JP6493863B2 - 建設機械用アタッチメント - Google Patents
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Description
建築物を取り壊した廃材をトラックに積載する作業には一般的に油圧ショベルが使用され、例えば、油圧ショベルのアーム先端に、土砂などの運搬に適するアタッチメントであるバケットが既に装着されている油圧ショベルを作業現場に搬入した場合に、次の作業が、握持するようにして搬送する方が効率的な長い木材や鉄筋などを運搬するものであると、該バケットを、棒材などを把持して運搬するのに適するアタッチメントである掴み用グラップル(フォーククロー、Zフォーク、その他様々な名称があるが、以下グラップルに統一する)と交換することとなるが、油圧ショベルアーム先端およびシリンダーロッド先端とバケットとを連結する固定ネジおよび連結ピンを取り外してアーム先端からバケットを離脱させた上、グラップルの取り付け孔にアーム先端の取り付け孔を位置合わせして連結ピンを差し込み、さらに、油圧ショベルシリンダーロッドを動かし、該シリンダーロッド先端の取り付け孔に、グラップルの別の取り付け孔を一致させるようにして連結ピンを差し込み、グラップルを吊り上げるようアームを上昇させて、グラップルを開閉動作させて各連結ピンの組み込みが正常か否か確認した上、固定ネジで固定するという作業を行うこととなり、油圧ショベルを1人が運転し、もう1人が連結ピンを差し込むなどの組み込み作業を行わなければならず、こうしたアタッチメントの交換作業が現場において多大な作業工数を占めるものとなっていた。
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、バケットを支持するアーム先端のバケット枢着用軸孔と、バケットを枢動させるチルドレバーをアームに枢着する軸孔との間のアーム中間位置に枢支され、アームの下方からバケットの前面に被さるように作動するフロントフォークを設け、かつフロントフォークを回動させる油圧シリンダを、バケット回動用の油圧シリンダと別にアームに設け、油圧ショベルのバケットを取り外すことなく、そのまま用い、フロントフォークを取り付けることにより、バスケットと協動して、物体の掴み、砕き等の作業を行うことができ、しかも掘削、積込作業に当たっては、フロントフォークを取り外す必要なくこれを退避位置に引っ込めることにより、バケットによる作業をそのまま行うことができるようにしたものや、同特許文献1(2)に見られるような、解体作業に使用していたパワーフォークのフォークに網目のある2つ割のバケットを取付け、屑の廃棄片のうち大きい屑片をフォークによって掬い上げて、廃棄物処理場に運び、バケットの網目を通じて落下し、地上に残った小さな廃棄物をそのままとして整地に利用可能なものとしたものなどが散見される。
上述したとおり、従前までに提案のある各種の油圧ショベル用のアタッチメントや、各種アタッチメントを組み込んでなる油圧ショベルなどは、既に油圧ショベルのアームに装着してあるアタッチメントを取り外すことなく、そのままグラップルとして木材などの長尺物品を握持して搬送したり、バケットで土砂などを掬い上げて運搬したり、または、篩部品を追加装着し、その篩に掛けて細かな土砂類を落下させ、大きな目的物のみを選択的に回収可能とするものなどが既に開発済みとなっているが、バケットとフォークとが一対をなすアタッチメントは、双方の機能を有していて一応多機能化は実現されているが、バケット単独のアタッチメントで土砂を運搬するときや、フォーク単独のアタッチメントで木材を運搬するときなどに比較して作業性が劣ってしまう虞があり、また、Zフォークなどのグラップルに対して網目状のバケットをワンタッチで装着可能としたものは、その装着構造上、重量物を把持する場合に、網目状のバケット諸共一致のフォークで把持するものとなってしまい、網目状のバケットに過大な荷重を受け易く、耐久強度の面で不安がある上、ピンや楔などによる連結構造では、運搬作業中の振動や衝撃的外力などによって弛んだり、脱落したりすることが懸念されるなどの課題を残すものであり、従前まで現場における作業効率を悪化させる要因となっていたアタッチメントの交換作業の不便さを解消し、Zフォークおよびバケットの機能性を最大に発揮可能とする上、取り付け強度と安全性とを充分に高めた、新たな油圧ショベル用アタッチメントの開発の必要性を痛感するに至ったものである。
そこで、この発明は、グラップルに対して簡便に脱着することができる上、装着したバケットをより確実に固定し、作業中の振動や外力によっても不用意に弛んだり、脱落したりせず、格段に優れた安全性を達成する新たな建設機械用のアタッチメント技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の建設機械用アタッチメントを実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の建設機械用アタッチメントは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、複数本のフォーク爪が少なくとも1つの連結杆を介して一体化されたアーム側フォークフレームとし、該アーム側フォークフレーム基端に開閉軸用軸着部が設けられ、該アーム側フォークフレームの基端寄りとなる適所にアームブラケットを有し、該アーム側フォークフレームの外側適所にマウントベースが一体化されてアーム側フォークアッシーとする一方、複数本のフォーク爪が少なくとも1つの連結杆を介して一体化された進退ロッド側フォークフレームとし、該進退ロッド側フォークフレーム基端に開閉軸用軸着部が設けられ、該進退ロッド側フォークフレーム基端寄りとなる適所にロッドブラケットを有し、該進退ロッド側フォークフレームの外側適所にマウントベースが一体化されて進退ロッド側フォークアッシーとなし、当該アーム側フォークアッシーおよび該進退ロッド側フォークアッシーの互いに一致させた軸着部に開閉軸が装着され、当該アーム側フォークアッシーおよび該進退ロッド側フォークアッシーが開閉自在に連結されたグラップルとした上、当該アーム側フォークアッシーの全幅を超える所定バケット幅としたショベル壁および左右煽り壁からなり、当該アーム側フォークアッシーフォーク爪先端に係合可能な爪係合部、当該アーム側フォークアッシー連結杆に係合可能な杆繋着部、および、当該アーム側フォークアッシーマウントベースに対して、当該グラップル開閉方向の外側から被着するよう着脱自在に連結可能なマウント部が設けられた一片バケットと、該一片バケットと対をなし、該進退ロッド側フォークアッシー全幅を超える所定バケット幅としたショベル壁および左右煽り壁からなり、該進退ロッド側フォークアッシーフォーク爪先端に係合可能な爪係合部、該進退ロッド側フォークアッシー連結杆に係合可能な杆繋着部、および、該進退ロッド側フォークアッシーマウントベースに対して、当該グラップル開閉方向の外側から被着するよう着脱自在に連結可能なマウント部を有する他片バケットとからなる脱着型クラムシェルバケットが設けられ、当該グラップルに対して、当該グラップル開閉方向の外側から被着するよう該脱着型クラムシェルバケットを脱着自在に組み込み可能とされてなるものとした構成からなる建設機械用アタッチメントとなる。
グラップルは、対象となる建設機械のアタッチメント装着箇所に接続し、遠隔操作による開閉動作が可能であって運搬対象物を握持可能なものとなり、しかも脱着型クラムシェルバケットの装着対象物を兼ねると共に、該脱着型クラムシェルバケットを装着した場合には、当該グラップルの開閉操作に応じて該脱着型クラムシェルバケットが開閉従動する機能を担い、外側適所にマウントベースが一体化された一側フォークアッシーと、外側適所にマウントベースが一体化された他側フォークアッシーとが、互いの内側を対峙して開閉自在となるよう連結され、建設機械がわからの遠隔操作を受けて、開閉動作するものとしなければならず、より具体的に示すと、当該一側フォークアッシーおよび該他側フォークアッシーの少なくとも何れか一方に建設機械用の取着部が設けられると共に、当該一側フォークアッシーおよび該他側フォークアッシーの少なくとも何れか他方に開閉駆動源用の接続部が設けられたものとすべきであり、さらに、具体的なものとして示すならば、その基本的構造がZフォーク、フォーククロー、掴みフォーク、グラッブルなどの何れか一つからなるものとすることができる。
開閉軸は、一側フォークアッシーおよび他側フォークアッシーを、互いのフォーク爪先端がわが開閉自在となるよう連結する機能を担い、一側フォークアッシーおよび他側フォークアッシーの互いに一致させた軸着部に装着されたものとしなければならず、適宜抜け止め機構を組み込み、不用意に脱抜しないものとすべきである。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
以上のとおりの構成からなるこの発明の建設機械M用アタッチメント1は、図1ないし図12に示すように、グラップル2とそれに脱着可能な脱着型クラムシェルバケット6とからなり、該グラップル2のみを建設機械Mとしての例えば、油圧ショベルMに装着して使用する場合には、図1、図2および図10に示すように、該グラップル2アーム側フォークアッシー3のアームブラケット34,34を介して、同油圧ショベルMアームM0先端に対して回動自在、脱着可能に軸着され、同グラップル2進退ロッド側フォークアッシー4のロッドブラケット44を介して、同油圧ショベルMシリンダーロッドM1先端に対して回動自在、脱着可能に軸着すると共に、該ロッドブラケット44およびシリンダーロッドM1先端軸着部分と、同油圧ショベルMアームM0先端寄り中途適所とを左右リンクM2,M2によって連結して装着され、同油圧ショベルMアームM0を旋回、屈曲するなどして、当該グラップル2を運搬対象物に向けて移動し、同油圧ショベルMシリンダーロッドM1を進退操作して、当該グラップル2を開閉操作し、例えば木材や鉄筋で繋がれたコンクリート廃材などを握持するように保持して運搬することが可能となる。
叙述の如く、この発明の建設機械用アタッチメントは、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からのグラップルおよびクラムシェルバケット技術に比較して充分な耐久性を確保した上、大幅に小型、軽量化、低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、煩雑なアタッチメントの交換作業の頻度を大幅削減し、建設機械の作業性を格段に高めることができるから、これまで対象運搬物に応じたアタッチメントの交換作業を回避できず、作業効率の改善が困難なものとなっていた建築・土木業界はもとより、アタッチメント交換作業を簡便なものにすることが困難であった建設機械業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
2 グラップル
3 アーム側フォークアッシー(一側フォークアッシー)
30 同 アーム側フォークフレーム(一側フォークフレーム)
31 同 フォーク爪
32 同 連結杆
33 同 開閉軸用軸着部
34 同 アームブラケット
35 同 マウントベース
36 同 被着孔
S 同 ストッパー
4 進退ロッド側フォークアッシー(他側フォークアッシー)
40 同 アーム側フォークフレーム(他側フォークフレーム)
41 同 フォーク爪
42 同 連結杆
43 同 開閉軸用軸着部
44 同 ロッドブラケット
45 同 マウントベース
46 同 被着孔
5 開閉軸
6 脱着型クラムシェルバケット
7 一片バケット
70 同 ショベル壁
71 同 左右煽り壁
72 同 爪係合部
73 同 杆繋着部
74 同 マウント部
75 同 装着孔
76 同 凸条補強リブ
8 他片バケット
80 同 ショベル壁
81 同 左右煽り壁
82 同 爪係合部
83 同 杆繋着部
84 同 マウント部
85 同 装着孔
86 同 凸条補強リブ
9 ボルト・ナット
M 油圧ショベル(建設機械)
MO 同 アーム
M1 同 シリンダーロッド
M2 同 左右リンク
Claims (4)
- 複数本のフォーク爪が少なくとも1つの連結杆を介して一体化されたアーム側フォークフレーム基端に開閉軸用軸着部が設けられ、該アーム側フォークフレームの基端寄りとなる適所にアームブラケットが設けられ、該アーム側フォークフレームの外側適所にマウントベースが一体化されたアーム側フォークアッシーとする一方、複数本のフォーク爪が少なくとも1つの連結杆を介して一体化された進退ロッド側フォークフレームとし、該進退ロッド側フォークフレーム基端に開閉軸用軸着部が設けられ、該進退ロッド側フォークフレーム基端寄りとなる適所にロッドブラケットが設けられ、該進退ロッド側フォークフレームの外側適所にマウントベースを有する進退ロッド側フォークアッシーとなし、当該アーム側フォークアッシーおよび該進退ロッド側フォークアッシーの互いに一致させた軸着部に開閉軸が装着され、当該アーム側フォークアッシーおよび該進退ロッド側フォークアッシーが開閉自在に連結されたグラップルとした上、当該アーム側フォークアッシーの全幅を超える所定バケット幅としたショベル壁および左右煽り壁からなり、当該アーム側フォークアッシーフォーク爪先端に係合可能な爪係合部、当該アーム側フォークアッシー連結杆に係合可能な杆繋着部、および、当該アーム側フォークアッシーマウントベースに対して、当該グラップル開閉方向の外側から被着するよう着脱自在に連結可能なマウント部が設けられた一片バケットと、該一片バケットと対をなし、該進退ロッド側フォークアッシー全幅を超える所定バケット幅としたショベル壁および左右煽り壁からなり、該進退ロッド側フォークアッシーフォーク爪先端に係合可能な爪係合部、該進退ロッド側フォークアッシー連結杆に係合可能な杆繋着部、および、該進退ロッド側フォークアッシーマウントベースに対して、当該グラップル開閉方向の外側から被着するよう着脱自在に連結可能なマウント部を有する他片バケットとからなる脱着型クラムシェルバケットが設けられ、当該グラップルに対して、当該グラップル開閉方向の外側から被着するよう該脱着型クラムシェルバケットを脱着自在に組み込み可能とされてなるものとしたことを特徴とする建設機械用アタッチメント。
- アーム側フォークアッシーのマウントベースが、アーム側フォークフレームの外側適所に一体化した板状体からなり、同板状体の該アーム側フォークフレームの複数本のフォーク爪間、およびバケット幅方向外がわの少なくとも一箇所に、板厚方向に貫通する被着孔が穿設されたものとする一方、一片バケットの該アーム側フォークアッシーに装着した場合に、該一片バケットショベル壁の当該アーム側フォークアッシーマウントベースの被着孔が一致する箇所に装着孔が穿設され、同心上に重ね合わせた被着孔および装着孔にボルト・ナットが装着し、該アーム側フォークアッシーに対して一片バケットが着脱自在に組み込み可能なものとされ、進退ロッド側フォークアッシーのマウントベースが、進退ロッド側フォークフレームの外側適所に一体化された板状体からなり、同板状体の該進退ロッド側フォークフレームの複数本のフォーク爪間、およびバケット幅方向外がわの少なくとも一箇所に、板厚方向に貫通する被着孔が穿設されたものとする一方、他片バケットの該進退ロッド側フォークアッシーに装着した場合に、同他片バケットショベル壁の当該進退ロッド側フォークアッシーマウントベースの被着孔が一致する箇所に装着孔が穿設され、同心上に重ね合わせた被着孔および装着孔にボルト・ナットが装着されて該進退ロッド側フォークアッシーに対して他片バケットが着脱自在に組み込み可能なものとされてなるものとした、請求項1記載の建設機械用アタッチメント。
- アーム側フォークアッシーのマウントベースが、一片バケットマウント部の装着位置を規制可能なストッパーを有し、進退ロッド側フォークアッシーのマウントベースが、他片バケットのマウント部の装着位置を規制可能なストッパーを有するものとした、請求項1または2何れか一記載の建設機械用アタッチメント。
- 脱着型クラムシェルバケットの一片バケット左右煽り壁と他片バケット左右煽り壁とが、脱着型クラムシェルバケットをグラップルに装着し、脱着型クラムシェルバケットを完全に閉じ合わせた場合に、一片バケットおよび他片バケットの互いの左右煽り壁同士の一部または全部の何れか一方が重ね合わせ状となる形状のものにされてなる、請求項1ないし3何れか一記載の建設機械用アタッチメント。
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