JP2015078543A - 駐車台装置 - Google Patents

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【課題】水害による冠水時、水位が上昇しても自動車が沈むのを防ぐ駐車台装置を提供する。【解決手段】平時には地面上に載置され、自動車を駐車可能な上面を有し、水害時には自動車の水没を防いで自動車を守る駐車台装置であって、自動車が駐車した状態で、浸水により水位が上昇したときに、浮上し得る構造の駐車台2を備え、駐車台2は、駐車した自動車60のタイヤが載る部分に天地方向に貫通した孔を有し、前記孔内には、平時の駐車時にタイヤを支え、冠水したときに駐車台と共に浮上しない重量を持つタイヤ支持部材3a〜3dが嵌っており、冠水により水位が上昇したとき、タイヤ支持部材3a〜3dが地面側に残り、駐車台2が浮上することにより、タイヤが前記孔に嵌り、自動車60が駐車台2上に固定される。タイヤが孔に嵌る構成を採用したことにより、横波により自動車60が横転することを抑えることができる。【選択図】図4

Description

本発明は、水害により冠水し、その水位が上昇したときに自動車の水没を防ぐ浮きとして機能する駐車台装置に関する。
従来、平時は自家用車のトランクルームに収納しておき、水害時にトランクルームから取り出して、空気を充填して膨らませることによって、冠水したときに自動車の水没を防ぐプレート状の浮きとなる装置が提案されている(特許文献1参照)。
実用新案登録第3168992号公報
従来の装置は、空気を入れて膨らますのに時間を要するため、津波のような急激な水位上昇時には使えない。また、プレート状の浮きの上に自動車を載せるだけであるため、重心が高く、横波により横転し易い。
本発明は、上記従来例の問題を解決するためになされたものであり、津波のような急激な水位上昇時に直ちに浮きとして機能し、横波に比較的、横転しにくい駐車台装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、平時には地面上に載置され、自動車を駐車可能な上面を有し、水害時には自動車の水没を防いで自動車を守る駐車台装置であって、自動車が駐車した状態で、浸水により水位が上昇したときに、浮上し得る構造の駐車台を備え、前記駐車台は、駐車した自動車のタイヤが載る部分に天地方向に貫通した孔を有し、前記孔内には、平時の駐車時にタイヤを支え、冠水したときに駐車台と共に浮上せず、タイヤにより押し下げられる程度の浮力、又は浮力を有さない重量のタイヤ支持部材が嵌っており、冠水により水位が上昇したとき、前記タイヤ支持部材が地面側に残り、駐車台が浮上することにより、タイヤが前記孔に嵌り、自動車が駐車台上に固定されることを特徴とする。
前記駐車台は、自動車を載せた状態で浮上するだけの浮力を有する発泡樹脂製のブロックと、前記ブロックの自動車の車輪の通る走行路上を補強し、かつ、樹脂ブロックに加わる力を分散させる補強版と、を備えていることが好ましい。
前記ブロックは、一塊のブロックへと合体可能なように複数に分割された部品と、前記複数の部品を一つのブロックにまとめる固定具と、を備えていることが好ましい。
本発明によれば、水害時、駐車台が浮きとして機能し、その際に、自動車のタイヤが駐車台の孔に嵌るので、駐車台が傾いても自動車が駐車台からずり落ちない。また、タイヤが孔に嵌ることにより駐車台上での自動車の重心が下がるので、横波による横転を抑制することができる。
本発明の一実施の形態に係る駐車台装置の斜視図。 同駐車台装置の正面図、平面図、左側面図、及び背面図。 同駐車台装置の構成を説明するための分解斜視図。 (a)は平時の同駐車台装置の使用状態を示す側面図、(b)は水害時の同駐車台装置の使用状態を示す側面図。
本発明の駐車台装置は、水害により冠水し水位が上昇したときに、自らの浮力で浮上し得る駐車台を備えている。駐車台は、自動車が駐車した状態で、浸水により水位が上昇したときに、浮上し得る構造、例えば発泡樹脂製のブロックで構成されている。駐車台は、駐車した自動車のタイヤが載る位置に天地方向に貫通している孔を有しており、各孔には、冠水したときに駐車台と共に浮上せず、タイヤにより押し下げられる程度の浮力、又は浮力を有さない重量のタイヤ支持部材が嵌っている。上記構成の駐車台装置では、水害時に冠水したとき、タイヤ支持部材が地面側に残り、駐車台が浮上することにより、タイヤが孔に嵌り、自動車が駐車台上に固定される。
図1乃至図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る駐車台装置1は、地面70に敷いて、又は、その表面が地面70と同一の高さとなるように埋設して使用される駐車台2を備えている。駐車台2は、浮力を有する発泡樹脂、例えば発泡ウレタンで造られており、駐車した自動車60(図4参照)のタイヤが載る位置に天地方向に貫通している孔(タイヤ落とし穴)2a、2b、2c、2dを有している。各孔2a〜2dには、冠水したときに駐車台2と共に浮上しない重量を持つタイヤ支持部材3a、3b、3c、3dが嵌っている。タイヤ支持部材3a〜3dは、駐車している自動車を支持するのに十分な強度を有している。
駐車台2の周囲には、駐車している自動車60のタイヤの前後車軸60a、60b(図4参照)を跨ぐように取り付けられ、自動車を駐車台2に固定するための伸縮性を有しているバンド状のホイル固定ラバーロープ4a、4b、4c、4dが設けられている。このホイル固定ラバーロープ4a、4b、4c、4dは、例えばカンフック4e(図2を参照)によって、駐車台2に取り付けられる。
駐車台2を地面70に敷いて用いる場合、地面70と駐車台2の上面とを繋ぐスロープ部品(ブリッジ)5a、5bを用いる。
駐車台2の面上には、乗り降りする際の自動車60の走行路上に、4つのタイヤから加わる力によって駐車台2が凹まないように力を分散させる補強版6a、6bが、設けられている。補強板6a、6bの表面には、タイヤが滑らないようにする凸凹が設けられている。タイヤ支持部材3a〜3dの上面にも、同様の凸凹の付された補強版6c〜6fが設けられている。
図3の分解斜視図に示すように、駐車台2は、一塊のブロックへと合体可能なように複数に分割された部品20と、前記複数の部品20を一つのブロックにまとめる固定具21とを備えている。部品20は、直方体の8個の分割部品(荷役用樹脂製パレットのブロック)20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20hで構成され、4つの分割部品20a〜20dを並べた上層と、4つの分割部品20e〜20hを並べた下層とを重ね合わせることにより、一塊のブロックとなる。各分割部品は、同じ外形寸法を有する直方体の形状を有している。上下に位置する分割部品には、タイヤ支持部材3a〜3dが嵌る天地方向に連通している孔2a〜2dが設けられている。当該構成を採用することにより、駐車台装置1を設置する場所まで駐車台2を運搬する作業が容易になる。
8個の分割部品20a〜20hは、固定具21により、1塊のブロックに合体される。詳しくは、分割部品20a〜20hの外周部分は、組立補強版21a〜21hにより隣り合う分割部品同士が連結されている。また、組立補強板21a〜21hの間は、保護版21i〜21pにより連結されている。また、分割備品20a〜20dの上縁部分には、保護アングルが取り付けられている。なお、図3においては、分割部品20a〜20hは合体前のものも合体後のものも実線で描いている。
一実施例において、分割部品20a〜20hは、自重50kg、寸法1450mm×1750mm×150mmのウレタン樹脂で構成される。この場合、3045kgの浮力が得られる。駐車台2の重量(分割備品の重量+固定具21の重量=約800kg)を考慮しても、自動車、避難している人及び荷物の総重量が約2.2tまでのものを浮かすことができる。なお、分割部品を4枚追加して3層構造とすれば、4567kgの浮力が得られる。駐車台2の重量(分割備品の重量+固定具21の重量=約1000kg)を考慮しても、自動車、避難している人及び荷物の総重量が約3.5tまでのものを浮かすことができる。
タイヤ支持部材3a〜3dは、水害時、冠水したときに駐車台2が浮上するのに対し、タイヤにより押し下げられる程度の浮力しか有していない構造物、または、浮上しない、例えばコンクリート、鉄などの直方体の沈下ブロックで構成される。
図4(a)に示すように、平時、外出先より帰ってきた自動車60の所有者は、駐車台2上に自動車60を駐車する。例えば、予報などに基づく災害対策時、または、冠水が始まった場合には、ホイル固定ラバーロープ4a、4b、4c、4dを、車軸60a、60bを跨ぐように取り付ける。
図4(b)に示すように、水害により冠水した場合(波線は水面を示す)、駐車台2は、その浮力により直ちに駐車している自動車60を浮上させるので、津波のように水位が急に上昇した時でも直ちに浮きとして機能する。駐車台2の浮上に伴い、タイヤ支持部材3a〜3dは、孔2a〜2dの下方に沈み、その結果、図示のようにタイヤが孔2a〜2dに嵌り、自動車60が駐車台2上に固定される。これにより、駐車台2上の自動車60は、横波等により駐車台2が傾いても、バランスを崩してずり落ちたりしない。また、タイヤが孔2a〜2dに嵌ることにより、駐車台2上での自動車60の重心が下がるので、横波によって駐車台2が横転することを有効に抑制することができる。これにより、自動車60の車内を避難用シェルターとして使用することができる。
図4(b)に示すように、駐車台2は、浮上した際の浮動範囲を制限して押し流されないようにする、チェーン、ワイヤー、伸縮性のあるロープ等の連結具(押し流し防止ワイヤー)30により地中に埋めてある錘31に繋がれていることが好ましい。なお、連結具30の長さは、冠水時に想定される水位により定める。駐車台装置1は、駐車台2の浮上に伴いタイヤが孔2a〜2dに嵌る構成を採用しているので、自動車60がずり落ちにくく、万が一、想定する深さよりも水位が上昇した場合でも、直ちにバランスを崩して横転し、自動車60が沈むような事態を有効に抑制することができる。
なお、本発明は、上記各種実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、錘31は、地中に埋めてなくても近くにある既存の建築物で代用してもよい。また、波止場で船を留めておく場合のように、近くにポールを建てて、該ポールにリングを取り付け、該リングに連結具30を取り付ける構成を採用してもよい。この場合、浮上した際に駐車台2が浮動する範囲をより制限することができる。
本発明の駐車台装置は、タイヤ支持部材3a〜3dを収める孔2a〜2dの位置及びサイズを種々変更することにより、種々のサイズの自動車用の装置を用意することができる。この場合、ホイル固定ラバーロープ4a、4b、4c、4d、スロープ部品(ブリッジ)5a、5b、固定具21については設計変更することなく使用できる利点がある。
1 駐車台装置
2 駐車台
2a〜2d 孔
3a〜3d タイヤ支持部材
4a〜4d ホイル固定ラバーロープ
20a〜20h 分割部品(ブロック)
5a、5b スロープ部品
20a〜20h 分割部品
21a〜21h 固定具(組立補強板)
6a、6b、6c〜6f 補強板
30 連結具
31 錘
60 自動車
60a、60b 車軸
70 地面

Claims (3)

  1. 平時には地面上に載置され、自動車を駐車可能な上面を有し、水害時には自動車の水没を防いで自動車を守る駐車台装置であって、
    自動車が駐車した状態で、浸水により水位が上昇したときに、浮上し得る構造の駐車台を備え、
    前記駐車台は、駐車した自動車のタイヤが載る部分に天地方向に貫通した孔を有し、
    前記孔内には、平時の駐車時にタイヤを支え、冠水したときに駐車台と共に浮上せず、タイヤにより押し下げられる程度の浮力、又は浮力を有さない重量のタイヤ支持部材が嵌っており、
    冠水により水位が上昇したとき、前記タイヤ支持部材が地面側に残り、駐車台が浮上することにより、タイヤが前記孔に嵌り、自動車が駐車台上に固定されることを特徴とする駐車台装置。
  2. 前記駐車台は、自動車を載せた状態で浮上するだけの浮力を有する発泡樹脂製のブロックと、前記ブロックの自動車の車輪の通る走行路上を補強し、かつ、樹脂ブロックに加わる力を分散させる補強版と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の駐車台装置。
  3. 前記ブロックは、一塊のブロックへと合体可能なように複数に分割された部品と、前記複数の部品を一つのブロックにまとめる固定具と、を備えていることを特徴とする請求項2に記載の駐車台装置。
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