JP2017189990A - 船舶、船舶を使用した搬送方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的単純な構成でありながら、水陸両用車を活動水域において発進、好ましくは揚収することができ、かつ、水陸両用車を塔載する車両甲板のスペースを大きく確保することができる水陸両用車を搬送するのに特化した船舶および船舶を使用した搬送方法を提供する。
【解決手段】水陸両用車20を塔載する車両甲板5の船尾3側に設けた、車両甲板5の後端部5aから船尾端部3aにかけて下方に傾斜する傾斜甲板6から、水陸両用車20を傾斜甲板6を下らせるように走行あるいは滑走させて水上に発進させる。
【選択図】図2
【解決手段】水陸両用車20を塔載する車両甲板5の船尾3側に設けた、車両甲板5の後端部5aから船尾端部3aにかけて下方に傾斜する傾斜甲板6から、水陸両用車20を傾斜甲板6を下らせるように走行あるいは滑走させて水上に発進させる。
【選択図】図2
Description
本発明は、船舶および船舶を使用した搬送方法に関し、より詳細には、比較的単純な構成でありながら、水陸両用車を活動水域において発進、好ましくは揚収することができ、かつ、水陸両用車を塔載する車両甲板のスペースを大きく確保することができる水陸両用車を搬送するのに特化した船舶および船舶を使用した搬送方法に関する。
水上および陸上を走行可能な車両として、陸上走行用のタイヤや履帯(無限軌道、クローラ)と、水上走行用の水上推進装置(スクリュープロペラおよびウォータージェット等)とを備えた水陸両用車が知られている(例えば、特許文献1参照)。水陸両用車は、軍事用車両の他、水難救助車や災害対策車両として利用されている。
従来では、水陸両用車を岸(浅瀬等)から自走で水上に発進させ、水陸両用車が水上を自走して活動水域まで移動させている。しかしながら、水陸両用車は水上移動に特化した構造ではないため、水上における移動速度は船舶に比べて遅く、水上移動時の揺動も大きい。そのため、活動水域が岸から遠い場合には、水上移動に多くの時間を要する。また、水陸両用車の乗員は揺動の大きな車内で長時間滞在することになるため、船酔いするという問題もある。そのため、水陸両用車を活動水域と岸との間を短時間で移動させることができる方法が望まれている。
そこで、本発明者は、船舶に水陸両用車を搭載し、船舶によって水陸両用車の岸と活動水域との間の搬送を行なう方法であれば、水上移動に要する時間を大幅に短縮することができ、また、船舶による搬送中には、水陸両用車の乗員は船内に待機できるので、乗員が船酔いする可能性を低減できるとの知見を得た。ただし、この船舶を使用した搬送方法では、活動水域において水陸両用車を船舶の車両甲板から水上へ発進、好ましくは、水上から船舶の車両甲板に揚収する必要があり、その工夫が必要であるとの知見も得た。
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、比較的単純な構成でありながら、水陸両用車を活動水域において発進、好ましくは揚収することができ、かつ、水陸両用車を塔載する車両甲板のスペースを大きく確保することができる船舶および船舶を使用した搬送方法を提供することにある。
上記のような目的を達成するための本発明の船舶は、水陸両用車を活動水域へ搬送する船舶であって、前記水陸両用車を塔載する車両甲板と、船幅方向に関しては一部又は全部となる、前記車両甲板の後端部から船尾端部にかけて下方に傾斜する傾斜甲板とを備えていることを特徴とする。
この構成によれば、比較的単純な構成でありながら、水陸両用車を車両甲板から水上へ発進させることが可能になる。また、水陸両用車を傾斜甲板を下らせるように走行あるいは滑走させて水陸両用車を水上に発進させることで、水陸両用車を水上に迅速に発進することが可能となる。それ故、複数の水陸両用車を短時間で発進させる場合には、特に有用である。また、船首側から車両甲板に打ち込んできた海水を後部の傾斜甲板から排出することができるようになるので海水の水はけが非常によくなる。
なお、この水陸両用車を車両甲板から水上に発進させる方法としては、例えば、図8に示すように、車両甲板の後端部にランプウェイを設け、このランプウェイを水中へ向かって下方傾斜させるように延在配置して、水陸両用車を車両甲板からランプウェイを走行あるいは滑走させて水上に発進させる方法が考えられる。
しかしながら、一般的な船舶では、車両甲板の後端部の水面からの高さ(乾舷)は高いので、ランプウェイの先端部の高さ位置を水陸両用車が水上に発進可能な高さにするためには、長いランプウェイを設ける必要がある。さらに、水陸両用車を水上から車両甲板に揚収する場合には、ランプウェイの先端部の高さ位置をさらに低くする必要があるため、さらに長いランプウェイを設ける必要がある。
そして、ランプウェイを水中に架け渡す場合には、ランプウェイの先端部が支持されずに片持ち梁のような状態になるので、ランプウェイが長くなるとランプウェイと船体との接合部(ランプヒンジ部)にかかる負荷が非常に大きくなる。また、水陸両用車の重量は、例えば、20〜30t程度と非常に大きいので、水陸両用車の重量に耐え得る長いランプウェイを設けることは困難である。また可能だとしても、ランプウェイを支持する大きな付帯設備が必要になる。
また、別の水陸両用車を車両甲板から水上に発進させる方法としては、他にも例えば、船舶を対象としたドック方式の降下揚収方法を水陸両用車に応用する方法が考えられる。具体的には、例えば、図9のように、車両甲板の船尾側にドック甲板を設け、水陸両用車を車両甲板からドック甲板に移動させ、ドック甲板を浸水させて、水陸両用車を水上へ発進させる方法が考えられる。しかしながら、この場合には、ドック甲板のスペースと車両甲板からドック甲板までを繋ぐ走路のスペースを確保する必要があるため、水陸両用車を塔載する車両甲板のスペースが狭くなる。
本発明は、これらの水陸両用車を車両甲板から水上に発進させる方法に比べれば、車両甲板の船尾側にドック甲板を設ける場合に要するスペースに比して、傾斜甲板が要するスペースは非常に小さいので、水陸両用車を塔載する車両甲板のスペースを大きく確保することができる。
上記の船舶において、前記傾斜甲板の後端部にランプウェイを備えた構成にすると、ランプウェイを水中まで延在するように配置することで、水陸両用車を水上からランプウェイおよび傾斜甲板を上らせるようにして車両甲板に揚収することができる。また、水陸両用車を発進させるときにおいては、傾斜甲板の後端部のランプウェイを水中まで延在するように配置することで、水陸両用車が水上に浮かぶ寸前までランプウェイ上を走行あるいは滑走することができるので、水陸両用車が水上に進入する際に生じる振動や衝撃を低減することができ、よりスムーズに水陸両用車を発進させることが可能になる。なお、上記の船舶では、傾斜甲板を備えることで傾斜甲板の後端部の水面からの高さを低くできるので、水陸両用車を水上から車両甲板に揚収することが可能な構成にする場合においても、傾斜甲板の後端部に設けるランプウェイは短いもので構わない。つまり、短いランプウェイで構成できるので、水陸両用車の重量にも十分耐え得る。
上記の船舶において、船首側にランプウェイを備えた構成にすると、他の荷役設備を使用することなく、船舶のみで水陸両用車を岸と車両甲板との間を移動させることが可能になるので、水陸両用車の岸と活動水域との間の搬送を行なう船舶として非常に汎用性が高くなる。
上記の船舶において、前記車両甲板に対する前記傾斜甲板の傾斜角度が、10度以上で、かつ、20度以下に固定されている構成にすると、傾斜甲板の傾斜角度が水陸両用車が傾斜甲板を自走で上ることができる範囲、即ち、水陸両用車を自走で揚収できる範囲でありながら、できるだけ傾斜角度を大きくできるので、車両甲板のスペースを大きく確保することができる。
言い換えると、傾斜角度が、20度より大きいと、水陸両用車が傾斜甲板を自走で上ることが難しくなるので、水陸両用車を水上から車両甲板に揚収するには、ウインチ等の設備が必要になる。一方、傾斜角度が、10度より小さいと、傾斜甲板の船尾端部の水面からの高さを低くするために必要な傾斜甲板の長さが長くなるので、車両甲板のスペースを確保するのに不利になる。
上記の船舶において、前記車両甲板に対する前記傾斜甲板の傾斜角度を変更可能な傾動機構を備えており、この傾動機構によって前記車両甲板に対する前記傾斜甲板の傾斜角度が0度以上であり、かつ、40度以下の範囲で変化する構成にすると、水陸両用車を発進および/または揚収するときにのみ、車両甲板に対して傾斜甲板を下方に傾斜させ、それ以外のときには、傾斜甲板の車両甲板に対する傾斜角度を0度にして傾斜甲板を車両甲板と平行にすることで、傾斜甲板にも水陸両用車を塔載することが可能になる。つまり、傾斜甲板を車両甲板の一部として有効に活用することで、水陸両用車の搭載台数を増やすことができる。
上記のような目的を達成するための本発明の船舶を使用した搬送方法は、水陸両用車を活動水域へ搬送する搬送方法であって、前記水陸両用車を塔載する車両甲板の船尾側に設けた、前記車両甲板の後端部から船尾端部にかけて下方に傾斜する傾斜甲板から、前記水陸両用車を水上に下らせて発進させることを特徴とする。
この方法によれば、船舶で水陸両用車を搬送することで、水陸両用車を活動水域と岸との間を短時間で移動させることができる。さらに、比較的単純な構成でありながら、水陸両用車を車両甲板から水上へ発進させることが可能になる。また、水陸両用車を傾斜甲板を下らせるように走行あるいは滑走させて水陸両用車を水上に進入させることで、水陸両用車を水上に迅速に発進することが可能になる。それ故、複数の水陸両用車を短時間で発進させる場合には、特に有効である。
さらに、車両甲板の船尾側にドック甲板を設ける場合に要するスペースに比して、傾斜甲板が要するスペースは非常に小さいので、水陸両用車を塔載する車両甲板のスペースを大きく確保することができる。
上記の船舶を使用した搬送方法において、前記傾斜甲板の後端部に前記傾斜甲板に接続するランプウェイを設け、前記水陸両用車を前記車両甲板から水上に発進させるときには、前記ランプウェイを水中まで延在するように配置し、前記水陸両用車を前記傾斜甲板と前記ランプウェイを下らせて水上に発進させ、前記水陸両用車を水上から前記車両甲板に揚収するときには、前記船尾ランプウェイを水中まで延在するように配置し、前記水陸両用車を前記ランプウェイと前記傾斜甲板を上らせて前記車両甲板に揚収すると、次のような効果を発揮できる。
この方法によれば、活動水域において水陸両用車を船舶に揚収し、水陸両用車を活動水域から岸に搬送することも可能となる。また、水陸両用車を発進させるときにおいては、水陸両用車は水上に浮かぶ寸前までランプウェイ上を走行あるいは滑走することができるので、水陸両用車が水上に進入する際に生じる振動や衝撃を低減でき、よりスムーズに水陸両用車を発進させることが可能になる。
なお、上記の船舶を使用した搬送方法では、傾斜甲板を設けることで傾斜甲板の後端部の水面からの高さを低くできるので、水陸両用車を水上から車両甲板に揚収することが可能な構成にする場合においても、傾斜甲板の後端部に設けるランプウェイは短いもので構わない。つまり、短いランプウェイで構成できるので、水陸両用車の重量にも十分耐え得る。
上記の船舶を使用した搬送方法において、前記水陸両用車を岸から前記車両甲板に収容するときおよび/または前記水陸両用車を前記車両甲板から岸に揚陸するときに、船首側に設けた船首ランプウェイを岸に渡して前記水陸両用車を移動させると、他の荷役設備を使用することなく、船舶のみで水陸両用車を岸と車両甲板との間を移動させることが可能になるので、水陸両用車の岸と活動水域との間の搬送を行なう船舶として非常に汎用性が高くなる。
上記の船舶を使用した搬送方法において、前記水陸両用車を前記車両甲板から水上に発進させるときおよび/または前記水陸両用車を水上から前記車両甲板に揚収するときに、前記船舶のバラスト水の水量を増加させることにより、前記船舶の喫水を深くすると、傾斜甲板の後端部の水面からの高さをさらに低くすることができるので、水陸両用車をよりスムーズに発進および/または揚収することができる。また、傾斜甲板の後端部にランプウェイを設ける場合には、ランプウェイの長さをより短くすることができる。
本発明の船舶および船舶を使用した搬送方法によれば、船舶で水陸両用車を搬送することで、水陸両用車を活動水域と岸との間を短時間で移動させることができる。さらに、車両甲板の後端部から船尾端部にかけて下方に傾斜する傾斜甲板を設けるという比較的簡単な構成でありながら、水陸両用車を車両甲板から水上へ発進させることが可能になる。また、水陸両用車を傾斜甲板を下らせるように走行あるいは滑走させて水陸両用車を水上に進入させることで、水陸両用車を水上に迅速に発進させることができる。
さらに、車両甲板の船尾側にドック甲板を設ける場合に要するスペースに比して、傾斜甲板が要するスペースは非常に小さいので、水陸両用車を塔載する車両甲板のスペースを大きく確保することができる。
以下、本発明に係る実施の形態の船舶および船舶を使用した搬送方法を図面を参照しながら説明する。
本発明に係る実施の形態の船舶は、水陸両用車を搬送するのに特化した船舶である。この水陸両用車とは、水上および陸上を走行可能な車両のことをいう。具体的には、例えば、陸上走行用のタイヤや履帯(無限軌道、クローラ)と、水上走行用の水上推進装置(スクリュープロペラやウォータージェット等)とを備えた軍事用車両や水難救助車、災害対策車両等である。
図1〜図3に示すように、本発明に係る第1の実施の形態の船舶1は、水陸両用車20を塔載する車両甲板5と、車両甲板5の後端部5aから船尾端部3aにかけて下方に傾斜する傾斜甲板6とを備えている。この実施の形態では、車両甲板5と傾斜甲板6とによって船舶1の上甲板4が形成されており、車両甲板5と傾斜甲板6は船体に対して固定されている。即ち、車両甲板5に対する傾斜甲板6の傾斜角度θは固定されている
図1の(b)に示すように、この実施の形態の傾斜甲板6は船体幅方向中央に設けられており、傾斜甲板6の通路幅Wは、水陸両用車20が1台通行可能な通路幅Wに、具体的には3m〜5mに設定されている。なお、この実施の形態では、船幅方向に関して船幅の一部が傾斜甲板6で構成されているが、船舶1の船幅全部を傾斜甲板6で構成してもよい。また、船幅方向に関して複数の傾斜甲板6を設けてもよい。
図1の(b)に示すように、この実施の形態の傾斜甲板6は船体幅方向中央に設けられており、傾斜甲板6の通路幅Wは、水陸両用車20が1台通行可能な通路幅Wに、具体的には3m〜5mに設定されている。なお、この実施の形態では、船幅方向に関して船幅の一部が傾斜甲板6で構成されているが、船舶1の船幅全部を傾斜甲板6で構成してもよい。また、船幅方向に関して複数の傾斜甲板6を設けてもよい。
図3に示すように、車両甲板5に対する傾斜甲板6の傾斜角度θ1は、0度より大きく、かつ、40度以下、好ましくは、0度より大きく、かつ、20度以下、より好ましくは、10度以上で、かつ、20度以下にするとよい。
車両甲板5に対する傾斜甲板6の傾斜角度θ1を0度より大きく、かつ、40度以下にすれば、傾斜角度θ1が水陸両用車20が傾斜甲板6を安定した状態で下ることができる範囲にすることができる。
さらに、車両甲板5に対する傾斜甲板6の傾斜角度θ1を0度より大きく、かつ、20度以下にすれば、傾斜角度θ1が水陸両用車20が傾斜甲板6を水上に進入する際の衝撃や振動をより小さくすることができる範囲にすることができる。
さらに、車両甲板5に対する傾斜甲板6の傾斜角度θ1を10度以上で、かつ、20度以下にすれば、傾斜角度θ1が水陸両用車20が傾斜甲板6を水上に進入する際の衝撃や振動をより小さくすることができる範囲でありながら、できるだけ傾斜角度を大きくできるので、車両甲板5のスペースを大きく確保することができる。
言い換えると、水陸両用車20が滑走した状態で安定した状態で下ることができる傾斜角度の最大値は40度程度であり、水陸両用車20が走行してより安定した状態で下ることができる傾斜角度の最大角度は20度程度である。つまり、傾斜角度θ1が40度より大きいと傾斜がきつくなりすぎるため、水陸両用車20が傾斜甲板6を安定した状態で下ることが難しくなる。また、傾斜角度θ1が40度以下であっても、傾斜角度θ1が20度より大きいと水陸両用車20が傾斜甲板6を安定した状態で下ることはできるが、水陸両用車20が滑走した状態になるので水陸両用車20の水上への進入速度を制御することは難しくなる。それ故、水陸両用車20が水上に進入する際に生じる衝撃や振動はある程度大きくなる。一方、傾斜角度θ1が、10度より小さいと、傾斜甲板6の船尾端部6aの水面からの高さHを低くするために必要な傾斜甲板6の船長方向の水平距離L1(図1及び図2を参照)が長くなるので、車両甲板5のスペースを確保するのに不利になる。
傾斜甲板6の後端部6a(船尾端部3a)の計画満載喫水線DWLからの高さH(乾舷)は、0m以上で、かつ、1m以下、好ましくは、0.3m以上で、かつ、0.6m以下にするとよい。
傾斜甲板6の後端部6aの計画満載喫水線DWLからの高さHを0m以上で、かつ、1m以下にすると、水陸両用車20が傾斜甲板6から水上に安全に発進できる範囲でありながら、できるだけ傾斜甲板6の水平距離L1を短くできるので、車両甲板5のスペースを大きく確保することができる。
さらに、傾斜甲板6の後端部6aの計画満載喫水線DWLからの高さHを0.2m以上で、かつ、0.6m以下にすると、水陸両用車20が傾斜甲板6から水上に進入する際の衝撃や振動をより少なくできる範囲でありながら、より傾斜甲板6の水平距離L1を短くできるので、車両甲板5のスペースを大きく確保するのにより有利になる。
傾斜甲板6の船長方向の水平距離L1は、例えば、船舶1の垂線間長さLppの3%以上で、かつ、30%以下の距離にするとよい。あるいは、傾斜甲板6の船長方向の水平距離L1は、例えば、4m以上で、かつ、15m以下にするとよい。傾斜甲板6の船長方向の水平距離L1をこれらの値にすると、傾斜甲板6に対して車両甲板5のスペースを十分に確保しつつ、水陸両用車20が傾斜甲板6を安全に発進できる範囲となる。
言い換えると、水平距離L1が垂線間長さLppの3%より短い場合には、傾斜甲板6の水平距離L1をある程度長くしても車両甲板5のスペースを十分に確保できるので、傾斜甲板6の車両甲板5に対する傾斜角度θ1をより小さくして水陸両用車20が傾斜甲板6をより安全に発進できる構成にすることが好ましい。一方、水平距離L1を船舶1の垂線間長さLppの30%より長くすると、傾斜甲板6が占めるスペースの割合が大きくなるので、車両甲板5のスペースを大きく確保することが難しくなる。
図3に示す傾斜甲板6の長さL2は、搭載する水陸両用車20のホイールベース(履帯の接地長さ)よりも長く設定するとよい。傾斜甲板6の長さL2を、搭載する水陸両用車20のホイールベースより長くすると、水陸両用車20が傾斜甲板6を下る際に水陸両用車20のタイヤや履帯のすべてが傾斜甲板6に接地した状態で傾斜甲板6を下り、傾斜甲板6の傾斜角度θ1で水上に進入することができる。それ故、水陸両用車20をより安定した状態で発進させることが可能になる。
具体的には、多くの水陸両用車20のホイールベースは4m〜8m程度であるので傾斜甲板6の長さL2は4m以上で、かつ、15m以下にするとよい。傾斜甲板6の長さL2を4m以上の長さにすれば、水陸両用車20のホイールベースが4mより長い場合にも水陸両用車20はある程度安定した状態で傾斜甲板6を下ることが可能性になる。なお、傾斜甲板6の長さL2を15mより長くすると傾斜甲板6の長さが必要以上に長くなるので、車両甲板5のスペースを確保するのに不利になる。
船舶1は、さらに、船首2側に船首ランプウェイ9を備えている。船首ランプウェイ9は、車両甲板5の先端部に設けられた船首ランプヒンジ部9aに回動可能に接続されている。
次に、この船舶1を使用した水陸両用車20の搬送方法を説明する。以下の説明では、岸Qに待機した水陸両用車20を活動水域まで搬送する場合を例示して説明する。
まず、図1に示すように、船舶1を水陸両用車20が待機する岸Qに接岸させ、船首2側の船首ランプウェイ9を船首ランプヒンジ部9a周りに前方に転倒させるようにして岸Qに架け渡す。そして、船首ランプウェイ9を介して、水陸両用車20を岸Qから車両甲板5へ自走で移動させて車両甲板5に水陸両用車20を塔載する。水陸両用車20の搭載を終えたら岸Qに架け渡していた船首ランプウェイ9を船首ランプヒンジ部9a周りに後方に回動させて船首ランプウェイ9を折り畳んだ状態にする。
そして、船舶1によって水陸両用車20を活動水域まで搬送する。活動水域に到着したら、船舶1を停船させ、車両甲板5に搭載されている水陸両用車20を船尾3方向に自走で移動させ、水陸両用車20を傾斜甲板6を下らせるように走行あるいは滑走させて水上に発進させる。
このように船舶1によれば、比較的単純な構成でありながら、水陸両用車20を車両甲板5から水上へ発進させることが可能になる。また、水陸両用車20を傾斜甲板6を下らせるように走行あるいは滑走させて水陸両用車20を水上に発進させることで、水陸両用車20を水上に迅速に発進することが可能となる。それ故、複数の水陸両用車20を短時間で発進させる場合には、特に有用である。また、船尾3側に傾斜甲板6を設けることで、船首3側から車両甲板5に打ち込んできた海水を後部の傾斜甲板6から排出することができるようになるので海水の水はけが非常によくなる。
さらに、水陸両用車20の重量は、例えば、20〜30t程度と非常に大きいので、図8に示すように、水陸両用車20の重量に耐え得る長いランプウェイ7を設けることは困難であるが、船舶1の傾斜甲板6は船体の一部として形成できるので、水陸両用車の重量に耐え得る強度を比較的単純な構成で確保することができる。
また、船舶1の傾斜甲板6が要するスペースは、図9に示すような、車両甲板5の船尾3側にドック甲板30と、車両甲板5とドック甲板31とを繋ぐ走路31とを設ける場合に要するスペースに比して非常に小さい。それ故、船体のサイズが同じであれば、船舶1は図9に示す船舶1Yよりも水陸両用車20を塔載する車両甲板5のスペースを大きく確保することができる。
また、船舶1は船首2側に船首ランプウェイ9を備えているので、他の荷役設備を使用することなく、船舶1のみで水陸両用車20を岸Qと車両甲板5との間を移動させることが可能になる。それ故、水陸両用車20の岸Qと活動水域との間の搬送を行なう船舶として非常に汎用性が高い。
本発明では、図1〜3に示した第1の実施の形態の船舶1のように短い傾斜甲板を設けることで車両甲板5のスペースを広く確保する構成にしているが、図4に示す第2の実施の形態の船舶1Aのような構成にすることもできる。
船舶1Aでは、傾斜角度θ1が小さい傾斜甲板6を船長方向に長く延在させることにより、傾斜甲板6の後端部6aの水面からの高さHを低くしている。傾斜甲板6の傾斜角度θ1を例えば、0度より大きく、かつ、5度より小さい範囲にすると航行中に傾斜甲板6に水陸両用車20を塔載することが可能になるので、傾斜甲板6を車両甲板5のように利用することができる。このことにより、傾斜甲板6と車両甲板5とに多くの水陸両用車20を塔載することが可能になる。この実施の形態のように、水陸両用車20を搭載可能な程度に傾斜角度θ1が小さい傾斜甲板6を設ける構成は、車両甲板5の乾舷を低くできる場合や船長が長い場合に有用である。
次に、本発明に係る第3の実施の形態の船舶1Bと、この船舶1Bを使用した搬送方法を、図5を参照しながら説明する。
船舶1Bは、図1〜3に示した第1の実施の形態の船舶1の傾斜甲板6の後端部6aに、さらにランプウェイ7を備えている。その他の構成は船舶1と同じである。
図5に示すように、船舶1Bの傾斜甲板6の後端部6a(船尾端部3a)にはランプヒンジ部7aが設けられており、このランプヒンジ部7aにランプウェイ7が回動可能に接続されている。そして、ランプウェイ7をランプヒンジ部7a周りに後方に転倒させることで、傾斜甲板6の後方にランプウェイ7を延在配置できる構成になっている。
この実施の形態の船舶1Bのように、傾斜甲板6の後端部6aにランプウェイ7を備えた構成にすると、ランプウェイ7を水中まで延在するように配置することで、水陸両用車20を水上からランプウェイ7および傾斜甲板6を上らせるようにして車両甲板5に揚収することも可能になる。
つまり、傾斜甲板6の後端部6aにランプウェイ7を備えた構成にすると、活動水域で活動を終えた水陸両用車20を水上から車両甲板5に揚収し、船舶1Bによって水陸両用車20を活動水域から岸Qまで搬送することも可能になる。それ故、水陸両用車20の岸Qと活動水域との間の搬送を行なう船舶としてより汎用性が高くなる。
また、傾斜甲板6の後端部6aにランプウェイ7を備えた構成にすると、水陸両用車20を水上に発進させるときにおいては、ランプウェイ7をランプヒンジ部7a周りに後方に転倒させて、ランプウェイ7を水中まで延在するように配置することで、水陸両用車20が傾斜甲板6の後方に延在するランプウェイ7上を水上に浮かぶ寸前まで走行あるいは滑走することができるので、水陸両用車20が水上に進入する際に生じる振動や衝撃を低減することができ、よりスムーズに水陸両用車20を発進させることが可能になる。
なお、船舶1Bでは、傾斜甲板6を備えることで傾斜甲板6の後端部6aの水面からの高さHを車両甲板5の高さ位置よりも低くできるので、水陸両用車20を水上から車両甲板5に揚収することが可能な構成にする場合においても、傾斜甲板6の後端部6aに設けるランプウェイ7は短いもので構わない。
具体的には、図5に示すランプウェイ7の船長方向の長さL3は、例えば、6m以上で、かつ、9m以下にするとよい。ランプウェイ7の船長方向の長さL3が6m以上で、かつ、9m以下であれば、ランプウェイ7が水陸両用車20の重量にも十分耐え得る構成となる。
水陸両用車20を揚収可能にする場合には、水陸両用車20の浮遊時の喫水を考慮して、ランプウェイ7を水中まで延在するように配置したときに、水上に浮遊した状態の水陸両用車20のタイヤ(履帯)がランプウェイ7の先端部7bに乗り上げることができる高さ、具体的には、ランプウェイ7の先端部7bの水面からの深さDが水深0m〜2m程度の位置になるようにランプウェイ7を構成するとよい。ランプウェイ7の先端部7bが水深0m〜2m程度の位置にあれば、水陸両用車20を水上からランプウェイ7および傾斜甲板6を上らせるようにして車両甲板5に揚収することが可能になる。
また、水陸両用車20を揚収可能にする場合には、車両甲板5に対する傾斜甲板6の傾斜角度θ1とランプウェイ7の水平に対する傾斜角度θ2とをそれぞれ0度より大きく、かつ、40度以下、好ましくは、0度より大きく、かつ、20度以下、より好ましくは10度以上で、かつ、20度以下にするとよい。
傾斜角度θ1と傾斜角度θ2とをそれぞれ0度より大きく、かつ、40度以下にすれば、自走によりもしくはウインチ等の設備を用いることにより、水陸両用車20を揚収することができる構成となる。さらに、傾斜角度θ1と傾斜角度θ2とをそれぞれ0度より大きく、かつ、20度以下にすれば、水陸両用車20が自走で揚収できる構成となる。より詳しくは、上記の範囲にすれば、ランプウェイ7に水陸両用車20のタイヤ(履帯)より先に車体が衝突することを防ぐことができる。また、船舶1Bの動揺等の影響を受けた場合にも、水陸両用車20がスリップなどをせずにランプウェイ7と傾斜甲板6を上ることができる構成となる。さらに、傾斜角度θ1と傾斜角度θ2とをそれぞれ10度以上で、かつ、20度以下にすれば、水陸両用車20を自走で揚収することができる構成でありながら、できるだけ傾斜角度を大きくできるので、車両甲板5のスペースを大きく確保することができる。ランプウェイ7の長さL3は強度を考慮するとできるだけ短くすることが望ましいので、傾斜角度θ2はより好ましくは、15度以上であり、かつ、20度以下にするとよい。
水陸両用車20を発進あるいは揚収するときには、車両甲板5に対する傾斜甲板6の傾斜角度θ1とランプウェイ7の水平に対する傾斜角度θ2は同じ角度に設定してもよいし、異なる角度に設定してもよい。傾斜角度θ1と傾斜角度θ2を同じにして傾斜甲板6とランプウェイ7とを平行な状態にすれば、発進および揚収するときに水陸両用車20は傾斜甲板6とランプウェイ7との間をスムーズに通過することができる。
傾斜角度θ1が、例えば、15度以下と小さい場合には、傾斜角度θ1に対して傾斜角度θ2を大きくするとよい。傾斜角度θ1に対して傾斜角度θ2を大きくすると、傾斜角度θ1と傾斜角度θ2を同じ角度に設定した場合に比べて、より短いランプウェイ7で水陸両用車20を揚収することが可能になる。
次に、本発明に係る第4の実施の形態の船舶1Cと、この船舶1Cを使用した搬送方法を図6〜図8を参照しながら説明する。
船舶1Cは、車両甲板5と傾斜甲板6とを備えている点では、上記に示した実施の形態の船舶1や船舶1A、船舶1Bと同じである。ただし、船舶1Cは、車両甲板5に対する傾斜甲板6の傾斜角度θ1を変更可能な傾動機構8を備え、この傾動機構8によって車両甲板5に対する傾斜甲板6の傾斜角度θ1を変化させることができる構成になっている。
具体的には、この実施の形態では、車両甲板5の後端部5aに甲板ヒンジ部6bが設けられており、この甲板ヒンジ部6bに傾斜甲板6が回動可能に接続されている。そして、傾斜甲板6を傾動機構8によって甲板ヒンジ部6b周りに回動させることで、車両甲板5に対する傾斜甲板6の傾斜角度θ1を0度以上で、かつ、40度以下の範囲で変化させることができる構成になっている。
より具体的には、この実施の形態の傾動機構8は、傾斜甲板6の後端部6aの下方に接続された可動板8aと、この可動板8aの突出長さを変更する油圧シリンダ8bとで構成されている。そして、可動板8aの突出長さを油圧シリンダ8bによって変化させて、車両甲板5に対する傾斜甲板6の後端部6aの高さHを変化させることにより、車両甲板5に対する傾斜甲板6の傾斜角度θ1を変化させる構成となっている。
この実施の形態では、さらに、傾斜甲板6の後端部6aにランプヒンジ部7aが設けられており、ランプヒンジ部7aにランプウェイ7が回動可能に接続されている。即ち、傾動機構8によって傾斜甲板6の後端部6aと同様にランプヒンジ部7aの位置も変化する構成になっている。
船舶1Cの車両甲板5と傾斜甲板6とは船体内に配置されており、船首2側には船首ランプウェイ9が設けられている。この実施の形態の船首ランプウェイ9は、船舶1Cの船首外板の一部を構成しており、航行中には閉じた状態にすることで船首外板として機能する。船舶1Cはさらに、船体内にバラストタンク10とバラストタンク10の水量を制御するバラスト制御装置11とを備えている。
次に、この船舶1Cを使用した水陸両用車20の搬送方法を説明する。以下の説明では、岸Qに待機した水陸両用車20を活動水域まで搬送する場合と活動水域に待機した水陸両用車20を岸Qまで搬送する場合を例示して説明する。
まず、図6に示すように、船舶1Cを水陸両用車20が待機する岸Qに接岸させ、船首2側の船首ランプウェイ9を船首ランプヒンジ部9a周りに前方に転倒させるようにして岸Qに架け渡す。そして、船首ランプウェイ9を介して、水陸両用車20を岸Qから車両甲板5へ移動させて車両甲板5に水陸両用車20を塔載する。この際、傾斜甲板6の車両甲板5に対する傾斜角度θ1を0度にして傾斜甲板6を車両甲板5と平行にすることで、車両甲板5と同様に、傾斜甲板6にも水陸両用車20を塔載する。傾斜甲板6の後端部6aに設けられたランプウェイ7は閉じた状態にしておく。
水陸両用車20の搭載を終えたら岸Qに架け渡していた船首ランプウェイ9を船首ランプヒンジ部9a周りに後方に回動させて船首ランプウェイ9によって船首外板を閉じた状態にする。そして、船舶1Cによって水陸両用車20を活動水域まで搬送する。
活動水域に到着したら、船舶1Cを停船させ、バラスト制御装置11によってバラストタンク10内のバラスト水BWの水量を増加させることにより、船舶1Cの喫水を深くする。次に、ランプウェイ7をランプヒンジ部7a周りに後方に転倒させるようにしてランプウェイ7を開いた状態、即ち、ランプウェイ7を傾斜甲板6とほぼ平行な状態にする。そして、図7に示すように、傾動機構8によって、車両甲板5に対して傾斜甲板6を下方に傾斜させて、ランプウェイ7を水中まで延在するように配置し、車両甲板5に対する傾斜甲板6の傾斜角度θ1とランプウェイ7の水平に対する傾斜角度θ2とをそれぞれ適宜設定する。
そして、傾斜甲板6に搭載されている水陸両用車20を傾斜甲板6とランプウェイ7とを下らせるように走行あるいは滑走させて水上に発進させる。その後、車両甲板5に搭載されている水陸両用車20を随時船尾3方向に自走で移動させ、水陸両用車20を傾斜甲板6とランプウェイ7とを下らせるように走行あるいは滑走させて水上に発進させる。
水陸両用車20を揚収する場合には、水陸両用車20を発進させるときと同様に、バラスト制御装置11によってバラストタンク内10のバラスト水BWの水量を増加させることにより、船舶1Cの喫水を深くする。そして、車両甲板5に対して傾斜甲板6を下方に傾斜させて、ランプウェイ7を水中まで延在するように配置した状態で、水陸両用車20を水上からランプウェイ7と傾斜甲板6とを上らせるようにして車両甲板5(傾斜甲板4)に揚収する。
水陸両用車20の揚収が終えた後には、バラスト制御装置11によってバラストタンク10内のバラスト水BWの水量を航行に適した水量に調整する。そして、船舶1Cによって水陸両用車20を活動水域から岸Qまで搬送し、船首ランプウェイ9によって水陸両用車20を車両甲板5から岸Qに自走で移動させる。
このように、船舶1Cでは、車両甲板5に対する傾斜甲板6の傾斜角度θ1を変更可能な傾動機構8を備えており、この傾動機構8によって車両甲板5に対する傾斜甲板6の傾斜角度θ1を変化することができるので、水陸両用車20を発進および/または揚収するときにのみ、車両甲板5に対して傾斜甲板6を下方に傾斜させることができる。
つまり、水陸両用車20を発進および/または揚収するとき以外には、傾斜甲板6の車両甲板5に対する傾斜角度θ1を0度にして傾斜甲板6を車両甲板5と平行にすることで、傾斜甲板6にも水陸両用車20を塔載することが可能になる。即ち、傾斜甲板6を車両甲板5の一部として有効に活用することで、水陸両用車20の搭載台数を増やすことができる。
また、この実施の形態では、水陸両用車20を車両甲板5から水上に発進させるときおよび/または水陸両用車20を水上から車両甲板5に揚収するときに、船舶1Cのバラスト水BWの水量を増加させて船舶1Bの喫水を深くすることで、傾斜甲板6の後端部6aの水面からの高さをさらに低くすることができるので、水陸両用車20をよりスムーズに発進および/または揚収することができる。この実施の形態のように、傾斜甲板6の後端部6aにランプウェイ7を設ける場合には、ランプウェイ7の長さをより短くすることができる。
また、船尾3側のバラスト水BWを増やす、あるいは、船首2側のバラスト水BWを減少させる、あるいは、両方を行ない、船舶1Cの船尾3側を沈ませることで、傾斜甲板6の後端部6aの水面からの高さを低くすることもできる。この場合には、傾斜甲板6の傾斜を増すこともできるので、水陸両用車20を後側に滑り下ろし易くなる。
なお、傾動機構8の構成は、上記で示した実施の形態に限定されず、例えば、甲板ヒンジ部6bを回転油圧シリンダや油圧モータで構成し、甲板ヒンジ部6bによって傾斜甲板6を直接傾動させる構成にすることもできる。また、駆動力は油圧に限らず、空圧や電動などにすることもできる。また、例えば、傾斜甲板6をチェーンやワイヤーで吊り下げるようにして保持し、チェーンやワイヤーの長さを変更することによって、傾斜甲板6をさせる構成にすることもできる。ランプウェイ7においても、ランプウェイ7をチェーンやワイヤーで吊り下げるようにして保持し、チェーンやワイヤーの長さを変更することによって、ランプウェイ7を回動させる構成にすることもできる。
また、傾斜甲板6、ランプウェイ7の車両甲板5に対する傾斜角度θ1、θ2の大きさの条件によるそれぞれの作用効果は、傾斜角度θ1を変更できる場合(船舶1C)においても、傾斜角度θ1が固定されている場合(船舶1、1A、1B)と同様である。
1、1A、1B、1C 船舶
1X、1Y (比較対象の)船舶
2 船首
3 船尾
3a 船尾端部
4 上甲板
5 車両甲板
5a 車両甲板の後端部
6 傾斜甲板
6a 傾斜甲板の後端部
6b 甲板ヒンジ部
7 (傾斜甲板の後端部の)ランプウェイ
7a ランプヒンジ部
8 傾動機構
8a 可動板
8b 油圧シリンダ
9 船首ランプウェイ
9a 船首ランプヒンジ部
10 バラストタンク
11 バラスト制御装置
20 水陸両用車
30 ドック甲板
31 (車両甲板とドック甲板とを繋ぐ)走路
Q 岸
BW バラスト水
WL 水面位置
DWL 計画満載喫水線
LPP 垂直間長さ
1X、1Y (比較対象の)船舶
2 船首
3 船尾
3a 船尾端部
4 上甲板
5 車両甲板
5a 車両甲板の後端部
6 傾斜甲板
6a 傾斜甲板の後端部
6b 甲板ヒンジ部
7 (傾斜甲板の後端部の)ランプウェイ
7a ランプヒンジ部
8 傾動機構
8a 可動板
8b 油圧シリンダ
9 船首ランプウェイ
9a 船首ランプヒンジ部
10 バラストタンク
11 バラスト制御装置
20 水陸両用車
30 ドック甲板
31 (車両甲板とドック甲板とを繋ぐ)走路
Q 岸
BW バラスト水
WL 水面位置
DWL 計画満載喫水線
LPP 垂直間長さ
Claims (9)
- 水陸両用車を活動水域へ搬送する船舶であって、
前記水陸両用車を塔載する車両甲板と、船幅方向に関しては一部又は全部となる、前記車両甲板の後端部から船尾端部にかけて下方に傾斜する傾斜甲板とを備えていることを特徴とする船舶。 - 前記傾斜甲板の後端部にランプウェイを備えていることを特徴とする請求項1に記載の船舶。
- 船首側に船首ランプウェイを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の船舶。
- 前記車両甲板に対する前記傾斜甲板の傾斜角度が、10度以上で、かつ、20度以下に固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の船舶。
- 前記車両甲板に対する前記傾斜甲板の傾斜角度を変更可能な傾動機構を備えており、この傾動機構によって前記車両甲板に対する前記傾斜甲板の傾斜角度が0度以上であり、かつ、40度以下の範囲で変化するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の船舶。
- 水陸両用車を活動水域へ搬送する搬送方法であって、
前記水陸両用車を塔載する車両甲板の船尾側に設けた、前記車両甲板の後端部から船尾端部にかけて下方に傾斜する傾斜甲板から、前記水陸両用車を水上に下らせて発進させることを特徴とする船舶を使用した搬送方法。 - 前記傾斜甲板の後端部に前記傾斜甲板に接続するランプウェイを設け、
前記水陸両用車を前記車両甲板から水上に発進させるときには、前記ランプウェイを水中まで延在するように配置し、前記水陸両用車を前記傾斜甲板と前記ランプウェイを下らせて水上に発進させ、
前記水陸両用車を水上から前記車両甲板に揚収するときには、前記船尾ランプウェイを水中まで延在するように配置し、前記水陸両用車を前記ランプウェイと前記傾斜甲板を上らせて前記車両甲板に揚収することを特徴とする請求項6に記載の船舶を使用した搬送方法。 - 前記水陸両用車を岸から前記車両甲板に収容するときおよび/または前記水陸両用車を前記車両甲板から岸に揚陸するときに、船首側に設けた船首ランプウェイを岸に渡して前記水陸両用車を移動させることを特徴とする請求項6または7に記載の船舶を使用した搬送方法。
- 前記水陸両用車を前記車両甲板から水上に発進させるときおよび/または前記水陸両用車を水上から前記車両甲板に揚収するときに、前記船舶のバラスト水の水量を増加させることにより、前記船舶の喫水を深くすることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の船舶を使用した搬送方法。
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