JPH09235171A - 浮遊帯域溶融装置 - Google Patents

浮遊帯域溶融装置

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JPH09235171A
JPH09235171A JP8243736A JP24373696A JPH09235171A JP H09235171 A JPH09235171 A JP H09235171A JP 8243736 A JP8243736 A JP 8243736A JP 24373696 A JP24373696 A JP 24373696A JP H09235171 A JPH09235171 A JP H09235171A
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JP
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lamp
zone melting
floating zone
melting apparatus
filament
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JP8243736A
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Isamu Shindo
勇 進藤
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Original Assignee
Crystal Systems Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した溶融域を容易に形成し、口径の大き
い単結晶も容易に育成する。単結晶の特性も良質とす
る。 【解決手段】 内面を反射面として直交軸上に対向配置
した四個の回転楕円面反射鏡(2)の一方の焦点にハロ
ゲンランプ(1)を設け、他方の焦点上で反射面から反
射した赤外線を集光させることによって加熱する赤外線
集中加熱式の浮遊帯域溶融装置であって、離芯率を0.
4〜0.65とし、ハロゲンランプ(1)として、フィ
ラメントの形状が板状でかつ正方形に近い形状を有する
ハロゲンランプを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、浮遊帯域溶融装
置に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、
単結晶の育成や相平衡の研究等に有用な浮遊帯域溶融装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、浮遊帯域溶融装置
としては、回転楕円面反射鏡を一個ないし二個使用し、
これらの反射鏡によってハロゲンランプもしくはキセノ
ンランプの光を焦点位置に集光させることにより焦点位
置で高温を得ることができる赤外線集中加熱式のものが
知られており、単結晶の育成や相平衡の研究等に幅広く
利用されてきている。
【0003】これら従来の方式の浮遊帯域溶融装置は、
ルツボを使用せずに試料の溶融が行えること、雰囲気ガ
スを任意に選べること、浮遊帯域溶融法を用いて種々の
組成の単結晶育成が行えること、浮遊帯域徐冷法による
相平衡研究が行えること、さらに比較的少ない電力で高
温度が容易に得られる等の利点がある。これら従来の装
置のうち、特に回転楕円面反射鏡を二個配置した方式が
最も有用性が高いが、試料の溶融状態は必ずしも理想的
ではなく、溶融域の安定保持が難しい試料系において
は、良質単結晶の育成が困難である等の問題点があっ
た。
【0004】この発明は、以上通りの事情を鑑みてなさ
れたものであり、従来技術の欠点を解消し、良質単結晶
の育成を容易にする新しい浮遊帯域溶融装置を提供する
ことを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、内面を反射面として直交軸上に
対向配置した四個の回転楕円面反射鏡の対向する一方の
焦点に赤外線ランプを設け、他方の焦点上で反射面から
反射した赤外線を集光させることによって加熱する赤外
線集中加熱式の浮遊帯域溶融装置であって、回転楕円面
反射鏡の離芯率が0.4〜0.65であることを特徴と
する浮遊帯域溶融装置(請求項1)を提供する。
【0006】さらに、この発明においては、赤外線ラン
プとしてハロゲンランプを使用する際に、フィラメント
形状が板状のハロゲンランプを使用すること(請求項
2)や、赤外線ランプおよび反射鏡の冷却のためのファ
ン空冷装置が各々別個に配設されていること(請求項
3)、ランプホルダーの位置を固定したまま、ランプホ
ルダーへのソケット支持位置が可変とされてランプが装
着されること(請求項4)、支持部シャフトに間隔を置
いて複数の取り付け支持用溝を設け、この支持用溝に支
持具を差し込んで固定する半固定方式の支持構造が備え
られていること(請求項5)、さらには、ランプフィラ
メントの位置を設定するためのスクリーンとして、縦格
子を複数配置した3次元構造が備えられていること(請
求項6)、棒状の被加熱試料を覆う形で中心部にセット
された透明石英管の外周に沿って、ランプより発光し反
射鏡において反射された光を遮断する遮蔽筒を上下に2
組設け、この遮蔽筒の位置を上下に移動させて、上下の
遮蔽筒のすき間を通過して被加熱試料に到達する光の分
布を調節すること(請求項7)、遮蔽筒は反射鏡の外側
から支持治具によって保持されていて、その位置を最適
位置にセット可能な機構を有すること(請求項8)、等
をその態様としてもいる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて詳しく説明する。 <1>回転楕円面反射鏡の形状 まず、この発明の背景として明らかなことは、一般的
に、浮遊帯域溶融法は、形成された融液を試料自身に保
持させる方法であるから、融液の表面張力と比重との相
関関係によって、安定的に保持可能となる融液の量は制
限されていることである。
【0008】そこで、溶融域を安定させ、かつ、大きな
口径の単結晶を育成するためには、垂直方向の急峻な温
度勾配が求められることが理解される。緩やかな温度勾
配下で口径の大きな単結晶を育成しようとすると、中心
部が溶けないにも関わらず、表面付近での融液の量が制
限を越えてしまい、融液の保持が極めて困難になるから
である。
【0009】一般的には、回転楕円面反射鏡でランプの
光を集める場合には、フィラメントの形状を一定にする
と、焦点位置に形成される高温領域の形状は、次式、
【0010】
【数2】
【0011】で定義される回転楕円面反射鏡の離芯率に
よって大きく変化する。離芯率が大きいほどに高温領域
の大きさも大きくなり、温度勾配は緩やかになり、最高
到達温度はそれにつられて低くなるため、急峻な温度勾
配を実現するためには、離芯率が小さい方が有利であ
る。しかしながら、回転楕円面反射鏡を対向させて、特
にこれを四個使用した浮遊帯域溶融装置においては、離
芯率を小さくすると、それぞれの反射鏡が相互にぶつか
りあうため、反射鏡が重なり合う部分を切断しなければ
ならない。これにより、反射鏡が切断された分だけラン
プからの光を反射することができないため、光の利用効
率が低下し、最高到達温度も下がることから、むやみに
離芯率を小さくすることは得策ではない。
【0012】そこで、この発明の発明者らは、回転楕円
面反射鏡の離芯率を種々に変え、実際に単結晶育成が安
定的に行える条件について検討した。その結果、回転楕
円面反射鏡の離芯率が0.4〜0.65の範囲内で最も
効率が良く、また、実際の単結晶育成に相応しい急峻な
温度条件を得ることを見いだした。 <2>ランプフィラメントの形状 一方、ランプのフィラメントの形状も、集光効率と集光
状態に大きな影響を及ぼす。また、使用する回転楕円面
反射鏡の数によっても最適なフィラメント形状は異なっ
てくる。
【0013】そこで、この発明の発明者らは、直交軸上
に対向配置した四個の回転楕円面反射鏡を使用した場合
の良質単結晶の育成に適したフィラメント形状について
検討した結果、板状のフィラメントが最適であることを
見いだした。板状でかつ正方形に近い形状を有するフィ
ラメントを用い、その板面を水平に配置したハロゲンラ
ンプを使用すると、最も安定した溶融域が容易に形成で
きることを確認した。
【0014】この発明においては、以上の通りの知見に
基づいて、四個の対向配置した回転楕円面反射鏡を使用
する方式の赤外線集中加熱方式の浮遊帯域溶融装置にお
いて、離芯率が0.4〜0.65である回転楕円反射鏡
を用いることによって、シャープな温度分布条件を実現
し、良質な単結晶の育成を可能としている。 <3>ランプの冷却方法 また、浮遊帯域溶融装置では、ランプおよび反射鏡の両
者を適宜に冷却する必要がある。そこでこの発明では、
簡便で、安価であるファンを用いる空冷方式を採用す
る。ただ、単にファンを設置しても効果的な冷却は困難
である。その理由は、ファンは数枚の羽根を回転させて
空気の流れを作っているが、回転中心部においては空気
の流れが発生しないからである。つまり、反射鏡の大き
さのファンを用いた場合には、中心部に設置されている
ランプは充分に冷却されない。また、逆にランプを冷却
するに充分な小型のファンを用いた場合には、反射鏡の
冷却は充分でないという問題がある。そのため、この発
明では、赤外線ランプおよび反射鏡にそれぞれの大きさ
に見合った空冷ファン装置を個別に設置する。これによ
り、両者の充分な冷却が可能となる。 <4>ランプの保持方法 従来より、ハロゲンランプは、装置に適合するように特
別なランプを製作する必要があるため、その価格は一本
あたり4〜6万円という高価なものとなっている。この
発明の装置構成では、このような高価なハロゲンランプ
を一度に4本使用するため、コスト的な問題が生じるこ
とになる。また、様々な出力のランプを取り替えて使用
する場合、出力の小さなランプと大きなランプでは、石
英バルブの大きさが異なるため、赤外線ランプをランプ
口金を介してソケットによりランプホルダーに取り付け
る際に、ランプを取り替える度に、ランプホルダーの位
置を調整しなければならない。
【0015】そこで、従来では、出力の異なるランプに
取り替えることで、フィラメントの大きさが変わった場
合でも、石英バルブの大きさ、特にホルダーとフィラメ
ントの位置を固定することで、同じランプホルダーをそ
のまま使用できる構造としている。しかしながら、この
ような従来の方法では、大きなフィラメントを有する出
力の大きな赤外線ランプに小さな形状の石英バルブを用
いた場合、外気と接触する石英バルブ(18)の表面積
が小さくなり、大きなフィラメントから発生する大量の
熱が十分に放熱されないため、赤外線ランプ(1)の寿
命を極端に縮めることになる。逆に、小さなフィラメン
トを有する出力の小さな赤外線ランプ(1)に大きな形
状の石英バルブを用いた場合には、フィラメントの大き
さに対して石英バルブ(18)が大きすぎ、外気と接触
する石英バルブの表面積が必要以上に大きくなるため、
冷却し過ぎるという問題点があった。
【0016】さらに、赤外線ランプとしてハロゲンラン
プを用いる場合には、タングステン線をフィラメントと
しているため、このタングステンは高温で揮発して、バ
ルブに付着し、次第にバルブ内壁が黒くなり、さらに温
度も上がりやすくなり、すぐに寿命がつきることにな
る。そこで、寿命を長くするために、従来より、石英バ
ルブ内にはハロゲンガスを封入し、高温で揮発してくる
タングステンとハロゲンを反応させることで、ハロゲン
化タングステンを生成させ、このハロゲン化タングステ
ンを高温のフィラメント上でタングステンとハロゲンガ
スに分解し、タングステンは元のフィラメント上に析出
させ、ハロゲンガスは放出されて元に戻すという、いわ
ゆるハロゲンサイクルと呼ばれる反応を利用して寿命の
延長を図っている。しかしながら、このハロゲンサイク
ルを正常に継続させるためには、生成したハロゲン化タ
ングステンが固化しない適当な温度以上(一般的に40
0℃以上)に保持され、さらに、石英バルブ(18)の
耐熱温度以下(一般的に800℃以下)に保持する必要
がある。このため、温度が低すぎても、かえって寿命が
短くなる。つまり、小さなフィラメントを有する出力の
小さなランプに対して、石英バルブが大きすぎると、生
成したハロゲン化タングステンが温度の低い部所に析出
し、寿命が短くなり、また、出力が不安定になる等の問
題が生じることになる。
【0017】そこで、この発明においては、ランプホル
ダーの位置を移動できる構造とし、フィラメントの大き
さに合った大きさの石英バルブをそのまま用いることを
可能にしている。すなわち、ランプホルダーの位置は固
定したまま、ランプホルダーへのソケット支持位置を変
えることで、フィラメントの大きさ、石英バルブの大き
さの変化を吸収できる構造とする。これにより、冷却フ
ァンの取り付け位置を固定したままで、様々な出力のラ
ンプを取り替えて使用することが可能となる。 <5>支持部シャフトの支持方式 そしてまた、浮遊帯域溶融装置においては、育成結晶支
持部ならびに原料棒支持部は、試料の出し入れ、石英管
の脱着の度に、育成結晶支持駆動部ならびに原料棒支持
駆動部によって上下に移動させ、一時的に保持したり、
結晶育成中は適当な位置にしっかりと保持しておく必要
がある。使用する試料棒の長さは、まちまちであること
が多いため、これらの支持部は、任意の位置でしっかり
と保持できることが望ましい。
【0018】育成結晶ならびに原料棒の支持方法として
は、従来より、次のような方法が採用されてきた。 (a)固定支持方式 支持部シャフトの保持具を設けて、これに固定する。こ
の方式は、固定は完全であるが、支持部シャフトの保持
位置は固定であるので、試料の長さが任意に変わると、
これに対応するのは困難となり、長さの相違を補正する
ための治具が必要となる。 (b)コレットチャック方式 この方式は、支持部シャフトの支持具としてコレットチ
ャックを用いることにより、支持部シャフトを任意の場
所で保持出来る利点がある。しかしながら、この方式で
は、試料室を高圧にした場合、支持部の保持がコレット
チャックのみでは不完全であり、別の保持治具を必要と
するので、高圧下での使用は固定方式の方が優れてい
る。
【0019】そこで、この発明の浮遊帯域溶融装置にお
いては、半固定方式を採用している。この方式は、支持
部シャフトに、たとえば数ミリメートル間隔で取り付け
支持用溝を設け、この取り付け支持用溝に支持具を差し
込んで固定する。この方式では、支持部シャフトの固定
は完全であり、また、支持部シャフトは数ミリメートル
間隔ではあるが、任意の位置で固定できるので、実際上
は、任意位置での固定が可能となった。 <6>焦点位置合わせの方法 光学式浮遊帯域溶融装置においては、ランプのフィラメ
ント位置を正確に焦点位置にセットすることが重要であ
る。従来は、磨りガラス等で作製したスクリーンを焦点
位置にセットしておき、これにフィラメント像を写し
て、正確にフィラメント位置をセットする方式が採用さ
れてきた。
【0020】しかしながら、この従来の方法では、スク
リーンの面内での位置は正確に出せるが、奥行きは全く
判らないので、ランプを前後に動かすことで、適当に中
心と思われる位置を割り出す必要があり、その操作は面
倒なばかりではなく、正確性に欠ける等の問題点があっ
た。そこで、この発明の浮遊帯域溶融装置においては、
3次元的にフィラメントの正確な位置を割り出せる方法
として、複数の縦格子を設けた3次元構造を採用する。 <7>遮蔽筒による光分布調節方法 棒状試料の光吸収特性によって、上下方向の温度勾配が
大きく左右され、場合によっては安定な溶融体の形成が
困難になることもある。そこでこの発明では、試料溶融
体の上下に遮蔽筒を設け、さらにその位置を調節する機
構を設けている。上下の遮蔽筒の位置を調節することに
よって、試料に到達する光の分布が調節できるので、比
較的ゆるやかな温度勾配の場合から、急峻な温度勾配ま
で、試料の溶融体を安定に保持させるのに最適な温度条
件を提供することが可能となる。遮蔽筒は、長さ方向に
二つ割りにしておくこと、試料の脱着および、透明石英
管の脱着の際に、じゃまにならずスムーズに作業が行え
る。遮蔽筒の材料は、光を遮断できる材料であれば何で
も使用可能であるが、比較的高温まで使用可能で、安価
な材料としては、アルミナ質のセラミック管が望まし
い。
【0021】
【実施例】添付した図面の図1は、この発明の浮遊帯域
溶融装置を例示したものである。図1に示したように、
この発明の浮遊帯域溶融装置では、4個の赤外線ランプ
としてのハロゲンランプ(1)と、これに対応する回転
楕円面反射鏡(2)が備えられるとともに、試料溶融部
(3)、原料棒(4)、育成結晶(5)、育成結晶支持
部(6)、原料棒支持部(7)、種子結晶(8)、原料
棒支持駆動部(9)、育成結晶支持駆動部(10)、赤
外線ランプ駆動部(11)が配置される。
【0022】この装置を用いた単結晶の育成の方法につ
いて説明すると、まずはじめに、原料棒支持部(7)に
原料棒(4)を、また育成結晶支持部(6)に種子結晶
(8)をセットする。ハロゲンランプ(1)をそれぞれ
点灯し、徐々にハロゲンランプ(1)への印加電圧を上
昇させることによって、原料棒(4)ならびに種子結晶
(8)の両方の先端部を溶融させる。両方の先端部が溶
融した段階で、両者を接近させ、溶融部を合体させる。
このとき、原料棒(4)ならびに種子結晶(8)の両方
に回転を与え、さらにハロゲンランプ(1)への供給電
力を制御することによって、溶融部の大きさを調整し、
安定な溶融域を形成させる。このように形成された溶融
域の形状に異常が発生しないように注意しながら、ハロ
ゲンランプ駆動部(11)によってハロゲンランプ
(1)の位置を動かすか、もしくは、原料棒支持駆動部
(9)および育成結晶支持駆動部(10)によって原料
棒(4)および種子結晶(8)を所定の速度でゆっくり
と移動させることで、原料の溶融と結晶の育成が継続さ
れ、単結晶の育成が行われる。このとき形成される溶融
域を安定に保持できるか否かが、良質単結晶の育成には
重要な要因である。さらに、原料棒(4)ならびに種子
結晶(8)の光吸収特性による、上下方向の温度分布の
変化を調節する手段として、図11のような上下に遮蔽
筒を設けた浮遊帯域溶融装置を例示する。図11におい
ては、図1の基本的な装置の中心部に、上部遮蔽筒(2
5)、下部遮蔽筒(28)が配置されている。上部遮蔽
筒保持具(26)および下部遮蔽筒保持具(29)は移
動機構を伴っていて、棒状被加熱試料を覆う透明石英管
(27)の外周部を上下に移動する。上下の遮蔽筒の位
置を調節することで、試料に到達する光の分布を調節
し、ゆるやかな温度勾配から、急峻な温度勾配まで最適
な温度条件の選択が可能となる。
【0023】添付した図面の図2は、この発明で使用す
るハロゲンランプ(1)のフィラメント(12)の形状
を示したものである。図2に示したような板状でかつ正
方形に近い形状のフィラメント(12)にすることによ
り、より良質単結晶の育成に好都合な温度条件が得られ
る。また、図3は、図1に例示した浮遊帯域溶融装置の
ハロゲンランプ(1)の装着部の構造を例示したもので
あって、ハロゲンランプ(1)のためのファン空冷装置
(13)と、反射鏡(2)のためのファン空冷装置(1
4)とを各々別個に設け、ランプ(1)と反射鏡(2)
の冷却が充分に行われるようにしている。
【0024】ハロゲンランプ(1)は、ランプホルダー
(15)に対して、ソケット(16)を介してランプ口
金(17)を取付けることで固定している。そして、こ
のランプ(1)のホルダー(15)への取付けについて
は、図4に例示したように、ランプホルダー(15)の
位置は固定したまま、ランプホルダー(15)へのソケ
ット(16)の支持位置を可変としている。このことに
よって、フィラメント(12)の大きさと、石英バルブ
(18)の大きさの変化にともなう発熱変化をコントロ
ールできるようにしている。
【0025】つまり、フィラメント(12)の大きさに
合った大きさの石英バルブ(18)がそのまま用いられ
るようにしているのである。図5は、原料棒(4)のシ
ャフト支持の構造についてその概要を示したものであ
る。支持シャフト(19)に数ミリメートル間隔で支持
用溝(20)を設け、これに支持具(21)が差し込ま
れて固定されるようになっている。
【0026】これにより、固定は完全となり、しかも実
質的に任意の位置での固定が可能となる。また、図6
は、上記の4個のハロゲンランプ(1)の出力制御の方
法として、直列並列併用方式の構成を示したブロック図
である。そして、図7および図8は、この方式以外のも
のとして、完全並列方式と完全直列方式の構成を例示し
たものである。
【0027】図7の完全並列方式の場合には、電圧は1
00Vもしくは200Vで制御可能であるが、電流が大
きくなりすぎて制御が若干面倒になる。また、電流は流
れやすいランプに集中しやすいため、温度のムラが発生
することがある。そして、図8の完全直列方式では、通
常のランプが100V用であるとすると、400Vの高
電圧を必要とし、あまり実際的ではない。
【0028】これに対して、図6の直列並列併用方式で
は、100V用のランプを200Vで使用でき、また、
ランプの抵抗値のバラツキの影響も受けにくいという特
徴がある。なお、この発明の装置では、たとえば図9に
示したような、従来の、磨りガラス等で作製したスクリ
ーン(22)を用いてフィラメント像を写し、これによ
ってフィラメントの位置を設定する方法に代えて、奥行
き位置の設定をも正確に、かつ容易とするための方法を
採用することができる。
【0029】この方法のための装置手段が、図10
(a)(b)(c)に示した、縦格子(23)を複数備
えた3次元構造体、すなわち、直交する縦格子板(2
4)を持つ構造体である。楕円鏡の一方の焦点位置にセ
ットされた、フィラメントは、他の焦点位置に投影され
る。この投影像は、空間に浮かんで見えることから、こ
の焦点位置に、3次元の格子を置くと、格子と投影像の
関係がハッキリと分かり、焦点位置の調整が容易とな
る。
【0030】フィラメント位置は、空間の3次元的に正
しい位置にセットされる必要があることから、このよう
な検査、調整方法が望ましいものとして、推奨される。
これによって、3次元的に正確にフィラメント位置を割
り出すことが可能となる。そこで実際に、上記の通りの
図1をはじめとする図面に示された4個の回転楕円面反
射鏡を持つ浮遊帯域溶融装置を用いて単結晶を育成する
と、離芯率が0.4〜0.65のものが最も効率的に、
良質な単結晶で、口径の大きなものの育成が可能とされ
た。一方、離芯率が0.65を超える場合には融液の保
持が難しく、良質で口径の大きな単結晶の育成は困難で
あった。0.4未満の場合には、育成効率は著しく低下
し、実用的なものとはならず、単結晶の品質もあまり良
好ではなかった。
【0031】
【発明の効果】この発明により、以上詳しく説明したと
おり、従来の装置による方法よりもはるかに安定した溶
融域が容易に形成できるようになり、口径の大きな単結
晶も容易に育成することが可能となり、その単結晶の特
性も従来よりも良質であるとの結果を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の浮遊帯域溶融装置を例示した構成概
要図である。
【図2】(a)(b)は、この発明で使用するハロゲン
ランプのフィラメント形状を例示した正面図と側面図で
ある。
【図3】ランプの装着部と冷却装置の配置を例示した構
成概要図である。
【図4】ランプのランプホルダーへの取付け位置を例示
した構成概要図である。
【図5】支持シャフトの取付け固定の構造を例示した断
面概要図である。
【図6】実施例におけるハロゲンランプの出力制御のた
めの直列並列併用方式を例示したブロック図である。
【図7】ランプ制御のための完全並列方式を例示したブ
ロック図である。
【図8】ランプ制御のための完全直列方式を例示したブ
ロック図である。
【図9】スクリーンを用いての、従来のフィラメント位
置の設定方法について示した概要図である。
【図10】(a)(b)(c)は、この発明のフィラメ
ント位置設定のための3次元構造を示した側面、正面、
そして斜視図である。
【図11】遮蔽筒を用いての、上下方向の光の分布を調
節する方法を例示した構成概要図である。
【符号の説明】
1 ハロゲンランプ 2 回転楕円面反射鏡 3 試料溶融部 4 原料棒 5 育成結晶 6 育成結晶支持部 7 原料棒支持部 8 種子結晶 9 原料棒支持駆動部 10 育成結晶支持駆動部 11 ランプ駆動部 12 フィラメント 13、14 ファン空冷装置 15 ランプホルダー 16 ソケット 17 ランプ口金 18 石英バルブ 19 支持シャフト 20 支持用溝 21 支持具 22 スクリーン 23 縦格子 24 縦格子板 25 上部遮蔽筒 26 上部遮蔽筒保持具(移動機構付) 27 透明石英管 28 下部遮蔽筒 29 下部遮蔽筒保持具(移動機構付)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面を反射面として直交軸上に対向配置
    した四個の回転楕円面反射鏡の対向する一方の焦点に赤
    外線ランプを設け、他方の焦点上で反射面から反射した
    赤外線を集光させることによって加熱する赤外線集中加
    熱式の浮遊帯域溶融装置であって、次式 【数1】 で定義される回転楕円面反射鏡の離芯率が0.4〜0.
    65であることを特徴とする浮遊帯域溶融装置。
  2. 【請求項2】 フィラメントの形状が板状のハロゲンラ
    ンプを赤外線ランプとして使用する請求項1の浮遊帯域
    溶融装置。
  3. 【請求項3】 赤外線ランプおよび反射鏡の冷却のため
    のファン空冷装置が各々別個に配設されている請求項1
    または2の浮遊帯域溶融装置。
  4. 【請求項4】 ランプホルダーの位置を固定したまま、
    ランプホルダーへのソケット支持位置が可変とされてラ
    ンプが装着される請求項1ないし3のいずれかの浮遊帯
    域溶融装置。
  5. 【請求項5】 支持部シャフトに間隔を置いて複数の取
    付け支持用溝を設け、この支持用溝に支持具を差し込ん
    で固定する半固定方式の支持構造が備えられている請求
    項1ないし4のいずれかの浮遊帯域溶融装置。
  6. 【請求項6】 ランプフィラメントの位置を設定するた
    めスクリーンとして、縦格子を複数配置した3次元構造
    が備えられた請求項1ないし5のいずれかの浮遊帯域溶
    融装置。
  7. 【請求項7】 棒状の被加熱試料を覆う形で中心部に配
    置された透明石英管の外周に沿って、ランプより発光し
    反射鏡において反射された光を遮断する遮蔽筒を上下に
    2組設け、この遮蔽筒の位置を上下に移動させて、上下
    の遮蔽筒のすき間を通過して被加熱試料に到達する光の
    分布を調節する請求項1の浮遊帯域溶融装置。
  8. 【請求項8】 遮蔽筒は反射鏡の外側から支持治具によ
    って保持されていて、その位置を最適位置にセット可能
    な機構を有する請求項7の浮遊帯域溶融装置。
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