本発明の重合性液晶組成物は、前記した通り、ラジカル重合性単量体成分(A)、液晶材料(B)、及び下記構造式(1)
(構造式(1)中、Arは二価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子含有芳香族炭化水素基を表し、Aは、二価の芳香族炭化水素基、二価の環状脂肪族炭化水素基、二価の縮合多環構造部位、これらの構造における水素原子がハロゲン原子で置換した構造部位、又は、前記二価の環状脂肪族炭化水素基若しくは前記二価の縮合多環構造部位中の任意の−CH2−で表される構造が酸素原子で置換された構造を持つ構造部位、前記二価の芳香族炭化水素基若しくは二価の縮合多環構造部位の任意の−CH=で表される構造が窒素原子で置換された構造部位を表し、Zは、それぞれ独立して単結合、炭素原子数1〜12の直鎖若しくは分岐アルキル基、又は、炭素原子数1〜12の直鎖若しくは分岐アルキレン基、該直鎖若しくは分岐アルキレン基の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CS−O−、−O−CS−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−によって置換された構造を有する2価の有機基を表し、R1は炭素原子数1〜8の直鎖または分岐したアルキル基、又はラジカル重合性官能性基を表わし、R2はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜8の直鎖または分岐したアルキル基、炭素原子数1〜8の直鎖または分岐したアルコキシ基、又は下記構造式(2)
(構造式(2)中、Zは前記したものと同義であり、A2は一価の芳香族炭化水素基、一価の環状脂肪族炭化水素基、一価の縮合多環構造部位、または、これらの構造における水素原子がハロゲン原子で置換した構造部位を表す。)を表し、nは0〜3の整数を表す。なお、前記構造式(1)及び(2)中にA及びZが複数存在する場合、複数存在するA及びZは、同一であっても異なっていてもよい。)で表される化合物(C)を必須成分とすることを特徴とするものである。
前記構造式(1)で表される化合物(C)は、該化合物自体が重合開始能を持つものであり、液晶層を形成する液晶材料と優れた相溶性を発現する。その結果、該化合物(C)を含む重合性液晶組成物を用いて液晶表示デバイスを製造する際、液晶層内部で該化合物(C)が均一に分散され、その結果、所謂表示ムラの発生リスクを低減させることができる。
ここで、前記化合物(C)は、前記した通り、下記構造式(1)
で表される分子構造を有するものだる。
ここで、Arは、二価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子含有芳香族炭化水素基であり、例えば、フェニレン基、ナフタレン−ジイル基、
等が挙げられる。これらのなかでも特に重合開始能に優れ、また、液晶化合物との相溶性の点からフェニレン基であることが好ましい。
次に、前記構想式(1)中のAは、二価の芳香族炭化水素基、二価の環状脂肪族炭化水素基、二価の縮合多環構造部位、これらの構造における水素原子がハロゲン原子で置換した構造部位、又は、前記二価の環状脂肪族炭化水素基若しくは前記二価の縮合多環構造部位中の任意の−CH2−で表される構造が酸素原子で置換された構造を持つ構造部位、前記二価の芳香族炭化水素基若しくは二価の縮合多環構造部位の任意の−CH=で表される構造が窒素原子で置換された構造部位を表し、具体的には、下記部分構造式
で表される構造が挙げられる。
これらのなかでも特に液晶化合物との相溶性の点から
で表される構造が好ましい。
また、前記構造式(1)中のZで表される構造部位は、それぞれ独立して単結合、炭素原子数1〜12の直鎖若しくは分岐アルキル基、又は、炭素原子数1〜12の直鎖若しくは分岐アルキレン基、該直鎖若しくは分岐アルキレン基の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CS−O−、−O−CS−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−によって置換された構造を有する2価の有機基であるが、特に二重結合若しくは三重結合を有する構造部位、又は単結合であることが分子内の共役長が長くなる点から好ましい。
また、構造式(1)中、−A−Z−で表される構造部位を繰り返し単位するものであり、その繰り返し単位を表すnは0〜3の整数を表すが、液晶に対する相溶性の点から0〜2であることが液晶化合物との相溶性の点から好ましい。
次に、R1は炭素原子数1〜8の直鎖または分岐したアルキル基、又はラジカル重合性官能性基である。ここで、炭素原子数1〜8の直鎖または分岐したアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、ネオーペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。また、ラジカル重合性官能性基としては、例えば、下記式(R1−1)から式(R1−4)
で表される構造部位が挙げられる。ここで、各式中、*は結合点を示し、R’はお互いに独立して、水素原子、炭素原子数1〜5個のアルキル基であり、tC1は0、1または2を表す。
ここでR1としてラジカル重合性官能基を導入する場合、モノマーの重合後、該化合物(C)の分解残渣が生じにくくなるため液晶表示素子の電圧保持率を高いレベルに保つことができる。その一方で、前記ラジカル重合性官能基の導入により極性が上がる結果、表示斑の改善効果は低いものとなる他、重合性単量体(A)の反応性を落とすこととなる結果、残存モノマーが生じやすく、液晶表示素子とした場合の信頼性が充分でなくなる。
他方、R1として炭素原子数1〜8の直鎖または分岐したアルキル基を導入した場合は、化合物(C)自体の極性が低くなり液晶材料との相溶性がより高まり表示ムラの改善効果がより顕著なものとなる。よって、前記R1は炭素原子数1〜8の直鎖または分岐したアルキル基であることが好ましい。
次に、R2はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜8の直鎖または分岐したアルキル基、炭素原子数1〜8の直鎖または分岐したアルコキシ基、又は下記構造式(2)
(構造式(2)中、Zは前記したものと同義であり、A2は一価の芳香族炭化水素基、一価の環状脂肪族炭化水素基、一価の縮合多環構造部位、または、これらの構造における水素原子がハロゲン原子で置換した構造部位を表す)で表される構造部位である。
ここで、炭素原子数1〜8の直鎖または分岐したアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、ネオ−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられ、炭素原子数1〜8の直鎖または分岐したアルコキシ基としては、メトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、オクチルオキシ基等が挙げられる。
また、構造式(2)中のA2で示される一価の芳香族炭化水素基、一価の環状脂肪族炭化水素基、一価の縮合多環構造部位、または、これらの構造における水素原子がハロゲン原子で置換した構造部位とは、具体的には、下記構造式で表されるものが挙げられる。
本発明では、前記した構造式(1)においてカルボニル炭素原子に結合するR2中の炭素原子が、4級炭素原子の場合には、当該化合物(C)は活性エネルギー線照射によってノリッシュI型の反応によりラジカルを生成し、1級乃至3級炭素原子の場合にはノリッシュII型の反応によりラジカルを生成する。
ここで、前記した一般式(1)中、下記構造式
で示される主骨格がメソゲン構造を形成していることが、化合物(C)の液晶化合物への相溶性がより良好なものとなる点から好ましい。
以上詳述した化合物(C)は、とりわけClogP値が5〜10のものであることが液晶化合物との相溶性に優れ、液晶層内における均質性が良好となる点から好ましい。ここで、ClogP値とは、Chemdrawで構造式から水/オクタノール分配係数の推算によって得られる値である。
上記した構造式(1)で表される化合物(C)の具体的化学構造は、例えば、下記式C1〜C281で表されるものが挙げられる。
上記した化合物(C)の使用量は、特に限定されるものではないが、本発明の重合性液晶組成物中、0.5〜5質量%の範囲、特に2〜5質量%の範囲であることが硬化性の点から好ましい。本発明では、このように多量に化合物(C)を使用しても、何等液晶表示素子の電圧保持率の低下を招くことなく、表示ムラ発生のリスクを低減できるものである。
次に、本発明の重合性液晶組成物において用いられるラジカル重合性単量体成分(A)は、液晶性のモノマーを使用することが好ましい。即ち、本発明の液晶表示素子は、液晶相中に液晶表示素子全面にポリマーネットワーク層が形成され、液晶相が連続している構造であって、ポリマーネットワークの配向容易軸や一軸の光学軸が低分子液晶の配向容易軸と略同一方向であること、また、低分子液晶のプレチルト角を誘起するようにポリマーネットワークを形成させることが、オフ応答の速度を高めることができる点から好ましく、そのためラジカル重合性単量体成分(A)を構成する重合性モノマーは、分子構造中にメソゲン構造を持つ液晶性のモノマーであることが好ましい。なお、本発明における液晶表示素子は、前記ポリマーネットワーク層が、ポリマーネットワークの平均空隙間隔が可視光の波長より小さい大きさであること、即ち450nm未満の平均空隙間隔であることが、光散乱は起こらなくなる点から好ましい。
斯かる液晶性のモノマーとしては、下記一般式(P1)
で表されるものが挙げられる。
ここで、Zp11は、フッ素原子、シアノ基、水素原子、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルキル基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルコキシ基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルケニル基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルケニルオキシ基又は−Spp12−Rp12を表す。これらのなかでも、Zp11としては、フッ素原子、酸素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルキル基を使用することが液晶表示素子の電圧保持率を高くすることが可能になる点から好ましく、また、チルトの安定性の点から−Spp12−Rp12であることが好ましい。
ここで、Rp11およびRp12はそれぞれ独立に以下の式(RP11−1)から式(RP11−4)
のいずれかを表し(式中、*は結合点を示す)、前記式(RP11−1)〜(RP11−4)中、RP111〜RP112はお互いに独立して、水素原子、炭素原子数1〜5個のアルキル基であり、tM11は0、1または2を表す。これらのなかでも特に前記式(RP11−1)で表され、かつ、該式中のRP111としては水素原子又はメチル基である、(メタ)アクリロイル基であることが、液晶表示素子の製造時にモノマーを重合させる際の紫外線照射量を低くすることが可能になる、液晶材料への紫外線照射量を必要最低限に保つことができ、液晶材料及び液晶表示素子の劣化を避けることができる点から好ましい。
Spp11およびSpp12は、それぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜12の直鎖もしくは分岐状アルキレン基、又は、この直鎖もしくは分岐状のアルキレン構造の炭素原子は、酸素原子が隣接しない条件で、酸素原子もしくはカルボニル基で置換された化学構造を有する構造部位を表す。これらのなかでも、特に、炭素原子数1〜12の直鎖もしくは分岐状アルキレン基は、液晶材料(B)との相溶性を高めるので好ましく、液晶分子が持つアルキル基と同程度の炭素原子数1〜6のものが特に好ましい。ここで、ラジカル重合性単量体成分(A)と液晶材料(B)との相溶性が十分でない場合や、前記した重合開始剤(C)の液晶材料(B)への相溶性が十分でない場合には、ポリマーネットワークの密度が粗になる部分と密になる部分ができるため素子特性に影響を及ぼし面内の特性が不均一となり易いが、本発明においてラジカル重合性単量体成分(A)と液晶材料(B)との相溶性が良好なる場合には、重合開始剤(C)と液晶材料(B)との相溶性が良好なものとなることと相俟って、一様な重合相分離構造が形成され、液晶中の均一なポリマーネットワークを形成されて液晶表示素子の特性が面内で一定になる、という特長を有する。ここで、炭素原子数1〜12の直鎖もしくは分岐状アルキレン基であるSpp11とSpp12とを有する場合、これらが同一のものであることが該モノマーの製造が容易であること、また、アルキレン鎖長の異なる複数種の化合物の使用割合を調整することによって物性調整が容易となる点から好ましい。一方、Spp11およびSpp12が単結合である場合には、モノマーが基板面に集まり易く、ポリマーネットワークを形成する傾向よりも垂直配向膜表面に薄膜を形成する傾向が強くなるため、ポリマーネットワーク形成による高速応答の効果よりも配向膜にプレチルトを付与し固定化する効果がより強くなる。
また、重合性液晶組成物中のラジカル重合性単量体成分(A)の含有率が0.5質量%未満である場合には、前記した配向膜にプレチルト角を付与し固定化する点から、Spp11およびSpp12は単結合であることが好ましく、一方、該含有率が0.5質量%〜20質量%の範囲である場合には、Spp11およびSpp12は炭素原子数1〜12の直鎖もしくは分岐状アルキレン基であることがオフ応答速度を速めるポリマーネットワークを形成できる点から好ましい。特にオフ応答速度と低駆動電圧の点から1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましい。また、前記した直鎖もしくは分岐状アルキレン基は、炭素原子数としては、2〜8が好ましく、2〜6が更に好ましい。また、アルキレン基上の炭素原子を酸素原子が隣接しない条件で酸素原子もしくはカルボニル基で置換することは好ましい。特に酸素原子をMP11やMP13に結合する位置で導入すると、液晶材料全体としての液晶上限温度の拡大や重合時における紫外線感度を増加させることが可能になる点から好ましい。
次に、前記一般式(P1)中、Lp11及びLp12はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−CO−、−C2H4−、−COO−、−OCO−、−OCOOCH2−、−CH2OCOO−、−OCH2CH2O−、−CO−NRP113−、−NRP113−CO−、−SCH2−、−CH2S−、−CH=CRP113−COO−、−CH=CRP113−OCO−、−COO−CRP113=CH−、−OCO−CRaP113=CH−、−COO−CRP113=CH−COO−、−COO−CRP113=CH−OCO−、−OCO−CRP113=CH−COO−、−OCO−CRP113=CH−OCO−、−(CH2)tm12−C(=O)−O−、−(CH2)tm12−O−(C=O)−、−O−(C=O)−(CH2)tm12−、−(C=O)−O−(CH2)tm12−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF2−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CF2−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−又は−C=N−N=C−(式中、RP113はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、前記式中、tm12は1〜4の整数を表す。)を表す。
これらのなかでもラジカル重合性単量体成分(A)の液晶性が高く、液晶表示素子における配向ムラ抑止の観点から、単結合、−C2H4−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−(CH2)2−C(=O)−O−、−(CH2)2−O−(C=O)−、−O−(C=O)−(CH2)2−、−(C=O)−O−(CH2)2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CF2−、−C≡C−、−N=N−、又は−C=N−N=C−が好ましい。
また、モノマーに光異性化する機能を付与することによりワイゲルト効果を用いた光による光配列機能が利用できることから、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、または−N=N−が好ましく、−CH=CH−と−N=N−を選択すること、なかでも−N=N−であることが好ましい。また、ポリマーネットワークの配向性を高くする観点から特に−N=N−であることが好ましい。
つぎに、一般式(P1)中のMp11、Mp12およびMp13は、それぞれ独立に1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−シクロヘキセニレン基、1,2−シクロヘキセニレン基、アントラセン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、インダン−2,5−ジイル基、フルオレン−2,6−ジイル基、フルオレン−1,4−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、アントラセン−2,6−ジイル基、アントラセン−1,4−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、或いは、これらの芳香核に炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、又はニトロ基で置換された構造が挙げられる。
また、前記Mp11、Mp12およびMp13は、これらの構造の芳香核に−Spp11−Rp11が置換されたものが、反応性に優れたラジカル重合性単量体となる点から好ましい。この時のRp11としては式(RP11−1)でかつ、RP111としては水素原子、もしくはメチル基である(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。
これらのなかでも特に 1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、アントラセン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、インダン−2,5−ジイル基、フルオレン−2,6−ジイル基、フルオレン−1,4−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、アントラセン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、2,3−ジフロロ−1,4−フェニレン基、2−フロロ−1,4−フェニレン基が液晶との相溶性の点から好ましい。
また、一般式(P1)中、mp12は1又は2を表し、mp13及びmp14はそれぞれ独立して、0、1、2又は3を表し、mp11及びmp15はそれぞれ独立して1、2又は3を表す。ここで、Zp11が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Rp11が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Rp12が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Spp11が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Spp12が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Lp11が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Lp12が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Mp12が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Mp13が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよいで表される化合物であることが好ましい。また、当該材料は1種又は2種以上含有することが好ましい。
また、前記したmp12〜mp14は、それらの合計が1〜6の範囲であることが好ましく、2〜4の範囲、なかでも2であることが特に好ましい。2種以上のモノマーを使用する場合には、モノマー全体中の当該モノマーの濃度とmp12〜mp14の合計を乗じて計算する平均数が、1.6〜2.8になるように設定することが好ましく、1.7〜2.4にする事が更に好ましく、1.8〜2.2にすることが特に好ましい。
mp11及びmp15の合計は1〜6が好ましく、2〜4が更に好ましく、2が特に好ましい。2種以上のモノマーを使用する場合には、モノマー全体中の当該モノマーの濃度とmp1とp15合計を乗じて計算する平均数が、1.6〜2.8になるように設定することが好ましく、1.7〜2.4にする事が更に好ましく、1.8〜2.2にすることが特に好ましい。平均数が1に近いと、液晶表示素子の駆動電圧を低減できる傾向があり、平均数が高いとオフ応答を速くできる傾向がある。
Mp11、Mp12およびMp13へのフッ素原子による置換は、液晶表示素子の電圧保持率を悪化させることなく、液晶材料と重合体もしくは共重合体との相互作用の大きさや溶解性を制御できるため好ましい。好ましい置換数は、1〜4である。
以上詳述した式(P1)の中でも、下記式(P2−1)〜(P2−11)で表される化合物を使用することは、チルト角の経時変化を抑制に有効である。
(式中、RP21、RP22はそれぞれ独立的に水素原子もしくはメチル基を表す)
このような化合物は有用であるものの、液晶材料中への溶解性が良好でない場合ある。従って、このような化合物は使用するモノマー全体において、90質量%以下含有することが好ましく、70質量%以下含有することが更に好ましく、50質量%以下含有することが特に好ましい。
また、式(P1)の中でも、下記式(P3−1)〜(P3−11)で表される化合物を使用することは、チルト角の経時変化の抑制と液晶材料中への溶解性確保の両立を図れることから好ましい。
(式中、RP31、RP32はそれぞれ独立的に水素原子もしくはメチル基を表し、mP31は0または1の整数を表し、mP31が0の場合、mP32は1〜6の整数を表し、mp31が1の場合、mP32は2〜6の整数を表す)
式(P1)の中でも、下記式(P4−1)〜(P4−11)で表される化合物を使用することは、オフ応答を効果的に改善するのに有用であることから好ましい。
(式中、RP41、RP42はそれぞれ独立的に水素原子もしくはメチル基を表し、mP42及びmP43はそれぞれ独立的に0または1の整数を表し、mP42が0の場合、mP41は1〜6の整数を表し、mp42が1の場合、mP41は2〜6の整数を表し、mP43が0の場合、mP44は1〜6の整数を表し、mP43が1の場合、mp44は2〜6の整数を表す)
このような化合物は使用するモノマー全体において、40質量%以上含有することが好ましく、50質量%以上含有することが更に好ましく、60質量%以上含有することが特に好ましい。
式(P1)の中でも、メソゲン中にアリールエステル構造を有する、式(P5−1)〜(P5−11)で表される化合物は紫外線照射によって重合開始できる能力を有するため、重合開始剤の添加量を低減できるので好ましい。
(式中、RP51、RP52はそれぞれ独立的に水素原子もしくはメチル基を表し、mP52及びmP53はそれぞれ独立的に0または1の整数を表し、mP52が0の場合、mP51は1〜6の整数を表し、mp52が1の場合、mP51は2〜6の整数を表し、mP53が0の場合、mP54は1〜6の整数を表し、mP53が1の場合、mp54は2〜6の整数を表す)
このような化合物の添加量が多いと液晶表示素子の電圧保持率が悪化する傾向があるので、使用するモノマー全体においで30質量%以下含有することが好ましく、20質量%以下含有することが更に好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
また、式(P1)の中でも式(P6−1)〜(P6−11)で表される化合物のようなメソゲン中に桂皮酸エステル基を導入することも好ましい。
(式中、RP61、RP62はそれぞれ独立的に水素原子もしくはメチル基を表し、mP62及びmP63はそれぞれ独立的に0または1の整数を表し、mP62が0の場合、mP61は1〜6の整数を表し、mp62が1の場合、mP61は2〜6の整数を表し、mP63が0の場合、mP64は1〜6の整数を表し、mP63が1の場合、mp64は2〜6の整数を表す)
また、式(P1)の中でも下記式(P7−1)〜(P7−5)で表されるような縮合環を有する化合物は、紫外線吸収域を単環化合物より可視光側にシフトさせることができるので、モノマーの感度調節の観点から好ましい。
(式中、RP71、RP72はそれぞれ独立的に水素原子もしくはメチル基を表し、mP72及びmP73はそれぞれ独立的に0または1の整数を表し、mP72が0の場合、mP71は1〜6の整数を表し、mp72が1の場合、mP71は2〜6の整数を表し、mP73が0の場合、mP74は1〜6の整数を表し、mP73が1の場合、mp74は2〜6の整数を表す。)
上記では好ましい化合物として2官能モノマーを例示したが、式(P1)の中でも式(P5−1)〜(P5−11)で表される化合物のような3官能モノマーの使用も好ましい。重合体もしくは共重合体の機械的強度を向上させることができる。また、メソゲン中にエステル結合を有しているものは、紫外線照射によって重合開始できる能力を有するため、重合開始剤の添加量を低減できるのでより好ましい。
(式中、RP81、およびRP83はそれぞれ独立的に水素原子もしくはメチル基を表し、mP72及びmP73はそれぞれ独立的に0または1の整数を表し、mP72が0の場合、mP71は1〜6の整数を表し、mp72が1の場合、mP71は2〜6の整数を表し、mP73が0の場合、mP74は1〜6の整数を表し、mP73が1の場合、mp74は2〜6の整数を表す)
また、式(P1)の中でも液晶表示素子の駆動電圧を調整する目的から下記式(P9−1)〜(P9−11)で表される化合物のような単官能モノマーの使用も好ましい。
(式中、RP91は水素原子又はメチル基を表し、およびRP92は水素原子、または炭素原子数1〜18のアルキル基を表す)
また、式(P1)の中でもモノマーとして光異性化する機能を付与することは、ワイゲルト効果を用いた光による光配列機能が利用できるので好ましい。このような観点からは(P10−1)〜(P10−11)で表される化合物が好ましい。
(式中、RP101、RP102はそれぞれ独立的に水素原子もしくはメチル基を表し、mP102及びmP103はそれぞれ独立的に0または1の整数を表し、mP102が0の場合、mP101は1〜6の整数を表し、mp102が1の場合、mP101は2〜6の整数を表し、mP103が0の場合、mP104は1〜6の整数を表し、mP103が1の場合、mp104は2〜6の整数を表す)
以上詳述したラジカル重合性単量体成分(A)は、上記した各種具体例で表される化合物を、下記一般式(V)
(式中、X1及びX2はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、Sp1及びSp2はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜12のアルキレン基又は−O−(CH2)s−(式中、sは1〜11の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)を表し、Uは炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐状の多価脂肪族炭化水素基又は炭素原子数5〜30の多価環状置換基を表すが、多価脂肪族炭化水素基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよく、炭素原子数5〜20のアルキル基(基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよい。)又は環状置換基により置換されていてもよく、kは1〜5の整数を表す。式中の全ての1,4−フェニレン基は、任意の水素原子が−CH3、−OCH3、フッ素原子、又はシアノ基に置換されていてもよい。)
または、下記一般式(VI)
(式中、X3は、水素原子又はメチル基を表し、Sp3は、単結合、炭素原子数1〜12のアルキレン基又は−O−(CH2)t−(式中、tは2〜11の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)を表し、Vは炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基又は炭素原子数5〜30の多価環状置換基、炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン構造中の酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換された構造部位、これらの化学構造は、該構造を構成する炭素原子上の水素原子が、炭素原子数5〜20のアルキル基(基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよい。)又は環状置換基により置換されていてもよい。Wは水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜15のアルキル基を表す。なお、式中の全ての1,4−フェニレン基は、任意の水素原子が−CH3、−OCH3、フッ素原子、又はシアノ基に置換されていてもよい。)
で表すこともできる。
ここで、前記一般式(V)におけるSp1及びSp2が同一となるものであることが、これらが例えば炭素原子数1〜12の直鎖もしくは分岐状アルキレン基である場合に、該化合物の合成が容易であり、また、アルキレン鎖長の異なる複数種の化合物の使用割合を調整することによって物性調整が容易となる点から好ましい。
次に、本発明の重合性液晶組成物で用いる液晶材料(B)(以下、「液晶組成物(B)」と略記する。)は、誘電率の異方性が正でも負のどちらを用いても良い。液晶組成物(B)の異方性が負の場合は、誘電率の異方性が負の液晶組成物(Δεが−2より小さい)と及び誘電率の異方性がほぼ無い(Δεの値が−2〜2)液晶組成物とを含有するものが好ましい。また、液晶組成物(B)の異方性が正の場合は、誘電率の異方性が正の液晶組成物(Δεが2より大きい)と誘電率の異方性がほぼ無い(Δεの値が−2〜2)液晶組成物とを含有するものが好ましい。
液晶組成物(B)において、誘電率の異方性が負の場合、誘電率異方性Δεの値は、−1.0〜−7.0の範囲であることが好ましく、−1.5〜−6.5であることがより好ましく、−2.0〜−6.0であることがさら好ましく、−2.5〜−5.5であることが特に好ましいが、低電圧駆動を重視する際には−3.0〜−6.0の範囲が好ましく、高速応答を重視する際には−2.0〜−3.5の範囲が好ましい。
屈折率異方性Δnの値は、高速応答を実現するためにセルギャップを薄くする場合には0.100〜0.140の範囲が好ましく、ディスプレイ製造における歩留まりを向上させるためにセルギャップを厚くする場合には0.080〜0.100の範囲が好ましいが、反射型のディスプレイを作製する場合には上記好ましい範囲はそれぞれ上記値の50質量%〜80質量%の値であることが好ましい。
ネマチック−等方相転移温度TNIの値は、65〜150℃の範囲であることが好ましいが、70〜130℃であることが好ましいが、高速応答を重視する場合や製造したディスプレイの使用環境が主に屋内である場合には70〜90℃の範囲であることが好ましく、製造したディスプレイの使用環境が主に屋外である場合には80〜120℃の範囲であることが好ましい。
回転粘性の値は、200mPa・s以下が好ましく、180mPa・s以下がより好ましく、150mPa・s以下が更に好ましく、130mPa・s以下が特に好ましく、100mPa・s以下が最も好ましい。
一方、液晶組成物(B)において、誘電率の異方性が正の場合、誘電率異方性Δεの値は、1.0〜20.0の範囲であることが好ましく、1.5〜15.0であることがより好ましく、2.0〜10.0であることがさら好ましく、3.0〜8.5であることが特に好ましいが、低電圧駆動を重視する際には5.0〜12.0の範囲が好ましく、高速応答を重視する際には1.5〜5.0の範囲が好ましい。
Δnの値は、高速応答を実現するためにセルギャップを薄くする場合には0.110〜0.160の範囲が好ましく、ディスプレイ製造における歩留まりを向上させるためにセルギャップを厚くする場合には0.090〜0.110の範囲が好ましいが、反射型のディスプレイを作製する場合には上記好ましい範囲はそれぞれ上記値の50%〜80%の値であることが好ましい。
ネマチック−等方相転移温度TNI範囲の好ましい範囲は、65〜150℃の範囲であることが好ましいが、70〜130℃であることが好ましいが、高速応答を重視する場合や製造したディスプレイの使用環境が主に屋内である場合には70〜90℃の範囲であることが好ましく、製造したディスプレイの使用環境が主に屋外である場合には80〜120℃の範囲であることが好ましい。 回転粘性の値は、130mPa・s以下が好ましく、100mPa・s以下がより好ましく、90mPa・s以下が更に好ましく、75mPa・s以下が特に好ましく、60mPa・s以下が最も好ましい。
誘電率の異方性が負の液晶組成物(B)は、具体的には、一般式(N−1)、(N−2)、(N−3)及び(N−4)で表される化合物から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。これら化合物は誘電的に負の化合物(Δεの符号が負で、その絶対値が2より大きい。)に該当する。
[前記一般式(N−1)、(N−2)、(N−3)及び(N−4)中、RN11、RN12、RN21、RN22、RN31、RN32、RN41及びRN42はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、又は炭素原子数2〜8のアルキル鎖中の1個又は非隣接の2個以上の−CH2−が、それぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換された化学構造を持つ構造部位、
AN11、AN12、AN21、AN22、AN31、AN32、AN41及びAN42はそれぞれ独立して
(a) 1,4−シクロヘキシレン基、
(b) 1,4−シクロヘキシレン構造中に存在する1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が−O−に置き換えられた構造を有する2価の有機基、
(c) 1,4−フェニレン基、
(d) 1,4−フェニレン構造中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=が−N=に置き換えられた構造を有する2価の有機基、
(e) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、
(f) ナフタレン−2,6−ジイル構造又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル構造中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられた構造を有する2価の有機基、及び
(g) 1,4−シクロヘキセニレン基
からなる群より選ばれる基を表し、
上記の基(a)、基(b)、基(c)及び基(d)は、その構造中の水素原子が、それぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
ZN11、ZN12、ZN21、ZN22、ZN31、ZN32、ZN41及びZN42は、それぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、 XN21は水素原子又はフッ素原子を表し、TN31は−CH2−又は酸素原子を表し、XN41は、酸素原子、窒素原子、又は−CH2−を表し、YN41は、単結合、又は−CH2−を表し、nN11、nN12、nN21、nN22、nN31、nN32、nN41、及びnN42は、それぞれ独立して0〜3の整数を表すが、nN11+nN12、nN21+nN22及びnN31+nN32はそれぞれ独立して1、2又は3であり、AN11〜AN32、ZN11〜ZN32が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、nN41+nN42は0〜3の整数を表すが、AN41及びAN42、ZN41及びZN42が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。]
一般式(N−1)、(N−2)、(N−3)及び(N−4)で表される化合物は、Δεが負でその絶対値が2よりも大きな化合物であることが好ましい。
一般式(N−1)、(N−2)、(N−3)及び(N−4)中、RN11、RN12、RN21、RN22、RN31、RN32、RN41及びRN32はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
AN11、AN12、AN21、AN22、AN31、AN32、AN41及びAN42は、それぞれ独立してΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族構造部位であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族構造部位であることが好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、及びその他下記構造式
で表されるテトラヒドロフラン又はジオキサン骨格を有する基であることが好ましい。
これらのなかでも特に下記の構造を表すことがより好ましく、
とりわけトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基が、Δnを下げたい場合に有用であること、また、低粘度下を図ることができる点から好ましく、また、1,4−フェニレン基が、Δnを上げたい場合に有用であることからより好ましい。
ZN11、ZN12、ZN21、ZN22、ZN31、ZN32、ZN41及びZN42はそれぞれ独立して−CH2O−、−CF2O−、−CH2CH2−、−CF2CF2−又は単結合を表すことが好ましく、−CH2O−、−CH2CH2−又は単結合が更に好ましく、−CH2O−又は単結合が特に好ましい。
XN21はフッ素原子が好ましい。
TN31は酸素原子が好ましい。
nN11+nN12、nN21+nN22、nN31+nN32及びnN41+nN42は0、1又は2が好ましく、nN11が1でありnN12が0である組み合わせ、nN11が2でありnN12が0である組み合わせ、nN11が1でありnN12が1である組み合わせ、nN11が2でありnN12が1である組み合わせ、nN21が1でありnN22が0である組み合わせ、nN21が2でありnN22が0である組み合わせ、nN31が1でありnN32が0である組み合わせ、nN31が2でありnN32が0である組み合わせが好ましいが、nN41+nN42はnN41及びnN42が共に0である組み合わせも好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。好ましい含有量の上限値は、95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%であり、20質量%である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。好ましい含有量の上限値は、95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%であり、20質量%である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。好ましい含有量の上限値は、95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%であり、20質量%である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。好ましい含有量の上限値は、95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%であり、20質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。さらに、液晶組成物(B)のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高く上限値が高いことが好ましい。
一般式(N−1)で表される化合物として、下記の一般式(N−1a)〜(N−1g)で表される化合物群を挙げることができる。
(式中、RN11及びRN12は一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表し、nNa11は0又は1を表し、nNb11は1又は2を表し、nNc11は0又は1を表し、nNd11は1又は2を表し、nNe11は1又は2を表し、nNf11は1又は2を表し、nNg11は1又は2を表し、ANe11はトランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基を表し、ANg11はトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基又は1,4−フェニレン基を表すが少なくとも1つは1,4−シクロヘキセニレン基を表し、ZNe 11は単結合又はエチレンを表すが少なくとも1つはエチレンを表す。)
より具体的には、一般式(N−1)で表される化合物は一般式(N−1−1)〜(N−1−21)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
一般式(N−1−1)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN111及びRN112はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN111は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、プロピル基、ペンチル基又はビニル基が好ましい。RN112は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、50質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。
さらに、一般式(N−1−1)で表される化合物は、式(N−1−1.1)から式(N−1−1.23)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−1.1)〜(N−1−1.4)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−1.1)及び式(N−1−1.3)で表される化合物が好ましい。
式(N−1−1.1)〜(N−1−1.22)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、液晶組成物(B)の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%である。好ましい含有量の上限値は、非重合性の組成物の総量に対して、50質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。
一般式(N−1−2)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN121及びRN122はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN121は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基が好ましい。RN122は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基が好ましい。
一般式(N−1−2)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%であり、37質量%であり、40質量%であり、42質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、50質量%であり、48質量%であり、45質量%であり、43質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%である。
さらに、一般式(N−1−2)で表される化合物は、式(N−1−2.1)から式(N−1−2.22)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−2.3)から式(N−1−2.7)、式(N−1−2.10)、式(N−1−2.11)、式(N−1−2.13)及び式(N−1−2.20)で表される化合物であることが好ましく、Δεの改良を重視する場合には式(N−1−2.3)から式(N−1−2.7)で表される化合物が好ましく、TNIの改良を重視する場合には式(N−1−2.10)、式(N−1−2.11)及び式(N−1−2.13)で表される化合物であることが好ましく、応答速度の改良を重視する場合には式(N−1−2.20)で表される化合物であることが好ましい。
式(N−1−2.1)から式(N−1−2.22)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、液晶組成物(B)の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、50質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。
一般式(N−1−3)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN131及びRN132はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN131は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN132は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数3〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、1−プロペニル基、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−3)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
さらに、一般式(N−1−3)で表される化合物は、式(N−1−3.1)から式(N−1−3.21)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−3.1)〜(N−1−3.7)及び式(N−1−3.21)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−3.1)、式(N−1−3.2)、式(N−1−3.3)、式(N−1−3.4)及び式(N−1−3.6)で表される化合物が好ましい。
式(N−1−3.1)〜式(N−1−3.4)、式(N−1−3.6)及び式(N−1−3.21)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、式(N−1−3.1)及び式(N−1−3.2)の組み合わせ、式(N−1−3.3)、式(N−1−3.4)及び式(N−1−3.6)から選ばれる2種又は3種の組み合わせが好ましい。液晶組成物(B)の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N−1−4)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN141及びRN142はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN141及びRN142はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メチル基、プロピル基、エトキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−4)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、11質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
さらに、一般式(N−1−4)で表される化合物は、式(N−1−4.1)から式(N−1−4.14)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−4.1)〜(N−1−4.4)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−4.1)、式(N−1−4.2)及び式(N−1−4.4)で表される化合物が好ましい。
式(N−1−4.1)〜(N−1−4.14)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、液晶組成物(B)の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、11質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
一般式(N−1−5)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN151及びRN152はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN151及びRN152はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましくエチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(N−1−5)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
さらに、一般式(N−1−5)で表される化合物は、式(N−1−5.1)から式(N−1−5.6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−5.1)、式(N−1−5.2)及び式(N−1−5.4)で表される化合物が好ましい。
式(N−1−5.1)、式(N−1−5.2)及び式(N−1−5.4)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、液晶組成物(B)の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N−1−10)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1101及びRN1102はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1101は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基又は1−プロペニル基が好ましい。RN1102は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−10)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−10)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
さらに、一般式(N−1−10)で表される化合物は、式(N−1−10.1)から式(N−1−10.21)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−10.1)〜(N−1−10.5)式(N−1−10.20)及び式(N−1−10.21)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−10.1)、式(N−1−10.2)、式(N−1−10.20)及び式(N−1−10.21)で表される化合物が好ましい。
式(N−1−10.1)、式(N−1−10.2)、式(N−1−10.20)及び式(N−1−10.21)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、液晶組成物(B)の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N−1−11)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1111及びRN1112はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1111は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基又は1−プロペニル基が好ましい。RN1112は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−11)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−11)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
さらに、一般式(N−1−11)で表される化合物は、式(N−1−11.1)から式(N−1−11.15)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−11.1)〜(N−1−11.15)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−11.2及び式(N−1−11.4)で表される化合物が好ましい。
式(N−1−11.2)及び式(N−1−11.4)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、液晶組成物(B)の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N−1−12)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1121及びRN1122はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1121は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1122は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−12)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−12)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N−1−13)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1131及びRN1132はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1131は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1132は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−13)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−13)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N−1−14)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1141及びRN1142はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1141は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1142は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−14)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−14)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N−1−15)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1151及びRN1152はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1151は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1152は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−15)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−15)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N−1−16)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1161及びRN1162はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1161は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1162は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−16)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−16)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N−1−17)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1171及びRN1172はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1171は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1172は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−17)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−17)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N−1−18)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1181及びRN1182はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1181は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1182は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−18)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−18)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
さらに、一般式(N−1−18)で表される化合物は、式(N−1−18.1)から式(N−1−18.5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−18.1)〜(N−1−18.3)で表される化合物であることが更に好ましく、式(N−1−18.2及び式(N−1−18.3)で表される化合物が特に好ましい。
一般式(N−1−20)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1201及びRN1202はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1201及びRN1202はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(N−1−20)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−20)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N−1−21)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1211及びRN1212はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1211及びRN1212はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(N−1−21)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−21)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(N−1−22)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RN1221及びRN1222はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN1221及びRN1222はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(N−1−22)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−21)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、5質量%である。
さらに、一般式(N−1−22)で表される化合物は、式(N−1−22.1)から式(N−1−22.12)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−22.1)〜(N−1−22.5)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−22.1)〜(N−1−22.4)で表される化合物が好ましい。
次に、前記一般式(N−2)で表される化合物としては、下記一般式(N−2−a)から一般式(N−2−c)
(式中、RN21、RN22及びXN21はそれぞれ独立して前記一般式(N−2)におけるRN21、RN22及びXN21と同じ意味を表し、ZN21は単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−COO−、−OCH2−、−CH2O−、−OCF2−又は−CF2O−を表す。)で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのがより好ましい。
一般式(N−3)で表される化合物は一般式(N−3−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中、RN321及びRN322はそれぞれ独立して、一般式(N−3)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
RN321及びRN322は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、プロピル基又はペンチル基が好ましい。
一般式(N−3−2)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−3−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、50質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%である。
さらに、一般式(N−3−1)で表される化合物は、式(N−3−1.1)から式(N−3−1.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
一般式(N−4)で表される化合物として、下記の一般式(N−4−1)で表される化合物群を挙げることができる。
(式中、RN41及びRN42はそれぞれ独立して、一般式(N−4)におけるRN41及びRN42と同じ意味を表す。)
RN321及びRN322は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルコキシ基が好ましく、プロピル基、ペンチル基、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−4−1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−4−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、50質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%である。
さらに、一般式(N−4−1)で表される化合物は、式(N−4−1.1)から式(N−4−1.6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
以上詳述した一般式(N−1)〜一般式(N−4)のなかでも、特に活性エネルギー線を照射してポリマーネットワークと液晶相とを形成させる際に、該活性エネルギー線に対する耐性が高い点から一般式(N−1)で表される化合物が好ましい。
次に、誘電率の異方性が正の液晶組成物(B)は、一般式(J)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。これら化合物は誘電的に正の化合物(Δεが2より大きい。)に該当する。
(式中、RJ1は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH2−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
nJ1は、0、1、2、3又は4を表し、
AJ1、AJ2及びAJ3はそれぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基、
(b) 1,4−シクロヘキシレン構造中に存在する1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が−O−に置き換えられた化学構造を有する2価の有機基、
(c) 1,4−フェニレン基、
(d) 1,4−フェニレン構造中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=が−N=に置き換えられた化学構造を有する2価の有機基、
(e) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、及び
(f)ナフタレン−2,6−ジイル構造又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル構造中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられた構造を有する2価の有機基
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基で置換されていても良く、
ZJ1及びZJ2はそれぞれ独立して単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−OCF2−、−CF2O−、−COO−、−OCO−又は−C≡C−を表し、
nJ1が2、3又は4であってAJ2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、nJ1が2、3又は4であってZJ1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
XJ1は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。)
一般式(J)中、RJ1は、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
信頼性を重視する場合にはRJ1はアルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点はアルケニル基が結合している環構造中の炭素原子を表す。)
AJ1、AJ2及びAJ3はそれぞれ独立してΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族構造部位であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族構造部位であることが好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、その他下記構造式
で表されるテトラヒドロフラン又はジオキサン骨格を有する基、またはこれらの構造中の水素原子がフッ素原子により置換された構造であることが好ましい。
これらのなかでも、脂環式の構造のものは、Δnを下げたい場合に有用であること、また、低粘度下を図ることができる点から好ましく、また、芳香族系のものはΔnを上げたい場合に有用である。斯かる観点から特に下記の構造
で表されるものが好ましい。
ZJ1及びZJ2はそれぞれ独立して−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−CH2CH2−、−CF2CF2−又は単結合を表すことが好ましく、−OCH2−、−CF2O−、−CH2CH2−又は単結合が更に好ましく、−OCH2−、−CF2O−又は単結合が特に好ましい。
XJ1はフッ素原子又はトリフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子が好ましい。
nJ1は、0、1、2又は3が好ましく、0、1又は2が好ましく、Δεの改善に重点を置く場合には0又は1が好ましく、Tniを重視する場合には1又は2が好ましい。
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類である。またさらに、本発明の別の実施形態では4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類以上である。
液晶組成物(B)において、一般式(J)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(J)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、液晶組成物(B)のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
信頼性を重視する場合にはRJ1はアルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
一般式(J)で表される化合物としては下記で表される一般式(M)で表される化合物及び一般式(K)で表される化合物が好ましい。
誘電率の異方性が正の液晶組成物(B)は、一般式(M)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。これら化合物は誘電的に正の化合物(Δεが2より大きい。)に該当する。
(式中、RM1は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH2−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
nM1は、0、1、2、3又は4を表し、
AM1及びAM2はそれぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−は−O−又は−S−に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)及び基(b)上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
ZM1及びZM2はそれぞれ独立して単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−OCF2−、−CF2O−、−COO−、−OCO−又は−C≡C−を表し、
nM1が2、3又は4であってAM2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、nM1が2、3又は4であってZM1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
XM1及びXM3はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子又はフッ素原子を表し、
XM2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。)
一般式(M)中、RM1は、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
信頼性を重視する場合にはRM1はアルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点はアルケニル基が結合している環構造中の炭素原子を表す。)
AM1及びAM2はそれぞれ独立してΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましく、
下記の構造を表すことがより好ましい。
ZM1及びZM2はそれぞれ独立して−CH2O−、−CF2O−、−CH2CH2−、−CF2CF2−又は単結合を表すことが好ましく、−CF2O−、−CH2CH2−又は単結合が更に好ましく、−CF2O−又は単結合が特に好ましい。
nM1は、0、1、2又は3が好ましく、0、1又は2が好ましく、Δεの改善に重点を置く場合には0又は1が好ましく、Tniを重視する場合には1又は2が好ましい。
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類である。またさらに、本発明の別の実施形態では4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類以上である。
液晶組成物(B)において、一般式(M)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(M)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、液晶組成物(B)のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
一般式(M)で表される化合物は、例えば一般式(M−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中、RM11は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XM11からXM15はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YM11はフッ素原子又はOCF3を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、液晶組成物(B)のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、一般式(M−1)で表される化合物は、具体的には式(M−1.1)から式(M−1.4)で表される化合物であることが好ましく、式(M−1.1)又は式(M−1.2)で表される化合物が好ましく、式(M−1.2)で表される化合物がさらに好ましい。また、式(M−1.1)又は式(M−1.2)で表される化合物を同時に使用することも好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−1.1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、6質量%である。好ましい含有量の上限値は、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−1.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、6質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−1.1)及び式(M−1.2)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、6質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
さらに、一般式(M)で表される化合物は、例えば一般式(M−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中、RM21は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XM21及びXM22はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YM21はフッ素原子、塩素原子又はOCF3を表す。)
液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、液晶組成物(B)のTniを高く保ち、焼きつきの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、一般式(M−2)で表される化合物は、式(M−2.1)から式(M−2.5)で表される化合物であることが好ましく、式(M−2.3)又は/及び式(M−2.5)で表される化合物であることが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−2.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、6質量%である。好ましい含有量の上限値は、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−2.3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、6質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−2.5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、6質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−2.2)、(M−2.3)及び式(M−2.5)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、6質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
含有量は、液晶組成物(B)の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上がより好ましく、8質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、14質量%以上がさらに好ましく、16質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を30質量%以下にとどめることが好ましく、25質量%以下がさらに好ましく、22質量%以下がより好ましく、20質量%未満が特に好ましい。
液晶組成物(B)に使用される一般式(M)で表される化合物は、一般式(M−3)で表される化合物であることが好ましい。
(式中、RM31は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XM31からXM36はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YM31はフッ素原子、塩素原子又はOCF3を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましい。
一般式(M−3)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
さらに、液晶組成物(B)に使用される一般式(M−3)で表される化合物は、具体的には式(M−3.1)から式(M−3.8)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−3.1)及び/又は式(M−3.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−3.1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−3.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−3.1)及び式(M−3.2)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
さらに、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M−4)で表される群より選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中、RM41は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XM41からXM48はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM41はフッ素原子、塩素原子又はOCF3を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種、2種又は3種類以上組み合わせることが好ましい。
一般式(M−4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)が、セルギャップの小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M−4)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M−4)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また、低温の環境で用いられる液晶表示素子用に用いられる場合は一般式(M−4)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。応答速度の速い液晶表示素子に用いられる組成物である場合は、一般式(M−4)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
さらに、液晶組成物(B)に使用される一般式(M−4)で表される化合物は、具体的には式(M−4.1)から式(M−4.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−4.2)から式(M−4.4)で表される化合物を含有することが好ましく、式(M−4.2)で表される化合物を含有することがより好ましい。
さらに、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M−5)で表される化合物であることが好ましい。
(式中、RM51は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XM51及びXM52はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YM51はフッ素原子、塩素原子又はOCF3を表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して、実施形態ごとに適宜組み合わせて使用する。例えば、本発明の一つの実施形態では1種類、別の実施形態では2種類、さらに別の実施形態では3種類、またさらに別の実施形態では4種類、またさらに別の実施形態では5種類、またさらに別の実施形態では6種類以上組み合わせる。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、50質量%であり、45質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、液晶組成物(B)のTniを高く保ち、焼きつきの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、一般式(M−5)で表される化合物は、式(M−5.1)から式(M−5.4)で表される化合物であることが好ましく、式(M−5.1)から式(M−5.4)で表される化合物であることが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
さらに、一般式(M−5)で表される化合物は、式(M−5.11)から式(M−5.17)で表される化合物であることが好ましく、式(M−5.11)、式(M−5.13)及び式(M−5.17)で表される化合物であることが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
さらに、一般式(M−5)で表される化合物は、式(M−5.21)から式(M−5.28)で表される化合物であることが好ましく、式(M−5.21)、式(M−5.22)、式(M−5.23)及び式(M−5.25)で表される化合物であることが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、40質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
さらに、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M−6)で表される化合物であることが好ましい。
(式中、RM61は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XM61からXM64はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM61はフッ素原子、塩素原子又はOCF3を表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して実施形態ごとに適宜組み合わせる。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)が、駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M−6)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また応答速度の速い液晶表示素子に用いられる組成物である場合は、一般式(M−6)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
さらに、一般式(M−6)で表される化合物は具体的には式(M−6.1)から式(M−6.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−6.2)及び式(M−6.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
さらに、一般式(M−6)で表される化合物は具体的には式(M−6.11)から式(M−6.14)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−6.12)及び式(M−6.14)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
さらに、一般式(M−6)で表される化合物は具体的には式(M−6.21)から式(M−6.24)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−6.21)、式(M−6.22)及び式(M−6.24)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
さらに、一般式(M−6)で表される化合物は具体的には式(M−6.31)から式(M−6.34)で表される化合物が好ましい。中でも式(M−6.31)及び式(M−6.32)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
さらに、一般式(M−6)で表される化合物は具体的には式(M−6.41)から式(M−6.44)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−6.42)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
更に、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M−7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中、XM71からXM76はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、RM71は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、YM71はフッ素原子又はOCF3を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種〜2種類含有することが好ましく、1種〜3種類含有することがより好ましく、1種〜4種類含有することが更に好ましい。
一般式(M−7)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−7)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)が、セルギャップの小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M−7)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M−7)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また、低温の環境で用いられる液晶表示素子用に用いられる場合は一般式(M−7)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。応答速度の速い液晶表示素子に用いられる組成物である場合は、一般式(M−7)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
さらに、一般式(M−7)で表される化合物は、式(M−7.1)から式(M−7.4)で表される化合物であることが好ましく、式(M−7.2)で表される化合物であることが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
さらに、一般式(M−7)で表される化合物は、式(M−7.11)から式(M−7.14)で表される化合物であることが好ましく、式(M−7.11)及び式(M−7.12)で表される化合物であることが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
さらに、一般式(M−7)で表される化合物は、式(M−7.21)から式(M−7.24)で表される化合物であることが好ましく、式(M−7.21)及び式(M−7.22)で表される化合物であることが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
さらに、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M−8)で表される化合物であることが好ましい。
(式中、XM81からXM84はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM81はフッ素原子、塩素原子又は−OCF3を表し、RM81は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、AM81及びAM82はそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン基、1,4-フェニレン基又は
を表すが、1,4-フェニレン基上の水素原子はフッ素原子によって置換されていてもよい。)
液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−8)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、液晶組成物(B)に使用される一般式(M−8)で表される化合物は、具体的には式(M−8.1)から式(M−8.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−8.1)及び式(M−8.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
さらに、液晶組成物(B)に使用される一般式(M−8)で表される化合物は、具体的には式(M−8.11)から式(M−8.14)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−8.12)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
さらに、液晶組成物(B)に使用される一般式(M−8)で表される化合物は、具体的には式(M−8.21)から式(M−8.24)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−8.22)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
さらに、液晶組成物(B)に使用される一般式(M−8)で表される化合物は、具体的には式(M−8.31)から式(M−8.34)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−8.32)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
さらに、液晶組成物(B)に使用される一般式(M−8)で表される化合物は、具体的には式(M−8.41)から式(M−8.44)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−8.42)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
さらに、液晶組成物(B)に使用される一般式(M−8)で表される化合物は、具体的には式(M−8.51)から式(M−8.54)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−8.52)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
さらに、一般式(M)で表される化合物は、その構造中に下記の部分構造を有していてもよい。
(式中の黒点は上記部分構造が結合している環構造中の炭素原子を表す。)
上記部分構造を有する化合物として、一般式(M−10)〜(M−18)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(M−10)で表される化合物は下記のものである。
(式中、XM101及びXM102はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM101はフッ素原子、塩素原子又は−OCF3を表し、RM101は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、WM101及びWM102はそれぞれ独立して、−CH2−又は−O−を表す。)
液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−10)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、液晶組成物(B)に使用される一般式(M−10)で表される化合物は、具体的には式(M−10.1)から式(M−10.12)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−10.5)から式(M−10.12)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
一般式(M−11)で表される化合物は下記のものである。
(式中、XM111〜XM114はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM111はフッ素原子、塩素原子又は−OCF3を表し、RM111は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−11)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、液晶組成物(B)に使用される一般式(M−11)で表される化合物は、具体的には式(M−11.1)から式(M−11.8)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−11.1)から式(M−11.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
一般式(M−12)で表される化合物は下記のものである。
(式中、XM121及びXM122はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM121はフッ素原子、塩素原子又は−OCF3を表し、RM121は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、WM121及びWM122はそれぞれ独立して、−CH2−又は−O−を表す。)
液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−12)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、液晶組成物(B)に使用される一般式(M−12)で表される化合物は、具体的には式(M−12.1)から式(M−12.12)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−12.5)から式(M−12.8)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
一般式(M−13)で表される化合物は下記のものである。
(式中、XM131〜XM134はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM131はフッ素原子、塩素原子又は−OCF3を表し、RM131は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、WM131及びWM132はそれぞれ独立して、−CH2−又は−O−を表す。)
液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−13)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、液晶組成物(B)に使用される一般式(M−13)で表される化合物は、具体的には式(M−13.1)から式(M−13.28)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−13.1)から(M−13.4)、(M−13.11)から(M−13.14)、(M−13.25)から(M−13.28)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
一般式(M−14)で表される化合物は下記のものである。
(式中、XM141〜XM144はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM141はフッ素原子、塩素原子又は−OCF3を表し、RM141は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、WM141及びWM142はそれぞれ独立して、−CH2−又は−O−を表す。)
液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−14)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、液晶組成物(B)に使用される一般式(M−14)で表される化合物は、具体的には式(M−14.1)から式(M−14.8)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−14.5)及び式(M−14.8)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
一般式(M−15)で表される化合物は下記のものである。
(式中、XM151及びXM152はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM151はフッ素原子、塩素原子又は−OCF3を表し、RM151は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、WM151及びWM152はそれぞれ独立して、−CH2−又は−O−を表す。)
液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−15)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、液晶組成物(B)に使用される一般式(M−15)で表される化合物は、具体的には式(M−15.1)から式(M−15.14)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−15.5)から式(M−15.8)、式(M−15.11)から式(M−15.14)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
一般式(M−16)で表される化合物は下記のものである。
(式中、XM161〜XM164はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM161はフッ素原子、塩素原子又は−OCF3を表し、RM161は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−16)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、液晶組成物(B)に使用される一般式(M−16)で表される化合物は、具体的には式(M−16.1)から式(M−16.8)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−16.1)から式(M−16.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
一般式(M−17)で表される化合物は下記のものである。
(式中、XM171〜XM174はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM171はフッ素原子、塩素原子又は−OCF3を表し、RM171は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、WM171及びWM172はそれぞれ独立して、−CH2−又は−O−を表す。)
液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−17)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、液晶組成物(B)に使用される一般式(M−17)で表される化合物は、具体的には式(M−17.1)から式(M−17.52)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−17.9)から式(M−17.12)、式(M−17.21)から式(M−17.28)、式(M−17.45)から式(M−17.48)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
一般式(M−18)で表される化合物は下記のものである。
(式中、XM181〜XM186はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、YM181はフッ素原子、塩素原子又は−OCF3を表し、RM181は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−18)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、液晶組成物(B)に使用される一般式(M−18)で表される化合物は、具体的には式(M−18.1)から式(M−18.12)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−18.5)から式(M−18.8)で表される化合物を含有することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)は、一般式(K)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。これら化合物は誘電的に正の化合物(Δεが2より大きい。)に該当する。
(式中、RK1は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH2−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
nK1は、0、1、2、3又は4を表し、
AK1及びAK2はそれぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−は−O−又は−S−に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)及び基(b)上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
ZK1及びZK2はそれぞれ独立して単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−OCF2−、−CF2O−、−COO−、−OCO−又は−C≡C−を表し、
nK1が2、3又は4であってAK2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、nK1が2、3又は4であってZK1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
XK1及びXK3はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子又はフッ素原子を表し、
XK2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。)
一般式(K)中、RK1は、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
信頼性を重視する場合にはRK1はアルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点はアルケニル基が結合している環構造中の炭素原子を表す。)
AK1及びAK2はそれぞれ独立してΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましく、
下記の構造を表すことがより好ましい。
ZK1及びZK2はそれぞれ独立して−CH2O−、−CF2O−、−CH2CH2−、−CF2CF2−又は単結合を表すことが好ましく、−CF2O−、−CH2CH2−又は単結合が更に好ましく、−CF2O−又は単結合が特に好ましい。
nK1は、0、1、2又は3が好ましく、0、1又は2が好ましく、Δεの改善に重点を置く場合には0又は1が好ましく、Tniを重視する場合には1又は2が好ましい。
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類である。またさらに、本発明の別の実施形態では4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類以上である。
液晶組成物(B)において、一般式(K)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(K)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、液晶組成物(B)のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
一般式(K)で表される化合物は、例えば一般式(K−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中、RK11は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XK11〜XK14はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YK11はフッ素原子又はOCF3を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(K−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、液晶組成物(B)のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、一般式(K−1)で表される化合物は、具体的には式(K−1.1)から式(K−1.4)で表される化合物であることが好ましく、式(K−1.1)又は式(K−1.2)で表される化合物が好ましく、式(K−1.2)で表される化合物がさらに好ましい。また、式(K−1.1)又は式(K−1.2)で表される化合物を同時に使用することも好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
一般式(K)で表される化合物は、例えば一般式(K−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中、RK21は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XK21〜XK24はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YK21はフッ素原子又はOCF3を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(K−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、液晶組成物(B)のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、一般式(K−2)で表される化合物は、具体的には式(K−2.1)から式(K−2.6)で表される化合物であることが好ましく、式(K−2.5)又は式(K−2.6)で表される化合物が好ましく、式(K−2.6)で表される化合物がさらに好ましい。また、式(K−2.5)又は式(K−2.6)で表される化合物を同時に使用することも好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
一般式(K)で表される化合物は、例えば一般式(K−3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中、RK31は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XK31〜XK36はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YK31はフッ素原子又はOCF3を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(K−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、液晶組成物(B)のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、一般式(K−3)で表される化合物は、具体的には式(K−3.1)から式(K−3.4)で表される化合物であることが好ましく、式(K−3.1)又は式(K−3.2)で表される化合物であることがより好ましい。また、式(K−3.1)および式(K−3.2)で表される化合物を同時に使用することも好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
一般式(K)で表される化合物は、例えば一般式(K−4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中、RK41は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XK41〜XK46はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YK41はフッ素原子又はOCF3を表し、ZK41は−OCH2−、−CH2O−、−OCF2−又は−CF2O−を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(K−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、液晶組成物(B)のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、一般式(K−4)で表される化合物は、具体的には式(K−4.1)から式(K−4.18)で表される化合物であることが好ましく、式(K−4.1)、式(K−4.2)、式(K−4.11)、(K−4.12)で表される化合物がより好ましい。また、式(K−4.1)、式(K−4.2)、式(K−4.11)、(K−4.12)で表される化合物を同時に使用することも好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
一般式(K)で表される化合物は、例えば一般式(K−5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中、RK51は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XK51〜XK56はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YK51はフッ素原子又はOCF3を表し、ZK51は−OCH2−、−CH2O−、−OCF2−又は−CF2O−を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(K−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、液晶組成物(B)のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、一般式(K−5)で表される化合物は、具体的には式(K−5.1)から式(K−5.18)で表される化合物であることが好ましく、式(K−5.11)から式(K−5.14)で表される化合物が好ましく、式(K−5.12)で表される化合物がさらに好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
一般式(K)で表される化合物は、例えば一般式(K−6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中、RK61は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、XK61〜XK68はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、YK61はフッ素原子又はOCF3を表し、ZK61は−OCH2−、−CH2O−、−OCF2−又は−CF2O−を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(K−6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、液晶組成物(B)のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
さらに、一般式(K−6)で表される化合物は、具体的には式(K−6.1)から式(K−6.18)で表される化合物であることが好ましく、式(K−6.15)から式(K−6.18)で表される化合物が好ましく、式(K−6.16)及び式(K−6.17)で表される化合物がさらに好ましい。また、式(K−6.16)と式(K−6.17)で表される化合物を同時に使用することも好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
誘電率の異方性がほぼ無い液晶組成物は、下記一般式(L)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。一般式(L)で表される化合物は誘電的にほぼ中性の化合物(Δεの値が−2〜2)に該当する。
(式中、RL1及びRL2はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、又は炭素原子数2〜8のアルキル鎖中に存在する1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−がそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換された化学構造を有する有機基を表し、
nL1は0、1、2又は3を表し、
AL1、AL2及びAL3は、それぞれ独立して
(a)1,4−シクロヘキシレン基、
(b)1,4−シクロヘキシレン構造中に存在する1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−が−O−に置き換えられた化学構造を有する2価の有機基、
(c)1,4−フェニレン基、
(d)1,4−フェニレン構造中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=が−N=に置き換えられた化学構造を有する2価の有機基、
(e) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、及び
(f)ナフタレン−2,6−ジイル構造又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル構造中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられた構造を有する2価の有機基からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)、基(c)、基(d)、基(e)、及び基(f)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
ZL1及びZL2はそれぞれ独立して単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、
nL1が2又は3であってAL2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、nL1が2又は3であってZL2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い(但し、一般式(N−1)、(N−2)、(N−3)、(N−4)及び(J)で表される化合物に該当するものを除く。)
一般式(L)で表される化合物は単独で用いてもよいが、組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類であり、8種類であり、9種類であり、10種類以上である。
液晶組成物(B)において、一般式(L)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。好ましい含有量の上限値は、95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。さらに、液晶組成物(B)のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を低く上限値が低いことが好ましい。
信頼性を重視する場合にはRL1及びRL2はともにアルキル基であることが好ましく、化合物の揮発性を低減させることを重視する場合にはアルコキシ基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合には少なくとも一方はアルケニル基であることが好ましい。
分子内に存在するハロゲン原子は0、1、2又は3個が好ましく、0又は1が好ましく、他の液晶分子との相溶性を重視する場合には1が好ましい。
RL1及びRL2は、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
nL1は応答速度を重視する場合には0が好ましく、ネマチック相の上限温度を改善するためには2又は3が好ましく、これらのバランスをとるためには1が好ましい。また、組成物として求められる特性を満たすためには異なる値の化合物を組み合わせることが好ましい。
AL1、AL2及びAL3はΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、それぞれ独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、その他下記構造式
で表されるテトラヒドロフラン又はジオキサン骨格を有する基であることが好ましい。
これらのなかでも特に下記の構造を表すことがより好ましく、
特にトランス−1,4−シクロへキシレン基はΔnを下げたい場合に有用であり、また、低粘度下を図ることができる点から好ましく、また、1,4−フェニレン基が、Δnを上げたい場合に有用である点からより好ましい。
ZL1及びZL2は応答速度を重視する場合には単結合であることが好ましい。
一般式(L)で表される化合物は分子内のハロゲン原子数が0個又は1個であることが好ましい。
一般式(L)で表される化合物は一般式(L−1)〜(L−8)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
一般式(L−1)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RL11及びRL12はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
RL11及びRL12は、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
一般式(L−1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
好ましい含有量の下限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、15質量%であり、20質量%であり、25質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%であり、45質量%であり、50質量%であり、55質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、95質量%であり、90質量%であり、85質量%であり、80質量%であり、75質量%であり、70質量%であり、65質量%であり、60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%である。
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。さらに、液晶組成物(B)のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値が中庸で上限値が中庸であることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(L−1−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中RL12は一般式(L−1)における意味と同じ意味を表す。)
一般式(L−1−1)で表される化合物は、式(L−1−1.1)から式(L−1−1.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−1−1.2)又は式(L−1−1.3)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−1−1.3)で表される化合物であることが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−1.3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(L−1−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中RL12は一般式(L−1)における意味と同じ意味を表す。)
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、35質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、42質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%である。
さらに、一般式(L−1−2)で表される化合物は、式(L−1−2.1)から式(L−1−2.4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−1−2.2)から式(L−1−2.4)で表される化合物であることが好ましい。特に、式(L−1−2.2)で表される化合物は液晶組成物(B)の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L−1−2.3)又は式(L−1−2.4)で表される化合物を用いることが好ましい。式(L−1−2.3)及び式(L−1−2.4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解度を良くするために30質量%以上にすることは好ましくない。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−2.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、10質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%であり、38質量%であり、40質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、43質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、32質量%であり、30質量%であり、27質量%であり、25質量%であり、22質量%である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−1.3)で表される化合物及び式(L−1−2.2)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、10質量%であり、15質量%であり、20質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、43質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、32質量%であり、30質量%であり、27質量%であり、25質量%であり、22質量%である。
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(L−1−3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中RL13及びRL14はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表す。)
RL13及びRL14は、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、40質量%であり、37質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、27質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%である。
さらに、一般式(L−1−3)で表される化合物は、式(L−1−3.1)から式(L−1−3.12)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)又は式(L−1−3.4)で表される化合物であることが好ましい。特に、式(L−1−3.1)で表される化合物は液晶組成物(B)の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)、式(L−1−3.11)及び式(L−1−3.12)で表される化合物を用いることが好ましい。式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)、式(L−1−3.11)及び式(L−1−3.12)で表される化合物の合計の含有量は、低温での溶解度を良くするために20質量%以上にすることは好ましくない。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−3.1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%である。
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(L−1−4)及び/又は(L−1−5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中RL15及びRL16はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表す。)
RL15及びRL16は、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%である。
さらに、一般式(L−1−4)及び(L−1−5)で表される化合物は、式(L−1−4.1)から式(L−1−5.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−1−4.2)又は式(L−1−5.2)で表される化合物であることが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−4.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%である。
式(L−1−1.3)、式(L−1−2.2)、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)、式(L−1−3.11)及び式(L−1−3.12)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、式(L−1−1.3)、式(L−1−2.2)、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)及び式(L−1−4.2)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、これら化合物の合計の含有量の好ましい含有量の下限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%であり、上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、80質量%であり、70質量%であり、60質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、40質量%であり、37質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%である。組成物の信頼性を重視する場合には、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)及び式(L−1−3.4))で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、組成物の応答速度を重視する場合には、式(L−1−1.3)、式(L−1−2.2)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましい。
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(L−1−6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中RL17及びRL18はそれぞれ独立してメチル基又は水素原子を表す。)
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、35質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、42質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%である。
さらに、一般式(L−1−6)で表される化合物は、式(L−1−6.1)から式(L−1−6.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
一般式(L−2)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RL21及びRL22はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
RL21は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、RL22は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
一般式(L−1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、反対に、応答速度を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。
さらに、一般式(L−2)で表される化合物は、式(L−2.1)から式(L−2.6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−2.1)、式(L−2.3)、式(L−2.4)及び式(L−2.6)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(L−3)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RL31及びRL32はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
RL31及びRL32はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
一般式(L−3)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。
高い複屈折率を得る場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、反対に、高いTniを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
さらに、一般式(L−3)で表される化合物は、式(L−3.1)から式(L−3.4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−3.2)から式(L−3.7)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(L−4)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RL41及びRL42はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
RL41は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、RL42は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。)
一般式(L−4)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物(B)において、一般式(L−4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、14質量%であり、16質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、26質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%である。液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−4)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%であり、5質量%である。
一般式(L−4)で表される化合物は、例えば式(L−4.1)から式(L−4.3)で表される化合物であることが好ましい。
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L−4.1)で表される化合物を含有していても、式(L−4.2)で表される化合物を含有していても、式(L−4.1)で表される化合物と式(L−4.2)で表される化合物との両方を含有していても良いし、式(L−4.1)から式(L−4.3)で表される化合物を全て含んでいても良い。液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−4.1)又は式(L−4.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、9質量%であり、11質量%であり、12質量%であり、13質量%であり、18質量%であり、21質量%であり、好ましい上限値は、45であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
式(L−4.1)で表される化合物と式(L−4.2)で表される化合物との両方を含有する場合は、液晶組成物(B)の総量に対しての両化合物の好ましい含有量の下限値は、15質量%であり、19質量%であり、24質量%であり、30質量%であり、好ましい上限値は、45であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(L−4)で表される化合物は、例えば式(L−4.4)から式(L−4.6)で表される化合物であることが好ましく、式(L−4.4)で表される化合物であることが好ましい。
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L−4.4)で表される化合物を含有していても、式(L−4.5)で表される化合物を含有していても、式(L−4.4)で表される化合物と式(L−4.5)で表される化合物との両方を含有していても良い。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−4.4)又は式(L−4.5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、9質量%であり、11質量%であり、12質量%であり、13質量%であり、18質量%であり、21質量%である。好ましい上限値は、45であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
式(L−4.4)で表される化合物と式(L−4.5)で表される化合物との両方を含有する場合は、液晶組成物(B)の総量に対しての両化合物の好ましい含有量の下限値は、15質量%であり、19質量%であり、24質量%であり、30質量%であり、好ましい上限値は、45であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
一般式(L−4)で表される化合物は、式(L−4.7)から式(L−4.10)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−4.9)で表される化合物が好ましい。
一般式(L−5)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RL51及びRL52はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
RL51は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、RL52は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
一般式(L−5)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物(B)において、一般式(L−5)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、14質量%であり、16質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、26質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%である。液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−5)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%であり、5質量%である
一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.1)又は式(L−5.2)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−5.1)で表される化合物であることが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、9質量%である。
一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.3)又は式(L−5.4)で表される化合物であることが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、9質量%である。
一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.5)から式(L−5.7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、特に式(L−5.7)で表される化合物であることが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、9質量%である。
一般式(L−6)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RL61及びRL62はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表し、XL61及びXL62はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)
RL61及びRL62はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、XL61及びXL62のうち一方がフッ素原子他方が水素原子であることが好ましい。
一般式(L−6)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、14質量%であり、16質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、26質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%である。液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−6)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%であり、5質量%である。Δnを大きくすることに重点を置く場合には含有量を多くした方が好ましく、低温での析出に重点を置いた場合には含有量は少ない方が好ましい。
一般式(L−6)で表される化合物は、式(L−6.1)から式(L−6.9)で表される化合物であることが好ましい。
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種〜3種類含有することが好ましく、1種〜4種類含有することがさらに好ましい。また、選ぶ化合物の分子量分布が広いことも溶解性に有効であるため、例えば、式(L−6.1)又は(L−6.2)で表される化合物から1種類、式(L−6.4)又は(L−6.5)で表される化合物から1種類、式(L−6.6)又は式(L−6.7)で表される化合物から1種類、式(L−6.8)又は(L−6.9)で表される化合物から1種類の化合物を選び、これらを適宜組み合わせることが好ましい。その中でも、式(L−6.1)、式(L−6.3)式(L−6.4)、式(L−6.6)及び式(L−6.9)で表される化合物を含むことが好ましい。
さらに、一般式(L−6)で表される化合物は、例えば式(L−6.10)から式(L−6.17)で表される化合物であることが好ましく、その中でも、式(L−6.11)で表される化合物であることが好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、9質量%である。
一般式(L−7)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RL71及びRL72はそれぞれ独立して一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表し、AL71及びAL72はそれぞれ独立して一般式(L)におけるAL2及びAL3と同じ意味を表すが、AL71及びAL72上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、ZL71は一般式(L)におけるZL2と同じ意味を表し、XL71及びXL72はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表す。)
式中、RL71及びRL72はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、AL71及びAL72はそれぞれ独立して1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基が好ましく、AL71及びAL72上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、ZL71は単結合又はCOO−が好ましく、単結合が好ましく、XL71及びXL72は水素原子が好ましい。
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類である。
液晶組成物(B)において、一般式(L−7)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−7)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、14質量%であり、16質量%であり、20質量%である。液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−7)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、10質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)が高いTniの実施形態が望まれる場合は式(L−7)で表される化合物の含有量を多めにすることが好ましく、低粘度の実施形態が望まれる場合は含有量を少なめにすることが好ましい。
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.1)から式(L−7.4)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.2)で表される化合物であることが好ましい。
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.11)から式(L−7.13)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.11)で表される化合物であることが好ましい。
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.21)から式(L−7.23)で表される化合物である。式(L−7.21)で表される化合物であることが好ましい。
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.31)から式(L−7.34)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.31)又は/及び式(L−7.32)で表される化合物であることが好ましい。
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.41)から式(L−7.44)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.41)又は/及び式(L−7.42)で表される化合物であることが好ましい。
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.51)から式(L−7.53)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(L−8)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、RL81及びRL82はそれぞれ独立して一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表し、AL81は一般式(L)におけるAL1と同じ意味又は単結合を表すが、AL81上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、XL81〜XL86はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表す。)
式中、RL81及びRL82はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、AL81は1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基が好ましく、AL71及びAL72上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、一般式(L−8)中の同一の環構造上にフッ素原子は0個又は1個が好ましく、分子内にフッ素原子は0個又は1個であることが好ましい。
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類である。
液晶組成物(B)において、一般式(L−8)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−8)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、14質量%であり、16質量%であり、20質量%である。液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−8)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、10質量%であり、5質量%である。
液晶組成物(B)が高いTniの実施形態が望まれる場合は式(L−8)で表される化合物の含有量を多めにすることが好ましく、低粘度の実施形態が望まれる場合は含有量を少なめにすることが好ましい。
さらに、一般式(L−8)で表される化合物は、式(L−8.1)から式(L−8.4)で表される化合物であることが好ましく、式(L−8.3)、式(L−8.5)、式(L−8.6)、式(L−8.13)、式(L−8.16)から式(L−8.18)、式(L−8.23)から式(L−8.28)で表される化合物であることがより好ましい。
液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(L)、(N−1)、(N−2)、(N−3)、(N−4)及び(J)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、80質量%であり、85質量%であり、88質量%であり、90質量%であり、92質量%であり、93質量%であり、94質量%であり、95質量%であり、96質量%であり、97質量%であり、98質量%であり、99質量%であり、100質量%である。好ましい含有量の上限値は、100質量%であり、99質量%であり、98質量%であり、95質量%である。ただし、Δεの絶対値が大きい組成物を得る観点からは、一般式(N−1)、(N−2)、(N−3)、(N−4)及び(J)で表される化合物のいずれか一つは0質量%であることが好ましい。
液晶組成物(B)は、分子内に過酸(−CO−OO−)構造等の酸素原子同士が結合した構造を持つ化合物を含有しないことが好ましい。
組成物の信頼性及び長期安定性を重視する場合にはカルボニル基を有する化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して5質量%以下とすることが好ましく、3質量%以下とすることがより好ましく、1質量%以下とすることが更に好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。
UV照射による安定性を重視する場合、塩素原子が置換している化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して15質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることが好ましく、8質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、3質量%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を多くすることが好ましく、分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して80質量%以上とすることが好ましく、90質量%以上とすることがより好ましく、95質量%以上とすることが更に好ましく、実質的に分子内の環構造がすべて6員環である化合物のみで組成物を構成することが最も好ましい。
組成物の酸化による劣化を抑えるためには、環構造としてシクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を少なくすることが好ましく、シクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10質量%以下とすることが好ましく、8質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、3質量%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
粘度の改善及びTniの改善を重視する場合には、水素原子がハロゲンに置換されていてもよい2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を少なくすることが好ましく、前記2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10質量%以下とすることが好ましく、8質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、3質量%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
本願において実質的に含有しないとは、意図せずに含有する物を除いて含有しないという意味である。
液晶組成物(B)に含有される化合物が、側鎖としてアルケニル基を有する場合、前記アルケニル基がシクロヘキサンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は2〜5であることが好ましく、前記アルケニル基がベンゼンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は4〜5であることが好ましく、前記アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
液晶組成物(B)に使用される液晶組成物の平均弾性定数(KAVG)は10から25が好ましいが、その下限値としては、10が好ましく、10.5が好ましく、11が好ましく、11.5が好ましく、12が好ましく、12.3が好ましく、12.5が好ましく、12.8が好ましく、13が好ましく、13.3が好ましく、13.5が好ましく、13.8が好ましく、14が好ましく、14.3が好ましく、14.5が好ましく、14.8が好ましく、15が好ましく、15.3が好ましく、15.5が好ましく、15.8が好ましく、16が好ましく、16.3が好ましく、16.5が好ましく、16.8が好ましく、17が好ましく、17.3が好ましく、17.5が好ましく、17.8が好ましく、18が好ましく、その上限値としては、25が好ましく、24.5が好ましく、24が好ましく、23.5が好ましく、23が好ましく、22.8が好ましく、22.5が好ましく、22.3が好ましく、22が好ましく、21.8が好ましく、21.5が好ましく、21.3が好ましく、21が好ましく、20.8が好ましく、20.5が好ましく、20.3が好ましく、20が好ましく、19.8が好ましく、19.5が好ましく、19.3が好ましく、19が好ましく、18.8が好ましく、18.5が好ましく、18.3が好ましく、18が好ましく、17.8が好ましく、17.5が好ましく、17.3が好ましく、17が好ましい。消費電力削減を重視する場合にはバックライトの光量を抑えることが有効であり、液晶表示素子は光の透過率を向上させることが好ましく、そのためにはKAVGの値を低めに設定することが好ましい。応答速度の改善を重視する場合にはKAVGの値を高めに設定することが好ましい。
液晶組成物(B)では、回転粘度と屈折率異方性の関数であるZが特定の値を示すことが好ましい。
(式中、γ1は回転粘度を表し、Δnは屈折率異方性を表す。)
Zは、13000以下が好ましく、12000以下がより好ましく、11000以下が特に好ましい。
液晶組成物(B)は、アクティブマトリクス表示素子に使用する場合においては、1012(Ω・m)以上の比抵抗を有することが必要であり、1013(Ω・m)が好ましく、1014(Ω・m)以上がより好ましい。
本発明に用いる重合性化合物の重合方法としては、前記した重合開始剤(C)を用いてラジカル重合により重合することができる。
液晶表示素子製造用の重合性液晶組成物としては、ラジカル重合性単量体成分(A)、液晶組成物(B)、及び化合物(C)を必須成分として用いることができるが、前記ラジカル重合性単量体成分(A)を重合性液晶組成物中、0.5〜20質量%、好ましくは1〜10質量%となる割合で用いることができる。
本発明に用いられる液晶表示素子製造用の重合性液晶組成物は、0.5質量%〜20質量%のラジカル重合性単量体成分(A)を含有することで、一軸性の光学異方性、又は一軸性の屈折率異方性又は配向容易軸方向を有するポリマーネットワークを形成するものであることが好ましく、該ポリマーネットワークの光学軸又は配向容易軸と低分子液晶の配向容易軸が略一致するように形成されていることがより好ましい。尚、該ポリマーネットワークには、複数のポリマーネットワークが集合することにより高分子薄膜を形成したポリマーバインダも含まれる。ポリマーバインダは、一軸配向性を示す屈折率異方性を有しており、該薄膜に低分子液晶が分散され、該薄膜の一軸性の光学軸と低分子液晶の光学軸が略同一方向へ揃っていることが特徴である。
従って、これにより、光散乱型液晶である高分子分散型液晶又はポリマーネットワーク型液晶とは異なり光散乱が起こらず偏光を用いた液晶表示素子に於いて高コントラストな表示が得られる点と、立下り時間を短くして液晶素子の応答性を向上させることが特徴である。更に、本発明に用いられる液晶表示素子製造用の重合性液晶組成物は、ポリマーネットワーク層を液晶表示素子全体に形成させる場合、液晶素子基板上にポリマーの薄膜層を形成させてプレチルトを誘起させるPSA(Polymer Sustained Alignment)型液晶組成物と区別することができる。
何れの濃度に於いてもTgの異なるラジカル重合性単量体成分(A)を少なくとも二種類以上含有させて必要に応じてTgを調整することが好ましい。Tgが高いポリマーの前駆体であるラジカル重合性単量体成分(A)は、架橋密度が高くなる分子構造を有するラジカル重合性単量体成分(A)であって、官能基数が2以上であることが好ましい。又、Tgが低いポリマーの前駆体は、官能基数が1であるか、又は2以上であって、官能基間にスペーサとしてアルキレン基等を有し分子長を長くした構造であることが好ましい。ポリマーネットワークの熱的安定性や耐衝撃性向上に対応することを目的にポリマーネットワークのTgを調整する場合、多官能モノマーと単官能モノマーの比率を適宜調整することが好ましい。又、Tgはポリマーネットワークの主鎖、及び側鎖に於ける分子レベルの熱的な運動性とも関連しており、電気光学特性にも影響を及ぼしている。例えば、架橋密度を高くすると主鎖の分子運動性が下がり低分子液晶とのアンカーリング力が高まり駆動電圧が高くなると共に立下り時間が短くなる。一方、Tgが下がるように架橋密度を下げるとポリマー主鎖の熱運動性が上がることにより、低分子液晶とのアンカーリング力が下がり駆動電圧が下がり立下り時間が長くなる傾向を示す。ポリマーネットワーク界面に於けるアンカーリング力は、上述のTgの他にポリマー側鎖の分子運動性にも影響され、1価もしくは2価であり、かつ炭素原子数が8〜18のアルコール化合物のアクリレートもしくはメタクリレートをラジカル重合性単量体成分(A)として用いることでポリマー界面のアンカーリング力が下げられる。又、このようなラジカル重合性単量体成分(A)は、基板界面でプレチルト角を誘起させるのに有効で極角方向のアンカーリング力を下げる方向に作用する。
液晶表示素子製造用の重合性液晶組成物が液晶相を示した状態で、液晶表示素子製造用の重合性液晶組成物中のラジカル重合性単量体成分(A)を重合させることにより、分子量が増加して液晶組成物(B)と重合体(もしくは共重合体)に相分離させる。二相に分離する形態は、含有する液晶組成物(B)の種類やモノマーの種類に大きく依存して異なる。液晶組成物(B)中にモノマー相が無数に島状の核として発生して成長するバイノーダル分解で相分離構造を形成しても良く、液晶組成物(B)中にモノマー相との濃度の揺らぎから相分離するスピノーダル分解により相分離構造を形成しても良い。バイノーダル分解によるポリマーネットワークを形成させるには、モノマーの反応速度が速い化合物を用いることにより可視光の波長より小さい大きさのモノマーの核を無数に発生させて線状に連結させる構造によりナノオーダーの相分離構造が形成されるので好ましい。結果としてモノマー相に於ける重合が進むと相分離構造に依存して可視光の波長より短い空隙間隔のポリマーネットワークが形成される。一方、ポリマーネットワークの空隙は液晶組成物(B)相の相分離によるもので、この空隙の大きさが可視光の波長より小さいと、光散乱性が無く高コントラストで、且つポリマーネットワークからのアンカーリング力の影響が強まり立下り時間が短くなり高速応答の液晶表示素子が得られるようになり特に好ましい。バイノーダル分解に於けるモノマー相の核生成は、化合物の種類や組合せによる相溶性の変化や、反応速度、温度等のパラメータに影響され適宜必要に応じて調整することが好ましい。反応速度は、紫外線重合の場合は、モノマーの官能基や重合開始剤の種類及び含有量、紫外線照射強度によるもので反応性を促進するように紫外線照射条件を適宜調整すれば良く、少なくとも2mW/cm2以上の紫外線照射強度が好ましい。スピノーダル分解では周期性のある二相の濃度の揺らぎによる相分離微細構造が得られるので可視光波長より小さい均一な空隙間隔を容易に形成するので好ましい。ラジカル重合性単量体成分(A)含有量を増加すると、温度の影響で液晶組成物(B)高濃度相とモノマー高濃度相との二相分離する相転移温度が存在する。二相分離転移温度より高い温度では等方相を示すが、低いと分離が起こり均一な相分離構造が得られず好ましくない。温度変化により二相分離する場合は、二相分離温度より高い温度に於いて相分離構造を形成させることが好ましい。上述した何れの場合も、液晶組成物(B)の配向状態と同様の配向状態を保持しながらポリマーネットワークが形成される。この時、重合相分離構造がポリマーネットワークの間隔、密度に密接に関連するが、重合相分離構造形成過程に於いて、モノマー高濃度相と液晶高濃度相の二相を形成されることを述べたが、光開始剤は、モノマー又は液晶の何れかの親和性の高い方に集まり易くなり濃度の局在化が起こる。光開始剤がモノマー高濃度相に偏在化すると、モノマーの重合が促進される。しかし、液晶高濃度相に残存するモノマーの重合が進み難くなる。光開始剤濃度が低くなった液晶高濃度相中の残存モノマーは、モノマー高濃度相へ凝集性などの作用により集まることで架橋する。この逆は、液晶高濃度相の残存モノマーの重合が促進されるようになり、液晶中の残存モノマーの分子量が増加すると伴に、新たに重合相分離構造を形成する場合やモノマー高濃度相へ凝集する場合などが考えられ、液晶高濃度相の残存モノマーは液晶相に溶存する光開始剤の効果で重合が進み易くなるので好ましい。又、液晶高濃度相の残存モノマーが光開始剤の効果で重合相分離が進み新たにポリマーネットワークを形成することも好ましい。
形成されたポリマーネットワークは、液晶組成物(B)の配向に倣うように光学異方性を示す。ポリマーネットワーク中の液晶層の形態としては、ポリマーの3次元ネットワーク構造中に液晶組成物(B)が連続層をなす構造、液晶組成物(B)のドロップレットがポリマー中に分散している構造、又は両者が混在する構造、更に、両基板面を起点にポリマーネットワーク層が存在し、対面基板との中心付近では液晶層のみである構造が挙げられる。何れもの構造もポリマーネットワークの作用により0〜90°のプレチルト角が液晶素子基板界面に対して誘起されていることが好ましい。形成するポリマーネットワークは、共存する液晶組成物(B)を液晶セルの配向膜が示す配向方向へ配向させる機能を有することが好ましく、更に、ポリマー界面方向に対して低分子液晶をプレチルトさせる機能を有していることも好ましい。ポリマー界面に対して低分子液晶をプレチルトさせるモノマーを導入すると透過率の向上や液晶素子の駆動電圧を低くさせるのに有用で好ましい。又、屈折率異方性を有しても良く、配向方向へ液晶を配向させる機能は、メソゲン基を有するモノマーを用いることが好ましい。又、電圧を印加しながら紫外線照射等によりポリマーネットワークを形成させてプレチルトを形成させても良い。
VAモード等の垂直配向セルを適用する場合には、モノマーとして垂直配向を誘起するメソゲン基を有さず、1価もしくは2価であり、かつ炭素原子数が8〜18のアルコール化合物のアクリレートもしくはメタクリレートをモノマーとして用いても良く、メソゲン基を有するモノマーとの併用でも好ましい。液晶表示素子製造用の重合性液晶組成物を用いて相分離重合により垂直配向セル内にポリマーネットワークが形成された場合は、繊維状、又は柱状のポリマーネットワークが液晶セル基板に対して液晶組成物(B)の垂直方向と略同一の方向に形成されていることが好ましい。又、セル基板表面にある垂直配向膜に液晶が傾斜配向を誘起するようにラビング処理等を施してプレチルト角を誘起するようにした垂直配向膜が用いられた場合は、プレチルトして配向している液晶組成物(B)と同方向に繊維状、又は柱状のポリマーネットワークが傾斜して形成されていることが好ましい。ポリマーネットワークの傾斜は、基板界面で自発的に起こるようにモノマーを選定しても良い。又、電圧を印加して液晶を傾斜配向状態にして紫外線等を照射させてポリマーネットワークを形成させても良い。
更に、電圧を印加しながらプレチルト角を誘起する方法としては、液晶表示素子製造用の液晶の閾値電圧よりも0.9V程度低い電圧から2V程度高い電圧の範囲で電圧を印加しながら重合させても良いし、閾値電圧以上の電圧をポリマーネットワーク形成過程中に数秒〜数十秒の短時間印加した後、閾値電圧未満にしてポリマーネットワークを形成させても良い。繊維状又は柱状のポリマーネットワークが透明基板平面に対して90度〜80度のプレチルト角を誘起するように傾斜して形成されるのでより好ましく、90度〜85度のプレチルト角が好ましく、89.9度〜85度のプレチルト角が好ましく、89.9度〜87度のプレチルト角が好ましく、89.9度〜88度のプレチルト角が好ましい。何れの方法で形成された繊維状、又は柱状のポリマーネットワークは、二枚のセル基板間を連結していることが特徴である。これにより、プレチルト角の熱的安定性が向上して液晶表示素子の信頼性を高められる。
他に、繊維状、又は柱状のポリマーネットワークを傾斜配向させて形成することにより液晶組成物(B)のプレチルト角を誘起させる方法として、官能基とメソゲン基の間にあるアルキレン基の炭素原子数が6以上のプレチルト角の誘起角度が小さい二官能アクリレートと官能基と、メソゲン基の間にあるアルキレン基の炭素原子数が5以上のプレチルト角の誘起角度が大きい二官能アクリレートを組合せ用いる方法が挙げられる。これらの化合物の配合比を調整することにより所望のプレチルト角を界面近傍で誘起させることができる。
更に、可逆性の光配向機能を有するモノマーを少なくとも0.01質量%以上1質量%以下の範囲で添加して繊維状、又は柱状のポリマーネットワークを形成させる方法が挙げられる。この場合、トランス体に於いて低分子液晶と同様の棒状の形態になり低分子液晶の配向状態へ影響を及ぼす。液晶表示素子製造用の重合性液晶組成物に含有されている該トランス体は、紫外線をセル上面から平行光として照射すると紫外線の進む方向と該棒状の分子長軸方向が平行になるように揃い、低分子液晶も同時に該トランス体の分子長軸方向へ揃うように配向する。セルに対して傾斜して紫外線を照射すると、該トランス体の分子長軸が傾斜方向に向き液晶を紫外線の傾斜方向へ配向させるようになる。即ち、プレチルト角を誘起するようになり光配向機能を示す。この段階でモノマーを架橋させると誘起したプレチルト角が重合相分離で形成された繊維状、又は柱状のポリマーネットワークにより固定化される。従って、VAモードで重要なプレチルト角の誘起は、電圧印加しながら重合相分離させる方法、誘起するプレチルト角が異なるモノマーを複数添加して重合相分離させる方法、可逆性の光配向機能を有するモノマーが示す光配向機能を用いて紫外線が進む方向へ液晶組成物(B)及びモノマーを配向させ重合相分離する方法を必要に応じて用い本発明の液晶素子を作製することができる。
光配向機能を有するモノマーは、紫外線を吸収してトランス体になる光異性化合物であっても良く、紫外線を吸収してシス体になる光異性化化合物であっても良い。更に、光配向機能を有するモノマーの反応速度が光配向機能を有するモノマー以外のモノマーの反応速度より遅いことが好ましい。紫外線照射されると、直ちに光配向機能を有するモノマーはトランス体になり光の進む方向に配向すると、周囲のモノマーや非重合液晶組成物も同様の方向へ配向する。この時、重合相分離が進行して液晶組成物(B)とポリマーネットワークの配向容易軸方向が光配向機能を有するモノマーの配向容易軸と同一方向へ揃い紫外線光が進む方向へプレチルト角が誘起される。
更に、IPSやFFSモード等の平行配向セルを適用する場合には、液晶表示素子製造用の液晶組成物を用いて相分離重合により繊維状、又は柱状のポリマーネットワークが液晶セル基板面に有る配向膜の配向方向に対して液晶組成物(B)は平行配向するが、形成された繊維状、又は柱状のポリマーネットワークの屈折率異方性又は配向容易軸方向と液晶組成物(B)の配向方向と略同一の方向に形成されていることが好ましい。更に、繊維状、又は柱状のポリマーネットワークは、液晶組成物(B)が分散している空隙を除いて略セル全体に存在していることがより好ましい。ポリマー界面方向に対して該プレチルト角を誘起させることを目的に、1価もしくは2価であり、かつ炭素原子数が8〜18のアルコール化合物のアクリレートもしくはメタクリレートをモノマーとして、メソゲン基を有するモノマーと用いることが好ましい。
更に、電気光学特性は、ポリマーネットワーク界面の表面積、及びポリマーネットワークの空隙間隔に影響されるが、光散乱を起こさないことが重要で、平均空隙間隔を可視光の波長より小さくすることが好ましい。例えば、該界面の表面積を広げて該空隙間隔を小さくさせるにはモノマー組成物含有量を増加させる方法がある。これにより、重合相分離構造が変化して該空隙間隔が微細になることにより該界面の表面積が増加するようにポリマーネットワークが形成され駆動電圧、及び立ち下がり時間が短くなる。重合相分離構造は、重合温度にも影響される。
本発明に於いては、相分離速度を速くして重合させることで微細な空隙を有する相分離構造が得られるようにすることが好ましい。相分離速度は、低分子液晶とモノマーとの相溶性や重合速度に大きく影響される。化合物の分子構造や含有量に大きく依存するので適宜組成を調整して使用することが好ましい。該相溶性が高い場合は、該重合速度の高いモノマーを用いることが好ましく、紫外線重合の場合は、紫外線強度を高めることが好ましい。又、素子製造用の液晶組成物中のモノマーの含有量を増やすことも好ましい。相溶性が低い場合は、相分離速度は十分に速くなるので本発明の液晶素子を作製するのに好ましい。相溶性を低くする方法として、低温で重合させる方法が挙げられる。低温にすると液晶の配向秩序度が上がり、液晶組成物(B)とモノマーの相溶性が下がるため、重合相分離速度を速くすることができる。更に別の方法として、液晶表示素子製造用の液晶組成物を、過冷却状態を示す温度にして重合させる方法も挙げられる。この場合、液晶表示素子製造用の液晶組成物の融点よりも僅かに低くすれば良いので、数度温度を低くするだけで相分離を速くさせることも可能になり好ましい。これらにより、モノマー含有量数十質量%を液晶へ添加した場合に相当する重合相分離構造、即ち、立ち下がり時間が短くなるように作用する構造であるポリマーネットワーク界面の表面積が多く該空隙間隔が微細なポリマーネットワーク構造が形成される。従って、液晶表示素子製造用の液晶組成物は、立ち下がり時間が短くなるように配向機能、架橋密度、アンカーリング力、空隙間隔、を考慮して組成を適宜調整することが好ましい。
液晶表示素子において、高いコントラストの表示を得るには光散乱が起こらないようにする必要があるが、上述した方法を考慮して目的の電圧−透過率特性、及びスイッチング特性を得られるように相分離構造を制御して適切なポリマーネットワーク層構造を形成させることが重要である。ポリマーネットワーク層構造を具体的に説明すると次のようになる。
液晶相中に液晶表示素子全面にポリマーネットワーク層が形成され液晶相が連続している構造であって、ポリマーネットワークの配向容易軸や一軸の光学軸が低分子液晶の配向容易軸と略同一方向であることが好ましく、低分子液晶のプレチルト角を誘起するようにポリマーネットワークを形成させることが好ましく、ポリマーネットワークの平均空隙間隔を可視光の波長より小さい大きさで少なくとも450nmより小さくすることにより光散乱は起こらなくなるので好ましい。更に、応答の立下り時間をポリマーネットワークと低分子液晶との相互作用効果(アンカーリング力)により低分子液晶単体の応答時間より短くするには、50nm〜450nmの範囲にする事が好ましい。立下り時間が液晶のセル厚の影響が少なくなりセル厚が厚くても薄厚並の立下り時間を示すようにするには、少なくとも平均空隙間隔が下限は200nm付近で且つ上限は450nm付近の範囲に入るようにすることが好ましい。平均空隙間隔を減少させると駆動電圧の増加が課題になるが、駆動電圧の増加を25V以下に抑制して立ち下がり応答時間を短くするには250nm近傍から450nmの範囲に入るようにすれば良く、立下り応答時間が約5msecから約1msecの範囲に改善ができるので好ましい。又、駆動電圧が5V程度以内の増加に抑制するには、平均空隙間隔が300nm付近から450nmの範囲にすることが好ましい。更に、ポリマーネットワークの平均空隙間隔を制御して立下り応答時間を1msec以下の高速応答にすることも可能である。駆動電圧が30V以上に増加する場合があるが、平均空隙間隔を50nm付近から250nm付近の間にすれば良く、0.5msec以下にするには50nm近傍から200nm付近にすることが好ましい。ポリマーネットワークの平均直径は、平均空隙間隔と相反し、20nmから700nmの範囲にあることが好ましい。モノマーの含有量が増えると平均直径は増加する傾向にある。反応性を高くして重合相分離速度を高めるとポリマーネットワークの密度が増加してポリマーネットワークの平均直径が減少するので必要に応じて相分離条件を調整すれば良い。モノマー含有量が10質量%以下の場合は、平均直径が20nmから160nmにあることが好ましく、平均空隙間隔が200nmから450nm範囲に於いては、平均直径が40nmから160nmの範囲であることが好ましい。モノマー含有量が10質量%より大きくなると50nmから700nmの範囲が好ましく、50nmから400nmの範囲がより好ましい。
液晶表示素子全面にポリマーネットワーク層が形成され液晶相が連続している構造に対して、モノマー含有量が低くなりセル全体にポリマーネットワーク層が被うのに必要な量が不足するとポリマーネットワーク層が不連続に形成される。ポリイミド配向膜等の基板表面の極性が高いとモノマーが液晶セル基板界面付近に集まり易く、基板表面からポリマーネットワークが成長して基板界面に付着するようにポリマーネットワーク層が形成され、セル基板表面からポリマーネットワーク層、液晶層、ポリマーネットワーク層、対向基板の順で積層されるように形成される。ポリマーネットワーク層/液晶層/ポリマーネットワーク層の積層構造を示し、且つセル断面方向に対して少なくともセル厚の0.5%以上、好ましくは1%以上、より好ましくは5%以上の厚さのポリマーネットワーク層が形成されているとポリマーネットワークと低分子液晶とのアンカーリング力の作用により立下り時間が短くなる効果が発現して好ましい傾向を示す。但し、セル厚の影響が大きくなるのでセル厚を増すと立ち下がり時間が長くなる場合は、ポリマーネットワーク層の厚さを必要に応じて増加させれば良い。ポリマーネットワーク層に於けるポリマーネットワークの構造は、低分子液晶と配向容易軸や一軸の光学軸が略同一の方向へ揃っていれば良く、低分子液晶がプレチルト角を誘起するように形成されていれば良い。平均空隙間隔は90nmから450nmの範囲が好ましい。
例えば、モノマー含有量が6質量%未満にする場合は、アンカーリング力の高いメソゲン基を有する二官能モノマーを用いることが好ましく、官能基間の距離が短い構造で重合速度が速い二官能モノマーを用いることが好ましく、0℃以下の低温で重合相分離構造を形成させることが好ましい。モノマー含有量を6質量%から10質量%未満にする場合は、該二官能モノマーとアンカーリング力が低い単官能モノマーとの組み合わせが好ましく、必要に応じて25℃から−20℃の範囲で重合相分離構造を形成させることが好ましい。更に、該融点が室温以上であれば該融点より5℃程度低くすると低温重合と同様な効果が得られるので好ましい。液晶表示素子製造用の液晶組成物中のモノマー濃度が高いほど、液晶組成物(B)とポリマー界面とのアンカーリング力は大きくなり、τdは高速化する。一方、液晶組成物(B)とポリマー界面とのアンカーリング力は大きくなると、τrは低速化する。τdとτrの和を1.5ms未満とするためには、液晶表示素子製造用の液晶組成物中のモノマーの濃度は、1質量%以上10質量%未満であり、1.5質量%以上8質量%以下が好ましく、1.8質量%以上5質量%以下がより好ましい。
TFT駆動液晶表示素子に用いる場合は、フリッカーの抑制、焼付けによる残像等の信頼性を向上させる必要があり電圧保持率が重要な特性になる。電圧保持率を低下させる原因は、液晶表示素子製造用の液晶組成物内に含有しているイオン性不純物にあると考えられる。特に、可動イオンが電圧保持率に強く影響を及ぼす。そのため、少なくとも比抵抗を1014Ω・cm以上が得られるように精製処理等を施し可動イオンを取り除くことが好ましい。又、ラジカル重合でポリマーネットワークを形成させると光重合開始剤等から発生するイオン性不純物により電圧保持率が低下する場合があるが、有機酸や低分子の副生成物発生量が少ない重合開始剤を選定することが好ましい。
本発明の液晶表示素子は、少なくとも一方に電極を有する2枚の透明基板間に挟持した液晶層中に重合体又は共重合体を含有し、該重合体又は共重合体の含有量が該液晶組成物及び該重合体又は共重合体の合計の質量の0.5質量%以上10質量%未満であり、該重合体又は共重合体がポリマーネットワークを形成し、該ポリマーネットワークが一軸性の屈折率異方性又は配向容易軸を有し、且つ異なる2種以上の配向状態を有するものである。本発明の液晶表示素子は、少なくとも一方の透明基板上に液晶組成物(B)を配向させるための配向膜を有することが好ましい。基板に設けられたこの配向膜と基板に設けられた電極に電圧を印加して、液晶分子の配向が制御される。ポリマーネットワーク又はポリマーバインダが一軸性の屈折率異方性又は配向容易軸方向を有し、ポリマーネットワーク又はポリマーバインダの光軸方向又は配向容易軸方向と低分子液晶の配向容易軸方向が同一方向であることが好ましい。この点で、一軸性の屈折率異方性又は配向容易軸方向を有さない光散乱型のポリマーネットワーク液晶や高分子分散型液晶とは異なる。
更に、配向膜の配向容易軸方向とポリマーネットワーク又はポリマーバインダの配向容易軸方向が同一であることが好ましい。偏光板、位相差フィルムなどを具備させることにより、この配向状態を利用して表示させる。液晶表示素子としては、TN、STN、ECB、VA、VA−TN、IPS、FFS、πセル、OCB、コレステリック液晶などの動作モードに適用できる。中でも、VA、IPS、FFS、VA−TN、TN、ECBが特に好ましい。尚、本発明の液晶表示素子は、重合性液晶組成物中に重合体又は共重合体を含有する点で、配向膜上に重合体又は共重合体を有するPSA(Polymer Sustained Alignment)型液晶表示素子とは異なる。
液晶層中の重合体又は共重合体の含有量は、該液晶組成物(B)及び該重合体又は共重合体の合計の質量の0.5質量%以上10質量%未満であるが、下限値としては0.7質量%以上が好ましく、0.9質量%以上が好ましく、上限値としては9質量%未満が好ましく、7質量%未満が好ましい。
PSA型液晶表示素子では、ラビング配向処理の代わりに電極に3〜5μm幅の複数のスリットを設けスリット方向へ液晶を傾斜配向させることにより配向処理が省略される。量産技術では、数十ボルトとの電圧を印加しながら紫外線照射すると、基板界面にプレチルト角(基板法線に対しての傾斜角)が得られるように液晶の配向が高分子安定化され、ポリマーの薄膜が形成される。この高分子薄膜の作用でプレチルト角が誘起されることを利用してPSVA(polymer−stabilized vertical alignment)LCD又はPSALCDの製造に用いられている。又、視野角向上を目的に、マルチドメインが形成できるように設計されたパターン電極を用い一つの画素内のプレチルト角方向を複数に分割している。しかし、セル全体にポリマーネットワーク等を形成させて応答の緩和時間を改善させることが可能な液晶表示素子にこの方法を適用させると、飽和電圧以上の数十ボルトの電圧を印加して紫外線照射するのでポリマーネットワークが液晶を平行配向状態で高分子安定させる。これは、ポリマーネットワークの屈折異方性又は配向容易軸が液晶分子を平行配向状態に保持するように形成されるため、垂直配向を得ることができなくなる。
垂直配向型のLCDでは、電圧印加で傾斜配向の傾斜方位を一定方向へ揃える目的でセル法線方向に対して2度以内のプレチルト角を付与することにより透過率、応答時間等の電気光学特性の改善を図っている。しかい、プレチルト角を誘起するようにポリマーネットワークを形成させるには、液晶の閾値電圧より僅かに高い電圧を印加して液晶が2度以内に傾斜配向した状態で形成させることが考えられる。ところが、PVA(Ptterned vertical alignment)等の電極形状により傾斜配向方向を一定に揃える液晶表示素子では、閾値電圧近傍の低い電圧を印加してポリマーネットワークの屈折異方性又は配向容易軸を形成させると液晶の傾斜配向方位が定まらないことが理由で透過率が低下する。これは、閾値電圧近傍の電圧印加では、垂直配向膜の影響が強いため基板界面付近での液晶は垂直配向になりことが起因して傾斜配向方位が基板界面付近では一定方向へ規定できず不安定になることが原因である。一方、電気光学特性の飽和電圧以上の高い電圧を印加すると基板界面近傍の液晶は傾斜配向状態になり、且つ、電界が強いのでパターン電極による電界分布の影響が強くなり傾斜配向方位が一定方向になり透過率向上に寄与できるようになる。しかし、セル全体に平行配向のポリマーネットワークが形成されるので上述したように垂直配向が得られなくなる。
傾斜配向方位は、電極パターンの種類に大きく依存するので、例えば、図11に示すフィッシュボーン(Fishbone)型電極は、交互に3〜5μm程度の幅の微細なライン電極とライン電極と同様な幅の線状スリットが複数繰り返し配置されているが、このパターン電極に於いて液晶の傾斜配向方位は、スリット方向へ略平行になるようにライン電極上の液晶は配向する。従って、スリット方向へ傾斜配向方位が一定になるような配向記憶をポリマーネットワークの屈折異方性又は配向容易軸として持たせる必要がある。又、Axially Symmetric Vertical Alignmentのパターン電極の場合は、点電極と略正方形の対向電極から成るサブピクセル構造である。中心軸は、電圧を印加しても垂直配向しているが、中心軸の点電極を起点に液晶ダイレクターが放射状に傾斜配向する。素子を上から見た場合、傾斜配向方位は、中心軸から放射状に液晶ダイレクターが360度連続的に配向する。高い電圧を印加することにより配向状態をポリマーネットワークの一部で高分子安定化させると放射状の傾斜配向方位が安定化するようにポリマーネットワークが一部形成される。紫外線照射中に電圧を閾値電圧未満にすることにより液晶は略垂直配向に戻り、この状態で紫外線照射を継続させると、略垂直配向になるようにポリマーネットワークの屈折異方性又は配向容易軸が形成され放射状の傾斜配向方位が軌跡としてポリマーネットワークに残すことが可能になり電圧印加時の配向制御と電圧無印加時の垂直配向を両立させることができる。
即ち、PVAの液晶表示素子に於いては、閾値電圧以上の電圧を印加して得られる配向状態を高分子安定化させるためポリマーネットワークの屈折率異方性又は配向容易軸を液晶配向状態と一致するように形成した場合と、閾値電圧未満の電圧を印加して得られる配向状態を高分子安定化させるためポリマーネットワークの屈折率異方性又は配向容易軸を液晶配向状態と一致するように形成した場合の二つの異なる液晶の配向状態を安定化させるポリマーネットワークを共存させることにより、それぞれ形成されるポリマーネットワークの液晶配向への影響力が異なる。例えば、閾値電圧未満の液晶の配向状態を安定化させるポリマーネットワークのみが形成されていると、電圧のスイッチングにより液晶の配向を変移させた場合、ポリマーネットワークからの影響を受けた液晶の配向状態が、液晶表示素子が本来必要とする液晶の配向状態とは異なるため、配向変移後の配向に歪みが発生して所望の配向状態が得られず電気光学効果に影響を及ぼして、コントラスト、透過率等が低下する。そのため、ポリマーネットワークに閾値電圧以上の電圧を印加して得られる配向状態と閾値電圧未満の電圧を印加して得られる配向状態の二つの配向状態を共存させることにより両状態間の配向変移が容易になり、表示特性が良好になる。従って、閾値電圧以上に於ける液晶の配向状態と閾値電圧未満に於ける液晶の配向状態を高分子安定化させ、二つの配向状態を混在させるようにポリマーネットワークで形成させるためには、液晶表示素子製造用の重合性液晶組成物に含有しているモノマーの一部を閾値電圧以上の液晶の配向状態を安定化させる目的に使用し、残りのモノマーを閾値電圧未満の液晶配向状態を安定化させるように形成されるポリマーネットワークに使用することが好ましい。
更に、これらの二つの異なる配向状態をそれぞれ安定化させる作用のあるポリマーネットワークが混在した状態になるので、ポリマーネットワーク形成後の素子における電圧無印加時の液晶配向状態は、二つの異なる配向状態を保持しようとするポリマーネットワークに影響され、それぞれのポリマーネットワークの影響力の均衡で電圧無印加時の液晶配向状態が決まる。例えば、垂直配向モードの液晶表示素子に於いては、閾値電圧未満の液晶配向状態を安定化させるポリマーネットワークの影響力を強くすると、液晶表示素子が本来必要とする垂直配向を示し、液晶表示のコントラストを高くするので好ましい。反対に、閾値電圧以上の液晶の配向を安定化させるポリマーネットワークの影響力が強すぎると、液晶のプレチルト角が増加しコントラストが低下する方向へ向かう。液晶表示素子の透過率やコントラストを高くして表示品位を高めるためには、二つの異なる液晶配向状態を安定化させるポリマーネットワークのそれぞれの影響力のバランスの調整が重要で、例えば、PVAセルにおいては、閾値電圧以上の液晶の配向状態を安定化させるように作用するポリマーネットワークの影響力が強すぎると最大透過率は向上するが黒レベルが増加してコントラスの低下を引き起こす。又、閾値電圧未満の液晶の配向状態を安定化させるように作用するポリマーネットワークの影響力が強すぎると良好な黒レベルが得られるが最大透過率の低下を引き起こしコントラストが低下して好ましくない。
傾斜電圧を印加して液晶の傾斜配向の方位が一定にすると最大透過率が向上するので、傾斜配向方位が一定になるように閾値電圧以上の液晶配向状態を安定化させるように形成したポリマーネットワークの影響を僅かにしておき、紫外線照射途中で閾値電圧未満を印加して良好な黒レベルが得られるような略垂直の配向状態を安定化させるようにポリマーネットワークを形成させると良好な黒レベルと傾斜配向の方位が一定になり最大透過率が高くなるので高コントラストが得られるようになり表示品位向上して好ましくなる。
本発明の液晶表示素子の製造方法は、少なくとも一方に電極を有する2枚の透明基板間に挟持した液晶表示素子製造用の重合性液晶組成物に、該素子製造用の液晶の閾値電圧以上の電圧を印加しながら紫外線を照射して重合相分離させる工程、及びその後紫外線を照射したまま電圧を閾値電圧未満にして更に紫外線を照射させる工程を含有する方法である。これにより閾値電圧以上の液晶の配向状態と閾値電圧未満の液晶の配向状態を、それぞれ安定化させるポリマーネットワークを形成させて、二つの異なる液晶配向状態を安定化させるポリマーネットワークを混在させて形成させる方法である。又、パターン電極セル等を含む垂直配向モード液晶表示素子の場合は、液晶表示素子製造用の液晶の閾値電圧以上の電圧を印加しながら紫外線を照射して重合相分離させる工程において、素子製造用の液晶中の液晶分子が透明基板平面に対して0度から30度の範囲で傾斜して配向しており、紫外線を照射したまま前記電圧を閾値電圧未満にして更に紫外線を照射させる工程において、前記液晶分子が透明基板平面に対して80度から90度に傾斜して配向しているのが好ましい。液晶分子が透明基板平面に対して0度から30度の範囲で傾斜して配向している状態は、液晶の複屈折率が電圧印加で増加した状態を示し液晶の配向状態が透明基板平面に対して0度になると複屈折率が最大になり好ましいが、基板平面に対して30度傾斜した配向であっても好ましい。特に、PVAセルでは傾斜方位が一定にすることが出来るので好ましい。何れも、電圧印加による液晶の傾斜配向方位が一定方向になるように配向が安定化させるポリマーネットワークを形成させることが好ましい。
液晶分子が透明基板平面に対して80度から90度に傾斜して配向している状態は、電圧無印加時において透明基板平面に対して90度に液晶が配向すると複屈折率が最小になり液晶表示素子の高コントラスト化に有用で好ましいが、電圧を印加した際に一定方向へ傾斜配向させるためには基板平面に対して89.9度から85度以内に傾斜していることがより好ましい。基板平面に対して80度を超えると複屈折率が増加して透過光量が増加するため表示のコントラストが低下して好ましくなく、基板平面に対して85度以上で表示黒レベルが良好になり高コントラストが得られるので好ましい。また、IPS(In−plane switching)表示モード、FFSモードの液晶表示素子においては、液晶表示素子製造用の液晶組成物の閾値電圧以上の電圧を印加しながら紫外線を照射して重合相分離させる工程において、液晶表示素子製造用の液晶組成物中の液晶分子が透明基板平面に対して0度から90度の範囲で傾斜して配向しており、紫外線を照射したまま前記電圧を閾値電圧未満にして更に紫外線を照射させる工程において、前記液晶分子が透明基板平面に対して0度から30度に傾斜して配向しているのも好ましい。
液晶分子が透明基板平面に対して0度から90度の範囲で傾斜して配向は、電圧を印加した液晶の配向状態を安定化させるようにポリマーネットワークを形成させる。IPSモードの場合は、素子に用いられる配向膜の性質の傾斜角度が大きく依存し、1度から2度程度の範囲になっても良く、プレチルト角が捩れ配向を含む液晶分子の傾斜角度が0.5度から3度が好ましく、0度から2度以内が好ましい。FFSモードの場合は、閾値電圧以上の電圧を印加すると液晶の配向状態は、素子内の電界分布に依存してスプレイ配向、ベンド配向、捩れ配向状態が共存するが主にスプレイ配向と捩れ配向状態を示す。この状態の液晶分子の配向状態の傾斜角は、0度から45度の範囲に入り、配向をポリマーネットワークで安定化させると同様の範囲が安定化されることが好ましい。TNモードでは、45度から90度範囲の傾斜角度になっていることが好ましい。
一方、閾値電圧未満の電圧を印加して液晶の配向状態を安定化するようにポリマーネットワークを形成させるが、IPSモード、FFSモード、及びTNモードの場合は、ラビング配向処理により基板界面にプレチルト角が1度〜3度程度あるので、閾値電圧未満の電圧を印加した液晶の配向状態を安定化させるようにポリマーネットワークを形成させることが好ましく、液晶の配向の角度がこの範囲に傾斜しても良いく、光配向膜等の他の配向処理方法を用いてプレチルト角が捩れ配向を含む液晶分子の傾斜角度が0.5度から3度が好ましく、0度から2度以内が広視野角を得るには有用でより好ましい。
また、印加する電圧は、交流波形であって、液晶表示素子製造用の液晶組成物(B)が誘電異方性を示す範囲の周波数を有するものであるのが好ましい。波形は、ピーク電圧が一定にした場合に実効電圧が高くできる矩形波が好ましい。周波数の上限は、液晶表示素子に用いられる駆動回路により画素に伝達される信号が減衰しない範囲の周波数であれば良く、少なくとも周波数が2kHz以下であることが好ましい。紫外線照射前の液晶表示素子製造用の液晶組成物が示す誘電率の周波数依存性において誘電異方性が示す周波数で10kHz以下であれば良い。下限値は、素子を駆動した際にフリッカーが起こる場合があり、この場合にフリッカーが最小になる周波数であれば良く、少なくとも20Hz以上が好ましい。
本発明の液晶表示素子の製造方法は、上述のように二つの液晶配向状態を保持するようにポリマーネットワークを形成することに特徴があるが、それぞれの液晶配向状態を保持するように形成されたポリマーネットワークは、ポリマーネットワークの屈折率異方性又は配向容易軸が閾値電圧以上の液晶配向方向、又は閾値電圧未満の液晶配向方向に一致するように形成される。これにより、電圧印加時の液晶の配向を安定化させるポリマーネットワークと、電圧無印加時の液晶の配向の安定化させるポリマーネットワークが共存させた状態を作ることになり、電圧無印加時の液晶配向状態から電圧印加により配向変形させる際に起こる配向歪を抑制させてコントラストの向上等の表示特性を改善させることが可能になる。一方、電圧無印加時の液晶配向状態を保持するように形成されるポリマーネットワークのみだけでは、電圧印加時の液晶配向状態へ変移する際に、閾値電圧未満の液晶配向を保持するように形成されたポリマーネットワークの影響力が強いので閾値電圧以上の液晶配向状態に変移するとき配向歪を与えて透過率を下げる原因になる。電圧印加時の液晶の配向を安定化させるポリマーネットワークをポリマーネットワークの一部に形成させることによりスイッチングで起きる配向変移の歪を抑制させ、本来必要とする液晶配向の変移が得られるようになり透過率を向上させられる。尚、電圧印加時及び電圧無印加時の各液晶の配向状態を安定化させるように形成されるポリマーネットワークは、二つの異なる液晶の配向に沿うようにポリマーネットワークの屈折率異方性又は、配向容易軸を形成させることが特徴である。
更に、紫外線照射中の閾値電圧以上の電圧の印加時間により、閾値電圧以上の液晶状態を安定化させるために形成されたポリマーネットワークの影響力が変化し、電気光学特性を変化させることが可能になる。例えば、電圧印加時の液晶の配向状態が基板平面に対して0度から30度の傾斜配向を含む平行配向としてポリマーネットワークを形成させた場合、紫外線照射中の閾値電圧以上の電圧の印加時間を短くすると、平行配向を保持しようとする作用が僅かなため、垂直配向を保持しようとするポリマーネットワークの作用に従い液晶が配向しようとする。更に、二つの異なる配向を保持したポリマーネットワークからの両配向の影響力が均衡して透明基板法線方向に対してプレチルトが1度以内と小さな角度が誘起される。紫外線照射中の閾値電圧以上の電圧の印加時間を長くするのにともない、平行配向を保持しようとするポリマーネットワークの影響が強まるので垂直配向を保持する力と平行配向を保持する力の均衡からプレチルト角が増加し、プレチルト角が増加して透明基板法線方向に対して10度以上にすることが可能になる。又、紫外線照射中の閾値電圧以上の電圧の印加時間は、用いられる液晶表示素子製造用の重合性液晶組成物が持つ反応性に大きく依存するので適宜調整して所望のプレチルト角が得られるようにすることが好ましい。特に、基板平面に対し80度から90度の範囲でプレチルト角が得られるようにすることが好ましく、85度から89.9度にすることがより好ましく、87度から89.9度にすることが更に好ましい。
閾値電圧以上の電圧を印加して得られる液晶の配向状態を保持しようと形成されたポリマーネットワークは、負の誘電異方性を用いた垂直配向モードの液晶表示素子に於いては、平行配向状態か、又は方位角が一定の傾斜配向が望ましい。閾値電圧未満で得られる配向状態は、略垂直配向であることが好ましく、特に、基板平面に対して80度から90度の略垂直の配向が好ましく、高コントラストが得られるような良好な黒レベルを示す配向状態であることが好ましい。負の誘電異方性、又は正の誘電異方性を用いた横電界によるIPS表示モードに於いては、紫外線照射中の閾値電圧以上の電圧を印加して得られる液晶の配向状態は、捩れ配向であることが好ましい。閾値電圧未満で得られる配向状態は、方位角が一定の平行配向であることが好ましい。FFSモードに於いては、紫外線照射中の閾値電圧以上の電圧を印加して得られる配向状態が少なくともベンド配向、スプレイ配向、傾斜配向の何れか、又は複数混在した配向状態であることが好ましい。閾値電圧未満に於いては略平行配向であることが好ましい。電圧印加時の液晶の配向状態を保持するようにポリマーネットワークを形成させた後、閾値電圧未満の液晶の配向状態を高分子安定化させることにより、ポリマーネットワーク形成完了後に電圧を印加した場合の液晶の配向状態へ容易に配向変形できるようになり、高透過率と高速応答を両立させることができる。
紫外線照射時の印加電圧は、ポリマーネットワーク形成後の液晶表示素子の表示が高コントラストになるように適宜調整することが好ましく、紫外線照射前の液晶表示素子製造用の液晶組成物の電気光学効果の特性に大きく依存するので液晶表示素子製造用の液晶が示す電圧−透過率特性に合わせる必要がある。閾値電圧以上の電圧としては、液晶表示素子製造用の液晶の電圧−透過率特性電圧における透過率の全変化量に対して10%以上になる電圧V10以上であることが好ましく、透過率の全変化量が20%以上になる電圧V20以上がより好ましく、透過率の全変化量が50%以上になる電圧V50以上がより好ましい。但し、閾値電圧の6倍以下の電圧であることが好ましい。紫外線照射中に印加する閾値電圧以上の電圧は、交流電圧を印加することが好ましく、矩形波を印加することが好ましい。周波数は、フリッカーが目視で認識できない周波数にすることが好ましく、TFT基板等の電子回路がガラス基板上に形成されている場合は、重合電圧の減衰が起きない周波数であれば良く、30Hzから5kHz程度あることが好ましい。
紫外線照射の途中で印加する電圧を閾値電圧以上から閾値電圧未満にするが、閾値電圧未満の電圧としては、液晶の配向が電圧で変化しない範囲であればよく、0V以上で閾値値電圧の90%未満の電圧が好ましく、80%未満の電圧が好ましく、70%以下であることがより好ましい。また、紫外線照射中に印加電圧を閾値電圧以下にするが、この時に液晶表示素子に於けるOFF時の液晶配向状態になるように戻すことが好ましく、例えば、上述したように垂直配向モードに於いては垂直配向に戻せば良く、FFSモードやIPSモードでは平行配向にすれば良い。液晶表示素子OFF時の液晶配向状態になるように戻す為には、電圧印加時の液晶の配向を安定化させるポリマーネットワークの影響力が僅かな状態で閾値電圧未満の電圧へ下げることが好ましい。
閾値電圧以上の電圧を印加した後に紫外線を照射するが、紫外線照射中に電圧印加時間が長くなると、紫外線照射中に電圧印加時の液晶の配向を安定化させるポリマーネットワークの影響力が増大して必要とする液晶表示素子OFF時の液晶配向状態へ戻らなくなり好ましくなくなる。そのため、最適な紫外線照射中の電圧を適宜最適化して本発明の液晶液晶表示表示素子を製造することが好ましい。又、紫外線照射中の電圧を閾値電圧未満にする際、素子製造用の液晶組成物の液晶に於ける応答の緩和時間を調整する目的で、電圧を紫外線照射途中で徐々に低くして印加電圧の降下時間を紫外線照射中の液晶に於ける応答緩和時間よりも長くすることにより応答緩和過程で起こるバックフローの影響を最小限にするようにしても良く、印加電圧の降下時間は、10ms以上から1000ms以内であることが好ましい。又、反対に速く下げる場合も良く、少なくとも液晶表示素子製造用の液晶組成物が示す緩和時間より短くすることが好ましく、100ms以下が好ましい。
閾値電圧以上の電圧が印加された状態で紫外線照射することで平行配向成分のポリマーネットワークを部分的に形成させ、紫外線照射を継続しながら電圧を閾値電圧未満にすることで液晶を垂直配向に戻すことで重合相分離を完了させる。フィッシュボーン型電極液晶セルに於いては、上述の平行配向成分と垂直配向成分の比率でプレチルト角は変化させることが可能でポリマーネットワーク形成初期過程で電圧を切ると傾斜配向方位が定まり、垂直配向を残存モノマーで形成することにより垂直配向と傾斜配向方位の両立が可能になりナノ相分離液晶に於ける配向制御技術となる。
尚、平行配向状態とは、電圧が印加されて負の誘電異方性液晶が略平行配向状態になることを意味し、基板面に対して0.1度から30度の範囲が好ましく、0.1度から10度の範囲で傾斜配向していることが好ましい。電圧が無印加の場合の垂直配向は、垂直配向膜の作用で略垂直配向状態になることを意味し、液晶の配向が基板平面に対して80から89.9度に傾斜して配向していることが好ましく、85度から89.9度に傾斜していることがより好ましい。
正の誘電異方性液晶の場合は、電圧が印加されると垂直配向が得られるが、液晶配向状態が基板平面に対して45度から89.9度の範囲で液晶が傾斜して配向していることも含まれる。
電圧が無印加の場合の平行配向は、平行配向膜の作用で略平行配向状態になることを意味し、液晶の配向が基板平面に対して0.1から30度に傾斜して配向していることが含まれる。
本発明の液晶表示素子の基板間の距離(d)は、2〜5μmの範囲が好ましく、3.5μm以下が更に好ましい。一般に、液晶組成物の複屈折率とセル厚の積が0.275近傍になるように複屈折率を調整するが、本発明に用いられる素子製造用の液晶組成物では重合相分離後にポリマーネットワークが形成されるため、ポリマーネットワークのアンカーリング力作用とポリマーネットワークの光学的な性質により電界印加時の液晶表示素子の複屈折率が低くなるので液晶組成物、及び重合組成物、又は液晶表示素子製造用の液晶組成物に含まれる液晶組成物の複屈折率(Δn)と基板間の距離(d)の積は、駆動電圧がポリマーネットワーク形成により5V程度以内の増加では0.3〜0.4μmの範囲が特に好ましく、3V程度以内の増加では0.30〜0.35μmの範囲が更に好ましく、駆動電圧が1V以内の増加では0.29〜0.33μmの範囲が特に好ましい。液晶表示素子の基板間の距離(d)及び液晶組成物の複屈折(Δn)と基板間の距離(d)の積をそれぞれ上記範囲内とすることにより、透過率は、低分子液晶のみに匹敵して高く、高速応答で色再現性が好ましい表示を得ることができる。液晶表示素子製造用の液晶組成物に用いる液晶組成物の複屈折率を、セル厚(d)と複屈折率(Δn)の積が0.275に対して1から1.9倍になるようにすることが好ましい。
本発明の液晶表示素子の駆動電圧は、液晶組成物の誘電異方性や弾性定数だけで決まるものではなく、液晶組成物とポリマー界面との間で作用するアンカーリング力に大きく影響される。
例えば高分子分散型液晶表示素子の駆動電圧に関する記述として、特開平6−222320号公報において次式の関係が示されている。
(Vthはしきい値電圧を表わし、1Kii及び2Kiiは弾性定数を表わし、iは1、2又は3を表わし、Δεは誘電率異方性を表わし、<r>は透明性高分子物質界面の平均空隙間隔を表わし、Aは液晶組成物に対する透明性高分子物質のアンカーリング力を表わし、dは透明性電極を有
これによると、光散乱型液晶表示素子の駆動電圧は、透明性高分子物質界面の平均空隙間隔、基板間の距離、液晶組成物の弾性定数・誘電率異方性、及び液晶組成物と透明性高分子物質間のアンカーリングエネルギーによって決定される。
このうち本発明の液晶表示素子で制御できるパラメータは、液晶物性とポリマー間のアンカーリング力である。アンカーリング力は、該ポリマーの分子構造、及び低分子液晶の分子構造に大きく依存するため、アンカーリング力が強いモノマーを選定すれば応答時間を1.5ms以下に速くすることが可能であるが同時に、駆動電圧が30V以上に増加するので、駆動電圧が30V以下で応答速度が1.5ms以下になるように適宜液晶化合物、及びモノマーの選定を行い組成を調整することが好ましい。アンカーリング力の強いポリマー前駆体とアンカーリング力の弱いポリマー前駆体を適宜配合して駆動電圧と応答速度のバランスが取れるように組成を調整することが好ましい。一方、駆動電圧を低くするのに求められる液晶組成物の物性としては、P型液晶では誘電異方性が6以上で、N型液晶では誘電異方性が−3以下にすることが特に好ましい。又、複屈折率を0.09以上にすることが好ましい。更に、液晶組成物の複屈折率と繊維状、又は柱状ポリマーネットワークの屈折率を可能な限り近づけ光散乱を無くすとより好ましくなる。但し、ポリマー前駆体の濃度に液晶素子のリターデーションが影響されるので、適宜、必要なリターデーションが得られるように液晶組成物の複屈折率を増減させて使用することが好ましい。
本発明の液晶表示素子は、上述した液晶組成物を−50℃から30℃としながらエネルギー線を照射して、モノマーを重合して液晶組成物中に屈折率異方性又は配向容易軸方向を有するポリマーネットワーク形成して得られたものであることが好ましい。重合温度の上限は、30℃であり、20℃〜−10℃が好ましい。実施例において後述するように、本発明者は、モノマー組成に依存して低温重合、及び常温重合により、τdが更に高速化することを見出した。この理由は、1)低温により液晶分子の配向度が上昇した状態で重合すること、2)低温重合により重合したポリマーと液晶組成物との相溶性が下がることで相分離が容易になり、重合相分離速度が速まりポリマーネットワークの空隙間隔が微細になること、3)比較的アンカーリング力が低いモノマーを用いても空隙間隔が微細なため、アンカーリング力の影響力が強くなるような屈折率異方性ポリマーネットワークの形成等によるものと考えられる。
更に、本発明の液晶表示素子は、一軸性の屈折率異方性又は配向容易軸方向を持つポリマーネットワーク又はポリマーバインダの光軸方向又は配向容易軸方向が透明基板に対してプレチルト角を成すように形成されたものであることが好ましく、電界の強さを調整して低分子液晶の配向制御行い、基板面に対して傾斜させることにより、上述した液晶層に電圧を印加しながらエネルギー線を照射することで、モノマーを高分子化せしめ、液晶組成物中の屈折率異方性又は配向容易軸方向を有する重合体を得てなる構成であることが好ましい。垂直配向のVAモードに於いては、基板法線方向に対してプレチルト角が20度以内になるように電圧を印加して重合させることにより、現行のVAモードセルの用いられているポルトリュージョン等やPSA液晶の微細なポリマー突起に相当する効果があるだけではなく、PSAでは実現できない高速応答を示すので特に好ましい。又、電界方向を複数の方向から印加して高分子化させることによりマルチドメインを形成させることができ、視野角向上が可能でより好ましくなる。更に、基板界面垂直配向膜界面に於いて低分子液晶がプレチルト角を誘起するように光配向処理やラビング配向処理等を該配向膜に施すことで低分子液晶配向の傾く方向が規定されスイッチング時の配向欠陥発生が抑制され好ましく、複数の方向へ傾くようなパターン電極を用いたり、該配向処理を施すとことも好ましい。前記液晶層は、モノマーを含有した重合性液晶組成物に対し、適宜−50℃から30℃の温度範囲で交流電界を印加するとともに、紫外線もしくは電子線を照射することで、屈折率異方性を有するポリマーネットワークの光軸方向が基板面に対してプレチルト角を成すように液晶中に形成される。このプレチルト角は低分子液晶の誘電異方性により電界を印加することにより誘起された配向状態で重合相分離させると、重合後のポリマーネットワークの光軸を基板面に対して傾斜させた液晶素子を得ることができ、前記モノマーを高分子化せしめた構成であることがより好ましい。更に、電圧を印加した配向状態を安定化して得られたポリマーネットワークと電圧を印加しない配向状態を安定化して得られたポリマーネットワークを複合化させてプレチルト角を誘起させることも好ましい。
本発明の液晶表示素子に使用される2枚の基板はガラス又はプラスチックの如き柔軟性をもつ透明な材料を用いることができる。透明電極層を有する透明基板は、例えば、ガラス板等の透明基板上にインジウムスズオキシド(ITO)をスパッタリングすることにより得ることができる。
カラーフィルターは、例えば、顔料分散法、印刷法、電着法又は、染色法等によって作成することができる。顔料分散法によるカラーフィルターの作成方法を一例に説明すると、カラーフィルター用の硬化性着色組成物を、該透明基板上に塗布し、パターニング処理を施し、そして加熱又は光照射により硬化させる。この工程を、赤、緑、青の3色についてそれぞれ行うことで、カラーフィルター用の画素部を作成することができる。その他、該基板上に、TFT、薄膜ダイオード等の能動素子を設けた画素電極を設置してもよい。
前記基板を、透明電極層が内側となるように対向させる。その際、スペーサーを介して、基板の間隔を調整してもよい。このときは、得られる調光層の厚さが1〜100μmとなるように調整するのが好ましい。1.5から10μmが更に好ましく、偏光板を使用する場合は、コントラストが最大になるように液晶の屈折率異方性Δnとセル厚dとの積を調整して表示モードにより550nmの1/2、又は1/4になるようにすることが好ましい。又、二枚の偏光板がある場合は、各偏光板の偏光軸を調整して視野角やコントラトが良好になるように調整することもできる。更に、視野角を広げるための位相差フィルムも使用することもできる。スペーサーとしては、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子、フォトレジスト材料などからなる柱状スペーサー等が挙げられる。その後、エポキシ系熱硬化性組成物等のシール剤を、液晶注入口を設けた形で該基板にスクリーン印刷し、該基板同士を貼り合わせ、加熱しシール剤を熱硬化させる。
2枚の基板間に液晶表示素子製造用の液晶組成物を狭持させる方法は、通常の真空注入法又はODF法などを用いることができる。ODF法の液晶表示素子製造工程においては、バックプレーンまたはフロントプレーンのどちらか一方の基板にエポキシ系光熱併用硬化性などのシール剤を、ディスペンサーを用いて閉ループ土手状に描画し、その中に脱気下で所定量の液晶表示素子製造用の液晶組成物を滴下後、フロントプレーンとバックプレーンを接合することによって液晶表示素子を製造することができる。本発明に用いられる素子製造用の液晶組成物は、ODF工程における液晶・モノマー複合材料の滴下が安定的に行えるため、好適に使用することができる。
モノマーを重合させる方法としては、液晶の良好な配向性能を得るためには、適度な重合速度が望ましいので、活性エネルギー線である紫外線又は電子線を単一又は併用又は順番に照射することによって重合させる方法が好ましい。紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良いし、非偏光光源を用いても良い。また、液晶表示素子製造用の液晶組成物を2枚の基板間に挟持させて状態で重合を行う場合には、少なくとも照射面側の基板は活性エネルギー線に対して適当な透明性が与えられていなければならない。また、モノマーを含有した液晶組成物に対し、液晶表示素子製造用の液晶組成物を−50℃から20℃の温度範囲で交流電界を印加するとともに、紫外線もしくは電子線を照射することが好ましい。印加する交流電界は、周波数10Hzから10kHzの交流が好ましく、周波数100Hzから5kHzがより好ましく、電圧は液晶表示素子の所望のプレチルト角に依存して選ばれる。つまり、印加する電圧により液晶表示素子のプレチルト角を制御することができる。横電界型MVAモードの液晶表示素子においては、配向安定性及びコントラストの観点からプレチルト角を80度から89.9度に制御することが好ましい。
照射時の温度は、液晶表示素子製造用の液晶組成物が−50℃から30℃の温度範囲であることが好ましい。さらに20℃〜−10℃がより好ましい。素子製造用の液晶組成物の組成に依存して低温重合、及び常温重合により、τdが更に高速化する傾向がある。この理由は、1)低温により液晶分子の配向度が上昇した状態で重合すること、2)低温重合により重合したポリマーと液晶組成物との相溶性が下がることで相分離が容易になり、重合相分離速度が速まりポリマーネットワークの空隙間隔が微細になること、3)比較的アンカーリング力が低い重合性化合物を用いても空隙間隔が微細なため、アンカーリング力の影響力が強くなるような屈折率異方性ポリマーネットワークの形成等によるものと考えられる。
紫外線を発生させるランプとしては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を用いることができる。また、照射する紫外線の波長としては、液晶組成物の吸収波長域でない波長領域の紫外線を照射することが好ましく、必要に応じて、365nm未満の紫外線をカットして使用することが好ましい。照射する紫外線の強度は、0.1mW/cm2〜100W/cm2が好ましく、2mW/cm2〜50W/cm2がより好ましい。照射する紫外線のエネルギー量は、適宜調整することができるが、10mJ/cm2から500J/cm2が好ましく、100mJ/cm2から200J/cm2がより好ましい。紫外線を照射する際に、強度を変化させても良い。紫外線を照射する時間は照射する紫外線強度により適宜選択されるが、10秒から3600秒が好ましく、10秒から600秒がより好ましい。
(横電界型)
まず、本発明の一実施形態の液晶表示素子について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の液晶表示素子の一例を示す概略断面図である。本発明の一実施形態の液晶表示素子10は、配向層4が表面に形成された第一の基板2と、前記第一の基板から離間して設けられ、かつ光配向層が表面に形成された第二の基板7と、前記第一の基板2および第二の基板7間に充填され、かつ前記一対の配向層と当接する液晶層5と、を備え、前記配向層4(4a,4b)と前記第一の基板2との間にアクティブ素子として薄膜トランジスタ、共通電極22および画素電極を備えた電極層3を有している。
図1は、液晶表示素子の構成を模式的に示す図である。図1では、説明のために便宜上各構成要素を離間して記載している。本発明の一実施形態の液晶表示素子10の構成は、図1に記載するように、対向に配置された第一の透明絶縁基板2と、第二の透明絶縁基板7との間に挟持された液晶表示素子製造用の液晶組成物(または液晶層5)を有する横電界方式(図では一例としてIPSの一形態としてのFFSモード)の液晶表示素子である。第一の透明絶縁基板2は、液晶層5側の面に電極層3が形成されている。また、液晶層5と、第一の透明絶縁基板2及び第二の透明絶縁基板7のそれぞれの間に、液晶層5を構成する液晶表示素子製造用の液晶組成物と直接当接してホモジニアス配向を誘起する一対の配向膜4(4a,4b)を有し、該素子製造用の液晶組成物中の液晶分子は、電圧無印加時に前記基板2,7に対して略平行になるように配向されている。図1および図3に示すように、前記第二の基板7および前記第一の基板2は、一対の偏光板1,8により挟持されてもよい。さらに、図1では、前記第二の基板7と配向膜4との間にカラーフィルター6が設けられている。なお、本発明に係る液晶表示素子の形態としては、いわゆるカラーフィルターオンアレイ(COA)であってもよく、薄膜トランジスタを含む電極層と液晶層との間にカラーフィルターを設けても、または当該薄膜トランジスタを含む電極層と第二の基板との間にカラーフィルターを設けてもよい。
すなわち、本発明の一実施形態の液晶表示素子10は、第一の偏光板1と、第一の基板2と、薄膜トランジスタを含む電極層3と、配向膜4と、液晶表示素子製造用の液晶組成物を含む液晶層5と、配向膜4と、カラーフィルター6と、第二の基板7と、第二の偏光板8と、が順次積層された構成である。
第一の基板2と第二の基板7はガラス又はプラスチックの如き柔軟性をもつ透明な材料を用いることができ、一方はシリコン等の不透明な材料でも良い。2枚の基板2、7は、周辺領域に配置されたエポキシ系熱硬化性組成物等のシール材及び封止材によって貼り合わされていて、その間には基板間距離を保持するために、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子等の粒状スペーサーまたはフォトリソグラフィ法により形成された樹脂からなるスペーサー柱が配置されていてもよい。
図2は、図1における基板2上に形成された電極層3のII線で囲まれた領域を拡大した平面図である。図3は、図2におけるIII−III線方向に図1に示す液晶表示素子を切断した断面図である。図2に示すように、第一の基板2の表面に形成されている薄膜トランジスタを含む電極層3は、走査信号を供給するための複数のゲート配線24と表示信号を供給するための複数のデータ配線25とが、互いに交差してマトリクス状に配置されている。なお、図2には、一対のゲート配線24及び一対のデータ配線25のみが示されている。
複数のゲート配線24と複数のデータ配線25とにより囲まれた領域により、液晶表示装置の単位画素が形成され、該単位画素内には、画素電極21及び共通電極22が形成されている。ゲート配線24とデータ配線25が互いに交差している交差部近傍には、ソース電極27、ドレイン電極26およびゲート電極28を含む薄膜トランジスタが設けられている。この薄膜トランジスタは、画素電極21に表示信号を供給するスイッチ素子として、画素電極21と連結している。また、ゲート配線24と並行して、共通ライン(図示せず)が設けられる。この共通ラインは、共通電極22に共通信号を供給するために、共通電極22と連結している。
薄膜トランジスタの構造の好適な一態様は、例えば、図3で示すように、基板2表面に形成されたゲート電極11と、当該ゲート電極11を覆い、且つ前記基板2の略全面を覆うように設けられたゲート絶縁層12と、前記ゲート電極11と対向するよう前記ゲート絶縁層12の表面に形成された半導体層13と、前記半導体層13の表面の一部を覆うように設けられた保護層14と、前記保護層14および前記半導体層13の一方の側端部を覆い、かつ前記基板2表面に形成された前記ゲート絶縁層12と接触するように設けられたドレイン電極16と、前記保護層14および前記半導体層13の他方の側端部を覆い、かつ前記基板2表面に形成された前記ゲート絶縁層12と接触するように設けられたソース電極17と、前記ドレイン電極16および前記ソース電極17を覆うように設けられた絶縁保護層18と、を有している。ゲート電極11の表面にゲート電極との段差を無くす等の理由により陽極酸化被膜(図示せず)を形成してもよい。
前記半導体層13には、アモルファスシリコン、多結晶ポリシリコンなどを用いることができるが、ZnO、IGZO(In−Ga−Zn−O)、ITO等の透明半導体膜を用いると、光吸収に起因する光キャリアの弊害を抑制でき、素子の開口率を増大する観点からも好ましい。
さらに、ショットキー障壁の幅や高さを低減する目的で半導体層13とドレイン電極16またはソース電極17との間にオーミック接触層15を設けても良い。オーミック接触層には、n型アモルファスシリコンやn型多結晶ポリシリコン等のリン等の不純物を高濃度に添加した材料を用いることができる。
ゲート配線26やデータ配線25、共通ライン29は金属膜であることが好ましく、Al、Cu、Au、Ag、Cr、Ta、Ti、Mo、W、Ni又はその合金がより好ましく、Al又はその合金の配線を用いる場合が特に好ましい。また、絶縁保護層18は、絶縁機能を有する層であり、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、ケイ素酸窒化膜等で形成される。
図2及び図3に示す実施の形態では、共通電極22はゲート絶縁層12上のほぼ全面に形成された平板状の電極であり、一方、画素電極21は共通電極22を覆う絶縁保護層18上に形成された櫛形の電極である。すなわち、共通電極22は画素電極21よりも第一の基板2に近い位置に配置され、これらの電極は絶縁保護層18を介して互いに重なりあって配置される。画素電極21と共通電極22は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IZTO(Indium Zinc Tin Oxide)等の透明導電性材料により形成される。画素電極21と共通電極22が透明導電性材料により形成されるため、単位画素面積で開口される面積が大きくなり、開口率及び透過率が増加する。
また、画素電極21と共通電極22とは、これらの電極間にフリンジ電界を形成するために、画素電極21と共通電極22との間の電極間距離(最小離間距離とも称する):Rが、第一の基板2と第二の基板7との距離:Gより小さくなるように形成される。ここで、電極間距離:Rは各電極間の基板に水平方向の距離を表す。図3では、平板状の共通電極22と櫛形の画素電極21とが重なり合っているため、電極間距離:R=0となる例が示されており、最小離間距離:Rが第一の基板2と第二の基板7との距離(すなわち、セルギャップ):Gよりも小さくなるため、フリンジの電界Eが形成される。したがって、FFS型の液晶表示素子は、画素電極21の櫛形を形成するラインに対して垂直な方向に形成される水平方向の電界と、放物線状の電界を利用することができる。画素電極21の櫛状部分の電極幅:l、及び、画素電極21の櫛状部分の間隙の幅:mは、発生する電界により液晶層5内の液晶分子が全て駆動され得る程度の幅に形成することが好ましい。また、画素電極と共通電極との最小離間距離Rは、ゲート絶縁層12の(平均)膜厚として調整することができる。また、本発明に係る液晶表示素子は、図3とは異なり、画素電極21と共通電極22との間の電極間距離(最小離間距離とも称する):Rが、第一の基板2と第二の基板7との距離:Gより大きくなるように形成されてもよい(IPS方式)。この場合、例えば、櫛状の画素電極および櫛状の共通電極が略同一面内に交互になるよう設けられる構成など挙げられる。
本発明に係る液晶表示素子の好ましい一形態は、フリンジ電界を利用するFFS方式の液晶表示素子であることが好ましく、共通電極22と画素電極21との隣接する最短離間距離dが、配向膜4同士(基板間距離)の最短離間距離Dより短いと、共通電極と画素電極との間にフリンジ電界が形成され、液晶分子の水平方向および垂直方向の配向を効率的に利用することができる。本発明のFFS方式液晶表示素子の場合、長軸方向が、配向層の配向方向と平行になるように配置している液晶分子に電圧を印加すると、画素電極21と共通電極22との間に放物線形の電界の等電位線が画素電極21と共通電極22の上部にまで形成され、液晶層5内の液晶分子の長軸が形成された電界に沿って配列する。したがって、低い誘電異方性でも液晶分子が駆動することができる。
本発明に係るカラーフィルター6は、光の漏れを防止する観点で、薄膜トランジスタおよびストレイジキャパシタ23に対応する部分にブラックマトリックス(図示せず)を形成することが好ましい。また、カラーフィルター6は、通常R(赤)G(緑)B(青)の3つフィルター画素から映像や画像の1ドットからなり、例えば、これら3つのフィルターはゲート配線の延びる方向に並んでいる。当該カラーフィルター6は、例えば、顔料分散法、印刷法、電着法又は、染色法等によって作製することができる。顔料分散法によるカラーフィルターの作製方法を一例に説明すると、カラーフィルター用の硬化性着色組成物を、該透明基板上に塗布し、パターニング処理を施し、そして加熱又は光照射により硬化させる。この工程を、赤、緑、青の3色についてそれぞれ行うことで、カラーフィルター用の画素部を作製することができる。その他、該基板上に、TFT、薄膜ダイオード等の能動素子を設けた画素電極を設置したいわゆるカラーフィルターオンアレイでもよい。
電極層3及びカラーフィルター6上には、液晶層5を構成する素子製造用の液晶組成物と直接当接してホモジニアス配向を誘起する一対の配向膜4が設けられている。
また、偏光板1及び偏光板8は、各偏光板の偏光軸を調整して視野角やコントラストが良好になるように調整することができ、それらの透過軸がノーマリーブラックモードで作動するように、互いに直行する透過軸を有することが好ましい。特に、偏光板1及び偏光板8のうちいずれかは、液晶分子の配向方向と平行な透過軸を有するように配置することが好ましい。また、コントラストが最大になるように液晶の屈折率異方性Δnとセル厚dとの積を調整することが好ましい。更に、視野角を広げるための位相差フィルムも使用することもできる。
また、他の液晶表示素子の実施形態として、IPS方式の場合は、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが液晶配向膜間の最短離間距離Gより長い条件であり、例えば、共通電極と画素電極とが同一基板上に形成され、かつ当該共通電極と当該画素電極とが交互に配置されている場合であって、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが液晶配向膜間の最短離間距離Gより長い構造などが挙げられる。
本発明に係る液晶表示素子の製造方法において、電極層を有する基板および/または基板表面に被膜を形成した後、当該被膜が内側となるように一対の基板を離間して対向させた後、液晶組成物を基板間に充填することが好ましい。その際、スペーサーを介して、基板の間隔を調整することが好ましい。
前記基板間の距離(得られる液晶層の平均厚さであり、被膜間の離間距離とも称する。)は、1〜100μmとなるように調整するのが好ましい。前記被膜間の平均離間距離は、1.5〜10μmが更に好ましい。
本発明において、基板間の距離を調整するために使用するスペーサーとしては、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子、フォトレジスト材料などからなる柱状スペーサー等が挙げられる。
図1〜図3を用いて説明したFFS型の液晶表示素子は一例であって、本発明の技術的思想から逸脱しない限りにおいて、他の様々な形態で実施することが可能である。
本発明に係る液晶表示素子の他の実施形態を図4および図5を用いて以下説明する。
例えば、図4は、図1における基板2上に形成された電極層3のII線で囲まれた領域を拡大した平面図の他の実施形態である。図4に示すように、画素電極21がスリットを有する構成としてもよい。また、スリットのパターンを、ゲート配線24又はデータ配線25に対して傾斜角を持つようにして形成してもよい。
当該図4に示す画素電極21は、略長方形の平板体の電極を略矩形枠状の切欠き部でくり抜かれた形状である。また、当該画素電極21の背面には絶縁保護層18(図示せず)を介して櫛歯状の共通電極22が一面に形成されている。そして、隣接する共通電極と画素電極との最短離間距離Rは配向層同士の最短離間距離Gより短い場合はFFS方式になり、長い場合はIPS方式になる。また、前記画素電極の表面には保護絶縁膜及び配向膜層によって被覆されていることが好ましい。なお、上記と同様に、前記複数のゲート配線24と複数のデータ配線25とに囲まれた領域にはデータ配線25を介して供給される表示信号を保存するストレイジキャパシタ23を設けてもよい。なお、切欠き部の形状は特に制限されるものではなく、図4で示す略矩形だけでなく、楕円、円形、長方形状、菱形、三角形、または平行四辺形など公知の形状の切欠き部を使用できる。また、隣接する共通電極と画素電極との最短離間距離Rが配向層同士の最短離間距離Gより長い場合はIPS方式の表示素子になる。
図5は、図3とは別の実施形態であり、図2におけるIII−III線方向に図1に示す液晶表示素子を切断した断面図の他の例である。配向層4および薄膜トランジスタ20を含む電極層3が表面に形成された第一の基板2と、配向層4が表面に形成された第二の基板8とが所定の間隔Dで配向層同士向かい合うよう離間しており、この空間に液晶組成物を含む液晶層5が充填されている。第一の基板2の表面の一部にゲート絶縁層12、共通電極22、絶縁保護層18、画素電極21および配向層4の順で積層されている。また、図4にも示すように、画素電極21は、平板体の中央部および両端部が三角形状の切欠き部でくり抜かれ、さらに残る領域を長方形状の切欠き部でくり抜かれた形状であり、かつ共通電極22は前記画素電極21の略楕円形状の切欠き部と略平行に櫛歯状の共通電極が前記画素電極より第一の基板側に配置されてなる構造である。
図5に示す例では、櫛形あるいはスリットを有する共通電極22を用いており、画素電極21と共通電極22との電極間距離はR=αとなる(なお、図5では便宜上電極間距離の水平成分をRとして記載している)。さらに、図3では共通電極22がゲート絶縁層12上に形成されている例が示されていたが、図5に示されるように、共通電極22を第一の基板2上に形成して、ゲート絶縁層12を介して画素電極21を設けるようにしてもよい。画素電極21の電極幅:l、共通電極22の電極幅:n、及び、電極間距離:Rは、発生する電界により液晶層5内の液晶分子が全て駆動され得る程度の幅に適宜調整することが好ましい。隣接する共通電極と画素電極との最短離間距離Rは配向層同士の最短離間距離Gより短い場合はFFS方式になり、長い場合はIPS方式になる。さらに、図5では画素電極21と共通電極22の厚み方向の位置が異なるが、両電極の厚み方向における位置を同一にしてもまたは共通電極が液晶層5側に設けてもよい。
(垂直電界型)
本発明の好ましい他の実施形態は、液晶組成物を用いた垂直電界型の液晶表示素子である。図6は、垂直電界型の液晶表示素子の構成を模式的に示す図である。また、図7では、説明のために便宜上各構成要素を離間して記載している。図7は、当該図6における基板上に形成された薄膜トランジスタを含む電極層300(または薄膜トランジスタ層300とも称する。)のVII線で囲まれた領域を拡大した平面図である。図8は、図7におけるVIII−VIII線方向に図6に示す液晶表示素子を切断した断面図である。以下、図6〜8を参照して、本発明に係る垂直電界型の液晶表示素子を説明する。
本発明に係る液晶表示素子1000の構成は、図6に記載するように透明導電性材料からなる透明電極(層)600(または共通電極600とも称する。)を具備した第二の基板800と、透明導電性材料からなる画素電極および各画素に具備した前記画素電極を制御する薄膜トランジスタを形成した薄膜トランジスタ層300を含む第一の基板200と、前記第一の基板200と第二の基板800との間に挟持された液晶表示素子製造用の液晶組成物(または液晶層500)を有し、該素子製造用の液晶組成物に係る中の液晶分子の電圧無印加時の配向が前記基板200,800に対して略垂直である液晶表示素子である。また図6および図8に示すように、前記第二の基板800および前記第一の基板200は、一対の偏光板100,900により挟持されてもよい。さらに、図6では、前記第一の基板200と共通電極600との間にカラーフィルター700が設けられている。またさらに、本発明に係る液晶層500と隣接し、かつ当該液晶層500を構成する液晶表示素子製造用の液晶組成物と直接接するよう一対の配向膜400が透明電極(層)600,1400表面に形成されている。
すなわち、本発明に係る液晶表示素子1000は、第一の偏光板100と、第一の基板200と、薄膜トランジスタを含む電極層(又は薄膜トランジスタ層とも称する)300と、光配向膜400と、液晶組成物を含む層500と、配向膜400と、共通電極600と、カラーフィルター700と、第二の基板800と、第二の偏光板900と、が順次積層された構成である。尚、配向膜400は光配向膜であることが好ましい。
配向膜は、配向処理(マスクラビングあるいは光配向)を用いて製造された液晶セルで、液晶セルの透明電極の内側(液晶層側)には、ガラス基板の法線方向から僅かに傾いた(0.1〜5.0°)垂直配向膜が形成されている。
垂直配向膜の配向規制力を受け重合性モノマーが垂直方向に配列し、紫外線光照射によって重合性モノマーを重合・固定化させてポリマーネットワークを形成する。このようにして形成されたポリマーネットワークは、(1)上下基板にまたがってポリマーネットワークを形成、(2)上(下)基板から液晶方向に向かってポリマーネットワークを形成するが途中までのもの、(3)配向膜の表面近傍のみポリマーネットワークを形成。(主に単官能モノマーの場合)、(4)液晶層内でポリマーネットワーク同士が結合(Floatingはしていない)の、およそ4種類の構造を有するものと推定される。これらの形態は、何れも、ポリマーネットワークの屈折率異方性、又は配向容易軸は、閾値電圧以上の配向状態を安定化させるように形成されたものと、閾値電圧以下の配向状態を安定化させるように形成された二種類の異なる配向状態を安定化させるポリマーネットワークが混在している。
この様にして形成された異方性を有するポリマーポリマネットワークは、液晶層とはほぼ完全に分離しており、これら高分子ネットワークの間に液晶分子は配向配列しているものと考えられる。液晶分子と高分子ネットワークが混在し、電圧無印加時に光散乱を起こす所謂ポリマーネットワーク型液晶の分子配列構造とは明らかに異なり、またPSA等で用いられる配向膜近傍に偏在する配向維持層のそれとも全く異なる構造を有するものである。
例示として、配向膜を用いた方法によるポリマーネットワークと液晶分子配列構造を示した。一方、リブやスリット等の構造物を有する所謂MVA方式や、PVA等においても、基板界面近傍のポリマーネットワークや液晶分子のプレチルトが、構造物やスリットを介して印加される斜め電界強度などによってやや異なるだけであり、本質的には、上図のような構造を有するものと推定される。
この様なポリマーネットワークと液晶分子による液晶分子配列を有するVA型液晶表示装置では、電圧無印加時の液晶分子に対するアンカーリング力が、液晶配向膜とポリマーネットワークの持つアンカーリング力の相乗作用により、より強く作用する事となって、結果的に電圧OFF時の応答速度を速くすることが可能となる。
(横・斜め電界型)
配向膜に対してマスクラビングやマスク照射等の煩雑な工程を行なわず、電極構造を工夫するだけの簡便な手法で液晶表示領域を配向分割できる新たな表示技術として、斜め電界と横電界を液晶層に作用させる方法が提案されている。
図9は、上記技術を用いたTFT液晶表示素子の一画素PXにおける最小の単位構成体を概略的に示す平面図である。以下に、横・斜め電界モード液晶表示装置の構造及び動作について、簡単に説明する。
画素電極PEは、主画素電極PA及び副画素電極PBを有している。これらの主画素電極PA及び副画素電極PBは、互いに電気的に接続されており、これらの主画素電極PA及び副画素電極PBがともにアレイ基板ARに備えられている。主画素電極PAは、第2方向Yに沿って延出しており、副画素電極PBは、第2方向Yとは異なる第1方向Xに沿って延出している。図示した例では、画素電極PEは、略十字状に形成されている。副画素電極PBは、主画素電極PAの略中央部に結合し、主画素電極PAからその両側、即ち画素PXの左側及び右側に向かって延出している。これらの主画素電極PA及び副画素電極PBは、互いに略直交している。画素電極PEは、画素電極PBにおいて図示を省略したスイッチング素子と電気的に接続されている。
共通電極CEは、主共通電極CA及び副共通電極CBを有しており、これらの主共通電極CA及び副共通電極CBは、互いに電気的に接続されている。共通電極CEは、画素電極PEとは電気的に絶縁されている。共通電極CEにおいて、主共通電極CA及び副共通電極CBの少なくとも一部は、対向基板CTに備えられている。主共通電極CAは、第2方向Yに沿って延出している。この主共通電極CAは、主画素電極PAを挟んだ両側に配置されている。このとき、X−Y平面内において、主共通電極CAのいずれも主画素電極PAとは重ならず、主共通電極CAのそれぞれと主画素電極PAとの間には略等しい間隔が形成されている。つまり、主画素電極PAは、隣接する主共通電極CAの略中間に位置している。副共通電極CBは、第1方向Xに沿って延出している。副共通電極CBは、副画素電極PBを挟んだ両側に配置されている。このとき、X−Y平面内において、副共通電極CBのいずれも副画素電極PBとは重ならず、副共通電極CBのそれぞれと副画素電極PBとの間には略等しい間隔が形成されている。つまり、副画素電極PBは、隣接する副共通電極CBの略中間に位置している。
図示した例では、主共通電極CAは、第2方向Yに沿って直線的に延出した帯状に形成されている。副共通電極CBは、第1方向Xに沿って直線的に延出した帯状に形成されている。なお、主共通電極CAは第1方向Xに沿って間隔をおいて2本平行に並んでおり、以下では、これらを区別するために、図中の左側の主共通電極をCALと称し、図中の右側の主共通電極をCARと称する。また、副共通電極CBは第2方向Yに沿って間隔をおいて2本平行に並んでおり、以下では、これらを区別するために、図中の上側の主共通電極をCBUと称し、図中の下側の主共通電極をCBBと称する。主共通電極CAL及び主共通電極CARは、副共通電極CBU及び副共通電極CBBと同電位である。図示した例では、主共通電極CAL及び主共通電極CARは、副共通電極CBU及び副共通電極CBBとそれぞれ繋がっている。
主共通電極CAL及び主共通電極CARは、それぞれ当該画素PXと左右に隣接する画素間に配置されている。すなわち、主共通電極CALは図示した当該画素PXとその左側の画素(図示せず)との境界に跨って配置され、主共通電極CARは図示した当該画素PXとその右側の画素(図示せず)との境界に跨って配置されている。副共通電極CBU及び主共通電極CBBは、それぞれ当該画素PXと上下に隣接する画素間に配置されている。すなわち、副共通電極CBUは図示した当該画素PXとその上側の画素(図示せず)との境界に跨って配置され、副共通電極CBBは図示した当該画素PXとその下側の画素(図示せず)との境界に跨って配置されている。
図示した例では、一画素PXにおいて、画素電極PEと共通電極CEとで区画された4つの領域が主として表示に寄与する開口部あるいは透過部として形成される。この例では、液晶分子LMの初期配向方向は、第2方向Yと略平行な方向である。第1配向膜AL1は、アレイ基板ARの対向基板CTと対向する面に配置され、アクティブエリアACTの略全体に亘って延在している。この第1配向膜AL1は、画素電極PEを覆っており、第2層間絶縁膜13の上にも配置されている。このような第1配向膜AL1は、水平配向性を示す材料によって形成されている。なお、アレイ基板ARは、さらに、共通電極の一部として第1主共通電極及び第1副共通電極を備えている場合もある。
図10は、8分割斜め電界モード液晶セルの電極構造の模式図である。この様に1画素を8つに分割することで更なる広視野角化を実現できる。
次に、上記構成の液晶表示パネルの動作について説明する。液晶層に電圧が印加されていない状態、つまり画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成されていない無電界時(OFF時)には、図9において破線で示したように液晶層LQの液晶分子LMは、その長軸が第1配向膜AL1の第1配向処理方向PD1及び第2配向膜AL2の第2配向処理方向PD2を向くように配向している。このようなOFF時が初期配向状態に相当し、OFF時の液晶分子LMの配向方向が初期配向方向に相当する。厳密には、液晶分子LMは、X−Y平面に平行に配向しているとは限らず、プレチルトしている場合が多い。このため、液晶分子LMの厳密な初期配向方向とは、OFF時の液晶分子LMの配向方向をX−Y平面に正射影した方向である。
第1配向処理方向PD1及び第2配向処理方向PD2は、ともに第2方向Yと略平行な方向である。OFF時においては、液晶分子LMは、図9に破線で示したように、その長軸が第2方向Yと略平行な方向を向くように初期配向する。つまり、液晶分子LMの初期配向方向は、第2方向Yと平行(あるいは、第2方向Yに対して0°)である。
図示した例のように、第1配向処理方向PD1及び第2配向処理方向PD2が平行且つ同じ向きである場合、液晶層LQの断面において液晶分子LMは、液晶層LQの中間部付近で略水平(プレティルト角が略ゼロ)に配向し、ここを境界として第1配向膜AL1の近傍及び第2配向膜AL2の近傍において対称となるようなプレチルト角を持って配向する(スプレイ配向)。このように液晶分子LMがスプレイ配向している状態では、基板の法線方向から傾いた方向においても第1配向膜AL1の近傍の液晶分子LMと第2配向膜AL2の近傍の液晶分子LMとにより光学的に補償される。したがって、第1配向処理方向PD1及び第2配向処理方向PD2が互いに平行、且つ、同じ向きである場合には、黒表示の場合に光漏れが少なく、高コントラスト比を実現することができ、表示品位を向上することが可能となる。なお、第1配向処理方向PD1及び第2配向処理方向PD2が互いに平行且つ逆向きである場合、液晶層LQの断面において、液晶分子LMは、第1配向膜AL1の近傍、第2配向膜AL2の近傍、及び、液晶層LQの中間部において略均一なプレチルト角を持って配向する(ホモジニアス配向)。バックライト4からのバックライト光の一部は、第1偏光板PL1を透過し、液晶表示パネルLPNに入射する。液晶表示パネルLPNに入射した光は、第1偏光板PL1の第1偏光軸AX1と直交する直線偏光である。このような直線偏光の偏光状態は、OFF時の液晶表示パネルLPNを通過した際にほとんど変化しない。このため、液晶表示パネルLPNを透過した直線偏光は、第1偏光板PL1に対してクロスニコルの位置関係にある第2偏光板PL2によって吸収される(黒表示)。
一方、液晶層LQに電圧が印加された状態、つまり、画素電極PEと共通電極CEとの間に電位差が形成された状態(ON時)では、画素電極PEと共通電極CEとの間に基板と略平行な横電界(あるいは斜め電界)が形成される。液晶分子LMは、電界の影響を受け、その長軸が図中の実線で示したようにX−Y平面と略平行な平面内で回転する。
図9に示した例では、画素電極PEと主共通電極CALとの間の領域のうち、下側半分の領域内の液晶分子LMは、第2方向Yに対して時計回りに回転し図中の左下を向くように配向し、また、上側半分の領域内の液晶分子LMは、第2方向Yに対して反時計回りに回転し図中の左上を向くように配向する。画素電極PEと主共通電極CARとの間の領域のうち、下側半分の領域内の液晶分子LMは、第2方向Yに対して反時計回りに回転し図中の右下を向くように配向し、上側半分の領域内の液晶分子LMは、第2方向Yに対して時計回りに回転し図中の右上を向くように配向する。このように、各画素PXにおいて、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成された状態では、液晶分子LMの配向方向は、画素電極PEと重なる位置を境界として複数の方向に分かれ、それぞれの配向方向でドメインを形成する。つまり、一画素PXには複数ドメインが形成される。
このようなON時には、第1偏光板PL1の第1偏光軸AX1と直交する直線偏光は、液晶表示パネルLPNに入射し、その偏光状態は、液晶層LQを通過する際に液晶分子LMの配向状態に応じて変化する。このようなON時においては、液晶層LQを通過した少なくとも一部の光は、第2偏光板PL2を透過する(白表示)。このような構造によれば、一画素内に4つのドメインを形成することが可能となるため、4方向での視野角を光学的に補償することができ、広視野角化が可能となる。したがって、階調反転がなく、高い透過率の表示を実現することができ、表示品位の良好な液晶表示装置を提供することが可能となる。また、一画素内において、画素電極PEと共通電極CEとで区画される4つの領域それぞれについて開口部の面積を略同一に設定することにより、各領域の透過率が略同等となり、それぞれの開口部を透過した光が互いに光学的に補償し合い、広い視野角範囲に亘って均一な表示を実現することが可能となる。
(フィッシュボーン型電極)
図11に記載のフィッシュボーン型電極構造を示す。所定のセルギャップで対向して貼り合わされた2枚のガラス基板間に液晶層が封止されている。対向する2枚の基板の対向面にはそれぞれITOからなる透明電極が形成されている。0.7mm程度の厚さのガラス基板を用い、対向基板には、共通電極をする。透明電極には電極材料(ITO)の一部を抜いたスリット部512cが設けられている。長方形のセルの各対向辺の中点を結ぶ十字状で幅3〜5μm程度のスリット部512cが配向規制用構造物として機能し、スリット部512cから斜め45°方向に延びて幅5μmのスリット部512cがピッチ8μmで複数形成されており、これらが傾斜時の方位角方向の乱れを抑える補助的な配向制御因子として機能する。表示用画素電極の幅は3μmである。画素幹部電極512aと画素枝部電極512bは45度の角度を有しながら、画素中央を対称中心として90度ずつ異なる4方向に枝部電極が延在された構造を有している。液晶分子は電圧印加により傾斜配向するが、傾斜配向の方位がこれらの4方向と一致しするように傾斜配向するので、4分割されたドメインを一つの画素内に形成させて表示の視野角を広くする。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、各実施例および比較例中の評価特性の各々は以下の記号および内容を意味する。
V90 :印加電圧ゼロのときの光透過率[%](T100)と、印加電圧ゼロのときの光透過率[%](T0)との差を光透過率全変化量として、光透過率全変化量の光透過率が90%となるときの印加電圧[V]
実施例1〜9、及び比較例1
(重合性液晶組成物の調整)
N型液晶組成物として下記(LCN−1)で示される組成物(Δn0.102、粘性η16.8、Δε−3.8)を調製した。
N型液晶組成物(LCN−1)を60℃に加熱し、固形の重合性化合物(V1−1−1)を表1の配合に従い混合し溶解させた。
室温で重合性化合物(V1−1−1)が均一に溶解してネマチック液晶相を示していることを偏光顕微鏡で確認した。この溶液に各種化合物(L1〜L4、イルガキュア651)を表1の配合に従い混合して重合性液晶組成物を調製した。調整した重合性液晶組成物の組成を表1に示す。
(液晶表示素子の作成及び電気光学特性の評価)
液晶の一軸配向(ホモジニアス配向)が得られるように、セルギャップ3.6μmのポリイミド垂直配向膜を塗布した垂直配向膜にプレチルト角が3度になるようにラビング配向処理を施した。対向する二枚の基板ラビング処理の向きは、反対になるように配置(アンチパラレル配向)した。得られた重合性液晶組成物を真空注入法によりセル内に注入し、注入後、注入口を封口剤3026B(スリーボンド社製)で封止した。波長365nmの紫外線LEDの光源を用いて照射強度が20mW/cm2の紫外線を15秒〜100秒間の照射時間を変えて液晶表示素子を作製した。
(電気光学特性の測定)
得られた液晶表示素子のセルに電圧を印加して明視野が一番明るくなるようにラビング方向をクロスニコル偏光板の2つの偏光軸の何れかに対して45度に配置して偏光顕微鏡でセルの液晶配向状態を観察した。電圧を印加しない状態は、暗視野で完全に略垂直配向状態でノーマリブラックであることが確認された。電圧を徐々に上げて印加するとスリットの部分は垂直配向からラビング処理方向へ傾斜配向方位が揃うように傾斜配向が変化して明さが増していくことを確認した。
60Hzの矩形波を印加して電圧―透過率特性と応答時間を測定した。最大透過率をT100、駆動電圧をV90、立下り応答時間をToffとして、各特性を表1に纏めて記した。
(表示ムラの評価)
表示ムラ評価は直交する二枚の偏光板の間に得られた液晶表示素子を置き、バックライトを光源として以下の基準にて目視で確認することにより行った。
A:良好、ムラが観測されなかったもの
B:やや良好、一部にムラが観察されたもの
C:不良、多数のムラが観察されたもの
評価結果を以下の表に示す。
上記実施例及び比較例で使用した液晶組成物は、重合性モノマー、及び開始剤は下記の通りである。