JPH0535552U

JPH0535552U - 自動車のリヤピラー構造

Info

Publication number: JPH0535552U
Application number: JP8597591U
Authority: JP
Inventors: 達哉二俣
Original assignee: 日産自動車株式会社
Priority date: 1991-10-22
Filing date: 1991-10-22
Publication date: 1993-05-14

Abstract

(57)【要約】【目的】リヤピラーインナの板厚増大を伴うことな
く、リトラクタ取付部の強度を高めると共に、リヤピラ
ー下側部の剛性向上を図る。【構成】リヤピラーインナ２の前側下部に作業孔４を
開設して、その下縁部にリトラクタ取付部５を形成して
ある。補強プレート１３は周縁にフランジ１４を曲折成
形して、略方形のトレー状に形成してあり、その一側の
フランジ１４にリトラクタ取付部５の裏面に接合する重
合部１５を延設してある。この補強プレート１３はリヤ
ピラー１内に路面と略平行に配置し、周縁のフランジ１
４をリヤピラーインナ２，リヤフエンダ３，リヤホイー
ルハウスアウタ１１に接合し、補強プレート１３と、そ
の下方のサイドシルアウタ９との間に閉断面部１６を形
成してある。また、この閉断面部１６内には、発泡ウレ
タン１８を充填してある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車、とりわけ２ドア型車のリヤピラー構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

２ドア型車にあっては、図５に示すようにリヤピラーインナ２とリヤフエンダ３とで閉断面に形成したリヤピラー１の前記リヤピラーインナ２の前側下部に作業孔４を形成し、この作業孔４の下縁部にリトラクタ取付部５を形成して、シートベルトリトラクタ６を作業孔４からリヤピラー１の内部に挿入し、リトラクタ取付部５にボルト・ナット７固定して、該シートベルトリトラクタ６をリヤピラー１内部に配置するようにしている。図中８はシルアウタ９とシルインナ１０とで閉断面に形成したサイドシル、１１はリヤホイールハウスアウタを示す。この類似構造は、例えば実開昭６２−１０１６２号公報に示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

リトラクタ取付部５は、その裏面に補強プレート１２を接合して面剛性を高めてあるが、この補強プレート１２は局部的な補強対策であるために、作業孔４を開設したリヤピラー１の下側部周りの車体骨格部材本来の剛性を確保するためには、リヤピラーインナ２の板厚を全体的に増大する必要があって、コスト的におよび重量的に不利となってしまう。

【０００４】そこで、本考案はリヤピラーインナの板厚増大を伴うことなく、作業孔を開設したリヤピラー下側部周りの剛性はもとより、シートベルトリトラクタの取付剛性を一段と高めることができる自動車のリヤピラー構造を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

リヤピラーインナの前側下部に作業孔を開設して、その下縁部に裏面に補強プレートを接合したリトラクタ取付部を形成し、シートベルトリトラクタをリヤピラー内部に配置して前記リトラクタ取付部に固定した構造において、前記補強プレートをトレー状に形成して、その周縁部をリヤピラーインナ，リヤフエンダ，リヤホイールハウスアウタに接合し、該補強プレートとその下方のサイドシルアウタとの間に閉断面部を形成してある。

【０００６】

【作用】

シートベルトリトラクタを介してリトラクタ取付部に作用する入力は、トレー状の補強プレートによってリヤピラー全体に、および該リヤピラーとリヤホイールハウス，サイドシルとの車体骨格部材同志の結合部分に分散，負担される。

【０００７】また、補強プレートがリヤピラー，リヤホイールハウス，サイドシルの結合部分で梁部材として機能し、該結合部分の曲げ剛性，捩り剛性が高められる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面と共に前記従来の構成と同一部分に同一符号を付して詳述する。

【０００９】図１〜４において、１はリヤピラーインナ２とリヤフエンダ３とで閉断面に形成したリヤピラーで、リヤピラーインナ２の前側下部には作業孔４を形成してあると共に、その下縁にはリトラクタ取付部５を形成してある。リトラクタ取付部５はその裏面に補強プレート１３を接合して面剛性を高めてあり、シートベルトリトラクタ６を作業孔４からリヤピラー１内に挿入し、リトラクタ取付部５にボルト・ナット７固定してある。

【００１０】補強プレート１３は周縁にフランジ１４を曲折成形した略方形のトレー状に形成してあり、その一側のフランジ１４にリトラクタ取付部５に接合する重合部１５を延設してある。この補強プレート１３はリヤピラー１内に路面と略平行に配置して、周縁のフランジ１４をリヤピラーインナ２，リヤフエンダ３，およびリヤホイールハウスアウタ１１に接合し、該補強プレート１３とその下方のサイドシルアウタ９との間に閉断面部１６を形成してある。この実施例にあってはリヤフエンダ３のモール取付用の凹部３ａ裏面に前述のフランジ１４を接合し、該凹部３ａ形成部分の面剛性を高めて、モール１７を叩打して背面のクリップ１７ａを取付孔３ｂに嵌合して凹部３ａに装着する場合に、リヤフエンダ３の凹部３ａ周りに歪が残留することのないようにしてある。また、この実施例では補強プレート１３に注入口１３ａを形成し、この注入口１３ａより前記閉断面部１６内に発泡ウレタン１８を注入，充填してある。図中１９はリヤシート，２０はリヤピラーフィニッシャ，２１はリヤピラーフィニッシャ２０に設けた開口を示す。

【００１１】以上の実施例構造によれば、車両の衝突時等にシートベルト６ａの引張力がシートベルトリトラクタ６を介してリトラクタ取付部５に入力するが、この入力はトレー状の補強プレート１３によってリヤピラー１全体に、および該リヤピラー１とリヤホイールハウス１１Ａ，サイドシル８との結合部、即ち、車体骨格部材同志の結合部分に分散，負担される。従って、リトラクタ取付部５が前記入力により変形するのを確実に防止し、所期する乗員拘束効果を得ることができる。

【００１２】また、トレー状の補強プレート１３が前記リヤピラー１，リヤホイールハウス１１Ａ，サイドシル８の結合部分で梁部材として機能し、該結合部分の曲げ剛性，捩り剛性を著しく高めることができる。とりわけ、本実施例のように閉断面部１６内に発泡ウレタン１８を充填することにより、前記結合部分の剛性をより一層高めることができる。更に、これら補強プレート１３，発泡ウレタン１８が遮音材としても機能し、車外下方からの騒音が作業孔４を通して車室内に侵入するのを防止することができる。また、補強プレート１３をリヤホイールハウスアウタ１１に接合してあるため、該リヤホイールハウスアウタ１１の面剛性も高められ、石はね音や水はね音を低減することもできる。

【００１３】なお、前記結合部分でサイドシル８の内部にも発泡ウレタンを充填すれば、更に曲げ剛性，捩り剛性を高めることができる。

【００１４】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、トレー状の補強プレートの存在により、作業孔を開設したリヤピラー下側部周りの剛性はもとより、シートベルトリトラクタの取付剛性を一段と高められると共に、遮音効果を得ることもでき、品質感，信頼性を一段と高めることができる。また、補強プレートをトレー状にしてあるため、該補強プレート上を小物入れとして有効利用することもできる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿う断面図。

【図３】図１のＢ−Ｂ線に沿う断面図。

【図４】同実施例の車室側から見た略示的斜視図。

【図５】従来の構造を示す一部破断側面図。

【符号の説明】

１…リヤピラー、２…リヤピラーインナ、３…リヤフエ
ンダ、４…作業孔、５…リトラクタ取付部、６…シート
ベルトリトラクタ、９…サイドシルアウタ、１１…リヤ
ホイールハウスアウタ、１３…補強プレート、１６…閉
断面部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】リヤピラーインナの前側下部に作業孔を
開設して、その下縁部に裏面に補強プレートを接合した
リトラクタ取付部を形成し、シートベルトリトラクタを
リヤピラー内部に配置して前記リトラクタ取付部に固定
した構造において、前記補強プレートをトレー状に形成
して、その周縁部をリヤピラーインナ，リヤフエンダ，
リヤホイールハウスアウタに接合し、該補強プレートと
その下方のサイドシルアウタとの間に閉断面部を形成し
たことを特徴とする自動車のリヤピラー構造。