JP2000058390A - 電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ - Google Patents
電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサInfo
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Abstract
観変形を抑制し、それによる実装時の半田付け不良を改
善すると共に、低温での性能の維持向上が可能な電解コ
ンデンサ駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデン
サを提供することを目的とする。 【解決手段】 N,N’−ジメチルプロピレンウレアを
含有する有機溶媒に第4級アンモニウムを含有しない有
機酸塩を電解質として溶解した構成の電解コンデンサ駆
動用電解液とし、またそれを用いた電解コンデンサとす
ることにより、外観変形の抑制と実装時の半田付け不良
の改善、さらには低温での性能維持と向上が図れる。
Description
される電解コンデンサに用いる、電解コンデンサ駆動用
電解液およびそれを用いた電解コンデンサに関するもの
である。
下、電解液という)としては、エチレングリコール溶媒
に、電解質としてホウ酸やアジピン酸のアンモニウム塩
を溶解させたものが知られている。
低温での粘性が低いγ−ブチロラクトンに有機酸や無機
酸またはそれらの塩を電解質として溶解させたものが用
いられており、トリエチルアミン、ジエチルアミン塩を
電解質とした電解液(特開昭54−1024号公報)等
が知られている。さらに、マレイン酸またはシトラコン
酸の第4級アンモニウム塩を電解質とした電解液(特公
平3−6646号公報)や、芳香族カルボン酸の第四級
アンモニウム塩を電解質とした電解液(特公平3−80
92号公報)等も知られている。
N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン(特開昭6
2−266817号公報および特開平6−5471号公
報)が知られている。
の電解液では、エチレングリコール溶媒にホウ酸やアジ
ピン酸のアンモニウム塩を溶解した電解液や、γ−ブチ
ロラクトンやN,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ンにトリエチルアミン塩やジエチルアミン塩や第4級ア
ンモニウム塩を電解質として溶解した電解液では、これ
らの溶媒の沸点(耐熱性)が十分ではなく、これらで電
解コンデンサ(以下、コンデンサという)を構成し面実
装部品として使用した場合、面実装時の熱処理条件(半
田付けの温度やリフロー炉を通過する時間)によっては
内部圧力の上昇により外観の変形が生じ、その結果、実
装の際に半田付け不良が生じる場合があるという課題が
あった。
リジノンに有機酸塩を電解質として溶解した電解液は、
低温で凝固しやすく、−25℃以下の温度ではコンデン
サの性能が発揮できないと言う問題点があった。
るものであり、面実装時の熱ストレスによるコンデンサ
の外観変形を抑制し、これにより面実装時の半田付け不
良を改善すると共に、電解コンデンサの低温での性能の
維持向上を図ることが可能な電解コンデンサ駆動用電解
液およびそれを用いた電解コンデンサを提供とすること
を目的とするものである。
に本発明は、N,N’−ジメチルプロピレンウレアを含
有する有機溶媒に第4級アンモニウムを含有しない有機
酸塩を電解質として溶解した構成の電解コンデンサ駆動
用電解液およびそれを用いた電解コンデンサとしたもの
である。この構成によれば、沸点の高いN,N’−ジメ
チルプロピレンウレアを溶媒成分として含有するために
高温雰囲気においても電解液が気化しにくくなり、内部
圧力の上昇が抑制でき、その結果、電解コンデンサの外
観変形が抑制でき、これにより面実装時の半田付け不良
を改善するものである。また、N,N’−ジメチルプロ
ピレンウレアの電導度を改善することができるために副
溶媒を混合する場合においても、その沸点を200℃以
上に限定することにより、N,N’−ジメチルプロピレ
ンウレアの特徴である耐熱性を損なうことなく、高電導
度な電解液を構成することができる。また、N,N’−
ジメチルプロピレンウレアを含有する電解液は−40℃
においても凝固しないので、−40℃の温度においても
コンデンサの性能を発揮することができるものである。
アを含有する有機溶媒に溶解する有機酸塩の塩基成分に
第4級アンモニウムを含有させないことで、電気分解時
に強アルカリ成分がコンデンサの負極近傍で発生しにく
くなり、この結果、封口ゴムの封止力が安定し、信頼性
の高いコンデンサを構成することができるものである。
は、N,N’−ジメチルプロピレンウレア単独、または
N,N’−ジメチルプロピレンウレアを含有する有機溶
媒に第4級アンモニウムを含有しない有機酸塩を電解質
として溶解した構成の電解コンデンサ駆動用電解液とい
うものであり、この構成によれば、沸点の高いN,N’
−ジメチルプロピレンウレアを溶媒成分として含有する
ため、高温雰囲気においても電解液が気化しにくくな
り、内部圧力の上昇が抑制でき、その結果、コンデンサ
の外観変形が抑制でき、これにより面実装時の半田付け
不良を改善することができる。また、N,N’−ジメチ
ルプロピレンウレアを含有する電解液は−40℃におい
ても凝固しないので、−40℃の温度においてもコンデ
ンサ性能を発揮できるものである。更には、N,N’−
ジメチルプロピレンウレアを含有する有機溶媒に溶解す
る有機酸塩の塩基成分に第4級アンモニウムを含有させ
ないことで、電気分解時に強アルカリ成分がコンデンサ
負極近傍で発生しにくくなり、この結果、封口ゴムの封
止力が安定し、信頼性の高いコンデンサを構成すること
ができるという作用を有する。
チルプロピレンウレアと沸点200℃以上の有機溶媒を
含有する混合有機溶媒に第4級アンモニウムを含有しな
い有機酸塩を電解質として溶解した構成の電解コンデン
サ駆動用電解液というものであり、この構成によれば、
N,N’−ジメチルプロピレンウレアの電導度を改善す
るために副溶媒を混合する場合においても、その沸点を
200℃以上に限定することにより、N,N’−ジメチ
ルプロピレンウレアの特徴である耐熱性を損なうことな
く、高電導度な電解液を構成することができるという作
用を有する。
の発明において、N,N’−ジメチルプロピレンウレア
と混合する沸点200℃以上の有機溶媒として、N,
N’−ジメチル−2−イミダゾリジノンを用いた構成と
した電解コンデンサ駆動用電解液というものであり、こ
の構成によれば、N,N’−ジメチルプロピレンウレア
とN,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノンとの混合
により生じる凝固点降下効果により、−40℃以下でも
電解液が凝固しない上、低温での電導度も高い電解液を
構成できるという作用を有する。
の発明において、N,N’−ジメチルプロピレンウレア
とN,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノンの混合比
率を、N,N’−ジメチルプロピレンウレア:N,N’
−ジメチル−2−イミダゾリジノン=20〜40:80
〜60の範囲とした構成の電解コンデンサ駆動用電解液
というものであり、2種の有機溶媒の混合比率が、N,
N’−ジメチルプロピレンウレア:N,N’−ジメチル
−2−イミダゾリジノン=20未満:80を越える場合
では、N,N’−ジメチルプロピレンウレアの高温での
低蒸気圧と言った特徴が十分に発揮されず、内部圧力の
抑制が不十分となり、その結果、コンデンサの外観変形
の程度が大きくなる場合がある。また、この場合には、
N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノンの低温凝固
性の影響が顕在化することで、−25℃以下で電解液が
凝固するので好ましくない。また、N,N’−ジメチル
プロピレンウレア:N,N’−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン=40を越える:60未満の場合では、低温で
の電導度が低下するので好ましくない。従って、N,
N’−ジメチルプロピレンウレアとN,N’−ジメチル
−2−イミダゾリジノンを含有する混合有機溶媒を用い
て電解液を構成する際の最適な範囲は、N,N’−ジメ
チルプロピレンウレア:N,N’−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン=20〜40:80〜60の範囲である。
の発明において、N,N’−ジメチルプロピレンウレア
と混合する沸点200℃以上の有機溶媒として、γ−ブ
チロラクトンを用いた構成とした電解コンデンサ駆動用
電解液というものであり、この構成によれば、N,N’
−ジメチルプロピレンウレアとγ−ブチロラクトンとの
混合により生じる凝固点降下効果により、−40℃以下
でも凝固しない上、低温での電導度も高い電解液を構成
することができるという作用を有する。また、N,N’
−ジメチルプロピレンウレアとγ−ブチロラクトンを含
有する有機溶媒に溶解する有機酸塩の塩基成分に第4級
アンモニウムを選定した場合には、電気分解時に強アル
カリ成分がコンデンサの負極近傍で発生し、これが封口
ゴムの封止力を低下させ、内部の電解液が負極リード線
の周辺部より漏出する場合があるので好ましくない。更
には、この第4級アンモニウムが原因となり発生する強
アルカリ物質はγ−ブチロラクトンと反応し、ヒドロキ
シ酪酸を生成し、電解液の劣化や封口ゴムの封止力低下
を促進させるので好ましくない。
の発明において、N,N’−ジメチルプロピレンウレア
とγ−ブチロラクトンの混合比率を、N,N’−ジメチ
ルプロピレンウレア:γ−ブチロラクトン=20〜4
0:80〜60の範囲とした構成の電解コンデンサ駆動
用電解液というものであり、2種の有機溶媒の混合比率
が、N,N’−ジメチルプロピレンウレア:γ−ブチロ
ラクトン=20未満:80を越える場合では、N,N’
−ジメチルプロピレンウレアの高温での低蒸気圧と言っ
た特徴が十分に発揮されずに内部圧力の抑制が不十分と
なり、その結果、コンデンサの外観変形の程度が大きく
なる場合がある。また、N,N’−ジメチルプロピレン
ウレア:γ−ブチロラクトン:40を越える:60未満
の場合では、低温での電導度が低下する場合がある。従
って、N,N’−ジメチルプロピレンウレア:γ−ブチ
ロラクトンを含有する有機溶媒を用いて電解液を構成す
る際の最適な範囲は、N,N’−ジメチルプロピレンウ
レア:γ−ブチロラクトン=20〜40:80〜60の
範囲である。
いずれか一つに記載の発明において、有機酸塩の有機酸
がカルボン酸である構成の電解コンデンサ駆動用電解液
としたものであり、この構成によれば、コンデンサの誘
電体である陽極酸化皮膜の化成性に優れた電解液を得る
ことができ、この電解液によりコンデンサを構成した際
に、漏れ電流が少なく信頼性の高いコンデンサを得るこ
とができるという作用を有する。
いずれか一つに記載の発明において、カルボン酸がマレ
イン酸、フタル酸、アジピン酸、安息香酸、または以上
の化合物のアルキルまたはニトロ置換体からなる群より
選ばれる1種以上である構成とした電解コンデンサ駆動
用電解液というものであり、この構成によれば、電導度
が高く、熱的な電導度変化の少ない電解液を構成できる
ので、この電解液によりコンデンサを構成した際に、漏
れ電流を少なくできることと併せて、低損失で耐熱試験
時の性能変化の少ないコンデンサを得ることができると
いう作用を有する。
いずれか一つに記載の発明において、有機酸塩の塩基が
アンモニウム、第3級アミン、アルキル置換アミジン基
を有する化合物、アルキル置換アミジン基を有する化合
物の4級塩からなる群より選ばれる1種以上である構成
とした電解コンデンサ駆動用電解液というものであり、
この構成によれば、熱的な電導度変化の少ない電解液を
構成できるので、この電解液によりコンデンサを構成し
た際に、耐熱試験時の性能変化の少ないコンデンサを構
成することができるという作用を有する。また、N,
N’−ジメチルプロピレンウレアを含有する有機溶媒に
溶解する有機酸塩の塩基成分に第4級アンモニウムを選
定した場合には、電気分解時に強アルカリ成分がコンデ
ンサの負極近傍で発生し、これが封口ゴムの封止力を低
下させ、内部の電解液が負極リード線の周辺部より漏出
する場合があるので好ましくない。従って、電気分解時
にも強アルカリ成分を発生しにくい、アンモニウム、第
3級アミン、アルキル置換アミジン基を有する化合物、
アルキル置換アミジン基を有する化合物の4級塩からな
る群より選ばれる1種以上を電解質塩として選定するこ
とで信頼性の高いコンデンサを構成することができるも
のである。
載の発明において、アルキル置換アミジン基を有する化
合物の4級塩がイミダゾール化合物、ベンゾイミダゾー
ル化合物、脂環式アミジン化合物(ピリミジン化合物、
イミダゾリン化合物)の群より選ばれる1種以上を用い
た構成とした電解コンデンサ駆動用電解液としたもので
あり、この構成によれば電導度が高い上に、電気化学的
変化により強アルカリ成分を発生しにくい電解液を構成
できるので、この電解液によりコンデンサを構成した際
に、耐熱試験時の性能変化を少なくできることと併せ
て、低損失かつ負電位側のリード線部からの漏液のしづ
らい信頼性の高いコンデンサを構成することができると
いう作用を有する。
メチルプロピレンウレアを含有する有機溶媒に第4級ア
ンモニウムを含有しない有機酸塩を電解質として溶解し
た電解コンデンサ駆動用電解液を用いた電解コンデンサ
とした構成のものであり、この構成によれば、N,N’
−ジメチルプロピレンウレアを含有する電解液の有す
る、高沸点、200℃以上の温度範囲での低蒸気圧とい
った特性を活かし、高温雰囲気においても外観変形が少
ないコンデンサを構成できるという作用を有する。
記載の発明において、電解コンデンサが面実装用部品で
ある構成としたものであり、基板実装時の半田付け不良
の少ないコンデンサを構成することができるという作用
を有する。
たは12に記載の発明において、電解コンデンサの封口
体に用いる弾性体が過酸化物加硫および/または樹脂加
硫ブチルゴムであり、かつ弾性体の少なくとも一部の硬
度が、75IRHD(国際ゴム硬さ単位)以上である構
成としたものである。この構成によれば、過酸化物加硫
および/または樹脂加硫ブチルゴム弾性体が耐アルカリ
性に優れるため、アンモニウム、第3級アミン、アルキ
ル置換アミジン基を有する化合物、アルキル置換アミジ
ン基を有する化合物の4級塩からなる群より選ばれる1
種以上を電解質塩基とする電解質を使用する限りは、経
時的な封止力低下が生じないので、負極側のリード線部
からの漏液のしづらい信頼性の高いコンデンサを構成す
ることができ、また、弾性体の少なくとも一部の硬度
を、75IRHD(国際ゴム硬さ単位)以上とすること
で、内部圧力の上昇の際に生じやすい封口面の外観変形
を物理的な強度で抑制することができるので、その結
果、コンデンサの外観変形を抑制でき、これにより実装
時の半田付け不良をより一層改善することができるとい
う作用を有する。
13のいずれか一つに記載の発明において、電解コンデ
ンサのリード線部の少なくとも表層の一部に、鉛を含ま
ない金属層を設けた構成としたものであり、この構成に
より、鉛は半田の成分として電子部品のリード部のメッ
キ材料として多用されているものの、近年の世界的な地
球環境保護の観点より使用削減が望まれており、鉛を使
用しない金属により電子部品のリード部にメッキを施す
ことは技術的には可能であるが、リード部のメッキ材を
鉛を使用しない金属とした場合には、プリント基板への
電子部品の実装時に従来の鉛入り金属のメッキ層を有す
るリードの電子部品の実装時よりも、より高い温度を加
えなければ実装不良(リード線メッキ層とプリント基板
側半田層との接着不良)が生じるため、電子部品を使用
する上での問題が残っていた。しかし、この構成によれ
ばN,N’−ジメチルプロピレンウレアを含有する電解
液の有する、高沸点、200℃以上の温度範囲での低蒸
気圧といった特性を活かし、高温雰囲気においても外観
変形が少なく、かつ面実装部品とした際には、基板実装
時の半田付け不良の少ないコンデンサを構成できるの
で、鉛を含まない金属でリードの表層部のメッキを構成
しても実装不良の問題の生じないコンデンサを実現する
ことができるという作用を有する。
る。
ピレンウレアを含有する有機溶媒に第4級アンモニウム
を含有しない有機酸塩を電解質として溶解した電解コン
デンサ駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ
である。
しては、トリアルキルアミン類[トリメチルアミン、ジ
メチルエチルアミン、メチルジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、ジメチルn−プロピルアミン、ジメチルイソ
プロピルアミン、メチルエチルn−プロピルアミン、メ
チルエチルイソプロピルアミン、ジエチルn−プロピル
アミン、ジエチルイソプロピルアミン、トリn−プロピ
ルアミン、トリイソプロピルアミン、トリn−ブチルア
ミン、トリtert−ブチルアミンなど]フェニル基含
有アミン[ジメチルフェニルアミン、メチルエチルフェ
ニルアミン、ジエチルフェニルアミンなど]である。
トリアルキルアミンであり、更に好ましくはこの中でも
電導度の高い、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミ
ン、メチルジエチルアミン、トリエチルアミンからなる
群より選ばれる1種以上である。
ジン基を有する化合物の例としては、イミダゾール化合
物、ベンゾイミダゾール化合物、脂環式アミジン化合物
(ピリミジン化合物、イミダゾリン化合物)が挙げられ
る。具体的には、電導度が高く、低損失のコンデンサを
提供できる、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウ
ンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]
ノネン−5、1,2−ジメチルイミダゾリニウム、1,
2,4−トリメチルイミダゾリン、1−メチル−2−エ
チル−イミダゾリン、1,4−ジメチル−2−エチルイ
ミダゾリン、1−メチル−2−ヘプチルイミダゾリン、
1−メチル−2−(3’へプチル)イミダゾリン、1−
メチル−2−ドデシルイミダゾリン、1,2−ジメチル
−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1−メチ
ルイミダゾール、1−メチルベンゾイミダゾールが好ま
しい。
ジン基を有する化合物の4級塩の例としては、炭素数1
〜11のアルキル基またはアリールアルキル基で4級化
されたイミダゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合
物、脂環式アミジン化合物(ピリミジン化合物、イミダ
ゾリン化合物)が挙げられる。具体的には、電導度が高
く、低損失のコンデンサを提供できる、1−メチル−
1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−
7、1−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,
0]ノネン−5、1,2,3−トリメチルイミダゾリニ
ウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウ
ム、1,3−ジメチル−2−エチル−イミダゾリニウ
ム、1,2−ジメチル−3−エチル−イミダゾリニウ
ム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニ
ウム、1,3−ジメチル−2−ヘプチルイミダゾリニウ
ム、1,3−ジメチル−2−(3’ヘプチル)イミダゾ
リニウム、1,3−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリ
ニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テ
トラヒドロピリミジウム、1,3−ジメチルイミダゾリ
ウム、1,3−ジメチルベンゾイミダゾリウムが好まし
い。
は、ポリカルボン酸(2〜4価):脂肪族ポリカルボン
酸[飽和ポリカルボン酸、例えばシュウ酸,マロン酸,
コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,スベ
リン酸,アゼライン酸,セバチン酸,1,6−デカンジ
カルボン酸,5,6−デカンジカルボン酸:不飽和ポリ
カルボン酸、例えばマレイン酸,フマル酸,イコタン
酸];芳香族ポリカルボン酸、例えばフタル酸,イソフ
タル酸,テレフタル酸,トリメリット酸,ピロメリット
酸;脂環式ポリカルボン酸、例えばテトラヒドロフタル
酸(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸等),ヘキ
サヒドロフタル酸;これらのポリカルボン酸のアルキル
(炭素数1〜3)もしくはニトロ置換体、例えばシトラ
コン酸,ジメチルマレイン酸,ニトロフタル酸(3−ニ
トロフタル酸,4−ニトロフタル酸);および硫黄含有
ポリカルボン酸、例えばチオプロピオン酸;モノカルボ
ン酸;脂肪族モノカルボン酸(炭素数1〜30)[飽和
モノカルボン酸、例えばギ酸,酢酸,プロピオン酸,酪
酸,イソ酪酸,吉草酸,カプロン酸,エナント酸,カプ
リル酸,ペラルゴン酸,ラウリル酸,ミリスチン酸,ス
テアリン酸,ベヘン酸:不飽和モノカルボン酸、例えば
アクリル酸,メタクリル酸,オレイン酸];芳香族モノ
カルボン酸、例えば安息香酸,o−ニトロ安息香酸、p
−ニトロ安息香酸、ケイ皮酸,ナフトエ酸;オキシカル
ボン酸、例えばサリチル酸,マンデル酸,レゾルシン酸
これらの内で好ましいのは電導度が高く熱的にも安定
な、マレイン酸,フタル酸,アジピン酸,安息香酸であ
る。
は、電解液のpHにして、通常4〜11、好ましくは6
〜9である。この範囲外では、電解液の火花電圧が低下
する。
することもできる。その含有量は電解液の重量に基づい
て通常5%未満である。更に好ましくは1%未満であ
る。水の含有量が5%以上では水の沸点と蒸気圧の影響
により半田耐熱性が著しく低下する。
電導度や、放電電圧の向上を目的にN,N’−ジメチル
プロピレンウレアと相溶する溶媒を混合してもよい。混
合する副溶媒としては、沸点200℃以上の他の有機溶
媒を用いることが好ましい。
1,3−オキサゾリジン−2−オン(より具体的には、
3−メチル−1,3−オキサゾリジン−2−オン:沸点
260℃)、N,N’−ジアルキル−2−イミダゾリジ
ノン(より具体的には、N,N’−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン:沸点225℃、N,N’−ジエチル−2
−イミダゾリジノン:沸点236℃、N,N’−ジプロ
ピル−2−イミダゾリジノン沸点255℃、N−メチル
−N’−エチル−2−イミダゾリジノン:沸点230
℃)、N,N’,4−トリアルキル−2−イミダゾリジ
ノン(より具体的には、N,N’,4−トリメチル−2
−イミダゾリジノン:沸点241℃)、N,N’,4,
5−テトラアルキル−2−イミダゾリジノン(より具体
的には、N,N’,4,5−テトラメチル−2−イミダ
ゾリジノン:沸点249℃)、環状ラクトン(より具体
的には、γ−ブチロラクトン:沸点204℃)、多価ア
ルコール(より具体的には、エチレングリコール:沸点
201℃、グリセリン:沸点290℃)、カーボネート
(より具体的にはエチレンカーボネート:沸点238
℃、プロピレンカーボネート:沸点242℃)の群より
選ばれる単独もしくは2種以上の混合溶媒が挙げられ
る。この上記した高沸点な溶媒群より選ばれる単独もし
くは2種以上を副溶媒とし電解液を構成すれば、N,
N’−ジメチルプロピレンウレアとの混合による凝固点
降下効果が発現し、−40℃でも凝固しない電解液を構
成することできる上、電導度の向上により低温でも低損
失な電解コンデンサを構成することができる。また、副
溶媒の沸点を200℃以上のものに限定した際には、
N,N’−ジメチルプロピレンウレアの特徴である、高
温雰囲気での内部圧力上昇抑制効果を損なうことも少な
く好ましい。
剤を混合しても良い。添加剤としては、リン系化合物
[リン酸、リン酸エステルなど]、ホウ酸系化合物[ホ
ウ酸、ホウ酸と多糖類(マンニット、ソルビット、な
ど)との錯化合物、ホウ酸と多価アルコール(エチレン
グリコール、グリセリン、など)]との錯化合物、ニト
ロ化合物[o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、
p−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、m−ニト
ロフェノール、p−ニトロフェノール、など]が挙げら
れる。これらの添加剤を加えることで電解液の火花電圧
が上昇し好ましい場合がある。
は、電解液の重量に基づいて通常10〜90重量%、好
ましくは20〜80重量%である。この範囲外では電導
度が著しく低下する。
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以
下、部はすべて重量部を示す。
ロピレンウレアと従来の電解液溶媒の沸点を測定した結
果である。
ジチメルプロピレンウレアは従来の電解液溶媒に比較し
て高い沸点を有することが判る。また、窒素原子上のア
ルキル基の分子量をさらに大きなもの(例えば、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
tert−ブチル基など)にすることで溶媒分子の持つ
熱力学的なエネルギーが高まり、より沸点が高くなり、
同様な効果が得られると思われる。
較例1〜4の電解液の組成を示したものである。
液を使用して面実装型のアルミ電解コンデンサ(定格電
圧4V−静電容量220μF、サイズ;φ6mm×L
5.5mm)を作成した。封口ゴムには過酸化物加硫の
ブチルゴム(硬度:75IRHD)を使用した。コンデ
ンサのリード線の表層には、鉛を含まないSn−Bi系
金属にてメッキ処理を施した。このコンデンサ各々10
0個をエポキシ基板(厚さ:2mm)に実装し、半田リ
フロー炉を通した。この際の外観変形の発生率を(表
3)に示す。また、半田リフロー炉を通した際のエポキ
シ基板の時間−温度プロファイルを図1に示す。図1の
実装条件はSn−Ag−Bi系半田(環境影響を考慮し
た鉛を含有しない半田)での実装を考慮した条件であ
り、従来良く知られている実装条件と比較して実装時の
コンデンサへの熱ストレスはより大きいものである。温
度はエポキシ基板上に熱電対を接着し、その起電力より
間接的に測定したものである。
N,N’−ジメチルプロピレンウレアを含有しないので
半田耐熱性に劣る。比較例2では、溶媒がγ−ブチロラ
クトンとエチレングリコールとの混合単独であり、N,
N’−ジメチルプロピレンウレアを含有しないので半田
耐熱性が未だ十分ではない。
の実施例1〜6の電解液を用いたコンデンサは、比較例
1〜3の電解液を用いたコンデンサと比較して、面実装
時の熱ストレスによるコンデンサの外観変形はなく、実
装時の半田付け不良を改善できることが明らかである。
(硬度:80IRHD)を用いた場合にも同様の結果が
得られた。
〜4の電解液を用いて上記と同様に構成したコンデンサ
を用いて、温度85℃−相対湿度85%RHの雰囲気中
で定格電圧を連続印加して1000時間の信頼性試験を
実施した。試験後の封口体表面の様子(電解液の液漏れ
等の異常の有無の観察)を(表4)に示す。
含有する電解液ではあるものの、強アルカリ成分を発生
させやすい第4級アンモニウムの1種であるテトラメチ
ルアンモニウムを電解質成分に使用しているので、封口
体の封止力低下による液漏れが発生している。
の実施例1〜6の電解液を用いたコンデンサは、電解質
成分に第4級アンモニウムを含有しないので、比較例4
の電解液を用いたコンデンサと比較して信頼性が高いこ
とが明らかである。
1〜4の電解液の低温での電導度測定の結果を(表5)
に示す。
め電解質の溶解性が十分でなく、−40℃において電解
質の析出が生じている。従って、比較例1の電解液によ
りコンデンサを構成した際には、−40℃においてコン
デンサの機能が発揮できない。比較例3では、溶媒が
N,N’ジメチル−2−イミダゾリジノン単独であり、
N,N’−ジメチルプロピレンウレアを含有しないの
で、電解液の凝固性が大きく、−25℃で電解液が固化
している。従って、比較例3の電解液によりコンデンサ
を構成した際には、−25℃以下の温度においてコンデ
ンサの機能が発揮できない。
の実施例1〜6の電解液は、比較例1〜4の電解液と比
較して、いずれの温度範囲においても電導度が高いこと
が明らかである。従って、本発明の実施例1〜6の電解
液によりコンデンサを構成した際には、低温での電気特
性が良好なものとなる(容量変化が少なく、損失の増大
も少ない)。
液によりコンデンサを構成することにより、(1)面実
装時の熱ストレスによるコンデンサの外観変形を抑止
し、実装時の半田付け不良を改善できる、(2)温度8
5℃−相対湿度85%RHの雰囲気中の試験においても
信頼性が高い、(3)低温での電気特性が良好、といっ
た全ての項目を同時に満たすことができるものである。
動用電解液は、電解液溶媒の沸点が高いため高温での安
定性に優れ、その結果、面実装時の熱ストレスによるコ
ンデンサの外観変形を抑制し、実装時の半田付け不良を
改善すると共に、低温でのコンデンサの性能の維持向上
を可能とするものであり、その工業的価値は大なるもの
である。
間−温度の関係を示す特性図
Claims (14)
- 【請求項1】 N,N’−ジメチルプロピレンウレア単
独、またはN,N’−ジメチルプロピレンウレアを含有
する有機溶媒に第4級アンモニウムを含有しない有機酸
塩を電解質として溶解した電解コンデンサ駆動用電解
液。 - 【請求項2】 N,N’−ジメチルプロピレンウレアと
沸点200℃以上の有機溶媒を含有する混合有機溶媒に
第4級アンモニウムを含有しない有機酸塩を電解質とし
て溶解した電解コンデンサ駆動用電解液。 - 【請求項3】 N,N’−ジメチルプロピレンウレアと
混合する沸点200℃以上の有機溶媒として、N,N’
−ジメチル−2−イミダゾリジノンを用いた請求項2に
記載の電解コンデンサ駆動用電解液。 - 【請求項4】 N,N’−ジメチルプロピレンウレアと
N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノンの混合比率
が、N,N’−ジメチルプロピレンウレア:N,N’−
ジメチル−2−イミダゾリジノン=20〜40:80〜
60の範囲である請求項3に記載の電解コンデンサ駆動
用電解液。 - 【請求項5】 N,N’−ジメチルプロピレンウレアと
混合する沸点200℃以上の有機溶媒として、γ−ブチ
ロラクトンを用いた請求項2に記載の電解コンデンサ駆
動用電解液。 - 【請求項6】 N,N’−ジメチルプロピレンウレアと
γ−ブチロラクトンの混合比率が、N,N’−ジメチル
プロピレンウレア:γ−ブチロラクトン=20〜40:
80〜60の範囲である請求項5に記載の電解コンデン
サ駆動用電解液。 - 【請求項7】 有機酸塩の有機酸がカルボン酸である請
求項1〜6のいずれか一つに記載の電解コンデンサ駆動
用電解液。 - 【請求項8】 カルボン酸がマレイン酸、フタル酸、ア
ジピン酸、安息香酸、または以上の化合物のアルキルま
たはニトロ置換体からなる群より選ばれる1種以上であ
る請求項1〜7のいずれか一つに記載の電解コンデンサ
駆動用電解液。 - 【請求項9】 有機酸塩の塩基がアンモニウム、第3級
アミン、アルキル置換アミジン基を有する化合物、アル
キル置換アミジン基を有する化合物の4級塩からなる群
より選ばれる1種以上である請求項1〜8のいずれか一
つに記載の電解コンデンサ駆動用電解液。 - 【請求項10】 アルキル置換アミジン基を有する化合
物の4級塩がイミダゾール化合物、ベンゾイミダゾール
化合物、脂環式アミジン化合物(ピリミジン化合物、イ
ミダゾリン化合物)の群より選ばれる1種以上である請
求項9に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。 - 【請求項11】 N,N’−ジメチルプロピレンウレア
を含有する有機溶媒に第4級アンモニウムを含有しない
有機酸塩を電解質として溶解した電解コンデンサ駆動用
電解液を用いた電解コンデンサ。 - 【請求項12】 電解コンデンサが面実装用部品である
請求項11に記載の電解コンデンサ。 - 【請求項13】 電解コンデンサの封口体に用いる弾性
体が過酸化物加硫および/または樹脂加硫ブチルゴムで
あり、かつ弾性体の少なくとも一部の硬度が、75IR
HD(国際ゴム硬さ単位)以上である請求項11または
12に記載の電解コンデンサ。 - 【請求項14】 電解コンデンサのリード線部の少なく
とも表層の一部に、鉛を含まない金属層を設けた請求項
11〜13のいずれか一つに記載の電解コンデンサ。
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JP22308198A JP3642195B2 (ja) | 1998-08-06 | 1998-08-06 | 電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ |
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JP2000058390A true JP2000058390A (ja) | 2000-02-25 |
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JP2015069985A (ja) * | 2013-09-26 | 2015-04-13 | 富山薬品工業株式会社 | 電解コンデンサ駆動用電解液 |
-
1998
- 1998-08-06 JP JP22308198A patent/JP3642195B2/ja not_active Expired - Fee Related
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