JP4577129B2 - スライドドア車の下部車体構造 - Google Patents

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この発明は、サイドドアをスライドドアとした車両における下部車体構造に関し、特に、側突荷重に対して剛性を高めたスライドドア車の下部車体構造に関する。
従来から、例えば1BOXやミニバンのような車両では、サイドドアをスライドドアとするものが知られている。こうしたスライドドアを採用するものでは、ドアの下部を車両前後方向に延びるサイドシルに支持させている。
ドアの下部をサイドシルに支持させる場合、サイドシルアウタに車両内方側に凹設したスライドレール収容凹部を形成するのが、一般的である。
しかし、サイドシルは、車体構造において側突荷重を支える重要な部位であり、こうしたスライドレール収容凹部を形成すると、横方向剛性が著しく低下し、側突荷重を十分に支えることができず、サイドシルが内折れ変形するおそれがある。
そこで、下記特許文献1では、スライドドアの車内側引き込み部に対応したサイドシルインナの車内側の膨出部に、車幅方向に延びるクロスメンバを接合し、そのクロスメンバを車両前後方向に延びるフレーム部材に接合することで、サイドシルの横方向剛性を高める構造が開示されている。
特開2005−1473号公報
しかしながら、この特許文献1のサイドシルの膨出部内には、スライドレール収容凹部等が存在するのみで、車幅方向において突っ張るような部材は、存在しない。
このため、単に、膨出部に車幅方向に延びるクロスメンバを接合したとしても、側突時に、膨出部自体が変形するおそれがあり、確実にサイドシルの内折れ変形を抑制できない可能性がある。
また、そのクロスメンバを、単にフロアパネルに接合されたフレーム部材に接合しているだけであるため、大きな側突荷重を十分に支えることができないおそれもある。
そこで、本発明は、サイドドアをスライドドアとしたスライドドア車の下部車体構造において、車幅方向に延びるクロスメンバをサイドシルの膨出部に接合してサイドシルの横方向剛性を高めつつ、さらに車両に作用する側突荷重を確実に支持することができるスライドドア車の下部車体構造を提供することを目的とする。
この発明のスライドドア車の下部車体構造は、車体のサイドドア開口部の下縁で車両前後方向に延びるサイドシルと、該サイドシルの下部に接合され、車室フロアを構成するフロアパネルと、前記サイドシルがサイドシルインナとサイドシルアウタを備え、該サイドシルアウタに、スライドドアの下部を支持するロアレールを収容するレール収容凹部を形成したスライドドア車の下部車体構造であって、前記サイドシルインナに、前記レール収容凹部が車両内方側に没入した位置で、車両内方側に膨出する膨出部を形成し、前記フロアパネルに、車幅方向中央で車両前後方向に延びる上方に隆起したトンネル部を形成し、前記膨出部と前記トンネル部とを、車幅方向に延びて連結するクロスメンバを設け、前記膨出部内の前記レール収容凹部の下方に、側面視で前記クロスメンバと重複する位置に車幅方向に延びる補強部材を設けたものである。
上記構成によれば、側面視でクロスメンバと重複するように、膨出部内のレール収容凹部の下方に車幅方向に延びる補強部材を設けたため、側突時の荷重が、補強部材を介して、直接クロスメンバに伝達されることになる。
また、このクロスメンバが強固なトンネル部に接合されていることから、クロスメンバの支持剛性も高まる。
このため、車両側突時、膨出部の変形等に関係なく、強固なクロスメンバに確実に側突荷重を伝達することができる。
なお、補強部材は、車幅方向に延びるものであれば、ハット状断面のメンバ部材であっても、L字状断面のメンバ部材であってもよく、特に限定されるものではない。
この発明の一実施態様においては、前記クロスメンバを、断面略ハット状のメンバ部材で構成し、該クロスメンバの両側フランジを、前記フロアパネル上面に接合して、該クロスメンバの上面を、前記補強部材と側面視で重複する高さに設定したものである。
上記構成によれば、断面略ハット状のクロスメンバがフロアパネルに確実に接合され、そのクロスメンバの上面が補強部材と側面視で重複するため、最も突っ張り剛性の高いクロスメンバの上面によって、側突荷重が直接作用する補強部材からの側突荷重を受けることができる。
このため、補強部材及びクロスメンバを、サイドシルの横方向剛性を高める部材として効果的に用いることができる。
よって、サイドシルの内折れ防止効果を確実に向上することができる。
この発明の一実施態様においては、前記クロスメンバを、前記補強部材に加え、前記レール収容凹部とも側面視で重複する位置に設置したものである。
上記構成によれば、クロスメンバは、補強部材のみならず、レール収納凹部からも直接側突荷重を受けることになる。
このため、大きな側突荷重を、レール収納凹部も有効に利用して、直接クロスメンバに伝達することができる。
よって、補強部材とレール収納凹部との双方から、側突荷重をクロスメンバに伝達することができ、サイドシルの内折れ防止をより向上することができる。
この発明の一実施態様においては、前記クロスメンバを、断面略ハット状のメンバ部材で構成し、該クロスメンバの両側フランジを、前記フロアパネル上面に接合して、該クロスメンバの上面を、前記レール収容凹部と側面視で重複する高さに設定したものである。
上記構成によれば、断面略ハット状のクロスメンバがフロアパネルに確実に接合され、そのクロスメンバの上面がレール収容凹部と側面視で重複するため、最も突っ張り剛性の高いクロスメンバの上面によって、側突荷重が直接作用するレール収容凹部からの荷重を受けることができる。
このため、クロスメンバをサイドシルの横方向剛性を高める部材として効果的に用いることができる。
よって、サイドシルの内折れ防止効果を確実に向上することができる。
この発明の一実施態様においては、前記補強部材を、車幅方向に延びるボックス状部材で構成したものである。
上記構成によれば、補強部材をボックス状としたことで、補強部材がより強固になり、サイドシルに入力された側突荷重を、確実にクロスメンバに伝達することができる。
このため、より確実に側突荷重がクロスメンバに伝達されることになり、サイドシルの横方向剛性を、より向上することができる。
よって、車両側突時のサイドシルの内折れ防止効果を、より高めることができる。
この発明の一実施態様においては、前記補強部材を、レール収容凹部の底面に接合したものである。
上記構成によれば、補強部材によってレール収容凹部自体の剛性を向上することができる。
よって、レール収容凹部におけるスライドドアの支持剛性を高めることができる。
また、補強部材をサイドシルアウタ等に接合しなくてもよいため、サイドシルの外観上の美感が悪化するおそれもない。
この発明によれば、側面視でクロスメンバと重複するように、膨出部内のレール収容凹部の下方に車幅方向に延びる補強部材を設けたため、側突時の荷重が補強部材を介して、直接クロスメンバに伝達されることになる。
また、このクロスメンバが強固なトンネル部に接合されていることから、クロスメンバの支持剛性も高まる。
このため、車両側突時、膨出部の変形等に関係なく、強固なクロスメンバに確実に側突荷重を伝達することができる。
よって、サイドドアをスライドドアとしたスライドドア車の下部車体構造において、車幅方向に延びるクロスメンバをサイドシルの膨出部に接合してサイドシルの横方向剛性を高めつつ、さらに車両に作用する側突荷重を確実に支持することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
(第一実施形態)
まず、図1〜図8により、第一実施形態について説明する。図1は本実施形態の車両の全体斜視図、図2はこの車両の下部車体構造の中間部分における平面図、図3は下部車体構造のサイドシル近傍の車外前方からの斜視図、図4はこのサイドシル近傍の車内後方からの斜視図、図5は図2のA−A線矢視断面図、図6は図2のB−B線矢視断面図、図7はサイドシル内部の詳細断面図、図8は補強ボックスの単品斜視図である。
本実施形態を採用した車両Vは、図1に示すように、後部座席の乗降口1をスライドドア2で開閉する構造であり、車体構造のルーフサイドレール3、サイドシル4及びリアフェンダー5には、それぞれ、このスライドドア2のローラ(図示せず)をガイドするスライドドアレール6…を配設している。
また、ルーフサイドレール3とサイドシル4との間には、上下方向に延びて両者を連結して、前席乗降口と後席乗降口1を区画するBピラー7を立設している。
図2に示すように、この車両Vの下部車体構造は、左右両側に車両前後方向に延びるサイドシル4,4を設置し、そのサイドシル4,4の間には、車幅方向中央部で上方に隆起した車両前後方向に延びるトンネル部8を形成したフロアパネル9を張設し、そのフロアパネル9上面には、車幅方向に延びてサイドシル4とトンネル部8をそれぞれ連結するクロスメンバ10,10、11,11を左右一対ずつ、車両前後方向に所定間隔あけて設置することで構成している。
このうち、クロスメンバは、車両前方側に位置するものが前席(図示せず)の下方に配置されるフロントクロスメンバ10,10で、車両後方側に位置するものがBピラー7,7位置近傍に配置される連結クロスメンバ11,11である。
前述のサイドシル4は、図7に示すように、車幅方向内方側のサイドシルインナ41と車幅方向外方側のサイドシルアウタ42とからなり、上縁及び下縁のフランジで両者が接合されて閉断面を構成している。
このサイドシル4には、前述のようにスライドドア2の下部を支持するスライドドアロアレール61を設置しており、このスライドドアロアレール61に対応して、サイドシルアウタ42には、図2及び図3に示すように、車両内方側に凹設したスライドレール収容凹部43をBピラー7下端部近傍から車両後方側に向かって延設している。
このスライドレール収容凹部43は、図3に示すように、サイドシルアウタ42に車両前後方向に延びる長孔形状の開口43aを形成して、この開口43a周縁に、断面略コ字状のレールブラケット43bを接合することで構成している。
また、サイドシルインナ41のBピラー7下端部近傍には、図2に示すように車両内方側に膨出する膨出部44を形成している。この膨出部44もスライドドアロアレール61に対応して、具体的にはスライドドアロアレール61の引き込み部61aに対応して車両内方側に膨出するように構成している。
このスライドドアロアレール61の引き込み部61aは、スライドドア2を前端に位置させた状態で、スライドドア2を車内側に引き込んで乗降口1を封鎖するように、スライドドアロアレール61の前端部を、その後方よりも車内側に変位するよう、屈曲形成して構成している。
なお、図3の45は、Bピラー7内部で上下方向に延びるピラーレインであり、一方、46は、サイドシル4内部で車両前後方向に延びるサイドシルレインである。
サイドシル4内部の詳細構造を、さらに、図7により説明する。
サイドシルアウタ42とサイドシルインナ41とで構成されるサイドシル4内部には、前述のように車内側に窪んで車外側を開口したレールブラケット43bを設けている。このレールブラケット43bの上面内側には、下方を開口した断面コ字状のスライドドアロアレール61(引き込み部61aに対応)を取り付けている。
また、レールブラケット43bの底面50には、車幅方向に延びる補強ボックス51を接合している。
この補強ボックス51は、具体的には、図8に示すように、平板状の鉄板を折り曲げ、周囲の壁面51a、51b、51c、51d部分を立ち上げて、前壁51aと後壁51bの側方接合部51eを側壁51c、51dの内側に折り込んで、側壁51c、51dと接合することで、上面のみを開放した長方形の箱型形状に構成している。また、全壁面51a、51b、51c、51d部分の上端には、外方に展開した接合部51fを設けている。
この補強ボックス51は、こうして箱状に形成されていることから、通常のハット形断面のメンバ部材より全体剛性が高かく、長手方向の剛性のみならず、短手方向の剛性も高い。よって、側突荷重を受けた際でも、真横からの荷重入力だけでなく、斜め前方又は斜め後方からの入力に対しても、変形することなく、確実に衝突荷重を受けることができる。
このように剛性の高い補強ボックス51を、レールブラケット43bの底面50、具体的には、レールブラケット43bの下部の車外側端部から車内側端部にかけて接合している(図7参照)。
前述のBピラー7は、図3に示すように、車外側に設けたピラーアウタ72(サイドシルアウタ42と一体に形成)と車内側に設けたピラーインナ71とからなり、このピラーインナ71とピラーアウタ72の車両前後方向の端部に形成したフランジで、両者を接合することで閉断面を構成している。
また、図7に示すように、ピラーアウタ72及びピラーレイン45とピラーインナ71との間には、車幅方向に延びてこれらを連結して、Bピラー7の閉断面を補強する補強板73を設けている。そして、この補強板73の下端の接合部に対して、レールブラケット43bの車外側上縁を接合している。
前述のフロアパネル9は、図4に示すように、サイドシル4の下部、具体的には、サイドシルインナ41の立て壁部の下端部に、その外側フランジ91を接合することで、車室フロアを構成している。このように、サイドシル4の下部にフロアパネル9を接合することで、車室フロアを低くして車室空間をできるだけ広く確保することができる。
フロアパネル9は、図4に示すように、サイドシル4の膨出部44においては、膨出部44の形状に沿って、一部窪んだ形状となるように外縁形状を形成している。
なお、実際のフロア面をできるだけ低くするため、フロアパネル9の外縁には外側フランジ91からさらに下側に落ち込む段部92を形成している。
また、フロアパネル9の中央部には、前述のように車両前後方向に延びるトンネル部8を形成している。このトンネル部8は、排気管やプロペラシャフト等の車両装備品(図示せず)をその内部に収容するために、フロアパネル9の車幅方向中央部に形成される。また、このトンネル部8を形成することで、フロアパネル9の面剛性を向上して、車体の全体剛性、特に捩れ剛性を向上している。
前述の連結クロスメンバ11は、サイドシル4の膨出部44とトンネル部8との間で、両者を連結するように車幅方向に延びるように設置している。具体的には、図5に示すように、フロアパネル9上で、サイドシル4の膨出部44の内側面44aとトンネル部8の側面8aとを、架渡すように設置している。
なお、この図5にも示すように、トンネル部8の上下方向高さH1は、サイドシル4の上下方向高さH2よりも高く設定している。このため、トンネル部8自体の剛性は、サイドシル4よりも高くなっている。
この連結クロスメンバ11は、図4に示すように、断面略ハット状のメンバ部材で形成して、その両側フランジ11aをフロアパネル9上面に接合している。そして、上方及び前後に延びる外方端フランジ11bを、サイドシル4の膨出部44の内側面44aに接合し、内方端フランジ11c(図5参照)を、トンネル部8の側面8aに接合している。こうして、連結クロスメンバ11を、サイドシル4の膨出部44とトンネル部8との間に、接合している。
また、連結クロスメンバ11の上面11dは、図5に示すように、側面視で重複するようにレールブラケット43bの高さ位置に、略一致する高さhに設定している。
さらに、図6に示すように、連結クロスメンバ11の側面11eは、レールブラケット43bに加えて、補強ボックス51にも側面視で略一致して重複するように設定している。これにより、車両側方からの荷重が全て、直接連結クロスメンバ11に伝達されるようになる。
次に、このように構成した、本実施形態の下部車体構造における、車両側突時の荷重伝達について説明する。
本実施形態のようなスライドドア2を備えた車両においては、スライドドア2を設けた関係上、前述のように、サイドシル4にスライドレール収納凹部43を形成する必要があり、サイドシル4の閉断面が減少して、サイドシル4の横方向剛性が極めて低下する。
このため、側突荷重が車両側方から作用した場合には、サイドシル4が車両内方側に内折れ変形しようとする。
しかしながら、本実施形態では、車幅方向に延びる連結クロスメンバ11によって、サイドシル4の膨出部44をトンネル部8に連結しているため、連結クロスメンバ11が側突荷重に対して突っ張り、トンネル部8がその側突荷重を支える。このため、サイドシル4の横方向剛性が向上し、内折れ変形が抑制される。
特に、膨出部44内に、車幅方向に延びる補強ボックス51を設置していることから、側突荷重が直接連結クロスメンバ11に伝達されやすくなり、確実に側突荷重を支えることができる。
また、剛性の高いトンネル部8を利用して、側突荷重を確実に支持するため、サイドシル4の剛性を高めることができ、サイドシル4にスライドレール収納凹部43を形成したとしても、サイドシル4の横方向剛性の低下を最小限にすることができる。
さらに、レールブラケット43bに、連結クロスメンバ11、具体的には、連結クロスメンバ11の上面11dを、側面視で両者が重複する高さhに設定しているため、レールブラケット43bから伝達される側突荷重も、レールブラケット43bを介して、直接連結クロスメンバ11の上面11dに伝達されることになり、より確実に、側突荷重をトンネル部8で支えることができる。
このように、サイドシル4、さらにはスライドドア2等に作用する車両側突時の側突荷重は、補強ボックス51、レールブラケット43b及び連結クロスメンバ11を介して、強固なトンネル部8に伝達されるため、サイドシル4の内折れ変形を確実に防止することができ、側突時の側突荷重を、確実に支持することができる。
以上のように、本実施形態の下部車体構造によると、側面視で連結クロスメンバ11と重複するように、膨出部44内のレールブラケット43bの下方に車幅方向に延びる補強ボックス51を設けたため、車両側突時の衝突荷重が、補強ボックス51を介して、直接連結クロスメンバ11に伝達されることになる。
また、この連結クロスメンバ11が強固なトンネル部8に接合されていることから、連結クロスメンバ11の支持剛性も高まる。
このため、車両側突時には、膨出部44の変形等に関係なく、強固な連結クロスメンバ11に確実に側突荷重を伝達することができる。
よって、サイドドアをスライドドア2とした車両Vの下部車体構造において、車幅方向に延びる連結クロスメンバ11をサイドシル4の膨出部44に接合してサイドシル4の横方向剛性を高めつつ、さらに確実に、車両Vに作用する側突荷重を支持することができる。
なお、このボックス状の補強ボックス51以外でも、膨出部44内で車幅方向に延びて補強を行なうものであれば、ハット状断面のメンバ部材や、L字状断面のメンバ部材であってもよい。
また、この実施形態では、連結クロスメンバ11を、膨出部44内に位置する補強ボックス51に加え、レールブラケット43bとも、側面視で重複して位置するように設置しているため、連結クロスメンバ11が、側突荷重を直接伝達する補強ボックス51のみならず、レールブラケット43bからも、直接側突荷重を受けることになる。
このため、レールブラケット43bも有効に利用して、大きな側突荷重を、直接連結クロスメンバ11に伝達することができる。
よって、補強ボックス51とレールブラケット43bとの双方から、側突荷重を連結クロスメンバ11に伝達することができ、サイドシル4の内折れ防止をより向上することができる。
また、この実施形態では、連結クロスメンバ11を、断面略ハット状のメンバ部材で構成し、連結クロスメンバ11の両側フランジ11aを、フロアパネル9上面に接合して、連結クロスメンバ11の上面11dを、レールブラケット43bと側面視で重複する高さhに設定していることから、最も突っ張り剛性の高い連結クロスメンバ11の上面11dによって、側突荷重が直接作用するレールブラケット43bから、側突荷重を確実に受けることができる。
このため、連結クロスメンバ11をサイドシル4の横方向剛性を高める部材として効果的に用いることができる。
よって、サイドシル4の内折れ防止効果を確実に向上することができる。
また、この実施形態では、補強ボックス51を、車幅方向に延びるボックス状部材で構成したことで、補強ボックス51がより強固になり、サイドシル4に入力された側突荷重を、確実に連結クロスメンバ11に伝達することができる。
このため、より確実に側突荷重が連結クロスメンバ11に伝達されることになり、サイドシル4の横方向剛性を、より向上することができる。
よって、車両側突時のサイドシル4の内折れ防止効果を、より高めることができる。
また、この実施形態では、補強ボックス51をレールブラケット43bの底面50に接合したことで、レールブラケット43b自体の剛性を向上することができる。
このため、レールブラケット43bにおけるスライドドア2の支持剛性を、高めることができる。
また、補強ボックス51をサイドシルアウタ42に接合しないため、サイドシル4の外観上の美感も悪化するおそれがない。
また、この実施形態では、トンネル部8の上下方向高さH1を、サイドシル4の上下方向高さH2よりも高く設定しているため、トンネル部8が確実に側突荷重を支える剛性を発揮することができる。
よって、サイドシル4の横方向剛性がさらに高くなり、確実にサイドシル4の内折れ変形を防止することができる。
なお、この実施形態では、レールブラケット43bとサイドシルアウタ42を別部材で構成したが、サイドシルアウタ42自体に凹部を一体に形成してもよい。
また、連結クロスメンバ11も、フロアパネル9上で車幅方向に延びてサイドシル4の膨出部44とトンネル部8を連結するものであれば、断面L字状の開断面メンバ、角筒状メンバ、丸筒状メンバであってもよい。
(第二実施形態)
次に、図9、図10により、第二実施形態について説明する。図9は、図5に対応する断面図、図10は図6に対応する断面図である。なお、図示しない全体構造については、前述の第一実施形態と同様であり、また、図示した構造についても、第一実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、図9に示すように、連結クロスメンバ111の上面111dの高さを、補強ボックス51の高さ位置とほぼ同じ高さとなるように、第一実施形態よりも低く設定している。これにより、補強ボックス51からの側突荷重を受けつつも、連結クロスメンバ11を低くすることで、車室空間を広く確保するように構成している。
具体的には、断面略ハット状の連結クロスメンバ111は、その両側フランジ111aをフロアパネル9に接合し、上方に延びる外方端フランジ111bを膨出部44の内側面44aに接合して、内方端フランジ111cをトンネル部8の側面8aに接合し、第一実施形態と同様に、トンネル部8と膨出部44の間に位置して、両者を車幅方向に延びて連結している。
そして、連結クロスメンバ111の上面111bは、前述のように、補強ボックス51の高さ位置とほぼ同じ高さiに設定し、また、連結クロスメンバ111の側面111eは、図10に示すように、補強ボックス51の側壁51c,51dと略一致するように設定している。
このように、連結クロスメンバ111を設定していることで、第一実施形態のものより連結クロスメンバ111の高さを、低くすることができる。よって、連結クロスメンバ111が車室内で大きく突出することなく、上方の車内空間を有効に利用することができる。
また、このように連結クロスメンバ111を低く設定したとしても、補強ボックス51と側面視で重複しているため、車両側突時には、側突荷重は、確実に補強ボックス51から連結クロスメンバ111に伝達され、トンネル部8で支持することができる。
よって、第一実施形態と同様に、サイドシル4の内折れ変形を防止することもできる。
以上のように、本実施形態によると、連結クロスメンバ111を、断面略ハット状のメンバ部材で構成し、その連結クロスメンバ111の両側フランジ111aを、フロアパネル9上面に接合して、連結クロスメンバ111の上面111dを、補強ボックス51と側面視で重複する高さiに設定しているため、最も突っ張り剛性の高い連結クロスメンバ111の上面111dによって、側突荷重が直接作用する補強ボックス51からの側突荷重を確実に受けることができる。
このため、補強ボックス51及び連結クロスメンバ111を、サイドシル4の横方向剛性を高める部材として効果的に用いることができる。
よって、サイドシル4の内折れ防止効果を確実に向上することができる。
特に、本実施形態では、連結クロスメンバ111の高さを低くしているため、車室空間を広くすることができる。
なお、その他の作用効果については、前述の実施形態と同様である。
以上、この発明の構成と、前述の実施形態との対応において、
この発明のレール収容凹部は、実施形態のスライドレール収容凹部43に対応し、
以下、同様に、
クロスメンバは、連結クロスメンバ11,111に対応し、
補強部材は、補強ボックス51に対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆるスライドドア車の下部車体構造に適用する実施形態を含むものである。
本実施形態では、車両をミニバンタイプの車両で説明したが、セダンやステーションワゴンのような車両で、本発明を実施してもよい。
また、Bピラーをなくしたピラーレスの車両で、本発明を実施してもよい。
第一実施形態の車両の全体斜視図。 下部車体構造の中間部分における平面図。 サイドシル近傍の車外前方からの斜視図。 サイドシル近傍の車内後方からの斜視図。 図2のA−A線矢視断面図。 図2のB−B線矢視断面図。 サイドシル内部の詳細断面図。 補強ボックスの単品斜視図。 第二実施形態の図5に対応する断面図。 第二実施形態の図6に対応する断面図。
符号の説明
4…サイドシル
8…トンネル部
9…フロアパネル
11,111…連結クロスメンバ(クロスメンバ)
41…サイドシルインナ
42…サイドシルアウタ
43…スライドレール収容凹部(レール収容凹部)
44…膨出部
51…補強ボックス

Claims (6)

  1. 車体のサイドドア開口部の下縁で車両前後方向に延びるサイドシルと、
    該サイドシルの下部に接合され、車室フロアを構成するフロアパネルと、
    前記サイドシルがサイドシルインナとサイドシルアウタを備え、該サイドシルアウタに、スライドドアの下部を支持するロアレールを収容するレール収容凹部を形成したスライドドア車の下部車体構造であって、
    前記サイドシルインナに、前記レール収容凹部が車両内方側に没入した位置で、車両内方側に膨出する膨出部を形成し、
    前記フロアパネルに、車幅方向中央で車両前後方向に延びる上方に隆起したトンネル部を形成し、
    前記膨出部と前記トンネル部とを、車幅方向に延びて連結するクロスメンバを設け、
    前記膨出部内の前記レール収容凹部の下方に、側面視で前記クロスメンバと重複する位置に車幅方向に延びる補強部材を設けた
    スライドドア車の下部車体構造。
  2. 前記クロスメンバを、断面略ハット状のメンバ部材で構成し、
    該クロスメンバの両側フランジを、前記フロアパネル上面に接合して、
    該クロスメンバの上面を、前記補強部材と側面視で重複する高さに設定した
    請求項1記載のスライドドア車の下部車体構造。
  3. 前記クロスメンバを、前記補強部材に加え、前記レール収容凹部とも側面視で重複する位置に設置した
    請求項1記載のスライドドア車の下部車体構造。
  4. 前記クロスメンバを、断面略ハット状のメンバ部材で構成し、
    該クロスメンバの両側フランジを、前記フロアパネル上面に接合して、
    該クロスメンバの上面を、前記レール収容凹部と側面視で重複する高さに設定した
    請求項3記載のスライドドア車の下部車体構造。
  5. 前記補強部材を、車幅方向に延びるボックス状部材で構成した
    請求項1〜4記載のスライドドア車の下部車体構造。
  6. 前記補強部材を、レール収容凹部の底面に接合した
    請求項1〜5記載のスライドドア車の下部車体構造。
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