JP2015074251A - 車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】フロアを低くしつつ、側面衝突による荷重に対する強度を大きくすることができる車体構造を提供することを課題とする。【解決手段】車体構造1であって、車両前後方向に延ばされたフロアフレーム2と、フロアフレーム2に対して車両外側に配置され、フロアフレーム2に沿って延ばされたサイドシル10と、を備えている。サイドシル10には、スライドドア用のレール20の収容空間が形成され、収容空間の上部は上板部材12によって覆われている。上板部材12には、フロアフレーム2に接合された固定部12bが設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、スライドドアを有する車両の車体構造に関する。
自動車の車体構造としては、車体の側縁部に設けられたサイドシルと、車両左右方向に延ばされたクロスメンバと、を備え、クロスメンバはフロアパネルの上面に配置され、クロスメンバの一端がサイドシルの側面に接合されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
前記した従来の車体構造では、側面衝突時にサイドシルに作用した荷重をクロスメンバによって支持することができる。
特許4715341号公報
前記した従来の車体構造では、サイドシルがフロアパネルよりも上方に大きく突出しているため、サイドシルの側面にクロスメンバを接合することができる。したがって、自動車への乗員の乗降し易さや車室内スペースを拡大することを考慮して、サイドシルをフロアパネルと略同じ高さまで低くすると、前記した車体構造を適用することができないという問題がある。
また、車体のフロアが低くなると、側面衝突時にフロアよりも上方に大きな荷重が作用することなる。そして、前記した車体構造では、フロアよりも上方に大きな荷重が作用したときに、フロアパネルの上面に設けたクロスメンバによって大きな荷重を支持することが難しい。
本発明は、前記した問題を解決し、フロアを低くしつつ、側面衝突による荷重に対する強度を大きくすることができる車体構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、車体構造であって、車両前後方向に延ばされたフロアフレームと、前記フロアフレームに対して車両外側に配置され、前記フロアフレームに沿って延ばされたサイドシルと、を備えている。前記サイドシルには、スライドドア用のレールの収容空間が形成され、前記収容空間の上部は上板部材によって覆われている。前記上板部材には、前記フロアフレームに接合された固定部が設けられている。
この構成では、側面衝突による荷重はサイドシルから固定部を通じてフロアフレームに伝達されて分散される。また、サイドシルの上板部材をフロアフレームに接合しているため、サイドシルをフロアフレームと略同じ高さに配置することができる。
したがって、本発明の車体構造では、フロアを極力低くかつ平坦に構成しつつ、車体の既存部材を利用して、側面衝突による荷重に対する車体の強度を大きくすることができる。
前記した車体構造において、前記上板部材の前記固定部が前記フロアフレームの上面の一部を構成している場合には、車体の強度および剛性を十分に確保するとともに、車体の部品点数を削減して、車体を軽量化することができる。
前記した車体構造が前記サイドシルから上方に延ばされたピラーを有し、前記上板部材の一部が前記ピラーに対して車両内側に配置されている場合には、前記上板部材を前記ピラーに接合することが望ましい。
フロアが低くなることで、側面衝突時にフロアよりも上方に荷重が作用した場合には、その荷重をピラーが受けることになる。このとき、前記した構成では、側面衝突による荷重はピラーからサイドシルの固定部を通じてフロアフレームに伝達されるため、側面衝突による荷重に対するピラーの強度を大きくすることができる。
前記した車体構造が前記サイドシルから上方に延ばされたピラーを有し、前記上板部材の一部が前記ピラーに対して車両内側に配置されている場合には、前記ピラーと前記フロアフレームとの間に補強部材を配置し、前記補強部材を前記上板部材の上面に接合するとともに、前記ピラーおよび前記フロアフレームに接合することが望ましい。なお、補強部材は、上板部材を介してピラーおよびフロアフレームに接合してもよい。
この構成では、ピラーとフロアフレームとの間が補強されているため、側面衝突による荷重がピラーに作用したときに、車体のフロアが変形するのを抑えることができる。また、側面衝突による荷重はサイドシルおよび補強部材を通じてフロアフレームに確実に伝達されるため、側面衝突による荷重に対するピラーの強度を大きくすることができる。
前記した車体構造において、前記補強部材にシートを連結した場合には、シートを車体に対して強固に固定することができるため、車両の衝突時にシートに着座している乗員を確実に保護することができる。
前記した車体構造が車両左右方向に並設された一対の前記フロアフレームを備え、前記両フロアフレームの間に架け渡されたクロスメンバを有している場合には、前記クロスメンバは前記サイドシルの前記固定部に対して車両内側で前記フロアフレームに接合することが望ましい。
この構成では、クロスメンバによって両フロアフレームを支持するとともに、側面衝突時にサイドシルからフロアフレームに伝達された荷重は、クロスメンバを通じて他のフロアフレームに伝達される。したがって、側面衝突による荷重に対する車体の強度をより大きくすることができる。
本発明の車体構造では、フロアを極力低くかつ平坦に構成しつつ、車体の既存部材を利用して、側面衝突による荷重に対する車体の強度を大きくすることができる。
本実施形態の車体構造を示した斜視図である。 本実施形態の車体構造のサイドシル周辺を拡大した斜視図である。 本実施形態の車体構造のサイドシルの中間部を拡大した斜視図である。 図3の車体構造から補強部材を除いた状態の斜視図である。 本実施形態の車体構造を示した図で、図2のA−A断面図である。 本実施形態の車体構造とシートとの取付構造を示した斜視図である。 本実施形態の車体構造とシートの取付構造を拡大した斜視図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態の車体構造1aは、図1に示すように、リヤ側にスライドドアを有する自動車の車体1に適用される。
車体構造1aは、車体前後方向に延ばされた左右一対のフロアフレーム2,2と、両フロアフレーム2,2に架け渡されたクロスメンバ3と、フロアフレーム2,2およびクロスメンバ3に架け渡されたフロアパネル4と、を主に備えている。
また、車体構造1aは、フロアフレーム2,2に対して車両外側に配置された左右一対のサイドシル10,10と、両サイドシル10,10から上方に延ばされた左右一対のセンタピラー6,6と、を備えている。センタピラー6とリヤホイールハウス7との間にはスライドドア開口部8が形成されている。
前記したフロアフレーム2,2、クロスメンバ3、フロアパネル4およびサイドシル10,10等によってフロア5が形成されている。
さらに、車体構造1aは、フロア5の前後方向の略中央部で両フロアフレーム2,2に架け渡された補強用のクロスメンバ9を備えている。
本実施形態の車体構造1aは、高張力鋼板をプレス加工等により成形した複数の部材を溶接して形成されている。
なお、本実施形態の車体構造1aは、左右対称の構造であるため、以下の説明では、車体構造1aの右側の構成について説明し、車体構造1aの左側の構成については省略する。
フロアフレーム2は、図5に示すように、矩形断面の中空構造であり、フロアフレーム2の上面は、フロアパネル4の上面と略同じ高さに配置されている。
サイドシル10は、図1に示すように、車体1の側縁部を構成するものであり、フロアフレーム2に沿って車両前後方向に延ばされている。サイドシル10は、車体1のフロントピラー(図示せず)とリヤホイールハウス7との間に配置されている。
サイドシル10の前後方向の中間部10aの外側面から上方に向けてセンタピラー6が延ばされている。図4に示すように、サイドシル10の中間部10aはセンタピラー6に対して車両内側に配置されている。すなわち、サイドシル10の中間部10aは、センタピラー6とフロアフレーム2との間に入り込んでいる。
サイドシル10の中間部10aの上面は、図5に示すように、センタピラー6とフロアフレーム2の間において、フロアフレーム2の上面よりも低く配置されている。
サイドシル10は、図2に示すように、センタピラー6とリヤホイールハウス7との間において、スライドドア開口部8の下縁部を構成している。
サイドシル10は、図5に示すように、中空構造の部材である。センタピラー6とリヤホイールハウス7との間では、サイドシル10の内部に収容空間11が形成されている。収容空間11は、スライドドア用のレール20を収容するための空間である。
収容空間11の上部は上板部材12によって覆われている。上板部材12は、図1に示すように、サイドシル10の中間部10aからサイドシル10の基端部に亘って配置されている。図5に示すように、上板部材12の上面は、フロアフレーム2およびフロアパネル4の上面と略同じ高さに配置されている。
図1に示すように、サイドシル10の車両外側の側部において、センタピラー6とリヤホイールハウス7との間には開口部11aが形成されている。すなわち、収容空間11は、センタピラー6とリヤホイールハウス7との間において車両外側に開口している。
上板部材12の下面には、図5に示すように、レール20が取り付けられている。レール20は下向きに開口している。レール20は、図1に示すように、サイドシル10の中間部10aから後端部10bに亘って延ばされている。
スライドドア(図示せず)の車室側の壁面に突設されたアーム(図示せず)が、サイドシル10の開口部11aを通じて収容空間11内に挿入され、アームの先端部に設けられたローラがレール20に連結される。そして、アームがレール20に沿って車両前後方向に移動することで、スライドドアを開閉することができる。
上板部材12の前端部には、図4に示すように、フランジ12aが立ち上げられている。フランジ12aは、センタピラー6の車両内側の側面に重ね合わされており、センタピラー6の側面に溶接されている。これにより、上板部材12の前端部がセンタピラー6に接合されている。
上板部材12の前端部には、車両内側に向けて延ばされた固定部12bが形成されている。固定部12bは、上板部材12の上面よりも高く形成されており、フロアフレーム2の上部の一部を塞いでいる。すなわち、固定部12bがフロアフレーム2の上面の一部を構成している。
固定部12bはフロアフレーム2に溶接されている。これにより、上板部材12の前端部(サイドシル10の中間部10a)がフロアフレーム2に接合されている。
センタピラー6とフロアフレーム2との間には、図3に示すように、補強部材30が配置されている。補強部材30には、上部31と前後一対の側部32とが形成されており、車両左右方向に延ばされている。補強部材30の上面は、図5に示すように、フロアフレーム2およびフロアパネル4の上面と略同じ高さに配置されている。
補強部材30の両端縁部および下縁部には、図3に示すように、フランジ30aが形成されている。
補強部材30の下側のフランジ30aは、上板部材12の上面に溶接されている。また、補強部材30のセンタピラー6側のフランジ30aは、上板部材12のフランジ12aに溶接されている。さらに、補強部材30のフロアフレーム2側のフランジ30aは、上板部材12の固定部12bに溶接されている。
これにより、補強部材30の下部は上板部材12の上面に接合されている。また、補強部材30の両端部は、上板部材12を介してセンタピラー6およびフロアフレーム2に接合されている。
補強部材30は、図6に示すように、フロントシートSの下面に設けられた取付部S1が取り付けられる部位である。フロントシートSの下面の前後左右の四隅には、フロントシートSをフロア5に固定するためのブラケットが設けられている。本実施形態では、後部の二つのブラケットのうち、車両外側のブラケットS1が補強部材30に取り付けられる。その他のブラケットはフロア5を構成する各部材に設けられた穴部にボルトによって固定される。
図3に示すように、補強部材30の上部31において、左右方向の中間部には連結穴33が貫通している。そして、図7に示すように、補強部材30の上面には、フロントシートSの下面から後方に延ばされた板状のブラケットS1が重ね合わされ、ブラケットS1に形成された貫通穴S2および連結穴33に挿通させたボルトBによって、ブラケットS1が補強部材30の上面に固定される。
補強部材30の上面は、フロアフレーム2およびフロアパネル4の上面と略同じ高さに配置されているため(図5参照)、取付部S1もフロアフレーム2およびフロアパネル4の上面と略同じ高さに配置される。したがって、フロントシートSを車室内の低い位置に配置することができる。
補強用のクロスメンバ9は、図2に示すように、フロアパネル4の下面に配置されている。クロスメンバ9は、上板部材12の固定部12bに対して車両内側でフロアフレーム2の側面に接合されている(図5参照)。
以上のような車体構造1aでは、図3に示すように、側面衝突時にサイドシル10に作用した荷重は、サイドシル10の固定部12bを通じてフロアフレーム2に伝達されて分散される。
また、側面衝突による荷重をセンタピラー6が受けた場合には、その荷重はサイドシル10の固定部12bおよび補強部材30を通じてフロアフレーム2に伝達されるため、側面衝突による荷重に対するセンタピラー6の強度を大きくすることができる。また、センタピラー6とフロアフレーム2との間が補強されているため、側面衝突による荷重がセンタピラー6に作用したときに、車体1のフロア5が変形するのを抑えることができる。
また、図2に示すように、補強用のクロスメンバ9によって両フロアフレーム2,2(図1参照)を支持するとともに、側面衝突時にサイドシル10から一方のフロアフレーム2に伝達された荷重は、クロスメンバ9を通じて他のフロアフレーム2に伝達される。
また、車体構造1aでは、図5に示すように、サイドシル10の上板部材12をフロアフレーム2の上部に接合しているため、サイドシル10の上面をフロアフレーム2の上面と略同じ高さに配置することができる。さらに、補強部材30の上面は、フロアフレーム2およびフロアパネル4の上面と略同じ高さに配置されている。
したがって、本実施形態の車体構造1aでは、図3に示すように、フロアフレーム2、フロアパネル4およびサイドシル10からなるフロア5を極力低くかつ平坦に構成しつつ、車体1の既存部材を利用して、側面衝突による荷重に対する車体1の強度を大きくすることができる。
また、車体構造1aでは、サイドシル10の固定部12bがフロアフレーム2の上面の一部を構成しているため、車体1の強度および剛性を十分に確保するとともに、車体1の部品点数を削減して、車体1を軽量化することができる。
また、車体構造1aでは、図7に示すように、補強部材30にフロントシートSが連結されており、フロントシートSを車体1に対して強固に固定することができるため、車両の衝突時にフロントシートSに着座している乗員を確実に保護することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
本実施形態では、図4に示すように、上板部材12がセンタピラー6に接合されているが、上板部材12をセンタピラー6に溶接しなくてもよい。
また、本実施形態では、図3に示すように、補強部材30は上板部材12のフランジ12aを介してセンタピラー6およびフロアフレーム2に接合されているが、補強部材30をセンタピラー6およびフロアフレーム2に直接溶接してもよい。
また、本実施形態では、センタピラー6とフロアフレーム2との間に補強部材30が配置されているが補強部材30を配置しなくてもよい。
また、本実施形態では、サイドシル10の上板部材12の固定部12bがフロアフレーム2の上面の一部を構成しているが、上板部材12の固定部12bをフロアフレーム2の側面に接合してもよい。
1 車体
1a 車体構造
2 フロアフレーム
4 フロアパネル
5 フロア
6 センタピラー
7 リヤホイールハウス
8 スライドドア開口部
9 クロスメンバ
10 サイドシル
10a サイドシルの中間部
11 収容空間
12 上板部材
12a フランジ
12b 固定部
20 レール
30 補強部材
30a フランジ
33 連結穴
S フロントシート
S1 ブラケット
S2 貫通穴
B ボルト

Claims (6)

  1. 車両前後方向に延ばされたフロアフレームと、
    前記フロアフレームに対して車両外側に配置され、前記フロアフレームに沿って延ばされたサイドシルと、を備え、
    前記サイドシルには、スライドドア用のレールの収容空間が形成され、
    前記収容空間の上部は上板部材によって覆われており、
    前記上板部材には、前記フロアフレームに接合された固定部が設けられていることを特徴とする車体構造。
  2. 前記上板部材の前記固定部が前記フロアフレームの上面の一部を構成していることを特徴とする請求項1に記載の車体構造。
  3. 前記サイドシルから上方に延ばされたピラーを有し、
    前記上板部材の一部は、前記ピラーに対して車両内側に配置されており、
    前記上板部材が前記ピラーに接合されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車体構造。
  4. 前記サイドシルから上方に延ばされたピラーを有し、
    前記上板部材の一部は、前記ピラーに対して車両内側に配置されており、
    前記ピラーと前記フロアフレームとの間に補強部材が配置され、
    前記補強部材は、前記上板部材の上面に接合されるとともに、前記ピラーおよび前記フロアフレームに接合されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車体構造。
  5. 前記補強部材にシートが連結されることを特徴とする請求項4に記載の車体構造。
  6. 車両左右方向に並設された一対の前記フロアフレームを備え、
    前記両フロアフレームの間に架け渡されたクロスメンバを有し、
    前記クロスメンバは、前記サイドシルの前記固定部に対して車両内側で前記フロアフレームに接合されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の車体構造。
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