以下、本発明に係るバケット装置の実施の形態を、クローラ式の油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1ないし図6は本発明の第1の実施の形態を示している。この第1の実施の形態では、バケット本体に掘削爪が4個設けられている場合を例に挙げて説明する。
図1において、1は建設機械の代表例としての油圧ショベルを示している。この油圧ショベル1の車体は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とにより構成されている。上部旋回体3の前側には、後述する作業装置7が俯仰動可能に設けられ、該作業装置7は、土砂の掘削作業、建物の解体作業等を行うものである。
ここで、上部旋回体3は、支持構造体をなす旋回フレーム4と、該旋回フレーム4の左側に搭載されたキャブ5と、旋回フレーム4の後端側に配設され作業装置7との重量バランスをとるカウンタウエイト6と、エンジン、油圧ポンプ、制御弁装置(いずれも図示せず)とを含んで構成されている。
7は上部旋回体3を構成する旋回フレーム4の前端部に設けられた作業装置を示している。この作業装置7は、後述のスイングポスト8、ブーム9、アーム10、バケット装置11等により構成され、土砂の掘削作業、建物の解体作業等を行うものである。
8は旋回フレーム4の前端部に左,右方向に揺動可能に設けられたスイングポストである。このスイングポスト8は、旋回フレーム4の前端部に設けられた支持ブラケット4Aに対し、左,右方向に回動可能にピン結合されている。スイングポスト8には、後述するブーム9の基端側と、ブームシリンダ9Aのチューブのボトム側とが、それぞれ上,下方向に回動可能に取付けられている。スイングポスト8と旋回フレーム4との間にはスイングシリンダ(図示せず)が設けられ、スイングポスト8は、このスイングシリンダを伸長,縮小させることにより、支持ブラケット4Aとのピン結合部を中心として左,右方向に揺動する構成となっている。
ブーム9は上部旋回体3に対し俯仰動可能に設けられ、該ブーム9はブームシリンダ9Aにより上,下方向に回動する。アーム10はブーム9の先端側に上,下方向に回動可能に取付けられ、該アーム10はアームシリンダ10Aにより上,下方向に回動する。
次に、第1の実施の形態の特徴部分であるバケット装置11の構成について詳細に説明する。
即ち、11はアーム10の先端側に回動可能に取付けられた第1の実施の形態によるバケット装置を示している。このバケット装置11は、土砂の掘削作業、建物の解体作業に用いられるもので、後述のバケット本体12、掘削爪21、ブラケット22、把持具26を含んで構成されている。
12はアーム10の先端側に上,下方向に回動可能に取付けられたバケット本体を示している。このバケット本体12は、アーム10の先端側で回動することにより開口部12Aを通じて土砂等を掬い取り、後述の土砂収容部17内に収容するものである。ここで、バケット本体12は、図2、図4に示すように、底部側から開口側に向け略U字状に湾曲した底板13と、該底板13を挟んで左,右両側に設けられた左,右の側板14,15と、前記底板13の開口側に位置して前記左,右の側板14,15間に設けられたカッティングエッジ16とを含んで構成されている。これにより、底板13と左,右の側板14,15との間には土砂収容部17が形成されている。
ここで、カッティングエッジ16は、左,右方向に長尺な長方形状の板体として形成され、掘削時の衝撃に耐えられる強度をもった厚肉な鋼板により構成されている。このカッティングエッジ16には、左,右の両端位置と中間の2箇所、即ち、カッティングエッジ16の長さ方向に等間隔で4個の掘削爪取付部16Aが設けられている。この4個の掘削爪取付部16Aは、その基端側がカッティングエッジ16を挟むように一体的に溶接され、カッティングエッジ16から突出した先端側には、後述の掘削爪21が外嵌状態で取付けられるようになっている。
一方、バケット本体12の開口部12A側に位置する左側板14の先端側には、左サイドエッジ18が設けられ、右側板15の先端側には、右サイドエッジ19が設けられている。
20は左側板14と右側板15との間を連結して設けられた側板連結部材である。この側板連結部材20は、土砂収容部17を挟んでカッティングエッジ16と反対側となる底板13の他の開口側に配置され、左,右方向に延びる円筒体として形成されている。
21はバケット本体12のカッティングエッジ16に設けられた4個の掘削爪を示している。該各掘削爪21は、先端が鋭角となった楔状体として形成され、その基端側は、内部が嵌合穴(図示せず)となる筒状に形成されている。各掘削爪21は、その基端側をカッティングエッジ16の各掘削爪取付部16Aに被せるように嵌合させ、この状態で掘削爪21と掘削爪取付部16Aとに亘って固定ピン21Aを挿着することにより、カッティングエッジ16に着脱可能に取付けられている。
これにより、各掘削爪21は、カッティングエッジ16から楔状に突出し、土砂の掘削作業を行う場合に、カッティングエッジ16に先立って地面等を突き崩すことができる。一方、各掘削爪21は、建物の解体作業を行う場合に、後述の把持具26との間でコンクリート片や鉄筋を挟んで運搬することができる。
22は底板13の外周面と側板連結部材20とに亘って設けられた一対のブラケットで、該各ブラケット22は、左,右方向で一定の間隔をもって対面している。これらのブラケット22は、図4に示すように、底板13の底部側と側板連結部材20との間を延び、この底板13、側板連結部材20の外周面に溶接手段を用いて固着されている。各ブラケット22には、アーム10の先端側に後述の支持ピン23を介して回動可能に取付けられる円筒状のアーム連結ボス22Aと、バケット側リンク24Bの先端部が取付けられる円筒状のリンク連結ボス22Bとが設けられている。
23はアーム10の先端部に配置された支持ピンを示している(図2参照)。この支持ピン23は、バケット本体12を構成する各ブラケット22のアーム連結ボス22Aとアーム10の先端部とに挿通され、アーム10に対してバケット本体12を上,下方向に回動可能に支持するものである。さらに、支持ピン23は、後述の把持具26をアーム10に対して上,下方向に回動可能に支持する中心軸も兼ねている。
24はアーム10、バケット本体12およびバケットシリンダ25との間を連結して設けられたバケットリンクである。このバケットリンク24は、バケットシリンダ側リンク24Aとバケット側リンク24Bとにより構成されている。一方、バケットシリンダ25は、アーム10とバケットリンク24との間に設けられ、伸縮動作することによりバケット本体12を支持ピン23を中心として上,下方向に回動させるものである。
次に、本発明の実施の形態に係るバケット装置11の把持具26の具体的な構成について説明する。
26はバケット本体12に取付けられた把持具を示している。この把持具26は、バケット本体12(掘削爪21)との間で物体Wを把持するものでる。把持具26は、基端側がブラケット22のアーム連結ボス22Aに支持ピン23を介して回動可能に取付けられ、先端側が自由端となっている。この把持具26は、図2中に二点鎖線で示すように、バケット本体12(掘削爪21)との間で物体Wを把持する把持位置と、図2中に実線で示すように、バケット本体12から離間した離間位置との間で回動するものである。さらに、把持具26は、図3ないし図6に示すように、後述の左把持枠27、右把持枠28、連結体29、把持爪32,33を含んで構成されている。
27は把持具26の左側面を形成する左把持枠27を示し、28は把持具26の右側面を形成する右把持枠28を示している。これら左,右の把持枠27,28は、把持具26の主要部分を形成するもので、左,右方向で対称形状をなし、アーム10の先端側を挟んで左,右方向で対面して配置されている。
左把持枠27は、全体として略J字状をなす平板によって形成され、その基端側には、支持ピン23が挿通される円筒状のボス部27Aが設けられている。左把持枠27の基端側には、バケット本体12の側板連結部材20に対応する位置を円弧状に切欠くことにより、切欠き部27Bが設けられている。これにより、把持具26を把持位置に向けてバケット本体12側に回動させたときに、切欠き部27B内に側板連結部材20が収容され、把持具26と側板連結部材20との干渉を回避することができる。さらに、左把持枠27の基端側には、切欠き部27Bの近傍に位置して後述する他の連結ピン36Eを通過させるためのピン通過孔27Cが左,右方向に穿設されている。
一方、自由端となった左把持枠27の先端側には、爪取付部としての把持爪取付部27Dが設けられ、該把持爪取付部27Dには、バケット本体12の掘削爪21との衝突を避けて後述の把持爪32を取付けることができる。この把持爪取付部27Dには、把持爪32を取付けるための複数個、例えば2個のボルト孔27Eが左,右方向に穿設されている。さらに、左把持枠27のうち、把持爪取付部27Dのバケット本体12と対向する端縁部には、複数の歯27Fが鋸歯状に連続して設けられている。
一方、右把持枠28は、左把持枠27とほぼ同様に、全体として略J字状をなす平板からなり、ボス部28A、切欠き部28B、ピン通過孔28C、把持爪取付部28D、ボルト孔28E、歯28Fを有している。
29は左把持枠27と右把持枠28との間を連結する連結体である。この連結体29は、左,右の把持枠27,28に沿って平坦な板体を略L字型に屈曲した屈曲板部29Aと、円筒状の先端パイプ部29Bとにより形成されている。前記屈曲板部29Aおよび先端パイプ部29Bは、左端縁が左把持枠27に溶接され、右端縁が右把持枠28に溶接されることにより、左,右の把持枠27,28を一体化している。
30は連結体29を構成する先端パイプ部29Bの左寄りに設けられた把持爪取付ブラケット、31は先端パイプ部29Bの右寄りに設けられた把持爪取付ブラケットをそれぞれ示している。この2個の把持爪取付ブラケット30,31は、左,右の把持枠27,28とほぼ等しい板厚寸法を有する舌片状の平板によって形成され、その基端側は先端パイプ部29Bに溶接等の手段を用いて固着されている。
ここで、左寄りに配置された把持爪取付ブラケット30の先端側は、バケット本体12に設けられた掘削爪21との衝突を避けて後述の把持爪32を取付けることができる把持爪取付部30Aとなっている。この把持爪取付部30Aには、左把持枠27のボルト孔27Eの配置と同様の配置で2個のボルト孔30Bが穿設されている。一方、右寄りの把持爪取付ブラケット31には、把持爪取付ブラケット30と同様に、先端側が把持爪取付部31Aとなり、該把持爪取付部31Aには2個のボルト孔31Bが穿設されている。
32は左把持枠27の把持爪取付部27Dに取付けられた把持爪を示している。この把持爪32は、把持爪取付ブラケット30の把持爪取付部30Aにも取付けることができる。即ち、把持爪32は、左把持枠27の把持爪取付部27Dまたは把持爪取付ブラケット30の把持爪取付部30Aに対して選択的に取付けることができる。一方、33は右把持枠28の把持爪取付部28Dに取付けられた把持爪を示している。この把持爪32は、右把持枠28の把持爪取付部28Dまたは把持爪取付ブラケット31の把持爪取付部31Aに対して選択的に取付けることができる。
ここで、左側に配置される把持爪32は、左把持枠27とほぼ等しい板厚寸法を有する平板によって形成され、把持爪32のうちバケット本体12と対向する端縁部には、複数の歯32Aが鋸歯状に連続して設けられている。把持爪32の基端側には、左把持枠27のボルト孔27Eに対応する2個のボルト孔32Bが穿設されている。
従って、左把持枠27のボルト孔27Eと把持爪32のボルト孔32Bとにボルト34Aを挿通し、このボルト34Aのねじ部にナット34Bを螺着する。これにより、左把持枠27の先端側に把持爪32を取付けることができる。一方、連結体29に設けられた把持爪取付ブラケット30のボルト孔30Bと把持爪32のボルト孔32Bとにボルト34Aを挿通し、ナット34Bを螺着することにより、連結体29に把持爪32を取付けることができる。
さらに、右側に配置される把持爪33についても、前述した把持爪32と同様に、右把持枠28とほぼ等しい板厚寸法を有し、複数の歯33Aとボルト孔33Bが設けられている。従って、右把持枠28、把持爪取付ブラケット31には、ボルト34A、ナット34Bを用いて把持爪33を取付けることができる。
この場合、アーム10に対する把持具26の回動中心となる支持ピン23の中心から把持爪32,33の先端部32C,33Cまでの距離寸法は、支持ピン23の中心からバケット本体12に取付けられた各掘削爪21先端までの距離寸法と等しく設定されている。
35は左,右の把持枠27,28の基端側に位置して連結体29の屈曲板部29Aに設けられた左,右一対のリンク取付ブラケットを示している。この一対のリンク取付ブラケット35は、屈曲板部29Aのうちバケット本体12とは反対側の面に溶接等の手段を用いて固着されている。
このように構成された把持具26は、左,右の把持枠27,28と連結体29とを備え、該各把持枠27,28のボス部27A,28Aに支持ピン23を挿通することにより、把持具26とバケット本体12とが共通な支持ピン23を介してアーム10の先端側に同軸で回動可能に支持されている。
ここで、図2中に二点鎖線で示すように、把持具26を把持位置に回動させたときには、左,右の把持枠27,28の把持爪32,33は、バケット本体12の各掘削爪21との衝突を避けることにより、各掘削爪21間に入り込むことができる。これにより、バケット本体12の掘削爪21と把持具26の把持爪32,33とによって、例えば鉄筋、棒材等の細長い物体Wを摘むように把持することができる。
36は連結体29とアーム10の先端側との間に設けられた把持具リンクである。この把持具リンク36は、図5に示すように、左シリンダ側リンク36A,右シリンダ側リンク36Bと、把持具背面側リンク36Cとにより構成されている。把持具リンク36を構成する左,右のシリンダ側リンク36A,36Bは、左,右方向で対称形状をなし、アーム10を挟んで左,右方向で対面して配置されている。
一方、把持具背面側リンク36Cの一端側は、左,右のシリンダ側リンク36A,36Bと後述する把持具シリンダ37のロッド37Bの先端とに連結ピン36Dを介して回動可能に連結されている。さらに、把持具背面側リンク36Cの他端側は、リンク取付ブラケット35に、他の連結ピン36Eを介して回動可能に連結されている。
37は把持具26とアーム10の基端側(ブーム9側)との間に設けられた把持具シリンダを示している。この把持具シリンダ37は、アーム10に対して把持具26を回動させるものである。把持具シリンダ37のチューブ37Aのボトム側は、アーム10の下面側に回動可能にピン結合され、把持具シリンダ37のロッド37Bの先端は、左,右のシリンダ側リンク36A,36Bと、把持具背面側リンク36Cとに、連結ピン36Dを介して回動可能に取付けられている。
従って、把持具シリンダ37のロッド37Bを伸長、縮小させると、この把持具シリンダ37の伸縮力が把持具リンク36を介して把持具26に伝わり、把持具26は、支持ピン23を中心として、把持位置と離間位置との間で回動することができる。
第1の実施の形態によるバケット装置11は上述の如き構成を有するもので、次に、バケット装置11の作動について述べる。
最初に、把持爪32,33を左,右の把持枠27,28に取付ける場合について説明する。この場合には、バケット本体12に設けられた4個の掘削爪21の位置を確認し、把持具26をバケット本体12側に接近させたときに、掘削爪21と把持爪32,33とが干渉しない位置、即ち、掘削爪21との衝突を避けた位置に配置された各把持枠27,28の把持爪取付部27D,28Dを選択し、この把持爪取付部27D,28Dに把持爪32,33を取付ける。
具体的な作業は、左把持枠27の把持爪取付部27Dに設けられたボルト孔27Eと把持爪32のボルト孔32Bとに亘りボルト34Aを挿通し、このボルト34Aのねじ部にナット34Bを螺着することにより、左把持枠27の先端側に取付けることができる。同様に、把持爪33は、右把持枠28のボルト孔28Eと把持爪33のボルト孔33Bとにボルト34Aを挿通しナット34Bを螺着することにより、右把持枠28の先端側に取付けることができる。
次に、バケット装置11を用いて建物の解体作業を行う場合について述べる。この解体作業では、バケットシリンダ25を伸長、縮小させることにより、アーム10に対してバケット本体12を回動させると共に、把持具シリンダ37を伸長、縮小させる。
これにより、把持具シリンダ37の力が把持具リンク36を介して伝わった把持具26
は、アーム10に対し、支持ピン23を中心として、バケット本体12に接近した把持位置とバケット本体12から離間した離間位置との間で上,下方向に回動する。従って、把持具26は、把持位置に回動させたときに、バケット本体12との間で解体物を把持することができる。この解体物をバケット装置11で把持したまま、所望の廃棄場所まで油圧ショベル1によって安全に運搬する。そして、廃棄場所において、把持具26を離間位置に向けて回動させることにより、把持した解体物を廃棄場所に排出することができる。
この場合、図3に示すように、把持具26の左,右の把持枠27,28に取付けられた把持爪32,33は、バケット本体12に設けられた掘削爪21との衝突(干渉)を避けた位置に配置されている。このため、把持具26を把持位置に回動させたときには、左,右の把持枠27,28に取付けた把持爪32,33を、バケット本体12の土砂収容部17側に隙間なく接近せることができる。これにより、左,右のサイドエッジ18,19と把持具26の把持爪32,33との間には、鉄筋等の細長い物体を確実に把持することができる。
ここで、コンクリート片、鉄筋等の解体物を掴んで運搬する作業を繰返すと、各把持爪32,33が摩耗を生じる。長期間に亘って作業を行うことで、各把持爪32,33の摩耗が進行した場合には、前述した各把持爪32,33の取付作業と逆の手順で摩耗した把持爪32,33を取外し、新しい把持爪32,33を取付けることができる。
かくして、第1の実施の形態によれば、左,右の把持枠27,28の先端に把持爪取付部27D,28Dを設けると共に、連結体29の把持爪取付ブラケット30,31に把持爪取付部30A,31Aを設け、この把持爪取付部27D,28D,30A,31Aに把持爪32,33を着脱可能に取付ける構成としている。
従って、把持爪32,33が摩耗した場合には、把持具26をアーム10側に取付けたまま、各把持爪取付部27D,28D,30A,31Aから把持爪32,33だけを取外して新しい物に交換することができる。
この結果、把持具26の一部をなす把持爪32,33が摩耗した場合には、この把持爪32,33だけの交換で済むため、把持具26の全体を交換する場合に比較して交換作業を容易に行うことができ、作業効率を高めることができる。しかも、把持爪32,33は小さいために、上部旋回体3等に保管しておくことができ、短時間で把持爪32,33を交換することができる。
一方、把持具26には、4箇所に把持爪取付部27D,28D,30A,31Aを設けているから、把持爪32,33を取付ける把持爪取付部27D,28D,30A,31Aを、バケット本体12の各掘削爪21の位置に応じて適宜に選択することができる。
従って、把持爪32,33は、掘削爪21との衝突を避けた位置に配置することができるから、把持爪32,33は、把持具26を閉じたときにバケット本体12に設けられた各掘削爪21を避け、該各掘削爪21間に入り込むことができる。これにより、バケット本体12に対して把持具26を隙間なく閉じることができる。この結果、バケット装置11は、バケット本体12と把持具26とによって例えば鉄筋等の細長い物体Wを確実に把持することができる。
しかも、把持具26が掘削爪の配置が異なる他のバケット本体に対して取付けられた場合には、把持爪32,33を掘削爪に衝突しない爪取付部を選んで取付ける。これにより、1種類の把持具26を複数種類のバケット本体に適用することができ、把持具26の汎用性を高めることができる。
次に、図7および図8は本発明の第2の実施の形態を示している。第2の実施の形態の特徴は、第1の実施の形態によるバケット本体に比較してバケット容量を小さく、掘削爪が3個設けられているバケット本体に、把持具を設けたことにある。なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図7において、41はアーム10の先端側に回動可能に取付けられた第2の実施の形態によるバケット装置を示している。このバケット装置41は、土砂の掘削作業、建物の解体作業に用いられるもので、前述した把持具26、後述のバケット本体42、掘削爪51、ブラケット52を含んで構成されている。
42はバケット装置41を構成する第2の実施の形態によるバケット本体を示している。このバケット本体42は、第1の実施の形態によるバケット本体12とほぼ同様に、底板43、左側板44、右側板45、カッティングエッジ46、土砂収容部47、左,右のサイドエッジ48,49、側板連結部材50により構成されている。しかし、第2の実施の形態によるバケット本体42は、底板43の幅寸法が小さく形成されている点と、カッティングエッジ46の掘削爪取付部46Aが長さ方向に等間隔で3個設けられている点との2点で、第1の実施の形態によるバケット本体12と相違している。これにより、掘削爪51は、カッティングエッジ46に3個設けられている。
ここで、掘削爪51が3個設けられたバケット本体42では、図7中に二点鎖線で示すように、把持具26を構成する左,右の把持枠27,28の各爪取付部27D,28Dに把持爪32,33を取付けると、この把持爪32,33が左,右方向の外側に位置する掘削爪51に干渉(衝突)してしまう。そこで、第2の実施の形態では、把持爪32,33を左,右方向の内側に移動させるために、この把持爪32,33を連結体29に設けた把持爪取付ブラケット30,31に取付ける構成としている。
即ち、把持爪32,33は、図8に示すように、把持爪取付ブラケット30,31の内側面に配置され、把持爪取付部30A,31Aにボルト34A、ナット34Bを用いて一体的に取付けられている。これにより、図7に示すように、把持爪取付ブラケット30,31(把持爪取付部30A,31A)に取付けられた把持爪32,33は、掘削爪51との衝突を避けて、該各掘削爪51の間に入り込ませることができる。
なお、52は底板43の外周面と側板連結部材50とに亘って設けられた一対のブラケットを示している。
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、把持爪32,33は、把持爪取付ブラケット30,31(把持爪取付部30A,31A)の内側面に取付けることにより、3個の掘削爪51との衝突を避けた所望の位置に配置することができる。この結果、様々な仕様のバケット本体42に対しても、把持具26を取付けることができ、把持具26の汎用性を高めることができる。
次に、図9および図10は本発明の第3の実施の形態を示している。第3の実施の形態の特徴は、爪取付部は、連結体の左,右方向の複数箇所に設け、把持爪は、複数箇所の爪取付部に対して選択的に取付ける構成としたことにある。なお、第3の実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図9において、61は第3の実施の形態による把持具を示している。この把持具61は、バケット本体12(掘削爪21)との間で物体Wを把持するものでる。把持具61は、後述する左把持枠62、右把持枠63、連結体64、把持爪65,66、ボルト67A、ナット67Bを含んで構成されている。
62は把持具61の左側面を形成する第3の実施の形態による左把持枠である。この左把持枠62は、第1の実施の形態による左把持枠27とほぼ同様に、全体として略J字状をなす平板によって形成され、ボス部62A、切欠部62B、ピン通過孔62C、歯62Dを有している。しかし、第3の実施の形態による左把持枠62は、その先端側に把持爪取付部とボルト孔とが設けられていない点で、第1の実施の形態による左把持枠27と相違している。
63は把持具61の右側面を形成する第3の実施の形態による右把持枠である。この右把持枠63は、第1の実施の形態による右把持枠28とほぼ同様に、全体として略J字状をなす平板によって形成され、ボス部63A、切欠部63B、ピン通過孔63C、歯63Dを有している。しかし、第3の実施の形態による右把持枠63は、その先端側に把持爪取付部とボルト孔とが設けられていない点で、第1の実施の形態による右把持枠28と相違している。
64は左把持枠62と右把持枠63との間を連結する第3の実施の形態による連結体を示している。この連結体64は、左,右の把持枠62,63に沿って平坦な板体を略L字型に屈曲した屈曲板部64Aと、各把持枠62,63の先端側に位置して厚肉な強度板からなる厚板部64Bとにより形成されている。前記屈曲板部64Aおよび厚板部64Bは、左端縁が左把持枠62に溶接され、右端縁が右把持枠63に溶接されることにより、左,右の把持枠62,63を一体化している。
連結体64を構成する厚板部64Bは、後述の把持爪65,66を取付けるためのボルト67Aが挿通されるもので、該厚板部64Bには、左,右方向(長さ方向)の両側に間隔をもって複数個のボルト孔64C,64Dが設けられている。具体的には、厚板部64Bの左側に位置して幅方向に間隔をもって配置された2個のボルト孔64Cを1組とし、左,右方向の片側で2組、合計4個設けられている。同様に、厚板部64Bの右側にも合計4個のボルト孔64Dが設けられている。ここで、厚板部64Bは、各ボルト孔64C,64Dおよび該各ボルト孔64C,64Dの周囲部分が、把持爪65,66を取付けるための把持爪取付部を構成している。
65は連結体64を構成する厚板部64Bの各ボルト孔64Cに選択的に取付けられる左側の把持爪を示している。一方、66は厚板部64Bの各ボルト孔64Dに選択的に取付けられる右側の把持爪を示している。
ここで、左側に配置される把持爪65は、基端側が厚板部64Bを挟む二又状の挟持部65Aとなり、該挟持部65Aには、各ボルト孔64Cに対応して2個のボルト孔65Bが設けられている。一方、把持爪65のバケット本体12と対向する端縁部には、複数の歯65Cが鋸歯状に連続して設けられている。
従って、把持爪65のボルト孔65Bと連結体64の厚板部64Bに設けられたボルト孔64Cとにボルト67Aを挿通し、このボルト67Aのねじ部にナット67Bを螺着する。これにより、厚板部64Bの左側位置に把持爪65を取付けることができる。
さらに、右側に配置される把持爪66についても、前述した把持爪65と同様に、二又状の挟持部66A、2個のボルト孔66B、鋸歯状に連続した歯66Cが設けられている。従って、厚板部64Bの右側位置には、ボルト67A、ナット67Bを用いて把持爪66を取付けることができる。
従って、把持爪65,66は、挟持部65A,66Aを連結体64の厚板部64Bに取付け、この状態で挟持部65A,66Aのボルト孔65B,66Bと連結体64のボルト孔64C,64Dとにボルト67Aを挿通し、このボルト67Aのねじ部にナット67Bを螺着する。これにより、連結体64の先端側に把持爪65,66を着脱可能に取付けることができる。
なお、68は連結体64の屈曲板部64Aに設けられた左,右一対のリンク取付ブラケットを示している。この一対のリンク取付ブラケット68は、屈曲板部64Aのうちバケット本体12とは反対側の面に溶接等の手段を用いて固着されている。
かくして、このように構成された第3の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第3の実施の形態によれば、連結体64を構成する厚板部64Bには、左,右方向の複数箇所に爪取付部をなすボルト孔64C,64Dを設けているから、把持爪65,66は、複数箇所のボルト孔64C,64Dに対して選択的に取付けることができる。
従って、把持爪65,66は、バケット本体12に設けられた各掘削爪21を避け、該各掘削爪21間に入り込む位置に配置することができる。これにより、バケット本体12に対して把持具61を隙間なく閉じることができる。この結果、バケット本体12と把持具61とによって例えば鉄筋等の細長い物体を確実に把持することができる。
しかも、把持具61が掘削爪の配置が異なる他のバケット本体に対して取付けられた場合には、把持爪65,66を掘削爪に衝突しない位置のボルト孔64C,64Dを選んで取付ける。これにより、1種類の把持具61を複数種類のバケット本体12に適用することができ、把持具61の汎用性を高めることができる。
次に、図11ないし図14は本発明の第4の実施の形態を示している。第4の実施の形態の特徴は、爪取付部と把持爪とには、把持爪を爪取付部に嵌合したときに連なって開口する貫通孔を設け、爪取付部の貫通孔と把持爪の貫通孔とには、把持爪を抜止め状態に固定するための固定ピンを挿着する構成としたことにある。なお、第4の実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図11において、71はアーム10の先端側に回動可能に取付けられる第4の実施の形態によるバケット装置を示している。このバケット装置71は、土砂の掘削作業、建物の解体作業に用いられるもので、前述したバケット本体12、掘削爪21、ブラケット22と後述の把持具72とにより構成されている。
72は第4の実施の形態による把持具を示している。この把持具72は、バケット本体12(掘削爪21)との間で物体Wを把持するものでる。把持具72は、図12に示すように、後述する左把持枠73、右把持枠74、連結体75、把持爪取付部76,77、把持爪78,79、固定ピン81を含んで構成されている。
73は把持具72の左側面を形成する第4の実施の形態による左把持枠である。この左把持枠73は、第1の実施の形態による左把持枠27とほぼ同様に、全体として略J字状をなす平板によって形成され、ボス部73A、切欠部73B、ピン通過孔73C、歯73Dを有している。しかし、第4の実施の形態による左把持枠73は、その先端側のボルト孔が省略されている点と、先端側に把持爪取付部76を取付けるための凹部73Eが設けられている点で、第1の実施の形態による左把持枠27と相違している。
74は把持具72の右側面を形成する第4の実施の形態による右把持枠である。この右把持枠74は、第1の実施の形態による右把持枠28とほぼ同様に、全体として略J字状をなす平板によって形成され、ボス部74A、切欠部74B、ピン通過孔74C、歯74Dを有している。しかし、第4の実施の形態による右把持枠74は、その先端側のボルト孔が省略されている点と、先端側に後述の把持爪取付部77を取付けるための凹部74Eが設けられている点で、第1の実施の形態による右把持枠28と相違している。
75は左把持枠73と右把持枠74との間を連結する第4の実施の形態による連結体を示している。この連結体75は、左,右の把持枠73,74に沿って平坦な板体を略L字型に屈曲した屈曲板部75Aと、各把持枠73,74の先端側に位置して厚肉な強度板からなる厚板部75Bとにより形成されている。前記屈曲板部75Aは、左端縁が左把持枠73に溶接され、右端縁が右把持枠74に溶接されることにより、左,右の把持枠73,74を一体化している。一方、厚板部75Bの両端部は、各把持枠73,74を貫いて延び、この両端部には、連結体75の一部をなす後述の把持爪取付部76,77が取付けられている。
76は左把持枠73の先端側に位置して連結体75の厚板部75Bの左側に設けられた爪取付部としての把持爪取付部である。この左側の把持爪取付部76は、右側の把持爪取付部77と共に連結体75の一部を構成している。左側の把持爪取付部76は、図13、図14に示すように、基端側が厚板部75Bを挟む二又状の挟持部76Aとなり、先端側が角錐状に突出した差込部76Bとなっている。この差込部76Bには、厚板部75Bの板厚方向に貫くように貫通孔76Cが設けられ、該貫通孔76C内には、後述のピンロックラバー80が設けられている。
77は右把持枠74の先端側に位置して連結体75の厚板部75Bの右側に設けられた爪取付部としての把持爪取付部である。この右側の把持爪取付部77は、左側の把持爪取付部76と同様に、基端側が厚板部75Bを挟む二又状の挟持部77Aとなり、先端側が漸次縮径した角錐状の差込部77Bとなっている。この差込部77Bには、厚板部75Bの板厚方向に貫くように貫通孔77Cが設けられ、該貫通孔77C内には、ピンロックラバー80が設けられている。
78は左側に位置する把持爪取付部76に対し着脱可能に取付けられた把持爪を示している。一方、79は右側に位置する把持爪取付部77に対し着脱可能に取付けられた把持爪を示している。
80は把持爪取付部76,77の貫通孔76C,77C内に設けられたピンロックラバーである。81は把持爪取付部76,77に対し把持爪78,79を抜止め状態に固定するための固定ピンである。この固定ピン81は、把持爪取付部76,77の差込部76B,77Bに把持爪78,79の外嵌部78A,79Aを嵌合させたときに連なって開口する貫通孔76C,77C,78B,79Bに挿着されるもので、この挿着状態では、ピンロックラバー80に弾性的に係合して抜止め状態に保持されている。
ここで、左側に配置される把持爪78は、基端側が把持爪取付部76の差込部76Bを覆うように嵌合する外嵌部78Aとなり、該外嵌部78Aには、差込部76Bに嵌合したときに貫通孔76Cに連なって開口する貫通孔78Bが設けられている。一方、把持爪78のバケット本体12と対向する端縁部には、複数の歯78Cが鋸歯状に連続して設けられている。
このように形成された把持爪78を把持爪取付部76に取付ける場合には、把持爪取付部76の貫通孔76C内にピンロックラバー80を取付ける。この状態で、把持爪78の外嵌部78Aを、把持爪取付部76の差込部76Bに嵌合させ、連なって開口した把持爪78の貫通孔78Bと把持爪取付部76の貫通孔76Cとに亘って固定ピン81を挿着する。これにより、左把持枠73の先端側に把持爪78を着脱可能に取付けることができる。
さらに、右側に配置される把持爪79についても、前述した左側の把持爪78と同様に、外嵌部79A、貫通孔79B、歯79Cが設けられている。従って、厚板部75Bの右側位置には、固定ピン81を用いて把持爪79を取付けることができる。
なお、82は連結体75の屈曲板部75Aに設けられた左,右一対のリンク取付ブラケットを示している。この一対のリンク取付ブラケット82は、屈曲板部75Aのうちバケット本体12とは反対側の面に溶接等の手段を用いて固着されている。
かくして、このように構成された第4の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第4の実施の形態によれば、把持爪取付部76と把持爪78とには、把持爪78を把持爪取付部76に嵌合したときに連なって開口する貫通孔76C,78Bを設け、前記把持爪取付部76の貫通孔76Cと前記把持爪78の貫通孔78Bとには、前記把持爪78を抜止め状態に固定するための固定ピン81を挿着する構成としている。これと同様に、把持爪取付部77と把持爪79とには、それぞれの貫通孔76C,78Bに把持爪79を抜止め状態に固定するための固定ピン81を挿着する構成としている。
従って、把持爪取付部76,77の貫通孔76C,77Cと把持爪78,79の貫通孔78B,79Bとに亘って固定ピン81を挿着することにより、把持爪78,79を把持爪取付部76,77に抜止め状態に固定することができる。
この結果、把持具72の一部をなす把持爪78,79が摩耗した場合には、この把持爪78,79だけの交換で済むため、把持具72の全体を交換する場合に比較して交換作業を容易に行うことができ、作業効率を高めることができる。しかも、把持爪78,79は小さいために、上部旋回体3等に保管しておくことができ、短時間で把持爪78,79を交換することができる。
しかも、把持爪取付部76,77に把持爪78,79を固定している固定ピン81は、ボルト、ナットのように把持爪78,79等から外部に突出せず、把持爪78,79内にほぼ収めることができる。これにより、解体作業時に固定ピン81が障害物等との接触によって損傷することがないから、把持爪78,79を把持爪取付部76,77に対し安定的に取付けることができ、信頼性を向上することができる。
次に、図15は本発明の第5の実施の形態を示している。第5の実施の形態の特徴は、爪取付部、把持爪の間に位置して連結体に他の爪取付部を設ける構成としたことにある。なお、第5の実施の形態では、第4の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図15において、91は第5の実施の形態による把持具を示している。この把持具91は、第4の実施の形態による把持具72とほぼ同様に、左,右の把持枠73,74、連結体75、把持爪取付部76,77、把持爪78,79、固定ピン81により構成されている。しかし、第5の実施の形態による把持具91は、左,右の把持爪取付部76,77、把持爪78,79の間に位置して連結体75の厚板部75Bに他の把持爪取付部92,93を設け、この把持爪取付部92,93に把持爪78,79を取付ける構成としている点で、第4の実施の形態による把持具72と相違している。
かくして、このように構成された第5の実施の形態においても、前述した第4の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第5の実施の形態によれば、把持爪78,79を各把持爪取付部76,77,92,93に対して選択的に取付けることができるから、把持爪78,79を掘削爪21との衝突を避けた位置に配置することができる。
次に、図16は本発明の第6の実施の形態を示している。第6の実施の形態の特徴は、把持爪が取付けられる爪取付部を左,右の把持枠に限定したことにある。なお、第6の実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図16において、101は第6の実施の形態によるバケット装置、102はバケット装置101を構成する第6の実施の形態による把持具を示している。この把持具102は、第1の実施の形態による把持具26とほぼ同様に、左,右の把持枠27,28、連結体29、把持爪32,33、ボルト34A、ナット34Bにより構成されている。しかし、第6の実施の形態による把持具102は、第1の実施の形態で連結体29に設けられていた把持爪取付ブラケット30,31が省略されている点で、第1の実施の形態による把持具26と相違している。
かくして、このように構成された第6の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第6の実施の形態によれば、把持爪取付ブラケット30,31を省略したことにより、把持具102の構成を簡略化することができる。一方で、把持爪32,33は、左,右の把持枠27,28の内側(対向側)に取付けた場合と、外側に取付けた場合とで、取付位置を可変とすることができる。
次に、図17は本発明の第7の実施の形態を示している。第7の実施の形態の特徴は、把持爪が取付けられる爪取付部を把持爪取付ブラケットに限定したことにある。なお、第7の実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図17において、101は第7の実施の形態によるバケット装置を示している。また、112はバケット装置111を構成する第7の実施の形態による把持具、113,114は該把持具112を形成する左,右の把持枠をそれぞれ示している。この第7の実施の形態による左把持枠113は、第1の実施の形態による左把持枠27とほぼ同様に、ボス部113A、切欠き部113B、ピン通過孔113C、歯113Dを有している。しかし、第7の実施の形態による左把持枠113は、爪取付部とボルト孔が省略されている点で、第1の実施の形態による左把持枠27と相違している。同様に、右把持具114は、ボス部114A、切欠き部114B、ピン通過孔114C、歯114Dを有し、爪取付部とボルト孔が省略されている。
かくして、このように構成された第7の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第7の実施の形態によれば、左,右の把持枠113,114から爪取付部とボルト孔とを省略したことにより、把持具112の構成を簡略化することができる。一方で、把持爪32,33は、把持爪取付ブラケット30,31の内側(対向側)に取付けた場合と、外側に取付けた場合とで、取付位置を可変とすることができる。
なお、第1の実施の形態では、把持具26を構成する左,右の把持枠27,28を、平坦な板体によって形成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば棒材を折曲げることにより左,右の把持枠を形成する構成としてもよい。この構成は、他の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
第1の実施の形態では、左,右の把持枠27,28間を連結する連結体29の一部を、左,右の把持枠27,28に沿って略L字型に屈曲した屈曲板部29Aによって形成している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば屈曲板部29Aに代えて左,右方向に延びる複数本の棒体を用い、この棒体によって左,右の把持枠27,28間を連結する構成としてもよい。この構成は、他の実施の形態についても同様に適用することができる。
第1の実施の形態では、把持爪32,33は、左,右の把持枠27,28の各把持爪取付部27D,28Dに取付けた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、把持爪32を左把持枠27の把持爪取付部27Dに取付け、把持爪33を把持爪取付ブラケット31の把持爪取付部31Aに取付ける構成としてもよい。逆に、把持爪32を把持爪取付ブラケット30の把持爪取付部30Aに取付け、把持爪33を右把持枠28の把持爪取付部28Dに取付ける構成としてもよい。これらの構成は、第2、第3の実施の形態についても同様に適用することができる。
一方、第4の実施の形態では、連結体75の厚板部75Bに設けた把持爪取付部76,77に、歯78C,79Cが鋸歯状に並んだ把持爪78,79を着脱可能に取付ける構成としている。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、バケット本体12のカッティングエッジ16に設けられた各掘削爪取付部16Aを、連結体75の厚板部75Bに取付けることにより、把持具72に把持爪として掘削爪21を取付ける構成としてもよい。この場合には、部品を共通化することができ、コストを削減することができる。
さらに、各実施の形態では、バケット装置11を、クローラ式の下部走行体2を備えた油圧ショベル1の作業装置7に用いた場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、例えば、バケット装置11をホイール式の下部走行体を備えたホイール式ショベルの作業装置に適用することもできる。