JP2015087793A - 媒体移動装置及び媒体取引装置 - Google Patents

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和宏 細川
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Takashi Iwatsuki
敬 岩月
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Abstract

【課題】簡素な構成により、収容空間内を仕切る複数の仕切部材を媒体の取込及び放出に適した位置にそれぞれ移動させ得るようにする。
【解決手段】接客部112は、連動部138において第2ビルプレス37及びステージ36の間にスプリング173を挟み、フレーム171により両者の間隔を連動最大長J2とする範囲内でそれぞれを前後方向へ移動させるようにし、後規制体177及び第1ビルプレス35によっても第2ビルプレス37及びステージ36の移動範囲をそれぞれ規制した。これにより接客部112は、第1ビルプレス駆動部46及びフレーム駆動部151といった2組の駆動機構により第1ビルプレス35及び連動部138のフレーム171を直接駆動するだけで、プールガイド34、ステージ36及び第2ビルプレス37を含めた4個の仕切部材を適切な位置に移動させ、入金取引及び出金取引において必要な種々の状態に遷移させることができる。
【選択図】図10

Description

本発明は媒体移動装置及び媒体取引装置に関し、例えば紙幣のような紙葉状の媒体を投入して所望の取引を行う現金自動預払機(ATM)等に適用して好適なものである。
従来、金融機関等で使用される現金自動預払機等においては、顧客との取引内容に応じて、例えば顧客に紙幣や硬貨等の現金を入金させ、また顧客へ現金を出金するようになされている。
現金自動預払機としては、例えば顧客との間で紙幣の授受を行う接客部と、紙幣を搬送する搬送部と、投入された紙幣の金種及び真偽を認識する認識部と、投入された紙幣を一時的に保留する一時保留部と、金種ごとに紙幣を収納する紙幣カセットと、再使用すべきでない紙幣を収納するリジェクトカセットとを有するものが提案されている。
この現金自動預払機は、入金取引において、顧客が接客部に紙幣を投入すると、投入された紙幣を1枚ずつに分離して搬送部により搬送し、認識部で認識し、正常紙幣と認識された紙幣を一時保留部へ収納する一方、取引すべきでないと認識された紙幣(以下これを入金リジェクト紙幣と呼ぶ)を接客部へ戻して顧客に返却する。
続いて現金自動預払機は、顧客により入金金額が確定されると、一時保留部に収納している紙幣を繰り出してその金種を認識部により再認識し、認識された金種に応じて各紙幣カセットに収納すると共に、損傷の程度が大きいと認識された紙幣をリジェクトカセットに収納する。
また現金自動預払機は、出金処理において、顧客の操作指示により出金すべき金額が確定すると、紙幣カセットから出金すべき金額に応じた紙幣を繰り出して搬送部により搬送し、認識部により正常な紙幣が過不足なく繰り出されたことを認識した後、接客部へ搬送して顧客に取り出させる。
さらに現金自動預払機は、返却した紙幣や出金した紙幣等を顧客が接客部から取り出し忘れた場合、この紙幣を入金された紙幣と同様に取り込み、内部の所定箇所に保管する。
このような現金自動預払機の接客部としては、上述した各種動作を行うべく、紙幣を収容すべき収容空間内に、当該収容空間を仕切る4個の仕切部材を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば図20に示す接客部312において、収容空間SC内には、前方から順にプールガイド34、第1ビルプレス35、ステージ36及び第2ビルプレス37がそれぞれ前後方向に移動可能に設けられている。
また接客部312には、収容空間SCの下方前寄りに、紙幣を1枚ずつに分離して取り込む取込部39が設けられると共に、収容空間SCの下方後寄りに、紙幣を当該収容空間SC内に1枚ずつ放出する放出部40が設けられている。さらに接客部312の上方には、前後方向へ移動することにより収容空間SCを開閉するシャッタ32も設けられている。
接客部312は、入金時、シャッタ32を開放すると共に、プールガイド34を取込部39よりも後方まで移動させて当該取込部39を露出させないようにし、また第1ビルプレス35、ステージ36及び第2ビルプレス37を放出部40の前方において互いに重なるように位置させ、当該放出部40を露出させないようにする。
この状態で接客部312は、プールガイド34及び第1ビルプレス35の間を比較的大きく広げて、紙幣をその間の空間(以下これを第1収容空間と呼ぶ)に投入させる。
その後接客部312は、シャッタ32を閉塞し、プールガイド34を取込部39よりも前方まで移動させると共に第1ビルプレス35をプールガイド34に押し付け、投入された紙幣を取込部39により1枚ずつに分離しながら取り込む。
このとき接客部312は、ステージ36及び第2ビルプレス37をそれぞれ放出部40の前後に位置させ、当該ステージ36及び当該第2ビルプレス37の間に比較的狭い空間(以下これを第2収容空間と呼ぶ)を形成して、入金リジェクト紙幣を当該放出部40から第2空間内へ放出する。
その後接客部312は、シャッタ32を開放して入金リジェクト紙幣を顧客に返却する。ここで当該入金リジェクト紙幣が顧客により取り出されなかった場合、接客部312は、再びシャッタ32を閉塞し、ステージ36及び第1ビルプレス35を最前方まで移動させてプールガイド34に密接させると共に、第2ビルプレスにより入金リジェクト紙幣をステージに押し付けながら、取込部39により1枚ずつに分離して取り込む。
また接客部312は、出金時には、入金リジェクト紙幣と同様の動作により、紙幣を第2空間内へ放出し、顧客が取り忘れた場合には同様に当該紙幣を取り込む。
このように接客部312は、プールガイド34、第1ビルプレス35、ステージ36及び第2ビルプレス37といった4種類の移動体をそれぞれ独立に前後方向へ移動させるようになっている。
特開2009−98835号公報(図3〜図11等)
しかしながら、かかる構成の接客部312では、4種類の移動体をそれぞれ独立に移動させるべく、4個のアクチュエータが必要となるため、その構成が複雑なものとなり、製造コストも増加してしまうという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡素な構成により、収容空間内を仕切る複数の仕切部材を媒体の取込及び放出に適した位置にそれぞれ移動させ得る媒体移動装置及び媒体取引装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の媒体移動装置においては、媒体を収容する収容空間を仕切り、当該媒体と当接する第1当接面を有し、当該第1当接面と交差する交差方向に移動可能な第1仕切部材と、収容空間を仕切り、第1当接面と対向する第2当接面を有し、交差方向に移動可能な第2仕切部材と、第1仕切部材及び第2仕切部材に対し、交差方向に関し互いに引き離す方向に付勢する付勢部と、交差方向に移動可能であり、交差方向に関する第1仕切部材及び第2仕切部材の最大間隔を規制する間隔規制部と、交差方向に関し、第1仕切部材又は第2仕切部材の少なくとも一方の移動範囲を規制する移動範囲規制部と、間隔規制部を交差方向に駆動する駆動部とを設けるようにした。
本発明の媒体移動装置は、間隔規制部により規制される最大間隔の範囲内で付勢部により第1仕切部材の第1当接面と第2仕切部材の第2当接面との間隔を広げているため、一の駆動部により間隔規制部を交差方向へ移動させるだけで、両者を交差方向へ移動させることができ、また移動規制部によりその一方の移動範囲を規制することで両者の間隔を狭めることもできる。
また本発明の媒体取引装置においては、媒体を収容する収容空間を仕切り、当該媒体と当接する第1当接面を有し、当該第1当接面と交差する交差方向に移動可能な第1仕切部材と、収容空間を仕切り、第1当接面と対向する第2当接面を有し、交差方向に移動可能な第2仕切部材と、第1仕切部材及び第2仕切部材に対し、交差方向に関し互いに引き離す方向に付勢する付勢部と、交差方向に移動可能であり、交差方向に関する第1仕切部材及び第2仕切部材の最大間隔を規制する間隔規制部と、交差方向に関し、第1仕切部材又は第2仕切部材の少なくとも一方の移動範囲を規制する移動範囲規制部と、間隔規制部を交差方向に駆動する駆動部と、駆動部を制御する制御部とを設けるようにした。
本発明の媒体移動装置は、間隔規制部により規制される最大間隔の範囲内で付勢部により第1仕切部材の第1当接面と第2仕切部材の第2当接面との間隔を広げているため、制御部の制御に基づき一の駆動部により間隔規制部を交差方向へ移動させるだけで、両者を交差方向へ移動させることができ、また移動規制部によりその一方の移動範囲を規制することで両者の間隔を狭めることもできる。
本発明によれば、媒体移動装置において、一の駆動部により間隔規制部を交差方向へ移動させるだけで、第1仕切部材及び第2仕切部材を交差方向へ移動させることができ、また移動規制部によりその一方の移動範囲を規制することで両者の間隔を狭めることもできる。また本発明によれば、媒体取引装置において、制御部の制御に基づき一の駆動部により間隔規制部を交差方向へ移動させるだけで、第1仕切部材及び第2仕切部材を交差方向へ移動させることができ、また移動規制部によりその一方の移動範囲を規制することで両者の間隔を狭めることもできる。かくして本発明は、簡素な構成により、収容空間内を仕切る複数の仕切部材を媒体の取込及び放出に適した位置にそれぞれ移動させ得る媒体移動装置及び媒体取引装置を実現できる。
現金自動預払機の構成を示す略線的斜視図である。 紙幣入出金機の構成を示す略線図である。 接客部の構成を示す略線的斜視図である。 第1の実施の形態による接客部の構成を示す略線図である。 第1の実施の形態による連動部の構成を示す略線的斜視図である。 第1の実施の形態における開放状態を示す略線図である。 第1の実施の形態における取込状態を示す略線図である。 第1の実施の形態における取忘取込状態を示す略線図である。 第1の実施の形態における放出状態を示す略線図である。 第2の実施の形態による接客部の構成を示す略線図である。 第2の実施の形態による連動部の構成を示す略線的斜視図である。 第2の実施の形態における連動部による第2ビルプレス及びステージの移動を示す略線図である。 第2の実施の形態における開放状態を示す略線図である。 第2の実施の形態における取込状態を示す略線図である。 第2の実施の形態における取忘取込状態を示す略線図である。 第2の実施の形態における放出状態を示す略線図である。 第2の実施の形態における出金開放状態を示す略線図である。 他の実施の形態による接客部の構成を示す略線図である。 他の実施の形態による接客部における状態の遷移を示す略線図である。 従来の接客部の構成を示す略線図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.現金自動預払機の構成]
図1に外観を示すように、現金自動預払機1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関等に設置され、顧客との間で入金取引や出金取引等の現金に関する取引を行うようになされている。
筐体2は、その前側に顧客が対峙した状態で紙幣の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所、すなわち前面の上部から上面に渡る部分が斜めに切り落とされたような形状となっており、この部分に顧客応対部3が設けられている。
顧客応対部3は、顧客との間で現金や通帳等を直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行うようになされており、カード入出口4、入出金口5、操作表示部6、テンキー7、及びレシート発行口8が設けられている。
カード入出口4は、キャッシュカード等の各種カードが挿入または排出される部分である。カード入出口4の奥側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読み取りを行うカード処理部(図示せず)が設けられている。入出金口5は、顧客が入金する紙幣が投入されると共に、顧客へ出金する紙幣BLが排出される部分である。また入出金口5は、シャッタを駆動することにより開放又は閉塞するようになされている。因みに紙幣は、例えば長方形の紙で構成されている。
操作表示部6は、取引に際して操作画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、暗証番号や取引金額等を入力するタッチセンサとが一体化されたタッチパネルとなっている。テンキー7は、「0」〜「9」の数字等の入力を受け付ける物理キーであり、暗証番号や取引金額等の入力操作時に用いられる。レシート発行口8は、取引処理の終了時に取引内容等を印字したレシートを発行する部分である。因みにレシート発行口8の奥側には、レシートに取引内容等を印字するレシート処理部(図示せず)が設けられている。
以下では、現金自動預払機1のうち顧客が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、当該前側に対峙した顧客から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
筐体2内には、現金自動預払機1全体を統括制御する主制御部9や、紙幣に関する種々の処理を行う紙幣入出金機10等が設けられている。主制御部9は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金取引や出金取引等の種々の処理を行うようになっている。また主制御部9は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させるようになっている。
紙幣入出金機10は、図2に側面図を示すように、内部に紙幣BLに関する種々の処理を行う複数の部分が組み込まれている。また紙幣入出金機10の各部分は、紙幣制御部11により制御される。
紙幣制御部11は、主制御部9と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、各部の動作を制御すると共に入金取引や出金取引等の種々の処理を行うようになっている。また紙幣制御部11は、内部にRAM及びフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させるようになっている。
紙幣制御部11は、例えば顧客が紙幣BLを入金する入金取引を行う場合、操作表示部6(図1)を介して所定の操作入力を受け付けた後、シャッタを開いて接客部12内に形成された収容空間SCへ紙幣BLを投入させる。接客部12は、所定のセンサにより収容空間SC内に紙幣BLが1枚以上収容されているか否か、及び収容空間SC内に収容可能な最大量の紙幣BLが収納されているか否かを検知し、その検知結果を紙幣制御部11へ通知する。
この接客部12は、収容空間SCに紙幣BLが投入されると、シャッタを閉じて当該収容空間SC内から紙幣BLを1枚ずつ繰り出し、搬送部13へ受け渡す。搬送部13は、複数のローラやベルト等により構成されており、長方形の紙葉状に構成された紙幣BLを短辺方向に沿って進行させ、認識部14へ搬送する。
認識部14は、その内部で紙幣BLを搬送しながら、光学素子や磁気検出素子等を用いて当該紙幣BLの金種及び真偽、並びに損傷の程度等を認識し、その認識結果を紙幣制御部11へ通知する。これに応じて紙幣制御部11は、取得した認識結果に基づいて当該紙幣BLの搬送先を決定する。
このとき搬送部13は、認識部14において正常と認識された紙幣BLを一時保留部15へ搬送する等して一時的に保留させる一方、取引すべきでないと認識された紙幣BL(以下これを入金リジェクト紙幣BLRと呼ぶ)を接客部12へ搬送して顧客に返却する。その後紙幣制御部11は、投入された紙幣BLの合計金額を集計して操作表示部6に表示すると共に、入金取引を継続するか否かを顧客に選択させる。
ここで紙幣制御部11は、顧客により入金取引の中止が指示された場合、一時保留部15に保留している全ての紙幣BLを搬送部13により接客部12へ搬送して顧客に返却する。また紙幣制御部11は、顧客により入金取引の継続が指示された場合、一時保留部15に保留している全ての紙幣BLを搬送部13により認識部14へ搬送してその金種及び損傷の程度等を認識させ、その認識結果を取得する。
そして紙幣制御部11は、紙幣BLの損傷の程度が大きければ、これを再利用すべきでない紙幣BLとして搬送部13によりリジェクトカセット16へ搬送して収納させ、損傷の程度が小さければ、これを再利用すべき紙幣BLとして搬送部13により搬送させ、その金種に応じた紙幣カセット17に収納させる。
また紙幣制御部11は、例えば顧客が紙幣BLを出金する出金取引を行う場合、操作表示部6(図1)を介して所定の操作入力を受け付けた後、出金すべき金額に応じた紙幣BLを紙幣カセット17から繰り出させ、搬送部13により認識部14へ搬送させる。続いて紙幣制御部11は、この紙幣BLを認識部14により認識させた上で、搬送部13により接客部12へ搬送して収容空間SC内に集積させ、入出金口5(図1)のシャッタを開いて顧客に取り出させる。
このように接客部12は、入金取引において、顧客に紙幣BLを投入させた後、1枚ずつに分離して内部に取り込むと共に入金リジェクト紙幣BLRを顧客に返却し、また出金取引において、紙幣BLを収容空間SC内に放出して集積し、顧客に取り出させるようになっている。
[1−2.接客部の構成]
次に、接客部12の構成について説明する。接客部12は、図3(A)及び(B)に斜視図を示すと共に図4(A)及び(B)に模式的な側面図を示すように、筐体30内に紙幣BLを収容する収容空間SCを形成しており、この収容空間SC内に紙幣BLを収容するようになっている。
因みに図3(A)は接客部12を前方左斜め上から見下ろした様子を表しており、図3(B)は接客部12を後方左斜め上から見下ろした様子を表している。また図4(A)及び(B)は、いずれも接客部12の左側面図であるが、説明の都合上、それぞれ一部の部材を省略し、また簡略化して表している。
収容空間SCは、紙幣BLの紙面を前後方向に向けると共に、その長手方向を左右方向に向けた状態、すなわち短手方向を概ね上下方向に向けた状態で、複数の当該紙幣BLを前後方向に集積した状態で収容する。
筐体30は、概ね直方体状に形成されており、その上面が大きく開放されると共に、上面板31が取り付けられている。上面板31は、中央に大きな貫通孔31Hが穿設されている。
貫通孔31Hにおける左右方向の長さは、紙幣BLにおける長辺の長さよりも長くなっている。また貫通孔31Hにおける前後方向の長さは、所定枚数(例えば200枚)の紙幣BLを指先で挟んだときの指先を含む前後長よりも十分に長くなっている。
これにより上面板31は、顧客が複数枚の紙幣BLを重ねた状態で指先により挟持し、当該紙幣BLの長辺方向を左右に向けると共に紙面を前後に向けた状態で貫通孔31Hを通過させながら、当該紙幣BLを収容空間SC内に投入させ、或いは当該紙幣BLを収容空間SC内から取り出させるようになっている。
また上面板31には、貫通孔31Hよりも一回り大きい板状のシャッタ32が設けられている。シャッタ32は、図示しないシャッタ駆動部により前後方向に移動し得るようになされており、前方に移動することにより図4(A)に示したように収容空間SCを閉塞する一方、後方へ移動することにより図3(A)及び(B)に示したように収容空間SCを外部に露出させる。
収容空間SCの底部には、フロアガイド33が設けられている。フロアガイド33は、その上面が概ね平坦に形成されると共に、比較的大きな貫通孔が複数形成されている。このためフロアガイド33は、紙幣BLを収容空間SC内に止めたまま、例えば硬貨やクリップ等のような紙幣以外の異物を貫通孔から下方へ落下させることができる。因みに、ここでフロアガイド33から落下した異物は、図示しない異物排出機構により外部へ排出される。
収容空間SC内には、当該収容空間SCを前後方向に仕切る4個の仕切部材として、前方から順に、プールガイド34、第1ビルプレス35、ステージ36及び第2ビルプレス37が設けられている。
説明の都合上、以下では、収容空間SCのうちプールガイド34の後面34R及び第1ビルプレス35の前面35Fに挟まれた空間を第1収容空間SC1と呼び、ステージ36の後面36R及び第2ビルプレス37の前面37Fに挟まれた空間を第2収容空間SC2と呼ぶ。
プールガイド34は、その後面34Rにおける下端から中央部分にかけて略平坦に形成されると共に、上端近傍が前方へ湾曲されている。またプールガイド34には、後述するピッカローラ61を露出させるための孔部34H(図3)が左右に1箇所ずつ形成されている。
このプールガイド34は、紙幣制御部11(図1、図2)の制御に基づき、図4(B)に示すプールガイド駆動部41により前後方向へ駆動される。プールガイド駆動部41は、収容空間SCの左右にそれぞれ設けられている。プールガイド駆動部41は、駆動プーリ42、従動プーリ43、ベルト44及び固定部45により構成されている。
駆動プーリ42は、収容空間SCの前方に配置されており、回転軸を左右方向に向けた円板状に形成されている。また駆動プーリ42は、図示しないアクチュエータからの駆動力が伝達されることにより、図4(B)における時計方向又は反時計方向に回転する。
従動プーリ43は、収容空間SCの後方に配置されており、駆動プーリ42と同様、回転軸を左右方向に向けた円板状に形成されている。この駆動プーリ42は、図示しない軸受を介して、筐体30に対し図4(B)における時計方向又は反時計方向に自在に回転し得るように取り付けられている。
ベルト44は、柔軟性を有する材料でなり、円環状に形成されている。このベルト44は、駆動プーリ42及び従動プーリ43の周囲に掛け回されており、駆動プーリ42が回転されると、従動プーリ43を回転させながら走行することができる。
固定部45は、ベルト44に対し固定されると共に、プールガイド34における左右の側部に対しても固定されている。このため固定部45は、ベルト44の走行に伴ってプールガイド34を前後方向へ移動させることができる。
このようにプールガイド34は、紙幣制御部11(図1、図2)の制御に基づき、プールガイド駆動部41により前後方向へ移動することができる。
第1ビルプレス35は、前後方向に薄い板状に形成されており、少なくともその前面35Fが平坦に形成されている。また第1ビルプレス35は、プールガイド34と同様に、後述するピッカローラ61を露出させるための孔部35H(図3)が左右に1箇所ずつ形成されている。
この第1ビルプレス35は、紙幣制御部11(図1、図2)の制御に基づき、第1ビルプレス駆動部46(図4(B))により前後方向へ駆動される。
第1ビルプレス駆動部46は、プールガイド駆動部41と同様、収容空間SCの左右にそれぞれ設けられており、駆動プーリ42、従動プーリ43、ベルト44及び固定部45とそれぞれ同様に構成された駆動プーリ47、従動プーリ48、ベルト49及び固定部50により構成されている。因みに固定部50は、ベルト49及び第1ビルプレス35にそれぞれ固定されている。
駆動プーリ47は、駆動プーリ42から独立して駆動される。このため第1ビルプレス35は、プールガイド34とは独立して前後方向へ移動することができる。
かかる構成により接客部12では、プールガイド34の後面34Rと第1ビルプレス35の前面35Fとの間隔、すなわち第1収容空間SC1(図4(A))における前後方向の長さ(以下これを第1空間長SL1と呼ぶ)を、比較的長い距離から「0」までの広い範囲で変化させることができる。これを換言すれば、第1収容空間SC1には、比較的多くの枚数の紙幣BLを収容することができる。
第2ビルプレス37は、概ねプールガイド34と前後対称に構成されている。すなわち第2ビルプレス37は、その前面37Fにおける下端から中央部分にかけて略平坦に形成されると共に、上端近傍が後方へ湾曲されている。ただし第2ビルプレス37は、孔部34Hに相当する孔部は形成されていない。
この第2ビルプレス37は、紙幣制御部11(図1、図2)の制御に基づき、第2ビルプレス駆動部51(図4(B))により前後方向へ駆動される。
第2ビルプレス駆動部51は、プールガイド駆動部41及び第1ビルプレス駆動部46と同様、収容空間SCの左右にそれぞれ設けられており、駆動プーリ42、従動プーリ43、ベルト44及び固定部45とそれぞれ同様に構成された駆動プーリ52、従動プーリ53、ベルト54及び固定部55により構成されている。因みに固定部55は、ベルト54及び第2ビルプレス37にそれぞれ固定されている。
駆動プーリ52は、駆動プーリ42及び駆動プーリ47のいずれからも独立して駆動される。このため第2ビルプレス37は、プールガイド34及び第1ビルプレス35のいずれからも独立して前後方向へ移動することができる。
ステージ36は、第1ビルプレス35と同様、前後方向に薄い板状に形成されており、少なくともその後面36Rが平坦に形成されている。またステージ36は、プールガイド34及び第1ビルプレス35と同様に、後述するピッカローラ61を露出させるための孔部36H(図3)が左右に1箇所ずつ形成されている。
このステージ36は、左右の連動部38を介して第2ビルプレス37に取り付けられている。連動部38は、図5(A)に斜視図を示すように、第2ビルプレス支持部37T、シャフト56、スプリング57、ステージ支持部36T及びストッパ58により構成されている。
第2ビルプレス支持部37Tは、前後に薄い小さな板状に形成されており、第2ビルプレス37における左右の側方から、左右の外方へ突出するように立設されている。また第2ビルプレス支持部37Tの前面は、第2ビルプレス37の前面37Fよりも後方に位置している。
第2ビルプレス支持部37Tの前面における略中央には、後方へ向けてシャフト56が立設されている。シャフト56は、細長い円柱状に形成されており、その中心軸を前後方向に向けている。シャフト56の周囲には、コイルスプリングでなるスプリング57が挿通されている。
スプリング57は、その内径がシャフト56の外径よりも僅かに大きく、且つその外径が第2ビルプレス支持部37Tにおける各辺の長さよりも十分に小さくなっている。さらにスプリング57の自然長は、シャフト56の前後長よりも長くなっている。
ステージ支持部36Tは、第2ビルプレス支持部37Tと同様、前後に薄い小さな板状に形成されており、ステージ36における左右の側方から、左右の外方へ突出するように立設されている。
このステージ支持部36Tの略中央には、丸孔でなり前後方向に貫通する挿通孔36THが穿設されている。この挿通孔36THの直径(内径)は、シャフト56の外径よりも僅かに大きく、且つスプリング57の外径よりも小さくなっている。
ストッパ58は、板面を前後方向に向けた薄い円板状に形成されている。このストッパ58の外径は、ステージ支持部36Tにおける挿通孔36THの内径よりも十分に大きくなっている。ストッパ58は、シャフト56にスプリング57及びステージ支持部36Tの挿通孔36THが順次挿通された状態で、当該シャフト56の前端に取り付けられる。
かかる構成により、連動部38は、ステージ36に外力が加えられない場合、図5(A)に示したように、スプリング57の作用により第2ビルプレス37に対しステージ36を前方へ引き離す方向へ移動させ、ステージ支持部36Tをストッパ58に当接させた状態で静止する。
このとき、ステージ36の後面36Rと第2ビルプレス37の前面37Fとの間隔、すなわち第2収容空間SC2(図4(A))における前後方向の長さ(以下これを第2空間長SL2と呼ぶ)を、シャフト56の前後長に基づいた所定の連動最大長J1(詳しくは後述する)としている。
また連動部38は、ステージ36に対し後方へ向かう外力が加えられた場合、ステージ支持部36Tの挿通孔36THをシャフト56に摺動させながら、且つスプリング57を圧縮しながら、当該ステージ36を後方へ移動させていく。その後連動部38は、図5(B)に示すように、最終的にステージ36の後面36Rを第2ビルプレス37の前面37Fに当接させた状態となる。このとき第2空間長SL2(図4(B))は「0」となる。
このようにステージ36は、外力が加えられない場合には第2空間長SL2を連動最大長J1に保ちながら、また外力が加えられた場合には第2空間長SL2を当該連動最大長J1よりも縮めながら、第2ビルプレス37と連動するようになっている。
ところで、収容空間SC(図4)の下方におけるフロアガイド33の前後には、当該収容空間SC内の紙幣BLを1枚ずつに分離しながら取り込んで搬送部13(図2)に受け渡す取込部39と、当該搬送部13から搬送されてきた紙幣BLを当該収容空間SC内へ放出する放出部40とがそれぞれ設けられている。
取込部39は、収容空間SCの下方前寄りに設けられており、ピッカローラ61、フィードローラ62、ゲートローラ63及び搬送ガイド64により構成されている。
ピッカローラ61は、中心軸を左右方向に向けた扁平な円柱状に形成されており、その周側面における一部分に紙幣BLに対する摩擦係数が大きい高摩擦部材が取り付けられる一方、他の部分における紙幣BLに対する摩擦係数が小さくなっている。
またピッカローラ61は、左右に1個ずつ配置されており、収容空間SCの前側における下寄りの位置であって、プールガイド34に穿設された2箇所の孔部34Hとそれぞれ対応する位置に設けられている。さらにピッカローラ61は、その周側面のうち後側の一部分を収容空間SC内に突出させるよう、その取付位置が調整されている。
このピッカローラ61は、紙幣制御部11(図1、図2)により制御される取込駆動機構(図示せず)から駆動力が伝達されることにより、図4(A)における反時計方向に回転する。これによりピッカローラ61は、例えば第1収容空間SC1内に収容されている紙幣BLが第1ビルプレス35により前方へ押し付けられているときに、最前面の紙幣BLに対し下方へ向かう力を加えて送り出すことができる。
因みにピッカローラ61は、取込駆動機構(図示せず)により一定の回転速度で回転されるものの、高摩擦部材が周側面の一部分にのみ設けられ、他の部分の摩擦係数が低くなっていることにより、紙幣BLを間欠的に、すなわち1枚ずつ間隔を空けるようにして送り出すことができる。
フィードローラ62は、ピッカローラ61と同様、中心軸を左右方向に向けた扁平な円柱状に形成されており、その周側面における一部分に紙幣BLに対する摩擦係数が大きい高摩擦部材が取り付けられる一方、他の部分における紙幣BLに対する摩擦係数が小さくなっている。
またフィードローラ62は、複数個が左右方向に並ぶように配置されており、ピッカローラ61の下方、すなわち収容空間SCの前下方に位置している。このフィードローラ62は、ピッカローラ61と同様、取込駆動機構(図示せず)から伝達される駆動力により、当該ピッカローラ61と同期して図4(A)における反時計方向に回転させる。これによりフィードローラ62は、ピッカローラ61により下方へ送られてきた最前面の紙幣BLに対し、さらに下方へ力を加えて進行させることができる。
ゲートローラ63は、ピッカローラ61及びフィードローラ62と同様、中心軸を左右方向に向けた扁平な円柱状に形成されているものの、その全周側面において、紙幣BLに対する摩擦係数が小さくなっている。
またゲートローラ63は、複数個が左右方向に並ぶように、且つそれぞれフィードローラ62と対向するように配置されており、フィードローラ62の後方、すなわち収容空間SCの下方における前寄りに位置している。ここでフィードローラ62及びゲートローラ63の間隔は、1枚の紙幣BLが辛うじて通過できる程度の極めて狭い間隔となっている。またゲートローラ63は、取込駆動機構(図示せず)から伝達される駆動力により、図4(A)における反時計方向に回転し、或いは静止する。
これによりゲートローラ63は、ピッカローラ61及びフィードローラ62からの力及び紙幣BL間の摩擦力により、2枚以上の紙幣BLが重なった状態で下方へ進行しようとしていた場合に、最前面以外の(すなわち前から2枚目以降の)紙幣BLを堰き止め、最前面にある1枚の紙幣BLのみを分離して下方へ進行させることができる。
搬送ガイド64は、フィードローラ62及びゲートローラ63の間を通過してきた、すなわち1枚ずつに分離された紙幣BLを所定の搬送経路に沿って下方へ案内し、搬送部13(図2)に受け渡す。
このようにして取込部39は、収容空間SC内に収容されている紙幣BLを1枚ずつに分離して取り込み、搬送部13(図2)に順次受け渡すことができる。
放出部40は、搬送ガイド65、駆動ローラ66、従動ローラ67及び舌片ローラ68により構成されている。
搬送ガイド65は、接客部12の下方に位置する搬送部13(図2)から受け渡された紙幣BLを所定の搬送経路に沿って上方へ向けて案内し、駆動ローラ66及び従動ローラ67の間に挟持させる。
駆動ローラ66は、中心軸を左右方向に向けた扁平な円柱状に形成されている。この駆動ローラ66は、収容空間SCの下方における後端寄りとなる位置に、複数個が左右方向に並ぶように配置されている。また駆動ローラ66は、図示しない放出駆動機構から駆動力が伝達されることにより、図4(A)における時計方向に回転する。
従動ローラ67は、駆動ローラ66と同様、中心軸を左右方向に向けた扁平な円柱状に形成されている。この従動ローラ67は、駆動ローラ66の後方に、すなわち収容空間SCの後下方となる位置に、複数個がそれぞれ駆動ローラ66と対向するように、左右方向に並んで配置されている。
また従動ローラ67は、図示しない回転軸により、自在に回転し得るように支持されると共に、図示しない付勢部材により前方へ付勢されており、その周側面を駆動ローラ66の周側面に押し付けている。
舌片ローラ68は、比較的小さい円柱状に形成された中心部68Aの周側面に、8本の舌片68Bが放射状に取り付けられた構成となっている。舌片68Bは、柔軟性を有する材料により、放射方向に沿った細長い形状に形成されている。
また放出部40では、駆動ローラ66及び舌片ローラ68により回転軸を共有させており、左右方向に複数の舌片ローラ68を離散的に配置している。このため舌片ローラ68は、放出駆動機構(図示せず)から伝達される駆動力により、当該駆動ローラ66と同様に、図4(A)における時計方向に回転する。
かかる構成により放出部40は、搬送ガイド65に沿って搬送されてきた紙幣BLを駆動ローラ66及び従動ローラ67の間に挟持し、当該駆動ローラ66を回転させることにより、当該紙幣BLを上方の収容空間SC内へ、例えば第2収容空間SC2内へ放出する。
ここで第2収容空間SC2内へ放出された紙幣BLは、そのまま上方へ進行し、シャッタ32の下面に設けられたビルストッパ69に衝突する。ビルストッパ69は、図示しない弾性部材(例えばスプリング)を介してシャッタ32に取り付けられており、紙幣BLの衝突による衝撃を吸収し、当該紙幣BLを僅かに下方へ押し戻す。
その後紙幣BLは、ビルストッパ69による押し戻された勢いと重力の作用とにより下方へ落下し、その下端をフロアガイド33に当接させる。さらに紙幣BLは、回転している舌片ローラ68により前方へ押し付けられ、ステージ36の後面36R側に寄せ付けられ、順次集積されていく。
このようにして放出部40は、搬送部13(図2)から順次搬送されてくる紙幣BLを収容空間SC内へ放出し、ステージ36の後面36Rに寄せ付けるようにして集積することができる。
[1−3.入出金動作]
ところで、現金自動預払機1(図1)において入金取引及び出金取引が行われる場合、接客部12は、紙幣制御部11(図1、図2)の制御に基づき、シャッタ32を開閉させると共に4個の仕切部材(プールガイド34、第1ビルプレス35、ステージ36及び第2ビルプレス37)を適宜移動させるようになっている。
以下では、接客部12における状態の遷移及び4個の仕切部材の動作について、入金取引及び出金取引それぞれの処理に分けて説明する。
[1−3−1.入金取引]
現金自動預払機1において入金取引を行う場合、接客部12は、まず図6に示すように、シャッタ32を後方へ移動させて収容空間SCの上方を開放し、顧客に紙幣BLを収容空間SC内に投入させる。
このとき接客部12は、プールガイド34をある程度後方へ移動させて取込部39を隠蔽すると共に、第2ビルプレス37をある程度前方へ移動させて放出部40を隠蔽する。また接客部12は、第1ビルプレス35を極力後方へ移動させることにより、ステージ36を第2ビルプレス37及び第1ビルプレス35により挟み込む。以下、接客部12におけるこの状態(図6)を開放状態と呼ぶ。
これにより接客部12は、第1収容空間SC1を広げて露出させることができ、顧客により当該第1収容空間SC1へ紙幣BLを投入させることができる。因みに入金取引では、最大で200枚の紙幣BLが投入されることが想定されている。このため接客部12では、このときの第1収容空間SC1における第1空間長SL1が紙幣BLの200枚分の厚さよりも長くなるように設定されている。
その後、操作表示部6(図1)に対し所定の読取開始操作がなされると、接客部12は、図7に示すように、シャッタ32を前方へ移動させて収容空間SCを閉塞する。また接客部12は、プールガイド34を最も前方へ移動させることにより、孔部34Hからピッカローラ61の一部を第1収容空間SC1内に露出させる。さらに接客部12は、第1ビルプレス35を前方へ移動させることにより、紙幣BLを当該第1ビルプレス35及びプールガイド34の間に挟み込み、その最前面をピッカローラ61に押し付ける。
これに加えて接客部12は、第2ビルプレス37を最も後方へ移動させる。このときステージ36は、第1ビルプレス35から離されており外力が加えられていないため、連動部38のスプリング57(図5)の作用により、第2ビルプレス37から最も離れ、第2収容空間SC2の第2空間長SL2を連動最大長J1とする。以下、接客部12におけるこの状態(図7)を取込状態と呼ぶ。
ところで接客部12では、放出部40から第2収容空間SC2内に紙幣BLを円滑に放出するために、当該第2収容空間SC2内に他の紙幣BLが存在しないようなある程度の広さの空間を形成する必要がある。その一方で接客部12は、第2収容空間SC2内に放出された紙幣BLを舌片ローラ68により前方へ寄せ付けて集積するために、ステージ36の後面36R又は集積されている紙幣BLのうち最も後側の面(以下これを集積最後面と呼ぶ)を、舌片ローラ68の回転半径内に位置させる必要がある。
一方、入金取引において入金リジェクト紙幣BLRが発生する割合は、一般に、多くとも10%程度である。すなわち現金自動預払機1では、1回の入金取引において、多くとも20枚程度の入金リジェクト紙幣BLRが発生することになる。
そこで接客部12では、第2収容空間SC2内におけるステージ36の後面36R側に集積された紙幣BLの枚数が概ね20枚以下であるときに、放出部40から放出される紙幣BLを適切に集積し得る位置にステージ36を位置させるよう、連動最大長J1の長さが適切に設定されている。
これを換言すれば、接客部12では、第2収容空間SC2に放出可能な紙幣BLの枚数が、最大で約20枚となっている。
接客部12は、この取込放出状態で取込部39を動作させることにより、第1収容空間SC1内の紙幣BLを1枚ずつに分離しながら取り込み、搬送部13(図2)へ受け渡していく。このとき搬送部13は、当該紙幣BLを認識部14において認識させ、取引すべきで無いと認識された紙幣BL(すなわち入金リジェクト紙幣BLR)を接客部12の放出部40へ搬送する。接客部12は、放出部40を動作させることにより、搬送されてきた入金リジェクト紙幣BLRを第2収容空間SC2内へ放出し、ステージ36の後面36R側に寄せ付けるように集積していく。
ところで接客部12は、入金取引において第1収容空間SC1内に投入された紙幣BLを取込部39により全て取り込んだ時点で、入金リジェクト紙幣BLRが第2収容空間SC2内に集積されていた場合、シャッタ32を再度開放して当該入金リジェクト紙幣BLRを顧客に返却する。
ここで、例えば顧客が入金取引の途中で現金自動預払機1の前から立ち去ってしまった場合等に、この入金リジェクト紙幣BLRが取り出されないことがある。このような場合、現金自動預払機1は、この入金リジェクト紙幣BLRを再び内部に取り込むことにより、次の顧客に取り出させないようにする。
具体的に接客部12は、図8に示すように、シャッタ32を閉塞した上で、第1ビルプレス35を最も前方へ移動させてプールガイド34と当接させる。また接客部12は、第2収容空間SC2内に入金リジェクト紙幣BLRを集積したまま、第2ビルプレス37を最も前方へ移動させることにより、連動部38のスプリング57(図4)の作用によってステージ36を第1ビルプレス35に当接させる。
これによりピッカローラ61の後端部分は、プールガイド34の孔部34H、第1ビルプレス35の孔部35H及びステージ36の孔部36H(図3)を順次通り抜け、当該ステージ36の後面36R側、すなわち第2収容空間SC2内に露出する。このピッカローラ61には、第2ビルプレス37により前方へ押し付けられている入金リジェクト紙幣BLRの最前面が当接する。以下、接客部12におけるこの状態(図8)を取忘取込状態と呼ぶ。
この状態で接客部12は、取込部39を動作させることにより、入金リジェクト紙幣BLRを1枚ずつに分離して取り込み、搬送部13(図2)に受け渡していくことができる。因みに紙幣入出金機10は、ここで取り込まれた入金リジェクト紙幣BLRを、他の紙幣BLと区別して所定の収納庫に収納する。
このように接客部12は、入金取引において開放状態(図6)、取込状態(図7)及び取忘取込状態(図8)に適宜遷移することにより、顧客に投入された紙幣BLを1枚ずつに分離して取り込むと共に入金リジェクト紙幣BLRを返却し、これが取り出されなかった場合に再び1枚ずつに分離して取り込むようになっている。
[1−3−2.出金取引]
現金自動預払機1において出金取引を行う場合、接客部12は、まず図9に示すように、シャッタ32により収容空間SCの上方を閉塞したまま、第2ビルプレス37を最も後方に位置させると共に、第1ビルプレス35を最も後方に移動させる。
これにより接客部12では、第1ビルプレス35をステージ36に当接させると共に当該ステージ36を第2ビルプレス37に当接させ、放出部40の上方に第1収容空間SC1の後端を位置させる。
また接客部12は、プールガイド34を第1ビルプレス35から連動最大長J1と同程度の距離だけ離れた位置へ移動させる。これにより接客部12は、第1収容空間SC1の第1空間長SL1を、放出部40からの紙幣BLの放出及びプールガイド34の後面34Rに寄せ付けた集積に適した距離とする。以下、接客部12におけるこの状態(図9)を放出状態と呼ぶ。
この状態において接客部12は、放出部40を動作させることにより、搬送部13(図2)から順次搬送されてくる紙幣BLを、当該放出部40から第1収容空間SC1内へ放出すると共に、プールガイド34の後面34R又は既に集積されている紙幣BLの最後面(すなわち集積最後面)に押し付けるようにして集積させていく。
またこのとき接客部12は、集積された紙幣BLの枚数が増加するに連れて、ステージ36を徐々に又は段階的に前方へ移動させていく。これにより接客部12は、集積最後面の位置をほぼ一定に保つことができ、放出部40からの紙幣BLの放出及び集積を安定的に継続することができる。
因みに現金自動預払機1では、1回の出金取引において最大で200枚の紙幣BLを出金することが想定されている。そこで接客部12では、第2空間長SL2が連動最大長J1(図4(A))に制限されるため最大で20枚程度までの紙幣BLを収容できる第2収容空間SC2では無く、事実上収容空間SCにおけるほぼ全ての範囲を占有できるため200枚の紙幣BLを確実に収容できる第1収容空間SC1に紙幣BLを放出するようになっている。
その後接客部12は、出金すべき紙幣BLを第1収容空間SC1内に全て放出してプールガイド34の後面34R側に集積すると、当該プールガイド34及び第1ビルプレス35、ステージ36及び第2ビルプレス37を開放状態(図6)と同様の位置に移動させると共にシャッタ32を開放し、紙幣BLを取り出しやすい状態として顧客に取り出させる。
この出金取引においても、例えば顧客が手続の途中で現金自動預払機1の前から立ち去ってしまった場合等に、出金された紙幣BLが取り出されないことがある。このような場合、現金自動預払機1は、この出金された紙幣BLを再び内部に取り込むことにより、次の顧客に取り出させないようにする。
具体的に接客部12は、入金された紙幣BLを内部に取り込む場合と同様、取込状態(図7)として取込部39により紙幣BLを1枚ずつ取り込んでいく。因みに現金自動預払機1は、ここで取り込まれた紙幣BLを、認識部14(図2)における認識結果に拘わらず、他の紙幣BLと区別して所定の収納庫に全て収納する。
このように接客部12は、出金取引において放出状態(図9)及び開放状態(図6)に適宜遷移することにより、顧客に出金すべき紙幣BLを収容空間SC内に集積して出金し、これが取り出されなかった場合に取込状態(図7)に遷移して再び取り込むようになっている。
[1−4.動作及び効果]
以上の構成において、第1の実施の形態による接客部12は、プールガイド34、第1ビルプレス35及び第2ビルプレス37をプールガイド駆動部41、第1ビルプレス駆動部46及び第2ビルプレス駆動部51(図4(B))によりそれぞれ独立に移動させると共に、連動部38によりステージ36を第2ビルプレス37と連動させるようにした。
連動部38(図5)は、スプリング57及びストッパ58の作用により、ステージ36を第2ビルプレス37から前方に連動最大長J1だけ引き離す一方、第1ビルプレス35により押し付けられた場合には当該ステージ36を第2ビルプレス37へ近接させ、さらには当接させる。
これにより接客部12は、入金取引及び出金取引において必要な種々の状態、すなわち開放状態(図6)、取込状態(図7)、取忘取込状態(図8)及び放出状態(図9)にそれぞれ遷移することができる。
特に接客部12は、取込状態(図7)において、4個の仕切部材(プールガイド34、第1ビルプレス35、ステージ36及び第2ビルプレス37)それぞれを適切な位置に移動させることができる。
このため接客部12では、取込部39による第1収容空間SC1内の紙幣BLの取込と並行して、放出部40により第2収容空間SC2へ入金リジェクト紙幣BLRを放出することができる。さらに接客部12は、仮に入金リジェクト紙幣BLRが顧客により取り出されなかった場合に、取忘取込状態(図8)へ遷移することにより、当該入金リジェクト紙幣BLRを再び取り込んで現金自動預払機1の内部に収納することができる。
このように接客部12は、3組の駆動部(プールガイド駆動部41、第1ビルプレス駆動部46及び第2ビルプレス駆動部51)及び連動部38の組み合わせにより、4個の仕切部材(プールガイド34、第1ビルプレス35、ステージ36及び第2ビルプレス37)をそれぞれ適切な位置に移動させることができる。従って接客部12は、4組の駆動部が必要であった従来の接客部312(図20)と比較して、駆動部の数を削減することができるので、簡素な構成により同等の機能を実現することができる。
以上の構成によれば、第1の実施の形態による接客部12は、第2ビルプレス37に取り付けた連動部38により、当該第2ビルプレス37に対しスプリング57を介してステージ36を連動最大長J1の範囲内で前後方向へ移動させるようにした。これにより接客部12は、プールガイド駆動部41、第1ビルプレス駆動部46及び第2ビルプレス駆動部51といった3組の駆動機構により、プールガイド34、第1ビルプレス35及び第2ビルプレス37を直接駆動するだけで、ステージ36を含めた4個の仕切部材を適切な位置に移動させ、入金取引及び出金取引において必要な種々の状態に遷移させることができる。
[2.第2の実施の形態]
第2の実施の形態による現金自動預払機101(図1)は、第1の実施の形態による現金自動預払機1と比較して、紙幣入出金機10に代わる紙幣入出金機110を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
紙幣入出金機110(図2)は、第1の実施の形態による紙幣入出金機10と比較して、紙幣制御部11及び接客部12に代わる紙幣制御部111及び接客部112を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
紙幣制御部111は、第1の実施の形態による紙幣制御部11と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、各部の動作を制御すると共に入金取引や出金取引等の種々の処理を行うようになっている。また紙幣制御部111は、やはり紙幣制御部11と同様、内部にRAM、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させるようになっている。
[2−1.接客部の構成]
接客部112は、図4(A)及び(B)と対応する図10(A)及び(B)に示すように、筐体30よりも前後方向に長い筐体130内に、第1の実施の形態と同等の収容空間SCが形成されている。
筐体130の上面側には、第1の実施の形態と同様の上面板31及びシャッタ32が設けられている。また収容空間SCの下方には、第1の実施の形態と同様にフロアガイド33、取込部39及び放出部40が設けられている。さらに収容空間SC内には、4個の仕切部材(プールガイド34、第1ビルプレス35、ステージ36及び第2ビルプレス37)が設けられている。
プールガイド34は、第1の実施の形態と異なり、筐体30に対し可動支持部180を介して取り付けられている。可動支持部180は、第1の実施の形態における連動部38(図5)と類似した構成となっており、シャフト181、スプリング182、挿通支持部183及びストッパ184により構成されている。
シャフト181は、連動部38のシャフト56と同様に前後方向に細長い円柱上に形成されており、プールガイド34の前面から前方へ向けて立設されている。このシャフト181の周囲には、スプリング182が挿通されている。
スプリング182は、スプリング57と同様、その内径がシャフト181の外径よりも僅かに大きいコイルスプリングとなっている。またスプリング182の自然長は、シャフト181の前後長よりも長くなっている。
挿通支持部183は、前後方向に薄い板状に形成されており、筐体130に対し固定されている。また挿通支持部183には、前後方向に貫通する丸孔でなる挿通孔が穿設されている。この挿通孔の孔径(内径)は、シャフト181の外径よりも僅かに大きく、且つスプリング182の外径よりも小さくなっている。
ストッパ184は、シャフト181にスプリング182及び挿通支持部183が挿通された状態で、当該シャフト181の前端に取り付けられる。また筐体130内には、前規制体187が取り付けられている。この前規制体187の後面187Rは、収容空間SCの前端よりも僅かに前方であって、且つ挿通支持部183よりも後方に位置している。
かかる構成により可動支持部180は、特に外力が加えられていない場合、図10(A)に示したように、スプリング182の作用により挿通支持部183に対しプールガイド34を後方に押し出し、ストッパ184を当該挿通支持部183に当接させた状態となる。
ここでシャフト181の前後長及び挿通支持部183の取付位置は、プールガイド34が最も後方へ移動したときに、第1の実施の形態における開放状態(図6)と同等の位置となるように設定されている。
一方、可動支持部180は、プールガイド34に対し前方へ向かう外力が加えられると、スプリング182を圧縮させながら当該プールガイド34を前方へ移動させていき、その前面を前規制体187の後面187Rに当接させた状態で静止させる。
ここで前規制体187は、このときのプールガイド34の位置が、第1の実施の形態において最も前方へ移動されたときの位置(例えば図4(A))と同等となるよう、筐体130に対する取付位置が設定されている。
このように可動支持部180は、スプリング182の付勢力及びプールガイド34に加えられる外力に応じて、当該プールガイド34を限られた範囲内で前後方向へ移動させるようになっている。
第1ビルプレス35は、第1の実施の形態と同様、第1ビルプレス駆動部46(図10(B))により前後方向へ移動される。このため接客部112は、第1の実施の形態と同様、第1収容空間SC1の第1空間長SL1を比較的長い距離から「0」までの広い範囲で変化させることができる。これを換言すれば、第1収容空間SC1には、第1の実施の形態と同様に、比較的多くの枚数の紙幣BLを収容することができる。
ステージ36及び第2ビルプレス37は、連動部38に代えて左右それぞれに設けられた連動部138により互いに連動するようになっている。連動部138は、図5(A)及び(B)とそれぞれ対応する図11(A)及び(B)に示すように、フレーム171、シャフト172、第2ビルプレス支持部37T、スプリング173及びステージ支持部36Tにより構成されている。
フレーム171は、前後方向に細長い直方体状に形成された下底部171Aの前端及び後端に、それぞれ前後方向に薄い直方体状でなる前端部171B及び後端部171Cが、上方へ向けて立設されている。因みにフレーム171は、金属等の剛性の高い部材により構成されており、容易に変形しないようになっている。
シャフト172は、連動部38のシャフト56と同様に、その中心軸を前後方向に向けた細長い円柱状に形成されている。またシャフト172の前後長は、前端部171B及び後端部171Cの間隔と略同等となっている。
スプリング173は、第1の実施の形態におけるスプリング57と同様、コイルスプリングとして形成されており、その内径がシャフト172の外径よりも大きく形成されると共に、その自然長がシャフト172の前後長よりも長くなっている。
ステージ支持部36Tには、第1の実施の形態と同様、シャフト172の外径よりも僅かに大きな孔径でなる挿通孔36THが穿設されている。また第2ビルプレス支持部37Tには、このステージ支持部36Tと同様、シャフト172の外径よりも僅かに大きな孔径でなる挿通孔37THが穿設されている。
このシャフト172は、前側から順にステージ支持部36T、スプリング173及び第2ビルプレス支持部37Tが挿通された状態で、フレーム171に対し前端部171B及び後端部171Cの間に挟持されるようにして取り付けられている。
これにより前端部171Bは、フレーム171に対するステージ36の前方向への移動範囲を規制している。また後端部171Cは、フレーム171に対する第2ビルプレス37の後方向への移動範囲を規制している。すなわち前端部171B及び後端部171Cは、ステージ36及び第2ビルプレス37の最大間隔を規制している。
ところでフレーム171は、第1の実施の形態における第2ビルプレス駆動部51に代わるフレーム駆動部151により駆動される。
このフレーム駆動部151(図10(B))は、第2ビルプレス駆動部51と同様、収容空間SCの左右にそれぞれ設けられており、駆動プーリ52、従動プーリ53及びベルト54とそれぞれ同様に構成された駆動プーリ152、従動プーリ153及びベルト154により構成されている。因みにベルト154は、フレーム171に直接固定されている。
すなわちフレーム駆動部151は、紙幣制御部111(図1、図2)の制御に基づいてベルト154を走行させることにより、フレーム171を前後方向へ移動させることができる。
さらに筐体130内における収容空間SCの後方には、後規制体177(図10(A))が取り付けられている。後規制体177は、その前面177Fが収容空間SCの後端と略同等の位置となるよう、その位置が調整されている。
このため後規制体177は、その前面177Fに第2ビルプレス37の後面が当接している場合、当該第2ビルプレス37の前面37Fを、収容空間SCの略後端であって放出部40の放出口40Gよりも僅かに後方に位置させることができる。すなわち後規制体177は、後方向に関する第2ビルプレス37の移動範囲(移動限界)を規定している。
かかる構成により連動部138は、図12(A)に示すように、ステージ36及び第2ビルプレス37に対し何ら外力が加えられていない場合、スプリング173の作用により、ステージ支持部36Tをフレーム171の前端部171Bに当接させると共に、第2ビルプレス支持部37Tを後端部171Cに当接させる。
このとき連動部138は、ステージ36及び第2ビルプレス37の前後方向の間隔、すなわち第2収容空間SC2の第2空間長SL2を最大限に拡張することになる。以下、このときの第2空間長SL2を連動最大長J2と呼ぶ。
因みに連動部138は、連動最大長J2を第1の実施の形態における連動最大長J1(図4(B))よりも長くするよう、フレーム171、シャフト172及びスプリング173の前後長がそれぞれ最適化されている。
このため連動部138は、例えばフレーム駆動部151によりフレーム171を適宜駆動することにより、図11(A)に示したように、第2ビルプレス37の後面を後規制体177の前面177Fに当接させて当該第2ビルプレス37の前面37Fを収容空間SCの後端に位置させ、且つ第2空間長SL2を連動最大長J2とすることができる。以下、このときのフレーム171の位置を、後端当接位置と呼ぶ。
また連動部138は、フレーム171を後端当接位置よりも後方へ移動させると、図12(B)に示すように、第2ビルプレス37が後規制体177に当接していることにより、第2ビルプレス支持部37Tをフレーム171の後端部171Cから引き離していく。
これにより連動部138は、第2ビルプレス支持部37Tとステージ支持部36Tとの間でスプリング173を圧縮しながら、ステージ36を第2ビルプレス37に近接させ、第2収容空間SC2の第2空間長SL2を連動最大長J2よりも短縮することができる。
さらに連動部138は、フレーム171を最も後方へ移動させることにより、図12(C)に示すように、ステージ36の後面36Rを第2ビルプレス37の前面37Fに当接させ、第2収容空間SC2の第2空間長SL2を「0」とすることもできる。
また連動部138は、フレーム171を前方へ移動させると共にステージ36を第1ビルプレス35に当接させることにより、図12(D)に示すように、ステージ支持部36Tをフレーム171の前端部171Bから引き離すことができる。
これにより連動部138は、第2ビルプレス支持部37Tとステージ支持部36Tとの間でスプリング173を圧縮しながら、ステージ36を第2ビルプレス37に近接させ、第2収容空間SC2の第2空間長SL2を連動最大長J2よりも短縮することができる。
これを換言すれば、連動部138は、第1ビルプレス35をあたかも前側における移動範囲の規制部材として利用し、当該第1ビルプレス35の位置をステージ36の前方への移動限界とすることにより、収容空間SCの後端近傍以外の位置においても、第2空間長SL2を短縮することができる。
因みに連動部138は、フレーム171をさらに前方へ移動させることにより、ステージ36の後面36Rを第2ビルプレス37の前面37Fに当接させ、第2収容空間SC2の第2空間長SL2を「0」とすることもできる。
このように連動部138は、フレーム駆動部151によりフレーム171が前後方向へ移動されることに伴って第2ビルプレス37及びステージ36を前後方向へ移動させ、さらに後規制体177及び第1ビルプレス35を利用して第2収容空間SC2の第2空間長SL2を変化させることができる。
[2−2.入出金動作]
ところで、現金自動預払機101(図1)において入金取引及び出金取引が行われる場合、接客部112は、紙幣制御部111(図1、図2)の制御に基づき、第1の実施の形態とは異なる動作によって、シャッタ32を開閉させると共に4個の仕切部材(プールガイド34、第1ビルプレス35、ステージ36及び第2ビルプレス37)を適宜移動させるようになっている。
以下では、接客部112における状態の遷移及び4個の仕切部材の動作について、第1の実施の形態と適宜比較しながら、入金取引及び出金取引それぞれの処理に分けて説明する。
[2−2−1.入金取引]
現金自動預払機101において入金取引を行う場合、接客部112は、まず図6と対応する図13に示すように、シャッタ32を後方へ移動させて収容空間SCの上方を開放し、顧客に紙幣BLを収容空間SC内に投入させる。
このとき接客部112は、可動支持部180の作用によりプールガイド34を後方へ移動させて取込部39を隠蔽すると共に、連動部138により第2ビルプレス37を前方へ移動させて放出部40を隠蔽する。
また接客部112は、第1ビルプレス35を極力後方へ移動させることにより、ステージ36を第2ビルプレス37及び第1ビルプレス35により挟み込む。以下、接客部112におけるこの状態(図13)をこの実施の形態における開放状態と呼ぶ。
これにより接客部112は、第1の実施の形態と同様、第1収容空間SC1を広げて露出させることができ、顧客により当該第1収容空間SC1へ紙幣BLを投入させることができる。
その後、操作表示部6(図1)に対し所定の読取開始操作がなされると、接客部112は、図7と対応する図14に示すように、シャッタ32を前方へ移動させて収容空間SCを閉塞する。
また接客部112は、第1ビルプレス35を前方へ移動させることにより、紙幣BLを当該第1ビルプレス35及びプールガイド34の間に挟み込み、その最前面をピッカローラ61に押し付ける。
このときプールガイド34は、第1ビルプレス35の前方へ向かう力により可動支持部180のスプリング182を圧縮させると共に最も前方まで移動させ、孔部34Hからピッカローラ61の一部を第1収容空間SC1内に露出させる。
これに加えて接客部112は、連動部138を後方へ移動させることにより、第2ビルプレス37を後規制体177に当接させ、さらにスプリング173をある程度圧縮させて第2収容空間SC2の第2空間長SL2を連動最大長J2よりも短縮し、第1の実施の形態における連動最大長J1(図4)と同程度とする。
これにより接客部112では、第1の実施の形態と同様、最大で約20枚の入金リジェクト紙幣BLRを第2収容空間SC2内へ放出することができる。以下、接客部112におけるこの状態(図14)をこの実施の形態における取込状態と呼ぶ。
その後接客部112は、第1の実施の形態と同様、入金取引において第1収容空間SC1内に投入された紙幣BLを取込部39により全て取り込んだ時点で入金リジェクト紙幣BLRが第2収容空間SC2内に集積されていた場合、シャッタ32を再度開放して当該入金リジェクト紙幣BLRを顧客に返却する。
ここで顧客により入金リジェクト紙幣BLRの取り忘れが発生した場合、接客部112は、図8と対応する図15に示すように、シャッタ32を閉塞し、第1ビルプレス35を最も前方へ移動させてプールガイド34と当接させ、当該プールガイド34を前規制体187に当接させる。
また接客部112は、第2収容空間SC2内に入金リジェクト紙幣BLRを集積したまま連動部138を最も前方へ移動させることにより、スプリング173の作用によってステージ36を第1ビルプレス35に当接させる。
これによりピッカローラ61の後端部分は、第1の実施の形態と同様、プールガイド34の孔部34H、第1ビルプレス35の孔部35H及びステージ36の孔部36H(図3)を順次通り抜け、当該ステージ36の後面36R側、すなわち第2収容空間SC2内に露出する。このピッカローラ61には、第2ビルプレス37により前方へ押し付けられている入金リジェクト紙幣BLRの最前面が当接する。以下、接客部112におけるこの状態(図15)をこの実施の形態における取忘取込状態と呼ぶ。
この状態で接客部112は、取込部39を動作させることにより、第1の実施の形態と同様、入金リジェクト紙幣BLRを1枚ずつに分離して取り込み、搬送部13(図2)に受け渡していくことができる。
このように接客部112は、入金取引において開放状態(図13)、取込状態(図14)及び取忘取込状態(図15)に適宜遷移することにより、顧客に投入された紙幣BLを1枚ずつに分離して取り込むと共に入金リジェクト紙幣BLRを返却し、これが取り出されなかった場合に再び1枚ずつに分離して取り込むことができる。
[2−2−2.出金取引]
現金自動預払機101において出金取引を行う場合、接客部112は、まず図9と対応する図16に示すように、シャッタ32により収容空間SCの上方を閉塞したまま、取込状態(図14)と同様、連動部138を後方へ移動させる。
これにより接客部112は、第2ビルプレス37を後規制体177に当接させ、さらにスプリング173をある程度圧縮させて第2収容空間SC2の第2空間長SL2を連動最大長J2よりも短縮し、第1の実施の形態における連動最大長J1(図4)と同程度とする。また接客部112は、第1ビルプレス35を最も前方へ移動させることによりプールガイド34を前規制体187に押し付け、ステージ36の前方に空間を確保する。
これにより接客部112は、第1の実施の形態と異なり、放出部40の上方に第2収容空間SC2の後端を位置させる。以下、接客部112におけるこの状態(図16)をこの実施の形態における放出状態と呼ぶ。
この状態において接客部112は、放出部40を動作させることにより、搬送部13(図2)から順次搬送されてくる紙幣BLを、当該放出部40から第2収容空間SC2内へ放出すると共に、ステージ36の後面36R又は既に集積されている紙幣BLの最後面(すなわち集積最後面)に押し付けるようにして集積させていく。
またこのとき接客部112は、集積された紙幣BLの枚数が増加するに連れて、連動部138のフレーム171(図11)を徐々に又は段階的に前方へ移動させていく。これにより連動部138は、スプリング173の作用によって第2ビルプレス37を後規制体177に当接させたまま、ステージ36のみを徐々に又は段階的に前方へ移動させ、第2収容空間SC2の第2空間長SL2を第1の実施の形態における連動最大長J1(図4)よりも拡大していく。
この結果、接客部112は、最大で200枚の紙幣BLが放出される場合であっても、集積最後面の位置をほぼ一定に保つことができ、放出部40からの紙幣BLの放出及び集積を安定的に継続することができる。
その後接客部112は、出金すべき紙幣BLを第2収容空間SC2内に全て放出してステージ36の後面36R側に集積すると、図17に示すように、連動部138を前方へ移動させて第2ビルプレス37を開放状態(図13)と同様の位置に移動させると共にステージ36を当該第2ビルプレス37から最も引き離し、第2収容空間SC2を第2空間長SL2が連動最大長J2となる程度まで拡大する。
また接客部112は、第1ビルプレス35をやや後方へ移動させることにより、プールガイド34と当接させたまま、その後面をステージ36の前面と当接させてシャッタ32を開放し、紙幣BLを取り出しやすい状態として顧客に取り出させる。以下、接客部112におけるこの状態(図17)をこの実施の形態における出金開放状態と呼ぶ。
この出金取引において顧客が紙幣BLを取り出さなかった場合、接客部112は、入金リジェクト紙幣BLRが取り出されなかった場合と同様、取忘取込状態(図15)として取込部39により紙幣BLを1枚ずつ取り込んでいく。
このように接客部112は、出金取引において放出状態(図16)及び出金開放状態(図17)に適宜遷移することにより、顧客に出金すべき紙幣BLを収容空間SC内に集積して出金し、これが取り出されなかった場合に取忘取込状態(図15)に遷移して再び取り込むことができる。
[2−3.動作及び効果]
以上の構成において、第2の実施の形態による接客部112は、プールガイド34を可動支持部180により前後方向へ移動可能に支持し、第1ビルプレス35を第1ビルプレス駆動部46により単独で移動させると共に、ステージ36及び第2ビルプレス37を連動させる連動部138をフレーム駆動部151により前後方向へ移動させるようにした。
特に連動部138は、スプリング173により両者を離隔方向に付勢する一方、フレーム171によりステージ36及び第2ビルプレス37の前後方向への最大離隔距離を規制した。これに加えて接客部112では、後規制体177により第2ビルプレス37の後方向への移動範囲を規制すると共に、第1ビルプレス35によりステージ36の前方向への移動範囲を規制した。
このため連動部138は、フレーム駆動部151(図10(B))によってフレーム171の後端部171C(図11)を後規制体177よりも後方に位置させることにより、スプリング173の作用によって第2ビルプレス37を後規制体177に当接させ、当該第2ビルプレス37を放出部40の放出口40Gよりも後方に位置させることができる(図12(B))。
またこのとき連動部138は、第1ビルプレス35がステージ36から離れていれば、フレーム駆動部151によりフレーム171を後方向へ移動させるだけで、その移動量に応じて、当該フレーム171の前端部171Bと共にステージ36を後方向へ移動させることができる。
すなわち連動部138は、第2ビルプレス37を後規制体177に当接させたままフレーム171を前後方向へ移動させるだけで、第2収容空間SC2における第2空間長SL2を「0」から連動最大長J2の範囲で所望の長さに調整することができる。
これにより接客部112では、第2収容空間SC2内における紙幣BLの集積枚数に拘わらず、集積最後面(集積されている紙幣BLのうち最も後側の面)を紙幣BLの放出に適した位置に維持することができる(図14)。
すなわち接客部112は、第1の実施の形態による接客部12と同様、入金取引において、1の収容空間SC内でプールガイド34、第1ビルプレス35及び取込部39による紙幣BLの取込動作とステージ36、第2ビルプレス37及び放出部40による入金リジェクト紙幣BLRの放出動作とを並行して実行することができる。このため現金自動預払機101では、入金リジェクト紙幣BLRを一時的に保管するための機構を別途設ける必要が無く、投入された紙幣BLの取込動作を完了した時点で、改めて紙幣BLの搬送動作を行う必要無く、入金リジェクト紙幣BLRを直ちに顧客に返却することができる。
またこの第2の実施の形態では、連動最大長J2(図10)を第1の実施の形態における連動最大長J1(図4)よりも延長したことにより、第2収容空間SC2内に最大で200枚の紙幣BLを収容することができる。
これにより第2の実施の形態では、特に出金取引において放出部40から最大で200枚まで放出される紙幣BLを、第1収容空間SC1では無く第2収容空間SC2に収容することができるため、プールガイド34を後方まで移動させる必要が無い。
このため接客部112では、プールガイド34を可動支持部180により支持すれば良く、第1の実施の形態のようにプールガイド駆動部41(図4)により移動させる必要が無い。すなわち接客部112は、第1の実施の形態による接客部12と比較して、アクチュエータやベルトの組み合わせでなるプールガイド駆動部41を省略することができるので、その構成を大幅に簡素化することができる。
また連動部138は、フレーム駆動部151(図10(B))によりフレーム171の後端部171C(図11)を後規制体177よりも前方へ移動させることにより、第2ビルプレス37を後規制体177から引き離し、その移動量に応じて前方へ移動させることができる(図12(A))。
このとき接客部112は、第1ビルプレス35をフレーム171の前端部171Bよりも後方へ移動させることにより、第2ビルプレス37を移動させること無く、スプリング173を圧縮させながらステージ36のみを後方へ移動させることができる(図12(D))。
すなわち連動部138は、第1ビルプレス35を利用することにより、第2収容空間SC2における第2空間長SL2を連動最大長J2よりも短い任意の間隔に調整することができる。これにより接客部112では、第1の実施の形態による接客部12と同様、入金取引において発生した入金リジェクト紙幣BLRや出金取引において出金された紙幣BLの取り忘れが発生した場合に、第2収容空間SC2内の紙幣BL又は入金リジェクト紙幣BLRを収容空間SC内の最前方へ移動して取込部39から紙幣入出金機110内へ再び取り込むことができる。
かくして接客部112は、2組の駆動部(第1ビルプレス駆動部46及びフレーム駆動部151)によって第1ビルプレス35及び連動部138のフレーム171を前後方向へ適宜移動させることにより、4個の仕切部材(プールガイド34、第1ビルプレス35、ステージ36及び第2ビルプレス37)を入金取引及び出金取引において必要な位置にそれぞれ移動させることができる。すなわち接客部112は、開放状態(図13)、取込状態(図14)、取忘取込状態(図15)、放出状態(図16)及び出金開放状態(図17)にそれぞれ遷移することができる。
従って接客部112は、4組の駆動部が必要であった従来の接客部312(図20)や、3組の駆動部が必要であった第1の実施の形態による接客部12と比較して、一段と簡素な構成により同等の機能を実現することができる。
以上の構成によれば、第2の実施の形態による接客部112は、連動部138において第2ビルプレス37及びステージ36の間にスプリング173を挟み、フレーム171により両者の間隔を連動最大長J2とする範囲内でそれぞれを前後方向へ移動させるようにし、後規制体177及び第1ビルプレス35によっても第2ビルプレス37及びステージ36の移動範囲をそれぞれ規制した。これにより接客部112は、第1ビルプレス駆動部46及びフレーム駆動部151といった2組の駆動機構により第1ビルプレス35及び連動部138のフレーム171を直接駆動するだけで、プールガイド34、ステージ36及び第2ビルプレス37を含めた4個の仕切部材を適切な位置に移動させ、入金取引及び出金取引において必要な種々の状態に遷移させることができる。
[3.他の実施の形態]
なお上述した第2の実施の形態においては、連動部138においてコイルスプリングでなるスプリング173によりステージ36と第2ビルプレス37とを互いに引き離す方向に付勢する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばトーションスプリングや板ばね等、種々の弾性部材によりステージ36と第2ビルプレス37とを互いに引き離す方向に付勢するようにしても良い。第1の実施の形態についても同様である。
また上述した第2の実施の形態においては、フレーム171を剛性の高い部材により構成し、容易に変形させないようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば図10(B)と対応する図18に示す接客部212のように、連動部138に代わる連動部238を用いても良い。
この連動部238は、フレーム駆動部151に代わる連動駆動部251により前後方向へ駆動されるようになっている。連動駆動部251は、フレーム駆動部151の駆動プーリ152、従動プーリ153及びベルト154とそれぞれ対応する駆動プーリ252、従動プーリ253及びベルト254により構成されている。
連動部238は、ベルト254の一部分をフレーム171の下底部171A(図11)として利用している。また連動部238では、前端部171Bおよび後端部171Cに代わる前端部255及び後端部256が連動駆動部251におけるベルト254に直接立設されている。
この接客部212では、図14と対応する図19(A)に示すように、後端部256を後規制体177よりも後方に位置させたい場合、ベルト254がその走行経路に沿って撓むことにより当該後端部256を下方へ退避させることができる。また接客部212では、図15と対応する図19(B)に示すように、前端部255を第1ビルプレス35よりも前方に位置させたい場合、やはりベルト254がその走行経路に沿って撓むことにより当該前端部255を下方へ退避させることができる。
このため接客部212では、第2の実施の形態による接客部112のように、前後方向に比較的長いフレーム171の移動範囲を筐体130内に確保する必要が無いため、筐体230の前後長を筐体130よりも短縮することができる。
さらに上述した第2の実施の形態においては、連動部138のフレーム171において前端部171B及び後端部171Cを下側の下底部171Aにより連結した形状、すなわち左右方向から見て前後に広げた略U字状とする場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば前端部171B及び後端部171Cの左右や上側に設けた部材により連結させるようにしても良く、或いは下底部171Aを省略してシャフト172のみにより前端部171B及び後端部171Cを連結させるようにしても良い。要は、連動部138により、ステージ36が第1ビルプレス35に当接していないときに前端部171Bにより前方への移動範囲を規制でき、且つ第2ビルプレス37が後規制体177に当接していないときに後端部171Cにより後方への移動範囲を規制でき、さらにステージ36及び第2ビルプレス37の最大間隔を連動最大長J2に抑えることができれば良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、前端部171B及び後端部171Cの間にシャフト172を設け、当該シャフト172に第2ビルプレス支持部37T、スプリング173及びステージ支持部36Tを挿通させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば図18及び図19に示した接客部212のように、シャフト172を省略し、前端部171B及び後端部171Cの間にスプリング173を挟持するようにしても良い。第1の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第2の実施の形態においては、駆動プーリ152、従動プーリ153及びベルト154の組み合わせでなるフレーム駆動部151により連動部138のフレーム171を前後方向へ移動させるようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばアクチュエータにより回転されると共に螺旋状の溝が形成された細長いシャフト状のウォームギヤを前後方向に沿って配置し、当該ウォームギヤの溝に歯合する歯合部をフレーム171に固定して、当該ウォームギヤの回転によりフレーム171を前後方向へ移動させるようなフレーム駆動部等、種々の構成によりフレーム駆動部を構成しても良い。第1ビルプレス駆動部46についても同様であり、また第1の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第2の実施の形態においては、前後方向に移動可能な第1ビルプレス35によりステージ36の前方向への移動範囲を規制する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば後規制体177と同様に筐体130に対し固定された規制部によりステージ36の前方向への移動範囲を規制するようにしても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、筐体130に対し固定された後規制体177により第2ビルプレス37の後ろ方向への移動範囲を規制する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば所定のアクチュエータ等により筐体130に対し前後方向へ移動可能な後規制体により第2ビルプレス37の後ろ方向への移動範囲を規制するようにしても良い。また、後規制体177又はこれに代わる規制部を収容空間SCの後端よりも後方に位置させることにより、第2ビルプレス37を収容空間SCよりも後方まで移動させるようにしても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、プールガイド34を可動支持部180により前後方向へ移動可能に支持する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばプールガイド34を収容空間SCにおける前端付近に固定するようにしても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、収容空間SC内に紙幣BLを収容すべき領域を仕切る4個の仕切部材(プールガイド34、第1ビルプレス35、ステージ36及び第2ビルプレス37)を設ける場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、収容空間SC内に3個以下又は5個以上の仕切部材を設け、これらを適宜前後方向へ移動させるようにしても良い。第1の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第2の実施の形態においては、プールガイド34及び第2ビルプレス37をいずれも前後方向に薄い板状に構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば第2ビルプレス37を肉厚の直方体状等、種々の形状に構成しても良い。この場合、紙幣BLと当接する前面37Fにより第2収容空間SC2の後端を所望の位置に合わせることができれば良い。プールガイド34についても同様であり、また第1の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第2の実施の形態においては、紙幣入出金機110における紙幣BLの入金口及び出金口の機能を兼ねる接客部12に取込部39及び放出部40を設けることにより、特に入金取引における紙幣BLの取込動作時に、取込部39による紙幣BLの取込と放出部40による入金リジェクト紙幣BLRの放出とを並行するようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば紙幣入出金機110に入金口及び出金口を独立して設ける場合に、この入金口及び出金口を接客部112から取込部39又は放出部40を省略したような構成としても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、紙幣制御部111により接客部112の第1ビルプレス駆動部46及びフレーム駆動部151(図10)を制御するようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば主制御部9(図1)や接客部112内に設けた専用の接客制御部(図示せず)により、或いはこれらと紙幣制御部111とが協働することにより、第1ビルプレス駆動部46及びフレーム駆動部151を制御するようにしても良い。第1の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第2の実施の形態においては、顧客との間で現金に関する取引処理を行う現金自動預払機101において、紙幣制御部111の制御の下で媒体としての紙幣BLを顧客に投入させ、また顧客に取り出させる接客部112に本発明を適用した場合について述べた。しかしながらこれに限らず、例えば金券や証券、或いは入場券や整理券等のような種々の紙葉状の媒体を取り扱う装置において、当該媒体を使用者等に投入させ、また取り出させる種々の箇所に本発明を適用するようにしても良い。第1の実施の形態についても同様である。
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した実施の形態においては、第1仕切部材としての第2ビルプレス37と、第2仕切部材としてのステージ36と、付勢部としてのスプリング173と、間隔規制部としてのフレーム171と、移動範囲規制部としての後規制体177及び第1ビルプレス35と、駆動部としてのフレーム駆動部151とによって媒体移動装置としての接客部112を構成する場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる第1仕切部材と、第2仕切部材と、付勢部と、間隔規制部と、移動範囲規制部と、駆動部とによって媒体移動装置を構成するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、第1仕切部材としての第2ビルプレス37と、第2仕切部材としてのステージ36と、付勢部としてのスプリング173と、間隔規制部としてのフレーム171と、移動範囲規制部としての後規制体177及び第1ビルプレス35と、駆動部としてのフレーム駆動部151と、制御部としての紙幣制御部111とによって媒体取引装置としての現金自動預払機101を構成する場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる第1仕切部材と、第2仕切部材と、付勢部と、間隔規制部と、移動範囲規制部と、駆動部と、制御部とによって媒体取引装置を構成するようにしても良い。
本発明は、紙葉状の媒体を収容する収容空間内を少なくとも2個の仕切部材により仕切り、且つその動作状態等に応じて各仕切部材の位置を移動させる種々の装置でも利用できる。
1、101……現金自動預払機、9……主制御部、10、110……紙幣入出金機、11、111……紙幣制御部、12、112、212……接客部、13……搬送部、14……認識部、30、130、230……筐体、32……シャッタ、34……プールガイド、35……第1ビルプレス、36……ステージ、36T……ステージ支持部、37……第2ビルプレス、37T……第2ビルプレス支持部、38、138、238……連動部、39……取込部、40……放出部、41……プールガイド駆動部、46……第1ビルプレス駆動部、51……第2ビルプレス駆動部、56……シャフト、57……スプリング、58……ストッパ、151……フレーム駆動部、171……フレーム、171A……下底部、171B……前端部、171C……後端部、172……シャフト、173……スプリング、177……後規制体、180……可動支持部、187……前規制体、251……連動駆動部、BL……紙幣、BLR……入金リジェクト紙幣、J1、J2……連動最大長、SC……収容空間、SC1……第1収容空間、SC2……第2収容空間、SL1……第1空間長、SL2……第2空間長。

Claims (9)

  1. 媒体を収容する収容空間を仕切り、当該媒体と当接する第1当接面を有し、当該第1当接面と交差する交差方向に移動可能な第1仕切部材と、
    前記収容空間を仕切り、前記第1当接面と対向する第2当接面を有し、交差方向に移動可能な第2仕切部材と、
    前記第1仕切部材及び前記第2仕切部材に対し、交差方向に関し互いに引き離す方向に付勢する付勢部と、
    交差方向に移動可能であり、交差方向に関する前記第1仕切部材及び前記第2仕切部材の最大間隔を規制する間隔規制部と、
    交差方向に関し、前記第1仕切部材又は前記第2仕切部材の少なくとも一方の移動範囲を規制する移動範囲規制部と、
    前記間隔規制部を交差方向に駆動する駆動部と
    を具えることを特徴とする媒体移動装置。
  2. 前記移動範囲規制部は、前記間隔規制部から独立して交差方向に移動可能である
    ことを特徴とする請求項1に記載の媒体移動装置。
  3. 前記移動範囲規制部は、前記第1当接面又は前記第2当接面の少なくとも一方を前記収容空間内に止めるよう、前記第1仕切部材又は前記第2仕切部材の少なくとも一方の移動範囲を規制する
    ことを特徴とする請求項1に記載の媒体移動装置。
  4. 前記移動範囲規制部は、
    交差方向のうち前記第1仕切部材側である第1交差方向に関し、前記第1仕切部材の移動範囲を規制する第1移動範囲規制体と、
    交差方向のうち前記第2仕切部材側である第2交差方向に関し、前記第2仕切部材の移動範囲を規制する第2移動範囲規制体と
    を具えることを特徴とする請求項1に記載の媒体移動装置。
  5. 前記収容空間へ前記媒体を放出する放出部
    をさらに有し、
    前記第1移動範囲規制体は、前記第1仕切部材を最も第1交差方向側へ移動させた場合に、前記第1当接面及び前記第2当接面により挟まれる部分収容空間内へ前記放出部から前記媒体を放出させるよう、当該第1仕切部材の移動範囲を規制する
    ことを特徴とする請求項4に記載の媒体移動装置。
  6. 前記収容空間内に収容されている前記媒体を取り込む取込部
    をさらに有し、
    前記第2移動範囲規制体は、前記第2仕切部材を最も第2交差方向側へ移動させた場合に、前記第1当接面及び前記第2当接面により挟まれる部分収容空間内に収容されている前記媒体を前記取込部により取り込ませるよう、当該第2仕切部材の移動範囲を規制する
    ことを特徴とする請求項4に記載の媒体移動装置。
  7. 媒体を収容する収容空間を仕切り、当該媒体と当接する第1当接面を有し、当該第1当接面と交差する交差方向に移動可能な第1仕切部材と、
    前記収容空間を仕切り、前記第1当接面と対向する第2当接面を有し、交差方向に移動可能な第2仕切部材と、
    前記第1仕切部材及び前記第2仕切部材に対し、交差方向に関し互いに引き離す方向に付勢する付勢部と、
    交差方向に移動可能であり、交差方向に関する前記第1仕切部材及び前記第2仕切部材の最大間隔を規制する間隔規制部と、
    交差方向に関し、前記第1仕切部材又は前記第2仕切部材の少なくとも一方の移動範囲を規制する移動範囲規制部と、
    前記間隔規制部を交差方向に駆動する駆動部と、
    前記駆動部を制御する制御部と
    を具えることを特徴とする媒体取引装置。
  8. 前記収容空間に対し交差方向のうち前記第1仕切部材側である第1交差方向側に配置され、前記収容空間へ前記媒体を放出する放出部
    をさらに有し、
    前記移動範囲規制部は、前記第1仕切部材を第1交差方向側の移動限界まで移動させた場合に、前記第1当接面及び前記第2当接面により挟まれる部分収容空間内へ前記放出部から前記媒体を放出させるよう、当該第1仕切部材の移動範囲を規制し、
    前記制御部は、前記部分収容空間内への前記媒体の放出数に応じて前記第2仕切部材を前記第1仕切部材から引き離して前記部分収容空間を交差方向に広げるよう、前記駆動部を制御する
    ことを特徴とする請求項7に記載の媒体取引装置。
  9. 前記収容空間に対し交差方向のうち前記第2仕切部材側である第2交差方向側に配置され、前記収容空間内にある前記媒体を取り込む取込部と、
    前記収容空間内で前記第2仕切部材の第2交差方向側に配置され交差方向に移動する第3仕切部材と、
    前記第3仕切部材を交差方向に移動させる第2駆動部と、
    前記第3仕切部材との間に収容した前記媒体を前記取込部により取り込ませる第4仕切部材と、
    前記取込部により取り込まれた前記媒体を搬送する搬送部と、
    前記取込部により取り込まれた前記媒体が取引すべきであるか否かを認識する認識部と
    をさらに具え、
    前記移動範囲規制部は、
    前記第1仕切部材を第1交差方向側の移動限界まで移動させた場合に、前記第1当接面及び前記第2当接面により挟まれる部分収容空間内へ前記放出部から前記媒体を放出させるよう、当該第1仕切部材の移動範囲を規制する第1移動範囲規制体と、
    前記第2仕切部材を第2交差方向側の移動限界まで移動させた場合に、前記第1当接面及び前記第2当接面により挟まれる部分収容空間内に収容されている前記媒体を前記取込部により取り込ませるよう、当該第2仕切部材の移動範囲を規制する第2移動範囲規制体と
    を有し、
    前記制御部は、
    前記第2駆動部を制御することにより前記第3仕切部材及び前記第2移動範囲規制体の間に前記媒体を収容させて前記取込部により前記媒体を取り込ませ、取り込まれた当該媒体を前記搬送部により搬送して前記認識部により認識させ、取引すべきで無いと認識された場合に当該媒体を前記放出部から前記部分収容空間内へ放出させる
    ことを特徴とする請求項8に記載の媒体取引装置。
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