JP2015069985A - 電解コンデンサ駆動用電解液 - Google Patents

電解コンデンサ駆動用電解液 Download PDF

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【課題】高温長寿命特性に優れ、かつコンデンサの生産性の高い、特に、中高圧用アルミニウム電解コンデンサの駆動用電解液を提供する。
【解決手段】水酸基を有する有機溶媒及び有機カルボン酸若しくはその塩を含有する有機電解液中に、下記式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする電解コンデンサの駆動用電解液。
Figure 2015069985

(R〜Rは、それぞれ独立して、水素、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、イミノ基、カルボニル基、カルボキシ基、スルホ基、アリール基、炭素数1〜8を有するシクロアルキル基又は、炭素数1〜18を有し、分岐していてもよいアルキル基若しくはアルコキシ基であり、また、R〜Rは、これらが一緒になって環を形成していてもよい。)
【選択図】なし

Description

本発明は、電解コンデンサ、特に、中高圧用のアルミニウム電解コンデンサの駆動用電解液に関する。
アルミ電解コンデンサ等の電解コンデンサは、一般に、陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回し、これをケースに収納して密封した構造を有している。通常、陽極箔には、表面に誘電体層として絶縁性酸化皮膜が形成されたアルミニウムやタンタル等の弁金属が用いられ、陰極箔には、エッチング処理を施したアルミニウム箔が用いられている。陽極と陰極の間に介在するセパレータには電解液が含浸されており、この電解液が真の陰極として機能する。従って、電解液は電解コンデンサの特性に大きな影響を与える極めて重要な構成要素である。
この電解液は、特に高中圧用コンデンサでは、エチレングリコール等の多価アルコールを主溶媒とし、これにアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,6−デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はそれらの塩を溶質として溶解させた組成となっている。(特許文献1〜特許文献3)。
しかし、これらのジカルボン酸を有する化合物は、主溶媒であるエチレングリコールとエステル化反応を起こし、誘電体であるアルミニウム酸化皮膜を著しく水和劣化させる。また、その蒸気圧の高さから、防爆弁の開弁又は外装ケースの変形等を引き起こし、使用環境が高温条件下での中高圧用電解コンデンサの寿命を短くする原因となっている。このため、エステル化反応が立体的に起こりにくい構造を有するカルボン酸が開発検討されているが、未だ充分でない。
特開2003−163139号公報 特開2005−039246号公報 特開2004−047595号公報
上記のように、これまでに溶質であるジカルボン酸若しくはその塩のエステル化によるコンデンサ特性の低下を防ぐために、種々の対応がなされているが、満足する特性を有する、電解コンデンサ、特に、中高圧用のアルミニウム電解コンデンサの駆動用電解液は得られていない。
そこで、本発明は、高温長寿命特性に優れ、かつコンデンサの生産性の高い、電解コンデンサ、特に、中高圧用のアルミニウム電解コンデンサの駆動用電解液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究を続けたところ、下記の構成を要旨とする本発明に到達したものである。
(1)水酸基を有する有機溶媒及び有機カルボン酸若しくはその塩を含有する有機電解液中に、下記式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする電解コンデンサの駆動用電解液。
Figure 2015069985
(R〜Rは、それぞれ独立して、水素、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、イミノ基、カルボニル基、カルボキシ基、スルホ基、アリール基、炭素数1〜8を有するシクロアルキル基又は、炭素数1〜18を有し、分岐していてもよいアルキル基若しくはアルコキシ基であり、また、R〜Rは、これらが一緒になって環を形成していてもよい。)
(2)上記式(I)で表される化合物を、電解液中に0.1〜10重量%含有する、上記(1)に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
(3)上記式(I)で表される化合物が、尿素、1-メチル尿素、1-エチル尿素、1-プロピル尿素、1-ブチル尿素、1-ペンチル尿素、1-シクロペンチル尿素、1-シクロヘキシル尿素、1-フェニル尿素、1,3-ジメチル尿素、1,3-ジエチル尿素、1,3-ジプロピル尿素、1,3-ジブチル尿素、1,3-ジシクロペンチル尿素、1,3-ジシクロヘキシル尿素、1,3-ジフェニル尿素、o-トリル尿素、m-トリル尿素、p-トリル尿素、ヒドロキシ尿素、1,3-ヒドロキシフェニル尿素、1,3-(ビスヒドロキシメチル)尿素、シアノアセチル尿素、シクロヘキシル尿素、N,N’-ジプロピル尿素、3-ヒドロキシフェニル尿素又は1-アリル尿素である、上記(1)又は(2)に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
(4)上記水酸基を有する有機溶媒が、多価アルコール、多価アルコールのモノ若しくはジアルキルエーテルである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
(5)上記水酸基を有する有機溶媒に加えて、水酸基を有しない溶媒が電解液中に1〜95重量%含有する、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
本発明によれば、高温長寿命特性に優れ、かつコンデンサの生産性の高い、特に、優れた中高圧用のアルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液が提供される。これは、本発明の駆動用電解液に含有される式(I)で表される化合物は水素結合サイトが多いため、溶媒である化合物の有する水酸基と水素結合しやすく、水酸基を有する有機溶媒と有機カルボン酸とのエステル化を阻害し、また、式(I)で表される化合物が分解することでアミン類が生成し、これが酸を保護する形で塩を形成するため、エステル化が抑制されるためと考えられる。
本発明の電解コンデンサ駆動用電解液としては、水酸基を有する有機溶媒及び有機カルボン酸若しくはその塩を含有する有機電解液が使用される。
有機溶媒は、水酸基を有する極性の有機溶媒であり、好ましくは2〜4個の水酸基を有する有機溶媒が挙げられる。
有機溶媒の例としては、ベンジルアルコールなどのアルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール又はポリエチレングリコールなどの多価アルコール;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル又はトリエチレングリコールジメチルエーテルなどの多価アルコールのモノ若しくはジアルキルエーテル等が挙げられる。有機溶媒としては、これらを1種又は2種以上使用することができる。
なかでも、多価アルコール又は多価アルコールのモノ若しくはジアルキルエーテルが好ましい。多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール又はポリエチレングリコールが好ましい。また、多価アルコールのモノ若しくはジアルキルエーテルとしては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル又はジエチレングリコールジメチルエーテルが好ましい。
有機溶媒は、水酸基を有する有機溶媒に加えて、水酸基を有しない有機溶媒を使用することができる。水酸基を有しない有機溶媒としては、γ-ブチロラクトン又はγ―バレロラクトンなどの環状エステル類;N-メチルホルムアミド又はN,N’-ジメチルホルムアミドなどのアミド類;アセトニトリル又はブチロニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン又は3−メチルスルホランなどのスルホラン類;プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、スチレンカーボネート、ジメチルカーボネート又はメチルエチルカーボネートなどのカーボネート類;フラン類等が挙げられる。
水酸基を有する有機溶媒以外の溶媒は、全有機溶媒に対して、0〜95質量%含有することができるが、好ましくは、1〜95質量%含有される。
有機電解液中に溶質として含有される有機カルボン酸若しくはその塩には、モノカルボン酸若しくはその塩又は、ジカルボン酸若しくはその塩が含まれる。また、クエン酸などのトリカルボン酸若しくはその塩又は、ポリアクリル酸などのポリカルボン酸若しくはその塩も含まれる。
モノカルボン酸は、種々のものが使用でき、その好ましい例としては、安息香酸、トルイル酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸若しくはイソプロピル安息香酸などの安息香酸誘導体、ヘキサン酸、メチルヘキサン酸若しくはエチルヘキサン酸などのアルキル基の末端の一方がカルボキシル基であるもの又は、ヒドロキシ酸のうちグリコール酸若しくは乳酸などのヒドロキシモノカルボン酸等が挙げられる。なかでも、安息香酸誘導体が特に好ましい。
また、ジカルボン酸は、種々のものが使用でき、その好ましい例としては、フタル酸、イソフタル酸若しくはテレフタル酸などの安息香酸誘導体又は、マロン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、プロピルマロン酸、イソプロピルマロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、ジメチルコハク酸、トリメチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、エチルコハク酸、ジエチルコハク酸、プロピルコハク酸、グルタル酸、メチルグルタル酸、ジメチルグルタル酸、エチルグルタル酸、ジエチルグルタル酸、アジピン酸、メチルアジピン酸、ジメチルアジピン酸、エチルアジピン酸、ジエチルアジピン酸、プロピルアジピン酸、ピメリン酸、メチルピメリン酸、ジメチルピメリン酸、エチルピメリン酸、ジエチルピメリン酸、スベリン酸、メチルスベリン酸、ジメチルスベリン酸、エチルスベリン酸、ジエチルスベリン酸、アゼライン酸、メチルアゼライン酸、ジメチルアゼライン酸、エチルアゼライン酸、ジエチルアゼライン酸、セバシン酸、メチルセバシン酸、ジメチルセバシン酸、エチルセバシン酸、ジエチルセバシン酸若しくは2−ブチルオクタン二酸などの脂肪族カルボン酸等が挙げられる。なかでも、脂肪族カルボン酸が特に好ましい。
上記モノカルボン酸又はジカルボン酸の塩としては、例えば、アンモニウム塩、アミン塩、第4級アンモニウム塩、環状アミジン化合物の第4級塩又は第4級ホスホニウム塩等が挙げられる。アミン塩を構成するアミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン又はエチレンジアミンなどの第1級アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン又はジフェニルアミンなどの第2級アミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン又はトリフェニルアミンなどの第3級アミンが挙げられる。第4級アンモニウム塩を構成する第4級アンモニウムとしては、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム、トリイソプロピルメチルアンモニウム、ジメチルジイソプロピルアンモニウム、ジブチルジメチルアンモニウム又はエチルジメチルイソプロピルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウム;1−メチルピリジニウム又は1−エチルピリジニウムなどのピリジニウム等が挙げられる。塩の形成は中和反応等の慣用の塩形成法により行うことができる。
本発明の電解コンデンサ用電解液は、溶質として、上記有機カルボン酸又はその塩の他に、電解液に用いることのできる溶質を含んでいてもよい。このような溶質として、例えば、ホウ酸又はその塩等が挙げられる。これらの成分は1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
有機電解液における上記有機カルボン酸又はその塩の含有量は、通常、0.1〜35重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは3〜20重量%である。有機カルボン酸又はその塩の含有量が少なすぎると電導度が低下しやすく、多すぎると火花発生電圧が低下しやすくなる。
本発明のコンデンサ駆動用電解液は、上記有機電解液中に、下記式(I)で表される化合物を含有する。
Figure 2015069985
上記式(I)中、R〜Rは、水素、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、イミノ基、カルボニル基、カルボキシ基、スルホ基、アリール基、炭素数1〜8を有するシクロアルキル基又は、炭素数1〜18を有し、分岐していてもよいアルキル基若しくはアルコキシ基であり、また、R〜Rは、それぞれ連結してもよく、炭素数2〜6のアルキレン基を形成し、環を形成していてもよい。
なかでも、R〜Rは、水素、水酸基、炭素数1〜8を有するシクロアルキル基又は、炭素数1〜18を有し、分岐していてもよいアルキル基が好ましく、特に、水素、水酸基又はアルキル基が好ましい。
式(I)で表される化合物の例としては、尿素、1-メチル尿素、1-エチル尿素、1-プロピル尿素、1-ブチル尿素、1-ペンチル尿素、1-シクロペンチル尿素、1-シクロヘキシル尿素、1-フェニル尿素、1,3-ジメチル尿素、1,3-ジエチル尿素、1,3-ジプロピル尿素、1,3-ジブチル尿素、1,3-ジシクロペンチル尿素、1,3-ジシクロヘキシル尿素、1,3-ジフェニル尿素、o-トリル尿素、m-トリル尿素、p-トリル尿素、ヒドロキシ尿素、1,3-ヒドロキシフェニル尿素、1,3-(ビスヒドロキシメチル)尿素、シアノアセチル尿素、シクロヘキシル尿素、N,N’-ジプロピル尿素、3-ヒドロキシフェニル尿素又は1-アリル尿素等が挙げられる。
なかでも、式(I)で表される化合物としては、尿素、1-エチル尿素、1-プロピル尿素、1-ブチル尿素、1-フェニル尿素、1,3-ジメチル尿素、1,3-ジエチル尿素、1,3-ヒドロキシフェニル尿素又は1,3-(ビスヒドロキシメチル尿素)が好ましく、尿素、1-エチル尿素、1-フェニル尿素、1,3-ジメチル尿素又は1,3-(ビスヒドロキシメチル尿素)が特に好ましい。
式(I)で表される化合物は、通常、かかる化合物の形態で上記有機電解液に添加し溶解されるが、式(I)で表される化合物を形成する原材料又は前駆体成分を、有機溶媒中へ同時に又は順次添加し、かかる化合物を有機電解液中で形成することもできる。また、式(I)で表される化合物を有機電解液中に溶解するに際しては、必要に応じて、加温、攪拌などの溶解を促進し、また均一な溶液を得るための手段を施すことができる。本発明のコンデンサ駆動用電解液には、少量の水が含まれていてもよい。
本発明のコンデンサ駆動用電解液における式(I)で表される化合物の含有量は、好ましくは0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.2〜5重量%である。含有量が0.1重量%未満では、導電性を損なうことなく、使用耐電圧を高め、しかも広範囲の使用温度に耐え、高温での長寿命を有するアルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液を提供し難い。一方、含有量が10重量%を越えると、溶解性等の問題から本発明の目的を達成し難い。
本発明のコンデンサ駆動用電解液は、低圧用から中高圧用コンデンサ、導電性高分子を用いたハイブリットコンデンサ等種々の電解コンデンサに使用できるが、なかでも、中高圧用アルミニウム電解コンデンサの駆動液として有用である。本発明において、中高圧用アルミニウム電解コンデンサとは、定格電圧が160〜500Vのアルミニウム電解コンデンサを意味する。
本発明のコンデンサ駆動用電解液を用いる電解コンデンサの形状には特に制限がなく、ネジ端子形、基板自立形及びリード形いずれでもよい。電解コンデンサの定格静電容量範囲にも特に制限はなく、0.1〜47,000μFの範囲が好ましい。
以下、本発明を実施例に基づき、更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定して解釈されるものではない
実施例1〜16及び比較例1〜4
種々の有機溶媒94gに対して、種々のジカルボン酸のアンモニウム塩5gを、室温にて溶解した有機電解液中に、式(I)で表される化合物をいずれも1質量%溶解して含有する、表1に示される、実施例1〜16の高温貯蔵試験用のアルミニム電解コンデンサの駆動用電解液を調製した。
なお、表1に示されるように、比較例1〜4は、式(I)で表される化合物を含有しない電解液である。
Figure 2015069985
上記の実施例1〜16及び比較例1〜4の電解液を耐熱瓶に入れ、温度105℃にて1000時間保存し、初期の導電率、500時間後の導電率及び1000時間後の導電率を測定した。その結果を表2に示す。なお、導電率は、東亜ディーケーケー社製 CM-30Rを用いて、30℃で測定した値である。
Figure 2015069985
表2より、本発明の式(I)で表される化合物を含有する電解液は、高温状態で保存しても導電率の低下が小さく、エステル化を抑制していることがわかる。
実施例17〜20及び比較例5
有機溶媒としてエチレングリコール95gに対して、2-ブチルオクタン二酸3gを、室温にて溶解した有機電解液中に、式(I)で表される化合物をいずれも1質量%溶解して含有する、表3に示される電解液を使用し、定格450WV 100μFの実施例17〜20のアルミニウム電解コンデンサを試作した。かかるアルミニウム電解コンデンサにおける電解液について、導電率及び火花発生電圧を求め、表3にその結果を示す。比較例3は、式(I)で表される化合物を含有しない電解液を使用したアルミニウム電解コンデンサの電解液の場合である。
なお、導電率は、実施例1〜16の場合と同様に測定し、火花発生電圧は、エーディーシー社製 7352Eにより測定した。
Figure 2015069985
上記の試作アルミニウム電解コンデンサを用いて、105℃で3000時間(Agilent社製 E4980A)を用いて、定格電圧印加試験及び貯蔵試験を行った。その結果を表4に示す。
表4において、D.F.とは、誘電損失(Dissipation Factor)を表す。負荷ΔD.F.とは、105℃で定格電圧を3000時間経過後のD.F.値を初期D.F.値で除した値である。無負荷ΔD.F.とは、105℃で電圧印加をせずに3000時間経過後のD.F.値を初期D.F.値で除した値である。ESRとは等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance)を表す。負荷ΔESRとは、105℃で定格電圧を3000時間経過後のESR値を初期ESR値で除した値である。無負荷ΔESRとは、105℃で電圧印加をせずに3000時間経過後のESR値を初期ESR値で除した値である。
Figure 2015069985
表4より、式(I)で表される化合物を含有するコンデンサでは、D.F.、ΔD.F.、ΔESRともに、比較例5より小さい値を示していることから、カルボン酸のエステル化を防いでいることがわかる。
実施例21〜23及び比較例6
式(I)で表される化合物として、1,3-ジメチル尿素を含有するコンデンサ電解液(エチレングリコール90%、2−ブチルオクタン二酸3%)を使用してアルミニウム電解コンデンサを作製し、それについて、定格電圧印加試験をおこなった。
なお、本発明の式(I)で表される化合物を含有していない電解液が使用したものを比較例6とする。その結果を表5に示す。
Figure 2015069985
本発明の電解コンデンサ駆動用電解液は、低圧用から中高圧用コンデンサ、導電性高分子を用いたハイブリットコンデンサ等の種々の電解コンデンサに広範に使用できるが、なかでも、中高圧用アルミニウム電解コンデンサの駆動液として有用である。

Claims (5)

  1. 水酸基を有する有機溶媒及び有機カルボン酸若しくはその塩を含有する有機電解液中に、下記式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする電解コンデンサの駆動用電解液。
    Figure 2015069985
    (R〜Rは、それぞれ独立して、水素、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、イミノ基、カルボニル基、カルボキシ基、スルホ基、アリール基、炭素数1〜8を有するシクロアルキル基又は、炭素数1〜18を有し、分岐していてもよいアルキル基若しくはアルコキシ基であり、また、R〜Rは、これらが一緒になって環を形成していてもよい。)
  2. 上記式(I)で表される化合物を、電解液中に0.1〜10重量%含有する、請求項1に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
  3. 上記式(I)で表される化合物が、尿素、1-メチル尿素、1-エチル尿素、1-プロピル尿素、1-ブチル尿素、1-ペンチル尿素、1-シクロペンチル尿素、1-シクロヘキシル尿素、1-フェニル尿素、1,3-ジメチル尿素、1,3-ジエチル尿素、1,3-ジプロピル尿素、1,3-ジブチル尿素、1,3-ジシクロペンチル尿素、1,3-ジシクロヘキシル尿素、1,3-ジフェニル尿素、o-トリル尿素、m-トリル尿素、p-トリル尿素、ヒドロキシ尿素、1,3-ヒドロキシフェニル尿素、1,3-(ビスヒドロキシメチル)尿素、シアノアセチル尿素、シクロヘキシル尿素、N,N’-ジプロピル尿素、3-ヒドロキシフェニル尿素又は1-アリル尿素である、請求項1又は2に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
  4. 上記水酸基を有する有機溶媒が、多価アルコール、多価アルコールのモノ若しくはジアルキルエーテルである、請求項1〜3のいずれかに記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
  5. 上記水酸基を有する有機溶媒に加えて、水酸基を有しない溶媒が電解液中に1〜95重量%含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
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