JP2015082553A - 反射型マスク及び反射型マスクブランク並びにその製造方法 - Google Patents

反射型マスク及び反射型マスクブランク並びにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アウトオブバンド光の反射を低減した反射型マスク、反射型マスクブランク及びその製造方法を提供する。【解決手段】半導体基板で多重露光されるチップの境界領域に相応するマスク領域に形成された遮光枠11において、裏面導電膜5および基板1表面から反射されるアウトオブバンド光に対して、逆位相で表面反射する反射防止層12を設ける事により、アウトオブバンド光の反射を低減した反射型マスク101を提供する事ができる。また、従来の遮光帯付マスクではパターン領域が電子顕微鏡で観察時にチャージアップする問題があるが、本発明の反射防止層12は1x10の4乗/mΩ以上の導電率を有するので、遮光帯により発生するパターン領域のチャージアップを抑制できる。【選択図】図1

Description

本発明は、反射型マスク及び反射型マスクブランクに関し、特に極端紫外線(Extreme Ultra Violet;以下「EUV」と表記する)を光源とするEUVリソグラフィを用いた半導体製造装置などに利用される反射型マスク、反射型マスクブランク及びその製造方法に関する。
(EUVリソグラフィの説明)
近年、半導体デバイスの微細化に伴い、波長が13.5nm近傍のEUVを光源に用いたEUVリソグラフィが提案されている。EUVリソグラフィは光源波長が短く光吸収性が非常に高いため、真空中で行われる必要がある。またEUVの波長領域においては、ほとんどの物質の屈折率は1よりもわずかに小さい値である。このため、EUVリソグラフィにおいては従来から用いられてきた透過型の屈折光学系を使用することができず、反射光学系となる。従って、原版となるフォトマスク(以下、マスクと呼ぶ)も、従来の透過型のマスクは使用できないため、反射型のマスクとする必要がある。
(EUVマスクとブランク構造の説明)
このような反射型マスクの元となる反射型マスクブランクは、低熱膨張基板の上に、露光光源波長に対して高い反射率を示す多層反射層と、露光光源波長の吸収層とが順次形成されており、更に基板の裏面には露光機内における静電チャックのための裏面導電膜が形成されている。また、多層反射層と、吸収層の間に緩衝層を有する構造を持つEUVマスクもある。反射形マスクブランクから反射形マスクへ加工する際には、EBリソグラフィとエッチング技術とにより吸収層を部分的に除去し、緩衝層を有する構造の場合はこれも同じく除去し、吸収部と反射部とからなる回路パターンを形成する。このように作製された反射型マスクによって反射された光像が反射光学系を経て半導体基板上に転写される。
(EUVマスクの吸収層の膜厚と反射率の説明)
反射光学系を用いた露光方法では、マスク面に対して垂直方向から所定角度傾いた入射角(通常6°)で照射されるため、吸収層の膜厚が厚い場合、パターン自身の影が生じてしまい、この影となった部分における反射強度は、影になっていない部分よりも小さいため、コントラストが低下し、転写パターンには、エッジ部のぼやけや設計寸法からのずれが生じてしまう。これはシャドーイングと呼ばれ、反射マスクの原理的課題の一つである。
このようなパターンエッジ部のぼやけや設計寸法からのずれを防ぐためには、吸収層の膜厚は小さくし、パターンの高さを低くすることが有効であるが、吸収層の膜厚が小さくなると、吸収層における遮光性が低下し、転写コントラストが低下し、転写パターンの精度低下となる。つまり吸収層を薄くし過ぎると転写パターンの精度を保つための必要なコントラストが得られなくなってしまう。吸収層の膜厚は厚すぎても薄すぎても問題になるので、現在は概ね50〜90nmの間になっており、EUV光(極端紫外光)の吸収層での反射率は0.5〜2%程度である。
(隣接するチップの多重露光の説明)
一方、反射型マスクを用いて半導体基板上に転写回路パターンを形成する際、一枚の半導体基板上には複数の回路パターンのチップが形成される。隣接するチップ間において、チップ外周部が重なる領域が存在する場合がある。これはウェハ1枚あたりに取れるチップを出来るだけ増加したいという生産性向上のために、チップを高密度に配置するためで
ある。この場合、この領域については複数回(最大で4回)に渡り露光(多重露光)されることになる。この転写パターンのチップ外周部はマスク上でも外周部であり、通常、吸収層の部分である。しかしながら、上述したように吸収層上でのEUV光の反射率は、0.5〜2%程度あるために、多重露光によりチップ外周部が感光してしまう問題があった。このため、マスク上のチップ外周部に通常の吸収層よりもEUV光の遮光性の高い領域(以下、遮光枠と呼ぶ)を設ける必要性が出てきた。
このような問題を解決するために、反射型マスクの吸収層から多層反射層までを掘り込んだ溝を形成することで多層反射層の反射率を低下させることにより、露光光源波長に対する遮光性の高い遮光枠を設けた反射型マスクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、EUV光源は13.5nmにその放射スペクトルのピークを有するが、アウトオブバンド(Out of Band)と呼ばれる13.5nm帯以外の真空紫外線から近紫外線領域の光(波長140〜400nm)も放射する事が知られている。このアウトオブバンド20は、上記提案の遮光枠11においては、図19のように基板1を透過して、EUVマスクのパターン側とは反対面に形成された窒化クロム(CrN)などの裏面導電膜5にて反射し、再度基板を透過して半導体基板側に放射し、半導体基板に塗布されたレジストを感光する問題がある。また、遮光枠を形成する事により、パターン領域が電気的に孤立するため、電子顕微鏡で観察時にチャージアップする問題もある。
特開2009−212220号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、半導体基板で多重露光されるチップの境界領域に相応するマスク領域においてアウトオブバンド光の反射を低減し、電子顕微鏡で観察時に発生するチャージアップを抑制した反射型マスク、反射型マスクブランク及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたもので、請求項1の発明は、
基板と前記基板表面に形成された多層反射層と、前記多層反射層の上に形成された保護層と、前記保護層の上に形成された吸収層を備え、前記吸収層に形成される回路パターン領域の外側の少なくとも一部に、前記吸収層および前記保護層および前記多層反射層が除去されたEUV光およびアウトオブバンド光の反射率の低い遮光枠を有し、前記遮光枠部の基板上に反射防止層を有することを特徴とする反射型マスクブランクとしたものである。
請求項2の発明は、
前記反射防止層は、基板裏面に形成された裏面導電膜から反射するアウトオブバンド光に対し、逆位相で表面反射する機能を有することを特徴とする請求項1に記載の反射型マスクブランクとしたものである。
請求項3の発明は、
前記反射防止層は、基板表面から反射するアウトオブバンド光に対し、逆位相で表面反射する機能を有することを特徴とする請求項1または2に記載の反射型マスクブランクとしたものである。
請求項4の発明は、
前記反射防止層は無機材料で構成され、光の干渉効果の得られる膜厚と屈折率の組み合わせで設計されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射型マスクブランクとしたものである。
請求項5の発明は、
前記反射防止層の無機材料は、少なくともSi、Mo、Ta、Cr、Ru、Al、Ti、Zn、Su、Hf、W、Zr、Cuのいずれかを含む材料で構成されていることを特徴とする請求項4に記載の反射型マスクブランクとしたものである。
請求項6の発明は、
前記反射防止層は、1x10/mΩ以上の導電率を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の反射型マスクブランクとしたものである。
請求項7の発明は、
請求項1〜6のいずれかに記載の反射型マスクブランクの製造方法であって、
前記反射防止層の製造方法は、スパッタリング、蒸着(PVD)、イオンプレーティング、CVDのいずれかにより形成することを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法としたものである。
請求項8の発明は、
請求項1〜6のいずれかに記載の反射型マスクブランクの製造方法であって、
前記反射防止層の製造方法は、多層反射層の成膜前に、基板上に形成することを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法としたものである。
請求項9の発明は、
請求項1〜6のいずれかに記載の反射型マスクブランクの製造方法であって、
前記反射防止層の製造方法は、多層反射層を部分的に除去した後に、露出した基板上に形成することを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法としたものである。
請求項10の発明は、
請求項1〜6のいずれかに記載の反射形マスクブランクの、前記吸収層をパターニングしてなることを特徴とする反射型マスクとしたものである。
半導体基板で多重露光されるチップの境界領域に相応するマスク領域に形成された遮光枠において、裏面導電膜および基板表面から反射されるアウトオブバンド光に対して、逆位相で表面反射する反射防止層を有する事により、アウトオブバンド光の反射を低減した反射型マスクを提供する事ができる。
また、従来の遮光帯付マスクでは、遮光帯形成によりパターン領域が電気的に浮遊するため、電子顕微鏡での観察時、電子線マスク検査装置による検査時、EUV露光機での露光時などで、パターン領域がチャージアップする問題があるが、本発明の反射防止層は導電性を有するので、遮光帯により発生するパターン領域のチャージアップを抑制できる。
このような構成の反射型マスクを用いることにより、半導体のパターン寸法精度の向上が可能となり、半導体等の製造歩留まりを改善する事が可能となる。
本発明の反射型マスクの構造の概略断面図である(a)、(b)。 本発明の反射型マスクブランクの構造の概略断面図(c)、本発明の反射型マスクの概略平面図(d)である。 本発明の、反射防止層により基板からのアウトオブバンド光を低減するマスクの側面概略図である。 本発明の、反射防止層により裏面導電膜からのアウトオブバンド光を低減するマスクの側面概略図である。 本発明の、遮光枠部のみの反射防止層により基板からのアウトオブバンド光を低減するマスクの側面概略図である。 本発明の、遮光枠部のみの反射防止層により裏面導電膜からのアウトオブバンド光を低減するマスクの側面概略図である。 本発明の実施例の反射型マスクの作製工程1(パターン形成)の一部分を示す概略断面図である。 本発明の実施例の反射型マスクの作製工程1(パターン形成)の他の部分を示す概略断面図である。 本発明の実施例の反射型マスクの作製工程1(遮光枠形成)の一部分を示す概略平面図である。 本発明の実施例の反射型マスクの作製工程1(遮光枠形成)他の部分を示す概略平面図である。 本発明の実施例の反射型マスクの作製工程2(パターン形成)の一部分を示す概略断面図である。 本発明の実施例の反射型マスクの作製工程2(パターン形成)の他の部分を示す概略断面図である。 本発明の実施例の反射型マスクの作製工程2(遮光枠形成)の一部分を示す概略平面図である。 本発明の実施例の反射型マスクの作製工程2(遮光枠形成)の他の部分を示す概略平面図である。 本発明の実施例の反射型マスクの作製工程2(遮光枠形成)のその他の部分を示す概略平面図である。 本発明の実施例の評価パターンを示す概略平面図である。 本発明の実施例の(a)従来の反射型マスク、(b)本発明の遮光枠と反射防止層を有する反射型マスク701、のアウトオブバンド光の反射率結果である。 本発明の実施例の(c)遮光枠と反射防止層を有する反射型マスク902のアウトオブバンド光の反射率結果である。 従来マスクにおけるアウトオブバンド光の反射の概略図である。
(本発明の反射型マスクおよび反射型マスクブランクの構成)
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の反射型マスクの一例の構成について説明する。図1(a)、(b)は、本発明の反射型マスクの構造の概略断面図で、図2(c)は、本発明の反射型マスクブランクの構造の概略断面図で、図2(d)は、図1(a)、(b)を上から概略平面図である。即ち、本発明の反射型マスクの一例の構成は101、102である。
図1(a)に示す反射型マスク101は、基板1の表面に、反射防止層12、多層反射層2、保護層3、吸収層4、パターン領域10、遮光枠11が順次形成されている。図1(b)に示す反射型マスク102は、基板1の表面に、多層反射層2、保護層3、吸収層4、パターン領域10、遮光枠11が順次形成されて、遮光枠11のみに反射防止層12が形成されている。図2(c)に示す反射型マスクブランク103は、基板1の表面に、反射防止層12、多層反射層2、保護層3、吸収層4が順次形成されている。基板の裏面
には裏面導電膜5が形成された構造となっている。保護層3と吸収層4の間には、緩衝層が有る場合もある。緩衝層は、吸収膜4のマスクパターン修正時に、下地の保護層3にダメージを与えないために設けられた層である。
本発明の反射型マスク101、102は、反射防止層12により、遮光枠領域の裏面導電膜5と基板1との界面および基板1の表面から反射されるアウトオブバンド光に対して、逆位相で表面反射する領域を有している。
本発明の、反射防止層12によって裏面導電膜5と基板1との界面および基板1の表面から反射されるアウトオブバンド光を逆位相で反射するため、反射防止層の材料と膜厚を調整されている。具体的には、薄膜の干渉により光が暗くなる条件式(1)を満たすように材料の屈折率と膜厚を選択・調整すれば良い。
2ndcosθ = mλ・・・(1)
n:屈折率 d:膜厚 θ:入射角 λ:波長 (m=0,1,2,…)
図3は本発明の、反射防止層12により基板1からのアウトオブバンド光20を低減するマスクの概略側面図である(図3(a))。アウトオブバンド光20が反射防止層12に入射する際に基板1で反射する界面反射光22が反射防止層12の表面反射光21と逆位相になることにより、2つの光が干渉により打ち消しあい、アウトオブバンド光20の反射を低減する(図3(b))。界面反射光22を表面反射光21の逆位相とするためには、反射防止層12の材料や膜厚を調整することにより達成できる。
図4は本発明の、反射防止層12により裏面導電膜5からのアウトオブバンド光20を低減するマスクの概略側面図である(図4(a))。アウトオブバンド光20が反射防止層12に入射する際に裏面導電膜5で反射する界面反射光23が反射防止層12により表面反射光21と逆位相になることにより、2つの光が干渉により打ち消しあい、アウトオブバンド光20の反射を低減する(図4(b))。界面反射光23を表面反射光21の逆位相とするためには、反射防止層12の材料や膜厚を調整することにより達成できる。
図5は本発明の、遮光枠部のみに形成された反射防止層12により基板1からのアウトオブバンド光20を低減するマスクの概略側面図である(図5(a))。アウトオブバンド光20が反射防止層12に入射する際に基板1で反射する界面反射光22が反射防止層12により表面反射光21と逆位相になることにより、2つの光が干渉により打ち消しあい、アウトオブバンド光20の反射を低減する(図5(b))。界面反射光22を表面反射光21の逆位相とするためには、反射防止層12の材料や膜厚を調整することにより達成できる。
図6は本発明の、遮光枠部のみに形成された反射防止層12により裏面導電膜5からのアウトオブバンド光20を低減するマスクの概略側面図である(図6(a))。アウトオブバンド光20が反射防止層12に入射する際に裏面導電膜5で反射する界面反射光23が反射防止層12により表面反射光21と逆位相になることにより、2つの光が干渉により打ち消しあい、アウトオブバンド光20の反射を低減する(図6(b))。界面反射光23を表面反射光21の逆位相とするためには、反射防止層12の材料や膜厚を調整することにより達成できる。
本発明に係る反射防止層12は、上述した条件式(1)を満たす屈折率と膜厚であれば、材料は限定されないが、真空やEUV光に耐えうる必要があるため、化学的に安定な無機材料である。具体的には、Si、Mo、Ta、Cr、Ru、Al、Ti、Zn、Su、Hf、W、Zr、Cuを含む材料である。
また、本発明に係る反射防止層12は、上記の材料の酸化物や窒化物、あるいは酸窒化
物であっても良い。何故なら、逆位相の光の干渉効果を高めるには、振幅をある程度大きい方が望ましく、したがって消衰係数を低くするために、有効な方法であるためである。
本発明の反射防止層12は、1x10の4乗/mΩ以上の導電率を有している。これは、遮光帯形成により、パターン領域が電気的に浮遊し、電子線での観察・測長時、電子線マスク検査装置による検査時、EUV露光機での露光時で、パターン領域がチャージアップする問題を解決するためである。
本発明の低反射の反射防止層12は、多層反射層の成膜前に、基板上に形成するのが、工程の増加が少なく好ましいが、多層反射層を部分的に除去した後に、露出した基板上に形成しても良い。
(本発明の反射型マスクの構成の詳細:多層反射層、保護層、緩衝層)
図1(a)の多層反射層2は、EUV光に対して60%程度の反射率を達成できるように設計されており、MoとSiが交互に40〜50ペア積層した積層膜で、さらに上層の保護層3は2〜3nm厚のルテニウム(Ru)あるいは厚さ10nm程度のシリコン(Si)で構成されている。Ru層の下に隣接する層はSi層である。MoやSiが使われている理由は、EUV光に対する吸収(消衰係数)が小さく、且つMoとSiのEUV光での屈折率差が大きいために、SiとMoの界面での反射率を高く出来るためである。保護層3がRuの場合は、吸収層4の加工におけるストッパーやマスク洗浄時の薬液に対する保護層としての役割を果たしている。保護層3がSiの場合は、吸収層4との間に、緩衝層が有る場合もある。緩衝層は、吸収層4のエッチングやパターン修正時に、緩衝層の下に隣接する多層反射層2の最上層であるSi層を保護するために設けられており、クロム(Cr)あるいは窒素化合物(CrN)で構成されている。
(本発明の反射型マスクの構成の詳細:吸収層)
図1(a)の吸収層4は、EUVに対して吸収率の高いタンタル(Ta)の窒素化合物(TaN)で構成されている。他の材料として、タンタルホウ素窒化物(TaBN)、タンタルシリコン(TaSi)、タンタル(Ta)や、それらの酸化物(TaBON、TaSiO、TaO)でも良い。
図1(a)の吸収層4は、上層に波長190〜260nmの紫外光に対して反射防止機能を有する低反射層を設けた2層構造から成る吸収層であっても良い。低反射層は、マスクの欠陥検査機の検査波長に対して、コントラストを高くし、検査性を向上させるためのものである。
(本発明の反射型マスクの構成の詳細:裏面導電膜)
図1(a)の裏面導電膜5は、一般にはCrNで構成されているが、導電性があれば良いので、金属材料からなる材料であれば良い。図1(a)では裏面導電膜5を有するかたちで記載したが、裏面導電膜5を有さないマスクブランク及びマスクとしても良い。
(本発明の反射型マスクの製造方法)
本発明の反射型マスクの製造方法1について説明する。まず、図2(c)に示す反射防止層を有する反射型マスクブランク103にレジスト9を塗布する(図7(a))。次に、フォトリソグラフィもしくは電子線リソグラフィによって、図7(b)に示すメイン領域にパターンを形成する。パターンに従い吸収層4をフッ素系ガスもしくは塩素系ガスもしくはその両方を用いたドライエッチングか、アルカリ性溶液あるは酸性溶液を用いたウェットエッチングによって処理する(図8(c))。続いて、レジスト9を剥膜洗浄するとメイン領域にパターンが形成された反射型マスク602が形成される(図8(d))。
本発明の反射型マスクの遮光枠の形成方法1について説明する。まず、反射防止層を有する反射型マスク602にレジスト71を塗布する(図9(a))。次に、フォトリソグラフィもしくは電子線リソグラフィによって、遮光枠部のみが開口したレジストパターンを形成する(図9(b))。次に、フッ素系もしくは塩素系ガス(あるいはその両方)を用いたドライエッチングによって、レジストパターンの開口部の吸収膜4を除去する(図10(c))。次いで、保護層3と多層反射層2を、フッ素系ガスもしくは塩素系ガスもしくはその両方を用いたドライエッチングか、アルカリ性溶液あるは酸性溶液を用いたウェットエッチングによって、保護層3と多層反射層2を貫通・除去する(図10(d))。続いて、レジスト71を剥膜洗浄するとメイン領域にパターンが形成され、遮光枠と反射防止層を有する反射型マスク701が形成される(図10(e))。
本発明の反射型マスクの製造方法2について説明する。図11(a)は基板1の表面に、多層反射層2、保護層3、吸収層4、レジスト9が順次形成されて、基板1の裏面には裏面導電膜5が形成された構造となっている。次に、フォトリソグラフィもしくは電子線リソグラフィによって、図11(b)に示すメイン領域にパターンを形成する。パターンに従い吸収層4をフッ素系ガスもしくは塩素系ガスもしくはその両方を用いたドライエッチングか、アルカリ性溶液あるは酸性溶液を用いたウェットエッチングによって処理する(図12(c))。続いて、レジスト9を剥膜洗浄するとメイン領域にパターンが形成された反射型マスク802が形成される(図12(d))。
本発明の反射型マスクの遮光枠の形成方法2について説明する。まず、反射型マスク802にレジスト71を塗布する(図13(a))。次に、フォトリソグラフィもしくは電子線リソグラフィによって、遮光枠部のみが開口したレジストパターンを形成する(図13(b))。次に、フッ素系もしくは塩素系ガス(あるいはその両方)を用いたドライエッチングによって、レジストパターンの開口部の吸収膜4を除去する(図13(c))。次いで、保護層3と多層反射層2を、フッ素系ガスもしくは塩素系ガスもしくはその両方を用いたドライエッチングか、アルカリ性溶液あるは酸性溶液を用いたウェットエッチングによって、保護層3と多層反射層2を貫通・除去する(図14(d))。続いて、レジスト71を剥膜洗浄するとメイン領域にパターンが形成された遮光枠付きの反射型マスク901が形成される(図14(e))。さらに、反射型マスク901にレジスト91を塗布する(図14(f))。フォトリソグラフィもしくは電子線リソグラフィによって、遮光枠部のみが開口したレジストパターンを形成する(図15(g))。スパッタリング、蒸着(PVD)、イオンプレーティング、CVDのいずれかの方法によって反射防止層12を形成する(図15(h))。最後に、レジスト91を剥膜洗浄するとメイン領域にパターンが形成され、遮光枠と反射防止層を有する反射型マスク902が形成される(図15(i))。
ドライエッチングによって、多層反射層2を貫通・除去する際に、フッ素系ガスもしくは塩素系ガスもしくはその両方を用いるのは、多層反射層の材料であるMoとSiの両方に対して、エッチング性を有するためである。この際に用いるフッ素系ガスは、CF、C、C、C、CHF、SF、ClF、等で、塩素系ガスではCl、HClが挙げられる。
ウェットエッチングによって、多層反射層2を貫通・除去する際のエッチング液には、多層反射層2の材料であるMoとSiのエッチングに適している必要がある。例えば、アルカリ性溶液としては、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)、KOH(水酸化カリウム)、EDP(エチレンジアミンピロカテコール)が適している。酸性溶液としては、硝酸とリン酸の混合液が適しているが、これにフッ酸、硫酸、酢酸を加えても良い。
反射防止層は少なくともSi、Mo、Ta、Cr、Ru、Al、Ti、Zn、Su、H
f、W、Zr、Cuを含む構成され、1x10の4乗/mΩ以上の導電率を有する無機材料である。
以上のようにして、多層反射層除去型の遮光領域を有するEUVマスクにおいて、アウトオブバンド光の反射を低減し、電子顕微鏡で観察時や電子線マスク検査装置による検査時、EUV露光機による露光時に発生するチャージアップを抑制した反射型マスクを得る事ができる。
以下、本発明の反射型マスクの製造方法の実施例を説明する。実施例では図2(c)に示す反射防止層12を有する反射型マスクブランク601を用意した。このブランクは、基板1の上に、MoとSiとOとNを含むMoSiONからなる反射防止層12が、波長13.5nmのEUV光に対して反射率が64%程度となるように設計されたMoとSiの40ペアの多層反射層2が、その上に2.5nm厚のRuの保護層3が、更にその上に70nm厚のTaSiからなる吸収層4が、順次形成されている。
反射防止層の膜厚dは薄膜による干渉の光が暗くなる条件式(1)を変形した条件式(2)を用いて求める。本発明のMoSiONからなる反射防止層12のアウトオブバンド光である波長300nmの屈折率nは2.26、入射角は6°、整数mは1である。条件式(2)に前記値を代入するとdは約66.7nmとなるので、反射防止層の膜厚は67nmとなるようにスパッタリングによって成膜した。
Figure 2015082553
本ブランクに対し、ポジ型化学増幅レジスト9(FEP171:富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ)を300nmの膜厚で塗布し(図7(a))、電子線描画機(JBX9000:日本電子)によって描画後、110℃、10分のPEBおよびスプレー現像(SFG3000:シグマメルテック)により、図7(b)に示すメイン領域にレジストパターンを形成した。
次いで、ドライエッチング装置を用いて、CF4プラズマとCl2プラズマにより、吸収層4をエッチングし(図8(c))、レジスト剥離洗浄することで、図8(d)に示す評価パターンを有する反射型マスク602を作製した。評価パターンは、図16に示す200nmの1:1のライン&スペースパターンを使用して、マスク中心に配置した。パターン領域の大きさは、10cm×10cmとした。
次いで、上述の評価パターンを有する反射型マスク602のパターン領域10に対して、遮光枠を形成する工程を行った。反射型マスク602(図8(d))にi線レジスト71を500nmの膜厚で塗布し(図9(a))、そこへi線描画機(ALTA)により描画、現像を行うことにより、後に遮光枠となる領域を描画したレジストパターンを形成した(図9(b))。このときレジストパターンの開口幅は5mmとし、マスク中心部の10cm×10cmのメインパターン領域から3μm(マイクロメートル)の距離に配置した。
次いで、ドライエッチング装置を用いてCHF3プラズマ(ドライエッチング装置内の圧力50mTorr、ICP(誘導結合プラズマ)パワー500W、RIE(反応性イオンエッチング)パワー200W、CHF3:流量20sccm、処理時間6分、これらは、以下の表記で同じ。)により、上記レジストの開口部の吸収層4、保護層3と多層反射層2とを垂直性ドライエッチングで貫通・除去し(図10(c)、(d)))に示すような形状を得た。
最後に、硫酸系の剥離液とアンモニア過酸化水素水により、レジスト剥離・洗浄を実施
し、ドライエッチングで残ったレジストを除去し、反射型マスク701を形成した(図10(e))。
次いで、従来型の遮光枠を有する反射型マスク、本発明の遮光枠と反射防止層を有する反射型マスク701、本発明の遮光枠と反射防止層を有する反射型マスク902を用意し、遮光枠領域での反射率を測定した。その結果、図17、図18に示すように、図17(b)本発明の遮光枠と反射防止層を有する反射型マスク701の反射率は、図17(a)従来の遮光枠を有する反射型マスクの反射率と比べて、波長200nm〜400nmのアウトオブバンド光で約40%反射率が低減されている事を確認した。また、図18(c)本発明の遮光枠と反射防止層を有する反射型マスク902においても、(a)従来の遮光枠を有する反射型マスクの反射率と比べて、波長200nm〜400nmのアウトオブバンド光で約40%反射率が低減されている事を確認した。
また、従来型の遮光枠を有する反射型マスクと、本発明の遮光枠と反射防止層を有する反射型マスク701と、本発明の遮光枠と反射防止層を有する反射型マスク902との、200nmの1:1のライン&スペースパターンを電子顕微鏡で観察したところ、従来型の遮光枠を有する反射型マスクだけチャージアップにより観察画像が不鮮明となった。
このように、アウトオブバンド光の反射を低減し、電子顕微鏡で観察時に発生するチャージアップを抑制した反射型マスクを作製することができた。
本発明は、反射型マスク等に有用である。
1 基板
2 多層反射層
3 保護層
4 吸収層
5 裏面導電膜
9 レジスト
10 パターン領域
11 遮光枠
12 反射防止層
20 アウトオブバンド光
21 表面反射光
22 基板からの界面反射光
23 裏面導電膜からの界面反射光
71 レジスト
91 レジスト
101 本発明の反射防止層を有する反射型マスク
102 本発明の遮光枠のみに反射防止層を有する反射型マスク
103 本発明の反射防止層を有する反射型マスクブランク
601 反射防止層を有する反射型マスクブランク
602 本発明の反射防止層を有する反射型マスク
701 遮光枠と反射防止層を有する反射型マスク
801 反射型マスクブランク
802 反射型マスク
901 遮光枠を有する反射型マスク
902 遮光枠と反射防止層を有する反射型マスク

Claims (10)

  1. 基板と前記基板表面に形成された多層反射層と、前記多層反射層の上に形成された保護層と、前記保護層の上に形成された吸収層を備え、前記吸収層に形成される回路パターン領域の外側の少なくとも一部に、前記吸収層および前記保護層および前記多層反射層が除去されたEUV光およびアウトオブバンド光の反射率の低い遮光枠を有し、前記遮光枠部の基板上に反射防止層を有することを特徴とする反射型マスクブランク。
  2. 前記反射防止層は、基板裏面に形成された裏面導電膜から反射するアウトオブバンド光に対し、逆位相で表面反射する機能を有することを特徴とする請求項1に記載の反射型マスクブランク。
  3. 前記反射防止層は、基板表面から反射するアウトオブバンド光に対し、逆位相で表面反射する機能を有することを特徴とする請求項1または2に記載の反射型マスクブランク。
  4. 前記反射防止層は無機材料で構成され、光の干渉効果の得られる膜厚と屈折率の組み合わせで設計されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射型マスクブランク。
  5. 前記反射防止層の無機材料は、少なくともSi、Mo、Ta、Cr、Ru、Al、Ti、Zn、Su、Hf、W、Zr、Cuのいずれかを含む材料で構成されていることを特徴とする請求項4に記載の反射型マスクブランク。
  6. 前記反射防止層は、1x10/mΩ以上の導電率を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の反射型マスクブランク。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の反射型マスクブランクの製造方法であって、
    前記反射防止層の製造方法は、スパッタリング、蒸着(PVD)、イオンプレーティング、CVDのいずれかにより形成することを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の反射型マスクブランクの製造方法であって、
    前記反射防止層の製造方法は、多層反射層の成膜前に、基板上に形成することを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の反射型マスクブランクの製造方法であって、
    前記反射防止層の製造方法は、多層反射層を部分的に除去した後に、露出した基板上に形成することを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法。
  10. 請求項1〜6のいずれかに記載の反射形マスクブランクの、前記吸収層をパターニングしてなることを特徴とする反射型マスク。
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