JP2013149638A - アルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサ - Google Patents

アルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】火花電圧を高く維持したまま、高温での性能劣化が小さいアルミ電解コンデンサ用電解液を提供。
【解決手段】電解液が2,4−ジイソプロピル安息香酸、2,6−ジイソプロピル安息香酸、2,4,6−トリイソプロピル安息香酸、2,4−ジイソプロポキシ安息香酸等の置換基を有する安息香酸(A)とアンモニアおよび/または分子量31〜102である1〜3級アルキルアミン(B)からなる塩(D)、並びにプロトン性溶媒(C)から構成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサに関する。
近年、薄型テレビ等デジタル家電の薄型化、省エネルギー化に伴い、電解液の火花電圧が高く、さらに周辺環境の高温化に伴い、高温での特性劣化が小さい電解液が望まれている。従来、高温で特性劣化が小さい電解液としては、アルキル置換アミジンを有する化合物の4級化物のカルボン酸塩を電解質とする、いわゆるアミジン系電解液(例えば特許文献1)などが知られている。
しかしながら、特許文献1に開示されている、アルキル置換アミジン基を含有する化合物の4級化物のカルボン酸塩を電解質とするアミジン系電解液は、火花電圧が低いという課題があった。そこで中高圧級アルミ電解コンデンサ用電解液としては、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等直鎖飽和カルボン酸またはその塩を含有するエチレングリコールを溶媒とする電解液が知られている(例えば特許文献2)。
ところが、上記電解液では火花電圧は高められるものの高温条件下では経時的に性能が劣化するという問題がある。
特開平9−148196号公報 特開昭56−108229号公報
そこで、本発明は火花電圧を高く維持したまま、高温での性能劣化が小さいアルミ電解コンデンサ用電解液ならびにそれを用いたアルミ電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、一般式(1)で表される1価芳香族カルボン酸(A)とアンモニアおよび/または分子量31〜102である1〜3級アルキルアミン(B)からなる塩(D)、並びにプロトン性溶媒(C)を含有するアルミニウム電解コンデンサ用電解液
Figure 2013149638
[式中R〜Rは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数1〜18のアルコキシ基であり、RおよびRのうち少なくとも一方は炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数1〜18のアルコキシ基である。];該電解液を用いてなるアルミニウム電解コンデンサである。
本発明の電解液は、従来の火花電圧が高い電解液に比べて同等の高い火花電圧を有しながら、高温での性能劣化が小さい性能を有する。
本発明における1価芳香族カルボン酸(A)は上記一般式(1)で表される。
一般式(1)中、RとRの少なくとも一方は、炭素数1〜18のアルキル基(a1)、または炭素数1〜18のアルコキシ基(a2)である。RとRの両方が(a1)または(a2)であることが好ましい。RとRの好ましい炭素数は1〜16、さらに好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜4であり、さらに好ましくは3または4であり、分岐しているほうが好ましい。
とRの具体例としては、炭素数1〜18のアルキル基(a1)は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシルなどの直鎖アルキル基、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、1,1−ジエチルプロピル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、2−エチルヘキシル、1,3,5,7−テトラメチルオクチルなどの分岐アルキル基、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−n−オクチル−シクロヘキシルなどがあげられ、炭素数1〜18のアルコキシ基(a2)は、芳香環に直接結合した酸素原子にさらに上記炭素数1〜18のアルキル基(a1)が結合したものであり、炭素数1〜18のアルキル基(a1)の具体例は上記で述べたとおりである。これらの中で、好ましいものは、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、および芳香環に直接結合した酸素原子にさらに上記のアルキル基が結合したアルコキシ基である。
一般式(1)中、R〜Rは、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基(a1)、または炭素数1〜18のアルコキシ基(a2)である。R〜Rは、水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基が好ましい。さらに好ましくは、水素原子である。
高温条件下での性能劣化はプロトン性溶媒(C)、例えばエチレングリコールとカルボン酸とのエステル化反応が要因であり、本発明で用いる1価芳香族カルボン酸(A)はこの反応を効果的に抑制できる。
1価芳香族カルボン酸(A)の好ましい具体例としては、2−メチル安息香酸、2,6−ジメチル安息香酸、2,4−ジメチル安息香酸、2,4,6−トリメチル安息香酸、2−エチル安息香酸、2,6−ジエチル安息香酸、2,4−ジエチル安息香酸、2,4,6−トリエチル安息香酸、2−イソプロピル安息香酸、2,6−ジイソプロピル安息香酸、2,4−ジイソプロピル安息香酸、2,4,6−トリイソプロピル安息香酸、2−tert−ブチル安息香酸、2,6−ジtert−ブチル安息香酸、2,4−ジtert−ブチル安息香酸、2,4,6−トリtert−ブチル安息香酸、2−(2−エチルヘキシル)安息香酸、2,6−ジ(2−エチルヘキシル)安息香酸、2,4−ジ(2−エチルヘキシル)安息香酸、2,4,6−トリ(2−エチルヘキシル)安息香酸、2−n−オクチル安息香酸、2−n−ドデシル安息香酸、2−(1,3,5,7−テトラメチルオクチル)安息香酸、2,6−ジメチル−4−tert−ブチル安息香酸、2−メトキシ安息香酸、2,6−ジメトキシ安息香酸、2,4−ジメトキシ安息香酸、2,4,6−トリメトキシ安息香酸、2−エトキシ安息香酸、2,6−ジエトキシ安息香酸、2,4−ジエトキシ安息香酸、2,4,6−トリエトキシ安息香酸、2−イソプロポキシ安息香酸、2,6−ジイソプロポキシ安息香酸、2,4−ジイソプロポキシ安息香酸、2,4,6−トリイソプロポキシ安息香酸、2−tert−ブトキシ安息香酸、2,6−ジtert−ブトキシ安息香酸、2,4−ジtert−ブトキシ安息香酸、2,4,6−トリtert−ブトキシ安息香酸、2−n−オクチルオキシ安息香酸、2−n−ドデシルオキシ安息香酸、2−シクロヘキシルオキシ安息香酸、2,6−ジシクロヘキシルオキシ安息香酸などが挙げられる。
これらの中で火花電圧と電導度の観点から、2,4−ジイソプロピル安息香酸、2,6−ジイソプロピル安息香酸、2,4,6−トリイソプロピル安息香酸、2,4−ジイソプロポキシ安息香酸、2,6−ジイソプロポキシ安息香酸、2,4,6−トリイソプロポキシ安息香酸、2,6−ジtert−ブチル安息香酸、2,4−ジtert−ブチル安息香酸、2,4,6−トリtert−ブチル安息香酸、2,6−ジtert−ブトキシ安息香酸、2,4−ジtert−ブトキシ安息香酸、2,4,6−トリtert−ブトキシ安息香酸がさらに好ましく、2,4−ジイソプロピル安息香酸、2,6−ジイソプロピル安息香酸、2,4,6−トリイソプロピル安息香酸、2,4−ジイソプロポキシ安息香酸、2,6−ジイソプロポキシ安息香酸、2,4,6−トリイソプロポキシ安息香酸が最も好ましい。
アンモニアおよび/または分子量31〜102である1〜3級アルキルアミン(B)とは、アンモニア(B0)、または分子量31〜102である1〜3級アルキルアミン(B01)、または(B0)と(B01)の混合物である。
(B01)としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン等1級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミン等2級アミン、ジメチルエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等3級アミンが挙げられ、これらの中で火花電圧と電導度の観点から、アンモニアおよび/または分子量45〜74である2級アルキルアミン(B1)がこのましく、具体的には、アンモニア、ジメチルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミンが好ましく、アンモニアが最も好ましい。
本発明において、(B)の分子量は構成元素の天然の核種組成に基づいた相対原子質量を用いて算出される相対分子質量をいうものとする。
塩(D)において、1価芳香族カルボン酸(A)と、アンモニアおよび/または分子量31〜102である1〜3級アルキルアミン(B)のモル比率(A/B)は、コンデンサ部材(アルミニウム電解コンデンサの封口ゴム、および酸化アルミニウム箔等)の腐食の観点から、好ましくは0.9〜2.0、さらに好ましくは0.95〜1.5、特に好ましくは0.95〜1.05である。
モル比率が0.9〜2.0であると、電解液の液性がアルカリ性に偏らず、アルミニウム電解コンデンサの封口ゴムであるブチルゴムが劣化しにくく、この結果、電解液がコンデンサから漏れる等の不具合が生じにくい。また、電解液の液性が酸性に偏らず、陽極の酸化アルミニウム箔が腐食されにくく、この結果、ショート等の不具合が生じにくい。
本発明に用いられるこれらの塩(D)は、1種でもよく、2種以上用いてもよい。
本発明におけるプロトン性溶媒(C)の添加量は、塩(D)とプロトン性溶媒(C)の合計重量に対し好ましくは50〜95重量%であり、さらに好ましくは75〜95重量%である。
プロトン性溶媒(C)の具体例としては、水、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール等アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが挙げられる。
これらのうちで好ましいのはエチレングリコール、プロピレングリコールであり、エチレングリコールが特に好ましい。プロトン性溶媒(C)は1種でもよく2種以上用いても良い。
本発明の電解液は、必要に応じ他の有機溶媒(I)をプロトン性溶媒(C)とともに併用してもよい。この場合、有機溶媒(I)の添加量は、プロトン性溶媒(C)と有機溶媒(I)の合計重量に対し、好ましくは0〜30重量%、さらに好ましくは0〜20重量%である。

有機溶媒(I)の具体例としては、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等アミド類、ヘキサメチルリン酸トリアミド等リン酸アミド類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等ラクタム類、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン等ラクトン類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等炭酸エステル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等ニトリル類、ジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド等スルホキシド類、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン等スルホン類、ジメチルウレア、テトラメチルウレア、N,N−ジメチルエチレンウレア、N,N−ジメチルプロピレンウレア等ウレア類などが挙げられる。
これらのうちで好ましいのはγ−ブチロラクトン、スルホランであり、有機溶媒(D)は1種でもよく2種以上用いても良い。
本発明の電解液は、必要に応じ従来電解コンデンサ用電解液に用いられるその他電解質を併用してもよく、また種々の添加剤を添加することもできる。
添加剤としては、ホウ酸、リン酸、珪酸などの無機酸類、ニトロフェノール、ニトロ安息香酸、ニトロアニソール等芳香族ニトロ化合物、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、ペンタエリスリトール等多価アルコール類等が挙げられる。添加剤は通常0〜20重量%、好ましくは0.01〜15重量%の範囲で添加される。
本発明の電解液は、アルミニウム電解コンデンサ用として好適である。アルミニウム電解コンデンサとしては、特に限定されず、例えば、捲き取り形のアルミニウム電解コンデンサであって、陽極表面に酸化アルミニウムが形成された陽極(酸化アルミニウム箔)と陰極アルミニウム箔との間に、セパレーターを介在させて捲回することにより構成されたコンデンサが挙げられる。本発明の電解液を駆動用電解液としてセパレーターに含浸し、陽陰極と共に、有底筒状のアルミニウムケースに収納した後、アルミニウムケースの開口部を封口ゴムで密閉してアルミニウム電解コンデンサを構成することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
製造例1 2,6−ジイソプロピル安息香酸(A−2)の合成
還流管つき200mL反応容器に、マグネシウム2.4部、テトラヒドロフラン10mLを加え、攪拌下1−ブロモ−2,6−ジイソプロピルベンゼン(アルドリッチ製)24.1部をテトラヒドロフラン100mLで溶解させたものを滴下した。還流下4時間反応させ、0℃に冷却した。そこへドライアイス44部を攪拌下少しずつ加えた。さらに室温で3時間反応させ、1mol/L塩酸100mLを加えた。ジエチルエーテル100mLで3回抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮することで黄白色固体14.4部(収率70%)を得た。1H−NMRよりこの黄白色固体が2,6−ジイソプロピル安息香酸(A−2)であることを確認した。
製造例2 2,6−ジエチル安息香酸(A−3)の合成
製造例1において、1−ブロモ−2,6−ジイソプロピルベンゼン(アルドリッチ製)24.1部を1−ブロモ−2,6−ジエチルベンゼン(アルドリッチ製)21.3部とした以外は製造例1と同様の操作を行い、11.9部の白色固体を得た(収率67%)。1H−NMRによりこの白色固体が2,6−ジエチル安息香酸(A−3)であることを確認した。
製造例3 2,6−ジイソプロポキシ安息香酸(A−6)の合成
還流管付き500mL反応容器に、レゾルシル酸(和光純薬工業製)15.4部、2−ブロモプロパン49.2部、炭酸カリウム55.3部、ヨウ化カリウム3部、N,N−ジメチルホルムアミド200部を加え、140℃にて24時間攪拌した。これを減圧下濃縮し、残渣に対し20重量%水酸化カリウム水溶液50部、メタノール150部を加えて還流下18時間反応させた。これに水100部を加えさらに酸性になるまで濃塩酸を少しずつ加えた。室温にて1時間攪拌し酢酸エチル100部で3回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮することで黄褐色固体11.4部(収率48%)を得た。1H−NMRによりこの黄褐色固体が2,6−ジイソプロポキシ安息香酸(A−6)であることを確認した。
実施例1
25℃(以下の実施例、比較例も同様の温度で行った。)において、ガラス製容器にエチレングリコール(C−1)90部、2,4,6−トリイソプロピル安息香酸(A−1、和光純薬工業製)9.7部を加え、そこへアンモニアガス0.3部を吹き込んだ。そのまま1時間攪拌を行い、本発明の電解液を得た。
実施例2
実施例1において、(A−1)9.7部を製造例1で合成した2,6−ジイソプロピル安息香酸(A−2)9.2部に、アンモニアガス0.3部を0.8部とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の電解液を得た。
実施例3
実施例1において、(A−1)9.7部を製造例2で合成した2,6−ジエチル安息香酸(A−3)9.1部に、アンモニアガス0.3部を0.9部とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の電解液を得た。
実施例4
実施例1において、(A−1)9.7部を2,4,6−トリメチル安息香酸(A−4、和光純薬工業製)9.0部に、アンモニアガス0.3部を1.0部とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の電解液を得た。
実施例5
実施例1において、(A−1)9.7部を2−メチル安息香酸(A−5、和光純薬工業製)9.2部に、アンモニアガス0.3部を0.8部とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の電解液を得た。
実施例6
実施例1において、2,4,6−トリイソプロピル安息香酸(A−1)9.7部を製造例3で合成した2,6−ジイソプロポキシ安息香酸(A−6)9.3部に、アンモニアガス0.3部を0.7部とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の電解液を得た。
実施例7
実施例1において、(A−1)9.7部を7.9部に、アンモニアガス0.3部を吹き込む代わりに、ジエチルアミンを2.1部加えた以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の電解液を得た。
実施例8
ガラス製容器にエチレングリコール(C−1)75部、スルホラン(D−1)15部、(A−1)9.7部を加え、そこへアンモニアガス0.3部を吹き込んだ。そのまま1時間攪拌を行い、本発明の電解液を得た。
比較例1
ガラス製容器にエチレングリコール(C−1)90部、1,6−デカンジカルボン酸9.0部を加え、そこへアンモニアガス1.0部を吹き込んだ。そのまま1時間攪拌を行い、本発明の比較電解液であるアンモニウム塩(H−1)のエチレングリコール溶液を得た。
比較例2
比較例1において、1,6−デカンジカルボン酸9.0部を安息香酸8.8部、アンモニアガス1.0部を1.2部とした以外は、比較例1と同様な操作を行い、本発明の比較電解液を得た。
実施例1〜8および比較例1〜2で得た電解液を用い、以下に示す方法で、125℃で1000時間経過後の比電導度変化率、火花電圧を評価し、その結果を表1に記載した。
<比電導度(初期)> <比電導度変化率>
実施例、比較例の電解液を耐圧容器に密閉し、125℃の乾燥機中へ1000時間放置し、耐熱試験を実施した。その後取り出し、耐熱試験前後の電解液について、30℃での比電導度を東亜電波工業株式会社製電導度計CM−40Sを用いて測定し、以下の式(2)により比電導度変化率(%)を算出した。
Figure 2013149638
<火花電圧>
陽極に10cmの高圧用化成エッチングアルミニウム箔、陰極に10cmのプレーンなアルミニウム箔を用い、25℃にて定電流法(2mA)を負荷したときの電解液の火花電圧を測定した。
Figure 2013149638
表1で明らかなように、実施例の電解液は、従来の電解液である比較例1に比べ、同等の火花電圧を有しながら、比電導度の経時変化が少ないことがわかった。また比較例2のように芳香族カルボン酸であってもカルボキシル基のオルト位に置換基が存在しない場合、電解液の劣化を防ぐことができない。
本発明の電解液は、薄型テレビ等デジタル家電、照明器具、自動車用途に用いられるアルミニウム電解コンデンサに有用である。

Claims (6)

  1. 一般式(1)で表される1価芳香族カルボン酸(A)とアンモニアおよび/または分子量31〜102である1〜3級アルキルアミン(B)からなる塩(D)、並びにプロトン性溶媒(C)を含有するアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
    Figure 2013149638
    [式中R〜Rは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数1〜18のアルコキシ基であり、RおよびRのうち少なくとも一方は炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数1〜18のアルコキシ基である。]
  2. 塩(D)が、1価芳香族カルボン酸(A)とアンモニアおよび/または分子量45〜74である2級アルキルアミン(B1)からなる塩(D1)塩である請求項1に記載の電解液。
  3. 1価芳香族カルボン酸(A)が、一般式(1)においてRおよびRが炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基である請求項1または2に記載の電解液。
  4. 1価芳香族カルボン酸(A)が、一般式(1)において、RおよびRが炭素数3〜4の分岐アルキル基または炭素数3〜4の分岐アルコキシ基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解液。
  5. プロトン性溶媒(C)がエチレングリコール(C1)である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解液。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解液を用いてなるアルミニウム電解コンデンサ。
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