JP6645455B2 - 車両の側部車体構造 - Google Patents

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Description

本発明は、シートベルト装置を搭載した車両の側部車体構造に関し、車体の生産技術分野に属する。
3点式シートベルト装置を備えた車両において、シートベルトを巻き取るためのリトラクタ(シートベルトリトラクタ)は、一般に、Bピラー(センタピラー)やCピラー(リヤピラー又はクォータピラー)などのピラー部と、該ピラー部を車室内側から覆うピラートリムとの間に配設されている。
一方で、例えば特許文献1に開示されているように、ピラー部の内部にシートベルトリトラクタが配設されることもあり、この場合、ピラー部とピラートリムとの間の隙間が縮小されることで、ピラートリムが車体幅方向の外側に寄せて配置される分だけ、車室内空間を車体幅方向に広く確保しやすくなる。
実開昭64−019558号公報
上記の特許文献1のように、ピラー部の内部にシートベルトリトラクタが配設される場合、通例、ピラー部の車室内側の側面には、リトラクタをピラー部内に挿入するための開口部が設けられ、該開口部の周縁部に、リトラクタが直接又はアンカーブラケットを介して固定される。
しかしながら、ピラー部の開口部周縁にリトラクタ固定部が設けられる場合、車両衝突時など、シートベルトに拘束された乗員の前方移動によって、シートベルトによる引張方向の荷重がリトラクタに入力されたとき、ピラー部では、リトラクタ固定部に応力が集中しやすくなる。
そのため、この場合、リトラクタ固定部の構成によっては、ピラー部の開口部周縁での変形、ピラー部からのアンカーブラケットないしリトラクタの離脱、又は、アンカーブラケットの破断などが生じるおそれがあるため、リトラクタ固定部の板厚を増大させるなどの対策が必要になる。そうすると、ピラー部の重量が増大するなどの新たな課題が生じることから、ピラー部内に配設されたリトラクタの支持強度を確保する上で改善の余地がある。
そこで、本発明は、ピラー部内にシートベルトリトラクタが配設された車両において、該リトラクタの支持強度の向上を図ることを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る車両の側部車体構造は次のように構成したことを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明は、
車両側部に配置され、車体上下方向に連続する閉断面を有し、且つ、車室内側の側面に開口部が設けられたピラー部と、
前記ピラー部の内部に配設されたシートベルト用のリトラクタと、
前記ピラー部の内部空間を車体上下方向に仕切る仕切部材と、を備えた車両の側部車体構造であって、
前記ピラー部は、車体上方側に向かって車体幅方向内側に傾斜して配置され、
前記リトラクタは、前記ピラー部の車室内側に配置されたアンカーブラケットに固定されており、
前記アンカーブラケットは、前記仕切部材に固定され、
前記仕切部材は、前記ピラー部の内部空間を上下に仕切る隔壁部と、前記隔壁部の車体幅方向外側の縁部に設けられて前記ピラー部に接合される外側フランジ部とを有し、
前記隔壁部は車体幅方向外側に向かうほど上方に延びるように配設され、
前記外側フランジ部は前記隔壁部から車体上方側に突出するように設けられ
前記アンカーブラケットに入力される前記シートベルトによる荷重の引張方向と車体上下方向とのなす角は、前記ピラー部と車体上下方向とのなす角に比して小さい
ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明に係る車両の側部車体構造は、前記請求項1に記載の発明において、
前記隔壁部は、車体幅方向に延びるビードを有することを特徴とする。

請求項に記載の発明に係る車両の側部車体構造は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、
前記リトラクタよりも車体下方側において、車体幅方向に延びるように配設されたクロスメンバと、
前記ピラー部と前記クロスメンバとを連結するサイドブレースとを更に備え、
前記アンカーブラケットは、前記サイドブレースに固定されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明に係る車両の側部車体構造は、前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、
車体側部を構成するサイドパネルと、
該サイドパネルから車体幅方向内側に膨出するように配設されたホイールハウスインナと、
前記サイドパネルと前記ホイールハウスインナとの間に跨がって設けられたガセット部材と、を更に備え、
前記アンカーブラケットは、前記ガセット部材に固定されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、前記請求項1から請求項のいずれか1項に記載の発明において、
前記アンカーブラケットは、前記仕切部材に固定されたベース部と、該ベース部から車体幅方向の内側に向かって延びる延長部と、該延長部の先端部に設けられた固定部とを備え、
前記リトラクタは、前記開口部から車室内側に突出して配置され、且つ、該突出部分において前記固定部に固定されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、前記請求項に記載の発明において、
前記延長部は、車体上下方向に交差するように配置された延長面部であり、
前記固定部は、車体幅方向に交差するように配置された固定面部であり、
前記延長面部と前記固定面部との間のコーナ部に、高剛性部が設けられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、前記請求項または請求項に記載の発明において、
前記ベース部は、車体幅方向に交差するように配置されたベース面部であり、
前記延長部は、車体上下方向に交差するように配置された延長面部であり、
前記ベース面部と前記延長面部との間のコーナ部に、高剛性部が設けられていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
車体幅方向に延びるように配設されたクロスメンバと、車体側部を構成するサイドパネルと、該サイドパネルから車体幅方向内側に膨出するように配設されたホイールハウスインナと、前記ピラー部と前記クロスメンバとを連結するサイドブレースとを備え、
前記リトラクタは、前記ホイールハウスインナの上方において、前記ピラー部の車室内側に配置されたアンカーブラケットに固定されており、
前記アンカーブラケットは、前記仕切部材と、前記サイドブレースとに固定されていることを特徴とする。
なお、本明細書でいう「高剛性部」とは、その周囲の部分に比べて変形し難くなるように構成された部分を意味する。「高剛性部」の具体例としては、凸部、凹部、リブ、或いは、厚肉部などが挙げられる。また、上記の請求項6における「延長面部」は、請求項5における「延長面部」と同じものである。
請求項1に記載の発明によれば、ピラー部内に配設されたシートベルト用のリトラクタを固定するためのアンカーブラケットが、ピラー部の内部空間を車体上下方向に仕切る仕切部材に固定されているため、車両衝突時等において、シートベルトによる引張方向の荷重がリトラクタを介してアンカーブラケットに入力されたとき、この荷重が仕切部材で受けられることにより、ピラー部における開口部周縁などの局所に応力が集中することを抑制できる。したがって、ピラー部の開口部周縁が変形したり、ピラー部からアンカーブラケットが離脱したり、アンカーブラケットが破断したりすることが抑制され、これにより、ピラー部内に配設されたリトラクタの支持強度の向上を図ることができる。
請求項に記載の発明によれば、リトラクタを介してアンカーブラケットに入力された荷重が、サイドブレースを介してクロスメンバに効果的に分散されるため、アンカーブラケット、仕切部材及びその周辺部での応力集中が抑制されることで、リトラクタの支持強度の更なる向上を図ることができる。
請求項に記載の発明によれば、リトラクタを介してアンカーブラケットに入力された荷重が、ガセット部材を介してサイドパネルやホイールハウスインナに効果的に分散されるため、アンカーブラケット、仕切部材及びその周辺部での応力集中が抑制されることで、リトラクタの支持強度の更なる向上を図ることができる。
請求項に記載の発明によれば、ピラー部の車室内側において、ピラー部の開口部から突出したリトラクタを、アンカーブラケットの固定部に簡単に固定することができる。また、上記のように、アンカーブラケットに入力された荷重を仕切部材で受けることができるため、アンカーブラケットによってリトラクタを安定的に支持できる。
請求項に記載の発明によれば、アンカーブラケットがその延長面部と固定面部との間のコーナ部において屈曲変形することが効果的に抑制されるため、アンカーブラケットによるリトラクタの支持強度を効果的に高めることができる。
請求項に記載の発明によれば、アンカーブラケットがそのベース面部と延長面部との間のコーナ部において屈曲変形することが効果的に抑制されるため、アンカーブラケットによるリトラクタの支持強度を効果的に高めることができる。
本発明の一実施形態に係る車両の側部車体構造を備えた自動車の車体後部を車室外側から見た斜視図である。 同車体後部を車室外側から見た側面図である。 同車体後部を車室内側から見た斜視図である。 同車体後部の底面部及びその周辺部を車体下方側から見た斜視図である。 Cピラー及びその周辺部を車体前方側から見た図2のA−A線断面図である。 Cピラーの下部及びその周辺部を車室外側から見た斜視図である。 Cピラーの下部及びその周辺部を車体上方側から見た図2のB−B線断面図である。 Cピラー補強用の節部材を示す斜視図である。 節部材及びその周辺部を車体上方側から見た図5のC−C線断面図である。 シートベルトリトラクタ及びその周辺部を車室内側から見た斜視図である。 リトラクタ固定用のアンカーブラケットを示す斜視図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車両の側部車体構造を説明する。なお、添付図面の各図には、主として、車体幅方向の一方側(車体右側)の車体構造が図示されているが、他方側(車体左側)も同様に構成されている。また、添付図面の各図において、前/後、内/外(ないし左/右)、及び、上/下で記された方向は、それぞれ、車体前後方向、車体幅方向、及び、車体上下方向を示している。
[全体構成]
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る車両の側部車体構造を有する自動車1は、ルーフパネル(図示せず)の車体幅方向外側の端部に沿って車体前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレール2と、各ルーフサイドレール2から車体下方側に向かって車体上下方向に延びる複数のピラー部4,6とを備えている。
複数のピラー部は、図示を省略したAピラー(フロントピラー)及びBピラー(センタピラー)、並びに、図1〜図3に図示されたCピラー(クォータピラー)4及びDピラー(リヤピラー)6で構成されている。車体前後方向において、Aピラー、Bピラー、Cピラー4及びDピラー6は、前側からこの順で間隔を空けて配置されている。
シートの図示は省略されているが、自動車1は、所謂3列シート車である。AピラーとBピラーとの間には1列目シート用のフロントドア開口部(図示せず)、BピラーとCピラー4との間には2列目シート用のリヤドア開口部10、Cピラー4とDピラー6との間には3列目シート用のクォータウインドウ12がそれぞれ設けられている。
自動車1は、リヤドア開口部10よりも車体後方側部分において車体の側部を構成するサイドパネル14と、該サイドパネル14の下縁に沿って設けられた後輪用のホイールハウス20とを備えている。サイドパネル14及びホイールハウス20の前下端部は、車体前後方向に延びるサイドシル8の後端部に接続されている。
サイドパネル14は、車体上下方向に連ねて配設されたアッパパネル16とロアパネル18とを備えている。アッパパネル16の下端部とロアパネル18の上端部とは、例えば溶接によって相互に接合されている。
ホイールハウス20は、サイドパネル14から車体幅方向外側に膨出するホイールハウスアウタ22(図1及び図2参照)と、サイドパネル14から車体幅方向内側に膨出するホイールハウスインナ26(図3及び図4参照)とを備えている。なお、図4では、ホイールハウスアウタ22及びサイドパネル14(図1及び図2参照)の図示が省略されており、ホイールハウスインナ26は、その車室外側の面が図示されている。
ホイールハウスアウタ22は、サイドパネル14のロアパネル18と一体に設けられており、ホイールハウスインナ26は、ロアパネル18の車室内側の面に例えば溶接によって接合されている。
図4に示すように、ホイールハウスインナ26の上部には切欠26aが設けられており、ホイールハウスインナ26には、前記切欠26aを車体上方側から塞ぐようにサスペンションハウジング30が接合されている。サスペンションハウジング30には、後輪用サスペンション部材(図示せず)の上端部が固定される。
また、図3に示すように、ホイールハウスインナ26の上部には、サスペンションハウジング30を介してサスハウジングガセット32が接合されている。サスハウジングガセット32の周縁部には、ホイールハウスインナ26の上面に接合される前後一対のフランジ部32a,32bと、サイドパネル14のロアパネル18の車室内側の面に接合されるフランジ部32cとが設けられている。すなわち、サスハウジングガセット32は、ホイールハウスインナ26とサイドパネル14との間に跨がって設けられている。
サスハウジングガセット32の車体前方側には、サイドブレース56が隣接して配設されている。サイドブレース56は、後述するクロスメンバ53とCピラー4とを連結させる連結部材である。
サイドブレース56は、車体下方側ないし車体幅方向外側に開放する断面ハット状の長尺部材である。サイドブレース56は、その車体幅方向の外側部分が内側部分に比べて車体上方側に位置するように配置されている。サイドブレース56は、その車体幅方向内側端部においてクロスメンバ53に接合され、車体幅方向外側端部においてCピラー4の車室内側の面に接合され、これらの間の車体幅方向部分においてホイールハウスインナ26に直接ないしサスペンションハウジング30を介して接合されている。
図3及び図4に示すように、自動車1の車体後部には、2列目シート及び3列目シートが配設される車室部分の床面を構成するリヤフロアパネル40と、リヤフロアパネル40の側部に沿って車体前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレーム44と、リヤフロアパネル40に沿って左右のリヤサイドフレーム44間に架設された複数のクロスメンバ51,52,53,54とを備えている。
リヤフロアパネル40には、2列目シートに対応する部分に比べて3列シートに対応する部分を高く配置するための段差部41が設けられている。また、リヤフロアパネル40には、段差部41よりも車体後方側部分において、車体下方側に膨出したタイヤパン42が設けられている。
リヤサイドフレーム44には、リヤフロアパネル40の段差部41に合わせてキックアップ部45が設けられている。キックアップ部45は、車体後方側に向かって車体上方側へ傾斜した方向に延びるように配置されている。リヤサイドフレーム44は、キックアップ部45の前端部及び後端部において湾曲部46,47を有する。車体前後方向において、リヤサイドフレーム44の前側の湾曲部46は、ホイールハウス20よりも前側に配置されており、後側の湾曲部47は、ホイールハウス20の前端よりも後側に配置されている。
複数のクロスメンバ51,52,53,54は、車体前後方向において、リヤサイドフレーム44の前側の湾曲部46よりも前側の位置、前後の湾曲部46,47間の位置、後側の湾曲部47と重複する位置、後側の湾曲部47よりも後側の位置にそれぞれ設けられている。各クロスメンバ51,52,53,54は、車体幅方向に延びるように配設されている。
図3に示すように、自動車1は、シートベルト装置80を座席毎に備えている。図3に示すシートベルト装置80は、2列目シート用の3点式シートベルト装置である。
シートベルト装置80は、例えばリヤサイドフレーム44に固定されたアンカー81と、Cピラー4に固定されたスルーアンカー82と、スルーアンカー82に挿通され、一端部においてアンカー81に固定されたベルト(ウェビング)83と、アンカー81とスルーアンカー82との間においてスライド自在にベルト83に取り付けられたタングプレート84と、タングプレート84に係合可能なようにシート上に設けられたバックル(図示せず)と、ベルト83を他端側から巻き取るリトラクタ(シートベルトリトラクタ)85と、を備えている。
リトラクタ85は、例えば、車体の傾き、車両の減速度、ベルトの引き出し速度等に基づいて衝突を感知したときにベルトをロックする緊急ロック式リトラクタ(ELR)である。リトラクタ85には、プリテンショナ86が付属されている。
リトラクタ85は、スルーアンカー82よりも車体下方側において、Cピラー4の内部に配設されている。リトラクタ85から引き出されたベルト83は、リトラクタ85からスルーアンカー82に亘る部分において、車体上方側に向かって車体前方側に傾斜した方向に延びるように配置されている。リトラクタ85の支持構造については後に説明する。
[Cピラー]
図5は、車体前方側から見たCピラー4及びその周辺部の断面図である。なお、図5において、リトラクタ85は模式的に図示されている。
図5に示すように、Cピラー4は、該Cピラー4の車室内側の面を構成するピラーインナ60と、該ピラーインナ60の車室外側に接合されたピラーアウタ64とを備えている。
ピラーインナ60とピラーアウタ64との間には、ホイールハウス20からルーフサイドレール2にかけて、車体上下方向に連続する閉断面が形成されている。Cピラー4の閉断面は略台形状とされている(図7参照)。Cピラー4は、車体上方側に向かって車体前方側に傾斜して配置されている(図2及び図3参照)。
ピラーインナ60は、ピラーインナアッパ61と、該ピラーインナアッパ61の車体下方側に連なるピラーインナロア62とを備えている。
図3に示すように、ピラーインナアッパ61は、サイドパネル14のアッパパネル16と一体に設けられている。ピラーインナアッパ61は、アッパパネル16の前端部において車体上下方向に延びる帯状部で構成されており、ピラーインナアッパ61の下端部には切欠61aが形成されている。ピラーインナロア62は、サイドパネル14のロアパネル18の一部で構成されており、ピラーインナロア62の上端部には切欠62aが形成されている。
ピラーインナアッパ61の切欠61aと、ピラーインナロア62の切欠62aとは、車体前後方向に位置合わせされている。これにより、ピラーインナ60には、一対の切欠61a,62aを合わせてなる開口部63が形成されている。
図2及び図5に示すように、ピラーアウタ64は、ピラーアウタアッパ65と、該ピラーアウタアッパ65の車体下方側に連なるピラーアウタロア66とを備えている。
ピラーアウタアッパ65は、ピラーインナアッパ61の車室外側の面に沿って車体上下方向に延びる長尺部材である。ピラーアウタアッパ65は、車体幅方向内側に向かって開放した断面ハット状であり、例えば溶接によってピラーインナ60に接合されている(図9参照)。ピラーアウタアッパ65の上端部は、ルーフサイドレール2に接合されており、ピラーアウタアッパ65の下端は、ホイールハウス20よりも車体上方側に間隔を空けて配置されている。
ピラーアウタロア66は、ピラーアウタアッパ65の下端部から車体下方側に向かって、ピラーアウタアッパ65の長さ方向に沿って延びる部材である。ピラーアウタロア66は、車体幅方向内側に向かって開放した断面ハット状であり、ピラーインナ60に接合されている(図7参照)。ピラーアウタロア66の上端部は、例えば溶接によってピラーアウタアッパ65の下端部に接合されており、ピラーアウタロア66の下端部は、例えば溶接によってホイールハウスアウタ22に接合されている。
以上のように構成されたCピラー4内には、車体上下方向に延びる内部空間S1が形成されている。Cピラー4の内部空間S1には、該内部空間S1を車体上下方向に仕切る仕切部材として、防音部材76及び節部材90が車体上下方向に間隔を空けて配設されている。防音部材76は、ピラーインナ60の開口部63よりも車体上方側に配置され、節部材90は、当該開口部63よりも車体下方側に配置されている。
防音部材76は、騒音や振動を吸収する吸音材76aと、該吸音材76aを支持する支持材76bとを備えている。吸音材76aは、例えば発泡樹脂からなる。支持材76bは、ピラーインナアッパ61とピラーアウタアッパ65とに跨がって取り付けられている。
節部材90は、Cピラー4の断面変形を抑制するためにCピラー4内に配設された板状の補強部材である。節部材90の具体的構成については後に説明する。
図6に示すように、ピラーアウタアッパ65及びピラーアウタロア66の車体後方側には、サスハウジングレイン70が隣接して配設されている。サスハウジングレイン70は、ピラーアウタアッパ65とホイールハウスアウタ22とを筋交い状に連結する連結部材である。サスハウジングレイン70は、サイドパネル14を挟んでサスペンションハウジング30(図4参照)に対向配置されており、サスペンション部材(図示せず)からサスペンションハウジング30に入力された荷重を受けて、Cピラー4に伝達させる機能を果たす。
サスハウジングレイン70は、サイドパネル14の車体幅方向外側に対向する側面部71と、該側面部71の後縁部から車体幅方向内側に延びる後面部72とを備えた断面L字状の部材である。サスハウジングレイン70は、例えば溶接によってサイドパネル14、ピラーアウタアッパ65及びピラーアウタロア66のそれぞれの車室外側の面、並びに、ホイールハウスアウタ22の上面に接合されている。
[節部材]
図8(a)及び図8(b)に示す節部材90の斜視図、及び、図9に示すCピラー4の断面図を参照しながら、節部材90及びこれに関連する構成について説明する。
図8(a)及び図8(b)に示すように、節部材90は、Cピラー4の内部空間S1を車体上下方向に仕切る隔壁部91と、隔壁部91の周縁部に設けられた複数のフランジ部93,94,95,96とを有する。節部材90は、例えば、鋼板等の板金からなる。ただし、節部材90は、ダイカストによって成形された例えばアルミニウム合金製の部材であってもよい。
隔壁部91は、車体上下方向に交差する面に沿って配置されている。より具体的に、隔壁部91は、Cピラー4の長さ方向に略直角な面に沿って配置されている。隔壁部91は、Cピラー4の閉断面の形状(図9参照)に合わせて、略台形状とされている。隔壁部91の車体幅方向内側の縁部は、外側の縁部に平行で、且つ、外側の縁部よりも長く形成されている。
隔壁部91には例えば1つのビード92が形成されている。ビード92は、隔壁部91から例えば車体下方側に膨出するように形成されている。ビード92は、車体幅方向に延びるように細長く形成されている。
節部材90の複数のフランジ部93,94,95,96は、節部材90の車体幅方向外側の縁部に設けられた外側フランジ部93と、節部材90の車体前方側の縁部に設けられた前側フランジ部94と、節部材90の車体後方側の縁部に設けられた後側フランジ部95と、節部材90の車体幅方向内側の縁部に設けられた内側フランジ部96とを有する。
外側フランジ部93、前側フランジ部94及び後側フランジ部95は、隔壁部91から車体上方側に突出するように設けられている。外側フランジ部93は、前側フランジ部94及び後側フランジ部95のそれぞれに対して、一体に連なるように設けられている。
内側フランジ部96は、隔壁部91から車体下方側に突出するように設けられている。内側フランジ部96の後端部には切欠96aが設けられている。また、内側フランジ部96は、車体下方側への突出量を増大させた延長部96bを有する。延長部96bは、車体前後方向において、内側フランジ部96の中央よりも後側に配置され、切欠96aの前側に隣接して配置されている。
隔壁部91と内側フランジ部96との間のコーナ部には、例えば一対の高剛性部97,98が設けられている。一対の高剛性部97,98は、車体前後方向に間隔を空けて配置されている。各高剛性部97,98は、例えば車体下方側に凹んだ凹部で構成されている。これらの高剛性部97,98が設けられていることにより、節部材90は、隔壁部91と内側フランジ部96との間のコーナ部において屈曲変形することが効果的に抑制される。
図9に示すように、節部材90は、外側フランジ部93、前側フランジ部94及び後側フランジ部95において、Cピラー4のピラーアウタ64に接合されている。より具体的には、例えば、ピラーアウタ64におけるピラーアウタアッパ65の下端部とピラーアウタロア66の上端部との接合部に、節部材90の外側フランジ部93、前側フランジ部94及び後側フランジ部95が接合されている。
ピラーアウタアッパ65の下端部とピラーアウタロア66の上端部との接合部では、例えば、ピラーアウタアッパ65の外側にピラーアウタロア66が重ねられている。
ピラーアウタアッパ65は、ピラーインナ60の車体幅方向外側に対向する側面部65a、側面部65aの車体前方側の縁部から車体幅方向内側に延びる前面部65b、側面部65aの車体後方側の縁部から車体幅方向内側に延びる後面部65c、前面部65bの車体幅方向内側の縁部から車体前方側に延びる前側フランジ部65d、及び、後面部65cの車体幅方向内側の縁部から車体後方側に延びる後側フランジ部65eを備えている。
ピラーアウタアッパ65は、その前側フランジ部65d及び後側フランジ部65eにおいて、ピラーインナ60の車室外側の面に、例えば溶接によって接合されている。ピラーアウタアッパ65の前側フランジ部65d及び後側フランジ部65eは、主としてピラーインナアッパ61に接合されているが、その下端部においてはピラーインナロア62に接合されている。
同様に、ピラーアウタロア66は、ピラーインナ60の車体幅方向外側に対向する側面部66a、側面部66aの車体前方側の縁部から車体幅方向内側に延びる前面部66b、側面部66aの車体後方側の縁部から車体幅方向内側に延びる後面部66c、前面部66bの車体幅方向内側の縁部から車体前方側に延びる前側フランジ部66d、及び、後面部66cの車体幅方向内側の縁部から車体後方側に延びる後側フランジ部66eを備えている。
ピラーアウタロア66は、その前側フランジ部66d及び後側フランジ部66eにおいて、ピラーインナ60のピラーインナロア62の車室外側の面に、例えば溶接によって接合されている。ピラーアウタロア66の前側フランジ部66d及び後側フランジ部66eは、主として直接ピラーインナロア62に接合されているが、その上端部においてはピラーアウタアッパ65のフランジ部65d,65eを介してピラーインナロア62に接合されている。
ピラーアウタロア66の上端部において、その側面部66a、前面部66b及び後面部66cは、それぞれ、ピラーアウタアッパ65の下端部における側面部65a、前面部65b及び後面部65cの外側に重ねて配置されている。
また、ピラーアウタアッパ65の下端部における側面部65a、前面部65b及び後面部65cの内側には、それぞれ、節部材90の外側フランジ部93、前側フランジ部94及び後側フランジ部95が重ねて配置されており、これらの各重ね合わせ部分では、節部材90のフランジ部93,94,95、ピラーアウタアッパ65及びピラーアウタロア66が、3枚重ねの状態になっている。
そして、節部材90は、その外側フランジ部93、前側フランジ部94及び後側フランジ部95において、ピラーアウタアッパ65及びピラーアウタロア66に対して3枚重ねの状態で溶接されることで、ピラーアウタ64に固定されている。
以上のように、節部材90は、Cピラー4における互いに対向する一対の面(前面部65b,66b及び後面部65c,66c)を含む、複数の面に接合されていることにより、Cピラー4に対して強固に固定されている。したがって、このように節部材90が設けられていることによって、Cピラーの閉断面の崩れが効果的に抑制される。
なお、節部材90は、その内側フランジ部96において、例えば溶接によってピラーインナロア62に接合されてもよい。具体的には、例えば、内側フランジ部96における車体前方側部分が、ピラーインナロア62における切欠62aの周縁部に接合されてもよい。
[リトラクタの支持構造]
図5において模式的に示すように、リトラクタ85は、Cピラー4の内部空間S1において、防音部材76と節部材90との間の車体上下方向位置に配設されている。リトラクタ85は、Cピラー4の内部空間S1に部分的に配置されており、リトラクタ85の残りの部分は、ピラーインナ60の開口部63から車室内側に突出して配置されている。
このように、Cピラー4の内部空間S1を利用してリトラクタ85が配設されることにより、リトラクタ85の全体がCピラー4よりも車室内側に配設される場合に比べて、Cピラー4とこれを車室内側から覆うピラートリム(図示せず)との間において、リトラクタ85の収容に要するスペースが縮小される。そのため、ピラートリムを車体幅方向外側に寄せて配置することができ、これにより、3列目シートの乗員のための居住空間を車体幅方向に広く確保することができる。
図10に示すように、リトラクタ85は、ピラーインナ60に固定される第1被固定部87及び第2被固定部89を備えている。
第1被固定部87は、リトラクタ85の上端部に設けられており、車体上下方向において、ピラーインナ60におけるピラーインナアッパ61とピラーインナロア62との境界部よりも上側に配置されている。第1被固定部87は、車体幅方向においてリトラクタ85の中央よりも内側に配置されている(図5参照)。
第1被固定部87は、車体幅方向に交差するように配置されたプレート状部であり、例えば、ピラーインナアッパ61に略平行に配置されている。ピラーインナアッパ61には、その切欠61aの上縁部において、車体幅方向外側に凹んだ凹部61bが設けられており、該凹部61bに、リトラクタ85の第1被固定部87が例えばボルト121によって固定されている。
リトラクタ85は、第1被固定部87から車体上方側に突出したフック88を備えている。フック88は、ピラーインナアッパ61における例えば凹部61bに設けられた係合穴61cに係合されている。リトラクタ85の取付時には、ピラーインナ60の係合穴61cにフック88を係合させて車体上下方向に位置決めしておくことで、ボルト121による第1被固定部87の固定作業を行いやすくなる。
第2被固定部89は、リトラクタ85の下端部に設けられており、車体上下方向において、ピラーインナ60におけるピラーインナアッパ61とピラーインナロア62との境界部よりも下側に配置されている。第2被固定部89は、車体幅方向におけるリトラクタ85の内側端部に配置されている。
第2被固定部89は、車体幅方向に交差するように配置されたプレート状部であり、例えば、ピラーインナロア62に略平行に配置されている。第2被固定部89は、Cピラー4の車室内側に配置されたアンカーブラケット100を介して、ピラーインナロア62に固定されている。
図11に示すように、アンカーブラケット100は、ピラーインナ60に対向するベース面部101と、ベース面部101から車体幅方向の内側に向かって延びる延長面部102と、延長面部102の車体幅方向内側端部に設けられた固定面部103とを備えている。アンカーブラケット100は、例えば、鋼板等の板金からなる。ただし、アンカーブラケット100は、ダイカストによって成形された例えばアルミニウム合金製の部材であってもよい。
ベース面部101及び固定面部103は、それぞれ車体幅方向に交差するように、互いに略平行に配置されたプレート状部である。延長面部102は、車体上下方向に交差するように配置されたプレート状部である。
延長面部102は、ベース面部101の上縁から車体幅方向内側に延設されている。車体前後方向から見て、延長面部102は、車体幅方向の内側に向かって車体上方側に傾斜して配置されており、ベース面部101と延長面部102との間のコーナ部の角度は鈍角とされている(図5参照)。
固定面部103は、延長面部102の車体幅方向内側縁部から車体上方側に延設されている。車体上下方向において、固定面部103は、ベース面部101の上縁よりも上側に配置されており、車体前後方向から見て、延長面部102と固定面部103との間のコーナ部の角度は鈍角とされている(図5参照)。
ベース面部101には、車体幅方向内側に凹んだビード状の溝部104が形成されている。溝部104は、車体上下方向に延びるように形成されている。ベース面部101の車体後方側の縁部にはタブ状の突出部105が設けられている。突出部105は、車体幅方向において溝部104の底部と略同じ位置に配置されている。
延長面部102は、車体上下方向から見て、車体幅方向の内側縁部に比べて外側縁部が長い略台形状とされている(図9参照)。延長面部102の車体前方側及び車体後方側の各縁部には、フランジ部106,107が設けられている。各フランジ部106,107は、延長面部102から車体上方側に突出している。各フランジ部106,107は、車体幅方向の内側の端部において固定面部103に一体に連なっている。
固定面部103の上縁部の輪郭は、車体幅方向から見て、例えば半円状の湾曲形状を有する。固定面部103には、ボルト挿通穴108が設けられている。
ベース面部101と延長面部102との間のコーナ部には、例えば一対の第1高剛性部109,110が設けられている。一対の第1高剛性部109,110は、車体前後方向において相互に間隔を空けて配置されている。各第1高剛性部109,110は、車体下方側に凹んだ凹部で構成されており、ベース面部101と延長面部102とに跨がって設けられている。車体後方側の第1高剛性部110は、上記の溝部104の上端部の車体上方側に隣接して配置されている。
アンカーブラケット100は、第1高剛性部109,110が設けられていることにより、ベース面部101と延長面部102との間のコーナ部において屈曲変形することが効果的に抑制されている。なお、第1高剛性部109,110の個数は、2個に限られるものでなく、例えば3個以上であってもよい。
延長面部102と固定面部103との間のコーナ部には、例えば一対の第2高剛性部111,112が設けられている。一対の第2高剛性部111,112は、車体前後方向に相互に間隔を空けて配置されている。各第2高剛性部111,112は、車体上方側に突出した凸部で構成されており、延長面部102と固定面部103とに跨がって設けられている。
アンカーブラケット100は、第2高剛性部111,112が設けられていることにより、延長面部102と固定面部103との間のコーナ部において屈曲変形することが効果的に抑制されている。なお、第2高剛性部111,112の個数は、2個に限られるものでなく、例えば3個以上であってもよい。
図10に示すように、アンカーブラケット100は、その固定面部103においてリトラクタ85に固定されている。より具体的に、アンカーブラケット100の固定面部103は、リトラクタ85の第2被固定部89の車体幅方向外側に重ねられた状態で、ボルト122によって第2被固定部89に固定されている。
ボルト122は、車体幅方向内側(車室内側)から第2被固定部89及び固定面部103に貫通されて、固定面部103の車室外側の面に例えば溶接により固定されたナット123(図9参照)に締結されている。
アンカーブラケット100のベース面部101は、ピラーインナ60の開口部63の下縁部に沿って配置されている。車体上下方向において、ベース面部101の上縁部は、上記の節部材90の内側フランジ部96の上縁部と略同じ高さに配置されており、ベース面部101の下縁部は、節部材90の内側フランジ部96の下縁部よりも下側に配置されている(図5参照)。
ベース面部101は、節部材90の内側フランジ部96(図8参照)、サイドブレース56の上端部に設けられたフランジ部56a、サスハウジングガセット32のフランジ部32c、及び、ピラーインナロア62に接合されている。
これらの接合は、第1溶接部W1、第2溶接部W2、第3溶接部W3、第4溶接部W4及び第5溶接部W5におけるスポット溶接によってなされている。
第1溶接部W1及び第2溶接部W2は、車体前後方向に間隔を空けて、前側からこの順で並んで配置されている。第1溶接部W1及び第2溶接部W2は、アンカーブラケット100のベース面部101における上縁部と下縁部との間に配置されており、上記の溝部104よりも車体前方側に配置されている。第1溶接部W1及び第2溶接部W2は、アンカーブラケット100の車体前方側の第1高剛性部109の車体下方側に隣接して配置されている。
第1溶接部W1及び第2溶接部W2では、ベース面部101、サイドブレース56のフランジ部56a、節部材90の内側フランジ部96の延長部96b(図8参照)が車室内側からこの順で重ねられており、これらが3枚重ねの状態で相互に溶接されている。
第3溶接部W3、第4溶接部W4及び第5溶接部W5は、車体前後方向に間隔を空けて、前側からこの順で並んで配置されている。第3溶接部W3、第4溶接部W4及び第5溶接部W5は、アンカーブラケット100のベース面部101の下縁部に沿って配置されている。第3溶接部W3は、溝部104よりも車体前方側に配置され、第4溶接部W4は、溝部104の底部に配置され、第5溶接部W5は。溝部104よりも車体後方側に配置されている。
第3溶接部W3では、ベース面部101、サイドブレース56のフランジ部56a、ピラーインナロア62が車室内側からこの順で重ねられており、これらが3枚重ねの状態で相互に溶接されている。
第4溶接部W4では、ベース面部101、サイドブレース56のフランジ部56aが車室内側からこの順で重ねられており、これらが2枚重ねの状態で相互に溶接されている。
第5溶接部W5では、ベース面部101、サスハウジングガセット32のフランジ部32cが車室内側からこの順で重ねられており、これらが2枚重ねの状態で相互に溶接されている。
以上のようにしてCピラー4に取り付けられたアンカーブラケット100は、Cピラー4から車室内側に突出した状態で、ピラーインナロア62及び節部材90等によって片持ち状に支持されている。アンカーブラケット100の固定面部103は、ピラーインナ60から車体幅方向の内側にオフセットして配置されているため、該固定面部103に対して、ピラーインナ60の開口部63から車室内側に突出して配設されたリトラクタ85を簡単に固定することができる。
そして、リトラクタ85の下端側を支持するアンカーブラケット100は、ピラーインナ60のみならず、第1溶接部W1及び第2溶接部W2において、節部材90に固定されている。そのため、車両衝突時等において、ベルト83による車体上方側への引張方向の荷重がリトラクタ85を介してアンカーブラケット100に入力されたとき、この荷重をピラーインナ60のみならず、節部材90で受けることができる。
そのため、ピラーインナ60における開口部63周縁などの局所に応力が集中することが抑制されるため、開口部63の下縁部周縁においてピラーインナロア62が変形したり、ピラーインナロア62等からアンカーブラケット100が離脱したり、アンカーブラケット100が破断したりすることが抑制される。したがって、上記のようにアンカーブラケット100が片持ち状に設けられる構成を採用しつつ、該アンカーブラケット100によって、Cピラー4の内部空間S1に配設されたリトラクタ85を安定的に支持できる。
また、アンカーブラケット100は、第1、第2、第3及び第4溶接部W1,W2,W3,W4において、サイドブレース56のフランジ部56aに固定されている。そのため、リトラクタ85を介してアンカーブラケット100に入力された荷重を、サイドブレース56を介して、その車体下方側に連結されたクロスメンバ53(図3参照)に効果的に伝達することができる。
さらに、アンカーブラケット100は、第5溶接部W5において、サスハウジングガセット32のフランジ部32cに固定されている。そのため、リトラクタ85を介してアンカーブラケット100に入力された荷重を、サスハウジングガセット32を介してサイドパネル14やホイールハウスインナ26(図3参照)に効果的に伝達することができる。
したがって、アンカーブラケット100に入力された荷重を、サイドブレース56及びサスハウジングガセット32を介して、車体後部における各部に効果的に分散させることができる。これにより、アンカーブラケット100、節部材90及びその周辺部での応力集中が抑制されることで、リトラクタ85の支持強度を効果的に向上させることができる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、アンカーブラケット100の高剛性部109,110,111,112が凹部ないし凸部で構成される例を説明したが、本発明において、アンカーブラケットの高剛性部の具体的構成は特に限定されるものでなく、例えば、リブで構成されてもよいし、アンカーブラケットがダイカスト成形品である場合は、厚肉部で構成されてもよい。
また、本発明において、アンカーブラケットは、ピラー部を車体上下方向に仕切る節部材90以外の仕切部材に固定されてもよく、例えば、上述の防音部材76(図5参照)における支持材76bに固定されてもよい。
さらに、上述の実施形態では、リトラクタ85よりも車体下方側に配置された仕切部材90にアンカーブラケット100が固定される例を説明したが、本発明において、アンカーブラケットは、リトラクタよりも車体上方側に位置する仕切部材に固定されてもよい。
また、上述の実施形態では、ピラーインナ60がピラーインナアッパ61とピラーインナロア62とに分割され、ピラーアウタ64がピラーアウタアッパ65とピラーアウタロア66とに分割された例を説明したが、ピラーインナないしピラーアウタはそれぞれ1つの部材で構成されてもよい。
さらに、上述の実施形態では、Cピラー4内に配設されたリトラクタ85の支持に関する構成について説明したが、本発明は、例えばBピラー又はDピラーなど、Cピラー以外のピラー部内に配設されたリトラクタについても、同様に適用可能である。
またさらに、上述の実施形態では、3列シート車を例に挙げて本発明を説明したが、本発明において、車両におけるシートの列数は特に限定されるものでなく、例えば2列シート車にも同様に本発明を適用可能である。
以上のように、本発明によれば、ピラー部内にシートベルトリトラクタが配設された車両において、該リトラクタの支持強度の向上を図ることが可能となるから、この種の車体構造を有する自動車の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 自動車
4 Cピラー(ピラー部)
14 サイドパネル
20 ホイールハウス
22 ホイールハウスアウタ
26 ホイールハウスインナ
30 サスペンションハウジング
32 サスハウジングガセット(ガセット部材)
40 リヤフロアパネル
44 リヤサイドフレーム
45 キックアップ部
53 クロスメンバ
56 サイドブレース
60 ピラーインナ
63 開口部
64 ピラーアウタ
80 シートベルト装置
83 ベルト
85 リトラクタ
90 節部材(仕切部材)
100 アンカーブラケット
101 ベース面部(ベース部)
102 延長面部(延長部)
103 固定面部(固定部)
109,110 第1高剛性部
111,112 第2高剛性部

Claims (8)

  1. 車両側部に配置され、車体上下方向に連続する閉断面を有し、且つ、車室内側の側面に開口部が設けられたピラー部と、
    前記ピラー部の内部に配設されたシートベルト用のリトラクタと、
    前記ピラー部の内部空間を車体上下方向に仕切る仕切部材と、を備えた車両の側部車体構造であって、
    前記ピラー部は、車体上方側に向かって車体幅方向内側に傾斜して配置され、
    前記リトラクタは、前記ピラー部の車室内側に配置されたアンカーブラケットに固定されており、
    前記アンカーブラケットは、前記仕切部材に固定され、
    前記仕切部材は、前記ピラー部の内部空間を上下に仕切る隔壁部と、前記隔壁部の車体幅方向外側の縁部に設けられて前記ピラー部に接合される外側フランジ部とを有し、
    前記隔壁部は車体幅方向外側に向かうほど上方に延びるように配設され、
    前記外側フランジ部は前記隔壁部から車体上方側に突出するように設けられ
    前記アンカーブラケットに入力される前記シートベルトによる荷重の引張方向と車体上下方向とのなす角は、前記ピラー部と車体上下方向とのなす角に比して小さい
    ことを特徴とする車両の側部車体構造。
  2. 前記隔壁部は、車体幅方向に延びるビードを有することを特徴とする請求項1に記載の車両の側部車体構造。
  3. 前記リトラクタよりも車体下方側において、車体幅方向に延びるように配設されたクロスメンバと、
    前記ピラー部と前記クロスメンバとを連結するサイドブレースとを更に備え、
    前記アンカーブラケットは、前記サイドブレースに固定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の側部車体構造。
  4. 車体側部を構成するサイドパネルと、
    該サイドパネルから車体幅方向内側に膨出するように配設されたホイールハウスインナと、
    前記サイドパネルと前記ホイールハウスインナとの間に跨がって設けられたガセット部材と、を更に備え、
    前記アンカーブラケットは、前記ガセット部材に固定されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両の側部車体構造。
  5. 前記アンカーブラケットは、前記仕切部材に固定されたベース部と、該ベース部から車体幅方向の内側に向かって延びる延長部と、該延長部の先端部に設けられた固定部とを備え、
    前記リトラクタは、前記開口部から車室内側に突出して配置され、且つ、該突出部分において前記固定部に固定されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両の側部車体構造。
  6. 前記延長部は、車体上下方向に交差するように配置された延長面部であり、
    前記固定部は、車体幅方向に交差するように配置された固定面部であり、
    前記延長面部と前記固定面部との間のコーナ部に、高剛性部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の車両の側部車体構造。
  7. 前記ベース部は、車体幅方向に交差するように配置されたベース面部であり、
    前記延長部は、車体上下方向に交差するように配置された延長面部であり、
    前記ベース面部と前記延長面部との間のコーナ部に、高剛性部が設けられていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の車両の側部車体構造。
  8. 車体幅方向に延びるように配設されたクロスメンバと、車体側部を構成するサイドパネルと、該サイドパネルから車体幅方向内側に膨出するように配設されたホイールハウスインナと、前記ピラー部と前記クロスメンバとを連結するサイドブレースとを備え、
    前記リトラクタは、前記ホイールハウスインナの上方において、前記ピラー部の車室内側に配置されたアンカーブラケットに固定されており、
    前記アンカーブラケットは、前記仕切部材と、前記サイドブレースとに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両の側部車体構造。
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