JP2015081750A - 加熱調理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数種類のガスのいずれにも適用される共通ノズルを使用して、加熱調理ができる加熱調理装置を提供する。【解決手段】加熱処理装置1は、複数種類のガスのいずれの噴射に対しても共通に適用される共通ノズル71と、共通ノズルから噴射されたガスが一次空気と混合されて噴出される火炎口79を有するガスバーナ体72と、火炎口79の側方位置でガスバーナ体72との間に間隙を有して対向し、火炎口79よりもガスの噴出方向に突出して、火炎口79側に近づく接近部82aを有する二次空気導入板82と、を有する。好ましくは、ガスバーナ体72が火炎口79を複数有し、複数の火炎口が一列に配列され、二次空気導入板82は、火炎口79を挟んで一対が備えられている。【選択図】図8

Description

本発明は、ガスを燃焼させて加熱調理を行なう加熱調理装置に関し、例えば、複数種類のガスのいずれにも適用される共通ノズルから所望のガスを噴射させて加熱調理ができる加熱調理装置に関するものである。
従来、例えば特許文献1に記載されたガス回転釜等の加熱調理装置が知られている。この従来の加熱調理装置は、煮炊きを行う内釜と、この内釜の周囲を所定間隔を保持して覆う外釜と、内釜を加熱するガスバーナ式の加熱手段とを備えている。
特開2000−325230号公報
このような従来の加熱調理装置は、例えばガス会社からガス配管を経て供給される都市ガスを燃料ガスとする構成である場合には、その都市ガスとは種類が異なるLPガスを燃料ガスとして使用することができない。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、例えば都市ガスとLPガスといった種類が異なる少なくとも2つのガスのいずれでも燃料ガスとして使用することが可能な加熱調理装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明に係る加熱調理装置は、ガスを燃焼させて加熱調理を行う加熱調理装置であって、複数種類のガスのいずれの噴射に対しても共通に適用される共通ノズルと、前記共通ノズルから噴射されたガスが一次空気と混合されて噴出される火炎口を有するガスバーナ体と、前記火炎口の側方位置で前記ガスバーナ体との間に間隙を有して対向し、前記火炎口よりも前記ガスの噴出方向に突出して前記火炎口側に近づく接近部を有する二次空気導入板とを備えていることを特徴としている。
このように構成された本発明の加熱調理装置によれば、二次空気が二次空気導入板とガスバーナ体との間の間隙を通して上昇し、接近部によって火炎口側に案内される。したがって、火炎口から噴射される火炎の上方の外炎部に二次空気を供給することができ、安定した火炎を得ることができる。したがって、複数種類のガスの中からいずれのガスが選択されても、適切に燃焼させることができ、火炎の不完全燃焼によるイエローを低減させ、火炎のリフトを防止することができる。
そして、本発明にかかる加熱調理装置の好ましい具体的な態様として、二次空気導入板の接近部がテーパ状に形成されている。この構成によれば、二次空気を、火炎口側に円滑に案内して外炎部に集中的に供給することができ、さらに安定した火炎を得ることができる。
そして、好ましい他の態様としては、二次空気導入板がガスバーナ体との間に間隙を有して立設する垂直部と、その垂直部に連続する接近部とを有している。この構成によれば、垂直部とガスバーナ体との間の間隙に二次空気を通し、火炎口側に安定して供給することができ、さらに安定した火炎を得ることができる。
また、好ましい他の態様としては、ガスバーナ体が、火炎口を複数有し、複数の火炎口が一列に配列されている。したがって、加熱規模に対応した熱量を得ることができる。
また、好ましい他の態様としては、一対の二次空気導入板が火炎口を挟んで配設されている。この構成によれば、火炎の両側から外炎部に二次空気を供給することができ、さらに安定した火炎を得ることができる。
また、好ましい他の態様としては、一対の前記二次空気導入板において、接近部の突出端が平面視でガスバーナ体の火炎口の側方位置に配置されている。この構成によれば、火炎口から噴射される火炎が接近部の突出端に接触するのを防ぎ、接近部が過度に熱せられるのを防ぐことができる。
また、好ましい他の態様としては、接近部の突出端どうしの間隔が8〜17mmに設定され、前記火炎口の上端から前記接近部の突出端までの高さが5〜14mmに設定されている。この構成によれば、複数種類のガスとして都市ガスとLPガスのいずれを選択して用いた場合でも、適切に燃焼させることができ、火炎の不完全燃焼によるイエローを低減させ、火炎のリフトを防止することができる。
また、好ましい他の態様として、二次空気導入板の接近部がガスバーナ体側に膨らむように湾曲しているか、または、ガスバーナ体と反対側に膨らむように湾曲している。これらの構成によれば、二次空気を、火炎口側に円滑に案内して外炎部に集中的に供給することができ、さらに安定した火炎を得ることができる。
また、好ましい他の態様として、二次空気導入板が火炎口の全部あるいは一部に沿って設けられている。この構成によれば、外炎部に供給される二次空気の量を適切に調節することができ、安定した火炎を得ることができる。
また、好ましい他の態様として、共通ノズルから選択的に噴射されるガスは、LPガスと都市ガスである。したがって、例えば地震などの災害により都市ガスの供給がストップしたときに、移動式のガス回転釜等にLPガスボンベからLPガスを供給することにより、被災地にて加熱調理を行うことができる。
本発明によれば、複数種類のガスの中からいずれのガスが選択されても適切に燃焼させることができ、何ら調整を加えることなく、そのまま加熱調理をすることができる。したがって、例えば通常は都市ガスを使用しているものを、災害時にはLPガスを使用することができ、災害時用として専用の加熱調理装置を用意しておく必要がなく、購入費用がかさむのを防ぐことができ、また、保管場所を確保する必要もない。
本発明に係る加熱調理装置の概念図である。 本発明の一実施の形態に係る加熱調理装置の正面図である。 図2に示す加熱調理装置の要部断面図である。 図2に示す加熱調理装置のガスバーナ部分の平面図である。 (a)は図2に示す加熱調理装置のノズル取付体、共通ノズルおよびガスバーナ体の平面図、(b)は共通ノズルの要部断面図である。 図4,5に示すガスバーナ体の長手方向に沿う断面図である。 (a)は図5,6に示すガスバーナ体の平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。 (a)は図7のガスバーナ体に二次空気導入板を取り付けた平面図、(b)は正面図、(c)は縦方向断面図、(d)は二次空気導入板の断面図である。 二次空気導入板の変更例を示し、(a)は変更例1の要部平面図、(b)、(c)は変更例2,3の断面図である。 図2に示す加熱調理装置のガス供給部を示す部分側面図である。 加熱調理装置のガスバーナ体の火炎口における燃焼状態を示す図であり、(a)は都市ガスを専用ノズルで燃焼させたときの火炎図、(b)はLPガスを別の専用ノズルで燃焼させたときの火炎図、(c)は本発明の加熱調理装置のガスバーナ体で都市ガスを燃焼させたときの火炎図、(d)は本発明の加熱調理装置のガスバーナ体でLPガスを燃焼させたときの火炎図である。
<加熱調理装置の概説>
本発明に係る加熱調理装置の構成について図1の概念図に沿って説明する。
加熱調理装置は、ガスを燃焼させて加熱調理を行う装置であり、共通ノズルと、ガスバーナ体と、二次空気導入板を有している。共通ノズルは、複数種類のガスのいずれの噴射に対しても共通に適用されるものであり、例えば第1のガス、第2のガス、あるいは第3のガスのいずれも噴射できるように構成されている。ガスバーナ体は、共通ノズルから噴射されたガスが一次空気と混合されて噴出される火炎口を有する。二次空気導入板は、火炎口の側方位置でガスバーナ体との間に間隙を有して対向し、火炎口よりもガスの噴出方向に突出して、火炎口側に近づく接近部を有している。二次空気導入板は、ガスバーナ体上部の火炎口を挟んで対をなすように配設されている。
このように構成された加熱調理装置では、複数種類のガスのいずれにも対応可能な共通ノズルに、複数種類のガスの中から選択されたガスが供給され、そのガスが共通ノズルからガスバーナ体に噴射され、ガスバーナ体の中で一次空気と混合され、混合ガスとして火炎口から噴出される。そして、火炎口から噴出されるガスに対して、不図示の点火手段によって点火がされて、ガスの燃焼により火炎が形成され、その火炎に対して、二次空気導入板によって二次空気が供給される。火炎口の上方に形成される火炎は、釜や鍋を加熱して調理を行なうことができる。
本発明の加熱調理装置では、例えば第1のガスとして都市ガス[13A]を使用し、第2のガスとしてLPガスを使用することができる。すなわち、本発明の加熱調理装置では、特徴構成である二次空気導入板を用いることで、火炎の上方の外炎部に二次空気を供給することができる。したがって、第1のガスである都市ガスの使用においては、火炎の火炎口からのリフトを防止でき、また、第2のガスであるLPガスの使用においては、不完全燃焼による火炎のイエローを防止でき、安定した燃焼が可能となる。第1のガス及び第2のガスはそれぞれ所定のガス圧力に設定されることが好ましい。
<加熱調理装置の実施の形態>
つぎに、本発明の加熱調理装置の具体的な一実施の形態について図2ないし図10を参照して説明する。図2において、加熱調理装置1は、例えば給食センター等に設置され、食材を加熱調理するための業務用のガス回転釜である。
この加熱調理装置1は、複数種類のガスとして、少なくとも2つの第1ガスおよび第2ガス、すなわち例えば都市ガスおよびLPガスのいずれでも、任意に選択して燃料ガスとして使用することができる。例えば、第1ガスである都市ガスは、ガス会社から都市ガス配管を経て供給されるガス(例えば「13A」や「12A」等)であり、第2ガスであるLPガスは、LPガスボンベからLPガス配管を経て供給されるガス(例えば「プロパンガス」)である。
加熱調理装置1は、図2,3等に示されるように、食材等が投入される被加熱体である調理釜2と、この調理釜2の周囲を所定間隔を介して覆うようにこの調理釜2を支持する釜支持体3と、都市ガスまたはLPガスを燃料ガスとして調理釜2を加熱するガスバーナ式の加熱手段4とを備えている。
また、加熱調理装置1は、釜支持体3を上下方向に回動可能に支持する左右1対の支持フレーム6,7と、左側の支持フレーム6に回動可能に設けられ調理釜2の上面開口部10を開閉する取手付きの開閉蓋8と、右側の支持フレーム7に回転可能に設けられ調理釜2を上下回動させる際に作業者によって操作されるハンドル9とを備えている。
調理釜2は、図2,3等に示されるように、円形状の上面開口部10を有する略半球殻状の釜本体部11と、この釜本体部11の裏面側にこの釜本体部11の底面中央を中心として放射状に突設された細長板状の複数のフィン部12とを有している。
複数のフィン部12は、底面視で釜本体部11の周方向に等間隔をおいて並設されている。各フィン部12の長手方向一端部は釜本体部11の底面中央付近に位置し、各フィン部12の長手方向他端部は釜本体部11の上端部付近に位置している。各フィン部12は加熱手段4で調理釜2を加熱調理するとき、熱エネルギーを釜本体部11に伝達する熱効率を向上させる目的で形成されている。
釜支持体3は、図2,3等に示されるように、調理釜2の周囲を所定間隔を介して覆う上下面開口状の筒状覆い部16と、この筒状覆い部16に左側方に向かって突設され左側の支持フレーム6にて回動可能に支持された一方側軸部17と、この筒状覆い部16に右側方に向かって突設され右側の支持フレーム7にて回動可能に支持された他方側軸部18とを有している。
一方側軸部17は、例えばガス流路の一部として機能する左右方向の中空軸21と、この中空軸21の軸方向端部に設けられたフランジ22とから構成されている。中空軸21は、左側の支持フレーム6の上部に軸受部材23を介して回動可能に取り付けられている。フランジ22は、筒状覆い部16の側面の所定箇所に固着されている。
加熱手段4は、複数種類の燃料ガスに対応可能なもので、例えば互いに種類が異なる都市ガスおよびLPガスの両方にそれぞれ適用できる構成となっている。そして、加熱手段4は、図2ないし図10等に示されるように、都市ガスを燃料ガスとして使用する場合には所定圧力値の都市ガスが流れ、LPガスを燃料ガスとして使用する場合には所定圧力値のLPガスが流れる共通配管31と、この共通配管31の複数の下流端部(接続端部)が接続された複数、例えば左右1対で2つの管状のノズル取付体32(図5を参照)とを備えている。
共通配管31は、図2に示すように、1本の配管部36を有し、この配管部36の上流端部が釜支持体3の一方側軸部17の中空軸21に接続されている。配管部36の下流端部から2本の分岐配管部37が分岐しており、一方の分岐配管部37の下流端部が加熱手段4を構成するガスバーナ体72を取り付ける一方のノズル取付体32に接続され、他方の分岐配管部37の下流端部が加熱手段4を構成するガスバーナ体72を取り付ける他方のノズル取付体32に接続されている。
配管部36の中間部には、この配管部36よりも細い1本の細管部41の上流端部が接続されている。細管部41の下流端部から2本の分岐細管部42が分岐しており、一方の分岐細管部42の下流端部が一方のノズル取付体32に接続され、他方の分岐細管部42の下流端部が他方のノズル取付体32に接続されている。また、配管部36の中間部には、操作摘み部43およびパイロットバーナ部44等にて構成された点火手段45が接続されている。なお、操作摘み部43の操作により混合ガスの点火・消火および火力調整等が可能である。
また、図10に示されるように、釜支持体3の一方側軸部17の中空軸21における支持フレーム6側の軸方向端部には、所定圧力値の都市ガスまたは所定圧力値のLPガスを配管部36に中空軸21内を介して供給する供給管部46の下流端部が接続されている。供給管部46の上流端部には、都市ガス供給管47の下流端部およびLPガス供給管48の下流端部が接続されている。なお、共通配管31は、供給管部46、配管部36、分岐配管部37、細管部41および分岐細管部42等にて構成されている。
そして、都市ガス供給管47の中間部には、この都市ガス供給管47から供給管部46に供給される都市ガスの圧力を所定圧力値に設定する第1ガス圧設定手段である都市ガス圧設定手段(ガスガバナ)51が設けられている。都市ガス供給管47の中間部のうち都市ガス圧設定手段51よりも上流側の部分には、開状態時には都市ガス圧設定手段51側に向けて都市ガスを流し、閉状態時には都市ガス圧設定手段51側への都市ガスの流れを規制する都市ガス用の開閉弁52が設けられている。
同様に、LPガス供給管48の中間部には、このLPガス供給管48から供給管部46に供給されるLPガスの圧力を都市ガスの所定圧力値とは異なる所定圧力値(例えば都市ガスの所定圧力値よりも小さい値)に設定する第2ガス圧設定手段であるLPガス圧設定手段(ガスガバナ)53が設けられている。LPガス供給管48の中間部のうちLPガス圧設定手段53よりも上流側の部分には、開状態時にはLPガス圧設定手段53側に向けてLPガスを流し、閉状態時にはLPガス圧設定手段53側へのLPガスの流れを規制するLPガス用の開閉弁54が設けられている。本実施の形態では、都市ガスの場合は150〜220mmHO程度の圧力値に設定され、LPガスの場合は40〜70mmHO程度の圧力値に設定され、ガスバーナ式の加熱手段4で適切に燃焼できるように設定されている。
また、都市ガス供給管47の上流端部が、都市ガス供給源に接続された都市ガス配管56を接続可能な接続端部57となっている。LPガス供給管48の上流端部が、LPガスボンベ等のLPガス供給源に接続されたLPガス配管58を接続可能な接続端部59となっている。
そして、図10には、例えば都市ガス配管56が都市ガス供給管47の接続端部57に接続された状態が示されており、このとき、都市ガス用の開閉弁52が開状態となっているとともに、LPガス用の開閉弁54が閉状態となっている。
なお、例えば震災等の災害時において、通常供給されている都市ガスを使用することができなくなった場合には、都市ガス用の開閉弁52を閉状態にする一方、LPガスのガスボンベを持ってきてLPガス配管58をLPガス供給管48の接続端部59に接続し、LPガス用の開閉弁54を開状態にすることで、都市ガスに代えてLPガスを燃料ガスとして使用可能である。なお、両開閉弁52,54のうち、いずれか一方が開状態のときは、いずれか他方が必ず閉状態であり、かつ、開状態のときは、必ずガス供給管と接続されている。
各ノズル取付体32は、加熱手段4を構成するガスバーナ体72を取り付けるためのものであり、図5および図6等に示されるように、水平な左右方向に軸方向を有する左右方向長手状の円筒状で軸方向両端面が閉鎖した管状部61と、この管状部61の外周面の前後両側に管状部61の軸方向(長手方向)に等間隔をおいて並設された円筒状の複数(例えば10個)のノズル取付筒部62と、管状部61の下側に固設された取付板部63とを有している。
管状部61の軸方向一端側(外側)の下面には配管部接続口部64が形成され、管状部61の軸方向他端側(内側)の下面には細管部接続口部65が形成されている(図5参照)。そして、配管部接続口部64には共通配管31の分岐配管部37の下流端部が接続され、細管部接続口部65には共通配管31の分岐細管部42の下流端部が接続されている。
なお、管状部61の内部空間は、仕切板66によって第1室とこれよりも狭い第2室とに仕切られている。広い第1室には例えば8個のノズル取付筒部62の内部空間が連通しており、この第1室には太い分岐配管部37から都市ガスまたはLPガスが供給される。狭い第2室には例えば残りの2個のノズル取付筒部62の内部空間が連通しており、この第2室には細い分岐細管部42から都市ガスまたはLPガスが供給される。
複数のノズル取付筒部62は、管状部61の外周面にこの管状部61の軸方向に対して傾斜状に突設されている。つまり、ノズル取付筒部62の軸方向(共通ノズルのガス噴射方向)は、平面視で、管状部61の軸方向に直交する方向に対して所定角度αをもって傾斜している。
そして、各ノズル取付筒部62には、種類の異なる都市ガスおよびLPガスの両方に対して共通使用可能な共通ノズル71が脱着可能に取り付けられ、この共通ノズル71から所定圧力値の都市ガスまたは所定圧力値のLPガスが共通ガスバーナであるガスバーナ体72内に向けて噴射されるようになっている。
つまり、加熱手段4は、都市ガスを燃料ガスとして使用する場合には都市ガス圧設定手段51にて圧力が所定圧力値に設定された第1ガスを噴射し、LPガスを燃料ガスとして使用する場合にはLPガス圧設定手段53にて圧力が所定圧力値に設定されたLPガスを噴射する複数の共通ノズル71と、この共通ノズル71からの都市ガスまたはLPガスと共通ノズル71による噴射に伴って空気吸引口部73から吸引される空気(一次空気)とを混合させ、この混合した混合ガスをさらに空気(二次空気)と混合させて燃焼させる中空状の複数のガスバーナ体72とを有している。
共通ノズル71は、軸方向両端面が開口した円筒状のもので、基端側の径大部71aと先端側の径小部71bとから構成されている。そして、径大部71aがノズル取付筒部62に取り付けられ、径小部71bの先端面に開口した円形状の1つの噴射孔から都市ガスまたはLPガスの燃焼させるために必要なガス量が噴射される。共通ノズル71には、図5(b)に示すように、ガスを噴射するための噴射口が形成され、この噴射口は根元側が小径で、開口側が大径の2段孔となっている。小径部71cの直径は、1.0〜1.25mmが好ましく、大径部71dの直径は、1.2〜1.3mmが好ましく、大径部71dの直径は、小径部71cの直径よりも必ず大きくなるように設定される。本実施の形態では、小径部71cの直径が1.15mmであり、大径部71dの直径が1.23mmに形成されている。本実施形態の共通ノズル71は、一般的な都市ガス用のノズルと比較して、開口側の大径部71dの直径が小さく設定されている。
なお、径小部71bの先端面(共通ノズル71の先端部)は、ガスバーナ体72の円形状の空気吸引口部73内に挿入され、この空気吸引口部73の中央部に配設されている。このため、空気吸引口部73の中央部が径小部71bの先端面で遮られた状態となっており、この空気吸引口部73の中央部以外の部分から空気(一次空気)がガスバーナ体72内に吸引されるようになっている。
ガスバーナ体72は、その全体が横長の略矩形板状に形成されており、図4に示されるように、例えば互いに近接した平行な5個のガスバーナ体72にてガスバーナ群75が構成され、前後左右で4つのガスバーナ群75がこれらの間に菱形空間部76を形成するように配設されている。
そして、各ガスバーナ体72は、共通ノズル71に臨んで位置する空気吸引口部73と、この空気吸引口部73からの空気(一次空気)と共通ノズル71からの燃料ガス(都市ガスまたはLPガス)とを混合させて混合ガスを生成する混合管部78(図6参照)と、この混合管部78からの混合ガスを燃焼室80に向けて噴射してその燃焼室80で混合ガスを空気(二次空気)と混合させて燃焼させる複数の火炎口79とを有している。混合管部78は、一次空気と混合された混合ガスを上部の火炎口79に供給するものであり、互いに対向する一対の縦壁部74(図7,8参照)の間に形成されている。
空気吸引口部73は、混合管部78の上流端部に連設され、共通ノズル71に向かって側方へ開口している。複数の混合ガス噴射口部である火炎口79は、混合管部78の上流端部に連設した中空板部81の上端部に、ガスバーナ体72の長手方向に沿って一列状に並んで位置するように形成されている。そして、各火炎口79は、燃焼室80内に向かって上方へ開口している。
また、ガスバーナ体72は、混合ガスの通路や火炎口を形成するための凹部等が形成された2枚の金属板材を重ねて構成されており、火炎口79の中間に中空板部81が挟まれている。ガスバーナ体72は、下方側からの空気(二次空気)を火炎口79側に向けて案内する長手状の1対の二次空気導入板82,82を有している。これら1対の二次空気導入板82,82間とガスバーナ体72の縦壁部74との間には、二次空気の流通路が形成され、燃焼室80での混合ガスの燃焼に必要な所定量の空気(二次空気)が下から上へ通過するスリット状の空気通過用の隙間部83が形成されている(図5参照)。
これら一対の二次空気導入板82、82は、火炎口79を挟んで配設されている。二次空気導入板82,82は、火炎口79の側方位置でガスバーナ体72との間に間隙を有して対向し、上端部分が火炎口79よりもガスの噴出方向に突出して、火炎口側に近づく接近部82a,82aを有している。二次空気導入板82,82は、ガスバーナ体72の縦壁部74との間に間隙を有して立設する垂直部82b,82bを有しており、その垂直部82b、82bに接近部82a、82aが連続して設けられている。接近部82a,82aは、火炎口79からガスの噴出方向(上方)に突出して、上方に行くにしたがって火炎口79側に接近するテーパ状に形成されている。垂直部82bは縦壁部74と平行に設定され、両者の間に二次空気の流通路が形成される。
二次空気導入板82,82は、金属板材で形成され、ガスバーナ体72の長手方向に沿って垂直部82b,82bが延在し、この垂直部の上部に連続する接近部82a,82aは上方に向けて相互の間隔がつぼまるように45度程度の傾斜面で形成されている。二次空気導入板82,82は、接近部82a,82aの長手方向の両端に固定部82c,82cを有している。垂直部82b,82bと固定部82c,82cは屈曲形成されている。接近部82aと垂直部82bは、火炎口79の列とほぼ同じ長さに亘って延在している。固定部82cは、二次空気導入板82をガスバーナ体72に固定するためのものであり、溶接あるいはネジ等で固定する。
図8(c)、(d)に示されるように、1対の二次空気導入板82,82は、固定時に垂直部82b,82bの間隔がw1の平行状態となるように形成され、ガスバーナ体72の縦壁部74との間に二次空気が通過できる間隙が形成される。また、上部の接近部82a,82aは、テーパ状に形成されており、垂直部82b,82bから傾斜して屈曲され、上方に向けて相互の間隔がつぼまるように傾斜している。
この結果、接近部82a,82aの突出端どうしの間隔、すなわち隙間部83の間隔は、垂直部82b,82bの幅w1より小さい間隔w2に設定されている。接近部82a,82aの隙間部83の間隔w2は、8〜17mm程度に設定され、10mm程度が最適である。また、接近部82a,82aは、その突出端が平面視で火炎口79の側方位置に配置されている。すなわち、火炎口79の延長上に接近部が位置しないように配置されており、混合ガスの燃焼による火炎が接近部82a,82aに接触しないように配置され、接近部82a,82aの突出端の赤熱を防止して熱エネルギーのロスを低減することができる。
この構成により、二次空気は、ガスバーナ体72の周囲より垂直部82b,82bを通過し、火炎口79の上方の外炎部に供給される。また、接近部82aと垂直部82bとの連結部、すなわち、屈曲部分は、火炎口79の上端部の位置と略一致している。そして、接近部82a,82aの高さ、すなわちガスバーナ体72の火炎口79上端から接近部82a,82aの突出端までの高さhは、5〜14mm程度に設定され、6mm程度が最適である。
ここで、二次空気導入板の変更例について、図9を参照して説明する。図9(a)に示す変更例では、火炎口79Aは細長い開口を有するものであり、二次空気導入板82Aの接近部82a,82aは、一定幅で長手方向に連続する形状でなく、一部に切欠き部82dが形成されている。このように、二次空気導入板82Aは、火炎口79Aの一部に沿って設けられており、この構成により、上昇してくる二次空気の流れや、供給される二次空気量を調整することができる。
二次空気導入板は、前記のように、接近部82aの形状が45度程度に傾斜した傾斜板に限られるものでなく、30〜60度程度で適宜変更することができる。すなわち、接近部82aは、湾曲面で形成することもできる。
図9(b)に示す二次空気導入板82Bでは、二次空気導入板の長手方向と直交する方向の断面形状がガスバーナ体72側に膨らむように湾曲した凹円弧部で形成されている。図9(c)に示す二次空気導入板82Cでは、二次空気導入板の長手方向と直交する方向の断面形状がガスバーナ体72側と反対側に膨らむよう湾曲した凸円弧部で形成されている。どちらの二次空気導入板82B,82Cでも、火炎口79から噴出される火炎の外炎部に二次空気を供給することができ、同様な作用効果を得ることができる。
さらに、図3等に示されるように、ガスバーナ体72は、複数の長手状部材85,86,87を介して円形板状の支持板88にて支持されている。この支持板88にはノズル取付体32の取付板部63が取り付けられ、このノズル取付体32の上部にはガスバーナ体72を支持する矩形状の支持部材89が取り付けられている。
また、支持板88には、外気である空気を導入するための複数のスリット状の空気導入孔部が上下面に貫通して形成されている。支持板88の下面には、断面コ字状の取付部材92を介して取付板93が取り付けられている。取付板93の下面には、共通配管31の一部等を覆う有底円筒状のカバー体94が取り付けられている。
さらに、支持板88の上面には、上下面が開口した円錐台状の空気遮蔽体96が取り付けられているとともに、平面視菱形状の空気遮蔽板97(図4参照)が取付部材98を介して取り付けられている。空気遮蔽体96は、4つのガスバーナ群75の外形形状に対応した六角形状の上面開口部100を有し、この上面開口部100内に複数のすべてのガスバーナ体72の上端部が挿入されている。また、上面開口部100の中央部には空気遮蔽板97が位置し、この空気遮蔽板97は4つのガスバーナ群75間の菱形空間部76に配設されている。
空気遮蔽体96の上面開口部100の側端部は、4つのガスバーナ群75の外形を形成するガスバーナ体72の二次空気導入板82の垂直部82bに接近した位置に配置されており、また、空気遮蔽板97の側端部は、4つのガスバーナ群75の中心側に位置するガスバーナ体72の二次空気導入板82の垂直部82bに接近した位置に配置されている。したがって、空気遮蔽体96の上面開口部100の略全体が複数のガスバーナ体72と空気遮蔽板97とで閉鎖された状態となっており、燃焼室80で混合ガスと混合する空気(二次空気)が火炎口79の両側方のスリット状の隙間部83からのみ燃焼室80内に流入し、ガス燃焼時にはドラフト効果を生じながら流入するようになっている。
つまり、火炎口79の付近で空気(二次空気)と混合しながら混合ガスの燃焼が行われる燃焼室80にその燃焼に使用される以外の余分な空気が流入するのを阻止する空気遮蔽手段101が、空気遮蔽体96と空気遮蔽板97とから構成されている。
なお、燃焼室80は、調理釜2と釜支持体3の筒状覆い部16とガスバーナ体72と空気遮蔽手段101とで囲われた加熱用の空間部であり、所望の高温状態を維持可能なものである。そして、この燃焼室80には、フィン部12を有した調理釜2と熱交換した後の燃焼ガスを燃焼室80外に排気するための排気流路(図示せず)が連通している。また、図2に示されるように、燃焼室80を目視するための覗き窓102が釜支持体3の筒状覆い部16に設けられている。
次に、加熱調理装置1の作用等を説明する。先ず、加熱調理装置1が都市ガスで使用される場合について詳細に説明する。通常、例えば図10に示すように、都市ガス配管56が都市ガス供給管47の接続端部57に接続されており、LPガス配管58はLPガス供給管48の接続端部59に接続されていない。
この状態で、都市ガスを燃料ガスとして使用して加熱調理を行う場合、作業者は、操作摘み部43を操作して点火手段45を作動させることにより、ガスバーナ体72の火炎口79からの混合ガス(都市ガス)を点火して燃焼させ、この燃焼により生じた高温の燃焼ガスによって調理釜2を加熱する。
すなわち、都市ガス供給管47から供給される所定圧力値の都市ガスは、共通配管31を流れ、ノズル取付体32内に供給され、共通ノズル71の先端部の噴射孔からガスバーナ体72の混合管部78内に向けて噴射される。すると、ガスバーナ体72の混合管部78内において、共通ノズル71から噴射された都市ガスと、共通ノズル71による都市ガスの噴射に伴ってエジェクター効果により空気吸引口部73から吸引された所定量の空気(一次空気)とが混合し、この混合により混合ガスが生成される。
その後、この生成された混合ガスは、ガスバーナ体72の火炎口79から燃焼室80に向けて噴射され、この燃焼室80の火炎口79の付近で、スリット状の隙間部83からの所定量の空気(二次空気)と混合して適正に燃焼する。そして、この燃焼により生じた燃焼ガスは、燃焼室80内に充満し、調理釜2と熱交換した後、排気ガスとなって排気流路から燃焼室80外に排気される。このように、調理釜2は、都市ガスを燃料ガスとした混合ガスの燃焼による熱で加熱され、この調理釜2内の食材等の加熱調理が行われる。
ここで、例えば震災等の災害が発生し、都市ガス配管56の破損等により、都市ガスを使用することができなくなった場合において、加熱調理を行うときには、都市ガスに代えて、LPガスを燃料ガスとして使用する。すなわち例えば、作業者は、都市ガス用の開閉弁52を閉状態にしてから、LPガス配管58をLPガス供給管48の接続端部59に接続するとともに、LPガス用の開閉弁54を開状態にする。
この状態で、作業者は、前記都市ガスの場合と同様、操作摘み部43を操作して点火手段45を作動させることにより、ガスバーナ体72の火炎口79からの混合ガス(LPガス)を点火して燃焼させ、この燃焼により生じた高温の燃焼ガスによって調理釜2を加熱する。
すなわち、LPガス供給管48から供給される所定圧力値のLPガスは、共通配管31を流れ、ノズル取付体32内に供給され、共通ノズル71の先端部の噴射孔からガスバーナ体72の混合管部78内に向けて噴射される。すると、ガスバーナ体72の混合管部78内において、共通ノズル71から噴射されたLPガスと、共通ノズル71によるLPガスの噴射に伴ってエジェクター効果により空気吸引口部73から吸引された所定量の空気(一次空気)とが混合し、この混合により混合ガスが生成される。
その後、この生成された混合ガスは、ガスバーナ体72の火炎口79から燃焼室80に向けて噴射され、この燃焼室80の火炎口79の付近で、スリット状の隙間部83からの所定量の空気(二次空気)と混合して適正に燃焼する。そして、この燃焼により生じた燃焼ガスは、燃焼室80内に充満し、調理釜2と熱交換した後、排気ガスとなって排気流路から燃焼室80外に排気される。このように、調理釜2は、LPガスを燃料ガスとした混合ガスの燃焼による熱で加熱され、この調理釜2内の食材等の加熱調理が行われる。
ここで、本発明の加熱調理装置1の燃焼状態について説明する前に、都市ガスとLPガスをそれぞれ専用のノズルで燃焼させた場合について図11を参照して説明する。図11(a)は都市ガス(13A)を都市ガス専用のノズルで燃焼させた燃焼状態を示しており、ガス圧を200(mmHO)で供給し、ガスバーナ体に都市ガスを供給するノズル径を1.15×1.30mmの都市ガス専用ノズルとし、二次空気導入板82の接近部82aの間隔w2を15mm、高さhを0mmとしたときの燃焼状態を示している。
また、図11(b)はLPガスを別のLPガス専用ノズルで燃焼させた燃焼状態を示しており、ガス圧を280(mmHO)で供給し、ガスバーナ体にLPガスを供給するノズル径を0.86mmのLPガス専用ノズルとし、二次空気導入板82の接近部82aの間隔w2を15mm、高さhを0mmとしたときの燃焼状態を示している。この場合は、種類の異なるガスに別々の専用のノズルを用いて、適正なガス圧とすることで安定した燃焼が可能となる。
これに対して、本実施の形態の加熱調理装置1では、ガスバーナ体72に沿って1対の二次空気導入板82,82を備え、下方の垂直部82bから二次空気を導入し、上方の接近部82aで二次空気を絞って流速を増し、ガスバーナ体72の火炎口の79上方に二次空気を供給する構成であり、図11(c)は都市ガス(13A)のガス圧を都市ガス圧設定手段51で160(mmHO)に設定して供給し、共通ノズル径を1.15×1.23mmの2ウェイの共通ノズル71とし、二次空気導入板82の接近部82aの間隔w2を10mm、高さhを6mmとしたときの燃焼状態を示している。
また、図11(d)は加熱調理装置1をLPガスで使用する場合であり、LPガス圧設定手段53でガス圧を54(mmHO)に設定して供給し、同じ2ウェイの共通ノズル71とし、二次空気導入板82は同じものを使用し、接近部82aの間隔w2を10mm、高さhを6mmとしたときの燃焼状態を示している。
図11(c)では、二次空気導入板82、82の接近部を火炎口79よりも上方に設けると共に、上方へ行くにしたがって火炎口79側に接近するテーパ状に形成していることから、ドラフト効果によって上昇してきた二次空気を火炎口79に向けて供給するのではなく、外炎部に二次空気を供給することができ、火炎のリフトを抑えることができ、安定した燃焼状態を示している。
図11(d)では、共通ノズル71の小径部71c及び大径部71dの直径をLPガス専用ノズルより大きくする、また適正なガス圧よりも弱くすることで、ノズル吐出圧力が下がり、吐出力が弱まり、一次空気量の吸引も弱まることから、適正な混合ガスと比べ、一次空気が不足気味での燃焼となり、イエローチップの炎となる。しかし、二次空気導入板82の接近部82aを火炎口79よりも上方に設けると共に、上方に行くにしたがって火炎口79側に接近するテーパ状に形成していることから、ドラフト効果によって上昇してきた二次空気を外炎部に供給することができるため、火炎のイエローチップが解消され、安定した燃焼状態を示している。
このように、本実施の形態に係る加熱調理装置1では、都市ガス(13A)を使用する場合には適正なガス圧もしくは近い圧力とすると共に、二次空気導入板によって上昇してきた二次空気を火炎口79よりも上方に向けて供給するように設定したことで火炎のリフトを防止して安定した加熱調理ができる。また、種類の異なるLPガスを使用する場合、LPガスとしては適正なガス圧よりも弱く設定されていることでイエローチップの炎を生じやすくなっているとしても、二次空気導入板82によって上昇してきた二次空気を火炎口79よりも上方に向けて供給するように設定したことで、火炎のイエローチップを抑えることができ、安定して加熱調理することができた。また、ガス圧を下げたことによる熱総量が減少したが、内釜である調理釜2にフィン部12を設けることで熱効率がよくなり、沸騰時間を同等にすることができた。
なお、前記いずれの場合においても、例えば操作摘み部43の操作によってガスバーナ体72の火力(加熱力)が調整可能となっている。すなわち例えば、弱火で調理釜2を加熱する際には、操作摘み部43の操作で分岐配管部37への燃料ガスの供給を停止し、燃料ガスが分岐細管部42からのみノズル取付体32内に供給されるようにする。この場合、菱形空間部76に面した中央側の4つのガスバーナ体72からのみ、混合ガスが噴射されて燃焼する。
そして、加熱調理装置1によれば、種類が異なる2つの都市ガスおよびLPガスのいずれでも、燃料ガスとして使用することが可能であり、よって、燃料ガスのガス種に関係なく、調理釜2を適切に加熱でき、適切な加熱調理ができる。すなわち、共通ノズル71と、二次空気導入板82,82を備える共通のガスバーナ体72により、複数種類の異なる都市ガスやLPガスを使用しても、火炎のリフトや、不完全燃焼による火炎のイエローを防止でき安定した燃焼が可能となる。
また、共通配管31が接続され複数のノズル取付筒部62を有する管状のノズル取付体32と、各ノズル取付筒部62に取り付けられ所定圧力値の都市ガスまたは所定圧力値のLPガスを噴射する共通ノズル71と、この共通ノズル71からの都市ガスまたはLPガスを混合ガスにして燃焼させる共通のガスバーナ体72とを備える構成であるから、例えば燃料ガスのガス種に対応した複数のノズル(都市ガス専用ノズルおよびLPガス専用ノズル)を備えるもの等に比べて、構成の簡素化を図ることができ、製造およびメンテナンス等を容易にできる。
さらに、空気遮蔽手段101にて燃焼室80に二次空気以外の余分な空気が流入するのを阻止できるため、燃焼室80での混合ガスの燃焼に必要な所定量の空気(二次空気)のみを二次空気導入板82,82間の隙間部83から燃焼室80に流入でき、余分な空気の流入による燃焼室80内の雰囲気温度低下を防止でき、調理釜2を適切かつ効率良く加熱できる。
また、ガスバーナ体72によって加熱される調理釜2は、燃焼室80と対向する側に複数のフィン部を有するため、調理釜2の燃焼ガスとの接触面積が広く、調理釜2を適切かつ効率良く加熱できる。この結果、複数種類のガスのガス圧を下げても、調理時間が長くなることを防止できる。
なお、加熱調理装置1は、2種のガス(都市ガスおよびLPガス)のみに対応可能なものには限定されず、複数種類の少なくとも2つの第1ガスおよび第2ガスのいずれでも燃料ガスとして使用することが可能なものであればよく、例えば3種以上のガスの中から任意に1つ選択して燃料ガスとして使用することが可能なもの等でもよい。
さらに、都市ガス供給管47側の開閉弁52の開閉と、LPガス供給管48側の開閉弁54の開閉とを1つのレバー操作によって双方の開閉操作が連動するようにしてもよく、例えば都市ガス用の開閉弁52を開状態にして都市ガスを使用する時、LPガス用の開閉弁54は必ず閉状態となるようにする。このことから、いずれかのガスを使用するためにいずれか一方の開閉弁を開状態にしたとき、いずれか他方の開閉弁は必ず閉状態となることから、ガスを使用しないいずれか他方の開閉弁を閉状態とする操作を忘れたとしても、ガスの流れを防ぐことができる。
また、加熱調理装置1は、ガスバーナ体72にて調理釜2が加熱されるガス回転釜には限定されず、例えばガスバーナ体72にて炊飯釜が加熱される炊飯装置等でもよい。
さらに、例えばガス供給源からのガス配管を接続する接続端部57,59は、ワンタッチカプラを用いて接続が容易であるとともに、ガス配管が接続されていない接続端部側のガスの流れを遮断させるようにしてもよい。これによって、ガス配管が接続されていない接続端部側にある開閉弁を閉状態にすることを忘れたとしても、ガスの流出を防ぐことができる。また、ワンタッチカプラがガスの流れを遮断させることから、双方のガス供給管に設けている開閉弁をなくすことができる。
また、接続端部にはタケノコニップルを用いて災害時にガス配管をホースで接続できるようにしてもよい。特に、LPガス供給管48側の接続端部59に用いるとよく、日常は都市ガス供給管47側の接続端部57が都市ガス供給源に接続されて使用している時に災害が発生し、都市ガスの供給が遮断されてしまった場合、搬送可能なLPガスボンベが提供されたときに、普及しているホースによって、工具レスで簡単に接続することができる。
また、例えば支持フレーム6,7の下端部にキャスタを設けて、加熱調理装置1を調理可能な場所まで容易に移動できるようにしてもよい。さらに、都市ガス用の開閉弁52およびLPガス用の開閉弁54を備えた構成には限定されず、例えば3方弁を用いた構成でもよい。
本発明の加熱調理装置1によれば、複数種類のガスの中からいずれのガスが選択されても適切に燃焼させることができ、何ら調整を加えることなく、そのまま加熱調理をすることができる。したがって、例えば通常は都市ガスを使用しているものを、災害時にはLPガスを使用することができ、地震などの災害により都市ガスの供給がストップしたときに、移動式のガス回転釜等にLPガスボンベからLPガスを供給することにより、被災地にて加熱調理を行うことができる。また、災害時用として専用の加熱調理装置を用意しておく必要がなく、購入費用がかさむのを防ぐことができ、また、保管場所を確保する必要もない。
1:加熱調理装置、2:被加熱体である調理釜、12:フィン部、31:共通配管、32:ノズル取付体、51:第1ガス圧設定手段である都市ガス圧設定手段、53:第2ガス圧設定手段であるLPガス圧設定手段、62:ノズル取付筒部、71:共通ノズル、72:ガスバーナ体、74:縦壁部、78:混合管部、80:燃焼室、82,82A,82B,82C:二次空気導入板、82a:接近部、82b:垂直部、82c:固定部、w2:二次空気導入板の接近部の間隔、h:二次空気導入板の接近部の高さ

Claims (11)

  1. ガスを燃焼させて加熱調理を行う加熱調理装置であって、
    複数種類のガスのいずれの噴射に対しても共通に適用される共通ノズルと、
    前記共通ノズルから噴射されたガスが一次空気と混合されて噴出される火炎口を有するガスバーナ体と、
    前記火炎口の側方位置で前記ガスバーナ体との間に間隙を有して対向し、前記火炎口よりも前記ガスの噴出方向に突出して前記火炎口側に近づく接近部を有する二次空気導入板と、
    を備えていることを特徴とする加熱調理装置。
  2. 前記二次空気導入板の接近部は、テーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理装置。
  3. 前記二次空気導入板は、前記ガスバーナ体との間に間隙を有して立設する垂直部と、該垂直部に連続する前記接近部とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理装置。
  4. 前記ガスバーナ体は、前記火炎口を複数有し、複数の火炎口が一列に配列されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の加熱調理装置。
  5. 一対の前記二次空気導入板が前記火炎口を挟んで配設されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の加熱調理装置。
  6. 一対の前記二次空気導入板は、前記接近部の突出端が平面視で前記ガスバーナ体の火炎口の側方位置に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の加熱調理装置。
  7. 前記接近部の突出端どうしの間隔が8〜17mmに設定され、前記火炎口の上端から前記接近部の突出端までの高さが5〜14mmに設定されていることを特徴とする請求項6に記載の加熱調理装置。
  8. 前記二次空気導入板の接近部は、前記ガスバーナ体側に膨らむように湾曲していることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の加熱調理装置。
  9. 前記二次空気導入板の接近部は、前記ガスバーナ体と反対側に膨らむように湾曲していることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の加熱調理装置。
  10. 前記二次空気導入板は、前記火炎口の全部あるいは一部に沿って設けられていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の加熱調理装置。
  11. 前記共通ノズルから選択的に噴射されるガスは、LPガスと都市ガスであることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の加熱調理装置。
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