JPH063776U - 車両の後部車体構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】重量増加やコストアップを伴なうことなくフェ
ンダー部分の車両前方側への屈曲変形強度を向上させる
ことができ、後方側から衝突された際にもドアの開閉に
支障を来す虞れのない車両の後部車体構造。 【構成】リアフェンダー１２の内面と、該リアフェンダ
ー１２と対応するインナパネル１０に固定されたピラー
レインフォースメント２１及びベルトラインレインフォ
ースメント２２の上面とを、接着剤３０により接着固定
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両の後部車体構造に関し、詳しくは、衝突時にリアフェンダーの 車両前後方向の変形を少なくできる構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

車両の後部車体構造として、実公昭５６−２４１４５号公報開示の如く、車両 の後部のインナパネルに、ピラーに沿った上下方向にピラーレインフォースメン トを設けると共に水平方向にベルトラインレイン（クォータパネル）フォースメ ントを設け、夫々閉断面を形成して補強するものがある。これによって、後方か ら衝突された際の車室の変形を防ぐことができる。

【０００３】

【従来技術の課題】

ところで、後方側から衝突時に於て、その衝突状況によっては、車室の変形は 免れてもフェンダー部分のみが車両前方側に屈曲変形してこのフェンダー部分が ドアの上側に覆い被さってドアの開閉に支障を来す虞れが考えられる為、フェン ダー部分の板厚を厚くしたり補強部材を追加したりして剛性を確保しなけらばな らず、結果として重量増加やコストアップとなるという問題があった。

【０００４】

【考案の目的】

本考案は、上記の如き事情に鑑み、重量増加やコストアップを伴なうことなく フェンダー部分の車両前方側への屈曲変形強度を向上させることができ、後方側 から衝突された際にもドアの開閉に支障を来す虞れのない車両の後部車体構造の 提供、を目的とする。

【０００５】

【考案の構成】

このため、本考案に係る車両の後部車体構造は、リアフェンダーの内面と、該 リアフェンダーと対応する車室側のパネル部材に固定されたレインフォースメン トの上面とを、接着固定したものである。 又、リアフェンダーと、該リアフェンダーと対応する車室側のパネル部材とを 、連結部材によって連結したものである。 このように構成することにより、リアフェンダーは車室側のパネル部材又は該 パネル部材に固定されたレインフォースメントによって補強されることとなって リアフェンダーのみが単独で変形することはなく、変形強度が向上してドアの開 閉に支障を来す虞れを回避できるものである。

【０００６】

【考案の実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明する。 図１は、本考案に係る車両の後部車体構造を適用した車両ボディの後部側面図 である。

【０００７】 図示ボディ１は、リアピラー１１と連続するリアフェンダー１２によって形成 されるボディ外面１０の内側（車室側）に、所定間隔離してインナパネル２０が 形成され、このインナパネル２０のボディ外面１０側に、ピラーレインフォース メント２１及びベルトラインレインフォースメント２２が配設されて構成されて いる。 ピラーレインフォースメント２１及びベルトラインレインフォースメント２２ は、共に一方側に開放する箱状であってその開放側端に鍔部２１Ａ，２２Ａが外 側に屈曲形成されており、この開放面側をインナパネルに対向させると共に鍔部 ２１Ａ，２２Ａをスポット溶接等によって固定することによって装着されている ものである。

【０００８】 ピラーレインフォースメント２１はリアピラー１１の内側に該リアピラー１１ に沿って上下方向に配置され、ベルトラインレインフォースメント２２はピラー レインフォースメント２１の後方側にこれと直角に交差するようリアフェンダー １２の内側に水平に設けられている。

【０００９】 ここで、図１の、Ａ−Ａ断面図を図２に、Ｂ−Ｂ断面図を図３に、Ｃ−Ｃ断面 図を図４に、そしてＤ−Ｄ断面図を図５に、夫々示す如く、ピラーレインフォー スメント２１及びベルトラインレインフォースメント２２の上面は、リアピラー １１及びリアフェンダー１２の内面と所定の間隔を有して対向するように設定さ れており、当該対向部分が接着剤３０により接着固定されている。

【００１０】 而して、上記の如き構成によれば、後方から衝突されてリアフェンダー１２の みに車両前方側に変形させる力が作用した場合でも、接着剤を介して固定されて いるピラーレインフォースメント２１及びベルトラインレインフォースメント２ ２がこの変形力に抗することとなり、リアフェンダー１２が単独で前方側に変形 することは防止される。つまり、ピラーレインフォースメント２１及びベルトラ インレインフォースメント２２更にはインナパネルがリアフェンダー１２の補強 部材として作用するものであり、リアフェンダー１２の過大な変形は防がれるも のである。

【００１１】 図６乃至図７は、本考案の別の実施例を示す。これは、インナパネル１０とリ アフェンダー１２とを、連結部材としてのボルト４０によって連結して構成した ものである。尚、図中前述の実施例と同じ構成部分には同符号を付してある。 ボルト４０は、リアフェンダー１２の外面からインナパネル１０側に挿通され 、リアフェンダー１２とインナパネル１０の間隔と略等しい長さのカラー４１を 貫通してインナパネル２０の車室側からナット４２により締着され、このボルト ４０によってリアフェンダー１２とインナパネル２０が連結されているものであ る。リアフェンダー１２の外面側に露出するボルト頭４０Ａは、サイドプロテク タ４３によって覆われて隠蔽されるようになっている。 本構成によっても、リアフェンダー１２はインナパネル２０によって補強され ることとなってその変形強度が向上すると共に、リアフェンダー１２のみが単独 で車両前方側に変形することは防がれるものである。 尚、リアフェンダー１２とインナパネル２０の連結構成は上記実施例に限定さ れるものではなく、適宜変更可能なものである。

【００１２】

【考案の効果】

上記の如き、本考案に係る車両の後部車体構造によれば、リアフェンダーはレ インフォースメントやインナパネルによって補強されることとなり、重量増加や コストアップを伴なうことなくリアフェンダー部分の変形強度を向上することが でき、後方側から衝突された際にもドアの開閉に支障を来す虞れがないものであ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る車両の後部車体構造の一実施例を
適用した車両ボディの後部側面図。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図。

【図３】図１のＢ−Ｂ断面図。

【図４】図１のＣ−Ｃ断面図。

【図５】図１のＤ−Ｄ断面図。

【図６】他の実施例を示すリアフェンダー部分の断面
図。

【図７】図６に示す実施例の斜視図。

【符号の説明】

１…ボディ １０…ボディ外面 １２…リアフェンダー ２０…インナパネル（車室側のパネル部材） ２１…ピラーレインフォースメント（レインフォースメ
ント） ２２…ベルトラインレインフォースメント（レインフォ
ースメント） ３０…接着剤 ４０…ボルト（連結部材）

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】リアフェンダーの内面と、該リアフェンダ
   ーと対応する車室側のパネル部材に固定されたレインフ
   ォースメントの上面とを、接着固定したこと、を特徴と
   する車両の後部車体構造。
2. 【請求項２】リアフェンダーと、該リアフェンダーと対
   応する車室側のパネル部材とを、連結部材によって連結
   したこと、を特徴とする車両の後部車体構造。