JP2015080062A - 180度移相器 - Google Patents

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Abstract

【課題】高域通過フィルタや低域通過フィルタを実装することなく、180度の位相差がある2つの信号を出力することができる小型の180度移相器を得ることを目的とする。【解決手段】入力端子1から入力された高周波単相信号を位相差が180度の差動信号に変換するアクティブバラン2を設け、出力信号切替部4が、アクティブバラン2により変換された差動信号のうち、いずれか一方の信号を制御端子3により入力された制御信号にしたがって出力端子5に出力するように構成する。これにより、180度の位相差がある2つの信号を出力することができる。【選択図】図1

Description

この発明は、高周波単相信号を差動信号に変換し、制御信号したがって差動信号の一方の信号を出力する180度移相器に関するものである。
図5は非特許文献1に開示されている180度移相器を示す構成図である。
以下、図5の180度移相器の処理内容を簡単に説明する。
スイッチング用FET101,102は、制御端子114から入力された制御信号にしたがってオン状態又はオフ状態に遷移する。
制御端子114とスイッチング用FET103,104のゲート端子の間には、インバータ111が接続されているため、スイッチング用FET103,104は、制御端子114から入力された制御信号の反転信号にしたがってオン状態又はオフ状態に遷移する。
したがって、スイッチング用FET101,102がオン状態であるときは、スイッチング用FET103,104がオフ状態になり、スイッチング用FET101,102がオフ状態であるときは、スイッチング用FET103,104がオン状態になる。
このため、入力端子112から入力された高周波信号は、スイッチング用FET101,102又はスイッチング用FET103,104を通って、出力端子113から出力される。
ここで、スイッチング用FET101,102には、インダクタ105,106及びキャパシタ108からなる低域通過フィルタが接続されており、スイッチング用FET103,104には、インダクタ107及びキャパシタ109,110からなる高域通過フィルタが接続されている。
このため、入力端子112から入力された高周波信号がスイッチング用FET101,102を通る際には、低域通過フィルタの作用で、所望の通過位相遅れを与えられて出力端子113から出力される。
一方、入力端子112から入力された高周波信号がスイッチング用FET103,104を通る際には、高域通過フィルタの作用で、所望の通過位相進みを与えられて出力端子113から出力される。
よって、所望周波数におけるそれぞれのフィルタの通過位相を適切に設定することで、上記の高域通過フィルタ及び低域通過フィルタの違いによって、180度の移相量を得ることができる。
Y. Shen,T. Chen,L. Lin,X. Chen and J. Lin,"A X-Band Five-Bit MMIC Phase Shifter,"Microwave and Millimeter Wave Technology,2nd International Conference on. ICMMT 2000,Sept. 2000,pp.200-202.
従来の180度移相器は以上のように構成されているので、高域通過フィルタ及び低域通過フィルタの通過位相を適切に設定することで、180度の位相差がある2つの信号を出力することができる。しかし、高域通過フィルタ及び低域通過フィルタを構成するためには、複数のインダクタ105,106,107を実装する必要があり、大きな実装面積を確保しなければならない課題があった。特に、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)上に構成する場合には、実装面積の増加に伴ってコスト高になる問題がある。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、高域通過フィルタや低域通過フィルタを実装することなく、180度の位相差がある2つの信号を出力することができる小型の180度移相器を得ることを目的とする。
この発明に係る180度移相器は、単相の入力信号を位相差が180度の差動信号に変換するアクティブバランを設け、出力信号切替部が、アクティブバランにより変換された差動信号のうち、いずれか一方の信号を制御信号にしたがって出力するようにしたものである。
この発明によれば、単相の入力信号を位相差が180度の差動信号に変換するアクティブバランを設け、出力信号切替部が、アクティブバランにより変換された差動信号のうち、いずれか一方の信号を制御信号にしたがって出力するように構成したので、高域通過フィルタや低域通過フィルタを実装することなく、180度の位相差がある2つの信号を出力することができる小型の180度移相器が得られる効果がある。
この発明の実施の形態1による180度移相器を示す構成図である。 図1の180度移相器におけるアクティブバラン2の内部を示す構成図である。 この発明の実施の形態2による180度移相器を示す構成図である。 この発明の実施の形態3による180度移相器を示す構成図である。 非特許文献1に開示されている180度移相器を示す構成図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による180度移相器を示す構成図である。
図1において、入力端子1は高周波単相信号(単相の入力信号)を入力する端子である。
アクティブバラン2は入力端子1から入力された高周波単相信号を位相差が180度の差動信号に変換する処理を実施する。
制御端子3は出力対象の信号を指示する制御信号を入力する端子である。
出力信号切替部4は例えば切替スイッチなどから構成されており、アクティブバラン2により変換された差動信号のうち、いずれか一方の信号を制御端子3により入力された制御信号にしたがって出力端子5に出力する処理を実施する。
図2は図1の180度移相器におけるアクティブバラン2の内部を示す構成図である。
図2において、バイアス端子11はバイアス電圧を入力する端子である。
ゲート接地(CG:Common Gate)FET(電界効果トランジスタ)12は入力端子1から入力された高周波単相信号がソース端子に入力され、バイアス端子11から入力されたバイアス電圧がゲート端子に印加され、ドレイン端子が負荷抵抗13(第1の抵抗)を介して電源14と接続されている。
ソース接地(CS:Common Source)FET(電界効果トランジスタ)15は入力端子1から入力された高周波単相信号がゲート端子に入力され、ドレイン端子が負荷抵抗16(第2の抵抗)を介して電源14と接続されている。
バイアス抵抗17及びDCカット用キャパシタ18はゲート接地FET12及びソース接地FET15に適切なバイアス電圧を印加するために接続されている。
図1の180度移相器におけるアクティブバラン2は、CG−CS型アクティブバランであり、図2に示すように、FETや抵抗から構成されて、インダクタを用いていないため、小型化を図ることができる。
次に動作について説明する。
アクティブバラン2は、入力端子1から高周波単相信号が入力されると、その高周波単相信号を位相差が180度の差動信号に変換する。
即ち、アクティブバラン2のゲート接地FET12は、ソース端子から高周波単相信号が入力されると、その高周波単相信号を増幅し、ドレイン端子から入力信号と同相の高周波単相信号を出力する。
また、アクティブバラン2のソース接地FET15は、ゲート端子から高周波単相信号が入力されると、その高周波単相信号を増幅するとともに、その高周波単相信号の位相を反転し、ドレイン端子から入力信号と逆相の高周波単相信号を出力する。
これにより、ゲート接地FET12のドレイン端子から出力された高周波単相信号(例えば、位相0度の信号)と、ソース接地FET15のドレイン端子から出力された高周波単相信号(例えば、位相180度の信号)とが差動信号として、出力信号切替部4に出力される。
出力信号切替部4は、制御端子3により入力された制御信号が、例えば、位相0度の信号を選択する旨を示していれば、アクティブバラン2により変換された差動信号のうち、ゲート接地FET12のドレイン端子から出力された高周波単相信号を選択して、その高周波単相信号を出力端子5に出力する。
また、出力信号切替部4は、制御端子3により入力された制御信号が、例えば、位相180度の信号を選択する旨を示していれば、アクティブバラン2により変換された差動信号のうち、ソース接地FET15のドレイン端子から出力された高周波単相信号を選択して、その高周波単相信号を出力端子5に出力する。
この実施の形態1では、ゲート接地FET12とソース接地FET15のサイズ比を1:N(Nは1以上の整数)として、負荷抵抗13と負荷抵抗16の抵抗比をN:1としている。
FETのサイズ比及び負荷抵抗の抵抗比を上記のように設定することで、ゲート接地FET12で発生するノイズと、ソース接地FET15で発生するノイズとが互いに打ち消し合うようにすることができる。これにより、低雑音特性を有する180度移相器を得ることができる。
なお、ゲート接地FET12のサイズを調整することで、広帯域な入力整合を実現することができる。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、入力端子1から入力された高周波単相信号を位相差が180度の差動信号に変換するアクティブバラン2を設け、出力信号切替部4が、アクティブバラン2により変換された差動信号のうち、いずれか一方の信号を制御端子3により入力された制御信号にしたがって出力端子5に出力するように構成したので、高域通過フィルタや低域通過フィルタを実装することなく、180度の位相差がある2つの信号を出力することができる小型の180度移相器が得られる効果を奏する。
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2による180度移相器を示す構成図であり、図において、図1及び図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
カスコードカレントミラー回路21はゲート接地FET12とバイアス用FET22,23,24から構成されており、バイアス電圧をゲート接地FET12及びソース接地FET15のゲート端子に印加する処理を実施する。
なお、25はバイアス抵抗である。
次に動作について説明する。
この実施の形態2では、ゲート接地FET12及びソース接地FET15に適切なバイアス電圧を印加するために、アクティブバラン2がゲート接地FET12とバイアス用FET22,23,24からなるカスコードカレントミラー回路21を実装している。
図3のアクティブバラン2では、電源14からの電源電圧とバイアス抵抗25によって決定される参照電流と等しい電流が、ゲート接地FET12のソース−ドレイン間に流れることになる。
また、ソース接地FET15のゲート電圧は、バイアス用FET24のゲート電圧と等しくなるため、ソース接地FET15にも、ゲート接地FET12と等しいドレイン電流が流れる。
これにより、ゲート接地FET12及びソース接地FET15のバイアス条件が決定されるため、ソース接地FET15のゲート端子側に、図2に示すようなDCカット用キャパシタ18を接続する必要がなくなる。
この実施の形態2では、DCカット用キャパシタ18が持つ通過位相の周波数特性によって発生する差動出力のアンバランス(位相誤差)が無くなるため、広帯域に亘って高精度に動作する180度移相器が得られる。
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3による180度移相器を示す構成図であり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
この実施の形態3では、ゲート接地FET12、ソース接地FET15及びバイアス用FET22,23,24のソース端子に対して、抵抗31〜35がそれぞれ接続されている。
ゲート接地FET12のサイズを大きくすることで、相互コンダクタンスを増加させた場合でも、ゲート接地FET12のソース端子に接続されている抵抗31の値を調整することで、広帯域に入力整合を取ることができる。
ゲート接地FET12の相互コンダクタンスの増加に合わせて、ソース接地FET15の相互コンダクタンスを増加させることで、ゲート接地FET12及びソース接地FET15のドレイン電流が増加する。
上記の動作により、ゲート接地FET12のドレイン電流によって制限されていた線形性を改善する効果が得られる。これにより、高線形特性を持つ180度移相器を得ることができる。
この実施の形態3では、図3の180度移相器において、各FETのソース端子に対して、抵抗31〜35を接続しているものを示したが、図2の180度移相器において、ゲート接地FET12及びソース接地FET15のソース端子に対して抵抗31,32を接続するようにしてもよく、同様の効果を得ることができる。
実施の形態4.
上記実施の形態1〜5では、アクティブバラン2がゲート接地FET12とソース接地FET15から構成されているものを示したが、ゲート接地FET12とソース接地FET15をバイポーラトランジスタに置き換えるようにしてもよく、同様の効果を得ることができる。
ゲート接地FET12をバイポーラトランジスタ(ベース接地バイポーラトランジスタ)に置き換える場合、そのベース接地バイポーラトランジスタは、入力端子1から入力された高周波単相信号がエミッタ端子に入力され、バイアス端子11から入力されたバイアス電圧がベース端子に印加され、コレクタ端子が負荷抵抗13を介して電源14と接続される。
また、ソース接地FET15をバイポーラトランジスタ(エミッタ接地バイポーラトランジスタ)に置き換える場合、そのエミッタ接地バイポーラトランジスタは、入力端子1から入力された高周波単相信号がベース端子に入力され、コレクタ端子が負荷抵抗16を介して電源14と接続される。
この場合、ベース接地バイポーラトランジスタ及びエミッタ接地バイポーラトランジスタのコレクタ端子から差動信号が出力信号切替部4に出力される。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 入力端子、2 アクティブバラン、3 制御端子、4 出力信号切替部、5 出力端子、11 バイアス端子、12 ゲート接地FET、13 負荷抵抗(第1の抵抗)、14 電源、15 ソース接地FET、16 負荷抵抗(第2の抵抗)、17 バイアス抵抗、18 DCカット用キャパシタ、21 カスコードカレントミラー回路、22,23,24 バイアス用FET、25 バイアス抵抗、31〜35 抵抗、101,102,103,104 スイッチング用FET、105,106,107 インダクタ、108,109,110 キャパシタ、111 インバータ、112 入力端子、113 出力端子、114 制御端子。

Claims (6)

  1. 単相の入力信号を位相差が180度の差動信号に変換するアクティブバランと、
    前記アクティブバランにより変換された差動信号のうち、いずれか一方の信号を制御信号にしたがって出力する出力信号切替部と
    を備えた180度移相器。
  2. 前記アクティブバランは、
    前記単相の入力信号がソース端子に入力され、バイアス電圧がゲート端子に印加され、ドレイン端子が第1の抵抗を介して電源と接続されているゲート接地FETと、
    前記単相の入力信号がゲート端子に入力され、ドレイン端子が第2の抵抗を介して前記電源と接続されているソース接地FETとを備えており、
    前記ゲート接地FET及び前記ソース接地FETのドレイン端子から差動信号が前記出力信号切替部に出力されることを特徴とする請求項1記載の180度移相器。
  3. 前記ゲート接地FETと前記ソース接地FETとのサイズ比が1対N(Nは1以上の整数)で、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との抵抗比がN対1であることを特徴とする請求項2記載の180度移相器。
  4. 前記ゲート接地FETと複数のバイアス用FETからカスコードカレントミラー回路が構成されており、
    前記カスコードカレントミラー回路は、バイアス電圧を前記ゲート接地FET及び前記ソース接地FETのゲート端子に印加することを特徴とする請求項2または請求項3記載の180度移相器。
  5. 前記ゲート接地FET及び前記ソース接地FETのソース端子に抵抗がそれぞれ接続されており、前記ゲート接地FETのソース端子に接続されている抵抗の値が調整されることで、入力整合が行われることを特徴とする請求項2から請求項4のうちのいずれか1項記載の180度移相器。
  6. 前記アクティブバランは、
    前記単相の入力信号がエミッタ端子に入力され、バイアス電圧がベース端子に印加され、コレクタ端子が第1の抵抗を介して電源と接続されているベース接地バイポーラトランジスタと、
    前記単相の入力信号がベース端子に入力され、コレクタ端子が第2の抵抗を介して前記電源と接続されているエミッタ接地バイポーラトランジスタとを備えており、
    前記ベース接地バイポーラトランジスタ及び前記エミッタ接地バイポーラトランジスタのコレクタ端子から差動信号が前記出力信号切替部に出力されることを特徴とする請求項1記載の180度移相器。
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