JP2015081218A - 単結晶製造装置および単結晶製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】天地方向に移動自在な赤外線の遮蔽筒を備え、かつ、原料把持部にて把持される原料における少なくとも一部を当該遮蔽筒によって水平方向に包囲自在であり、かつ、当該遮蔽筒が、赤外線発生手段から照射される赤外線を遮蔽することにより溶融帯域の内部に陰の部分を形成し、当該溶融帯域の冷却具合を調節する冷却具合調節部を有する、単結晶製造装置を提供する。
【選択図】図1
Description
・るつぼを用いないため、るつぼから単結晶への汚染が無い。
・結晶成長中に導入する雰囲気の自由度が高い。
・集光加熱であるため結晶成長方向に対する温度勾配が大きく、多元素からなる単結晶の合成が容易である。
なお、図2(b)には特許文献3と同様に、遮蔽壁を設けつつも赤外線発生手段41を溶融帯域Mlの水平方向に配置する場合を記載しているが、水平方向から赤外線を照射するため、溶融帯域Mlの内部の陰の部分はほぼ形成されない。また、図2(c)には特許文献4と同様に遮蔽筒51を設けない場合を記載しているが、原料自体が赤外線を遮蔽することにより溶融帯域Mlの内部はある程度冷却される。しかし、遮蔽筒51を設けていないため、溶融帯域Mlの内部の陰の部分の大きさは常にほぼ一定であり、当該溶融帯域Mlの冷却具合は調節されない。
本発明の第1の態様は、
原料把持部を天地方向の天の位置、種結晶把持部を天地方向の地の位置に配置させた上で両者を近接させることにより、前記原料把持部に把持された原料と前記種結晶把持部に把持された種結晶とを近接させ、加熱部により溶融帯域を形成し、当該溶融帯域を冷却することにより単結晶を製造する単結晶製造装置において、
前記加熱部は、赤外線発生手段を複数有し、かつ、反射手段として複数の回転楕円鏡を有し、当該回転楕円鏡は共通の焦点を有しつつ、もう一方の焦点は当該共通の焦点から見て天地方向の天の方向に存在するとともに、前記赤外線発生手段は、当該もう一方の焦点に配置されており、
天地方向に移動自在な赤外線の遮蔽筒を備え、かつ、前記原料把持部にて把持される原料における少なくとも一部を当該遮蔽筒によって水平方向に包囲自在であり、かつ、当該遮蔽筒が、前記赤外線発生手段から照射される赤外線を遮蔽することにより溶融帯域の内部に陰の部分を形成し、当該溶融帯域の冷却具合および形状を調節する冷却具合調節部を有する、単結晶製造装置である。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の発明において、
前記回転楕円鏡の傾斜角は、前記回転楕円鏡の中心軸を水平とした配置から天地方向の地の方向に向かって10度以上20度以下である。
本発明の第3の態様は、第1またま第2の態様に記載の発明において、
前記赤外線発生手段が、2.5kW以上のハロゲンランプ、または、デフォーカス自在な配置のキセノンアークランプである。
本発明の第4の態様は、第1ないし第3のいずれかの態様に記載の発明において、
製造される単結晶の直径は45mmよりも大きい。
本発明の第5の態様は、第1ないし第4のいずれかの態様に記載の発明において、
前記遮蔽筒の下端部が、天地方向において前記共通の焦点と前記もう一方の焦点との間に存在するように、前記遮蔽筒は配置される。
本発明の第6の態様は、
原料把持部を天地方向の天の位置、種結晶把持部を天地方向の地の位置に配置させた上で両者を近接させることにより、前記原料把持部に把持された原料と前記種結晶把持部に把持された種結晶とを近接させ、加熱部により溶融帯域を形成し、当該溶融帯域を冷却することにより単結晶を製造する単結晶製造方法において、
前記加熱部は、赤外線発生手段を複数有し、かつ、反射手段として複数の回転楕円鏡を有し、当該回転楕円鏡は共通の焦点を有しつつ、もう一方の焦点は当該共通の焦点から見て天地方向の天の方向に存在するとともに、前記赤外線発生手段は、当該もう一方の焦点に配置されており、
単結晶を製造する際に、前記原料把持部にて把持される原料における少なくとも一部を水平方向に包囲するような位置に赤外線の遮蔽筒を配置し、前記赤外線発生手段から照射される赤外線を遮蔽することにより溶融帯域の内部に陰の部分を形成し、当該溶融帯域の冷却具合および形状を調節してネッキングを形成する、単結晶製造方法である。
本発明の第7の態様は、第6の態様に記載の発明において、
前記回転楕円鏡の傾斜角は、前記回転楕円鏡の中心軸を水平とした配置から天地方向の地の方向に向かって10度以上20度以下である。
本発明の第8の態様は、第6または第7の態様に記載の発明において、
前記赤外線発生手段が、2.5kW以上のハロゲンランプ、または、デフォーカス自在な配置のキセノンアークランプである。
本発明の第9の態様は、第6ないし第8のいずれかの態様に記載の発明において、
製造される単結晶の直径は45mmよりも大きい。
本発明の第10の態様は、第6ないし第9のいずれかの態様に記載の発明において、
溶融帯域の冷却具合を調節して原料と溶融帯域との接触を解き、当該溶融帯域または当該溶融帯域が冷却されて成長した結晶に対し、溶融された原料の液滴を供給する。
本発明の第11の態様は、第6ないし第10のいずれかの態様に記載の発明において、
前記遮蔽筒の下端部を、天地方向において前記共通の焦点と前記もう一方の焦点との間に存在するように、前記遮蔽筒を配置する。
1.単結晶製造装置
1−A)単結晶製造装置の概要
1−B)原料把持部
1−C)種結晶把持部
1−D)加熱部
1−E)冷却具合調節部
2.単結晶製造方法
2−A)準備工程
2−B)加熱工程
2−C)単結晶成長工程
3.実施の形態による効果
4.先行技術文献と本発明との相違
5.変形例等
1−A)単結晶製造装置の概要
本実施形態における単結晶製造装置1の基本的構成について、図3および図4を用いて説明する。図3は、本実施形態における単結晶製造装置1の概略断面図である。図4は、本実施形態における単結晶製造装置1の内部の概略平面図であり、種結晶把持部から上方へと見上げた時の図である。
・天地方向の天の位置に配置され、天地方向に移動自在かつ天地方向を中心軸として回転自在な原料把持部2
・天地方向の地の位置に配置され、天地方向に移動自在かつ天地方向を中心軸として回転自在な種結晶把持部3
・原料把持部2に把持された原料Mを加熱して原料Mを溶融させる加熱部4
・天地方向に移動自在な赤外線の遮蔽筒51を備え、原料把持部2にて把持される原料Mにおける少なくとも一部を当該遮蔽筒51によって水平方向に包囲自在であり、溶融帯域Mlの内部に陰の部分を形成し、当該溶融帯域Mlの冷却具合を調節する冷却具合調節部5
以下、上記で列挙した各構成について主に説明する。
本実施形態における原料把持部2は、天地方向の天の位置に配置されており、原料Mを把持自在な構成を有する。なお、本明細書における「原料を把持」は、その名の通り原料Mをしっかりと掴むことを意味し、るつぼに原料Mを単に収納することとは全く異なる。そのため、「原料把持部」という表現により、るつぼを用いないことは一義的に導き出される。本実施形態の原料把持部2は、原料Mを把持する「原料ホルダー21」と原料ホルダー21の回転軸および上下移動軸となる「上部シャフト22」とで構成されている。なお、原料Mの形状としては棒状のもの(例えば直径20mm、長さ200mm)など、公知のものを用いても構わない。ただ、先に述べたように、本発明の原料ホルダー21は、るつぼとは全く異なる。
本実施形態における種結晶把持部3は、天地方向の地の位置に配置されており、種結晶Sを把持自在な構成を有し、例えば種結晶ホルダー31と下部シャフト32とを有する。なお、種結晶把持部3は、公知の構成を採用しても構わない。
その他の構成については、原料把持部2と同様の構成を適宜採用しても構わない。
本実施形態における加熱部4は、赤外線発生手段41a〜dを有し、原料把持部2に把持された原料Mを加熱して原料Mを溶融させる機能を有する。また、本実施形態における加熱部4は、赤外線発生手段41の他に、赤外線を原料Mへと反射して照射効率を向上させるための反射手段42a〜dも有している。
しかしながら本実施形態のように、赤外線発生手段41を溶融帯域Mlよりも上方に配置すると、原料Mの固体部分Msの側面は近距離からの照射ではなくなる。その結果、焦点F0から溶融帯域Mlが外れても、ほどほどに高い温度から温度が低下してしまう程度に温度勾配を抑えることができる。そのため、単結晶の成長において温度勾配が緩くなる。
以下、温度勾配を緩めることの有効性について説明する。
10度以上ならば、溶融帯域Mlが上方に移動しつつ単結晶が成長する際に、溶融帯域Mlをある程度加熱し続けることが可能となり、温度勾配が緩くなる。その結果、結晶界面および小傾角粒界の発生が抑制され、結晶性が向上する。
20度以下ならば、溶融帯域Mlに対して適度に赤外線を集中することが可能となり、溶融帯域Mlを適切に形成および制御することが可能となる。
本実施形態の大きな特徴点の一つとしては、冷却具合調節部5を設けていることがある。本実施形態における冷却具合調節部5は、天地方向に移動自在な赤外線の遮蔽筒51を備え、かつ、原料把持部2にて把持される原料Mにおける少なくとも一部を遮蔽筒51によって水平方向に包囲自在であり、かつ、当該遮蔽筒51が、赤外線発生手段41から放射される赤外線を遮蔽することにより溶融帯域Mlの内部に陰の部分を形成し、当該溶融帯域の冷却具合を調節するものである。冷却具合調節部5の存在のおかげで、溶融帯域Mlの内部からマイルドかつ迅速に冷却することが可能となる。その結果、溶融した原料の供給量を調節することが可能となり、マイルドな加熱および冷却を行うことの障害となっていた溶融帯域Mlの維持に固執する必要がなくなる。
なお、ここで言う「冷却具合」とは、「冷却度合い」と「冷却位置」の両方の状況を包括した表現である。
その一方、図2(a)に示す本実施形態では、斜め上の方向から赤外線を照射しつつも冷却具合調節部5が存在しているため、溶融帯域Mlの内部における低温部分が著しく大きくなる。従来技術にとっては全く好ましくない状態である。しかしながら、先に述べたように、本実施形態においては溶融帯域Mlの維持に腐心する必要はない。むしろ、成長部分Mcの形状を操作する際に必要あれば、溶融帯域Mlと原料との間の接触を積極的に解き、接触が解かれた後の溶融帯域Mlまたは冷却されて成長した成長部分Mcに対して溶融した原料融液の液滴を供給しても構わない。冷却具合調節部5が存在することにより、低温部分が大きくなっていることから、溶融帯域Mlと原料Mとの間の接触を解きやすい状態となっている。冷却具合調節部5は、結晶を成長させる方法のバリエーションを増やすのに一役買っている。これは従来技術には存在しない技術的思想である。
そして、それに伴い、溶融帯域の形状を適切に保ったままネッキングMcnの形成を可能とできる。
つまり、本実施形態においては、加熱部4および冷却具合調節部5のおかげで、FZ法を用いながらも、「第1のパラメータである溶融帯域Mlおよび原料M(融液)の温度」そして「第2のパラメータである溶融帯域の形状」を個別に制御し得る。これも、従来技術には存在しない技術的思想である。
図3に示すように、溶融帯域Mlの上方にある原料Mの固体部分Msの周囲には遮蔽筒51が配置される。遮蔽筒51は上下方向への駆動機構52に連結している。
そして、遮蔽筒51は、天地方向において焦点F0と焦点F1との間に配置されるのが好ましい。ここで言う「焦点F0と焦点F1との間」とは、遮蔽筒51の下端部が焦点F0と焦点F1との間に存在することを指す。このような配置にすることにより、溶融帯域Mlにおける陰の部分を過度に形成せずに済む点で好ましい。また、この場合、焦点F0と焦点F1とを結ぶ直線よりも上方に遮蔽筒51の下端部が配置されるようにするのが、赤外線発生手段41からの直接照射を遮らずに加熱効率を向上させられる点で好ましい。なお、このことは、遮蔽筒51が焦点F0と焦点F1との間でしか遮蔽筒51が物理的に移動できないことを指すものではない。また、遮蔽筒51の下端部が焦点F0より下方に存在した状態で赤外線の照射を行うことを妨げるものではない。
次に、本実施形態における単結晶製造装置1の操作手順について、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態における単結晶製造方法の手順を示したフローチャートである。なお、以下の工程の内容は、<1.単結晶製造装置1>にて説明した内容と重複する部分もある。そのため、以下に記載が無い内容については、<1.単結晶製造装置1>にて説明した通りである。また、以下に記載が無い内容については、特許文献2〜4に記載の技術や公知の技術を適宜採用しても構わない。
まず、単結晶製造装置1に必要な各構成を、<1.単結晶製造装置1>にて説明したように配置する。また、上方に設けられた原料把持部2に棒状の原料Mを係合させ、下方に設けられた種結晶把持部3に棒状の種結晶Sを把持させる。つまり、原料Mと種結晶Sは互いに対向した配置となっている。そして、原料把持部2と種結晶把持部3とを近接させることにより、原料把持部2に把持された原料Mと種結晶把持部3に把持された種結晶Sとを近接させる。
次に、本工程においては、赤外線発生手段41から発生させた赤外線を、原料Mに対して直接、および、回転楕円鏡42により反射した上で原料Mに照射する。そうして、直接光および回転楕円鏡42により集光された加熱光により、種結晶Sと対向する部分であって棒状の原料Mの下端を溶融する。その溶融部分に、多少溶融した種結晶Sの上端を接触させることで溶融帯域Mlが形成される。
本工程では、溶融帯域Mlから単結晶を成長させる。本工程においては、天地方向において焦点F0と焦点F1との間の位置であって、原料把持部2にて把持される原料Mにおける少なくとも一部を水平方向に包囲するような位置に遮蔽筒51を配置し、赤外線発生手段41から照射される赤外線を遮蔽することにより溶融帯域Mlの内部に陰の部分を形成し、当該溶融帯域Mlの冷却具合を調節してネッキングMcnを形成する。
具体的に言うと、種結晶把持部3における下部シャフト32を下降させる。こうすることにより、溶融帯域Mlが下方へと引き下げられる。しかし、溶融帯域Mlの上方(成長部分Mc)は赤外線照射の焦点から徐々に外れて行き、成長部分Mcの温度は緩やかに下降する。
それに加え、本発明の課題にて述べたように、ネッキングMcnの形成工程は、結晶成長初期に、更に成長部分Mcの口径を著しく細くして結晶欠陥や転位を除去する役割を有する。
つまり、化学的に高純度な単結晶の製造が可能なFZ法に対し、ネッキングMcnの形成を行うことは、効果を上乗せする形で、極めて高純度な単結晶を製造することが可能となり、FZ法の持ち味を十二分に引き出すことが可能となる。
ネッキングMcnを形成した後、大口径の単結晶Mcを製造する場合、溶融帯域Mlの径を大きくしなければならない。従来だと、溶融帯域Mlの径を急激に大きくし過ぎると、全てが液状の溶融帯域Mlの形状が崩れて種結晶Sに融液が垂れてしまう。一方、溶融帯域Mlの径の拡大があまりに遅すぎると、大口径にする途中の成長部分Mcが無駄になってしまう。
ところが、本実施形態ならば、まず、原料の固体部分Msから溶融帯域Mlに供給される溶融原料の量を、加熱部4および冷却具合調節部5によって調節することが可能である。さらに、溶融帯域Mlが垂れないように、溶融帯域Mlの内部に陰を作って溶融帯域Mlを冷却し、溶融帯域Mlを垂れにくくすることも可能である。
このように、本実施形態ならば、ネッキングMcnの形成を比較的容易に行えることに加え、その後の大口径化も比較的容易に行うことが可能となる。しかも、先に述べたように、FZ法と本実施形態の構成とのおかげで、極めて高純度な単結晶を製造することが可能となる。
ところで、遮蔽筒51と原料把持部2の上下移動は、共に連動させても構わない。また、陰の作り具合を一定にするために、両者を相対的に移動させても構わない。
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
そして、それに伴い、溶融帯域の形状を適切に保ったままネッキングMcnの形成を可能とできる。
つまり、本実施形態においては、加熱部4および冷却具合調節部5のおかげで、FZ法を用いながらも、「第1のパラメータである溶融帯域Mlおよび原料M(融液)の温度」そして「第2のパラメータである溶融帯域の形状」を個別に制御し得る。
(効果1)本実施形態の構成ならば、遮蔽筒51の位置を調節することにより溶融帯域Mlの内部の陰の部分を調節することが可能となり、ひいては溶融帯域Mlを構成する溶融原料の量を迅速に適量とすることが可能となる。こうすることにより、下方の種結晶Sへの溶融帯域Mlの垂れを制御可能となり、しかも、溶融原料の量を適量とすることにより溶融帯域Mlの形状も容易に操作可能となり、ネッキングMcnを確実に形成することが可能となる。その結果、大口径の良質な単結晶を製造することが可能となる。
つまり、近年の要望である、単結晶に求められる品質のレベルを向上させるという要望、および、精密機器に求められる単結晶のサイズを大きくするという要望を、本実施形態により満たすことが可能となる。
従来技術として、本明細書においては特許文献3および4を挙げている。特許文献3には、溶融帯域の水平方向に赤外線ランプを配置しつつ、原料棒(上側)の周囲を包囲するように遮蔽壁を設けることが記載されている(図1の符号22や[0007])。ただ、この遮蔽壁は、原料棒と溶融帯域との間の温度勾配を急峻にするためのものである。温度勾配を急峻にする理由としては、温度勾配が緩やかだと、溶融帯域の部分(液体的な部分)が大きくなってしまい、毛細管現象によって原料棒の細孔へと溶融帯域が染み込む可能性が大きくなってしまうからであると記載されている。
また、特許文献4には、赤外線が斜め上の方向から原料棒へ照射されることが記載されている(図4(a)や[0018][0019])。ただ、この構成は、種結晶側の固液界面の形状を凸状にしないようにするための手法である。また、この技術に関しても、原料棒と溶融帯域との間の温度勾配を急峻にすることを目的としている([0016])。
特許文献3において、原料棒への熱供給は、溶融帯域からのみの熱供給である([0007])。そうなると、赤外線が原料棒を直射しなくなるため、原料棒が溶融しにくくなり、形成される結晶の歩留りが悪くなる。それに加え、溶融帯域へと真正面から光を照射させることがなくなるため、照射部分の温度が低下する。そうなると、自ずと原料棒における温度勾配が緩くなってしまう。これは、特許文献3が目的とするところと相反する。
出力2.5kWのハロゲンランプを備えた4個の回転楕円鏡42a〜dを、原料Mの溶融帯域Mlの水平方向から見て15度上方の位置に配置し、かつ、回転楕円鏡42の傾斜角は、回転楕円鏡42の中心軸を水平とした配置から天地方向の地の方向に向かって15度とした。そして、直径3mmの種結晶Sと太さ10〜15mmの棒状の原料Mを用意し、原料Mの周囲には直径内径25mmのアルミナ製の遮蔽筒51を配置した。そして、酸素濃度10〜90%の窒素混合ガス中で酸化ガリウム単結晶Mcの成長を行った。
出力2.5kWのハロゲンランプを備えた4個の回転楕円鏡42a〜dを、原料Mの溶融帯域Mlの水平方向から見て30度上方の位置に配置し、かつ、回転楕円鏡42の傾斜角は、回転楕円鏡42の中心軸を水平とした配置から天地方向の地の方向に向かって30度とした。なお、特許文献4と同様、遮蔽筒51は設けなかった。そして、直径3mmの種結晶Sと太さ10〜15mmの棒状の原料Mを用意した。そして、酸素濃度10〜90%の窒素混合ガス中で酸化ガリウム単結晶Mcの成長を行った。
出力1.5kWのハロゲンランプを備えた4個の回転楕円鏡42a〜dを、原料Mの溶融帯域Mlの水平方向から見て15度上方の位置に配置し、かつ、回転楕円鏡42の傾斜角は、回転楕円鏡42の中心軸を水平とした配置から天地方向の地の方向に向かって15度とした。なお、特許文献4と同様、遮蔽筒51は設けなかった。そして、直径3mmの種結晶Sと太さ10〜15mmの棒状の原料Mを用意した。そして、酸素濃度10〜90%の窒素混合ガス中で酸化ガリウム単結晶Mcの成長を行った。
出力1.5kWのハロゲンランプを備えた4個の回転楕円鏡42a〜dを、原料Mの溶融帯域Mlの水平方向から見て30度上方の位置に配置し、かつ、回転楕円鏡42の傾斜角は、回転楕円鏡42の中心軸を水平とした配置から天地方向の地の方向に向かって30度とした。なお、特許文献4と同様、遮蔽筒51は設けなかった。そして、直径3mmの種結晶Sと太さ10〜15mmの棒状の原料Mを用意した。そして、酸素濃度10〜90%の窒素混合ガス中で酸化ガリウム単結晶Mcの成長を行った。
11……石英炉心管
12……下部シャフトフランジ
13……上部シャフトフランジ
14……雰囲気導入口
15……雰囲気排出口
2………原料把持部
21……原料ホルダー
22……上部シャフト
3………種結晶把持部
31……種結晶ホルダー
32……下部シャフト
4………加熱部
41……赤外線発生手段
42……反射手段(回転楕円鏡)
5………冷却具合調節部
51……遮蔽筒
52……駆動機構
M………原料
Ms……固体部分
Ml……溶融帯域
Mc……成長部分(単結晶)
S………種結晶
Claims (11)
- 原料把持部を天地方向の天の位置、種結晶把持部を天地方向の地の位置に配置させた上で両者を近接させることにより、前記原料把持部に把持された原料と前記種結晶把持部に把持された種結晶とを近接させ、加熱部により溶融帯域を形成し、当該溶融帯域を冷却することにより単結晶を製造する単結晶製造装置において、
前記加熱部は、赤外線発生手段を複数有し、かつ、反射手段として複数の回転楕円鏡を有し、当該回転楕円鏡は共通の焦点を有しつつ、もう一方の焦点は当該共通の焦点から見て天地方向の天の方向に存在するとともに、前記赤外線発生手段は、当該もう一方の焦点に配置されており、
天地方向に移動自在な赤外線の遮蔽筒を備え、かつ、前記原料把持部にて把持される原料における少なくとも一部を当該遮蔽筒によって水平方向に包囲自在であり、かつ、当該遮蔽筒が、前記赤外線発生手段から照射される赤外線を遮蔽することにより溶融帯域の内部に陰の部分を形成し、当該溶融帯域の冷却具合および形状を調節する冷却具合調節部を有する、単結晶製造装置。 - 前記回転楕円鏡の傾斜角は、前記回転楕円鏡の中心軸を水平とした配置から天地方向の地の方向に向かって10度以上20度以下である、請求項1に記載の単結晶製造装置。
- 前記赤外線発生手段が、2.5kW以上のハロゲンランプ、または、デフォーカス自在な配置のキセノンアークランプである、請求項1または2に記載の単結晶製造装置。
- 製造される単結晶の直径は45mmよりも大きい、請求項1ないし3のいずれかに記載の単結晶製造装置。
- 前記遮蔽筒の下端部が、天地方向において前記共通の焦点と前記もう一方の焦点との間に存在するように、前記遮蔽筒は配置される、請求項1ないし4のいずれかに記載の単結晶製造装置。
- 原料把持部を天地方向の天の位置、種結晶把持部を天地方向の地の位置に配置させた上で両者を近接させることにより、前記原料把持部に把持された原料と前記種結晶把持部に把持された種結晶とを近接させ、加熱部により溶融帯域を形成し、当該溶融帯域を冷却することにより単結晶を製造する単結晶製造方法において、
前記加熱部は、赤外線発生手段を複数有し、かつ、反射手段として複数の回転楕円鏡を有し、当該回転楕円鏡は共通の焦点を有しつつ、もう一方の焦点は当該共通の焦点から見て天地方向の天の方向に存在するとともに、前記赤外線発生手段は、当該もう一方の焦点に配置されており、
単結晶を製造する際に、前記原料把持部にて把持される原料における少なくとも一部を水平方向に包囲するような位置に赤外線の遮蔽筒を配置し、前記赤外線発生手段から照射される赤外線を遮蔽することにより溶融帯域の内部に陰の部分を形成し、当該溶融帯域の冷却具合および形状を調節してネッキングを形成する、単結晶製造方法。 - 前記回転楕円鏡の傾斜角は、前記回転楕円鏡の中心軸を水平とした配置から天地方向の地の方向に向かって10度以上20度以下である、請求項6に記載の単結晶製造方法。
- 前記赤外線発生手段が、2.5kW以上のハロゲンランプ、または、デフォーカス自在な配置のキセノンアークランプである、請求項6または7に記載の単結晶製造方法。
- 製造される単結晶の直径は45mmよりも大きい、請求項6ないし8のいずれかに記載の単結晶製造方法。
- 溶融帯域の冷却具合を調節して原料と溶融帯域との接触を解き、当該溶融帯域または当該溶融帯域が冷却されて成長した結晶に対し、溶融された原料の液滴を供給する、請求項6ないし9のいずれかに記載の単結晶製造方法。
- 前記遮蔽筒の下端部を、天地方向において前記共通の焦点と前記もう一方の焦点との間に存在するように、前記遮蔽筒を配置する、請求項6ないし10のいずれかに記載の単結晶製造方法。
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