JP2007142353A - アルミ電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】高温−高湿環境下での電解液の漏出を改善するとともに、陰極用のアルミニウム箔の表面に存在する銅の溶解−再析出による短絡も改善することができる信頼性の高いアルミ電解コンデンサを提供することを目的とする。
【解決手段】表面に誘電体としてアルミニウム酸化物層を形成したアルミニウム箔を陽極とし、銅を含有するアルミニウム箔を陰極として、各々のアルミニウム箔にリード線1、および2を接続し、これらの陽極と陰極とをその間にセパレータを介在させて巻回することにより構成されたコンデンサ素子3と、このコンデンサ素子3に含浸される電解液中にアゾール環化合物と銅イオンの錯塩が含まれるアルミ電解コンデンサとするものである。
【選択図】図1

Description

本発明は各種電子機器に利用されるアルミ電解コンデンサに関するものである。
最近の電子機器の小型・軽量化、および、はんだ付け温度の上昇に伴い、そこに使用されるアルミ電解コンデンサとして小型かつ大容量で、熱的に安定し、電解液の漏れ、および短絡による特性劣化が少ないものへの要求が高まっている。
このアルミ電解コンデンサの電解液の漏出は、陰極用のアルミニウム箔と、そのアルミニウム箔に接続されたリード線と電解液との電気化学的な変質により、リード線付近の電解液中での水酸化物が増加するアルカリ化により封口部材が劣化することが原因とされている。
また、小形大容量化するためにエッチング処理による表面積の拡大効率を向上させるため、銅を0.1〜0.5%含有するアルミニウム箔を陰極に用いることが一般的であるが、アルミニウム箔からの銅が電解液へ溶出し、再析出することで短絡が発生することも知られている。
さらには、低温特性が良好であり、熱的安定性に優れた、電解液の化学変化を制御し、電解液の漏出が少ない電解液として、γ−ブチロラクトンを含有する溶媒に、電解質としてアルキル置換アミジン基とカルボン酸とからなるアミジン塩を溶解させたものが知られている(特許文献1)。
一方で、エチレングリコールなどを含有する溶媒からなる電解液にエチレンジアミンテトラ酢酸を添加し、アルミニウム箔から溶出した銅と錯塩を形成させることにより、銅の再析出を防止させるものが知られている(特許文献2)。
国際公開第95/15572号パンフレット 特開平2−77109号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたアミジン塩を溶解させた電解液を用いたアルミ電解コンデンサは、銅を含有するアルミニウム箔を陰極に用いた場合に、特に高温−高湿環境下において、アルミニウム箔から銅がイオン化して電解液中に溶出し、再析出することで、陽極と陰極との間を短絡させるという課題があった。
また、特許文献2に記載されたエチレンジアミンテトラ酢酸は、キレート剤として銅以外の金属との錯塩を容易に形成することが知られているが、電解液中に溶出するアルミニウムイオンとエチレンジアミンテトラ酢酸との錯塩をも形成するために、アルミニウム箔からの銅の溶出−再析出が発生し、陽極と陰極との間を短絡させる恐れがあるという課題があった。
本発明はこのような従来の課題を解決し、電解液の漏出を防ぐとともに、陰極用のアルミニウム箔に存在する銅の溶解−再析出による短絡を改善することで、高容量、高信頼性のアルミ電解コンデンサを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明のアルミ電解コンデンサは、表面にアルミニウム酸化物層を形成したアルミニウム箔からなる陽極と、銅を含有するアルミニウム箔をエッチングした陰極と、これらの間にセパレータを介在させて巻回し、陽極および陰極各々にリード線を接続することによりコンデンサ素子を構成し、このコンデンサ素子をアゾール環化合物と銅イオンとの錯塩を含む電解液に含浸したアルミ電解コンデンサとするものである。
本発明のアルミ電解コンデンサは、電解液中のアゾール環化合物は選択的に銅と錯塩を形成し、電解液中にこの錯塩が安定した状態で存在するので、これにより、陰極用のアルミニウム箔からの銅の溶解−再析出による短絡が改善できることに加え、アゾール環化合物による電解液の漏出防止ができるので、高容量、高信頼性のアルミ電解コンデンサを得ることができるものである。
本発明のアルミ電解コンデンサは、表面にアルミニウム酸化物層を形成したアルミニウム箔からなる陽極と、銅を含有するアルミニウム箔をエッチングした陰極と、これらの間にセパレータを介在させて巻回し、陽極および陰極各々にリード線を接続することによりコンデンサ素子を構成し、このコンデンサ素子をアゾール環化合物と銅イオンとの錯塩を含む電解液に含浸したものである。
この構成により、電解液中のアゾール環化合物と銅イオンとの錯塩が陰極のアルミニウム箔に含まれる銅の溶出―再析出を防ぐことができる。
上記アゾール環化合物と銅イオンの錯塩は、電解液中に予めアゾール環化合物と銅イオンとの錯塩を添加するようにしたものであるが、電解液を調製する段階でアゾール環化合物を添加しておき、この電解液をコンデンサ素子に含浸したときに陰極用のアルミニウム箔に含まれる銅と反応させて電解液中に含まれるようにしても良い。
また、具体的なアゾール環化合物としては、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾールの少なくとも1種からなるものである。
上記アゾール環化合物と銅イオンの錯塩は電解液中に0.01〜2.0重量%含まれるのが好ましい。0.01重量%未満では錯塩が少ないために銅の溶出−再析出による短絡を十分に抑制することができず、2.0重量%を超えると電解液の電導度が低下するからである。
本発明のアルミ電解コンデンサの電解液としては、導電率が高く、低温特性の良好なγ−ブチロラクトンを主溶媒とした電解液、または水を主溶媒とした含水系電解液が好ましい。
上記γ−ブチロラクトンを主溶媒とした電解液に副溶媒として水やエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、スルホランを混合してもよい。この混合溶媒系の場合、主溶媒であるγ−ブチロラクトンが30〜70重量%(溶媒中の重量%)、その残部が副溶媒とすることが望ましい。副溶媒含有量が70重量%を越えると、駆動用電解液の電気化学的安定性が低下するために、電圧印加時のアルミニウム電解コンデンサの内圧上昇も大きくなり、十分な効果が得られない。
また、水を主溶媒とした含水系電解液に用いる副溶媒としてはエチレングリコールが好ましい。主溶媒である水の含有量は35〜100重量%(溶媒中の重量%)で、その残部を副溶媒であるエチレングリコールとすることが望ましい。
上記電解液の電解質としては、無機酸、有機酸、無機酸塩、有機酸塩の1種以上を含むものであり、その中で好ましいものとしては、硼酸、リン酸、ギ酸、アゼライン酸、アジピン酸、グルタル酸、フタル酸、マレイン酸、安息香酸、5,6−デカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸、1,6−デカンジカルボン酸等の二塩基酸またはその塩が挙げられる。
上記の塩としては、アンモニウム塩、アミン塩、四級アンモニウム塩、アミジン系塩等が使用できる。好ましくは、電気化学的に安定なフタル酸および/またはマレイン酸とアルキル置換アミジン基を有する化合物との塩を用いることが望ましい。
フタル酸、マレイン酸以外の電解質では電圧印加時のガス発生量が大きく、そのときのアルミニウム電解コンデンサの内圧上昇により十分な効果が得られない。
さらに、上記電解液に必要により種々の添加剤を混合しても良い。添加剤を加えることによって電解液中での腐食電流の値を調整することができる。添加剤としては、リン系化合物(リン酸、リン酸エステルなど)、ほう素化合物(ほう酸、ほう酸エステル、ほう酸塩[ほう酸アンモニウムなど]、ほう酸と多糖類[マンニット、ソルビットなど]との錯化合物など)、ニトロ化合物(p−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、o−ニトロフェノール、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、o−ニトロ安息香酸、3−ニトロフタル酸、4−ニトロフタル酸など)、有機酸(マレイン酸、o−フタル酸、安息香酸、アジピン酸、レゾルシル酸など)が挙げられる。これらの中でも好ましいのは、カソード反応を変化させやすいニトロ化合物である。
また、上記封口部材5としては、耐薬品性に優れるブチルゴムが望ましい。ブチルゴムの加硫方法としては、過酸化物加硫、樹脂加硫、およびキノイド加硫等が知られており、ブチルゴムに配合する充填剤としては珪酸アルミや炭酸カルシウム等の無機化合物が知られているが、上記したいずれの加硫方法および充填剤を配合したブチルゴムを使用しても効果が認められるものである。
但し、硫黄を加硫剤に用いる硫黄加硫ブチルゴムにおいては、高温時の弾性率の低下が著しく大きいため、効果が認められない。
次に具体的な実施の形態について説明をするが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
(実施例1)
本発明のアルミ電解コンデンサは、図1に示すように表面に誘電体としてのアルミニウム酸化物層を形成したアルミニウム箔を陽極とし、銅を含有したアルミニウム箔をエッチングさせたものを陰極として、各々の箔にリード線1およびリード線2を接続し、これらの陽極と陰極とをその間にセパレータを介して巻回させることによりコンデンサ素子3を構成し、このコンデンサ素子3を電解液に含浸させ、有底の外装ケース4に収納し、その開口部を封口部材5で封口したものである。
まず、エッチング処理によりアルミニウム箔の表面を粗面化した後に陽極酸化処理により誘電体酸化皮膜(化成電圧15V)を形成したアルミニウム箔からなる陽極箔とアルミニウム箔をエッチング処理した陰極箔(バルクでの銅含有量:0.3%)とをマニラ紙とクラフト紙の混抄紙からなるセパレータ(厚さ50μm、秤量40g/m2)を介在させて巻回することによりコンデンサ素子を得た。
次に、アゾール環化合物として1−メチルイミダゾールを用い、アゾール環化合物と銅イオンとの錯塩含有量を変化させた電解液を、上記コンデンサ素子にそれぞれ含浸させ試料1〜6とした。
また、比較試料1として、アゾール環化合物と銅イオンとの錯塩を含まない電解液を上記コンデンサ素子に含浸させた。
次に、上記コンデンサ素子を有底筒状のアルミニウムの金属ケースに挿入後、この金属ケースの開口部を、樹脂加硫ブチルゴム封止部材(ブチルゴムポリマー30重量%、カーボン20重量%、無機充填剤50重量%から構成、封止部材硬度:70IRHD[国際ゴム硬さ単位])でカーリング処理により封止し、定格電圧10V−静電容量330μF、サイズ;φ8.0mm×L11.5mmのアルミ電解コンデンサをそれぞれ作製した。
上記試料1〜6及び比較試料1のアルミ電解コンデンサについて、それぞれ20個用意し、温度85℃−相対湿度90%の環境下で、無負荷で2000時間の信頼性試験を実施し、試験終了後のアルミ電解コンデンサの液漏れと銅析出による短絡の有無を調査した。その結果を(表1)に示す。
Figure 2007142353
(表1)から明らかなように、本発明の試料1〜6のアルミ電解コンデンサは、電解液中に1−メチルイミダゾールと銅イオンとの錯塩が含まれ、この錯塩はアゾール環化合物である1−メチルイミダゾールの共鳴安定化により電解液中に安定した状態で存在する。
これにより、陰極用のアルミニウム箔からの銅の溶出−再析出を抑制することができ、その結果、アゾール環化合物による高温−高湿環境下での電解液の漏出防止に加えて、陰極用のアルミニウム箔の表面に存在する銅の溶解−再析出による短絡をも改善することができる。
特に、1−メチルイミダゾールと銅イオンとの錯塩を電解液中に0.01〜2.0重量%含ませた試料2〜5において、この効果が顕著であった。
電解液中の1−メチルイミダゾールと銅イオンとの錯塩を0.01重量%未満とした試料1は錯塩が少ないために銅の析出による短絡があり、また、2.0重量%より多くした試料6は銅の析出による短絡はなかったが、電解液の伝導度が低下するために等価直列抵抗が増大するなど初期特性に問題があった。
(実施例2)
アゾール環化合物としてベンゾトリアゾール、イミダゾール、またはベンゾイミダゾールを用い、電解液中のアゾール環化合物と銅イオンとの錯塩含有量を変化させた電解液を、上記コンデンサ素子にそれぞれ含浸させたものである。
なお、実施例2はアゾール環化合物としてベンゾトリアゾール、イミダゾール、またはベンゾイミダゾールを用いた以外は実施例1と異なるのみで、他の構成については実施例1の説明を援用する。
上記実施例2のアルミ電解コンデンサについても、それぞれ信頼性試験を実施し、試験終了後のアルミ電解コンデンサの液漏れと銅析出による短絡の有無を調査した。その結果を(表2)〜(表4)に示す。
Figure 2007142353
Figure 2007142353
Figure 2007142353
(表2)〜(表4)から明らかなように、本発明の実施例2のアルミ電解コンデンサは、電解液中にアゾール環化合物と銅イオンとの錯塩が含まれることにより、アゾール環化合物による高温−高湿環境下での電解液の漏出防止に加えて、陰極用のアルミニウム箔の表面に存在する銅の溶解−再析出による短絡をも改善することができる。
特に、アゾール環化合物と銅イオンとの錯塩を電解液中に0.01〜2.0重量%含ませたものにおいて、この効果が顕著であった。
電解液中のアゾール環化合物と銅イオンとの錯塩を0.01重量%未満としたものは錯塩が少ないために銅の析出による短絡があり、また、2.0重量%より多くしたものは銅の析出による短絡はなかったが、電解液の伝導度が低下するために等価直列抵抗が増大するなど初期特性に問題があった。
(実施例3)
電解液を調製する段階でアゾール環化合物を添加しておき、この電解液をコンデンサ素子に含浸させ、エージングによる加熱処理により、陰極用のアルミニウム箔の銅と反応させて電解液中に含まれるようにしたものである。
前記アゾール環化合物として、1−メチルイミダゾール、ベンゾトリアゾール、イミダゾール、またはベンゾイミダゾールを用い、電解液中のアゾール環化合物の含有量を変化させた電解液を、上記コンデンサ素子にそれぞれ含浸させ、陰極用のアルミニウム箔の銅と反応させることにより、アゾール環化合物と銅イオンとの錯塩を電解液中に含ませたものである。
なお、電解液中のアゾール環化合物と銅イオンとの錯塩の含有量はエージング後の電解液成分を測定した結果である。
なお、実施例3はアゾール環化合物としてベンゾトリアゾール、イミダゾール、またはベンゾイミダゾールを用い、電解質をフタル酸テトラメチルアンモニウムとし、アゾール環化合物を陰極用のアルミニウム箔の銅と反応させることにより、アゾール環化合物と銅イオンとの錯塩を電解液中に含ませたことが実施例1と異なるのみで、他の構成については実施例1の説明を援用する。
上記実施例3のアルミ電解コンデンサについても、それぞれ信頼性試験を実施し、試験終了後のアルミ電解コンデンサの液漏れと銅析出による短絡の有無を調査した。その結果を(表5)〜(表8)に示す。
Figure 2007142353
Figure 2007142353
Figure 2007142353
Figure 2007142353
(表5)〜(表8)から明らかなように、本発明の実施例3のアルミ電解コンデンサは、電解液中のアゾール環化合物と陰極用のアルミニウム箔の銅と反応することにより、電解液中にアゾール環化合物と銅イオンとの錯塩が含まれることで、アゾール環化合物による高温−高湿環境下での電解液の漏出防止に加えて、陰極用のアルミニウム箔の表面に存在する銅の溶解−再析出による短絡をも改善することができる。
電解液中のアゾール環化合物と銅イオンとの錯塩を0.01重量%以上含ませたものにおいて、この効果が顕著であった。一方、錯塩を0.01重量%未満としたものは錯塩が少ないために銅の析出による短絡があった。
陰極用のアルミニウム箔に含まれる銅はエッチング条件により除去されるため、本実施例においては錯塩を0.5重量%以上含ませることはできなかった。
(実施例4)
電解液の副溶媒としてスルホランを45重量%用いるようにし、アゾール環化合物として、1−メチルイミダゾール、ベンゾトリアゾール、イミダゾール、またはベンゾイミダゾールを用い、電解液中のアゾール環化合物と銅イオンとの錯塩の含有量を0.01重量%とした電解液を、上記コンデンサ素子にそれぞれ含浸させ試料41〜44とした。
比較試料2として、電解液の副溶媒としてスルホランを45重量%用いるようにし、アゾール環化合物と銅イオンとの錯塩を含まない電解液を上記コンデンサ素子に含浸させた。
なお、実施例4は電解液の溶媒をスルホランおよびγ―ブチロラクトンとしたことが実施例1と異なるのみで、他の構成については実施例1の説明を援用する。
上記実施例4のアルミ電解コンデンサについても、それぞれ信頼性試験を実施し、試験終了後のアルミ電解コンデンサの液漏れと銅析出による短絡の有無を調査した。その結果を(表9)に示す。
Figure 2007142353
(表9)から明らかなように、本発明の実施例4のアルミ電解コンデンサは、電解液の副溶媒としてスルホランを混合しても、電解液中にアゾール環化合物と銅イオンとの錯塩が含まれることで、アゾール環化合物による高温−高湿環境下での電解液の漏出防止に加えて、陰極用のアルミニウム箔の表面に存在する銅の溶解−再析出による短絡をも改善することができる。
(実施例5)
電解液中の1−メチルイミダゾールと銅イオンとの錯塩の含有量を0.1重量%、およびベンゾトリアゾールと銅イオンとの錯塩の含有量を0.1重量%とした電解液を、上記コンデンサ素子に含浸させたものである。
なお、実施例5は電解液中の1−メチルイミダゾールと銅イオンとの錯塩の含有量を0.01重量%、およびベンゾトリアゾールと銅イオンとの錯塩の含有量を0.01重量%としたことが実施例1と異なるのみで、他の構成については実施例1の説明を援用する。
上記実施例5のアルミ電解コンデンサについても、信頼性試験を実施し、試験終了後のアルミ電解コンデンサの液漏れと銅析出による短絡の有無を調査した。その結果を(表10)に示す。
Figure 2007142353
(表10)から明らかなように、本発明の実施例5のアルミ電解コンデンサは、電解液中のアゾール環化合物がイミダゾール、1−メチルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾールのうち2種以上あっても、電解液中にアゾール環化合物と銅イオンとの錯塩が含まれることで、アゾール環化合物による高温−高湿環境下での電解液の漏出防止に加えて、陰極用のアルミニウム箔の表面に存在する銅の溶解−再析出による短絡をも改善することができる。
(実施例6)
電解液の副溶媒としてエチレングリコールを20重量%と、主溶媒に水を用いるようにし、アゾール環化合物として、1−メチルイミダゾール、ベンゾトリアゾール、イミダゾール、またはベンゾイミダゾールを用い、電解液中のアゾール環化合物と銅イオンとの錯塩の含有量を0.01重量%とした電解液を、上記コンデンサ素子にそれぞれ含浸させ試料46〜49とした。
比較試料3として、電解液の副溶媒としてエチレングリコールを20重量%用いるようにし、アゾール環化合物と銅イオンとの錯塩を含まない電解液を上記コンデンサ素子に含浸させた。
なお、実施例6は電解液の溶媒をエチレングリコールおよび水としたことが実施例1と異なるのみで、他の構成については実施例1の説明を援用する。
上記実施例6のアルミ電解コンデンサについても、それぞれ信頼性試験を実施し、試験終了後のアルミ電解コンデンサの液漏れと銅析出による短絡の有無を調査した。その結果を(表11)に示す。
Figure 2007142353
(表11)から明らかなように、本発明の実施例6のアルミ電解コンデンサは、電解液の副溶媒としてエチレングリコール、主溶媒として水との混合溶媒としても、電解液中にアゾール環化合物と銅イオンとの錯塩が含まれることで、アゾール環化合物による高温−高湿環境下での電解液の漏出防止に加えて、陰極用のアルミニウム箔の表面に存在する銅の溶解−再析出による短絡をも改善することができる。
本発明による電解コンデンサは、電解液中のアゾール環化合物が選択的に銅と錯塩を形成し、電解液中にこの錯塩が安定した状態で存在する、これにより、陰極用のアルミニウム箔からの銅の溶解−再析出による短絡が改善できることに加え、アゾール環化合物による電解液の漏出防止ができるので、各種電子機器に利用される高容量、高信頼性のアルミ電解コンデンサとして提供することができる。
本発明の一実施の形態によるアルミ電解コンデンサの構成を示す断面図
符号の説明
1,2 リード線
3 コンデンサ素子

Claims (4)

  1. 表面にアルミニウム酸化物層を形成したアルミニウム箔からなる陽極と、銅を含有するアルミニウム箔をエッチングした陰極と、これらの間にセパレータを介在させて巻回し、陽極および陰極各々にリード線を接続することによりコンデンサ素子を構成し、このコンデンサ素子をアゾール環化合物と銅イオンとの錯塩を含む電解液に含浸したアルミ電解コンデンサ。
  2. 電解液中のアゾール環化合物がイミダゾール、1−メチルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾールの少なくとも1種からなる請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ。
  3. 電解液中にアゾール環化合物と銅イオンとの錯塩を0.01〜2.0重量%含む請求項1または2に記載のアルミ電解コンデンサ。
  4. 電解液中の溶媒がγ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトンとスルホランの混合物、水とエチレングリコールの混合物のいずれかである請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ。
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