JP6728785B2 - 反射型フォトマスク及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は反射型フォトマスク及びその製造方法に関する。
半導体デバイスの微細化に伴い、フォトリソグラフィ技術の微細化に対する要求が高まっている。既に、リソグラフィの露光も波長193nmのArFエキシマレーザー光を用いた従来の露光から、波長13.5nm付近のEUV(Extreme Ultra Violet:極端紫外線)領域の光を用いた露光に置き換わりつつある。
EUV領域の光に対してほとんどの物質が高い光吸収性をもつため、EUV露光用のフォトマスク(EUVマスク)は、従来の透過型のフォトマスクとは異なり、反射型のフォトマスクとなる。EUVマスクは、例えばガラス基板上にモリブデン(Mo)層及びシリコン(Si)層を交互に積層した多層反射層が形成され、その上に例えばタンタル(Ta)を主成分とする光吸収体により回路パターンが形成された構造になっている。
また、EUV光学系は前記の理由で透過型にすることが出来ないため、透過型のビームスプリッターを利用した偏向が不可能となる。従って、反射型EUVフォトマスクへの入射光と反射光が同軸上に設計できず、EUVマスクの光軸を6度程度傾けて、フォトマスクへ入射した光の反射光を半導体ウェハに導き、ウェハ上に塗布された感光性樹脂(レジスト)を感光させる。
ところが、EUVマスクの光軸を傾けることにより、EUVマスク上に形成された回路パターンで反射する際に吸収膜の一部が影となって、本来の設計パターンとは異なる線幅の回路パターンが形成されるという現象(射影効果)が発生することが知られている。
そこで、射影効果を低減するために、回路パターンを形成する吸収膜の膜厚を薄膜化する提案がなされているが、吸収膜の膜厚を小さくすると、吸収膜からフォトマスクの外部に放射される露光光が増加してしまい、ウェハ上でパターン転写されるチップの外周部に露光光が漏れ、レジストを感光させてしまい、歩留まり低下の原因となる。
また、実際の露光工程ではウェハ上へフォトマスクの回路パターンが多面付けで露光されるため、ウェハ上で隣接するチップ同士においてはその境界領域は多重露光を受けることになる。このため、フォトマスクの回路パターンを囲む外周部には、特に十分な光吸収性(=遮光性)が必要である。
上記のような過剰露光の問題に対処するために、ウェハ上で隣接するチップ同士の境界領域となる、フォトマスクの回路パターンを囲む外周部に、吸収膜から多層反射層までを掘り込んでガラス基板の表面を露出させて遮光領域を形成した反射型フォトマスクが提案されている(特許文献1)。遮光領域はEUV光に対する反射率が極めて低いため、ウェハ上で隣接するチップ同士の境界領域への多重露光を抑制することができる。
しかしながら、EUV光源は波長が約100nmの真空紫外線領域から約800nmの遠赤外線領域に及ぶアウトオブバンド(Out of Band)と呼ばれる光を放出することが知られている。前記遮光領域は、EUV光に対しては反射防止効果が高いが、アウトオブバンド光に対しては反射防止効果が低く、半導体ウェハ上へ照射され、ウェハ上に塗布されたレジストを感光させてしまう問題がある。
一般に、光がある物質から他の物質に入射した場合、物質間に屈折率の差があると入射光の一部が反射する。この時、反射は物質間の屈折率の差が大きいほど大きくなる。反射を抑制するための一方法としては、屈折率が連続的に徐々に変化するようにすれば良く、そのための加工法として、断面視で錐状の微細な凹凸構造(モスアイ構造)を材料表面に形成する手法が知られている。(非特許文献1)
前記のような凹凸構造を遮光領域内の露出したガラス基板表面に形成することにより、EUV光のみならずアウトオブバンド光の反射も抑制する方法が提案されている。(特許文献2)
しかしながら、上記のような掘り込み型の遮光領域では掘り込むことにより回路パターン領域が電気的に孤立するため、電子線を用いた検査や測長、及びEUV露光中の帯電防止に必要な導電性の確保が課題となる。さらに、特に基板表面に微細な凹凸構造を持つ場合は、マスク洗浄における耐性の確保も課題となる。
特開2009−212220号公報 国際公開第2015/033539号
"Reduction of Lens Reflection by the"Moth Eye"Principle"、P.B.CLAPHAM & M.C.HUTLEY,Nature,vol.244,pp.281−282(1973)
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、多重露光による影響を低減するための遮光領域が形成された反射型フォトマスクにおいて、露光光の光源に含まれるアウトオブバンド光の反射を低減するとともに、洗浄による反射率の上昇を抑制し、さらに電子線を用いた検査や測長、及びEUV露光中の帯電を防止できる反射型フォトマスクを提供することにある。
上述の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、基板、多層反射層、吸収膜、表面膜を備える反射型フォトマスクであって、
前記反射型フォトマスクの表面が回路パターン領域と、前記回路パターン領域の外側の遮光領域とを含む複数の領域に区分されており、
前記回路パターン領域では、前記基板上に前記多層反射層と前記吸収膜がこの順に積層さ
れており、かつ、前記吸収膜が回路パターンを構成しており、
前記遮光領域では、前記吸収膜と前記多層反射層が除去されて前記基板が露出しており、
前記遮光領域の前記基板が露出した部分には凹凸構造が形成されており、
前記遮光領域の側面及び前記凹凸構造の最表面には前記表面膜が配置されており、
前記表面膜のシート抵抗は500Ω/□以下であることを特徴とする反射型フォトマスクとしたものである。
請求項2に記載の発明は、SPM(硫酸過酸化水素水)、及びHPM(塩酸過酸化水素水)による洗浄前後における、前記表面膜を備えた前記凹凸構造部の反射率の変化が、
いずれも0.1%以下であることを特徴とする請求項1に記載の反射型フォトマスクとしたものである。
ここで、前記反射率は、入射光のエネルギーを100%とする、波長150〜300nmにおける平均反射率とする。
請求項3に記載の発明は、前記表面膜は、Si、Mo、Ta、Cr、Ru、Al、Ti、Zn、Sn、Hf、W、Zr、Au、Ag、Cu及びそれらの酸化物、窒化物、酸窒化物からなる群より選択される少なくとも一種の原子、及び分子を主たる構成要素とすることを特徴とする請求項1、2のいずれか一項に記載の反射型フォトマスクとしたものである。
請求項4に記載の発明は、基板と、前記基板上に形成された多層反射層と、前記多層反射層上に形成された吸収膜とを少なくとも備えるフォトマスクブランクを使用して、
回路パターン領域の外側に、前記吸収膜と前記多層反射層を除去し、前記基板を露出させ
る遮光領域を形成する工程と、
前記遮光領域の前記基板が露出した部分に凹凸構造を形成する工程と、
前記遮光領域の側面及び前記凹凸構造の最表面に表面膜を形成する工程と、
を含むことを特徴とする反射型フォトマスクの製造方法としたものである。
本発明により、隣接する領域への多重露光による影響を低減するために、遮光領域に設けた凹凸構造により、EUVマスク外周部の遮光領域からのアウトオブバンド光の反射を抑制する反射型フォトマスクを提供することが出来るとともに、凹凸構造の表面に形成された表面膜は保護膜及び導電層として機能するため、凹凸構造の洗浄耐性向上や、遮光領域の内側の回路パターン領域と遮光領域の外側の導通確保が可能となり、電子線を使った測長や検査時、及びEUV露光時における帯電を防止することが出来る。
本発明の反射型フォトマスクの一実施形態を製造するための反射型フォトマスクブランクの断面図である。 本発明に係る、反射型フォトマスクの平面図及び断面図である。 本発明に係る、反射型フォトマスクの遮光領域における凹凸構造を例示する断面図である。 本発明に係る、反射型フォトマスクの製造工程例のうち、ブランク準備から回路パターン形成までの工程を示す断面図である。 本発明に係る、反射型フォトマスクの製造工程例のうち、回路パターン形成後から遮光領域形成までの工程を示す断面図である。 本発明に係る、反射型フォトマスクの製造工程例のうち、遮光領域形成後から凹凸構造の一種である矩形パターン形成までの工程を示す断面図である。 本発明に係る、反射型フォトマスクの製造工程例のうち、凹凸構造の一種である矩形パターン形成後から、表面に表面膜を有する凹凸構造の形成までの工程を示す断面図である。
以下、本発明の反射型フォトマスク及びその製造方法の実施形態について、製造工程に即して説明する。尚、同一の構成要素については便宜上の理由がない限り同一の符号を付け、重複する説明は省略する。また、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図1に示す反射型フォトマスク用ブランクは、例えば波長13.5nmのEUV光を露光光とするリソグラフィに用いるフォトマスクを作製するためのものであり、基板11の
一面上に多層反射層12、保護層13、吸収膜14が順次形成されている。なお、吸収膜14は2層以上の積層膜から形成されている場合もある。
基板11の材料は、微細な凹凸形状を表面に形成する必要があるため、所望のパターンへの加工に適した材料であることが望ましい。このような材料としては、例えば石英(SiO)を主成分とし、酸化チタン(TiO)を含む材料などが挙げられる。加工技術としてリソグラフィ及びエッチング技術を用いる場合、基板11の材料として石英ガラスを主成分とする材料を用いるのが望ましい。
多層反射層12は、EUV光に対する吸収(消衰係数)が小さく、かつ多層膜間におけるEUV光の屈折率差が大きい材料が用いられる。例えば、EUV光に対して72%程度の反射率を達成できるように設計された、厚さ2〜3nmのモリブデン(Mo)層と厚さ4〜5nmのシリコン(Si)層を交互に40〜50ペア積層した多層膜が用いられる。MoやSiはEUV光に対する吸収が小さく、かつEUV光に対する屈折率差も大きいため、MoとSi界面におけるEUV光の反射率を高めることが出来る。
保護層13は、酸やアルカリに対する洗浄耐性を有する材料である必要があり、単層あるいは積層構造となっている。保護層13はルテニウム(Ru)及びその酸化物、窒化物、酸窒化物やSi及びその酸化物、窒化物、酸窒化物のいずれかを含む材料で一般的に構成される。なお、保護層13がSiによって構成される場合は、吸収層14との間に緩衝層を設ける場合もある。緩衝層は、吸収膜14のパターン形成時に、保護層13を保護する役割を持っており、例えばクロムの窒素化合物(CrN)で構成することが出来る。
吸収膜14は、単層もしくは積層構造となっており、単層構造の場合はEUV光に対して吸収率の高いタンタル(Ta)及びその酸化物、窒化物、酸窒化物のいずれかを含む材料で一般的に形成される。吸収膜14の膜厚は50〜70nm程度である。吸収膜が2層構造の場合、上層として検査波長190〜260nmの紫外光に対して反射防止機能を有する低反射層を設けることが出来る。低反射層として、Taの酸化物、窒化物、酸窒化物やSiの酸化物、窒化物、酸窒化物のいずれかを含む材料で一般的に構成される。低反射層は、マスクの欠陥検査機の検査波長に対してコントラストを高くすることにより、検査性を向上させるためのものである。
裏面導電膜15は、導電性があれば良く、クロム(Cr)、Si、Taのいずれかの金属もしくはその酸化物、窒化物、酸窒化物のいずれか、あるいは導電性を有するその他の金属材料を含む材料で構成される。例として、CrNが用いられる。
多層反射層12、保護層13、吸収膜14、裏面導電膜15はスパッタリング法など公知の成膜法によって形成することが出来る。
図2に示す本発明の反射型マスクは、図1で示した反射型フォトマスクブランク100を用いて製造したものであり、回路パターン領域20の外周に遮光領域21が形成されている。遮光領域21の幅は2〜5mm程度であり、この部分の多層反射層12、保護層13、吸収膜14は除去されている。底部には露出した基板11による凹凸構造30が形成されている。
前記の構造により、遮光領域21ではEUV光の反射を担っている多層反射層12が完全に除去されているため、この時点でEUV光の反射率はほぼゼロに出来る。また、露出した基板の凹凸構造により、アウトオブバンド光に対する反射率も低減出来る。
図3は図2で示した本発明の反射型マスクにおける凹凸構造30の断面図であり、表面
には表面膜31が形成されている。凹凸構造30における凹凸パターンの形状として、モスアイパターン、ライン・スペースパターン、ドットパターン、ホールパターンなどの断面視で錐状や矩形形状のパターンが含まれる。
凹凸構造30における凹凸パターンの周期は、低減したいアウトオブバンド光の波長と関係しており、例えば150〜300nmの波長のアウトオブバンド光に対しては100〜4000nmの周期の凹凸パターンを形成すればよい。パターン周期が狭い場合でも、広い場合でも反射率低減効果が見られる理由は、波長と同等以下のパターン周期においては、モスアイ構造で基板表面に光を閉じ込める効果、波長と同等以上のパターン周期においては、光の回折現象によって正反射成分が低下する効果が発現するためである。
また、凹凸パターンのアスペクト比が大きいほど効果的な反射防止効果が得られるが、深さ20nm以上であれば、一定の効果が得られる。
凹凸構造30の表面に形成される表面膜31は、凹凸構造30を形成するエッチング後に、公知のスパッタリング法などを用いて形成する。表面膜31の機能は、第一に、遮光領域21に導電性を与え、回路パターン領域20と遮光領域21の外側に電気的な導通を与えことである。従って、表面膜31は遮光領域の側面にも成膜される必要があり、成膜法としては、段差被覆性(ステップカバレッジ)のよい成膜法、成膜条件が望ましい。
表面膜31の導電性の程度は、シート抵抗で500Ω/□以下である。これにより、電子線を使った測長SEMによる測定時、検査機によるパターン検査時、及びEUV露光時において、帯電を防止することが出来る。
表面膜31の第二の機能は、凹凸構造30の保護膜として機能し、凹凸構造30の洗浄耐性を高めることである。マスク洗浄においては、通常SPM(硫酸過酸化水素水)、HPM(塩酸過酸化水素水)等の酸性の洗浄液、APM(アンモニア過酸化水素水)、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)等のアルカリ性の洗浄液が用いられる。
本発明の反射型マスクにおいては、SPM(硫酸過酸化水素水)、及びHPM(塩酸過酸化水素水)による洗浄前後における、表面膜31を備えた凹凸構造部の反射率の変化が、いずれも0.1%以下である。ここで、前記反射率は、入射光のエネルギーを100%とする、波長150〜300nmにおける平均反射率とする。また、本発明で洗浄耐性の判定基準とするSPM、HPMの洗浄条件は以下の通りとする。
SPM洗浄条件:HSO:H=3:1、120℃、10分
HPM洗浄条件:HCl:H:HO=1:1:50、80℃、10分
表面膜31の材料は、Si、Mo、Ta、Cr、Ru、Al、Ti、Zn、Sn、Hf、W、Zr、Au、Ag、Cu及びそれらの酸化物、窒化物、酸窒化物からなる群より選択される少なくとも一種の原子、及び分子を主たる構成要素とする材料である。ここで、「主たる構成要素」とは、これらの原子、及び分子を成す原子数の和が、全原子数の90%以上であることを意味する。
導電性の確保を重視する場合には、酸素や窒素の含有量は比較的少ない方が良く、洗浄耐性を重視する場合には、逆に酸素や窒素の含有量が比較的多い方が良い。一般に、化学量論比の金属酸化物、金属窒化物は酸素や窒素の含有量が多く導電性が低い場合が多いため、化学量論比よりも金属を多めに含有した金属酸化物、金属窒化物が好ましい。
導電性や洗浄に対する保護膜として機能するために、表面膜31の膜厚は、20nm以上が望ましい。しかし、膜厚が最低2nmあれば一定の効果は得られる。
図4は、本発明の反射型フォトマスクの製造工程例のうち、回路パターン領域20を形成するまでの工程の断面図である。図4(a)に示すように、反射型マスクブランクを準備し、図4(b)に示すように、吸収膜14の表面に電子線に反応する、化学増幅型あるいは非化学増幅型のポジレジスト41aを塗布する。その後、図4(c)に示すように、所望の回路パターンを形成する箇所に電子線40を照射する。
次に、図4(d)に示すように、アルカリ現像液などで電子線40を照射した部分のレジスト41aを除去することにより、レジストパターンを形成する。その後、図4(e)に示すように、フッ素系や塩素系のガスを用いて吸収膜14をドライエッチングする。そして、図4(f)に示すように、余剰のレジスト41aを剥離除去することにより、吸収膜14に回路パターン領域20が形成される。
図5は、本発明の反射型フォトマスクの製造工程例のうち、回路パターン形成後から遮光領域を形成するまでの工程の断面図である。図5(a)に示すように、吸収膜14に回路パターン領域20を形成したマスクの上に、電子線に反応するポジレジスト41bを塗布する。次に図5(b)に示すように、所望の遮光領域を形成する箇所全面に電子線40を照射する。その後、図5(c)に示すように、現像工程で電子線40を照射した部分のレジスト41bを除去することにより、レジストパターンを形成する。次に、図5(d)に示すように、吸収膜14、保護層13、多層反射層12を順次ドライエッチングして遮光領域を掘り込む。そして、図5(e)に示すように、余剰のレジスト41bを剥離除去することにより、基板11が露出した遮光領域21が形成される。
図6は、本発明の反射型フォトマスクの製造工程例のうち、遮光領域形成後から基板表面に凹凸構造の一種である矩形パターンを形成するまでの工程の断面図である。図6(a)に示すように、前述の工程後のマスクの上に、電子線に反応するポジレジスト41cを塗布する。次に図6(b)に示すように、ドットパターンやホールパターンなど、最終的に所望の凹凸構造を形成する箇所に電子線40を照射する。その後、図6(c)に示すように、現像工程で電子線40を照射した部分のレジスト41cを除去することにより、レジストパターンを形成する。次に、図6(d)に示すように、レジスト41cに被覆されていない基板11をドライエッチングによって掘り込む。そして、図6(e)に示すように、余剰のレジスト41cを剥離除去することにより、基板表面に凹凸構造の一種である矩形パターンが形成される。
図7は、本発明の反射型フォトマスクの製造工程例のうち、凹凸構造の一種である矩形パターン形成後から、その表面に表面膜31を有する凹凸構造30を形成するまでの工程の断面図である。図7(a)に示すように、前述の工程後のマスクの上に、電子線に反応するポジレジスト41dを塗布する。次に図7(b)に示すように、遮光領域の全体に電子線40を照射する。その後、図7(c)に示すように、現像工程で電子線40を照射した領域のレジスト41dを除去し、遮光領域以外はレジスト41dで被覆する。この状態でドライエッチングすることにより、図7(d)に示すように、矩形パターンの先端が先鋭化され、アスペクト比が高い錐状の凹凸構造が形成される。次に、図7(e)に示すように、公知のスパッタリング法などを用いて表面膜31を形成する。そして図7(f)に示すように、余剰のレジスト41dを剥離除去する。ここで、余剰のレジスト41d上の表面膜31は、レジスト41dと同時に剥離され、凹凸構造30の表面のみに表面膜31が形成された状態となる。以上の工程により、本発明の反射型フォトマスク101が完成する。
尚、上記では、矩形パターンを錐状のパターンに加工した後、表面膜31を形成する工程を説明したが、矩形パターンの凹凸構造が形成された段階(図6(e))で、次に表面
膜31を形成してもよい。
以下、本発明の反射型フォトマスク及びその製造方法の実施例について、製造工程に即して説明する。
本実施例では1に示す構造の反射型フォトマスクブランクを使用した。基板11の上に多層反射層12としてMo層とSi層が交互に40ペア積層され、波長13.5nmのEUV光に対して反射率が64%程度となっている。さらにその上に膜厚2.5nmのRu保護層13、その上に膜厚70nmのTaSiからなる吸収膜14が順次形成されている。一方、基板11の裏面には導電膜15が形成されている。
まず回路パターン領域20を形成するために、反射型フォトマスクブランク100の表面に化学増幅型ポジレジスト41a(SEBP9012:富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ製)を150nmの膜厚で塗布した(図4(b))。次に電子線描画機(JBX3040:日本電子製)を用いて電子線40を照射し、マスク中央部の10cm×10cmの領域に、線幅100nmで1:1のライン・スペースパターンを描画した(図4(c))。その後110℃、10分間のベーク処理を行い、スプレー現像機(SFG3000:シグマメルテック製)で現像処理を実施することにより、レジストパターンを形成した(図4(d))。さらに、ドライエッチング装置を用いてCFプラズマ及びClプラズマを用いて吸収膜14をエッチングした(図4(e))。そして、余剰のレジストを剥離し、洗浄・乾燥工程を経て回路パターン領域20を形成した(図4(f))。
続いて、遮光領域21を形成するために、上記の表面にi線レジスト41bを膜厚500nmで塗布した(図5(a))。次にi線描画機(ALTA3000:アプライドマテリアル製)を用いて、マスク中央の回路パターン領域20の端から3μmの位置に幅5mmの遮光領域を描画した(図5(b))。次に現像・洗浄・乾燥工程を行った後、ドライエッチング装置によりCHFプラズマを用いて、ガス流量20sccm、装置内圧力4mTorr、ICP(誘導結合プラズマ)出力350W、RIE(反応性イオンエッチング)出力200W、処理時間6分の条件で、描画部の吸収膜14、保護層13、多層反射層12を貫通・除去した(図5(d))。そして、余剰のレジストを剥離し、洗浄・乾燥工程を経て遮光領域21を形成した(図5(e))。
次に、遮光領域の基板表面にドットパターンからなる凹凸構造30を形成するために、上記の表面に化学増幅型ポジレジスト41c(FEP171:富士フィルムエレクトロニクスマテリアル製)を膜厚400nmで塗布した(図6(a))。次に、電子線描画機を用いて遮光領域21上のレジスト41cに周期200nm、幅100nm×100nmで配列したドットパターンを描画した(図6(b))。その後、ベーク処理及び現像工程を経てレジストパターンを形成した(図6(c))。このレジストパターンをマスクとして、露出している基板11をCFプラズマでエッチングし、レジストを剥離し、洗浄・乾燥工程を経て平面視でドット状の断面視矩形パターンを形成した(図6(e))。
次に、前記工程後のマスク全面にi線用ポジレジスト41dを膜厚500nmで塗布した(図7(a))。さらに、i線描画機を用いて遮光領域21の全体に電子線40を照射した(図7(b))。これを現像することにより、遮光領域21以外の部分をレジスト41dが被覆する状態になる(図7(c))。この状態でエッチングすることにより、矩形パターンの先端が先鋭化されると同時にパターン凹部が深く掘り込まれ、アスペクト比が大きくなった凹凸構造が形成された(図7(d))。さらに、スパッタリング装置を用いて、表面膜31の材料として、CrNを膜厚30nmで全面に形成した(図7(e))。その後、レジスト41dを除去することにより、レジスト41dの表面に形成された余剰の表面膜31も同時に除去されたため、凹凸構造30の表面のみに表面膜31が形成された反射型フォトマスク101が完成した(図7(f))。
上記のように作製した反射型フォトマスクについて遮光領域表面のシート抵抗を測定したところ、4端子法シート抵抗測定機で30Ω/□であった。さらに、遮光領域の内側(マスク中央側)の露光領域に形成した寸法100nmのライン&スペースからなる回路パターン部を電子線欠陥検査装置にて検査したところ、帯電が発生せず検査することが出来た。電子線による測長も可能であった。
次に、前記マスクについて遮光領域の波長150〜300nmにおける平均反射率を測定した。その結果、洗浄処理前の反射率は1.4%であり、表面膜31付きの凹凸構造30を有する本発明の反射型マスクではアウトオブバンド光の反射率が十分低くなっていた。また、SPM洗浄とAPM洗浄をそれぞれ50回施した後の反射率は1.4%であり、洗浄処理による反射率の変化は認められなかった。これはCrN表面膜付きの本マスクは、高い洗浄耐性を有することを意味している。
<比較例>
実施例と同様の手順で、遮光領域に矩形形状の凹凸構造を有するがその表面に表面膜31が形成されていない反射型マスク(図6(e))を作製した。このマスクについて遮光領域表面のシート抵抗を測定したところ、4端子法シート抵抗測定機では測定不能(1.0x10Ω/□以上)であった。さらに、遮光領域の内側(マスク中央側)の露光領域に形成した寸法100nmのライン&スペースからなる回路パターン部を電子線欠陥検査装置にて検査を試みたが、帯電により検査出来なかった。
また、前記マスクの遮光領域の波長150〜300nmにおける平均反射率は、洗浄処理前が2.1%であったのに対し、SPM洗浄とAPM洗浄をそれぞれ50回施した後は反射率が3.2%となり、1.1%上昇することが分かった。これは、表面膜無しのマスクにおいては、洗浄処理によって凹凸構造パターンが変化したためと考えられる。
11 基板
12 多層反射層
13 保護層
14 吸収膜
15 裏面導電膜
20 回路パターン領域
21 遮光領域
30 凹凸構造
31 表面膜
40 電子線
41a〜41d レジスト
100 反射型マスクブランク
101 反射型マスク

Claims (4)

  1. 基板、多層反射層、吸収膜、表面膜を備える反射型フォトマスクであって、
    前記反射型フォトマスクの表面が回路パターン領域と、前記回路パターン領域の外側の遮光領域とを含む複数の領域に区分されており、
    前記回路パターン領域では、前記基板上に前記多層反射層と前記吸収膜がこの順に積層さ
    れており、かつ、前記吸収膜が回路パターンを構成しており、
    前記遮光領域では、前記吸収膜と前記多層反射層が除去されて前記基板が露出しており、
    前記遮光領域の前記基板が露出した部分には凹凸構造が形成されており、
    前記遮光領域の側面及び前記凹凸構造の最表面には前記表面膜が配置されており、
    前記表面膜のシート抵抗は500Ω/□以下であることを特徴とする反射型フォトマスク。
  2. SPM(硫酸過酸化水素水)、及びHPM(塩酸過酸化水素水)による洗浄前後における、前記表面膜を備えた前記凹凸構造部の反射率の変化が、
    いずれも0.1%以下であることを特徴とする請求項1に記載の反射型フォトマスク。
    ここで、前記反射率は、入射光のエネルギーを100%とする、波長150〜300nmにおける平均反射率とする。
  3. 前記表面膜は、Si、Mo、Ta、Cr、Ru、Al、Ti、Zn、Sn、Hf、W、Zr、Au、Ag、Cu及びそれらの酸化物、窒化物、酸窒化物からなる群より選択される少なくとも一種の原子、及び分子を主たる構成要素とすることを特徴とする請求項1、2のいずれか一項に記載の反射型フォトマスク。
  4. 基板と、前記基板上に形成された多層反射層と、前記多層反射層上に形成された吸収膜
    とを少なくとも備えるフォトマスクブランクを使用して、
    回路パターン領域の外側に、前記吸収膜と前記多層反射層を除去し、前記基板を露出させ
    る遮光領域を形成する工程と、
    前記遮光領域の前記基板が露出した部分に凹凸構造を形成する工程と、
    前記遮光領域の側面及び前記凹凸構造の最表面に表面膜を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする反射型フォトマスクの製造方法。
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