しかしながら、近年では、ポケット部の通気性を確保する等の観点から、グラシン紙等の薄葉紙を基材としたカバーフィルムがPTPシートに用いられることがある。
グラシン紙等を基材としたカバーフィルムは半透明となるため、従来の反射光式の検査装置により検査を行う場合には、照明から照射された光がカバーフィルムで拡散し、カバーフィルム全域が明るく光っているように撮像されてしまう。このため、カバーフィルムにおいて皺がある箇所も皺がない箇所も明暗の差なく同様に映ってしまい、皺を検出することが困難となるおそれがある。
これに対し、カバーフィルムが半透明である場合には、カバーフィルム取着後に行うシート不良に係る検査において、透過光式の検査装置を用いることも考えられる。
例えば図12に示す透過光式の検査装置99では、PTPシート100の容器フィルム101側に照明102が設けられ、ここからPTPシート100に対し光が照射される。そして、透明な容器フィルム101及び半透明のカバーフィルム103を透過した光を、PTPシート100のカバーフィルム103側に設けられたカメラ104により撮像する。この際、カバーフィルム103が寄って皺103aとなっている箇所は、カバーフィルム103が重なり他の部位よりも暗く映るため、異常のないシート一般部との明暗の差により、皺103aを検出することが可能となる。
ところが、かかる透過光式の検査装置99を用いた場合、両フィルム101,103間に挟まれた異物105に関しては、照明102から照射された光がカバーフィルム103で拡散し、異物105よりもカメラ104側に位置するカバーフィルム103が明るく光ってしまうため、異物105が毛髪や錠剤粉等の比較的小さな異物である場合には適切に検出することが困難となるおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、PTPシートの検査を行うにあたり、検査精度の飛躍的な向上を図ることのできる検査装置及びPTP包装機を提供することにある。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
手段1.透明の容器フィルムに形成されたポケット部に内容物が収容されると共に、当該ポケット部を塞ぐように前記容器フィルムに対し半透明のカバーフィルムが取着されたPTPシートの検査装置であって、
前記PTPシートに対し、前記カバーフィルム側から所定の光を照射可能な照射手段と、
前記照射手段とは前記PTPシートを介して反対側に設けられると共に、前記照射手段から照射され前記PTPシートを透過する透過光を撮像可能な撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理装置とを備え、
前記画像処理装置は、
前記画像信号から得た画像データに基づき、少なくとも所定のシート不良を検出可能な不良検出手段を備えていることを特徴とする検査装置。
尚、以下同様であるが、ここでいう「透明のフィルム」とは、光が透過する性質(透光性)を有するフィルムであって、光の透過率が極めて高く、当該フィルムを通してその向こう側が透けて見える状態のものを指す。これに対し、「半透明のフィルム」とは、透光性は有しているが、透過する光が拡散される又は透過率が低いため、当該フィルムを通して向こう側にある物の形状等を明確に認識できない又は全く認識できない状態のものを指す。
また、「透明」及び「半透明」は、透光性を有するフィルムの材質を示す表現であり、色彩の有無とは無関係である。従って、「透明」又は「半透明」のフィルムには、例えば「無色透明」又は「無色半透明」のフィルムは勿論のこと、「有色透明」又は「有色半透明」のフィルムも含まれる。
上記手段1によれば、透明の容器フィルムに対し半透明のカバーフィルムが取着されてなるPTPシートに対し、カバーフィルム側から所定の光が照射され、当該PTPシートを透過した透過光が撮像手段により撮像される。そして、取得した画像データに基づき、シート不良が検出される。
ここでいう「シート不良」には、例えば両フィルム間に挟み込まれた異物や、カバーフィルムに生じた皺や破れなどが含まれる。
例えば通常の透過光の下で撮像された輝度画像データ上において、両フィルム間に異物が挟み込まれている箇所や、カバーフィルムに皺が生じている箇所に関しては、他の正常な部位に比べ暗く映る一方、カバーフィルムに破れが生じている箇所に関しては、他の正常な部位に比べ明るく映る。従って、これらの明暗の差(輝度差)を考慮して所定の閾値を設定することで、シート不良を検出することができる。ここでは、他の正常な部位に比べ暗く映るカバーフィルムの皺や、他の正常な部位に比べ明るく映るカバーフィルムの破れなどを検出するために複数の閾値を設定することとなる。
結果として、半透明のカバーフィルムを有してなるPTPシートに関するシート不良の検査を行うにあたり、カバーフィルムにおける光の拡散等による影響を極力受けることなく、検査精度の飛躍的な向上を図ることができる。
尚、本手段に係る検査装置によれば、カバーフィルムの表面に付着した異物に関しては、上記同様、カバーフィルムの影響により検出困難となるおそれがある(図8のG3参照)。しかし、シート不良の中でも、容器フィルムやカバーフィルムの表面に付着した異物は、両フィルム間に挟み込まれた異物等とは異なり、後工程で取り除くことも可能であるため、他のシート不良に比べ、検査装置によって検出されなくとも特段の不具合は生じにくい。
但し、容器フィルムの表面に付着した異物に関しては、両フィルム間に挟み込まれた異物等と同様に、本手段に係る検査装置によって適正に検出することができる(図8のG2参照)。透明な容器フィルムは一般にポリプロピレン等の樹脂材料(マイナスに帯電しやすい物質)により形成されているため、静電気等により毛髪や粉体等の異物(プラスに帯電しやすい物質)が付着しやすい。そのため、容器フィルムの表面に付着した異物を適正に検出できることは、大きな利点となる。これに対し、例えば図12に示す従来の透過式の検査装置では、両フィルム間に挟み込まれた異物等と同様に、容器フィルムの表面に付着した異物に関しても検出困難となる。
手段2.前記カバーフィルムが薄葉紙を主材料(基材)として形成されたものであることを特徴とする手段1に記載の検査装置。
ここで「薄葉紙を主材料として形成されている」とは、薄葉紙単体で形成されている場合は勿論のこと、樹脂フィルム層やヒートシール層などが重ねられた薄葉紙等をも含む趣旨である。「薄葉紙」には、「グラシン紙」や「パラフィン紙」などが含まれる。
グラシン紙等の薄葉紙は、通気性に優れると共に、金属箔を除く各種基材の中でも強度や破裂性等に優れ、カバーフィルムの素材として適している。
さらに、カバーフィルムが薄葉紙を主材料として形成されている場合には、樹脂材料等で形成されている場合に比べ、静電気等の影響による毛髪や粉体等の異物の付着が低減され得る。
また、仮にカバーフィルムの表面に異物が付着したとしても、容器フィルムの表面に異物が付着した場合に比べ、当該異物は、例えばPTPシートの搬送中に自重で落ちる等して、カバーフィルムの表面から簡単に取り除かれることも多い。
つまり、上記のとおり、本手段に係る検査装置では、カバーフィルムの表面に付着した異物に関しては、カバーフィルムにおける光の拡散等の影響により検出困難となるおそれはあるが、たとえ検査装置がこのような構成であったとしても、カバーフィルムに対し異物が付着しにくくなることで、さほど大きな不具合は生じないようになる。
特にカバーフィルムが横向きとなった状態でPTPシートが垂直搬送されている過程や、カバーフィルムが下向きとなった状態でPTPシートが水平搬送されている過程、カバーフィルムが斜め下向きとなった状態でPTPシートが斜めに搬送されている過程などにおいては、PTPシートの搬送中に異物が落ちやすいため、かかる搬送過程において、本手段に係る検査装置によりシート不良検査が行われるようにすれば、さらに不具合は生じにくくなる。
逆に、このように簡単に取り除かれ得るカバーフィルム表面に付着した異物が検査装置によって検出されないようになることで、本来不良品とすべきでない良品のPTPシートまで不良品扱いしてしまうような無駄な作業を省くことができ、検査効率を高めることができる。
勿論、カバーフィルムの表面に異物が付着し続けたとしても、上述したとおり、かかる異物は、後工程で取り除くことも可能であるため、検査装置によって検出されなくとも特段の不具合は生じにくい。
手段3.前記照射手段は、所定の発光手段から照射される光のうち、前記PTPシートに対する入射角度が所定角度以下となる光の通過を制限する照射光制限手段を備えていることを特徴とする手段1又は2に記載の検査装置。
上記手段3によれば、入射角度が所定角度以下となる光は、照射光制限手段によりその通過が制限され、PTPシートに対し照射されないこととなる。換言すれば、入射角度が所定角度を超える光のみがPTPシートに対し照射されることとなる。
仮にカバーフィルムに破れが生じているPTPシートに対し、照射光制限手段を通さない通常の光を照射した場合には、上述したように、撮像手段により撮像された画像データ上においては、カバーフィルムに破れが生じている箇所が、他の正常な部位に比べ明るく映る。
一方、カバーフィルムに破れが生じているPTPシートに対し、照射光制限手段を介して光を照射した場合には、当該破れが生じた箇所を通過して、所定の発光手段から撮像手段に対し直接入射される光がなくなる又は減ることとなる。つまり、撮像手段により撮像された画像データ上においては、拡散光を放つカバーフィルムの他の正常な部位に比べ、カバーフィルムに破れが生じている箇所が暗く映ることとなる。
従って、照射光制限手段を介して光を照射した場合には、カバーフィルムに皺が生じている箇所も、カバーフィルムに破れが生じている箇所も同じく、他の正常な部位に比べ暗く映ることとなる。結果として、これらのシート不良を検出するために複数の閾値を設定する必要もなく、例えば1つの閾値によって、これらをまとめて検出することも可能となるため、検査処理の簡素化を図ることができる。
上記効果をより高めるためには、例えば前記「入射角度」が「前記撮像手段のレンズ部の画角2θの半分である所定角度θ」以下に設定されることが好ましい。
さらに、本手段3によれば、カバーフィルムの表面に付着した異物をさらに検出困難にすることができ、上記手段2の作用効果を高めることができる。つまり、簡単に取り除かれ得るカバーフィルム表面に付着した異物が検査装置によって検出されないようにすることで、本来不良品とすべきでない良品のPTPシートまで不良品扱いしてしまうような無駄な作業を省くことができ、検査効率を高めることができる。
手段4.前記照射光制限手段は、前記発光手段から照射された光が入射される入射面において断面三角形状の突条部が複数並設されると共に、光が出射される出射面が平坦に形成されたプリズムシートにより構成されていることを特徴とする手段3に記載の検査装置。
上記手段4によれば、比較的簡単な構成により、容易に照射光制限手段を実現することができ、検査装置の簡素化を図ることができる。
手段5.前記照射手段は、前記所定の光として赤外光を照射可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の検査装置。
赤外光は、グラシン紙等からなる半透明のカバーフィルムを透過しやすいため、照射光として赤外光を用いることにより、青色光などの可視光を用いた場合に比べ、上記手段1等の作用効果をより高めることができる。
また、赤外光を利用しているため、カバーフィルムに文字やデザイン等が印刷されている場合でも、その影響を受けにくく、検査精度が低下するおそれを低減することができる。
手段6.前記画像処理装置は、前記不良検出手段により検出されたシート不良の種別を判別可能な判別手段を備えていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の検査装置。
上記手段6によれば、上記判別手段を備えることにより、本来不良品とすべきでない良品のPTPシートまで不良品扱いしてしまうような無駄な作業を省くことができ、検査効率を高めることができる。
例えば撮像された画像データにおいて、シート不良として検出された部位(例えば暗部)の大きさや形状等を判別することにより、シート不良の種別を判別することができる。
具体例としては、例えばシート不良部位の形状が細長くかつその幅が広い場合には、カバーフィルムの皺と判別することができ、シート不良部位の形状が細長くかつその幅が狭い場合には、毛髪と判別することができる。また、シート不良部位の形状が円形でかつ大きさが小さい場合には、錠剤粉等の粉体と判別することができる。このように、小さな錠剤粉が付着しただけである場合には、シート不良ではなく、良品として取り扱うことができる。
手段7.手段1乃至6のいずれかに記載の検査装置を備えたことを特徴とするPTP包装機。
上記手段7のように、上記検査装置をPTP包装機に備えることで、PTPシートの製造過程において不良品を効率的に除外できる等のメリットが生じる。
一般に、PTP包装機は、帯状に搬送される容器フィルムに対しポケット部を形成するポケット部形成手段と、前記ポケット部に対し内容物を充填する充填手段と、前記ポケット部を塞ぐようにして前記容器フィルムに対し帯状のカバーフィルムを取着する取着手段と、前記容器フィルムに前記カバーフィルムが取着された帯状のPTPフィルムをPTPシート単位に打ち抜くシート打抜手段とを備える。また、PTP包装機は、上記検査装置によって不良と判定されたPTPシートを排出する排出手段を備える。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず検査対象となるPTPシートの構成について詳しく説明する。
図1,2に示すように、PTPシート1は、複数のポケット部2を備えた容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたカバーフィルム4とを有している。各ポケット部2には、内容物としての錠剤5が1つずつ収容されている。
本実施形態における容器フィルム3は、例えばPP(ポリプロピレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)等の無色透明の熱可塑性樹脂材料によって形成されている。
一方、カバーフィルム4は、白色半透明のグラシン紙に対し、容器フィルム3に取着するためのシール層が形成されてなり、少なくともポケット部2に対応する部位に関しては通気性を有している。また、カバーフィルム4には、図示しない文字や装飾デザイン等が印刷されている。
PTPシート1〔図1(a)参照〕は、帯状の容器フィルム3及び帯状のカバーフィルム4から形成された帯状のPTPフィルム6〔図1(b)参照〕がシート状に打抜かれることにより製造される。
次に、上記PTPシート1を製造するPTP包装機10の概略構成について図3を参照して説明する。
図3に示すように、PTP包装機10の最上流側では、帯状の容器フィルム3の原反がロール状に巻回されている。ロール状に巻回された容器フィルム3の引出し端側は、ガイドロール13に案内されている。容器フィルム3は、ガイドロール13の下流側において間欠送りロール14に掛装されている。間欠送りロール14は、間欠的に回転するモータに連結されており、容器フィルム3を間欠的に搬送する。
ガイドロール13と間欠送りロール14との間には、容器フィルム3の搬送経路に沿って、加熱装置15及びポケット部形成装置16が順に配設されている。そして、加熱装置15によって容器フィルム3が加熱されて該容器フィルム3が比較的柔軟になった状態において、ポケット部形成装置16によって容器フィルム3の所定位置に複数のポケット部2が成形される。加熱装置15及びポケット部形成装置16によって、本実施形態におけるポケット部形成手段が構成される。ポケット部2の形成は、間欠送りロール14による容器フィルム3の搬送動作間のインターバルの際に行われる。
間欠送りロール14から送り出された容器フィルム3は、テンションロール18、ガイドロール19及びフィルム受けロール20の順に掛装されている。フィルム受けロール20は、一定回転するモータに連結されているため、容器フィルム3を連続的に且つ一定速度で搬送する。テンションロール18は、容器フィルム3を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記間欠送りロール14とフィルム受けロール20との搬送動作の相違による容器フィルム3の撓みを防止して容器フィルム3を常時緊張状態に保持する。
ガイドロール19とフィルム受けロール20との間には、容器フィルム3の搬送経路に沿って、錠剤充填装置21が配設されている。錠剤充填装置21は、ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する充填手段としての機能を有する。錠剤充填装置21は、フィルム受けロール20による容器フィルム3の搬送動作と同期して、所定間隔毎にシャッタを開くことで錠剤5を落下させるものであり、このシャッタ開放動作に伴って各ポケット部2に錠剤5が充填される。
錠剤充填装置21とフィルム受けロール20との間には、容器フィルム3の搬送経路に沿って、検査装置22が配設されている。この検査装置22は、例えば錠剤5が各ポケット部2に確実に充填されているか否か、錠剤5の異常の有無、ポケット部2への異物混入の有無など、主として錠剤不良に関する検査を行うためのものである。
一方、帯状に形成されたカバーフィルム4の原反は、最上流側においてロール状に巻回されている。
ロール状に巻回されたカバーフィルム4の引出し端は、ガイドロール24に案内され、加熱ロール25の方へと案内されている。加熱ロール25は、前記フィルム受けロール20に圧接可能となっており、両ロール20,25間に容器フィルム3及びカバーフィルム4が送り込まれるようになっている。そして、容器フィルム3及びカバーフィルム4が、両ロール20,25間を加熱圧接状態で通過することで、容器フィルム3にカバーフィルム4が貼着され、ポケット部2がカバーフィルム4で塞がれる。これにより、錠剤5が各ポケット部2に充填された帯状体としてのPTPフィルム6が製造されるようになっている。加熱ロール25の表面には、シール用の網目状の微細な凸条が形成されており、これが強く圧接することで、強固なシールが実現されるようになっている。フィルム受けロール20及び加熱ロール25により本実施形態における取着手段が構成される。
フィルム受けロール20から送り出されたPTPフィルム6は、テンションロール27及び間欠送りロール28の順に掛装されている。間欠送りロール28は、間欠的に回転するモータに連結されているため、PTPフィルム6を間欠的に搬送する。テンションロール27は、PTPフィルム6を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記フィルム受けロール20と間欠送りロール28との搬送動作の相違によるPTPフィルム6の撓みを防止してPTPフィルム6を常時緊張状態に保持する。
フィルム受けロール20とテンションロール27との間には、PTPフィルム6の搬送経路に沿って、検査装置29が配設されている。この検査装置29は、例えば両フィルム3,4間に挟み込まれた毛髪や錠剤粉等の異物G1や、カバーフィルム4に生じた皺4aや破れ4bなど、主としてシート不良に関する検査を行うためのものである(図8参照)。
間欠送りロール28から送り出されたPTPフィルム6は、テンションロール31及び間欠送りロール32の順に掛装されている。間欠送りロール32は、間欠的に回転するモータに連結されているため、PTPフィルム6を間欠的に搬送する。テンションロール31は、PTPフィルム6を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記間欠送りロール28,32間でのPTPフィルム6の撓みを防止する。
間欠送りロール28とテンションロール31との間には、PTPフィルム6の搬送経路に沿って、スリット形成装置33及び刻印装置34が順に配設されている。スリット形成装置33は、PTPフィルム6の所定位置に切離用スリットを形成する機能を有する。また、刻印装置34はPTPフィルム6の所定位置(例えばタグ部)に刻印を付す機能を有する。
間欠送りロール32から送り出されたPTPフィルム6は、その下流側においてテンションロール35及び連続送りロール36の順に掛装されている。間欠送りロール32とテンションロール35との間には、PTPフィルム6の搬送経路に沿って、シート打抜装置37が配設されている。シート打抜装置37は、PTPフィルム6をPTPシート1単位にその外縁を打抜くシート打抜手段としての機能を有する。
シート打抜装置37によって打抜かれたPTPシート1は、取出しコンベア39によって搬送され、完成品用ホッパ40に一旦貯留される。なお、上記各検査装置22,29によって不良品と判定された場合、その不良品と判定されたPTPシート1は、図示しない排出手段としての不良シート排出機構によって別途排出される。
前記連続送りロール36の下流側には、裁断装置41が配設されている。そして、シート打抜装置37による打抜き後に帯状に残った残材部(スクラップ部)を構成する不要フィルム部42は、前記テンションロール35及び連続送りロール36に案内された後、裁断装置41に導かれる。なお、前記連続送りロール36は従動ロールが圧接されており、前記不要フィルム部42を挟持しながら搬送動作を行う。裁断装置41では、不要フィルム部42を所定寸法に裁断しスクラップ処理する機能を有する。このスクラップはスクラップ用ホッパ43に貯留された後、別途廃棄処理される。
なお、上記各ロール14,20,28,31,32などは、そのロール表面とポケット部2とが対向する位置関係となっているが、間欠送りロール14等の表面には、ポケット部2が収容される凹部が形成されているため、ポケット部2が潰れてしまうことがない。また、ポケット部2が間欠送りロール14等の各凹部に収容されながら送り動作が行われることで、間欠送り動作や連続送り動作が確実に行われる。
PTP包装機10の概略は以上のとおりであるが、以下に上記検査装置29の構成について図面を参照してより詳しく説明する。図4は、検査装置29の電気的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、検査装置29は、照射手段としての照明装置52、撮像手段としてのカメラ53、画像処理装置54、出力手段としてのモニタ55、及び、入力手段としてのキーボード56等を備えている。
ここで照明装置52の構成についてより詳しく説明する。本実施形態における照明装置52は、カバーフィルム4側に配置されており、カバーフィルム4側からPTPフィルム6に対し所定の光を照射する(図3,8参照)。
また、図5に示すように、照明装置52は、LED実装基板57と、これを覆う拡散板58を有しており、面発光可能に構成されている。LED実装基板57及び拡散板58により本実施形態における発光手段が構成される。
LED実装基板57には、所定の光としての赤外光を照射可能な赤外LED57a(赤外光源)が多数配列されている。赤外光は、可視光に比べて透過率が高いため、より精度の高い検査が可能となる。容器フィルム3やカバーフィルム4として着色(有色)フィルムが採用される場合があるが、このような場合でも、着色による減光要素を無視しやすくなる。
さらに、照明装置52は、拡散板58と並設するように、照射光制限手段としての角度透過率制御フィルタ59を備えている。
本実施形態における角度透過率制御フィルタ59は、プリズムシートにより構成されている。より詳しくは、角度透過率制御フィルタ59(プリズムシート)は、拡散板58に面した入射面59aと、その反対側(PTPフィルム6側)に位置する出射面59bとを備えている。
出射面59bは平坦に形成されている一方、入射面59aには、断面三角形状の突条部59cが所定方向に沿って複数並設されている。
本実施形態における角度透過率制御フィルタ59は、図6に示すように、少なくともカメラ53の光軸L1方向に沿って拡散板58から照射される赤外光を全反射可能に構成されると共に、カメラ53のレンズ部の画角2θの範囲内の光を全反射可能に構成されている。
これにより、拡散板58から照射される光のうち、PTPフィルム6に対する入射角度が所定角度θ以下となる光は、その通過が制限され、PTPフィルム6に対し照射されないこととなる。換言すれば、入射角度が所定角度θを超える光のみがPTPフィルム6に対し照射されることとなる。
次にカメラ53の構成についてより詳しく説明する。カメラ53は、PTPフィルム6を介して照明装置52とは反対側にあたる容器フィルム3側に配置されている(図3,8参照)。本実施形態では、カメラ53として、少なくとも赤外光に感度のあるCCDカメラが採用されている。勿論、これに限らず、CMOSカメラを採用してもよい。
これにより、照明装置52から照射された赤外光がPTPフィルム6を照らし、そこを透過した光がカメラ53によって二次元撮像されることとなる。そして、カメラ53によって撮像された画像データは、カメラ53内部においてデジタル信号(画像信号)に変換された上で、デジタル信号の形で画像処理装置54に入力されるようになっている。
画像処理装置54は、図4に示すように、カメラ53に対応する画像メモリ61、マスキング手段62、二値化手段63、判定用メモリ64、検査結果及び統計データメモリ65、カメラタイミング制御手段66、並びに、CPU及び入出力インターフェース67などから構成され、後述するような画像データの処理やシート不良の判定(検査)等を実施可能となっている。
カメラ53で撮像された二次元イメージデータ(輝度画像データ)は、デジタル信号に変換された後、画像メモリ61に記憶される。また、イメージデータは、検査時において、マスキング手段62によりマスキング処理が行われた後、再度画像メモリ61に記憶され、同様に、二値化手段63により二値化された後、再度画像メモリ61に記憶される。
CPU及び入出力インターフェース67は、各種処理プログラムを判定用メモリ64の記憶内容などを使用しつつ実行するとともに、PTP包装機10に制御信号を送出し又はPTP包装機10から動作信号などの各種信号を送受信するためのものである。これによって、例えば、PTP包装機10の不良シート排出機構などを制御することができるようになっている。また、CPU及び入出力インターフェース67は、モニタ55に表示データを送出する機能をも有する。かかる機能により、二値あるいは濃淡のイメージデータや不良検査結果などを、モニタ55に表示させることができるようになっている。さらに、CPU及び入出力インターフェース67は、キーボード56からのデータを入力する機能をも有する。
検査結果及び統計データメモリ65は、イメージデータに関する座標等のデータ、検査結果データ、及び、該検査結果データを確率統計的に処理した統計データなどを記憶するものである。これらの検査結果データや統計データは、CPU及び入出力インターフェース67の制御に基づき、適宜モニタ55に表示させることができる。また、これらの検査結果データや統計データに基づいてCPU及び入出力インターフェース67がPTP包装機10に制御信号を送出することもできる。
カメラタイミング制御手段66は、カメラ53が撮像するイメージデータを、画像メモリ61に取り込むタイミングを制御するものである。かかるタイミングはPTP包装機10に設けられた図示しないエンコーダからの信号に基づいて制御され、PTPフィルム6を所定量送るごとにカメラ53によるシート単位(例えば打ち抜かれるPTPシート単位)で撮像が行われる。
次に検査装置29によって行われるシート不良に関する検査の手順について図7のフローチャート等を参照して説明する。
まずステップS1において、検査対象となるPTPフィルム6(PTPシート1)に対し照明装置52から赤外光を照射して、当該赤外光の照射されたPTPフィルム6をカメラ53により撮像する(撮像処理)。これにより、PTPフィルム6の輝度画像データが取得される。取得した輝度画像データは、上記のとおり、デジタル信号に変換された後、画像メモリ61に記憶される。
輝度画像データが取得されると、ステップS2において、二値化手段63によって二値化画像データを形成し、再び画像メモリ61に記憶させる(二値化処理)。より詳しくは、閾値δ0以上を「1(明)」、閾値δ0未満を「0(暗)」として、輝度画像データが二値化画像データに変換される(図9参照)。図9は、各種シート不良を有するPTPフィルム6の輝度画像データにおける輝度レベルの変化の一例を示すグラフである。
図9に示すように、PTPフィルム6は、カバーフィルム4が正常に貼付されている部位ほど、照射された光が透過拡散し明るく映る。一方、両フィルム3,4間に異物G1が存在する部位や、カバーフィルム4に皺4aが生じている部位などは暗く映る。
加えて、本実施形態では、角度透過率制御フィルタ59を備えているため、照明装置52から照射された光がカバーフィルム4の破れ4bを介して直接カメラ53に入射することがなく、カバーフィルム4に破れ4bが生じている部位に関しても暗く映ることとなる。
つまり、異物G1が存在する部位や、カバーフィルム4に皺4aや破れ4bが生じている部位などのシート不良のある部位が「0(暗)」となり、これを除いた正常な部位(ポケット部2内の領域を除く)が「1(明)」となった二値化画像データが取得される。
次にステップS3において、画像メモリ61に記憶された二値化画像データに対して塊処理を実行する。塊処理としては、二値化画像データの「0(暗)」及び「1(明)」について各連結成分を特定する処理と、それぞれの連結成分についてラベル付けを行うラベル付け処理とがある。ここで、それぞれ特定される各連結成分の占有面積はカメラ53の画素に応じたドット数で表される。
続くステップS4において、二値化画像データから求めた「0(暗)」の連結成分の中から、上記異物G1や皺4a、破れ4b等に相当する連結成分すなわちシート不良領域を特定する。
より詳しくは、予め設定したマスキングデータを用いて、マスキング手段62によりポケット部2内の領域(ポケット部領域)に対しマスキング処理を施し、ポケット部2外のシート部領域を検査領域と設定した上で、シート不良領域を特定する。尚、ステップS2〜S4に係る処理を実行する画像処理装置54の処理機能が本実施形態における不良検出手段を構成する。
ステップS5では、ステップS4において特定した各シート不良領域の面積Sxを算出する。
ステップS6では、ステップS5において算出した各シート不良領域の面積Sxが、予め設定した面積判定値So以下か否かを判定する。すなわち、各シート不良領域の面積Sxが許容範囲内にあるか否かを判定する。
ここで、すべてのシート不良領域の面積Sxが許容範囲内である場合には、ステップS7へ移行し、良品判定を行う。一方、シート不良領域の面積Sxが1つでも許容範囲内にない場合にはステップS8へ移行し、不良判定を行う。
このように上記検査ルーチンの処理は、後にPTPシート1となるPTPフィルム6上の各シート単位に実行され、PTPシート1となって裁断されたときに同一シート上に一つでも不良判定されたシート不良が存在するときは、そのシートは不良と判断され排出される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、透明の容器フィルム3に対し半透明のカバーフィルム4が取着されてなるPTPシート1に対し、カバーフィルム4側から赤外光が照射され、当該PTPシート1を透過した透過光がカメラ53により撮像される。そして、取得した画像データに基づき、両フィルム3,4間に存在する異物G1や、カバーフィルム4に生じた皺4aや破れ4bなど、各種シート不良が検出される。
結果として、半透明のカバーフィルム4を有してなるPTPシート1に関するシート不良の検査を行うにあたり、カバーフィルム4における光の拡散等による影響を極力受けることなく、検査精度の飛躍的な向上を図ることができる。
さらに、本実施形態に係る検査装置29によれば、容器フィルム3の表面に付着した異物G2(図8参照)に関しても、両フィルム3,4間に存在する異物G1等と同様に適正に検出することができる。PP等の樹脂材料によって形成される容器フィルム4には、静電気等により毛髪や錠剤粉等の異物が付着しやすい。そのため、容器フィルム4の表面に付着した異物G2を適正に検出できることは、大きな利点となる。
一方、本実施形態におけるカバーフィルム4は、グラシン紙を基材として形成されているため、容器フィルム3に比べ、毛髪や錠剤粉等の異物が付着しにくくなる。仮にカバーフィルム4の表面に異物G3が付着したとしても(図8参照)、PTPシート1の搬送中に自重で落ちる等、カバーフィルム4の表面から取り除かれやすくなる。
特に本実施形態では、カバーフィルム4が横向きとなった状態でPTPフィルム6が垂直搬送されている過程において、検査装置29によるシート不良検査が行われる構成となっているため(図3参照)、シート不良検査が行われる際に、カバーフィルム4の表面に異物G3が付着している可能性は極めて低い。
尚、仮にカバーフィルム4の表面に異物G3が付着している場合には、カバーフィルム4における光の拡散等による影響により、本実施形態に係る検査装置29によっては当該異物G3の検出は困難となるものの、当該異物G3は、両フィルム3,4間に挟み込まれた異物G1等とは異なり、後工程で取り除くことも可能であるため、検査装置29によって検出されなくとも特段の不具合は生じない。
逆に、簡単に取り除かれ得るカバーフィルム4の表面に付着した異物G3が検査装置29によって検出されないようにすることで、本来不良品とすべきでない良品のPTPシート1まで不良品扱いしてしまうような無駄な作業を省くことができ、検査効率を高めることができる。
さらに、本実施形態では、角度透過率制御フィルタ59を備えており、入射角度が所定角度θ以下となる光は、その通過が制限され、PTPシート1に対し照射されない構成となっている。これにより、カバーフィルム4の表面に付着した異物G3に関しては、さらにぼやけることとなり、その検出がさらに困難となる。結果として、上記作用効果をより確実なものとすることができる。
加えて、角度透過率制御フィルタ59を備えることにより、照明装置52から照射された光がカバーフィルム4の破れ4bを介して直接カメラ53に入射しなくなるため、カバーフィルム4に破れ4bが生じている部位に関しても拡散光を放つカバーフィルム4の他の正常な部位に比べ暗く映ることとなる。
結果として、異物G1が存在する部位や、カバーフィルム4に皺4aや破れ4bが生じている部位などのシート不良のある部位すべてが、正常な部位よりも暗く映るため、これらのシート不良を検出するために複数の閾値を設定する必要もなく、1つの閾値δ0によって、これらをまとめて検出することが可能となるため、検査処理の簡素化を図ることができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、内容物が錠剤5である場合について具体化しているが、内容物の種別、形状等については特に限定されるものではなく、例えば食品や電子部品等、内容物が錠剤5とは異なるものであってもよい。
(b)上記実施形態では、容器フィルム3がPPやPVC等の無色透明の熱可塑性樹脂材料により形成され、カバーフィルム4が白色半透明のグラシン紙を基材として形成されているが、各フィルム3,4の材料は、これらに限定されるものではなく、他の材質のものを採用してもよい。
例えば容器フィルム3に関しては、透明フィルムであればよく、他の素材により形成されたものであってもよい。また、無色透明の容器フィルム3に限らず、赤色透明など、有色透明のフィルムを採用してもよい。
カバーフィルム4に関しても、半透明フィルムであればよく、他の素材により形成されたものであってもよい。例えばグラシン紙とは異なる薄葉紙(例えばパラフィン紙)を基材として形成されたフィルムを採用してもよい。また、白色半透明のカバーフィルム4(グラシン紙等)に限らず、例えば黄色半透明など、有色半透明のフィルム(グラシン紙等)を採用してもよい。尚、カバーフィルム4は、必ずしも通気性を有している必要はない。つまり、グラシン紙等の薄葉紙を基材として用いたフィルムに限定されるものではなく、例えば半透明の樹脂材料等に形成されたものを採用してもよい。
(c)上記実施形態では、PTPシート1に対し赤外光を照射する構成となっているが、照射光はこれに限定されるものではない。例えば近赤外光や可視光を照射する構成としてもよい。
(d)照射光制限手段としての角度透過率制御フィルタ59の構成は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば上記実施形態では、角度透過率制御フィルタ59がプリズムシートにより構成されているが、これに限定されるものではない。例えば所定のコーティング処理が施されたシートや、電気的に透過率を制御するフィルタなど、異なる構成のものを採用してもよい。
また、上記実施形態では、角度透過率制御フィルタ59が、カメラ53のレンズ部の画角2θの範囲内の光を全反射するように構成されている。すなわちPTPシート1に対する入射角度が所定角度θ以下となる光を全反射可能に構成されている。
これに限らず、少なくともPTPシート1に対する入射角度が所定角度θ以下となる光を減光するような構成となっていればよい。勿論、制限される光に関しても、その入射角度が、カメラ53のレンズ部の画角2θの半分である所定角度θ以下となる光に限定されるものではない。
(e)上記実施形態では、照明装置52が角度透過率制御フィルタ59を備えた構成となっているが、角度透過率制御フィルタ59を省略した構成としてもよい。
角度透過率制御フィルタ59を省略した構成においては、照明装置52から照射された光がカバーフィルム4の破れ4bを介して直接カメラ53に入射するようになる。このため、撮像された輝度画像データ上においては、両フィルム3,4間に異物G1が挟み込まれている箇所や、カバーフィルム4に皺4aが生じている箇所に関しては、他の正常な部位に比べ暗く映る一方、カバーフィルム4に破れ4bが生じている箇所に関しては、他の正常な部位に比べ明るく映ることとなる。
かかる場合には、図10に示すように、他の正常な部位に比べ暗く映るカバーフィルム4の皺4aや、両フィルム3,4間に挟み込まれた異物G1を検出するための閾値δ1や、他の正常な部位に比べ明るく映るカバーフィルム4の破れ4bを検出するための閾値δ2を設定するなど、複数の閾値δ1,δ2を設定することで、これらのシート不良を検出することができる。
(f)上記実施形態では、シート不良領域の面積Sxが、予め設定した面積判定値So以下であるか否かによって、PTPシート1の良品判定を行う構成となっているが、良否判定の方法はこれに限定されるものではない。
例えばシート不良領域の周囲長、長径、長径/短径比、面積/周囲長比などを基に良否判定を行う構成としてもよい。
また、検出されたシート不良の種別を判別可能な構成とし、この判別結果を基に、PTPシート1の良品判定を行う構成としてもよい。これにより、本来不良品とすべきでない良品のPTPシート1まで不良品扱いしてしまうような無駄な作業を省くことができ、検査効率を高めることができる。かかる判別処理を行う機能が本実施形態における判別手段を構成する。
例えばシート不良領域の形状が細長くかつその幅が広い場合には、カバーフィルム4の皺4aと判別することができ、シート不良領域の形状が細長くかつその幅が狭い場合には、毛髪と判別することができる。また、シート不良領域の形状が円形でかつ大きさが小さい場合には、錠剤粉等の粉体と判別することができる。このように、小さな錠剤粉が付着しただけである場合には、シート不良ではなく、良品として取り扱うことができる。
(g)上記実施形態では、PTPフィルム6が上下方向に沿って搬送される過程において、検査装置29によるシート不良検査が行われる構成となっているが、検査装置29による検査位置はこれに限定されるものではない。
例えばPTPフィルム6が水平方向に搬送される位置や、斜めに搬送される位置に対応して検査装置29を配置した構成としてもよい。
但し、カバーフィルム4が横向きとなった状態でPTPフィルム6が垂直搬送されている過程や、カバーフィルム4が下向きとなった状態でPTPフィルム6が水平搬送されている過程、カバーフィルム4が斜め下向きとなった状態でPTPフィルム6が斜めに搬送されている過程などにおいて、検査装置29によるシート不良検査が行われる構成とすることが好ましい。
かかる過程においては、カバーフィルム4の表面に付着した異物G3が、PTPフィルム6の搬送中に落下しやすくなるため、当該異物G3が検査装置29によって検出されないようになり、本来不良品とすべきでない良品のPTPシート1まで不良品扱いしてしまうような無駄な作業を省くことができ、検査効率を高めることができる。
また、シート打抜装置37によってPTPフィルム6をPTPシート1単位に打ち抜いた後段階で検査装置29によるシート不良検査を行う構成としてもよい。例えばコンベア39のベルト部材を透光性部材により構成すると共に、当該コンベア39によりPTPシート1を搬送しつつ、コンベア39の下側からPTPシート1に対し光を照射し、シート不良検査を行う構成としてもよい。
(g)上記実施形態では、両フィルム3,4間に存在する異物G1や、カバーフィルム4に生じた皺4aや破れ4bなどのシート不良を検査する構成となっているが、検査項目となるシート不良は、これに限定されるものではない。例えばカバーフィルム4のシール不良(接着不良)などを検査する構成としてもよい。