JP2015152271A - 加熱調理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数種類のガスを切換える際にガスの逆流を防止する加熱調理装置を提供する。
【解決手段】加熱処理装置1は、第1ガスと第2ガスのいずれか一方を切換手段で選択し燃焼させ加熱調理を行うものであって、切換手段は、第1開閉弁50と、第2開閉弁53と、第1開閉弁と第2開閉弁のいずれか一方が閉弁状態のときに、他方を開閉可能とするインターロック機構とを有する。第1開閉弁は、回動により第1ガス流路を開閉する第1弁体50Aを有し、第2開閉弁は、回動により第2ガス流路を開閉する第2弁体53Aを有し、インターロック機構は、第1弁体が閉弁位置に配置されているときに第2弁体の回動規制を解除する第1規制板54と、第2弁体が閉弁位置に配置されているときに第1弁体の回動規制を解除する第2規制板55とを有する。第2規制板55の切欠き部55bに第1規制板54の外周縁部54aが入り込んで第2規制板55の回動を規制する。
【選択図】図13
【解決手段】加熱処理装置1は、第1ガスと第2ガスのいずれか一方を切換手段で選択し燃焼させ加熱調理を行うものであって、切換手段は、第1開閉弁50と、第2開閉弁53と、第1開閉弁と第2開閉弁のいずれか一方が閉弁状態のときに、他方を開閉可能とするインターロック機構とを有する。第1開閉弁は、回動により第1ガス流路を開閉する第1弁体50Aを有し、第2開閉弁は、回動により第2ガス流路を開閉する第2弁体53Aを有し、インターロック機構は、第1弁体が閉弁位置に配置されているときに第2弁体の回動規制を解除する第1規制板54と、第2弁体が閉弁位置に配置されているときに第1弁体の回動規制を解除する第2規制板55とを有する。第2規制板55の切欠き部55bに第1規制板54の外周縁部54aが入り込んで第2規制板55の回動を規制する。
【選択図】図13
Description
本発明は、ガスを燃焼させて加熱調理を行う加熱調理装置に関し、例えば、複数種類のガスを選択的に燃焼させて加熱調理を行うことができる加熱調理装置に関する。
従来、例えば特許文献1に記載されたガス供給装置が知られている。この従来のガス供給装置は、LPGボンベと接続される第一ガス配管とDMEボンベと接続される第二ガス配管とを備えるもので、家庭用のガス引込口には、ガス流路切替手段としての三方コックが設けられており、この三方コックの第一、第二流入口に第一ガス配管と第二ガス配管とがそれぞれ接続され、三方コックの切替操作により選択された一方のガス配管からのガスがガス引込口から家庭内の主ガス配管へ供給されるものである。
前記した従来のガス供給装置は、第一ガス配管、第二ガス配管、家庭用のガス引込口の間に設置された三方コックを操作して第一ガスと第二ガスとを切替えるが、三方コックを操作する際に、第一ガス配管と第二ガス配管との間が連通して、一方のガス配管のガスが他方のガス配管に逆流する恐れがある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、2つのガスのいずれでも燃料ガスとして使用することが可能な加熱調理装置に供給するガスを切換える際に、ガスの逆流を防止する加熱調理装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明に係る加熱調理装置は、第1ガスと第2ガスのいずれか一方を切換手段で選択して共通のガスバーナに供給し、該ガスバーナで燃焼させることにより加熱調理を行う加熱調理装置であって、前記切換手段は、前記ガスバーナに前記第1ガスを供給する第1ガス流路に設置された第1開閉弁と、前記ガスバーナに前記第2ガスを供給する第2ガス流路に設置された第2開閉弁と、前記第1開閉弁と前記第2開閉弁のいずれか一方が閉弁状態のときに、他方を開閉可能とするインターロック機構と、を有することを特徴としている。
本発明の加熱調理装置によれば、例えば共通のガスバーナに供給しているガスの種類を第1ガスから第2ガスに切換える場合、インターロック機構により、第1開閉弁を必ず閉弁状態にしてからでないと第2開閉弁を開弁させることができないので、第1開閉弁と第2開閉弁の両方が開いて第1ガスが第1ガス流路から第2ガス流路に流れ込んで逆流するのを防ぐことができる。第2ガスから第1ガスへの切換えも同様に行え、第2開閉弁を必ず閉弁状態にしてからでないと第1開閉弁を開弁させることができないので、第1開閉弁と第2開閉弁の両方が開いて第2ガスが第2ガス流路から第1ガス流路に流れ込んで逆流するのを防ぐことができる。
そして、本発明に係る加熱調理装置の好ましい具体的な態様として、前記第1開閉弁は、回動により前記第1ガス流路を開閉する第1弁体を有し、前記第2開閉弁は、回動により前記第2ガス流路を開閉する第2弁体を有し、前記インターロック機構は、前記第1弁体と一体に回動して前記第1弁体が閉弁位置に配置されているときに前記第2弁体の回動規制を解除する第1規制板と、前記第2弁体と一体に回動して前記第2弁体が閉弁位置に配置されているときに前記第1弁体の回動規制を解除する第2規制板と、を有することを特徴としている。
この構成によれば、第1開閉弁を閉弁状態にすることにより、第1規制板による第2開閉弁の回動規制を解除するので、第1開閉弁が閉弁状態となって第1ガスの供給が停止されてから、第2開閉弁を開弁状態にすることができ、第1ガスの第2ガス流路への逆流が防止される。第2ガスから第1ガスへの切換えの際も同様に、第2開閉弁を閉弁状態とすることにより、第2規制板による第1開閉弁の回動規制を解除するので、第2開閉弁が閉弁状態となって第2ガスの供給が停止されてから、第1開閉弁を開弁状態にすることができ、第2ガスの第1ガス流路への逆流が防止される。
そして、好ましい他の態様としては、前記第1規制板は、円状の第1外周縁部と、該第1外周縁部の一部を凹円弧状に切欠いた第1切欠き部とを有し、前記第2規制板は、円状の第2外周縁部と、該第2外周縁部の一部を凹円弧状に切欠いた第2切欠き部とを有し、前記第1規制板は、前記第2弁体が閉弁位置に配置されているときに前記第1外周縁部が前記第2切欠き部に入り込むことにより、前記第1弁体の回動を許容しかつ前記第2弁体の回動を規制し、前記第2規制板は、前記第1弁体が閉弁位置に配置されているときに前記第2外周縁部が前記第1切欠き部に入り込むことにより、前記第2弁体の回動を許容しかつ前記第1弁体の回動を規制することを特徴としている。
この構成によれば、例えば第1ガスをガスバーナに供給している状態では、第1開閉弁の第1弁体に設けられた第1規制板は回動可能であるのに対して、第2開閉弁は第2弁体に設けられた第2規制板の第2切り欠き部に第1規制板の第1外周縁部が入り込んで第2弁体の回動が規制されて、第2開閉弁を開くことができない。ガスの種類を第1ガスから第2ガスに切換える場合は、先ず回動可能の第1開閉弁の第1弁体を回動させて閉弁状態とする。これにより、第1規制板の第1切欠き部が第2規制板側に移動して第2開閉弁の第2弁体の回動規制状態が解除される。したがって、第2開閉弁の第2弁体を回動させることが可能となり、第2開閉弁を開弁状態として第2ガスを供給することができる。この切換えの際も、第1ガスは先ず第1開閉弁が閉弁状態となって供給が停止するため、第1ガスの第2ガス流路への逆流が防止される。また、第2ガスから第1ガスへの切換えの際も、同様に先ず第2開閉弁を閉弁状態としてから第1開閉弁を開弁状態とするため、第2ガスの第1ガス流路への逆流は防止される。
また、本発明に係る加熱調理装置の他の態様としては、第1ガスと第2ガスのいずれか一方を切換手段で選択して共通のガスバーナに供給し、該ガスバーナで燃焼させることにより加熱調理を行う加熱調理装置であって、前記切換手段は、前記第1ガス流路と前記第2ガス流路を有する弁本体を有し、前記第1開閉弁は、回動により前記第1ガス流路を開閉する第1弁体を有し、前記第2開閉弁は、回動により前記第2ガス流路を開閉する第2弁体を有し、前記第1弁体と前記第2弁体は、互いに一体に回動可能に連結されており、前記第1弁体が前記第1ガス流路を開放しかつ前記第2弁体が前記第2ガス流路を閉塞する第1の位相と、前記第1弁体が前記第1ガス流路を閉塞しかつ前記第2弁体が前記第2ガス流路を開放する第2の位相との間に、前記第1弁体が前記第1ガス流路を閉塞しかつ前記第2弁体が前記第2ガス流路を閉塞する中間位相を有することを特徴としている。
本発明の加熱調理装置によれば、例えば第1ガス流路を開閉する第1弁体を回動して第1開閉弁を開いた第1ガスの使用状態では、互いに一体に回動可能に連結された第1弁体と第2弁体は、第1弁体が第1ガス流路を開放状態とし、第2弁体が第2ガス流路を閉塞状態とした第1の位相となっている。この第1ガスの使用状態から第2ガスに切換手段で切換えるときは、一体の第1弁体及び第2弁体を回動させると、第1弁体が第1ガス流路を閉塞するとともに第2弁体が第2ガス流路を閉塞する中間位相となり、さらに一体の第1弁体及び第2弁体を回動させると第1弁体が第1ガス流路を閉塞し第2弁体が第2ガス流路を開放した第2の位相となり、第2ガスに切換えることができる。この切換えの際、中間位相で第1ガス流路と第2ガス流路の両方を閉塞するため、第1ガスの第2ガス流路への逆流を防止できる。また、第2ガスから第1ガスへの切換えの際も、一体の第1弁体及び第2弁体は第2の位相から中間位相を通って第1の位相に戻るので、第1ガス流路と第2ガス流路の両方を閉塞し、第2ガスの第1ガス流路への逆流も防止できる。
また、好ましい他の態様として、前記第1ガスと第2ガスは、LPガスと都市ガスである。したがって、例えば地震などの災害により都市ガスの供給がストップしたときに、移動式のガス回転釜等にLPガスボンベからLPガスを供給することにより、被災地にて加熱調理を行うことができる。
本発明によれば、第1ガスと第2ガスの中からいずれのガスが選択されても適切に燃焼させることができ、第1ガスと第2ガスを切換手段で切換える際に、一方のガス流路から他方のガス流路にガスが流れ込んで逆流するのを防止することができる。したがって、例えば通常は都市ガスを使用しているものが、災害時にはLPガスを使用できるようにしていることから、災害時用として専用の加熱調理装置を用意しておく必要がなく、購入費用がかさむのを防ぐことができ、また、保管場所を確保する必要もない。
<加熱調理装置の概説>
本発明に係る加熱調理装置の構成について図1の概念図に沿って説明する。
加熱調理装置は、第1ガスと第2ガスのいずれか一方を切換手段で選択して共通のガスバーナに供給し、該ガスバーナで燃焼させることにより加熱調理を行う装置であり、共通ノズルと、ガスバーナ体と、二次空気導入板を有している。共通ノズルは、第1ガスと第2ガスのいずれの噴射に対しても共通に適用されるものであり、例えば第1のガス、第2のガスのいずれも噴射できるように構成されている。ガスバーナ体は、共通ノズルから噴射されたガスが一次空気と混合されて噴出される火炎口を有する。二次空気導入板は、火炎口の側方位置でガスバーナ体との間に間隙を有して対向し、火炎口よりもガスの噴出方向に突出して、火炎口側に近づく接近部を有している。二次空気導入板は、ガスバーナ体上部の火炎口を挟んで対をなすように配設されている。
本発明に係る加熱調理装置の構成について図1の概念図に沿って説明する。
加熱調理装置は、第1ガスと第2ガスのいずれか一方を切換手段で選択して共通のガスバーナに供給し、該ガスバーナで燃焼させることにより加熱調理を行う装置であり、共通ノズルと、ガスバーナ体と、二次空気導入板を有している。共通ノズルは、第1ガスと第2ガスのいずれの噴射に対しても共通に適用されるものであり、例えば第1のガス、第2のガスのいずれも噴射できるように構成されている。ガスバーナ体は、共通ノズルから噴射されたガスが一次空気と混合されて噴出される火炎口を有する。二次空気導入板は、火炎口の側方位置でガスバーナ体との間に間隙を有して対向し、火炎口よりもガスの噴出方向に突出して、火炎口側に近づく接近部を有している。二次空気導入板は、ガスバーナ体上部の火炎口を挟んで対をなすように配設されている。
このように構成された加熱調理装置では、第1ガスと第2ガスのいずれにも対応可能な共通ノズルに、第1ガスと第2ガスの中から選択されたガスが供給され、そのガスが共通ノズルからガスバーナ体に噴射され、ガスバーナ体の中で一次空気と混合され、混合ガスとして火炎口から噴出される。そして、火炎口から噴出されるガスに対して、不図示の点火手段によって点火がされて、ガスの燃焼により火炎が形成され、その火炎に対して、二次空気導入板によって二次空気が供給される。火炎口の上方に形成される火炎は、釜や鍋を加熱して調理を行なうことができる。
本発明の加熱調理装置では、例えば第1のガスとして都市ガス[13A]を使用し、第2のガスとしてLPガスを使用することができる。すなわち、本発明の加熱調理装置では、二次空気導入板を用いることで、火炎の上方の外炎部に二次空気を供給することができる。したがって、第1のガスである都市ガスの使用においては、火炎の火炎口からのリフトを防止でき、また、第2のガスであるLPガスの使用においては、不完全燃焼による火炎のイエローを防止でき、安定した燃焼が可能となる。第1のガス及び第2のガスはそれぞれ所定のガス圧力に設定されることが好ましい。
本発明の加熱調理装置では、その特徴構成として、第1ガスと第2ガスのいずれか一方を選択する切換え手段を備えるものである。この切換手段は、ガスバーナに第1ガスを供給する第1ガス流路に設置された第1開閉弁と、ガスバーナに第2ガスを供給する第2ガス流路に設置された第2開閉弁と、第1開閉弁と第2開閉弁のいずれか一方が閉弁状態のときに、他方を開閉可能とするインターロック機構と、を有するものである。この特徴構成により、第1ガスと第2ガスのいずれかを選択する際に、ガスの逆流を防止できるものである。
<加熱調理装置の実施の形態>
つぎに、本発明の加熱調理装置の具体的な一実施の形態について図2ないし図16を参照して説明する。図2において、加熱調理装置1は、例えば給食センター等に設置され、食材を加熱調理するための業務用のガス回転釜である。
つぎに、本発明の加熱調理装置の具体的な一実施の形態について図2ないし図16を参照して説明する。図2において、加熱調理装置1は、例えば給食センター等に設置され、食材を加熱調理するための業務用のガス回転釜である。
この加熱調理装置1は、第1ガスと第2ガスとして、例えば都市ガスおよびLPガスのいずれでも、任意に選択して燃料ガスとして使用することができる。例えば、第1ガスである都市ガスは、ガス会社から都市ガス配管を経て供給されるガス(例えば「13A」や「12A」等)であり、第2ガスであるLPガスは、LPガスボンベからLPガス配管を経て供給されるガス(例えば「プロパンガス」)である。
加熱調理装置1は、図2,3等に示されるように、食材等が投入される被加熱体である調理釜2と、この調理釜2の周囲を所定間隔を介して覆うようにこの調理釜2を支持する釜支持体3と、都市ガスまたはLPガスを燃料ガスとして調理釜2を加熱するガスバーナ式の加熱手段4とを備えている。
また、加熱調理装置1は、釜支持体3を上下方向に回動可能に支持する左右1対の支持フレーム6,7と、左側の支持フレーム6に回動可能に設けられ調理釜2の上面開口部10を開閉する取手付きの開閉蓋8と、右側の支持フレーム7に回転可能に設けられ調理釜2を上下回動させる際に作業者によって操作されるハンドル9とを備えている。
調理釜2は、図2,3等に示されるように、円形状の上面開口部10を有する略半球殻状の釜本体部11と、この釜本体部11の裏面側にこの釜本体部11の底面中央を中心として放射状に突設された細長板状の複数のフィン部12とを有している。
複数のフィン部12は、底面視で釜本体部11の周方向に等間隔をおいて並設されている。各フィン部12の長手方向一端部は釜本体部11の底面中央付近に位置し、各フィン部12の長手方向他端部は釜本体部11の上端部付近に位置している。各フィン部12は加熱手段4で調理釜2を加熱調理するとき、熱エネルギーを釜本体部11に伝達する熱効率を向上させる目的で形成されている。
釜支持体3は、図2,3等に示されるように、調理釜2の周囲を所定間隔を介して覆う上下面開口状の筒状覆い部16と、この筒状覆い部16に左側方に向かって突設され左側の支持フレーム6にて回動可能に支持された一方側軸部17と、この筒状覆い部16に右側方に向かって突設され右側の支持フレーム7にて回動可能に支持された他方側軸部18とを有している。
一方側軸部17は、例えばガス流路の一部として機能する左右方向の中空軸21と、この中空軸21の軸方向端部に設けられたフランジ22とから構成されている。中空軸21は、左側の支持フレーム6の上部に軸受部材23を介して回動可能に取り付けられている。フランジ22は、筒状覆い部16の側面の所定箇所に固着されている。
加熱手段4は、第1ガスと第2ガスの2種類のうち、いずれか一方の燃料ガスに対応可能なもので、例えば互いに種類が異なる都市ガスおよびLPガスの両方にそれぞれ適用できる構成となっている。そして、加熱手段4は、図2ないし図16等に示されるように、都市ガスを燃料ガスとして使用する場合には所定圧力値の都市ガスが流れ、LPガスを燃料ガスとして使用する場合には所定圧力値のLPガスが流れる共通配管31と、この共通配管31の複数の下流端部(接続端部)が接続された複数、例えば左右1対で2つの管状のノズル取付体32(図5を参照)とを備えている。
共通配管31は、図2に示すように、1本の配管部36を有し、この配管部36の上流端部が釜支持体3の一方側軸部17の中空軸21に接続されている。配管部36の下流端部から2本の分岐配管部37が分岐しており、一方の分岐配管部37の下流端部が加熱手段4を構成するガスバーナ体72を取り付ける一方のノズル取付体32に接続され、他方の分岐配管部37の下流端部が加熱手段4を構成するガスバーナ体72を取り付ける他方のノズル取付体32に接続されている。
配管部36の中間部には、この配管部36よりも細い1本の細管部41の上流端部が接続されている。細管部41の下流端部から2本の分岐細管部42が分岐しており、一方の分岐細管部42の下流端部が一方のノズル取付体32に接続され、他方の分岐細管部42の下流端部が他方のノズル取付体32に接続されている。また、配管部36の中間部には、操作摘み部43およびパイロットバーナ部44等にて構成された点火手段45が接続されている。なお、操作摘み部43の操作により混合ガスの点火・消火および火力調整等が可能である。
また、図10に示されるように、釜支持体3の一方側軸部17の中空軸21における支持フレーム6側の軸方向端部には、所定圧力値の都市ガスまたは所定圧力値のLPガスを配管部36に中空軸21内を介して供給する供給管部46の下流端部が接続されている。供給管部46の上流端部には、都市ガス供給管47の下流端部およびLPガス供給管48の下流端部が接続されている。なお、共通配管31は、供給管部46、配管部36、分岐配管部37、細管部41および分岐細管部42等にて構成されている。
ここで、本実施の形態の特徴構成である第1ガスと第2ガスのいずれか一方のガスを選択的に切換える切換手段について説明する。都市ガス供給管47は、接続部47aから横行管47b、エルボ47cを介して第1の開閉弁50に接続されている。そして、開閉弁50から都市ガスの圧力を所定圧力値に設定する第1ガス圧設定手段である都市ガス圧設定手段(ガスガバナ)51に接続され、直角に曲げられた細径の屈曲管47dからエルボ47eを介して供給管部46のチーズ46aに接続されている。開閉弁50は、図15(a)に示すように流路を開閉する弁体50Aを備えており、開状態時には都市ガス圧設定手段51側に向けて都市ガスを流し、閉状態時には都市ガス圧設定手段51側への都市ガスの流れを規制するものである。第1の開閉弁50は、第1ガス流路を構成する都市ガス供給管47に設置される。弁体50Aは、軸を介して一体に回動可能に設けられたツマミ50Bによって開閉操作される。
また、LPガス供給管48は、クランク状の細径の屈曲管48aからエルボ48bを介してLPガスの圧力を都市ガスの所定圧力値とは異なる所定圧力値(例えば都市ガスの所定圧力値よりも小さい値)に設定する第2ガス圧設定手段であるLPガス圧設定手段(ガスガバナ)52に接続されている。そして、LPガス圧設定手段52の下流に第2の開閉弁53が接続され、クランク状の細径の屈曲管48cからエルボ48dを介して供給管部46のチーズ46aに接続されている。開閉弁53は、図15(b)に示すように流路を開閉する弁体53Aを備えており、開状態時にはLPガス圧設定手段52側から下流側にLPガスを流し、閉状態時にはLPガス圧設定手段52側から下流側へのLPガスの流れを規制するものである。第2の開閉弁53は、第2ガス流路を構成するLPガス供給管48に設置される。弁体53Aは、軸を介して一体に回動可能に設けられたツマミ53Bによって開閉操作される。
本実施の形態では、都市ガスの場合は都市ガス圧設定手段51で150〜220mmH2O程度の圧力値に設定され、LPガスの場合はLPガス圧設定手段52で40〜70mmH2O程度の圧力値に設定され、ガスバーナ式の加熱手段4で適切に燃焼できるように設定されている。
都市ガス用の開閉弁50とLPガス用の開閉弁53は、これらを接続している都市ガス供給管47とLPガス供給管48が開閉弁50と開閉弁53の付近で平行状態に配置され、開閉弁50と開閉弁53がベース49に並置されている。開閉弁50と開閉弁53は、図13に示すように、開閉弁50が6時の短針位置(下方)から9時の短針位置(左方)まで90度の範囲で回動可能であり、9時の短針位置で閉状態、6時の短針位置で開状態に設定されている。また開閉弁53が6時の短針位置(下方)から9時の短針位置(左方)まで90度の範囲で回動可能であり、9時の短針位置で閉状態、6時の短針位置で開状態に設定されている。
都市ガス用の開閉弁50は、回動により第1ガス流路である都市ガス供給管47を開閉する第1の弁体50Aを有し、弁体50Aと一体に回動可能に第1の規制板54が設けられている。第1の弁体50Aには、軸が一体に回転可能に固定されており、その軸に第1の規制板54とツマミ50Bとがそれぞれ固定されている。また、LPガス用の開閉弁53は、回動により第2ガス流路であるLPガス供給管48を開閉する第2の弁体53Aを有し、弁体53Aと一体に回動可能に第2の規制板55が設けられている。第2の弁体53Aには、軸が一体に回転可能に固定されており、その軸に第2の規制板55とツマミ53Bとがそれぞれ固定されている。そして、規制板54は、第1の弁体50Aが開弁位置に配置されているときに第2の弁体53Aの回動を規制し、第1の弁体50Aが閉弁位置に配置されているときに第2の弁体53Aの回動規制を解除する。規制板55は、第2の弁体53Aが開弁位置に配置されているときに第1の弁体50Aの回動を規制し、第2の弁体53Aが閉弁位置に配置されているときに第1の弁体50Aの回動規制を解除するものである。
都市ガス用の開閉弁50の弁体50Aに固定された規制板54は、円状の第1外周縁部54aと、この外周縁部54aの一部を凹円弧状に切欠いた第1切欠き部54bとを有している。第1外周縁部54aは約300度の角度範囲に形成され、第1切欠き部54bは約60度の角度範囲に形成されている。また、規制板54の中心部には弁体50Aの軸に嵌合するD孔54cが形成され、中心から所定の円周上に規制孔54d,54dが形成されている。規制孔54d,54dは、内部にねじ54eを固定することで規制板54の回動角を制限するもので、本実施の形態では90度の角度範囲に設定されている。
LPガス用の開閉弁53の弁体53Aに固定された規制板55は、円状の第2外周縁部55aと、この外周縁部55aの一部を凹円弧状に切欠いた第2切欠き部55bとを有している。第2外周縁部55aは約300度の角度範囲に形成され、第2切欠き部55bは約60度の角度範囲に形成されている。また、規制板55の中心部には弁体53Aの軸に嵌合するD孔55cが形成され、中心から所定の円周上に規制孔55d,55dが形成されている。規制孔55d,55dは、内部にねじ55eを固定することで規制板55の回動角を制限するもので、本実施の形態では90度の角度範囲に設定されている。
そして、規制板54の切欠き部54bに規制板55の外周縁部55aが入り込むように切欠き部54bの曲率半径が外周縁部55aと同じ半径で形成され、規制板55の切欠き部55bに規制板54の外周縁部54aが入り込むように切欠き部55bの曲率半径が外周縁部54aと同じ半径で形成され、開閉弁50と開閉弁53の間隔が設定されている。すなわち、規制板54及び規制板55の直径より開閉弁50と開閉弁53の中心距離が小さくなるように設定され、2つの規制板54,55が外周縁部と切欠き部で入り込む構成となっている。なお、切欠き部の円弧の代わりに外周縁部が入り込むことができる凹部を形成して、規制板の回動を規制するようにしてもよい。
第1の規制板54は、第2の弁体53Aが閉弁位置に配置されているときに第1外周縁部54aが第2切り欠き部55bに入り込むことにより、第1の弁体50Aの回動を許容しかつ第2の弁体53Aの回動を規制し、第2の規制板55は、第1の弁体50Aが閉弁位置に配置されているときに第2外周縁部55aが第1切り欠き部54bに入り込むことにより、第2の弁体53Aの回動を許容しかつ第1の弁体50Aの回動を規制する。
したがって、都市ガス用の開閉弁50の規制板54の切欠き部54bに、LPガス用の開閉弁53の規制板55の外周縁部55aが入り込んでいるときには開閉弁50の回動はできないように規制され、LPガス用の開閉弁53の規制板55の切欠き部55bに規制板54の外周縁部54aが入り込んでいるときには開閉弁53の回動はできないように規制されている。このように、都市ガス用の開閉弁50が開き、都市ガスを供給する状態ではLPガス用の開閉弁53は回動できず遮断する状態に設定され、都市ガス用の開閉弁50が閉じられたときだけLPガス用の開閉弁53を開くことができるように規制されている。
なお、本実施の形態では、規制板54、55は、ツマミ50B、53Bとは別体に設けられており、それぞれが軸に固定されている構成の場合を例に説明したが、第1の弁体50Aが閉弁位置に配置されているときに第2の弁体53Aの回動規制を解除し、第2の弁体53Aが閉弁位置に配置されているときに第1の弁体50Aの回動規制を解除する構成であればよい。したがって、例えば規制板54、55が、ツマミ50B、53Bと一体に形成された構成、すなわち、ツマミ50B、53B自体に規制板54、55を設けた構成としてもよい。例えば、ツマミ50Bと規制板54とが一体成形されて一つの部品として構成されており、ツマミ50B自体が外周縁部54aと、切欠き部54bを有していてもよい。同様に、ツマミ53Bと規制板55とが一体成形されて一つの部品として構成されており、ツマミ53B自体が外周縁部55aと、切欠き部55bを有していてもよい。
また、都市ガス供給管47の上流端部が、都市ガス供給源に接続された都市ガス配管56を接続可能な接続端部57となっている。LPガス供給管48の上流端部が、LPガスボンベ等のLPガス供給源に接続されたLPガス配管58を接続可能な接続端部59となっている。
そして、図10には、例えば都市ガス配管56が都市ガス供給管47の接続端部57に接続された状態が示されており、このとき、都市ガス用の開閉弁50が開状態となっているとともに、LPガス用の開閉弁53が閉状態(図13参照)となっている。
なお、例えば震災等の災害時において、通常供給されている都市ガスを使用することができなくなった場合には、都市ガス用の開閉弁50を閉状態にする一方、LPガスのガスボンベを持ってきてLPガス配管58をLPガス供給管48の接続端部59に接続し、LPガス用の開閉弁53を開状態にすることで、都市ガスに代えてLPガスを燃料ガスとして使用可能である。そして本実施の形態では前記のように、切換手段を構成する両開閉弁50,53のうち、いずれか一方が開状態のときは、いずれか他方が必ず閉状態であり、かつ、開状態のときは、必ずガス供給管と接続されている。
図4,5に示す各ノズル取付体32は、加熱手段4を構成するガスバーナ体72を取り付けるためのものであり、図5および図6等に示されるように、水平な左右方向に軸方向を有する左右方向長手状の円筒状で軸方向両端面が閉鎖した管状部61と、この管状部61の外周面の前後両側に管状部61の軸方向(長手方向)に等間隔をおいて並設された円筒状の複数(例えば10個)のノズル取付筒部62と、管状部61の下側に固設された取付板部63とを有している。
管状部61の軸方向一端側(外側)の下面には配管部接続口部64が形成され、管状部61の軸方向他端側(内側)の下面には細管部接続口部65が形成されている(図5参照)。そして、配管部接続口部64には共通配管31の分岐配管部37の下流端部が接続され、細管部接続口部65には共通配管31の分岐細管部42の下流端部が接続されている。
なお、管状部61の内部空間は、仕切板66によって第1室とこれよりも狭い第2室とに仕切られている。広い第1室には例えば8個のノズル取付筒部62の内部空間が連通しており、この第1室には太い分岐配管部37から都市ガスまたはLPガスが供給される。狭い第2室には例えば残りの2個のノズル取付筒部62の内部空間が連通しており、この第2室には細い分岐細管部42から都市ガスまたはLPガスが供給される。
複数のノズル取付筒部62は、管状部61の外周面にこの管状部61の軸方向に対して傾斜状に突設されている。つまり、ノズル取付筒部62の軸方向(共通ノズルのガス噴射方向)は、平面視で、管状部61の軸方向に直交する方向に対して所定角度αをもって傾斜している。
そして、各ノズル取付筒部62には、種類の異なる都市ガスおよびLPガスの両方に対して共通使用可能な共通ノズル71が脱着可能に取り付けられ、この共通ノズル71から所定圧力値の都市ガスまたは所定圧力値のLPガスが共通ガスバーナであるガスバーナ体72内に向けて噴射されるようになっている。
つまり、加熱手段4は、都市ガスを燃料ガスとして使用する場合には都市ガス圧設定手段51にて圧力が所定圧力値に設定された第1ガスを噴射し、LPガスを燃料ガスとして使用する場合にはLPガス圧設定手段52にて圧力が所定圧力値に設定されたLPガスを噴射する複数の共通ノズル71と、この共通ノズル71からの都市ガスまたはLPガスと共通ノズル71による噴射に伴って空気吸引口部73から吸引される空気(一次空気)とを混合させ、この混合した混合ガスをさらに空気(二次空気)と混合させて燃焼させる中空状の複数のガスバーナ体72とを有している。
共通ノズル71は、軸方向両端面が開口した円筒状のもので、基端側の径大部71aと先端側の径小部71bとから構成されている。そして、径大部71aがノズル取付筒部62に取り付けられ、径小部71bの先端面に開口した円形状の1つの噴射孔から都市ガスまたはLPガスの燃焼させるために必要なガス量が噴射される。共通ノズル71には、図5(b)に示すように、ガスを噴射するための噴射口が形成され、この噴射口は根元側が小径で、開口側が大径の2段孔となっている。小径部71cの直径は、1.0〜1.25mmが好ましく、大径部71dの直径は、1.2〜1.3mmが好ましく、大径部71dの直径は、小径部71cの直径よりも必ず大きくなるように設定される。本実施の形態では、小径部71cの直径が1.15mmであり、大径部71dの直径が1.23mmに形成されている。本実施形態の共通ノズル71は、一般的な都市ガス用のノズルと比較して、開口側の大径部71dの直径が小さく設定されている。
なお、径小部71bの先端面(共通ノズル71の先端部)は、ガスバーナ体72の円形状の空気吸引口部73内に挿入され、この空気吸引口部73の中央部に配設されている。このため、空気吸引口部73の中央部が径小部71bの先端面で遮られた状態となっており、この空気吸引口部73の中央部以外の部分から空気(一次空気)がガスバーナ体72内に吸引されるようになっている。
ガスバーナ体72は、その全体が横長の略矩形板状に形成されており、図4に示されるように、例えば互いに近接した平行な5個のガスバーナ体72にてガスバーナ群75が構成され、前後左右で4つのガスバーナ群75がこれらの間に菱形空間部76を形成するように配設されている。
そして、各ガスバーナ体72は、共通ノズル71に臨んで位置する空気吸引口部73と、この空気吸引口部73からの空気(一次空気)と共通ノズル71からの燃料ガス(都市ガスまたはLPガス)とを混合させて混合ガスを生成する混合管部78(図6参照)と、この混合管部78からの混合ガスを燃焼室80に向けて噴射してその燃焼室80で混合ガスを空気(二次空気)と混合させて燃焼させる複数の火炎口79とを有している。混合管部78は、一次空気と混合された混合ガスを上部の火炎口79に供給するものであり、互いに対向する一対の縦壁部74(図7,8参照)の間に形成されている。
空気吸引口部73は、混合管部78の上流端部に連設され、共通ノズル71に向かって側方へ開口している。複数の混合ガス噴射口部である火炎口79は、混合管部78の上流端部に連設した中空板部81の上端部に、ガスバーナ体72の長手方向に沿って一列状に並んで位置するように形成されている。そして、各火炎口79は、燃焼室80内に向かって上方へ開口している。
また、ガスバーナ体72は、混合ガスの通路や火炎口を形成するための凹部等が形成された2枚の金属板材を重ねて構成されており、火炎口79の中間に中空板部81が挟まれている。ガスバーナ体72は、下方側からの空気(二次空気)を火炎口79側に向けて案内する長手状の1対の二次空気導入板82,82を有している。これら1対の二次空気導入板82,82間とガスバーナ体72の縦壁部74との間には、二次空気の流通路が形成され、燃焼室80での混合ガスの燃焼に必要な所定量の空気(二次空気)が下から上へ通過するスリット状の空気通過用の隙間部83が形成されている(図5参照)。
これら一対の二次空気導入板82、82は、火炎口79を挟んで配設されている。二次空気導入板82,82は、火炎口79の側方位置でガスバーナ体72との間に間隙を有して対向し、上端部分が火炎口79よりもガスの噴出方向に突出して、火炎口側に近づく接近部82a,82aを有している。二次空気導入板82,82は、ガスバーナ体72の縦壁部74との間に間隙を有して立設する垂直部82b,82bを有しており、その垂直部82b、82bに接近部82a、82aが連続して設けられている。接近部82a,82aは、火炎口79からガスの噴出方向(上方)に突出して、上方に行くにしたがって火炎口79側に接近するテーパ状に形成されている。垂直部82bは縦壁部74と平行に設定され、両者の間に二次空気の流通路が形成される。
二次空気導入板82,82は、金属板材で形成され、ガスバーナ体72の長手方向に沿って垂直部82b,82bが延在し、この垂直部の上部に連続する接近部82a,82aは上方に向けて相互の間隔がつぼまるように45度程度の傾斜面で形成されている。二次空気導入板82,82は、接近部82a,82aの長手方向の両端に固定部82c,82cを有している。垂直部82b,82bと固定部82c,82cは屈曲形成されている。接近部82aと垂直部82bは、火炎口79の列とほぼ同じ長さに亘って延在している。固定部82cは、二次空気導入板82をガスバーナ体72に固定するためのものであり、溶接あるいはネジ等で固定する。
図8(c)、(d)に示されるように、1対の二次空気導入板82,82は、固定時に垂直部82b,82bの間隔がw1の平行状態となるように形成され、ガスバーナ体72の縦壁部74との間に二次空気が通過できる間隙が形成される。また、上部の接近部82a,82aは、テーパ状に形成されており、垂直部82b,82bから傾斜して屈曲され、上方に向けて相互の間隔がつぼまるように傾斜している。
この結果、接近部82a,82aの突出端どうしの間隔、すなわち隙間部83の間隔は、垂直部82b,82bの幅w1より小さい間隔w2に設定されている。接近部82a,82aの隙間部83の間隔w2は、8〜17mm程度に設定され、10mm程度が最適である。また、接近部82a,82aは、その突出端が平面視で火炎口79の側方位置に配置されている。すなわち、火炎口79の延長上に接近部が位置しないように配置されており、混合ガスの燃焼による火炎が接近部82a,82aに接触しないように配置され、接近部82a,82aの突出端の赤熱を防止して熱エネルギーのロスを低減することができる。
この構成により、二次空気は、ガスバーナ体72の周囲より垂直部82b,82bを通過し、火炎口79の上方の外炎部に供給される。また、接近部82aと垂直部82bとの連結部、すなわち、屈曲部分は、火炎口79の上端部の位置と略一致している。そして、接近部82a,82aの高さ、すなわちガスバーナ体72の火炎口79上端から接近部82a,82aの突出端までの高さhは、5〜14mm程度に設定され、6mm程度が最適である。
ここで、二次空気導入板の変更例について、図9を参照して説明する。図9(a)に示す変更例では、火炎口79Aは細長い開口を有するものであり、二次空気導入板82Aの接近部82a,82aは、一定幅で長手方向に連続する形状でなく、一部に切欠き部82dが形成されている。このように、二次空気導入板82Aは、火炎口79Aの一部に沿って設けられており、この構成により、上昇してくる二次空気の流れや、供給される二次空気量を調整することができる。
二次空気導入板は、前記のように、接近部82aの形状が45度程度に傾斜した傾斜板に限られるものでなく、30〜60度程度で適宜変更することができる。すなわち、接近部82aは、湾曲面で形成することもできる。
図9(b)に示す二次空気導入板82Bでは、二次空気導入板の長手方向と直交する方向の断面形状がガスバーナ体72側に膨らむように湾曲した凹円弧部で形成されている。図9(c)に示す二次空気導入板82Cでは、二次空気導入板の長手方向と直交する方向の断面形状がガスバーナ体72側と反対側に膨らむよう湾曲した凸円弧部で形成されている。どちらの二次空気導入板82B,82Cでも、火炎口79から噴出される火炎の外炎部に二次空気を供給することができ、同様な作用効果を得ることができる。
さらに、図3等に示されるように、ガスバーナ体72は、複数の長手状部材85,86,87を介して円形板状の支持板88にて支持されている。この支持板88にはノズル取付体32の取付板部63が取り付けられ、このノズル取付体32の上部にはガスバーナ体72を支持する矩形状の支持部材89が取り付けられている。
また、支持板88には、外気である空気を導入するための複数のスリット状の空気導入孔部が上下面に貫通して形成されている。支持板88の下面には、断面コ字状の取付部材92を介して取付板93が取り付けられている。取付板93の下面には、共通配管31の一部等を覆う有底円筒状のカバー体94が取り付けられている。
さらに、支持板88の上面には、上下面が開口した円錐台状の空気遮蔽体96が取り付けられているとともに、平面視菱形状の空気遮蔽板97(図4参照)が取付部材98を介して取り付けられている。空気遮蔽体96は、4つのガスバーナ群75の外形形状に対応した六角形状の上面開口部100を有し、この上面開口部100内に複数のすべてのガスバーナ体72の上端部が挿入されている。また、上面開口部100の中央部には空気遮蔽板97が位置し、この空気遮蔽板97は4つのガスバーナ群75間の菱形空間部76に配設されている。
空気遮蔽体96の上面開口部100の側端部は、4つのガスバーナ群75の外形を形成するガスバーナ体72の二次空気導入板82の垂直部82bに接近した位置に配置されており、また、空気遮蔽板97の側端部は、4つのガスバーナ群75の中心側に位置するガスバーナ体72の二次空気導入板82の垂直部82bに接近した位置に配置されている。したがって、空気遮蔽体96の上面開口部100の略全体が複数のガスバーナ体72と空気遮蔽板97とで閉鎖された状態となっており、燃焼室80で混合ガスと混合する空気(二次空気)が火炎口79の両側方のスリット状の隙間部83からのみ燃焼室80内に流入し、ガス燃焼時にはドラフト効果を生じながら流入するようになっている。
つまり、火炎口79の付近で空気(二次空気)と混合しながら混合ガスの燃焼が行われる燃焼室80にその燃焼に使用される以外の余分な空気が流入するのを阻止する空気遮蔽手段101が、空気遮蔽体96と空気遮蔽板97とから構成されている。
なお、燃焼室80は、調理釜2と釜支持体3の筒状覆い部16とガスバーナ体72と空気遮蔽手段101とで囲われた加熱用の空間部であり、所望の高温状態を維持可能なものである。そして、この燃焼室80には、フィン部12を有した調理釜2と熱交換した後の燃焼ガスを燃焼室80外に排気するための排気流路(図示せず)が連通している。また、図2に示されるように、燃焼室80を目視するための覗き窓102が釜支持体3の筒状覆い部16に設けられている。
次に、加熱調理装置1の作用等を説明する。先ず、加熱調理装置1が都市ガスで使用される場合について詳細に説明する。通常、例えば図10に示すように、都市ガス配管56が都市ガス供給管47の接続端部57に接続されており、LPガス配管58はLPガス供給管48の接続端部59に接続されていない。このとき、都市ガス用の開閉弁50は開状態となっている。
この状態で、都市ガスを燃料ガスとして使用して加熱調理を行う場合、作業者は、操作摘み部43を操作して点火手段45を作動させることにより、ガスバーナ体72の火炎口79からの混合ガス(都市ガス)を点火して燃焼させ、この燃焼により生じた高温の燃焼ガスによって調理釜2を加熱する。
すなわち、都市ガス供給管47から供給される所定圧力値の都市ガスは、共通配管31を流れ、ノズル取付体32内に供給され、共通ノズル71の先端部の噴射孔からガスバーナ体72の混合管部78内に向けて噴射される。すると、ガスバーナ体72の混合管部78内において、共通ノズル71から噴射された都市ガスと、共通ノズル71による都市ガスの噴射に伴ってエジェクター効果により空気吸引口部73から吸引された所定量の空気(一次空気)とが混合し、この混合により混合ガスが生成される。
その後、この生成された混合ガスは、ガスバーナ体72の火炎口79から燃焼室80に向けて噴射され、この燃焼室80の火炎口79の付近で、スリット状の隙間部83からの所定量の空気(二次空気)と混合して適正に燃焼する。そして、この燃焼により生じた燃焼ガスは、燃焼室80内に充満し、調理釜2と熱交換した後、排気ガスとなって排気流路から燃焼室80外に排気される。このように、調理釜2は、都市ガスを燃料ガスとした混合ガスの燃焼による熱で加熱され、この調理釜2内の食材等の加熱調理が行われる。
ここで、例えば震災等の災害が発生し、都市ガス配管56の破損等により、都市ガスを使用することができなくなった場合において、加熱調理を行うときには、都市ガスに代えて、LPガスを燃料ガスとして使用する。すなわち例えば、作業者は切換手段を操作し、都市ガス用の開閉弁50を閉状態にしてから、LPガス配管58をLPガス供給管48の接続端部59に接続するとともに、LPガス用の開閉弁53を開状態にする。
図13に示す都市ガス使用状態の開閉弁50、53の位置は、左の開閉弁50のつまみが下方向きで右の開閉弁53のつまみが左向きの状態、すなわち都市ガス用開閉弁50が開状態でLPガス用開閉弁53が閉状態に規制され、図16(a)に示されるように規制板54,55が位置している。このようにLPガス用開閉弁53が閉弁状態では、左の都市ガス用の規制板54の外周縁部54aが右のLPガス用の規制板55の切欠き部55bに入り込んでいるため、LPガス用の開閉弁53は閉弁状態に固定され、開閉弁53を回動させることはできない。
この状態から、都市ガス用の開閉弁50を時計方向に90度回動させると開閉弁50は閉状態となり、規制板54の切欠き部54bが規制板55側に移動する。これにより、LPガス用の開閉弁53の回動規制は解除され、開閉弁53を回動できる状態となる。閉状態の開閉弁53を90度反時計方向に回動させると開状態となりLPガスを供給でき、規制板54,55は図16(b)に示す位置となり、都市ガス用の規制板54の切欠き部54bにLPガス用の規制板55の外周縁部55aが入り込み、開閉弁50の回動を規制するロック状態となる。このように、LPガス用の開閉弁53のロックが外れ、開閉弁53を回動できるようになり、開閉弁53を反時計方向に90度回動させると開状態に切換わり、LPガスが供給される。
この状態で、作業者は、前記都市ガスの場合と同様、操作摘み部43を操作して点火手段45を作動させることにより、ガスバーナ体72の火炎口79からの混合ガス(LPガス)を点火して燃焼させ、この燃焼により生じた高温の燃焼ガスによって調理釜2を加熱する。
すなわち、LPガス供給管48から供給される所定圧力値のLPガスは、共通配管31を流れ、ノズル取付体32内に供給され、共通ノズル71の先端部の噴射孔からガスバーナ体72の混合管部78内に向けて噴射される。すると、ガスバーナ体72の混合管部78内において、共通ノズル71から噴射されたLPガスと、共通ノズル71によるLPガスの噴射に伴ってエジェクター効果により空気吸引口部73から吸引された所定量の空気(一次空気)とが混合し、この混合により混合ガスが生成される。
その後、この生成された混合ガスは、ガスバーナ体72の火炎口79から燃焼室80に向けて噴射され、この燃焼室80の火炎口79の付近で、スリット状の隙間部83からの所定量の空気(二次空気)と混合して適正に燃焼する。そして、この燃焼により生じた燃焼ガスは、燃焼室80内に充満し、調理釜2と熱交換した後、排気ガスとなって排気流路から燃焼室80外に排気される。このように、調理釜2は、LPガスを燃料ガスとした混合ガスの燃焼による熱で加熱され、この調理釜2内の食材等の加熱調理が行われる。
ここで、本発明の加熱調理装置1の燃焼状態について説明する前に、都市ガスとLPガスをそれぞれ専用のノズルで燃焼させた場合について図17を参照して説明する。図17(a)は都市ガス(13A)を都市ガス専用のノズルで燃焼させた燃焼状態を示しており、ガス圧を200(mmH2O)で供給し、ガスバーナ体に都市ガスを供給するノズル径を1.15×1.30mmの都市ガス専用ノズルとし、二次空気導入板82の接近部82aの間隔w2を15mm、高さhを0mmとしたときの燃焼状態を示している。
また、図17(b)はLPガスを別のLPガス専用ノズルで燃焼させた燃焼状態を示しており、ガス圧を280(mmH2O)で供給し、ガスバーナ体にLPガスを供給するノズル径を0.86mmのLPガス専用ノズルとし、二次空気導入板82の接近部82aの間隔w2を15mm、高さhを0mmとしたときの燃焼状態を示している。この場合は、種類の異なるガスに別々の専用のノズルを用いて、適正なガス圧とすることで安定した燃焼が可能となる。
これに対して、本実施の形態の加熱調理装置1では、ガスバーナ体72に沿って1対の二次空気導入板82,82を備え、下方の垂直部82bから二次空気を導入し、上方の接近部82aで二次空気を絞って流速を増し、ガスバーナ体72の火炎口の79上方に二次空気を供給する構成であり、図17(c)は都市ガス(13A)のガス圧を都市ガス圧設定手段51で160(mmH2O)に設定して供給し、共通ノズル径を1.15×1.23mmの2ウェイの共通ノズル71とし、二次空気導入板82の接近部82aの間隔w2を10mm、高さhを6mmとしたときの燃焼状態を示している。
また、図17(d)は加熱調理装置1をLPガスで使用する場合であり、LPガス圧設定手段52でガス圧を54(mmH2O)に設定して供給し、同じ2ウェイの共通ノズル71とし、二次空気導入板82は同じものを使用し、接近部82aの間隔w2を10mm、高さhを6mmとしたときの燃焼状態を示している。
図17(c)では、二次空気導入板82、82の接近部を火炎口79よりも上方に設けると共に、上方へ行くにしたがって火炎口79側に接近するテーパ状に形成していることから、ドラフト効果によって上昇してきた二次空気を火炎口79に向けて供給するのではなく、外炎部に二次空気を供給することができ、火炎のリフトを抑えることができ、安定した燃焼状態を示している。
図17(d)では、共通ノズル71の小径部71c及び大径部71dの直径をLPガス専用ノズルより大きくする、また適正なガス圧よりも弱くすることで、ノズル吐出圧力が下がり、吐出力が弱まり、一次空気量の吸引も弱まることから、適正な混合ガスと比べ、一次空気が不足気味での燃焼となり、イエローチップの炎となる。しかし、二次空気導入板82の接近部82aを火炎口79よりも上方に設けると共に、上方に行くにしたがって火炎口79側に接近するテーパ状に形成していることから、ドラフト効果によって上昇してきた二次空気を外炎部に供給することができるため、火炎のイエローチップが解消され、安定した燃焼状態を示している。
このように、本実施の形態に係る加熱調理装置1では、都市ガス(13A)を使用する場合には適正なガス圧もしくは近い圧力とすると共に、二次空気導入板によって上昇してきた二次空気を火炎口79よりも上方に向けて供給するように設定したことで火炎のリフトを防止して安定した加熱調理ができる。また、種類の異なるLPガスを使用する場合、LPガスとしては適正なガス圧よりも弱く設定されていることでイエローチップの炎を生じやすくなっているとしても、二次空気導入板82によって上昇してきた二次空気を火炎口79よりも上方に向けて供給するように設定したことで、火炎のイエローチップを抑えることができ、安定して加熱調理することができた。また、ガス圧を下げたことによる熱総量が減少したが、内釜である調理釜2にフィン部12を設けることで熱効率がよくなり、沸騰時間を同等にすることができた。
なお、前記いずれの場合においても、例えば操作摘み部43の操作によってガスバーナ体72の火力(加熱力)が調整可能となっている。すなわち例えば、弱火で調理釜2を加熱する際には、操作摘み部43の操作で分岐配管部37への燃料ガスの供給を停止し、燃料ガスが分岐細管部42からのみノズル取付体32内に供給されるようにする。この場合、菱形空間部76に面した中央側の4つのガスバーナ体72からのみ、混合ガスが噴射されて燃焼する。
そして、加熱調理装置1によれば、種類が異なる2つの都市ガスおよびLPガスのいずれでも、燃料ガスとして使用することが可能であり、よって、燃料ガスのガス種に関係なく、調理釜2を適切に加熱でき、適切な加熱調理ができる。すなわち、共通ノズル71と、二次空気導入板82,82を備える共通のガスバーナ体72により、複数種類の異なる都市ガスやLPガスを使用しても、火炎のリフトや、不完全燃焼による火炎のイエローを防止でき安定した燃焼が可能となる。
また、共通配管31が接続され複数のノズル取付筒部62を有する管状のノズル取付体32と、各ノズル取付筒部62に取り付けられ所定圧力値の都市ガスまたは所定圧力値のLPガスを噴射する共通ノズル71と、この共通ノズル71からの都市ガスまたはLPガスを混合ガスにして燃焼させる共通のガスバーナ体72とを備える構成であるから、例えば燃料ガスのガス種に対応した複数のノズル(都市ガス専用ノズルおよびLPガス専用ノズル)を備えるもの等に比べて、構成の簡素化を図ることができ、製造およびメンテナンス等を容易にできる。
さらに、空気遮蔽手段101にて燃焼室80に二次空気以外の余分な空気が流入するのを阻止できるため、燃焼室80での混合ガスの燃焼に必要な所定量の空気(二次空気)のみを二次空気導入板82,82間の隙間部83から燃焼室80に流入でき、余分な空気の流入による燃焼室80内の雰囲気温度低下を防止でき、調理釜2を適切かつ効率良く加熱できる。
また、ガスバーナ体72によって加熱される調理釜2は、燃焼室80と対向する側に複数のフィン部を有するため、調理釜2の燃焼ガスとの接触面積が広く、調理釜2を適切かつ効率良く加熱できる。この結果、複数種類のガスのガス圧を下げても、調理時間が長くなることを防止できる。
なお、加熱調理装置1は、2種のガス(都市ガスおよびLPガス)のみに対応可能なものには限定されず、複数種類の少なくとも2つの第1ガスおよび第2ガスのいずれでも燃料ガスとして使用することが可能なものであればよく、例えば3種以上のガスの中から任意に1つ選択して燃料ガスとして使用することが可能なもの等でもよい。
さらに、都市ガス供給管47側の開閉弁50の開閉と、LPガス供給管48側の開閉弁53の開閉とを1つのレバー操作によって双方の開閉操作が連動するようにしてもよく、例えば都市ガス用の開閉弁50を開状態にして都市ガスを使用する時、LPガス用の開閉弁53は必ず閉状態となるようにする。このことから、いずれかのガスを使用するためにいずれか一方の開閉弁を開状態にしたとき、いずれか他方の開閉弁は必ず閉状態となることから、ガスを使用しないいずれか他方の開閉弁を閉状態とする操作を忘れたとしても、ガスの流れを防ぐことができる。
また、加熱調理装置1は、ガスバーナ体72にて調理釜2が加熱されるガス回転釜には限定されず、例えばガスバーナ体72にて炊飯釜が加熱される炊飯装置等でもよい。
さらに、例えばガス供給源からのガス配管を接続する接続端部57,59は、ワンタッチカプラを用いて接続が容易であるとともに、ガス配管が接続されていない接続端部側のガスの流れを遮断させるようにしてもよい。これによって、ガス配管が接続されていない接続端部側にある開閉弁を閉状態にすることを忘れたとしても、ガスの流出を防ぐことができる。また、ワンタッチカプラがガスの流れを遮断させることから、双方のガス供給管に設けている開閉弁をなくすことができる。
また、接続端部にはタケノコニップルを用いて災害時にガス配管をホースで接続できるようにしてもよい。特に、LPガス供給管48側の接続端部59に用いるとよく、日常は都市ガス供給管47側の接続端部57が都市ガス供給源に接続されて使用している時に災害が発生し、都市ガスの供給が遮断されてしまった場合、搬送可能なLPガスボンベが提供されたときに、普及しているホースによって、工具レスで簡単に接続することができる。
また、例えば支持フレーム6,7の下端部にキャスタを設けて、加熱調理装置1を調理可能な場所まで容易に移動できるようにしてもよい。さらに、都市ガス用の開閉弁50およびLPガス用の開閉弁53を備えた構成には限定されない。
本発明の加熱調理装置1によれば、第1ガスと第2ガスの中からいずれのガスが切換手段で選択されても適切に燃焼させることができ、何ら調整を加えることなく、そのまま加熱調理をすることができる。したがって、例えば通常は都市ガスを使用しているものを、災害時にはLPガスを使用することができ、地震などの災害により都市ガスの供給がストップしたときに、移動式のガス回転釜等にLPガスボンベからLPガスを供給することにより、被災地にて加熱調理を行うことができる。また、災害時用として専用の加熱調理装置を用意しておく必要がなく、購入費用がかさむのを防ぐことができ、また、保管場所を確保する必要もない。さらに、第1ガスと第2ガスを切換える際に、両方のガス流路が互いに連通して一方のガス流路から他方のガス流路にガスが流れ込むガスの逆流を防止することができる。
つぎに、第1ガスと第2ガスのいずれか一方を切換える切換手段の他の実施形態について、図18,19を参照して以下に説明する。図18は、切換手段を構成する切換弁の平面図と縦断面図、図19は、その動作状態を説明するための弁体の回動状態を示す横断面図である。この切換弁110は、2種類のガスの一方を選択して切換えるものであり、2つの開閉弁として第1開閉弁111と、第2開閉弁112を2階建てあるいは2層構造としたものである。切換弁110を構成する弁本体113内に、回動自在に装着された弁体114を備え、弁体114は、図18(b)で示すように、上方が大径で下方が小径のテーパ状に形成されており、弁本体113には、テーパ状の弁体114が嵌合するテーパ穴が形成されている。
弁体114は、2つの開閉弁111、112に対応して上下に2つの弁体として第1弁体114aと、第2弁体114bが一体に形成されている。切換弁110の弁本体113は、2階建ての第1弁体114aと、第2弁体114bの各流路に連通する第1ガス流路115と、第2ガス流路116を備えている。第1弁体114aに形成されたガス流路114cと、弁本体113に形成された第1ガス流路115は上層の面S1状に形成され、第2弁体114bに形成されたガス流路114dと、弁本体113に形成された第2ガス流路116は下層の面S2状に形成されている。
上層の面S1に位置する開閉弁111は例えばLPガスの流路を開閉するものであり、第1弁体114aの上層の面S1上にガス流路114cが直角に曲げられた状態で形成されている。したがって、ガス流路114cの開口は、第1弁体114aの外周面に90度の間隔でもって形成されている。弁本体113には上層のガス流路114cの開口に対応して、上層の面S1上に第1ガス流路115の流入部115aと流出部115bが90度の角度間隔で形成されている。
また、上層の面S1と離間する下層の面S2上に位置する開閉弁112は、例えば都市ガスの流路を開閉するものであり、第2弁体114bの下層の面S2上にガス流路114dが直角に曲げられた状態で形成されている。したがって、ガス流路114dの開口も第2弁体114bの外周面に90度の間隔でもって形成されている。弁本体113には、下層のガス流路114dの開口に対応して、下層の面S2上に第2ガス流路116の流入部116aと流出部116bが90度の角度間隔で形成されている。そして、上層の流入部115aと下層の流入部116aは90度ずれており、かつ、下層の流出部115bと上層の流出部116bは90度ずれており、切換弁110を上から見たとき、流入部と流出部は四方に突出する形態となっている。具体的には、図18(a)において、上層の流入部115a及び流出部115bが左方向と上方向に突出し、下層の流入部116a及び流出部116bが下方向と右方向に突出している形状となっている。
このように構成された切換弁110によれば、図19(a)の位置では例えばLPガスが左方向から流入して第1弁体114aのガス流路114cを通って上方向に流出できる。一方、下層の都市ガス用のガス流路114dは、弁本体113の壁に対向して流入、流出ができない位置となっている(第1の位相)。LPガスを都市ガスに切換えるときには、弁体114を時計方向に回動させると、45度回動した図19(b)の位置を経て90度回動した図18(c)の位置に至る(中間位相)。この範囲では上層のガス流路114c、下層のガス流路114dとも流入、流出ができない状態である。
さらに45度回動した135度の図19(d)の位置を経て90度回動した180度の図19(e)の位置に至る。この位置では、下層の都市ガス用のガス流路114dは、弁本体113の壁に対向して都市ガスの流入、流出ができない位置となっている(第2の位相)。135度の位置でも上層のガス流路114c、下層のガス流路114dとも流入、流出ができない状態であり、180度位置の第2の位相に至ると下層のガス流路114dが流入部116a及び流出部116bと連通し、都市ガスが下層の流入部116aからガス流路114dを通って流出部116bに流出できる。このように、最初の90度範囲でLPガスは遮断され、続く90度の回動範囲で都市ガスが供給される状態となり、途中の角度範囲(中間位相)ではLPガス及び都市ガス共に流入、流出がなされない。したがって、2種類のガスの混入、逆流は発生しない。なお、前記の説明で、LPガスと都市ガスを逆に供給するようにしてもよいことは勿論である。
このように、図18,19で示す切換手段を構成する切換弁110では、一方のガス(都市ガス)から他方のガス(LPガス)に切換える際に、一方のガスを供給する状態(開放状態)では他方のガスの供給を遮断(閉塞状態)するため、一方のガス流路から他方のガス流路へのガスの逆流や、他方のガス流路から一方のガス流路へのガスの逆流が防止される。なお、第1弁体114aと第2弁体114bのガス流路114c、114dが直角に曲げられた状態で弁体114に形成される例を示したが、直線状のガス流路でもよく、その場合は流入部及び流出部は対向する側に形成され、ガスの流れは直線状となる。
1:加熱調理装置、2:被加熱体である調理釜、31:共通配管、47:都市ガス供給管(第1ガス流路)、48:LPガス供給管(第2ガス流路)、50:都市ガス用の開閉弁(第1開閉弁)、50A:弁体(第1弁体)、51:第1ガス圧設定手段である都市ガス圧設定手段、52:第2ガス圧設定手段であるLPガス圧設定手段、53:LPガス用の開閉弁(第2開閉弁)、53A:弁体(第2弁体)、54:規制板(第1規制板)、54a:外周縁部、54b:切欠き部、55:規制板(第2規制板)、55a:外周縁部、55b:切欠き部、110:切換弁、111:第1開閉弁、112:第2開閉弁、113:弁本体、114:弁体、114a:第1弁体、114b:第2弁体、114c、114d:ガス流路、115:第1ガス流路、116:第2ガス流路、115a、116a:流入部、115b、116b:流出部
Claims (5)
- 第1ガスと第2ガスのいずれか一方を切換手段で選択して共通のガスバーナに供給し、該ガスバーナで燃焼させることにより加熱調理を行う加熱調理装置であって、
前記切換手段は、
前記ガスバーナに前記第1ガスを供給する第1ガス流路に設置された第1開閉弁と、
前記ガスバーナに前記第2ガスを供給する第2ガス流路に設置された第2開閉弁と、
前記第1開閉弁と前記第2開閉弁のいずれか一方が閉弁状態のときに、他方を開閉可能とするインターロック機構と、
を有することを特徴とする加熱調理装置。 - 前記第1開閉弁は、回動により前記第1ガス流路を開閉する第1弁体を有し、
前記第2開閉弁は、回動により前記第2ガス流路を開閉する第2弁体を有し、
前記インターロック機構は、
前記第1弁体と一体に回動して前記第1弁体が閉弁位置に配置されているときに前記第2弁体の回動規制を解除する第1規制板と、
前記第2弁体と一体に回動して前記第2弁体が閉弁位置に配置されているときに前記第1弁体の回動規制を解除する第2規制板と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理装置。 - 前記第1規制板は、円状の第1外周縁部と、該第1外周縁部の一部を凹円弧状に切欠いた第1切欠き部とを有し、
前記第2規制板は、円状の第2外周縁部と、該第2外周縁部の一部を凹円弧状に切欠いた第2切欠き部とを有し、
前記第1規制板は、前記第2弁体が閉弁位置に配置されているときに前記第1外周縁部が前記第2切欠き部に入り込むことにより、前記第1弁体の回動を許容しかつ前記第2弁体の回動を規制し、
前記第2規制板は、前記第1弁体が閉弁位置に配置されているときに前記第2外周縁部が前記第1切欠き部に入り込むことにより、前記第2弁体の回動を許容しかつ前記第1弁体の回動を規制することを特徴とする請求項2に記載の加熱調理装置。 - 第1ガスと第2ガスのいずれか一方を切換手段で選択して共通のガスバーナに供給し、該ガスバーナで燃焼させることにより加熱調理を行う加熱調理装置であって、
前記切換手段は、
前記第1ガス流路と前記第2ガス流路を有する弁本体を有し、
前記第1開閉弁は、回動により前記第1ガス流路を開閉する第1弁体を有し、
前記第2開閉弁は、回動により前記第2ガス流路を開閉する第2弁体を有し、
前記第1弁体と前記第2弁体は、互いに一体に回動可能に連結されており、
前記第1弁体が前記第1ガス流路を開放しかつ前記第2弁体が前記第2ガス流路を閉塞する第1の位相と、前記第1弁体が前記第1ガス流路を閉塞しかつ前記第2弁体が前記第2ガス流路を開放する第2の位相との間に、前記第1弁体が前記第1ガス流路を閉塞しかつ前記第2弁体が前記第2ガス流路を閉塞する中間位相を有することを特徴とする加熱調理装置。 - 前記第1ガスと第2ガスは、LPガスと都市ガスであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の加熱調理装置。
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