換されていてもよいアクリルアミド、メタクリルアミド、2−クロロアクリルアミド、2−フェニルアクリルアミド、ビニルエーテル、ビニルエステル、アクリル酸またはメタクリル酸の直鎖状−もしくは分岐状アルキルエステル、アクリル酸もしくはメタクリル酸のアリルエステル、アルキルビニルエーテルもしくは−エステル、フェノキシニアルキルアクリレートもしくはフェノキシアルキルメタクリレートもしくはヒドロキシアルキルアクリレートもしくはヒドロキシアルキルメタクリレート、フェニルアルキルアクリレートもしくはフェニルアルキルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、4−メチルスチレンおよびシロキサン類からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位であり、
、B、C、A、BおよびCはそれぞれ互いに独立して、
(a) トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−、−NH−又は−S−に置き換えられてもよい)、
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい)、及び
(c) 1,4−シクロヘキセニレン基、2,5−チオフェニレン基、2,5−フラニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)又は基(c)はそれぞれ無置換であるか又は一個以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はメトキシ基によって置換されていても良く、
およびSはそれぞれ互いに独立して、フッ素原子、塩素原子もしくはシアノ基で1以上置換された直鎖状もしくは分岐状アルキレン基(−(CH−)または−(CH−L−(CH−(式中、Lは、単結合または−O−、−COO−、−OOC−、−NR−、−NR−CO−、−CO−NR−、−NR−COO−、−OCO−NR−、−NR−CO−NR−、−CH=CH−または−C≡C−を意味し、その際にRは水素原子または低級アルキル基を意味し、rおよびsは、r+s≦24という条件のもとで1〜20の整数であり、)であり、
、Dはそれぞれ互いに独立して、−O−、−NR−、または下記の式(d)〜(f):
(d) トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−、−NH−又は−S−に置き換えられてもよい)、
(e) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい)、及び
(f) 1,4−シクロヘキセニレン基、2,5−チオフェニレン基、2,5−フラニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基
からなる群より選ばれる基を含み、上記の基(d)、基(e)又は基(f)はそれぞれ無置換であるか又は一個以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はメトキシ基によって置換されていても良い、を意味し、その際にRは水素原子または低級アルキル基であり、
、X、YおよびYはそれぞれ互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、場合によってはフッ素原子で置換されそしてCH基または複数の非隣接CH基が場合によっては−O−、−COO−、−OOC−および/または−CH=CH−で交換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基を意味し、
1a、Z1b、Z2aおよびZ2bはそれぞれ互いに独立して、単結合、−(CH)t−、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−OC−、−NR−、−CO−NR−、−NR−CO−、−(CH−O−、−O−(CH−、−(CH−NR−または−NR−(CH−であり、その際にRは水素原子または低級アルキル基を意味し;tは1〜4の整数を意味し;uは1〜3の整数であり、
、p、qおよびqはそれぞれ互いに独立して、0または1であり、
1aおよびR2aはそれぞれ互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、または炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルキル−COO−、アルキル−CO−NRまたはアルキル−OCO基を意味し、その際にRは水素原子または低級アルキル基を意味し、前記アルキル基または前記アルコキシ基の1以上の水素原子は、フッ素原子、塩素原子、シアノ基またはニトロ基で置換されてもよく、前記アルキル基または前記アルコキシ基のCH基または複数の非隣接CH基が−O−、−CH=CH−または−C≡C−に置換されてもよく、
、nおよびnは0<n≦1、0≦n<1および0≦n≦0.5のコモノマーのモル分率である)
で表される光応答性二量化型高分子であることが好ましい。
本発明に係る一般式(1)で表される光応答性高分子は、以下の一般式(3):
Figure 2015090427
(上記一般式(2)中、Xは6〜12であり、Yは0〜2であり、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜5個のアルコキシ基であり、R30は、式(2−a)または式(2−b):
Figure 2015090427
であり、式(2−a)中のR31は重合性基、炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、シアノ基または炭素原子数1〜12個のフッ化アルキル基であり、jは0以上6以下の整数である。)で示される光応答性二量化型高分子であることがより好ましい。
なお、本発明に係るアルキル基およびアルコキシ基はいずれも直鎖状、環状または分岐状が好ましく、いずれも直鎖状または分岐状がより好ましい。さらに、本発明に係る「アルキル基」の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、3−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。なお、本明細書中において、アルキル基の例は共通であり、各々のアルキル基の炭素原子数の数によって適宜上記例示から選択される。
本発明に係る「アルコキシ基」の例は、前記アルキル基に酸素原子が直接結合した基であることが好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(n−プロポキシ基、i−プロポキシ基)、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、オクチルオキシ基がより好ましい。なお、本明細書中において、アルコキシ基の例は共通であり、各々のアルコキシ基の炭素原子数の数によって適宜上記例示から選択される。
本発明に係る光応答性高分子は、以下の一般式(4)および/または一般式(5)で示される化合物を重合してなる光応答性二量化型高分子であることが好ましい。
Figure 2015090427
(式中、R201及びR202は各々独立に炭素原子数1〜30の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、水素原子又はフッ素原子を含む重合性官能基を表し、該アルキル基の1つ又は2つ以上の−CH−基は酸素原子又は硫黄原子が相互に直接結合しないものとして−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−O−SO−、−SO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、シクロプロピレン基又は−Si(CH−で置き換えられてもよく、さらにアルキル基の1つ又はそれ以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子あるいはCN基で置き換えられていてもよく、重合性基をもっていてもよく、前記アルキル基が縮合又はスピロ環式系を含むものでもよく、前記アルキル基が1つ又は2つ以上のヘテロ原子を含むことができる1つ又は2つ以上の芳香族又は脂肪族の環を含むものでもよく、またこれらの環はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲンで任意に置換されていてもよく、
201及びZ202は各々独立に−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−N(R)−、−N(R)−CO−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−CO−O−、−O−CO−CH=CH−又は単結合を表し、−CO−N(R)−又は−N(R)−CO−におけるRは水素原子又は炭素原子数1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表し、
201及びA202は各々独立にフェニレン基、シクロヘキシレン基、ジオキソランジイル基、シクロヘキセニレン基、ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジンジイル基、ナフタレンジイル基、デカヒドロナフタレンジイル基、テトラヒドロナフタレンジイル基、又はインダンジイル基から選択される環式基を表し、前記フェニレン基、ナフタレンジイル基、テトラヒドロナフタレンジイル基、又はインダンジイル基は環内の1つ又は2つ以上の−CH=基が窒素原子で置き換えられてもよく、前記シクロヘキシレン基、ジオキソランジイル基、シクロヘキセニレン基、ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジンジイル基、デカヒドロナフタレンジイル基、テトラヒドロナフタレンジイル基、又はインダンジイル基は環内の1つ又は2つの隣接していない−CH−基が、−O−及び/又は−S−で置き換えられてもよく、前記環式基の1つ又はそれ以上の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、CN基、NO基、あるいは、1つ又は2つ以上の水素原子がフッ素原子又は塩素原子で置き換えられてもよい、炭素原子数1〜7の有するアルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基又はアルコキシカルボニル基で置き換えられていてもよく、
201及びn202は各々独立に1〜3の整数を表し、
201及びP202は各々独立に、シンナモイル、クマリン、ベンジリデンフタルジイミド、カルコン、アゾベンゼン、スチルベン等の光配向性基を表し、P201は1価基、P202は2価基である。
また、本発明において、一般式(4)または一般式(5)で表される化合物において、少なくとも一方の端部が重合性官能基を備えることが好ましく、すなわち、一般式(5)においてはR201またはR202の少なくともいずれか一方が重合性官能基であることが好ましい。
より好ましい化合物として、シンナモイル基を有する一般式(6)、クマリン基を有する一般式(7)、ベンジリデンフタルジイミド基を有する一般式(8)の化合物が挙げられる。
Figure 2015090427
一般式(6)、(7)、及び(8)中、R201、R202、A201、A202、Z201、Z202、n201及びn202の定義は式(4)及び(5)におけるのと同じであり、
203、R204、R205、R206及びR207は各々独立にハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、メチル基、メトキシ基、−CF、−OCF、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、アミノ基、又はヒドロキシ基を表し、
203は0〜4の整数を表し、n204は0〜3の整数を表し、n205は0〜1の整数を表し、n206は0〜4の整数を表し、n207は0〜5の整数を表す。
本発明において、光に応答して高分子鎖が切断する光応答性分解型高分子としては、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との縮合により製造することが好ましい。
前記テトラカルボン酸二無水物としては、以下の式(A−1)〜式(A−43):
Figure 2015090427
Figure 2015090427
Figure 2015090427
Figure 2015090427
Figure 2015090427
Figure 2015090427
Figure 2015090427
が挙げられる。以上のような化合物の中でも、式(A−14)、式(A−15)、式(A−16)、式(A−17)、式(A−20)、式(A−21)、式(A−28)、式(A−29)、式(A−30)、または式(A−31)が好ましく、式(A−14)、式(A−21)が特に好ましい。
前記ジアミン化合物としては、以下の式(III−1)〜(VIII−17)が挙げられる。
Figure 2015090427
Figure 2015090427
Figure 2015090427
Figure 2015090427
Figure 2015090427
Figure 2015090427
Figure 2015090427
Figure 2015090427
(上記式(VIII−12)中、R〜R10のうち二つは一級アミノ基、残りは水素原子または一級アミノ基以外の一価の有機基であり、それぞれ同一であっても異なっても良い。)
Figure 2015090427
で挙げられる化合物を用いることが好ましい。
また、上記式(1)〜(5)の桂皮酸骨格を備えたジアミン化合物に関しては、光に応答して二量化することも可能であるため、光応答性二量化型高分子としても好ましく使用することができる。
本発明に係る光応答性分解型高分子の重量平均分子量は、3000〜300000であることが好ましく、5000〜100000であることがより好ましく、10000〜50000であることがさらに好ましく、10000〜30000であることが特に好ましい。
前記光応答性分解型高分子において、分子鎖を切断する際に使用される光は、200〜400nmであることが好ましく、200〜280nmであることがより好ましく、240〜280nmであることがさらに好ましい。
本発明において、光に応答して異性化し偏光軸に対して略垂直に配向する光応答性異性化型高分子としては、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との合成により製造されるものであって、かつ前記テトラカルボン酸二無水化合物とジアミンとの少なくとも一方にジアゾ結合を備えていることが好ましい。
ジアゾ結合を備えているテトラカルボン酸二無水物としては、以下の式(1−8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2015090427
また、ジアゾ結合を備えているジアミン化合物としては、以下の式(I−1)〜(I−7):
Figure 2015090427
で表される化合物が挙げられる。
したがって、本発明に係る光応答性異性化型高分子の好ましい形態としては、ジアゾ結合を備えているジアミン化合物として式(I−1)〜(I−7)を選択する場合は、テトラカルボン酸二無水物として式(1−8)および式(A−1)〜(A−43)で表される化合物であることが好ましい。一方、本発明に係る光応答性異性化型高分子の好ましい形態としては、ジアゾ結合を備えているテトラカルボン酸二無水物として式(1−8)を選択する場合は、ジアミン化合物として式(I−1)〜(I−7)および式(III−1)〜(VIII−11)、(I)および(1)〜(5)で表される化合物であることが好ましい。
前記光応答性異性化型高分子において、光に応答して異性化し偏光軸に対して略垂直に配向する際に使用される光は、200〜500nmであることが好ましく、300〜500nmであることがより好ましく、300〜400nmであることがさらに好ましい。
本発明に係る光応答性異性化型高分子の重量平均分子量は、10000〜800000であることが好ましく、10000〜400000であることがより好ましく、50000〜400000であることがさらに好ましく、50000〜300000であることが特に好ましい。
当該重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー,Gel Permeation Chromatography)測定の結果得られたものである。
(溶媒)
本発明に係る溶媒は、光応答性高分子を溶解させるものであれば特に制限されることは無く、使用する光応答性高分子の性質によって適宜選択できるものであり、非プロトン性極性溶媒から選ばれる事が好ましい。例えば、光応答性高分子を溶解させる溶媒としては、γ−ブチロラクトン等のラクトン系;シクロペンタノン、シクロヘキサノン、MEK、MIBK等のケトン系;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等のエステル系、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、が挙げられる。また、基板への塗布性を高める目的である溶媒として、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール(ブチルセロソルブ)等のアルコールエーテル系;トルエン等のトルエン系を必要により溶媒に加えても良い。
本発明に係る光応答性高分子溶液の濃度は、1〜20質量%であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましく、2〜5質量%がさらに好ましい
スクリーン印刷により基板へ塗布する場合は、前記光応答性高分子溶液の粘度が20〜50mPa・sになるように調整することが好ましい。インクジェット法により基板へ成膜する場合は、良好な液滴を形成しさらにノズルヘッドの目詰まりを防止する目的で、溶液の粘度が3〜15mPa・sになるように調整することが好ましく、表面張力は20〜50N/mになるように調整することが好ましく、溶媒の沸点は150〜220℃の範囲であることが好ましい。
(基板)
本発明に使用される第1の基板および/または第2の基板は、透明な材料であることが好ましく、例えばガラス又はプラスチックの如き柔軟性をもつ透明な材料が挙げられるが、シリコン等の不透明な材料でも良い。透明電極層を有する透明基板は、例えば、ガラス板等の透明基板上にインジウムスズオキシド(ITO)をスパッタリングすることにより得ることができる。
本発明に係る第1の基板または第2基板は、実質的に透明であれば材質に特に限定はなく、前記光応答性高分子溶液に用いられる溶媒との関係から、前記溶媒に溶解しない材料であれば特に制限されることはなく、例えばガラス、セラミックス、プラスチック等を使用することができる。プラスチック基板としてはセルロ−ス、トリアセチルセルロ−ス、ジアセチルセルロ−ス等のセルロ−ス誘導体、ポリシクロオレフィン誘導体、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコ−ル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、さらにガラス繊維−エポキシ樹脂、ガラス繊維−アクリル樹脂などの無機−有機複合材料などを用いることができる。
なお上記第1の基板または第2の基板としてプラスチック基板を使用する際には、当該基板表面にバリア膜を設けることが好ましい。バリア膜の機能は、プラスチック基板が有する透湿性を低下させ、液晶表示素子の電気特性の信頼性を向上することにある。バリア膜としては、それぞれ、透明性が高く水蒸気透過性が小さいものであれば特に限定されず、一般的には酸化ケイ素などの無機材料を用いて蒸着やスパッタリング、ケミカルベーパーデポジション法(CVD法)によって形成した薄膜を使用する。
本発明においては、前記第1基板又は前記第2基板として同素材を使用しても異素材を使用してもよく、特に限定はない。ガラス基板を用いれば耐熱性や寸法安定性の優れた液晶表示素子を作製することができるので好ましい。またプラスチック基板であれば、ロールツウロール法による製造方法に適し且つ軽量化あるいはフレキシブル化に適しており好ましい。また、平坦性及び耐熱性付与を目的とするならば、プラスチック基板とガラス基板とを組み合わせると良い結果を得ることができる。
(電極)
また、本発明に係る第1の基板および/または第2の基板の少なくとも一方に電極層を形成していることが好ましく、前記電極層は薄膜トランジスタを含むことがより好ましい。すなわち、本発明に係る薄膜トランジスタを含む電極層は、網目状に配置される複数個のゲート配線及びデータ配線と、前記ゲート配線と前記データ配線との各交差部に設けられる薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続された画素電極と、を含むことが好ましく、本発明に係る液晶配向膜を横電界型液晶表示素子に使用する場合は、前記画素電極と離間し、かつ前記画素電極が形成されている基板上に共通電極をさらに備えることが好ましい。
以下、簡単に本発明に係る液晶配向膜と、当該液晶配向膜を備えた液晶表示素子について、図面を用いて説明する。図1は、液晶表示素子の一態様の構造を模式的に示す分解斜視図である。本発明に係る液晶表示素子10は、第2の偏光板8と、第2の基板7と、薄膜トランジスタを含む電極層(又は薄膜トランジスタ層とも称する)3と、本発明に係る液晶配向膜4と、液晶組成物を含む液晶層5と、配向膜4と、カラーフィルタ6と、第1の基板2と、第1の偏光板1と、が順次積層された構成であることが好ましい。また、図1に示すように、前記第2の基板7および前記第1の基板2は、一対の偏光板1,8により挟持されてもよい。また、図1では、前記第2の基板7と配向膜4との間にカラーフィルタ6が設けられているが、いわゆるカラーオンフィルター構造(カラーフィルタと電極層が同一基板上に形成する構造)であってもよい。さらに、本発明に係る液晶層5と近接し、かつ当該液晶層5を構成する液晶組成物と直接当接するよう一対の本発明に係る液晶配向膜4が(透明)電極(層)3上に形成されている。
また、偏光板8を使用する場合は、コントラストが最大になるように液晶の屈折率異方性Δnとセル厚Gとの積を調整することが好ましい。また、二枚の偏光板がある場合は、各偏光板の偏光軸を調整して視野角やコントラトが良好になるように調整することもできる。更に、視野角を広げるための位相差フィルムも使用することもできる。
図2は、図1における基板上に形成された薄膜トランジスタを含む電極層3(または薄膜トランジスタ層3とも称する。)のIIの領域を拡大した平面図である。ゲート配線26とデータ配線25が互いに交差している交差部近傍において、ソース電極27、ドレイン電極24およびゲート電極28を含む薄膜トランジスタ20が、画素電極21に表示信号を供給するスイッチ素子として前記画素電極21と連結して設けられている。当該図2では一例として、櫛歯状の画素電極21の背面に絶縁層(図示せず)を介して平板体状の共通電極22が一面に形成されている構成を示す。また、前記画素電極21の表面には保護絶縁膜及び配向膜層によって被覆されていてもよい。なお、前記複数のゲート配線26と複数のデータ配線25とに囲まれた領域にはデータ配線25を介して供給される表示信号を保存するストレイジキャパシタ23を設けてもよい。さらに、ゲート配線26と並行して、共通ライン29が設けられる。この共通ライン29は、共通電極22に共通信号を供給するために、共通電極22と連結している。
図3は、図2におけるIII−III線方向に液晶表示素子を切断した断面図の一例である。配向層4および薄膜トランジスタ20(11,12,13,14,15,16,17)を含む電極層3が表面に形成された第一の基板2と、配向層4が表面に形成された第二の基板7と、が所定の間隔Gで配向層同士向かい合うよう離間しており、この空間に液晶組成物を含む液晶層5が充填されている。前記第一の基板2の表面の一部にゲート絶縁膜12が形成され、さらに当該ゲート絶縁膜12の表面の一部に共通電極22が形成されており、更に前記共通電極22および薄膜トランジスタ20を覆うよう絶縁膜18が形成されている。また、前記絶縁膜18上に画素電極21が設けられており、当該画素電極21は液晶配向層4を介して液晶層5と接している。そのため、画素電極と共通電極との最小離間距離dは、ゲート絶縁膜12の(平均)膜厚として調整することができる。また、換言すると、図3の実施形態では、画素電極と共通電極間の基板に水平方向の距離は0になる。画素電極21の櫛歯状部分の電極幅:l、及び、画素電極21の櫛歯状部分の間隙の幅:mは、発生する電界により液晶層5内の液晶分子が全て駆動され得る程度の幅に形成することが好ましい。本発明に係るFFS方式の液晶表示素子は、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが配向層同士の最短離間距離Gより短い条件を満たしさえすればよい。また、図2および図3に示した液晶表示素子は、いわゆる横電界型方式の代表例であるFFS方式の液晶表示素子であるが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1〜3で示すように、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが配向層同士の最短離間距離Gより短い条件であるFFS方式の液晶表示素子の場合、長軸方向が、配向層の配向方向と平行になるように配置している液晶分子に電圧を印加すると、画素電極21と共通電極22との間に放物線形の電界の等電位線が画素電極21と共通電極22の上部にまで形成され、液晶層5内の液晶分子は、形成された電界に沿って液晶層5内を回転してスイッチング素子としての作用を奏する。より詳細には、例えば液晶組成物に対してホモジニアス配向を誘起する配向膜を前記配向層に用いると、共通電極と画素電極との間に電圧をかける前は配向膜の配向方向である面方向に配列している液晶分子が光を遮断し、電圧をかけると共通電極と画素電極とが同一の基板(または電極層)上に離間して設けられていることに起因する平面方向成分の電界と、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが配向層同士の最短離間距離Gより短いことにより発生するこれら電極の縁由来の垂直方向成分の電界(フリンジ電界)とが発生するため、低い誘電率異方性を有する液晶分子であっても駆動することができる。そのため、本発明に係る製造方法により得られた液晶配向膜を使用すると、プレチルト角を電極表面で1度以下に抑えることも可能になる。また、長時間の連続駆動後に液晶分子が初期配列位置まで戻らない焼付きも低減することができる。
また、他の液晶表示素子の実施形態として、IPS方式の場合は、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが液晶配向膜間の最短離間距離Gより長い条件であり、例えば、共通電極と画素電極とが同一基板上に形成され、かつ当該共通電極と当該画素電極とが交互に配置されている場合であって、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが液晶配向膜間の最短離間距離Gより長い構造などが挙げられる。
また、前記カラーフィルタは、例えば、顔料分散法、印刷法、電着法又は、染色法等によって作製することができる。顔料分散法によるカラーフィルタの作成方法を一例に説明すると、カラーフィルタ用の硬化性着色組成物を、該透明基板上に塗布し、パターニング処理を施し、そして加熱又は光照射により硬化させる。この工程を、赤、緑、青の3色についてそれぞれ行うことで、カラーフィルタ用の画素部を作製することができる。その他、該基板上に、TFT、薄膜ダイオード等の能動素子を設けた画素電極を設置してもよい。
本発明に係る製造方法において、電極層を有する基板および/または基板表面に被膜を形成した後、当該被膜が内側となるように一対の基板を離間して対向させた後、液晶組成物を基板間に充填することが好ましい。その際、スペーサーを介して、基板の間隔を調整することが好ましい。
前記基板間の距離(得られる液晶層の平均厚さであり、被膜間の離間距離とも称する。)は、1〜100μmとなるように調整するのが好ましい。前記被膜間の平均離間距離は、1.5〜10μmが更に好ましい。
本発明において、基板間の距離を調整するために使用するスペーサーとしては、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子、フォトレジスト材料などからなる柱状スペーサー等が挙げられる。
本発明において、2枚の基板間に液晶組成物(必要により重合性化合物を含有する)を導入させる方法は、通常の真空注入法又はODF法などを用いることができる。しかし真空注入法においては滴下痕が発生しない代わりに、注入の跡が残るという課題がある。本願発明においては、ODF法を用いて製造する表示素子に、より好適に使用することができる。ODF法の液晶表示素子製造工程においては、バックプレーンまたはフロントプレーンのどちらか一方の基板にエポキシ系光熱併用硬化性などのシール剤を、ディスペンサーを用いて閉ループ土手状に描画し、その中に脱気下で所定量の液晶組成物を滴下後、フロントプレーンとバックプレーンを接合することによって液晶表示素子を製造することができる。本発明の液晶組成物は、ODF工程における液晶組成物の滴下が安定的に行えるため、好適に使用することができる。また、真空注入法の場合は、当該基板を(透明)電極層が内側となるように(液晶配向膜同士が向かい合うように)対向させた後、例えば、エポキシ系熱硬化性組成物等のシール剤を、液晶注入口を設けた形で該基板にスクリーン印刷し、該基板同士を液晶配向膜が向かい合うよう貼り合わせ、加熱しシール剤を熱硬化させることが好ましい。
(充填される液晶組成物の特性)
本発明に係る液晶組成物は、ネマチック組成物が好ましく、目的とする動作モードに応じて正の誘電率異方性を有する液晶組成物(p型液晶)あるいは負の誘電率異方性を有する液晶組成物(n型液晶)を用いる事が出来る。前記液晶組成物の物性値は、目的とする液晶表示素子の特性値に応じて適宜調整することができる。液晶組成物の透明点はある程度高いことが好ましく、具体的には60〜120℃の範囲であることが好ましく、70〜100℃の範囲であることがより好ましい。また、液晶層の平均屈折率が高すぎる場合、ガラス基板と液晶層の屈折率差により変化する入射光波長が、上下の感光性ポリマー膜に異なる反応率を与えてしまうため、液晶の複屈折率(Δn)はある程度低いことが好ましく、具体的には0.06〜0.25の範囲が好ましく、0.07〜0.20の範囲がより好ましく、0.08〜0.15の範囲が特に好ましい。
本発明において、横電界型液晶表示素子の場合、液晶分子の駆動電圧は櫛型パターン電極の電極間隔に比例するという構造的な限界があることから、低い動作電圧が重視される場合には、高い誘電率異方性を付与し易いp型液晶組成物を用いることが好ましい。一方、電極間に発生する電気力線に沿ってp型液晶組成物が駆動する場合、ミクロ領域での配向乱れによる光漏れが発生し、結果的に黒輝度上昇あるいは透過率低下を招く場合がある。これを避ける目的で、電気力線分布によるミクロ配向乱れの生じないn型液晶組成物を好適に用いることができる。いずれの組成物であっても、それを構成する液晶化合物は、2回の紫外線照射負荷による予期しないデメリットを低減するために、比較的高いUV安定性を有する液晶化合物郡から選ばれることが好ましい。該組成物中において正または負の誘電率異方性を発現させるために極性化合物に導入される電子吸引性基としては、シアノ基、ハロゲン等種々のものが適用できるが、シアノ基が好ましく、ハロゲンまたはハロゲン化アルキルがさらに好ましく、中でもフッ素が特に好ましい。好ましい液晶化合物の一般式は下記式で示される。
(ネマチック組成物)
本発明に係る液晶組成物としては、ネマチック組成物が好ましい。当該ネマチック組成物としては以下の液晶化合物を含むことが好ましい。
前記液晶化合物としては、下記一般式(LC)で表される化合物を含有することが好ましい。
Figure 2015090427
(一般式(LC)中、RLCは炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子に置換されていてもよく、
LC1及びALC2は、それぞれ独立して、
(a)トランス−1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基は酸素原子又は硫黄原子で置換されていてもよい。)、
(b)1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよい。)、及び
(c)1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はクロマン−2,6−ジイル基
からなる群より選ばれる基を表すが、上記の基(a)、基(b)又は基(c)に含まれる1つ又は2つ以上の水素原子はそれぞれ、F、Cl、CF又はOCFで置換されていてもよく、
LCは単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−COO−又は−OCO−を表し、
LCは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、及び炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CFO−、−OCF−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子によって置換されていてもよく、
aは1〜4の整数を表すが、aが2、3又は4を表し、ALC1が複数存在する場合、複数存在するALC1は、同一であっても異なっていても良く、ZLCが複数存在する場合、複数存在するZLCは、同一であっても異なっていても良い。)
前記一般式(LC)で表される化合物は、下記一般式(LC1)及び一般式(LC2)
Figure 2015090427
(上記般式(LC1)及び一般式(LC2)中、RLC11及びRLC21はそれぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子によって置換されていてもよく、ALC11、及びALC21はそれぞれ独立して下記の何れかの構造
Figure 2015090427
(該構造中、シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上のCH基は酸素原子で置換されていてもよく、1,4−フェニレン基中の1つ又は2つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ又は2つ以上の水素原子はF、Cl、CF又はOCFで置換されていてもよい。)を表し、XLC11、XLC12、XLC21〜XLC23はそれぞれ独立して水素原子、Cl、F、CF又はOCFを表し、YLC11及びYLC21はそれぞれ独立して水素原子、Cl、F、CN、CF、OCHF、OCHF又はOCFを表し、ZLC11及びZLC21はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−COO−又は−OCO−を表し、mLC11及びmLC21はそれぞれ独立して1〜4の整数を表し、ALC11、ALC21、ZLC11及びZLC21が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。)
で表される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
LC11及びRLC21はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましく、直鎖状であることが更に好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すことが最も好ましい。
Figure 2015090427
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
LC11及びALC21はそれぞれ独立して下記の構造が好ましい。
Figure 2015090427
LC11及びYLC21はそれぞれ独立してF、CN、CF又はOCFが好ましく、F又はOCFが好ましく、Fが特に好ましい。
LC11及びZLC21は単結合、−CHCH−、−COO−、−OCO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−が好ましく、単結合、−CHCH−、−OCH−、−OCF−又は−CFO−が好ましく、単結合、−OCH−又は−CFO−がより好ましい。
LC11及びmLC21は1、2又は3が好ましく、低温での保存安定性、応答速度を重視する場合には1又は2が好ましく、ネマチック相上限温度の上限値を改善するには2又は3が好ましい。
一般式(LC1)は、下記一般式(LC1−a)から一般式(LC1−c)
Figure 2015090427
(式中、RLC11、YLC11、XLC11及びXLC12はそれぞれ独立して前記一般式(LC1)におけるRLC11、YLC11、XLC11及びXLC12と同じ意味を表し、ALC1a1、ALC1a2及びALC1b1は、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表し、XLC1b1、XLC1b2、XLC1c1〜XLC1c4はそれぞれ独立して水素原子、Cl、F、CF又はOCFを表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
LC11はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましい。
LC11〜XLC1c4はそれぞれ独立して水素原子又はFが好ましい。
LC11はそれぞれ独立してF、CF又はOCFが好ましい。
また、一般式(LC1)は、下記一般式(LC1−d)から一般式(LC1−m)
Figure 2015090427
(式中、RLC11、YLC11、XLC11及びXLC12はそれぞれ独立して前記一般式(LC1)におけるRLC11、YLC11、XLC11及びXLC12と同じ意味を表し、ALC1d1、ALC1f1、ALC1g1、ALC1j1、ALC1k1、ALC1k2、ALC1m1〜ALC1m3は、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表し、XLC1d1、XLC1d2、XLC1f1、XLC1f2、XLC1g1、XLC1g2、XLC1h1、XLC1h2、XLC1i1、XLC1i2、XLC1j1〜XLC1j4、XLC1k1、XLC1k2、XLC1m1及びXLC1m2はそれぞれ独立して水素原子、Cl、F、CF又はOCFを表し、ZLC1d1、ZLC1e1、ZLC1j1、ZLC1k1、ZLC1m1はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−COO−又は−OCO−を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのが好ましい。
LC11はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましい。
LC11〜XLC1m2はそれぞれ独立して水素原子又はFが好ましい。
LC11はそれぞれ独立してF、CF又はOCFが好ましい。
LC1d1〜ZLC1m1はそれぞれ独立して−CFO−、−OCH−が好ましい。
一般式(LC2)は、下記一般式(LC2−a)から一般式(LC2−g)
Figure 2015090427
(式中、RLC21、YLC21、XLC21〜XLC23はそれぞれ独立して前記一般式(LC2)におけるRLC21、YLC21、XLC21〜XLC23と同じ意味を表し、XLC2d1〜XLC2d4、XLC2e1〜XLC2e4、XLC2f1〜XLC2f4及びXLC2g1〜XLC2g4はそれぞれ独立して水素原子、Cl、F、CF又はOCFを表し、ZLC2a1、ZLC2b1、ZLC2c1、ZLC2d1、ZLC2e1、ZLC2f1及びZLC2g1はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−COO−又は−OCO−を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのが好ましい。
LC21はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基がより好ましい。
LC21〜XLC2g4はそれぞれ独立して水素原子又はFが好ましく、
LC21はそれぞれ独立してF、CF又はOCFが好ましい。
LC2a1〜ZLC2g4はそれぞれ独立して−CFO−、−OCH−が好ましい。
また、前記一般式(LC)で表される化合物は、下記一般式(LC3)〜一般式(LC5)
Figure 2015090427
(式中、RLC31、RLC32、RLC41、RLC42、RLC51及びRLC52はそれぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子によって置換されていてもよく、ALC31、ALC32、ALC41、ALC42、ALC51及びALC52はそれぞれ独立して下記の何れかの構造
Figure 2015090427
(該構造中シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上のCH基は酸素原子で置換されていてもよく、1,4−フェニレン基中の1つ又は2つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ又は2つ以上の水素原子はCl、CF又はOCFで置換されていてもよい。)のいずれかを表し、ZLC31、ZLC32、ZLC41、ZLC42、ZLC51及びZLC51はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−を表し、ZはCH基又は酸素原子を表し、XLC41は水素原子又はフッ素原子を表し、mLC31、mLC32、mLC41、mLC42、mLC51及びmLC52はそれぞれ独立して0〜3を表し、mLC31+mLC32、mLC41+mLC42及びmLC51+mLC52は1、2又は3であり、ALC31〜ALC52、ZLC31〜ZLC52が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
LC31〜RLC52は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すことが最も好ましく、
Figure 2015090427
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
LC31〜ALC52はそれぞれ独立して下記の構造が好ましく、
Figure 2015090427
LC31〜ZLC51はそれぞれ独立して単結合、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−CFO−、−OCF−又は−OCH−が好ましい。
一般式(LC3)は、下記一般式(LC3−a)及び一般式(LC3−b)
Figure 2015090427
(式中、RLC31、RLC32、ALC31及びZLC31はそれぞれ独立して前記一般式(LC3)におけるRLC31、RLC32、ALC31及びZLC31と同じ意味を表し、XLC3b1〜XLC3b6は水素原子又はフッ素原子を表すが、XLC3b1及びXLC3b2又はXLC3b3及びXLC3b4のうちの少なくとも一方の組み合わせは共にフッ素原子を表し、mLC3a1は1、2又は3であり、mLC3b1は0又は1を表し、ALC31及びZLC31が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
LC31及びRLC32はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表すことが好ましい。
LC31は、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すことが好ましく、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基を表すことがより好ましい。
LC31は単結合、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CHCH−を表すことが好ましく、単結合を表すことがより好ましい。
一般式(LC3−a)としては、下記一般式(LC3−a1)〜一般式(LC3−a4)を表すことが好ましい。
Figure 2015090427
(式中、RLC31及びRLC32はそれぞれ独立して前記一般式(LC3)におけるRLC31及びRLC32と同じ意味を表す。)
LC31及びRLC32はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、RLC31が炭素原子数1〜7のアルキル基を表し、RLC32が炭素原子数1〜7のアルコキシ基を表すことがより好ましい。
一般式(LC3−b)としては、下記一般式(LC3−b1)〜一般式(LC3−b12)を表すことが好ましく、一般式(LC3−b1)、一般式(LC3−b6)、一般式(LC3−b8)、一般式(LC3−b11)を表すことがより好ましく、一般式(LC3−b1)及び一般式(LC3−b6)を表すことがさらに好ましく、一般式(LC3−b1)を表すことが最も好ましい。
Figure 2015090427
(式中、RLC31及びRLC32はそれぞれ独立して前記一般式(LC3)におけるRLC31及びRLC32と同じ意味を表す。)
LC31及びRLC32はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、RLC31が炭素原子数2又は3のアルキル基を表し、RLC32が炭素原子数2のアルキル基を表すことがより好ましい。
一般式(LC4)は下記一般式(LC4−a)から一般式(LC4−c)、一般式(LC5)は下記一般式(LC5−a)から一般式(LC5−c)
Figure 2015090427
(式中、RLC41、RLC42及びXLC41はそれぞれ独立して前記一般式(LC4)におけるRLC41、RLC42及びXLC41と同じ意味を表し、RLC51及びRLC52はそれぞれ独立して前記一般式(LC5)におけるRLC51及びRLC52と同じ意味を表し、ZLC4a1、ZLC4b1、ZLC4c1、ZLC5a1、ZLC5b1及びZLC5c1はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのがより好ましい。
LC41、RLC42、RLC51及びRLC52はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表すことが好ましい。
LC4a1〜ZLC5c1はそれぞれ独立して単結合、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CHCH−を表すことが好ましく、単結合を表すことがより好ましい。
前記一般式(LC)で表される化合物は、下記一般式(LC6)
Figure 2015090427
(式中、RLC61及びRLC62はそれぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン置換されていてもよく、ALC61〜ALC63はそれぞれ独立して下記
Figure 2015090427
(該構造中シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上のCHCH基は−CH=CH−、−CFO−、−OCF−で置換されていてもよく、1,4−フェニレン基中1つ又は2つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよい。)のいずれかを表し、ZLC61及びZLC62はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−を表し、miii1は0〜3を表す。ただし、一般式(LC1)〜一般式(LC6)で表される化合物を除く。)で表される化合物を1種又は2種以上含有する液晶組成物が好ましい。
LC61及びRLC62は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基が好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すことが最も好ましく、
Figure 2015090427
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
LC61〜ALC63はそれぞれ独立して下記の構造が好ましく、
Figure 2015090427
LC61及びZLC62はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−が好ましい。
一般式(LC6)は、以下の一般式(LC6−a)から一般式(LC6−m)
Figure 2015090427
(式中、RLC61及びRLC62はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのがより好ましい。
(重合性化合物)
本発明のネマチック液晶組成物は、重合性化合物を添加して、高分子安定化液晶組成物とすることもできる。高分子安定化液晶組成物は、ネマチック液晶組成物にポリマー成分の前駆体であるモノマーとして添加することが好ましい。モノマーとしては、下記一般式(II−a)
Figure 2015090427
(式(II−a)中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、
及びCはそれぞれ独立して1,4−フェニレン基、1,4−シクロへキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、シクロヘキセン−1,4−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基又はインダン−2,5−ジイル基(これらの基のうち1,4−フェニレン基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基及びインダン−2,5−ジイル基は、非置換であるか又は置換基としてフッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基若しくはトリフルオロメトキシ基を1個若しくは2個以上有することができる。)を表し、
及びZはそれぞれ独立して単結合又は炭素原子数1から15のアルキレン基(該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良く、該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていても良い。)を表し、
は、単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−CHCHO−、−OCHCH−、−CHCHCHO−、−OCHCHCH−、−CHCHOCO−、−COOCHCH−、−CHCHCOO−、−OCOCHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CFO−、−OCF−、−COO−又は−OCO−を表し、
は、0、1又は2を表す。ただし、nが2を表す場合、複数あるC及びZは同じであっても異なっていても良い。)、
一般式(II−b)
Figure 2015090427
(式(II−b)中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、
は1,4−フェニレン基、1,4−シクロへキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、シクロヘキセン−1,4−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基又はインダン−2,5−ジイル基(これらの基のうち1,4−フェニレン基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基及びインダン−2,5−ジイル基は、非置換であるか又は置換基としてフッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基若しくはトリフルオロメトキシ基を1個若しくは2個以上有することができる。)を表し、
はベンゼン−1,2,4−トリイル基、ベンゼン−1,3,4−トリイル基、ベンゼン−1,3,5−トリイル基、シクロヘキサン−1,2,4−トリイル基、シクロヘキサン−1,3,4−トリイル基又はシクロヘキサン−1,3,5−トリイル基を表し、
及びZはそれぞれ独立して単結合又は炭素原子数1から15のアルキレン基(該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良く、該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていても良い。)を表し、
は、単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−CHCHO−、−OCHCH−、−CHCHCHO−、−OCHCHCH−、−CHCHOCO−、−COOCHCH−、−CHCHCOO−、−OCOCHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CFO−、−OCF−、−COO−又は−OCO−を表し、
は、0、1又は2を表す。ただし、nが2を表す場合、複数あるC及びZは同じであっても異なっていても良い。)、
及び一般式(II−c)
Figure 2015090427
(式(II−c)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、6員環T、T及びTはそれぞれ独立的に、
Figure 2015090427
のいずれか(ただしmは1から4の整数を表す。)を表し、
は0又は1の整数を表し、
、Y及びYはそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH−、−CHCHCHO−、−OCHCHCH−、−CH=CHCHCH−又は−CHCHCH=CH−を表し、
は単結合、−O−、−COO−、又は−OCO−を表し、
は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1から20のアルキル基、炭素原子数1から20のアルケニル基、炭素原子数1から20のアルコキシ基、又は炭素原子数1から20の炭化水素基を表す。)からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合性化合物(II)である。
また、本発明に係る液晶組成物中には、光照射による液晶層への予期しない悪影響を防ぐ目的で、HALS等の光安定剤、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系の光吸収剤、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤など種々の添加剤を用いてもよい。
「工程(2)」
本発明に係る工程(2)は、150nm〜800nmの偏光を前記第1の光応答性高分子を含む被膜および第2の光応答性高分子を含む被膜に照射する。当該150nm〜800nmの偏光を被膜に照射するタイミングは、前記第1基板または前記第2基板の表面に被膜を形成した直後または前記被膜間に液晶組成物を充填した後の少なくとも一方で偏光を前記被膜に照射することが好ましい。
液晶充填状態で被膜へ光を照射する場合は、液晶セルの両面を照射することが好ましく、その場合、液晶層透過中に散乱された紫外光によって液晶層下面にある配向膜がランダム方向に光重合することを防ぐために、先に照射する面に対しては微弱な紫外光を直線偏光状態で照射することがより好ましく、具体的に照射量は5〜200mJ/cmの範囲であることがより好ましい。
前記第1基板または前記第2基板の表面に被膜を形成した直後に前記被膜へ光を照射して、当該被膜に配向能を付与する。
また、当該工程(2)において、被膜(または光応答性高分子)に対して光を照射する段階は、当該照射光の波長は感光性基の吸収スペクトルに応じて適宜選択することができるが、200〜450nmの範囲が好ましく、桂皮酸またはカルコン構造を有する感光性基を用いた場合は250〜400nmの範囲が特に好ましい。
本発明に係る工程(2)における偏光の照射は、被膜に液晶配向能を付与するものであり、例えば150nm〜800nmの波長の光を含む紫外線、可視光線等が挙げられる。これらのうち200nm〜350nmの波長の光を含む紫外線が好ましい。当該偏光は直線偏光であっても部分偏光であってもよい。
本発明に係る工程(3)における、照射する光は直線偏光が好ましく、直線偏光を用いる場合は意図する配向容易軸と並行に照射することが好ましい。また、直線偏光又は部分偏光している場合には、照射は基板面に垂直の方向から行っても、斜め方向から行ってもよく、また、これらを組み合わせて行ってもよい。
本発明において使用する光源としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマーレーザー水銀−キセノンランプ(Hg−Xeランプ)などが挙げられる。上記の直線偏光又は部分偏光した紫外線は、上記光源を例えばフィルター、回折格子等と併用する手段等により得られることが好ましい。
本発明において、液晶組成物を充填した状態で照射する光の照射量は、液晶セルの厚みや光配向材料の感度により適宜調節できるが、50〜20,000mJ/cmの範囲が好ましく、100〜10,000mJ/cmの範囲がより好ましく、500〜5,000mJ/cm2の範囲が特に好ましい。また、第1基板または第2基板の表面に被膜を形成した直後に偏光を照射する場合は、50〜20,000mJ/cmの範囲が好ましく、100〜10,000mJ/cmの範囲がより好ましく、500〜5,000mJ/cm2の範囲が特に好ましい。
「工程(3)」
本発明に係る製造方法において、第1の光応答性高分子を含む被膜および第2の光応答性高分子を含む被膜に光を照射する工程(3)を更に有することが好ましい。
すなわち、本発明に係る製造方法では、工程(2)とは別に第1の光応答性高分子を含む被膜および第2の光応答性高分子を含む被膜に対して光を照射することが好ましい。
当該照射する光の偏光状態は、偏光、無偏光のいずれであってもよいが、偏光であることが好ましく、直線偏光がより好ましい。またこの場合、直線偏光を用いる場合は意図する配向容易軸と並行に照射することが好ましい。また、直線偏光又は部分偏光している場合には、照射は基板面に垂直の方向から行っても、プレチルト角を付与するために斜め方向から行ってもよく、また、これらを組み合わせて行ってもよい。非偏光の光を照射する場合には、照射の方向は斜め方向である必要がある。なお、本明細書における「プレチルト角」とは、基板面と平行な方向からの液晶分子の傾きの角度をいう。
また、工程(3)において、照射光の波長は感光性基の吸収スペクトルに応じて適宜選択することができるが、200〜450nmの範囲が好ましく、桂皮酸またはカルコン構造を有する感光性基を用いた場合は250〜400nmの範囲が特に好ましい。
本発明に係る工程(3)における光の照射は、例えば150nm〜800nmの波長の光を含む紫外線、可視光線等が挙げられる。これらのうち200nm〜350nmの波長の光を含む紫外線がより好ましい。
さらに、本発明に係る工程(3)は、150nm〜800nmの光を前記第1の光応答性高分子を含む被膜および第2の光応答性高分子を含む被膜に照射するタイミングは、前記第1基板または前記第2基板の表面に被膜を形成した直後または前記被膜間に液晶組成物を充填した後の少なくとも一方で偏光を前記被膜に照射することが好ましい。
液晶充填状態で液晶配向膜層へ光を照射する場合は、液晶セルの両面を照射することが好ましく、その場合、液晶層透過中に散乱された紫外光によって液晶層下面にある配向膜がランダム方向に光重合することを防ぐために、先に照射する面に対しては微弱な紫外光を直線偏光状態で照射することがより好ましく、具体的に照射量は5〜200mJ/cmの範囲であることがより好ましい。一方、前記第1基板または前記第2基板の表面に被膜を形成した直後に被膜へ光を照射して当該被膜に配向能を付与する。
尚、工程(3)における光の照射量は、上記工程(2)と同様であるのでここでは削除する。
本発明に係る製造方法は、横電界方式の液晶表示素子に用いられる液晶分子を配向する配向膜の製造方法であることが好ましい。
これにより、横電界方式の液晶表示素子に特有の問題点を解決することができる。
以下に、本発明に係る製造方法の好ましい実施態様を示す。
本発明に製造方法の好ましい実施形態は、本発明に係る製造方法において、特に好ましい実施形態は、第1のまたは第2の光応答性高分子含有溶液により第1基板および第2基板それぞれの表面上に被膜を形成した後、当該被膜に150〜800nmの光を照射する前処理工程と、前記被膜が表面に形成された第1基板および第2基板と、を互いの被膜同士向かい合うよう離間して配置し、かつ当該離間した被膜間に液晶組成物を充填した状態で150〜800nmの光を前記被膜に照射する工程と、を含み、前記被膜に照射する光のいずれかが偏光である。
本発明に係る製造方法において、特に好ましい実施形態は、光応答性高分子含有溶液により第1基板および第2基板それぞれの表面上に被膜を形成した後、当該被膜に150〜800nmの偏光を照射する前処理工程(I)と、
前記被膜が表面に形成された第1基板および第2基板と、を互いの被膜同士向かい合うよう離間して配置し、かつ当該離間した被膜間に液晶組成物を充填した状態で150〜800nmの偏光を前記被膜に照射する工程(II)と、を含むものである。
換言すると、本発明に係る(未反応の)光応答性高分子を含む被膜を一対の基板上に形成する工程の直後に、当該被膜に150〜800nmの偏光を照射する前処理工程をさらに行うことが好ましい。
このように、液晶セル化する前の基板状態での直線偏光を照射する工程と液晶充填状態で被膜へ光を照射する工程を併用する場合には、感光性ポリマー薄膜(または被膜)を形成した一対の基材の片方のみに直線偏光を照射し、照射されなかった側の基材を上面側として液晶セルを構成したのち、液晶充填状態で被膜へ光を照射する工程による紫外光が上面側基材に直接当たるように照射することもできる。これは、カラーフィルター(CF)により紫外光の入射量と波長が制限される液晶パネルにおいて有効である。また、基板状態での直線偏光を照射する工程、液晶充填状態で被膜へ光を照射する工程ともに、感光性基の光反応率を高める目的で基板または液晶セルを加温した状態で紫外光を照射してもよく、基板を加温する場合は、該基板上に形成されたポリマー材料のガラス転移温度以上とすることが好ましく、液晶セルを加温する場合には、液晶組成物の透明点より低い温度で行うことがより好ましい。
<感光性メタクリレート重合体(M−1)〜(M−4)の合成>
「感光性モノマーの合成」
(感光性メタクリレートモノマー(a−1)の合成)
Figure 2015090427
10−ブロモ−1−デカノ−ル34g、メタクリル酸22g、4−メトキシフェノ−ル70mg、p−トルエンスルホン酸一水和物2g、シクロヘキサン200mL、ジイソプロピルエーテル40mLを加え、オイル浴で加熱して8時間還流させる。30℃に放冷後、反応液に水100ml加え抽出、有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液100mLで2回、飽和食塩水100mlで1回洗浄する。減圧濃縮し、無色液体の式(a−1−1)で表される化合物を50g得る。反応容器にp−ヒドロキシベンズアルデヒド23g、炭酸カリウム46g、a−1−146gを加え、DMF300mlに懸濁させ90℃で6時間攪拌し、反応を終了させた。反応液を10℃に冷却し、水650mlを滴下、固体を析出させた。固体を濾取し、褐色粒状固体の式(a−1−2)で表される化合物72gを得た。反応容器に式(a−1−2)で表される化合物66gをメタノール980mlに溶解させ、リン酸二水素ナトリウム水溶液(リン酸二水素ナトリウム二水和物19gを水250mlに溶解したもの)、30%過酸化水素水(32ml)を順次加えた。亜塩素酸ナトリウム水溶液(純度80%の亜塩素酸ナトリウム27gを水220mlに溶解したもの)を滴下して加えた。滴下終了後、反応液を45℃で3時間撹拌した。反応終了後、撹拌を止め、20℃までゆっくり冷却し、水を滴下して生成物を析出させた。固体を濾取し、水で振りかけ洗いをした。無色麟片状結晶の粗生成物を減圧下で8時間乾燥して、無色結晶物である式(a−1−3)を47g得た。
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩54g、4−ジメチルアミノピリジン0.3gを2−シアノエタノール406mlに溶解する。フェルラ酸50gを2−シアノエタノール203mLに溶解した溶液を10℃、1時間で滴下した後、室温で4時間攪拌した。反応液を15℃の冷水にあけ、トルエン/THF混合溶媒で抽出した。飽和食塩水200mL洗浄した。濃縮後、得られた黄色固体を再結晶することにより、白色固体の式(a−1−4)で表される化合物37gを得た。
式(a−1−3)で表される化合物39g、式(a−1−4)で表される化合物を28g、4−ジメチルアミノピリジン0.3gをジクロロメタン140mlに懸濁する。内温を10℃以下に保ちながら、ジイソプロピルカルボジイミド172gを滴下し、15〜25℃で3時間攪拌する。原料の消失を確認後、水を加え、反応を失活させた。析出物を濾別し、ジクロロメタン溶液からカラムクロマトグラフィ−にて精製する。ジクロロメタンを減圧留去した後、メタノ−ルを加え、0℃に冷却し、結晶を析出させた。結晶を濾別し、減圧乾燥を行い式(a−1)で表される感光性メタクリレートモノマー 51gを得た。
(感光性メタクリレートモノマー 式(a−2)の合成)
10−ブロモ−1−デカノ−ルの代わりに8−クロロ−1−オクタノ−ルを原料に用い、上記と同様の反応を行うことにより、式(a−2)で表される感光性メタクリレートモノマーを得るができた。
Figure 2015090427
(感光性メタクリレートモノマー (a−3)の合成)
10−ブロモ−1−デカノ−ルの代わりに6−クロロ−1−ヘキサノ−ル、2−シアノエタノールの代わりに2−メトキシエタノールを原料に用い、同様の反応を行うことにより、式(a−3)で表される感光性メタクリレートモノマーを得るができた。
Figure 2015090427
「感光性ポリメタクリレート (M−1)の合成」
Figure 2015090427
上記で得られた式(a−1)で表される化合物16.5g、AIBN92mgをTHF82.5mLに溶解し、窒素雰囲気下55℃で6時間反応させた。得られた溶液にヘキサンを加えることにより目的物を沈殿させ、この沈殿物を減圧乾燥することにより目的の式(M−1)で表される重合体(ホモポリマー)11gを得た。この重合体の重量平均分子量は214,000であった。
以下同様にして、上記感光性メタクリレートモノマー(式(a−2)、式(a−3)をそれぞれ重合させて感光性ポリメタクリレート (M−2、M−3)を得た。
(感光性ポリメタクリレート (M−2)の合成)
式(a−1)で表されるモノマーの代わりに前記式(a−2)を原料に用い、同様の反応を行うことにより、M−2を得るができた。この重合体の重量平均分子量は198,000であった。
Figure 2015090427
(感光性ポリメタクリレート (M−3)の合成)
式(a−1)で表されるモノマーの代わりに前記式(a−3)を原料に用い、同様の反応を行うことにより、感光性ポリメタクリレート 式(M−3)を得るができた。この重合体の重量平均分子量は247,000であった。
Figure 2015090427
(感光性メタクリレートモノマー (a−4)の合成)
6−クロロ−1−ヘキサノ−ル178 g、メタクリル酸113 g、4− メトキシフェノ−ル454 mg、p−トルエンスルホン酸一水和物12 g、シクロヘキサン 1000 mL、ジイソプロピルエーテル200 mLを加え、オイル浴で加熱して8時間還流させる。30℃に放冷後、反応液に水100 ml加え抽出、有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液400 mLで2回、飽和食塩水 400mlで1回洗浄する。減圧濃縮し、無色液体a−4−1を235 g得る。反応容器に4−ヒドロキシカルコン70 g、炭酸カリウム46 g、a−4−1 46 gを加え、DMF 300mlに懸濁させ90℃で6時間攪拌し、反応を終了させる。反応液を10℃に冷却し、水650 mlを滴下し、固体を析出させる。固体を濾取し、褐色粒状固体である感光性メタクリレートモノマー式(a−4) 89 gを得た。
Figure 2015090427
(感光性ポリメタクリレート (M−4)の合成)
Figure 2015090427
得られたa−4 25 g、AIBN 209 mgをTHF 125 mLに溶解し、窒素雰囲気下55℃で6時間反応させる。得られた溶液にヘキサンを加えることにより目的物を沈殿させ、この沈殿物を減圧乾燥することにより目的の重合体16 gを得た。この重合体の重量平均分子量は353,000であった。
(感光性ポリオルガノシロキサン重合体(S−1)の合成)
式(b−1)で示される化合物の合成
1,7−ヘプタンジカルボン酸 100g、2−メチル−2−プロパノール39 g、4−ジメチルアミノピリジンを1.3 gをジクロロメタンの2000mlに懸濁する。内温を10℃以下に保ちながら、ジイソプロピルカルボジイミドを80 gを滴下し、15〜25℃で3時間攪拌する。原料の消失を確認後、水を加え、反応を失活する。析出物を濾別し、ジクロロメタン溶液からカラムクロマトグラフィ−にて精製する。減圧乾燥を行いb−2 65gを得た。得られたb−2 64gをTHFに325 mLに溶解させ−20℃に冷却後、ボランTHF錯体の1.0M THF溶液270 mLを滴下して加える。反応溶液を室温まで上げ、さらに5時間撹拌する。反応混合物に炭酸カリウム溶液200 mLを加え、酢酸エチルで抽出、有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液400 mLで2回、飽和食塩水 400mlで1回洗浄する。減圧濃縮し、黄色液体b−3を51 g得た。
4−アセトキシ安息香酸 30 g、式(a−1−4)に示す化合物を42 g、4−ジメチルアミノピリジン0.5 gをジクロロメタンの210mlに懸濁する。内温を10℃以下に保ちながら、ジイソプロピルカルボジイミドを255 gを滴下し、15〜25℃で3時間攪拌する。原料の消失を確認後、水を加え、反応を失活する。析出物を濾別し、ジクロロメタンを減圧留去した後、THF 300 mLを加え、0℃に冷却する。THF溶液を撹拌している中に、ブチルアミン15 gを加える。アセチル基の脱保護を確認後、5%塩酸を加え、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水200 mLで洗浄する。減圧留去した後、メタノ−ルを加え、0℃に冷却し結晶を析出させる。結晶を濾別し、減圧乾燥を行いのb−4 43gを得た。
b−3 30 g、b−4 43g、トリフェニルホスフィン 34gをTHF中氷冷下撹拌している中に、内温を10℃以下に保ちながら、アゾジカルボン酸ジイソプロピル32gを滴下する。橙色になった反応溶液を室温で10時間撹拌後、反応溶液を濃縮、ジクロロメタンに溶解させた後、カラムクロマトグラフィ−にて精製する。ジクロロメタンを減圧留去した後、メタノ−ルを加え再結晶を行う。結晶を濾別し、減圧乾燥を行いのb−5 33gを得た。得られた式(b−5)で示す化合物 30gをトリフルオロ酢酸 300mLに溶解させ、室温で5時間撹拌する。反応終了を確認後、反応溶液を濃縮、得られた黄色固体をTHF/ヘキサン混合溶媒で再結晶することにより、白色固体である式(b−1)で示す化合物 26gを得た。
Figure 2015090427
次いで、反応容器に、上記式(s−1)で表される化合物(WSA−950)を60 g、MIBK 60 g、水5.0 g、水酸化テトラメチルアンモニウム25wt%水溶液3.0 gを加えて、55℃で3時間反応させた。終了後、MIBK 180 gを加えて、40 mlの水で分液洗浄を行ったのち、溶媒を減圧留去して、ポリオルガノシロキサン(Sa−1)を34 g得た。この重合体の重量平均分子量は6,400であった。次に、200 mlのフラスコに、ポリオルガノシロキサン(Sa−1)21.3g、MIBK50 g、上記式(b−1)で表されるカルボン酸14.0g、U−CAT18X(サンアプロ(株)製の特殊アミン)0.20 gを加え、90℃で10時間攪拌して反応を行った。終了後、この混合物をメタノール中に投入して沈殿物を回収したのち、MEK中に溶解して溶液とし、水洗浄を行ってから溶媒を減圧留去することにより、感光性ポリオルガノシロキサン(S−1)18.1gを得た。この重合体の重量平均分子量は10,300であった。
Figure 2015090427
Figure 2015090427
(実施例1)メタクリレート主鎖+シンナメート+P型液晶
感光性メタクリレート重合体(M−1)を、N−メチル−2−ピロリドンと2−ブトキシエタノールの1:1混合溶媒中に5.0wt%溶解させ、室温で10分間攪拌した。次に、その溶液を、基材であるガラスプレート(対となる二枚のうち一枚は電極間隔5umの櫛型パターンITO電極付き)上にスピンコーターを用いて塗布した後、80℃で3分間、さらに180℃で5分間乾燥して膜厚約0.1umの塗膜を形成した。ガラス基材上には重合体が均一に塗布され、平滑な膜が形成されていた。次に超高圧水銀ランプに波長カットフィルター、バンドパスフィルター及び偏光フィルターを介して、可視紫外光(313nm、照射強度20mW/cm)の直線偏光かつ平行光を、直線偏光の振動方向が櫛型パターン電極と平行になるように(ガラス基板長辺方向と平行になるように)、基材面に対して法線方向から照射した。照射量は100mJ/cmであった。
上記の方法で作製したコーティングガラス基材を用いて、液晶セルを製作した。二枚の基材の間隔を約4umにセットし、熱硬化型シール剤を用いてアンチパラレル方向に張り合わせた。次に、表3に示した誘電率異方性が正であるネマチック液晶混合物(LC−1)をセルに充填した後、ホットプレート上で透明点(86℃)より5℃程度高い温度まで加熱した後、ゆっくり室温まで冷却した。この液晶セルは、バックライトと二枚の偏光板を用いて観察したところ、セル長辺方向に対して概ね一様に平行配向していたが、ITOのエッジ部やシール剤近傍にわずかながら異常ドメインと配向ムラが見られた。
この液晶セルに、超高圧水銀ランプに各フィルターを介して、可視紫外光(313nm、照射強度20mW/cm)の直線偏光を偏光の振動方向が基板長辺方向と平行になるようにセル面に対して法線方向から照射した。照射量は500mJ/cmであった。
上記で得られたセルを二枚の直交する偏光板にはさみ初期状態が暗となる設定下で0〜6Vの交流電圧で駆動したところ、暗から明へ切り替わる良好な光学特性が得られ、閾値電圧は3.00Vであった。またITOのエッジ部やシール剤近傍の異常ドメインと配向ムラは見られなかった。次に、周波数が64Hzの交流電圧10Vを60℃において72時間印加し続けたのち、再び0〜6Vの交流電圧で駆動したところ、暗から明へ切り替わる良好な光学特性が得られ、閾値電圧は2.95Vであった。即ちストレス印加前後の閾値電圧シフト量ΔVは−0.05Vであった。
次に、液晶組成物(LC−1)の当該セル充填状態におけるツイスト角(φ1)を光学的に測定し、次いで充填された液晶を窒素ガスブロー及びヘキサンを用いて除去し、LC−1にキラル剤(メルク社製、S−811)をドープして螺旋ピッチを20umに調整した液晶組成物(LC−1E)を新たに充填して、ツイスト角(φ2)を光学的に測定した。得られたツイスト角の差(Δφ=φ2−φ1)から、トルクバランス法を用いて計算した方位角アンカリングエネルギーは640uJ/mであった。
また、電圧保持率を測定する目的で、それぞれ10×10mmのITO電極を備えたガラス基板を用いて、上記と同じ方法で基板間隔が約10umの液晶セルを作製した。当該セルに液晶組成物(LC−1)を充填し25℃でパルス幅64us の5Vの交流電圧を60Hz周期で印加した際のVHR(電圧保持率)は99.0%であり、可視紫外光(313nm、照射強度20mW/cm)の直線偏光を偏光の振動方向が基板長辺方向と平行になるようにセル面に対して法線方向から照射した後のVHRは98.9%であった。即ちΔVHRは−0.1%であった。
(実施例2) メタクリレート主鎖+シンナメート+P型液晶
液晶注入後の紫外光照射量を1,000mJ/cmとした以外は、実施例1と全く同様に液晶セルを作製した。この液晶セルの閾値電圧は3.02V、ΔVは−0.02Vであった。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは872uJ/mであった。また、実施例1と同様に準備した電圧保持率用セルのVHR(電圧保持率)は99.3%であり、ΔVHRは−0.1%であった。
(実施例3) メタクリレート主鎖+シンナメート+P型液晶
液晶注入後の紫外光照射時の照射量を5,000mJ/cmとした以外は、実施例1と全く同様に液晶セルを作製した。この液晶セルの閾値電圧は3.01V、ΔVは0.00Vであった。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは1,076uJ/mであった。また、実施例1と同様に準備した電圧保持率用セルのVHR(電圧保持率)は98.7%であり、ΔVHRは−0.1%であった。
(実施例4) メタクリレート主鎖+シンナメート+P型液晶 365nm
液晶注入後に照射する紫外光を波長365nm、照射量を500mJ/cmの直線偏光とした以外は、実施例1と全く同様に液晶セルを作製した。この液晶セルの閾値電圧は3.05V、ΔVは−0.06Vであった。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは576uJ/mであった。また、実施例1と同様に準備した電圧保持率用セルのVHR(電圧保持率)は99.0%であり、ΔVHRは−0.1%であった。
(実施例5) メタクリレート主鎖+シンナメート+P型液晶 365nm
液晶注入後に照射する紫外光を波長365nm、照射量を1,000mJ/cmの直線偏光とした以外は、実施例1と全く同様に液晶セルを作製した。この液晶セルの閾値電圧は2.98V、ΔVは−0.04Vであった。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは819uJ/mであった。また、実施例1と同様に準備した電圧保持率用セルのVHR(電圧保持率)は99.2%であり、ΔVHRは−0.1%であった。
(実施例6) メタクリレート主鎖+シンナメート+P型液晶 365nm
液晶注入後に照射する紫外光を波長365nm、照射量を5,000mJ/cmの直線偏光とした以外は、実施例1と全く同様に液晶セルを作製した。この液晶セルの閾値電圧は3.10V、ΔVは−0.01であった。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは1,002uJ/mであった。また、実施例1と同様に準備した電圧保持率用セルのVHR(電圧保持率)は98.8%であり、ΔVHRは−0.2%であった。
(実施例7) メタクリレート主鎖+シンナメート+P型液晶
感光性メタクリレート重合体(M−1)の代わりに、感光性メタクリレート重合体(M−2)を用いたほかは、実施例1と全く同様に液晶セルを作製した。この液晶セルの閾値電圧は3.20V、ΔVは−0.06Vであった。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは583uJ/mであった。また、感光性メタクリレート重合体(M−2)を用いて実施例1と同様に作製した電圧保持率用セルのVHR(電圧保持率)は98.8%であり、ΔVHRは−0.1%であった。
(実施例8) メタクリレート主鎖+シンナメート+P型液晶
感光性メタクリレート重合体(M−1)の代わりに、感光性メタクリレート重合体(M−3)を用いたほかは、実施例1と全く同様に液晶セルを作製した。この液晶セルの閾値電圧は3.14V、ΔVは−0.04Vであった。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは625uJ/mであった。また、感光性メタクリレート重合体(M−3)を用いて実施例1と同様に作製した電圧保持率用セルのVHR(電圧保持率)は99.2%であり、ΔVHRは−0.2%であった。
(実施例9) メタクリレート主鎖+カルコン+P型液晶
感光性メタクリレート重合体(M−1)の代わりに、感光性メタクリレート重合体(M−4)を用いたほかは、実施例1と全く同様に液晶セルを作製した。この液晶セルの閾値電圧は3.22V、ΔVは−0.02Vであった。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは710uJ/mであった。また、感光性メタクリレート重合体(M−4)を用いて実施例1と同様に作製した電圧保持率用セルのVHR(電圧保持率)は98.9%であり、ΔVHRは−0.2%であった。
(実施例10) メタクリレート主鎖+シンナメート+N型液晶
実施例1と同様の条件で感光性メタクリレート重合体(M−1)を用いてガラス基板上に成膜、乾燥した。次に超高圧水銀ランプに波長カットフィルター、バンドパスフィルター及び偏光フィルターを介して、可視紫外光(313nm、照射強度20mW/cm)の直線偏光かつ平行光を、直線偏光の振動方向が櫛型パターン電極と垂直になるように(即ちガラス基板長辺方向と垂直になるように)、基材面に対して法線方向から照射した。照射量は100mJ/cmであった。
上記の方法で作製したコーティングガラス基材を用いて、液晶セルを製作した。二枚の基材の間隔を約4umにセットし、熱硬化型シール剤を用いてアンチパラレル方向に張り合わせた。次に、表4に示した誘電率異方性が負であるネマチック液晶混合物(LC−2)をセルに充填した後、ホットプレート上で透明点(85℃)より5℃程度高い温度まで加熱した後、ゆっくり室温まで冷却した。この液晶セルは、バックライトと二枚の偏光板を用いて観察したところ、セル長辺方向と直角な方向に対して概ね一様に平行配向していたが、ITOのエッジ部やシール剤近傍にわずかながら異常ドメインと配向ムラが見られた。
この液晶セルに、超高圧水銀ランプに各フィルターを介して、可視紫外光(313nm、照射強度20mW/cm)の直線偏光を偏光の振動方向が櫛型パターン電極と垂直(即ち基板長辺方向と垂直)になるようにセル面に対して法線方向から照射した。照射量は500mJ/cmであった。
上記で得られたセルを二枚の直交する偏光板にはさみ初期状態が暗となる設定下で0〜10Vの交流電圧で駆動したところ、暗から明へ切り替わる良好な光学特性が得られ、閾値電圧は5.90Vであった。またITOのエッジ部やシール剤近傍の異常ドメインと配向ムラは見られなかった。次に、周波数が64Hzの交流電圧15Vを60℃において72時間印加し続けたのち、再び0〜10Vの交流電圧で駆動したところ、暗から明へ切り替わる良好な光学特性が得られ、閾値電圧は5.81Vであった。即ちストレス印加前後の閾値電圧シフト量ΔVは−0.09Vであった。
次に、液晶組成物(LC−2)の当該セル充填状態におけるツイスト角(φ1)を光学的に測定し、次いで充填された液晶を窒素ガスブロー及びヘキサンを用いて除去し、LC−2にキラル剤(メルク社製、S−811)をドープして螺旋ピッチを20umに調整した液晶組成物(LC−2E)を新たに充填して、ツイスト角(φ2)を光学的に測定した。得られたツイスト角の差(Δφ=φ2−φ1)から、トルクバランス法を用いて計算した方位角アンカリングエネルギーは470uJ/mであった。
(実施例11) メタクリレート主鎖+シンナメート+N型液晶
液晶注入後の紫外光照射時の照射量を1,000mJ/cmとした以外は、実施例10と全く同様に液晶セルを作製した。この液晶セルの閾値電圧は5.80V、ΔVは−0.02Vであった。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは865uJ/mであった。
(実施例12) メタクリレート主鎖+シンナメート+N型液晶
液晶注入後の紫外光照射時の照射量を5,000mJ/cmとした以外は、実施例10と全く同様に液晶セルを作製した。この液晶セルの閾値電圧は5.99V、ΔVは+0.01Vであった。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは1,240uJ/mであった。
(実施例13) メタクリレート主鎖+シンナメート+P型液晶+(基板照射なし)
感光性メタクリレート重合体(M−1)を、N−メチル−2−ピロリドンと2−ブトキシエタノールの1:1混合溶媒中に5.0wt%溶解させ、室温で10分間攪拌した。次に、その溶液を、基材であるガラスプレート上(対となる二枚のうち一枚は電極間隔5umの櫛型パターンITO電極付き)にスピンコーターを用いて塗布した後、80℃で3分間、さらに180℃で5分間乾燥して膜厚約0.1umの塗膜を形成した。ガラス基材上には重合体が均一に塗布され、平滑な膜が形成されていた。この、液晶配向能が付与されていない状態のコーティングガラス基材を用いて、液晶セルを製作した。二枚の基材の間隔を約4umにセットし、熱硬化型シール剤を用いてアンチパラレル方向に張り合わせた。次に、誘電率異方性が正であるネマチック液晶混合物(LC−1)をセルに充填した。この液晶セルは、バックライトと二枚の偏光板を用いて観察したところ、液晶配向性は観察されず光を散乱した。
この液晶セルに、超高圧水銀ランプに各フィルターを介して、可視紫外光(313nm、照射強度5mW/cm)の直線偏光を偏光の振動方向が基板長辺方向と平行になるようにセル面に対して法線方向から照射した。照射量は30mJ/cmであった。続いて第一の紫外光照射面の反対側の面に、可視紫外光(313nm、照射強度20mW/cm)の直線偏光を偏光の振動方向が基板長辺方向と平行になるようにセル面に対して法線方向から再び照射した。照射量は500mJ/cmであった。この液晶セルをバックライトと二枚の偏光板を用いて観察したところ、セル長辺方向と平行な方向に対して概ね一様に平行配向していた。
上記で得られたセルを二枚の直交する偏光板に挟み、初期状態が暗となる設定下で0〜6Vの交流電圧で駆動したところ、暗から明へ切り替わる良好な光学特性が得られ、閾値電圧は2.90Vであった。またITOのエッジ部やシール剤近傍の異常ドメインと配向ムラは見られなかった。次に、周波数が64Hzの交流電圧10Vを60℃において72時間印加し続けたのち、再び0〜6Vの交流電圧で駆動したところ、暗から明へ切り替わる良好な光学特性が得られ、閾値電圧は2.78Vであった。即ちストレス印加前後の閾値電圧シフト量ΔVは−0.12Vであった。
上記で得られたセルについて、液晶組成物(LC−1)の当該セル充填状態におけるツイスト角(φ1)を光学的に測定し、次いで充填された液晶を窒素ガスブロー及びヘキサンを用いて除去し、LC−1にキラル剤(メルク社製、S−811)をドープして螺旋ピッチを20umに調整した液晶組成物(LC−1E)を新たに充填して、ツイスト角(φ2)を光学的に測定した。得られたツイスト角の差(Δφ)から、トルクバランス法を用いて計算した方位角アンカリングエネルギーは331uJ/mであった。
(実施例14) メタクリレート主鎖+シンナメート+P型液晶+(基板照射なし)
液晶注入後にセル裏面へ照射する紫外光の照射量を1,000mJ/cmとした以外は、実施例13と全く同様に液晶セルを作製した。この液晶セルをバックライトと二枚の偏光板を用いて観察したところ、セル長辺方向と平行な方向に対して概ね一様に平行配向しており、閾値電圧は3.10V、ΔVは−0.06Vであった。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは650uJ/m2であった。
(実施例15) メタクリレート主鎖+シンナメート+P型液晶+(基板照射なし)
液晶注入後にセル裏面へ照射する紫外光の照射量を5,000mJ/cmとした以外は、実施例13と全く同様に液晶セルを作製した。この液晶セルをバックライトと二枚の偏光板を用いて観察したところ、セル長辺方向と平行な方向に対して概ね一様に平行配向しており、閾値電圧は3.20V、ΔVは−0.01Vであった。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは846uJ/m2であった。UV照射後の液晶セル外観色に目立った変化は見られなかった。
(実施例16) メタクリレート主鎖+シンナメート+P型液晶+無偏光
液晶注入後に照射する紫外光を313nmの無偏光、照射量を 500mJ/cmとした以外は、実施例1と全く同様に液晶セルを作製した。この液晶セルの閾値電圧は3.25V、ΔVは−0.12Vであった。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは340uJ/m2であった。同様に作製した電圧保持率用セルのVHR(電圧保持率)は99.1%であり、2UV照射後のVHRは99.0%、即ちΔVHRは−0.1%であった。
(実施例17) メタクリレート主鎖+シンナメート+P型液晶+無偏光
液晶注入後に照射する紫外光を313nmの無偏光、照射量を 1,000mJ/cmとした以外は、実施例1と全く同様に液晶セルを作製した。この液晶セルの閾値電圧は3.20V、ΔVは−0.08Vであった。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは466uJ/m2であった。同様に作製した電圧保持率用セルのVHR(電圧保持率)は98.9%であり、ΔVHRは−0.1%であった。
(実施例18) メタクリレート主鎖+シンナメート+P型液晶+無偏光
液晶注入後に照射する紫外光を365nmの無偏光、照射量を 500mJ/cmとした以外は、実施例1と全く同様に液晶セルを作製した。この液晶セルの閾値電圧は3.30V、ΔVは−0.13Vであった。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは318uJ/m2であった。同様に作製した電圧保持率用セルのVHR(電圧保持率)は99.3%であり、ΔVHRは−0.3%であった。
(実施例19) メタクリレート主鎖+シンナメート+P型液晶+無偏光
液晶注入後に照射する紫外光を365nmの無偏光、照射量を 1,000mJ/cmとした以外は、実施例1と全く同様に液晶セルを作製した。この液晶セルの閾値電圧は3.05V、ΔVは−0.10Vであった。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは395uJ/m2であった。同様に作製した電圧保持率用セルのVHR(電圧保持率)は99.0%であり、ΔVHRは−0.1%であった。
(実施例20) 感光性ポリオルガノシロキサン+シンナメート+P型液晶
感光性メタクリレート(M−1)の代わりに、感光性ポリオルガノシロキサン (S−1)を用いた以外は、実施例1と全く同様に液晶セルを作製した。この液晶セルの閾値電圧は2.98V、ΔVは−0.06Vであった。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは530uJ/mであった。また、感光性ポリオルガノシロキサン (S−1)を用いて実施例1と同様に作製した電圧保持率用セルのVHR(電圧保持率)は99.5%であり、ΔVHRは0.0%であった。
(比較例1)
実施例1と同様の方法でガラスセルを作製し、誘電率異方性が正であるネマチック液晶混合物(LC−1)をセルに充填した後、ホットプレート上で透明点(86℃)より5℃程度高い温度まで加熱した後、ゆっくり室温まで冷却した。この液晶セルは、バックライトと二枚の偏光板を用いて観察したところ、セル長辺方向に対して概ね一様に平行配向していたが、ITOのエッジ部やシール剤近傍にわずかながら異常ドメインと配向ムラが見られた。
上記で得られたセルを二枚の直交する偏光板にはさみ初期状態が暗となる設定下で0〜6Vの交流電圧で駆動したところ、暗から明へ切り替わる良好な光学特性が得られ、閾値電圧は3.00Vであった。次に、周波数が64Hzの交流電圧10Vを60℃において72時間印加し続けたのち、再び0〜6Vの交流電圧で駆動したところ、暗から明へ切り替わる良好な光学特性が得られたが、閾値電圧は2.65Vであった。即ちストレス印加前後の閾値電圧シフト量ΔVは−0.35Vであった。
次に、液晶組成物(LC−1)の当該セル充填状態におけるツイスト角(φ1)を光学的に測定し、次いで充填された液晶を窒素ガスブロー及びヘキサンを用いて除去し、LC−1にキラル剤(メルク社製、S−811)をドープして螺旋ピッチを20umに調整した液晶組成物(LC−1E)を新たに充填して、ツイスト角(φ2)を光学的に測定した。得られたツイスト角の差(Δφ=φ2−φ1)から、トルクバランス法を用いて計算した方位角アンカリングエネルギーは180uJ/mであった。同様に作製した電圧保持率用セルのVHR(電圧保持率)は99.3%であった。
(比較例2)
ポリマー薄膜への紫外光照射量を500mJとした以外は、比較例1と同様にして液晶セルを作製した。この液晶セルの閾値電圧は3.10V、ΔVは−0.45Vであった。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは144uJ/mであった。同様に作製した電圧保持率用セルのVHR(電圧保持率)は98.9%であった。
(比較例3)
ポリマー薄膜への紫外光照射量を1,000mJとした以外は、比較例1と同様にして液晶セルを作製した。この液晶セルの閾値電圧は2.99V、ΔVは−0.50Vであった。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは131uJ/mであった。同様に作製した電圧保持率用セルのVHR(電圧保持率)は99.1%であった。
(比較例4)
ポリマー薄膜への紫外光照射量を5,000mJとした以外は、比較例1と同様にして液晶セルを作製した。この液晶セルの閾値電圧は3.03V、ΔVは−0.48Vであった。液晶セルの外観には微黄変が認められた。また、トルクバランス法により求めた方位角アンカリングエネルギーは164uJ/mであった。同様に作製した電圧保持率用セルのVHR(電圧保持率)は98.4%であった。
Figure 2015090427
Figure 2015090427
Figure 2015090427
尚、1UVとは、ガラス基板上に成膜されたポリマー層へ直接紫外光を照射する工程を意味し、2UVとは、ガラス基板がセル化され、更に液晶組成物が充填された状態でポリマー層へ紫外光を照射する工程を意味する。
Figure 2015090427
上記表でLC−1の組成及び物性値を示す。
Figure 2015090427
上記表でLC−2の組成及び物性値を示す。

Claims (10)

  1. 第1の光応答性高分子を含む被膜が表面に形成された第1基板と、第2の光応答性高分子を含む被膜が表面に形成された第2基板と、を互いの被膜同士向かい合うよう離間して配置し、かつ当該離間した被膜間に液晶組成物を充填する工程(1)と、
    150nm〜800nmの偏光を前記第1の光応答性高分子を含む被膜および第2の光応答性高分子を含む被膜に照射する工程(2)と、を含む、液晶配向性を付与する光配向膜の製造方法。
  2. 前記工程(2)は、前記第1基板または前記第2基板の表面に被膜を形成した直後または前記被膜間に液晶組成物を充填した後の少なくとも一方で偏光を前記被膜に照射する、請求項1に記載の光配向膜の製造方法。
  3. 第1の光応答性高分子を含む被膜が表面に形成された第1基板と、第2の光応答性高分子を含む被膜が表面に形成された第2基板と、を互いの被膜同士向かい合うよう離間して配置し、かつ当該離間した被膜間に液晶組成物を充填する工程(1)と、
    150nm〜800nmの偏光を前記第1の光応答性高分子を含む被膜および第2の光応答性高分子を含む被膜に照射する工程(2)と、
    前記第1の光応答性高分子を含む被膜および第2の光応答性高分子を含む被膜に光を照射する工程(3)と、を含む、請求項1または2に記載の光配向膜の製造方法。
  4. 前記工程(3)は、前記第1基板または前記第2基板の表面に被膜を形成した直後または前記被膜間に液晶組成物を充填した後の少なくとも一方で光を前記被膜に照射する、請求項3に記載の光配向膜の製造方法。
  5. 光に応答して側鎖同士の二量化により架橋構造を形成する第1の光応答性二量化型高分子を含む被膜が表面に形成された第1基板と、光に応答して側鎖同士の二量化により架橋構造を形成する第2の光応答性二量化型高分子を含む被膜が表面に形成された第2基板と、を互いの被膜同士向かい合うよう離間して配置し、かつ当該離間した被膜間に液晶組成物を充填した状態で150nm〜800nmの偏光を前記第1の光応答性二量化型高分子を含む被膜および第2の光応答性高分子を含む被膜に照射して前記光応答性二量化型高分子を架橋化する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光配向膜の製造方法。
  6. 前記工程(3)の被膜に照射する光は、かつ150nm〜800nmの偏光である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の光配向膜の製造方法。
  7. 前記光応答性高分子は、下記の一般式(1A)または(1B):
    Figure 2015090427
    (上記一般式(1)中、Spは、単結合、−(CH−(式中、uは1〜20を表す。)、−OCH−、−CHO−、―COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCF−および−C≡C−からなる群から選択される少なくとも1種の二価の連結基であり、これらの置換基において非隣接のCH基の一つ以上は独立して、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−Si(CH−O−Si(CH―、−NR−、−NR−CO−、−CO−NR−、−NR−CO−O−、−O−CO−NR−、−NR−CO−NR−、−CH=CH−、−C≡C−又は−O−CO−O−(式中、Rは独立して水素又は炭素原子数1から5のアルキル基を表す。)で置換することができ、
    、Aはそれぞれ独立して、
    (a) トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−、−NH−又は−S−に置き換えられてもよい)、
    (b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい)、及び
    (c) 1,4−シクロヘキセニレン基、2,5−チオフェニレン基、2,5−フラニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基
    からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)又は基(c)はそれぞれ無置換であるか又は一個以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はメトキシ基によって置換されていても良く、
    、ZおよびZは、それぞれ独立して、単結合、−(CH−(式中、uは1〜20を表す。)、−OCH−、−CHO−、―COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCF−又は−C≡C−を表すが、これらの置換基において非隣接のCH基の一つ以上は独立して、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−Si(CH−O−Si(CH―、−NR−、−NR−CO−、−CO−NR−、−NR−CO−O−、−O−CO−NR−、−NR−CO−NR−、−CH=CH−、−C≡C−又は−O−CO−O−(式中、Rは独立して水素又は炭素原子数1から5のアルキル基を表す。)で置換することができ、
    Xは、−O−、−NR−またはフェニレン基であり、
    は、重合性基、アルコキシ基、シアノ基または炭素原子数1〜12個のフッ化アルキル基であり、
    mは、0、1、または2であり、
    及びMはそれぞれ独立して同一であっても異なっていても良く、以下の一般式(U−1)〜(U−14)のいずれか1種のモノマー単位を表し、
    Figure 2015090427
    (上記一般式(U−1)〜(U−10)中、破線はSpへの結合を表し、Rは独立して水素原子、炭素原子数1から5のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子を表し、それぞれの構造中の任意の水素原子はフッ素原子、塩素原子、メチル基、フェニル基、メトキシ基によって置換されていてもよく、
    上記一般式(U−11)〜(U−14)中、破線はSpへの結合を表し、Rは4価の環構造、Rは3価の有機基、Rは水素原子、水酸基、炭素原子数1〜15個のアルキル基、炭素原子数1〜15個のアルコキシ基を表す。)
    y及びwは、コポリマーのモル分率を表し、0<y≦1かつ、0≦w<1であり、nは4〜100,000を表し、M及びMのモノマー単位は各々独立して1種類でも2種類以上の異なる単位からなっていても良い。)
    で表される高分子、その加水分解物または加水分解物の縮合物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光配向膜の製造方法。
  8. 前記偏光は、200nm〜350nmの波長であり、かつ前記第1基板および第2基板に対して略垂直方向から照射され、照射量は5〜200mJ/cmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶配向膜の製造方法。
  9. 前記被膜の平均厚みは、5〜500μmである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の液晶配向膜の製造方法。
  10. 前記光応答性高分子は、下記の一般式(2):
    Figure 2015090427
    (上記一般式(2)中、MおよびMはそれぞれ互いに独立して、アクリレート、メタクリレート、2−クロロアクリレート、2−フェニルアクリレート、低級アルキル基でN−置換されていてもよいアクリルアミド、メタクリルアミド、2−クロロアクリルアミド、2−フェニルアクリルアミド、ビニルエーテル、ビニルエステル、スチレン誘導体およびシロキサン類からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位であり、
    は、アクリレート、メタクリレート、2−クロロアクリレート、2−フェニルアクリレート、低級アルキルでN−置換されていてもよいアクリルアミド、メタクリルアミド、2−クロロアクリルアミド、2−フェニルアクリルアミド、ビニルエーテル、ビニルエステル、アクリル酸またはメタクリル酸の直鎖状−もしくは分岐状アルキルエステル、アクリル酸もしくはメタクリル酸のアリルエステル、アルキルビニルエーテルもしくは−エステル、フェノキシニアルキルアクリレートもしくはフェノキシアルキルメタクリレートもしくはヒドロキシアルキルアクリレートもしくはヒドロキシアルキルメタクリレート、フェニルアルキルアクリレートもしくはフェニルアルキルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、4−メチルスチレンおよびシロキサン類からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位であり、
    、B、C、A、BおよびCはそれぞれ互いに独立して、
    (a) トランス−1,4−シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のメチレン基又は隣接していない2個以上のメチレン基は−O−、−NH−又は−S−に置き換えられてもよい)、
    (b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい)、及び
    (c) 1,4−シクロヘキセニレン基、2,5−チオフェニレン基、2,5−フラニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基
    からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)又は基(c)はそれぞれ無置換であるか又は一個以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はメトキシ基によって置換されていても良く、
    およびSはそれぞれ互いに独立して、フッ素原子、塩素原子もしくはシアノ基で1以上置換された直鎖状もしくは分岐状アルキレン基(−(CH−)または−(CH−L−(CH−(式中、Lは、単結合または−O−、−COO−、−OOC−、−NR−、−NR−CO−、−CO−NR−、−NR−COO−、−OCO−NR−、−NR−CO−NR−、−CH=CH−または−C≡C−を意味し、その際にRは水素原子または低級アルキル基を意味し、rおよびsは、r+s≦24という条件のもとで1〜20の整数であり、)であり、
    、Dはそれぞれ互いに独立して、−O−または−NR−を意味し、その際にRは水素原子または低級アルキル基であり、
    、X、YおよびYはそれぞれ互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、場合によってはフッ素原子で置換されそしてCH基または複数の非隣接CH基が場合によっては−O−、−COO−、−OOC−および/または−CH=CH−で交換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基を意味し、
    1a、Z1b、Z2aおよびZ2bはそれぞれ互いに独立して、単結合、−(CH)t−、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−OC−、−NR−、−CO−NR−、−NR−CO−、−(CH−O−、−O−(CH−、−(CH−NR−または−NR−(CH−であり、その際にRは水素原子または低級アルキル基を意味し;tは1〜4の整数を意味し;uは1〜3の整数であり、
    、p、qおよびqはそれぞれ互いに独立して、0または1であり、
    1aおよびR2aはそれぞれ互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、または炭素原子数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルキル−COO−、アルキル−CO−NRまたはアルキル−OCO基を意味し、その際にRは水素原子または低級アルキル基を意味し、前記アルキル基または前記アルコキシ基の1以上の水素原子は、フッ素原子、塩素原子、シアノ基またはニトロ基で置換されてもよく、前記アルキル基または前記アルコキシ基のCH基または複数の非隣接CH基が−O−、−CH=CH−または−C≡C−に置換されてもよく、
    、nおよびnは0<n≦1、0≦n<1および0≦n≦0.5のコモノマーのモル分率である)
    で表されるポリマーである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
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