JPH0348940Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動車の車体構造に関し、特に、４ド
ア型自動車のセンタピラーとインナルーフサイド
のキヤントレール部との結合部分の車体構造に関
する。

〔従来の技術〕

一般に、４ドアを有する自動車は、第４図に示
すように前後のドアの開口５，６の間に、センタ
ピラーと称する支柱がある。そして、前記センタ
ピラー１の上部は補強材であるセンタピラーアツ
パレインフオース２によつて、インナルーフサイ
ドのキヤントレール部３に接合されている。４，
４は自動車の両側のキヤントレール部３を連結す
るルーフ補強用のルーフボウである。

ところが、従来のセンタピラーアツパレインフ
オース２は、センタピラー１に内蔵されるシート
ベルトアンカーがシートベルトに引つ張られる際
の補強が主目的であるため、センタピラー１の上
部コーナー部のみの限定補強であり、ボデイ全体
剛性にはそれ程多く寄与はしていない。また、従
来のルーフボウ４はルーフパネルの面剛性を補助
するだけの機能しか持つておらず、断面も小さく
板厚も薄かつた。

従つて、シートベルトにより車体の内側に荷重
がかかると、センタピラー１は内倒れ気味に変形
してしまうという不具合があつた。

また、自動車が後方から衝突された場合におい
ても、力が内側に倒れ込むように伝わり、センタ
ピラー１が前記同様に内倒れ変形を起こしてしま
うという問題もあつた。この後面衝突における変
形は、従来アウタルーフサイドに設けられたドリ
ツプチヤンネルが受け持つていたが、このドリツ
プチヤンネルを有しないフラツシユサーフエスタ
イプの自動車では、この内倒れ変形に対して特に
弱いという問題もあつた。

そして、このセンタピラー１とキヤントレール
部３との結合構造自体の改良については、実開昭
49−79914号公報や実開昭55−22276号公報等に示
されているが、前記センタピラー１の内倒れ変形
を防止する手段は従来皆無であつた。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、前記従来のセンタピラーとキ
ヤントレール部との結合部の車体構造の有する欠
点を解消し、従来ボデイ剛性には寄与していなか
つたルーフボウとセンタピラーアツパレインフオ
ースとを組合せることにより、シートベルトアン
カー強度、前面および後面衝突強度、ボデイ剛性
を高め、センタピラーの内倒れを防止することが
できる優れた自動車の車体構造を提供することで
ある。

〔考案の構成〕

前記目的を達成する本考案の自動車の車体構造
は、自動車のセンタピラーとインナルーフサイド
のキヤントレール部とを結合する、略Ｔ字状のセ
ンタピラーアツパレインフオースの両端部を、キ
ヤントレール部に沿つてルーフボウの取り付け位
置まで延長したことを特徴としている。

〔実施例〕

以下添付図面を用いて本考案の実施例を説明す
る。

第１図から第３図は本考案の自動車の車体構造
を示すものである。

本考案では、センタピラー１の上部に取り付け
られ、センタピラー１をキヤントレール部３に接
続する略Ｔ字状のセンタピラーアツパレインフオ
ース２の、キヤントレール部３に重ね合わせられ
るバー部分であつて、その前端部２Ａおよび後端
部２Ｂがルーフボウ４のキヤントレール部３への
取り付け位置まで、あるいは取り付け位置を越え
るところまで、前記キヤントレール部３に沿つて
延長されてキヤントレール部３に取り付けられて
いる。また、このセンタピラーアツパレインフオ
ース２のセンタピラー１に重ね合わせる部分の下
端部２Ｃも、センタピラー１に沿つて従来のもの
よりも長く下方に延長されてセンタピラー１に取
り付けられている。

さらに、本考案では第３図に示すようにルーフ
ボウ４の板厚を増し（１・6t程度）、その断面を
大型化する。このルーフボウ４は、インナパネル
３ａとアウタパネル３ｂにより閉空間を形成する
キヤントレール部３のインナパネル３ａに、ボル
ト、ナツト７によりに固着されている。そして、
前記アウタパネル３ｂは、センタピラーアツパレ
インフオース２に被さるように取り付けられてお
り、アウタパネル３ｂの上部にはルーフパネル８
が位置している。

以上のように構成された本考案の車体構造で
は、第２図に示すように自動車の前後方向および
上下方向に延長され、大型化してセンタピラー１
とキヤントレール部３との結合部に取り付けられ
た２個のセンタピラーアツパレインフオース２
で、２本の強化されたルーフボウ４をキヤントレ
ール部３を介して挟むこにより、部材相互間の力
が効率的に伝達される。

即ち、シートベルトを車内側に強固に引つ張る
ベルトアンカーテスト、前面および後面衝突のバ
リヤーテスト等では、センタピラー１が内倒れ方
向に変形しようとしても、この変形力は大型のセ
ンタピラーアツパレインフオース２によつて分散
され、さらにはこの力はセンタピラーアツパレイ
ンフオース２、キヤントレール部３を通じて２本
のルーフボウ４に受け持たれるので、センタピラ
ー１の内倒れが防止されるのである。

また、この造はルーフ面剛性補助、シートベル
トアンカー強度増大、前面および後面衝突性能向
上だけでなく、ボデイのねじり剛性および曲げ剛
性において、骨格の接合部（センタピラーアツパ
部）を強化し、さらに、キヤントレール部間をク
ロスメンバ的にルーフボウで連結することによ
り、ボデイ全体剛性の向上にも大きく寄与してい
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案の自動車の車体構造
では、自動車のセンタピラーとインナルーフサイ
ドのキヤントレール部とを結合する、略Ｔ字状の
センタピラーアツパレインフオースの両端部を、
キヤントレール部に沿つてルーフボウの取り付け
位置まで延長したことにより、従来ボデイ剛性に
は寄与していなかつたルーフボウとセンタピラー
アツパレインフオースとが組合されたので、シー
トベルトアンカー強度、バリア強度、ボデイ剛性
が高まり、センタピラーの内倒れを防止すること
ができるという優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図から第３図は本考案の自動車の車体構造
を示すもので、第１図は４ドア型自動車のセンタ
ピラーとキヤントレール部との結合部の部分拡大
図、第２図は本考案の自動車の車体構造を示す自
動車のホワイトボデイの斜視図、第３図は第２図
の−線における概略断面図、第４図は従来の
自動車の車体構造を示す自動車のホワイトボデイ
の部分斜視図である。 １……センタピラー、２……センタピラーアツ
パレインフオース、３……キヤントレール部、４
……ルーフボウ、８……ルーフパネル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車のセンタピラーとインナルーフサイドの
   キヤントレール部とを結合する、略Ｔ字状のセン
   タピラーアツパレインフオースの両端部を、キヤ
   ントレール部に沿つてルーフボウの取り付け位置
   まで延長したことを特徴とする自動車の車体構
   造。