JP2015076121A - 非水電解質二次電池およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充電可能な電池一般をいう。「非水電解質二次電池」とは、電解質塩を溶解した非水溶媒からなる非水電解質が用いられた二次電池をいう。「非水電解質二次電池」の一種である「リチウムイオン二次電池」は、電解質イオンとしてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。一般に「リチウム二次電池」のように称される電池(例えば、リチウムイオンポリマー二次電池)は、本明細書におけるリチウムイオン二次電池に包含されうる。
図1は、リチウムイオン二次電池10を示す断面図である。図2は、当該リチウムイオン二次電池10に内装される電極体40を示す図である。なお、図1および図2に示されるリチウムイオン二次電池10は、本発明が適用されうるリチウムイオン二次電池の一例を示すものに過ぎず、本発明が適用されうるリチウムイオン二次電池を特段限定するものではない。
電池ケース20は、ケース本体21と、封口板22とを備えている。ケース本体21は、一端に開口部を有する箱形を有している。ここでは、ケース本体21は、リチウムイオン二次電池10の通常の使用状態における上面に相当する一面が開口した有底直方体形状を有している。この実施形態では、ケース本体21には、矩形の開口が形成されている。封口板22は、ケース本体21の開口を塞ぐ部材である。封口板22は凡そ矩形のプレートで構成されている。かかる封口板22がケース本体21の開口周縁に溶接されることによって、略六面体形状の電池ケース20が構成されている。
電極体40は、図2に示すように、帯状の正極(正極シート50)と、帯状の負極(負極シート60)と、帯状のセパレータ(セパレータ72,74)とを備えている。
正極シート50は、帯状の正極集電箔51と正極活物質層53とを備えている。正極集電箔51には、正極に適する金属箔が好適に使用され得る。正極集電箔51には、例えば、所定の幅を有し、厚さが凡そ15μmの帯状のアルミニウム箔を用いることができる。正極集電箔51の幅方向片側の縁部に沿って露出部52が設定されている。図示例では、正極活物質層53は、正極集電箔51に設定された露出部52を除いて、正極集電箔51の両面に形成されている。ここで、正極活物質層53は、正極集電箔51に保持され、少なくとも正極活物質が含まれている。この実施形態では、正極活物質層53は、正極活物質を含む正極合材が正極集電箔51に塗工されている。また、「露出部52」は、正極集電箔51に正極活物質層53が保持(塗工、形成)されない部位をいう。
導電材としては、例えば、カーボン粉末、カーボンファイバーなどのカーボン材料が例示される。このような導電材から選択される一種を単独で用いてもよく二種以上を併用してもよい。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、黒鉛化カーボンブラック、カーボンブラック、黒鉛、ケッチェンブラック)、グラファイト粉末などのカーボン粉末を用いることができる。
また、バインダは、正極活物質層53に含まれる正極活物質と導電材の各粒子を接着させたり、これらの粒子と正極集電箔51とを接着させたりする。かかるバインダとしては、使用する溶媒に溶解または分散可能なポリマーを用いることができる。例えば、水性溶媒を用いた正極合材組成物においては、セルロース系ポリマー(カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)など)、フッ素系樹脂(例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)など)、ゴム類(酢酸ビニル共重合体、スチレンブタジエン共重合体(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)など)などの水溶性または水分散性ポリマーを好ましく採用することができる。また、非水溶媒を用いた正極合材組成物においては、ポリマー(ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリルニトリル(PAN)など)を好ましく採用することができる。
負極シート60は、図2に示すように、帯状の負極集電箔61と、負極活物質層63とを備えている。負極集電箔61には、負極に適する金属箔が好適に使用され得る。この負極集電箔61には、所定の幅を有し、厚さが凡そ10μmの帯状の銅箔が用いられている。負極集電箔61の幅方向片側には、縁部に沿って露出部62が設定されている。負極活物質層63は、負極集電箔61に設定された露出部62を除いて、負極集電箔61の両面に形成されている。負極活物質層63は、負極集電箔61に保持され、少なくとも負極活物質が含まれている。この実施形態では、負極活物質層63は、負極活物質を含む負極合材が負極集電箔61に塗工されている。また、「露出部62」は、負極集電箔61に負極活物質層63が保持(塗工、形成)されない部位をいう。
負極活物質としては、従来からリチウムイオン電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。好適例として、グラファイトカーボン、アモルファスカーボン等の炭素系材料、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属窒化物等が挙げられる。
セパレータ72、74は、図2に示すように、正極シート50と負極シート60とを隔てる部材である。この例では、セパレータ72、74は、微小な孔を複数有する所定幅の帯状のシート材で構成されている。セパレータ72、74には、樹脂製の多孔質膜、例えば、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成された単層構造のセパレータ或いは積層構造のセパレータを用いることができる。この例では、図2に示すように、負極活物質層63の幅b1は、正極活物質層53の幅a1よりも少し広い。さらにセパレータ72、74の幅c1、c2は、負極活物質層63の幅b1よりも少し広い(c1、c2>b1>a1)。
この実施形態では、電極体40は、図2に示すように、捲回軸WLを含む一平面に沿って扁平に押し曲げられている。図2に示す例では、正極集電箔51の露出部52と負極集電箔61の露出部62とは、それぞれセパレータ72、74の両側において、らせん状に露出している。この実施形態では、図1に示すように、電極体40は、セパレータ72、74からはみ出た正負の露出部52、62の中間部分が寄せ集められ、電池ケース20の内部に配置された正負の内部端子23、24の先端部23a、24aに溶接されている。
電解液としては、従来からリチウムイオン電池に用いられる非水電解液と同様のものを特に限定なく使用することができる。かかる非水電解液は、典型的には、適当な非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する。上記非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(以下、適宜に「EC」という。)、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート(以下、適宜に「DMC」という。)、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート(以下、適宜に「EMC」という。)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン等からなる群から選択された一種または二種以上を用いることができる。また、上記支持塩としては、例えば、LiPF6,LiBF4,LiAsF6,LiCF3SO3,LiC4F9SO3,LiN(CF3SO2)2,LiC(CF3SO2)3等のリチウム塩を用いることができる。一例として、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(例えば体積比1:1)にLiPF6を約1mol/Lの濃度で含有させた非水電解液が挙げられる。
図3は、かかるリチウムイオン二次電池10の充電時の状態を模式的に示している。充電時、リチウムイオン二次電池10の電極端子23、24(図1参照)は、図3に示すように、スイッチ92によって充電器90に接続されたような状態になる。この際、充電器90の作用によって、正極シート50と負極シート60との間に、電圧が印加され、正極活物質層53中の正極活物質からリチウムイオン(Li)が電解液80に放出され、正極活物質層53から電荷が放出される。放出された電荷は、正極集電箔51に送られ、充電器90を通じて負極シート60に送られる。また、負極シート60では電荷が蓄えられるとともに、電解液80中のリチウムイオン(Li)が、負極活物質層63中の負極活物質に吸収され、かつ、貯蔵される。これにより、負極シート60と正極シート50とに電位差が生じる。
図4は、かかるリチウムイオン二次電池10の放電時の状態を模式的に示している。放電時、リチウムイオン二次電池10の電極端子23、24(図1参照)は、図4に示すように、スイッチ92によって抵抗94に接続されたような状態になる。この際、負極シート60と正極シート50との電位差によって、抵抗94を通じて負極シート60から正極シート50に電荷が送られるとともに、負極活物質層63に貯蔵されたリチウムイオンが電解液80に放出される。また、正極では、正極活物質層53中の正極活物質に電解液80中のリチウムイオンが取り込まれる。
ところで、このようなリチウムイオン二次電池10は、例えば、4Vを超えるような高い出力を実現しうる。このため、特に発進時や加速時に高い出力が求められる電気車両やハイブリッド車両の駆動用電源として好適に用いられうる。また、リチウムイオン二次電池10は、充電効率が高く、急速な充電にも適用でき、例えば、車両の減速時(ブレーキ時)に運動エネルギを電気エネルギに回生して充電するようなエネルギ回生システムにも適用されうる。また、車両用途では、特に、街中での走行などで、加速や減速が繰返し行われる。これに伴い、電気車両やハイブリッド車両の駆動用電源にリチウムイオン二次電池10が用いられる場合には、高出力の放電や急速充電が繰返される。このため、かかるハイレートでの充放電が繰り返される用途において、電池抵抗の増加が低く抑えられることが望ましい。
ところで、本発明者は、図1に示すような捲回電極体40を備えたリチウムイオン二次電池10(非水電解質二次電池)を急激な充電と急激な放電とが繰り返される用途(ハイレート連続充放電用途)に用いた場合に、抵抗上昇や出力低下などの電池特性の劣化が進む傾向があることを見出した。かかる傾向について、本発明者は、捲回電極体40の内部に含まれる電解質(電解液)が減少するためと考えている。
ここで提案されるリチウムイオン二次電池10は、図1に示すように、電池ケース20に含まれた非水電解液80(図3参照)のうち、捲回電極体40の内部に含まれる内部電解液(図示省略)の粘度αと、電池ケース20の底に溜まった外部電解液80aの粘度βとが、α>βである。換言すると、捲回電極体40の内部に含浸している非水電解液よりも、捲回電極体40の外部に存在する非水電解液(外部電解液80a)の粘度が低い。
ここではまず、表1の試験例で用意された評価用セルを説明する。なお、評価用セルの構造については、図1から図5が適宜に参照されるものとする。
正極における正極活物質層53を形成するにあたり正極合材を調製した。ここで、正極合材は、正極活物質として三元系のリチウム遷移金属酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2)、導電材としてアセチレンブラック(AB)、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)をそれぞれ用いた。正極活物質と、導電材と、バインダとの質量比を、正極活物質:導電材:バインダ=90:8:2とした。これら正極活物質と、導電材と、バインダとを、イオン交換水と混合することによって正極合材を調製した。次いで、正極合材を正極集電箔51の片面ずつ順に塗布して乾燥させ、正極集電箔51の両面に正極活物質層53が塗工された正極(正極シート)を作製した。
負極における負極活物質層63を形成するにあたり負極合材を調製した。ここで、負極合材は、負極活物質としてアモルファスコートグラファイト、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)、バインダをそれぞれ用いた。バインダには、ゴム系バインダであるスチレン・ブタジエンゴム(SBR)を用いた。負極活物質と、増粘剤(CMC)と、バインダ(SBR)との質量比は、負極活物質:CMC:SBR=98:1:1とした。これら負極活物質と、CMCと、SBRとを、イオン交換水と混合することによって負極合材を調製した。次いで、負極合材を負極集電箔61の片面ずつ順に塗布して乾燥させ、負極集電箔61の両面に負極活物質層63が塗工された負極(負極シート)を作製した。
セパレータの基材としては、ポリプロピレン(PP)と、ポリエチレン(PE)の3層構造(PP/PE/PP)の多孔質シートを適宜に選択した。
ここでは、評価用セルとして、扁平な角型の評価用セルを作製した。つまり、正極シートと負極シートとを、セパレータを用いて作成した捲回電極体40を扁平に押し曲げ、角型の電池ケースに収容し、非水電解液を注液して封口し、扁平な角型の評価用セルを構築した。
ここで、非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)とを、所定の体積比(例えば、EC:DMC:EMC=3:4:3)で混合溶媒に、リチウム塩としての1.1mol/LのLiPF6を溶解させた電解液を用いた。ここでは、非水電解液の溶媒について、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)の体積比が異なる非水電解液を種々用意し、内部電解液と外部電解液80aの粘度が異なる評価用セルを得た。
ここで、作製された評価用セルは、例えば、所定のコンディショニング工程を行い、予め定められたハイレートサイクル試験後の抵抗増加率を評価した。
次に、上記のように構築した評価用セルについて、電解液を注入した後で、10時間程度放置し、初期充電を行なった。コンディショニング工程は、次の手順1、2によって行なわれる。
手順1:1.5Cの定電流充電にて4Vに到達した後、5分間休止する。
手順2:手順1の後、定電圧充電にて1.5時間充電された場合または充電電流が0.1Aとなった場合に充電を停止し、5分間休止する。
次に、定格容量は、上記コンディショニング工程の後、評価用セルについて、温度25℃、3.0Vから4.1Vの電圧範囲で、次の手順1〜3によって測定される。
手順1:1Cの定電流放電によって3.0Vに到達後、定電圧放電にて2時間放電し、その後、10秒間休止する。
手順2:1Cの定電流充電によって4.1Vに到達後、定電圧充電にて2.5時間充電し、その後、10秒間休止する。
手順3:0.5Cの定電流放電によって3.0Vに到達後、定電圧放電にて2時間放電し、その後、10秒間停止する。
定格容量:手順3における定電流放電から定電圧放電に至る放電における放電容量(CCCV放電容量)を定格容量とする。この評価用セルでは、定格容量が凡そ4.0Ahになる。
SOC調整は、次の1、2の手順によって調整される。ここで、SOC調整は、上記コンディショニング工程および定格容量の測定の後に行なうとよい。また、ここでは、温度による影響を一定にするため、25℃の温度環境下でSOC調整を行なっている。例えば、SOC60%に調整する場合には、次の手順による。
手順1:3Vから1Cの定電流で充電し、定格容量の凡そ60%の充電状態(SOC60%:3.73V)にする。
手順2:手順1の後、2.5時間、定電圧充電する。
これにより、評価用セルは、SOC60%の充電状態に調整することができる。なお、ここでは、SOCを60%に調整する場合を記載しているが、手順1での充電状態を変更することによって、任意の充電状態に評価用セルを調整することができる。例えば、SOC80%に調整する場合には、手順1において、評価用セルを定格容量の80%の充電状態にするとよい。
ここで、表1におけるハイレート抵抗増加率(%)は、以下のようなハイレートサイクル試験前後のIV抵抗の増加率である。かかるIV抵抗の増加率によって評価用セルの高負荷特性を評価した。
I.75Aの定電流で40秒放電(CC放電)
II.5秒休止
III.10Aの定電流で300秒充電(CC充電)
IV.5秒休止
(I.〜IV.の手順を4000サイクル繰り返す。)
上記ハイレートサイクル試験によって、評価用セルのIV抵抗は上昇する。抵抗増加率Z(%)は、上記ハイレートサイクル試験前に測定されたIV抵抗Zaと、上記ハイレートサイクル試験後に測定されたIV抵抗Zbとで、Z(%)={Zb/Za}×100で評価されるものである。つまり、ここでは、ハイレートサイクル試験前に測定されたIV抵抗Zaに対する、ハイレートサイクル試験後に測定されたIV抵抗Zbの大きさが評価されている。
IV抵抗は、25℃の環境下においてSOC60%の充電状態(SOC:state of charge)における評価用セルのIV抵抗を測定した。ここで、IV抵抗は、予め定められた電流値(I)で10秒間定電流放電し、放電後の電圧(V)をそれぞれ測定する。そして、予め定められた電流値(I)と、放電後の電圧(V)を基に、X軸にI、Y軸にVを取ってプロットし、各放電により得られたプロットを基に、近似直線を引き、その傾きをIV抵抗とする。ここでは、0.3C、1C、3Cの電流値で定電流放電を行なって得られる各放電後の電圧(V)を基にIV抵抗(mΩ)を得た。
ここで、各サンプルにおいて、内部電解液と外部電解液80aの塩濃度は同じとし、ここでは、1.1mol/Lとした。また、サンプル1〜5は、内部電解液(第1非水電解液)の溶媒の体積比をEC:DMC:EMC=3:4:3とし、外部電解液80a(第2非水電解液)の溶媒の体積比を変えている。溶媒の体積比がEC:DMC:EMC=3:4:3である内部電解液(第1非水電解液)の粘度は、18.9(mPa・s)であった。
サンプル1は、外部電解液80a(第2非水電解液)の溶媒の体積比がEC:DMC:EMC=3:4:3である。つまり、サンプル1では、内部電解液(第1非水電解液)と外部電解液80a(第2非水電解液)の溶媒の体積比が何れもEC:DMC:EMC=3:4:3であり、同じ非水電解液とした。これにより、サンプル1では、内部電解液と外部電解液80aの粘度が凡そ同じ評価用セルが得られている。かかるサンプル1の抵抗増加率(%)は、142.7であった。
サンプル2は、外部電解液80a(第2非水電解液)の溶媒の体積比がEC:DMC:EMC=2:5:3である。この外部電解液80a(第2非水電解液)の粘度は、14.2(mPa・s)であった。サンプル3は、外部電解液80a(第2非水電解液)の溶媒の体積比がEC:DMC:EMC=1:6:3である。この外部電解液80a(第2非水電解液)の粘度は、9.5(mPa・s)であった。
サンプル4は、外部電解液80a(第2非水電解液)の溶媒の体積比がEC:DMC:EMC=3:5:2である。この外部電解液80a(第2非水電解液)の粘度は、17.8(mPa・s)であった。サンプル5は、外部電解液80a(第2非水電解液)の溶媒の体積比がEC:DMC:EMC=3:6:1である。この外部電解液80a(第2非水電解液)の粘度は、16.2(mPa・s)であった。
ここで、サンプル6〜10は、外部電解液80a(第1非水電解液)の溶媒の体積比をEC:DMC:EMC=3:3:4とし、外部電解液80a(第2非水電解液)の溶媒の体積比を変えている。溶媒の体積比がEC:DMC:EMC=3:3:4である内部電解液(第1非水電解液)の粘度は、19.8(mPa・s)であった。
サンプル6は、外部電解液80a(第2非水電解液)の溶媒の体積比がEC:DMC:EMC=3:3:4である。つまり、サンプル6では、内部電解液(第1非水電解液)と外部電解液80a(第2非水電解液)の溶媒の体積比が何れもEC:DMC:EMC=3:3:4であり、同じ非水電解液とした。これにより、サンプル6では、内部電解液と外部電解液80aの粘度が凡そ同じ評価用セルが得られている。かかるサンプル6の抵抗増加率(%)は、152.4であった。
サンプル7は、外部電解液80a(第2非水電解液)の溶媒の体積比がEC:DMC:EMC=2:4:4である。この外部電解液80a(第2非水電解液)の粘度は、14.8(mPa・s)であった。サンプル3は、外部電解液80a(第2非水電解液)の溶媒の体積比がEC:DMC:EMC=1:5:4である。この外部電解液80a(第2非水電解液)の粘度は、11.1(mPa・s)であった。
サンプル9は、外部電解液80a(第2非水電解液)の溶媒の体積比がEC:DMC:EMC=3:4:3である。この外部電解液80a(第2非水電解液)の粘度は、18.9(mPa・s)であった。サンプル10は、外部電解液80a(第2非水電解液)の溶媒の体積比がEC:DMC:EMC=3:5:2である。この外部電解液80a(第2非水電解液)の粘度は、17.8(mPa・s)であった。
20 電池ケース
21 ケース本体
22 封口板
23 正極端子
24 負極端子
30 安全弁
32 注液口
33 封止材
40 捲回電極体(電極体)
50 正極シート
51 正極集電箔
52 露出部(正極集電箔露出部)
53 正極活物質層
60 負極シート
61 負極集電箔
62 露出部(負極集電箔露出部)
63 負極活物質層
72,74 セパレータ
80 電解液(非水電解液)
80a 外部電解液
90 充電器
92 スイッチ
94 抵抗
WL 捲回軸
Claims (6)
- 捲回電極体と、
前記捲回電極体を収容した電池ケースと、
前記電池ケースに含まれた非水電解液と
を備え;
前記非水電解液のうち、前記捲回電極体の内部に含まれる内部電解液の粘度αと、前記電池ケースの底に溜まった外部電解液の粘度βとが、α>βである;
非水電解質二次電池。 - 前記粘度αと前記粘度βとの差(α−β)が0.1mPa・sよりも大きい、請求項1に記載された非水電解質二次電池。
- 前記内部電解液と前記外部電解液とで、非水電解液の溶媒の組成が異なる、請求項1または2に記載された非水電解質二次電池。
- 前記内部電解液と前記外部電解液とは何れも溶媒の組成にDMCを含んでおり、前記外部電解液の溶媒のDMCの体積比は、前記内部電解液よりも高い、請求項1から3までの何れか一項に記載された非水電解質二次電池。
- 前記内部電解液と前記外部電解液の溶媒は、何れもEC、DMCおよびEMCの混合物である、請求項4に記載された非水電解質二次電池。
- 捲回電極体を用意する工程と、
前記捲回電極体を電池ケースに収容する工程と、
前記電池ケースを真空にし、前記捲回電極体の空隙に応じた量の第1非水電解液を注入する工程と、
前記第1非水電解液を注入した後で、前記第1非水電解液よりも粘度が低い第2非水電解液を、前記電池ケースに注入する工程と
を含む、非水電解質二次電池の製造方法。
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