JP2015069755A - 膜電極接合体の製造方法 - Google Patents
膜電極接合体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015069755A JP2015069755A JP2013201367A JP2013201367A JP2015069755A JP 2015069755 A JP2015069755 A JP 2015069755A JP 2013201367 A JP2013201367 A JP 2013201367A JP 2013201367 A JP2013201367 A JP 2013201367A JP 2015069755 A JP2015069755 A JP 2015069755A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gasket
- ink
- catalyst
- affinity
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
【解決手段】転写フィルム4上に、少なくともポリマーと架橋剤と溶媒とを含むガスケットインク3aと親和性のあるエリア8と親和性が無いエリア9とをパターン形成する。親和性のあるエリアにガスケットインクを塗布し、塗膜を形成し、形成した塗膜を硬化させ、ガスケット層3b、3cを形成する。また、親和性が無いエリアを、少なくとも触媒担持粒子と高分子電解質と溶媒を含む触媒インク2aと親和性のあるエリアに表面改質する。触媒インクをガスケット層内部の触媒インクと親和性のあるエリアに滴下し、触媒インクを濡れ広がらせて塗膜を形成し、形成した塗膜中の溶媒を除去し、触媒層2b、2cを形成する。一対の転写フィルム上に形成された触媒層とガスケット層を高分子電解質膜の両面に転写する。
【選択図】図3
Description
上述した各種の燃料電池の中で、長所の多い固体高分子形燃料電池が知られている。この固体高分子形燃料電池は、陽イオン交換膜を電解質として用いたものである。その長所として、(1)燃料電池の中でも比較的低温で動作するため室温付近で使用可能である点、(2)電解質膜の薄膜化により内部抵抗を低減できるため高出力化及びコンパクト化が可能である点に着目されている。そのため、固体高分子形燃料電池は、車載用電源や家庭用据置電源等への用途が有望視されており、近年、様々な研究開発が行われている。
触媒層を凡そ設計どおりの形に形成し、かつ簡便にガスケット層付き膜電極接合体を作製するために、特許文献1、特許文献2に記載の方法が提案されている。
特許文献2では、電解質膜上に触媒層を転写させた後に、ガスケット層を触媒層外周縁部に貼合し、ガスケット層付き膜電極接合体を製造している。
また、特許文献1に開示された膜電極接合体の製造方法では、触媒層形成における触媒インク塗布工程で、マスキング部材上に形成された触媒インクがロスとなる。触媒層中には、白金に代表される貴金属が触媒として存在していることから、触媒層のロスは、コスト増に繋がるという問題があった。
本発明は、上記問題を考慮して成し遂げられたものであり、(1)電解質膜の露出がなく、(2)耐久性に優れ、(3)触媒インクのロスが少ない膜電極接合体の製造方法、及び膜電極接合体を提供することを目的とする。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
[構成]
図1は、本実施形態に係る膜電極接合体の理想的な構成を示す図である。
本実施形態に係る膜電極接合体は、高分子電解質膜1と、カソード触媒層2bと、アノード触媒層2cと、カソード側ガスケット3bと、アノード側ガスケット3cを備える。
図2は、本実施形態の理想とは異なる膜電極接合体の構成を示す模式図である。図2(1)では、カソード触媒層2bとカソード側ガスケット3bの間、及びアノード触媒層2cとアノード側ガスケット3cの間の間隙が広く、上面図において高分子電解質膜1が露出されている。図2(2)では、触媒層カソード触媒層2bにカソード側ガスケット層が、アノード触媒層2cとアノード側ガスケット3cが重なり、上面図において触媒層2bの有効エリアが小さくなっている。
図3は、本実施形態に係る触媒層付電解質膜の製造方法を工程順に説明するための模式図である。
本実施形態に係る触媒層付電解質膜の製造方法の概略は以下のとおりである。本実施形態に係る膜電極接合体の製造方法は、転写フィルム4上にガスケットインク3aと親和性がある有るエリア(ガスケットインク親和性エリア)8と親和性が無いエリア(ガスケットインク非親和性エリア)9をパターニング形成し、カソード側ガスケット層3bとアノード側ガスケット層3cをそれぞれ形成するガスケット層形成工程と、形成したガスケット層内部のガスケットインク非親和性エリアを触媒インクと親和性があるエリア(触媒インク親和性エリア)に表面改質する工程と、触媒インク親和性エリア10に触媒インクを滴下し、触媒インクを濡れ広がらせ、カソード触媒層2b、アノード触媒層2cをそれぞれ形成する触媒層形成工程と、固体高分子電解質膜1の両面に、カソード触媒層2b、アノード触媒層2c、カソード側ガスケット層3b、アノード側ガスケット層3cを転写する、転写工程の3工程から成る。
まず、転写フィルム4上に、ガスケットインク3aと親和性のあるガスケットインク親和性エリア8とガスケットインク3aと親和性が無いガスケットインク非親和性エリア9とをパターン形成する工程(図3(b))を実行する。次に、転写フィルム4上のガスケットインク3aと親和性のあるガスケットインク親和性エリア8にガスケットインク3aを塗布し、塗膜を形成し、形成した塗膜中を硬化させ、溶媒を除去し、当該カソード側ガスケット層3b、アノード側ガスケット層3cをそれぞれ形成する工程(図3(c))を実行する。これにより、転写フィルム4上に枠形状のカソード側ガスケット層3b、アノード側ガスケット層3cをそれぞれ形成する。
まず、転写フィルム4上の、ガスケット層内部のガスケットインク非親和性エリア9を触媒インクと親和性がある触媒インク親和性エリア10に表面改質する工程(図3(d))を実行する。次に、転写フィルム4上の触媒インク2aと親和性のある触媒インク親和性エリア10に触媒インク2aを滴下し、触媒インク2aを濡れ広がらせて塗膜を形成し、形成した塗膜中の溶媒を除去し、当該カソード触媒層2bとアノード触媒層2cをそれぞれ形成する工程(図3(e))を実行する。これにより、カソード側ガスケット層3bの内部にカソード触媒層2bが、アノード側ガスケット層3cの内部にアノード触媒層2cが形成された転写基材をそれぞれ形成する。
まず、アノード触媒層2c、アノード側ガスケット層3cが形成された転写フィルム4上に高分子電解質膜1を積層し、更に、高分子電解質膜1上にカソード触媒層2b、カソード側ガスケット層2cが形成された転写フィルム4を積層し、ホットプレス工程(図3(f))を実行する。次に、転写フィルムを剥離除去し、固体高分子電解質の両面にカソー触媒層2b、カソード側ガスケット層3b、アノード触媒層2c、アノード側ガスケット層33cが形成された膜電極接合体を製造する。
本実施形態に係る膜電極接合体の製造方法について、より詳しく説明する。
ここでは、転写フィルム4上に、ガスケットインク3aと親和性のあるガスケットインク親和性エリア8と、ガスケットインク3aと親和性が無いガスケットインク非親和性エリア9とをパターン形成する。
次に、パターン形成の第三工程(残存シランカップリング剤除去工程)として、真空紫外光6をカソード側ガスケット層3b、アノード側ガスケット層3cが形成された転写フィルム4の上に照射し、ガスケットインク7aと親和性が無いシランカップリング剤5により形成されたガスケットインク非親和性エリア9のシランカップリング剤5を分解・除去する(図3(d))。
なお、本工程は、パターン形成の第三工程において、過剰に真空紫外光6を転写フィルム4上に照射することにより、パターン形成の第三工程と兼ねることが可能である。
なお、本実施形態に係る触媒層付電解質膜において、カソード触媒層2bの白金担持量は、アノード触媒層2cの白金担持量以上である。
本実施形態に係る膜電極接合体の製造方法によれば、触媒層とガスケット層の間の間隙を0〜10μmと微小にすることができる。その理由は、ガスケット層を形成する際にガスケットインク3aと親和性があるガスケットインク親和性エリア8にのみ、ガスケット層を形成するため、ガスケット層形成後にガスケット層内部のエリアを触媒インク2aと親和性のある触媒インク親和性エリア10に表面改質し、触媒インク2aを触媒インク親和性エリア10に滴下し、触媒インク2aを濡れ広がらせることにより、触媒層を形成するためである。その結果、高分子電解質膜の露出を低減でき、耐久性に優れた膜電極接合体を製造することができる。
以上、説明したように、本実施形態に係る膜電極接合体及びその製造方法によれば、耐久性に優れ、安価に製造された膜電極接合体を提供することができる。
[触媒層付電解質膜の製造方法の工程順]
図4は、本実施形態に係る触媒層付電解質膜の製造方法の実施形態を工程順に説明するためのフローチャートである。
(1)シランカップリング剤形成工程(S10)
シランカップリング剤5を転写フィルム4上の全エリアに形成する。
フォトマスク7を介してガスケットインク3aと親和性のあるガスケットインク親和性エリア8上にのみ真空紫外光6を照射することにより、触媒インク3aと親和性エリア5上に形成されたシランカップリング剤5のみを除去する。
ここでは、図3(b)に示すように、50mm四方の開口部を有するフォトマスク7を介して、波長172nmの真空紫外光6をシランカップリング剤5が形成されたPETフィルム4上に照射する。そして、シランカップリング剤5が分解されたガスケットインク3aと親和性があるガスケットインク親和性エリア8とシランカップリング剤5が残存しているガスケットインク3aと親和性が無いガスケットインク非親和性エリア9をパターン形成した。
転写フィルム4上のガスケットインク親和性エリア8にガスケットインク3aを塗布して塗膜を形成し、形成された塗膜中の溶媒を除去し、カソード側ガスケット層3b、アノード側ガスケット層3cを形成する。
ここでは、図3(c)に示すように、ポリマー(商品名:ULV E−20575、住友3M製)と共架橋剤トリアリルイソシアヌレート、過酸化ベンゾイルと、溶媒である水、酢酸ブチルとを混合し、ガスケットインク3aを調整した。そして、パターン形成したPETフィルム上に、ガスケットインク3aと親和性がある親和性エリア8に、調整したガスケットインク3aを塗布した。このように塗布されたガスケットインク3aによって形成された塗膜を熱硬化させ、カソード側ガスケット層3b、アノード側ガスケット層3cを形成した。尚、カソード側ガスケット層3bの厚みは12μm、アノード側ガスケット層の3cの厚みは3μmとなるよう塗布量を調節した。
カソード側ガスケット層3b、アノード側ガスケット層3c形成後にガスケットインク3aと親和性の無いガスケットインク非親和性エリア9の残存シランカップリング剤3を除去する。
ここでは、図3(d)に示すように、ガスケット層3b、3cが形成されたPETフィルム4上に波長が172nmの真空紫外光6を照射し、ガスケット層3b、3c画形成された内部のガスケットインク3aと親和性が無いガスケットインク非親和性エリア9のシランカップリング剤5を分解・除去した。
転写フィルム4上に真空紫外光6を照射することにより、転写フィルム4上のガスケット層内部のエリアを触媒インク2aと親和性の有る触媒インク親和性エリア10に改質する。
ここでは、上記のシランカップリング剤5を分解・除去する工程(S30)に伴い、ガスケットインク非親和性エリア9を超親水化処理し、ガスケットインク非親和性エリア9を触媒インク2aと親和性の有る触媒インク親和性エリア10へと改質した。
ガスケット層内部の触媒インク親和性エリア10に触媒インク2aを滴下し、触媒インク2aを濡れ広がらせることにより塗膜を形成し、形成された塗膜中の溶媒を除去し、カソード触媒層2b、アノード触媒層2cを形成する。
ここでは、図3(e)に示すように、白金担持量が50%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液であるNafion(登録商標、デュポン社製)を、溶媒である水と混合した。続いて、遊星ボールミルで分散処理を行い、触媒インク7aを調整した。そして、PETフィルム4上の超親水化処理されたガスケット層内部の触媒インク親和性エリア10に、調整した触媒インク2aを、白金担持量がそれぞれ、0.30mg/cm2、0.10mg/cm2となるように滴下し、触媒インク2aを濡れ広がらせた。触媒インク2aによって形成された塗膜を乾燥させて、カソード触媒層2b、アノード触媒層2cを形成した。
アノード触媒層2c、アノード側ガスケット層3cが形成された転写フィルム4上に、高分子電解質膜1を積層する。更に、高分子電解質膜1上に、カソード触媒層2b、カソード側ガスケット層2cが形成された転写フィルム4を積層する。その後にホットプレス工程を実行し、カソード触媒層2b、カソード側ガスケット層3b、アノード触媒層2c、カソード側ガスケット層3cを固体高分子電解質膜に転写する。最後に、カソード触媒層2b、カソード側ガスケット層3b、と、高分子電解質膜1と、アノード触媒層2c、アノード側ガスケット層3cからなる膜電極接合体から、転写フィルム4を剥離除去する。
[比較例1]
(ガスケット層付高分子電解質膜の準備工程)
ガスケット材3a、3bとマスク材の積層体を予め準備し、50mm四方の開口部を有するガスケット−マスク積層体を高分子電解質膜の表裏両面に貼合した。
白金担持量が50%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中
貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液であるNafion(登録商標、デュポ
ン社製)を、溶媒である水と混合した。続いて、遊星ボールミルで分散処理を行い、触媒
インク2aを調整した。そして、50mm四方の開口部を有するガスケット−マスク積層体が貼合された電解質膜1上に、調整した触媒インク2aを塗布した。この触媒インク2aは、白金担持量がそれぞれ0.30mg/cm2、0.10mg/cm2となるようにドクターブレード法により塗布した。塗布後、塗膜を乾燥させ、マスク材をガスケット材から剥離除去し、カソード触媒層2b、カソード側ガスケット層3bとアノード触媒層2c、アノード側ガスケット層3cが高分子電解質膜1の両面にそれぞれ形成された膜電極接合体とした。
[比較例2]
(触媒層形成工程)
白金担持量が50%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液であるNafion(登録商標、デュポン社製)を、溶媒である水と混合した。続いて、遊星ボールミルで分散処理を行い、触媒インク2aを調整した。そして、50mm四方の開口部を有するマスク材が貼合されたPETフィルム4上に、調整した触媒インク2aを塗布した。この触媒インク2aは、白金担持量がそれぞれ0.30mg/cm2、0.10mg/cm2となるようにドクターブレード法により塗布した。
PETシート上に製造された両電極触媒層を、高分子電解質溶液から製造した高分子電解質膜8の両面に正対するように配置し、130℃、6.0×106Paの条件でホットプレスを行い、触媒層付電解質膜を製造した。
(ガスケット層形成工程)
触媒層付電解質膜の両電極触媒層外周縁部に50mmの開口を有するガスケット材を貼合した。これによりカソード触媒層2b、カソード側ガスケット層3bとアノード触媒層2c、アノード側ガスケット層3cが高分子電解質膜1の両面にそれぞれ形成された膜電極接合体とした。
<まとめ>
本実施形態に係る膜電極接合体の製造方法では、転写フィルム上に、少なくともポリマーと架橋剤と溶媒とを含むガスケットインクと親和性のあるガスケットインク親和性エリアと、ガスケットインクと親和性が無いガスケットインク非親和性エリアとをパターン形成する(パターン形成工程)。また、転写フィルム上のガスケットインク親和性エリアにガスケットインクを塗布し、塗膜を形成し、形成した塗膜を硬化させ、ガスケット層を形成する(ガスケット層形成工程)。また、転写フィルム上のガスケットインク非親和性エリアを、少なくとも触媒担持粒子と高分子電解質と溶媒を含む触媒インクと親和性のある触媒インク親和性エリアに表面改質する(表面改質工程)。また、触媒インクをガスケット層内部の触媒インク親和性エリアに滴下し、触媒インクを濡れ広がらせて塗膜を形成し、形成した塗膜中の溶媒を除去し、触媒層を形成する。また、一対の転写フィルム上に形成された触媒層とガスケット層とを高分子電解質膜の両面に転写する(転写工程)。
上記のパターン形成工程において、ガスケットインク親和性エリアでは親水性を活用し、ガスケットインク非親和性エリアでは撥水性を活用してパターン形成する。
なお、ガスケットインク親和性エリアの水接触角は15度以下である。また、ガスケットインク非親和性エリアの水接触角は100度以上である。
本実施形態に係る膜電極接合体は、高分子電解質膜の両面に対向して触媒層が配置されている。また、触媒層の周縁部にガスケットが配置されている。更に、触媒層とガスケットとの間の間隙は、10μm以下である。
(1)電解質膜の露出を無くすことができる理由は、ガスケット層を形成する工程によりガスケットインク親和性エリアとガスケットインク非親和性エリアにパターニングされた転写フィルム上のガスケットインク親和性エリアにガスケットインクを塗布することから、所定の位置にガスケット層を形成できるためである。加えて、ガスケット層内部に触媒層を形成する工程により、ガスケット層内部のエリアを触媒インク親和性エリアに表面改質し、触媒インクを滴下し、濡れ広がらせることにより形成するためである。
高分子電解質膜は完全にガスを遮断(不透過状態)するものではないため、酸素や水素ガスの濃度勾配(分圧)によっては、アノード側からカソード側に向かって水素が、カソード側からアノード側に向かって酸素や窒素が、僅かながらクロスリークしている。特にアイドル停止(OCV:Open Circuit Voltage)状態では、カソードと電解質膜の界面における酸素濃度は、発電時に比べて高いため、電解質膜を介してカソード側からアノード側へ溶解拡散する酸素量も、発電時に比べて多くなる。このため、クロスリークにより酸素がカソード側からアノード側へ移行して、酸素がアノード側で水素と直接反応して、「H2+O2→H2O2」の反応が起こって、過酸化水素(H2O2)が生成する。また、水素がアノード側からカソード側へ移行して、水素がカソード側で酸素と直接反応して、同様にして過酸化水素が生成する。この過酸化水素は、電解質膜を分解して、電解質膜を化学的に劣化させることが知られている。すなわち、高分子電解質膜が露出している場合、ガスのクロスリーク量が増加し、化学的な劣化が促進される。
(3)触媒インクのロスを少なくできる理由は、触媒層を形成する工程で、触媒インクと親和性がある触媒インク親和性エリアにのみ、触媒インクを滴下し、触媒インクを濡れ広がらせることにより触媒層を形成するためである。その結果、製造コストの低減を図ることができる。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
2a…触媒インク
2b…カソード触媒層
2c…アノード触媒層
3a…ガスケットインク
3b…カソード側ガスケット
3c…アノード側ガスケット
4…転写基材
5…シランカップリング剤
6…真空紫外光
7…フォトマスク
8…ガスケットインクと親和性の有るエリア(ガスケット層親和性エリア)
9…ガスケットインクと親和性の無いエリア(ガスケット層非親和性エリア)
10…触媒インクと親和性の有るエリア(触媒層親和性エリア)
11…プレス用熱盤
Claims (8)
- 転写フィルム上に、少なくともポリマーと架橋剤と溶媒とを含むガスケットインクと親和性のあるガスケットインク親和性エリアと、前記ガスケットインクと親和性が無いガスケットインク非親和性エリアと、をパターン形成する工程と、
前記ガスケットインク親和性エリアにガスケットインクを塗布し、塗膜を形成し、形成した塗膜を硬化させ、前記ガスケット層を形成する工程と、
前記ガスケットインク非親和性エリアを、少なくとも触媒担持粒子と高分子電解質と溶媒を含む触媒インクと親和性のある触媒インク親和性エリアに表面改質する工程と、
前記触媒インクを前記ガスケット層内部の触媒インク親和性エリアに滴下し、触媒インクを濡れ広がらせて塗膜を形成し、形成した塗膜中の溶媒を除去し、前記触媒層を形成する工程と、
一対の前記転写フィルム上に形成された前記触媒層と前記ガスケット層とを高分子電解質膜の両面に転写する工程と、
を備える膜電極接合体の製造方法。 - 前記パターン形成工程は、
前記転写フィルム上の全エリアにシランカップリング剤を形成するシランカップリング剤形成工程と、
前記ガスケットインク親和性エリア上に形成されたシランカップリング剤を除去するシランカップリング剤限定除去工程と、
前記ガスケット層が形成された後に、前記ガスケットインク非親和性エリアの残存シランカップリング剤を除去する残存シランカップリング剤除去工程と、
を有することを特徴とする、請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。 - 前記シランカップリング剤限定除去工程において、フォトマスクを介して親和性エリア上にのみ真空紫外光を照射することにより除去することを特徴とする、請求項1又は2に記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記パターン形成工程において、前記ガスケットインク親和性エリアでは親水性を活用し、前記ガスケットインク非親和性エリアでは撥水性を活用してパターン形成することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記ガスケットインク親和性エリアの水接触角は15度以下であり、
前記ガスケットインク非親和性エリアの水接触角は100度以上であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の膜電極接合体の製造方法。 - 前記触媒インク親和性エリアの水接触角は5度以下であり、
前記触媒インク親和性エリアでは超親水性を活用してパターン形成することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の膜電極接合体の製造方法。 - 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の触媒層付電解質膜の製造方法を用いて製造された膜電極接合体を備える固体高分子形燃料電池。
- 高分子電解質膜の両面に対向して触媒層が配置され、
前記触媒層の周縁部にガスケットが配置され、
前記触媒層と前記ガスケットとの間の間隙が10μm以下であることを特徴とする膜電極接合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013201367A JP2015069755A (ja) | 2013-09-27 | 2013-09-27 | 膜電極接合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013201367A JP2015069755A (ja) | 2013-09-27 | 2013-09-27 | 膜電極接合体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015069755A true JP2015069755A (ja) | 2015-04-13 |
Family
ID=52836246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013201367A Pending JP2015069755A (ja) | 2013-09-27 | 2013-09-27 | 膜電極接合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015069755A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009199877A (ja) * | 2008-02-21 | 2009-09-03 | Nissan Motor Co Ltd | 燃料電池および燃料電池の製造方法 |
JP2012074314A (ja) * | 2010-09-29 | 2012-04-12 | Toppan Printing Co Ltd | 膜電極接合体の製造方法、および膜電極接合体 |
-
2013
- 2013-09-27 JP JP2013201367A patent/JP2015069755A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009199877A (ja) * | 2008-02-21 | 2009-09-03 | Nissan Motor Co Ltd | 燃料電池および燃料電池の製造方法 |
JP2012074314A (ja) * | 2010-09-29 | 2012-04-12 | Toppan Printing Co Ltd | 膜電極接合体の製造方法、および膜電極接合体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR20110043908A (ko) | 고분자 전해질 연료전지용 막전극접합체 제조 방법 | |
US8133636B2 (en) | Fuel cell stack and manufacturing method of the same | |
JP5286887B2 (ja) | 固体高分子型燃料電池用補強シート付き膜・電極接合体およびその製造方法 | |
JP5849418B2 (ja) | 膜電極接合体の製造方法 | |
JP6439678B2 (ja) | 触媒転写フィルム用基材フィルム及びその製造方法、触媒転写フィルムの製造方法、触媒層付電解質膜の製造方法 | |
JP5838570B2 (ja) | 固体高分子形燃料電池における膜電極接合体 | |
KR101882502B1 (ko) | 내구성이 향상된 연료전지의 전극-막 접합체 | |
JP5707825B2 (ja) | 固体高分子形燃料電池の膜電極接合体およびその製造方法 | |
JP2010192392A (ja) | 燃料電池用多孔膜複合体、燃料電池用電解質膜−電極−多孔膜複合体、及びこれらの製造方法 | |
JP5870643B2 (ja) | 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法 | |
JP6364855B2 (ja) | 膜電極接合体の製造方法 | |
JP6686272B2 (ja) | ガスケット部材、それを用いた膜電極接合体、および燃料電池 | |
JP5838688B2 (ja) | 膜電極接合体の製造方法 | |
JP2015069755A (ja) | 膜電極接合体の製造方法 | |
JP6048015B2 (ja) | 膜電極接合体の製造方法 | |
JP6074979B2 (ja) | 燃料電池用膜電極接合体の製造方法 | |
JP2006338941A (ja) | 電解質膜−電極接合体 | |
JP2006338942A (ja) | 電解質膜−電極接合体、および、燃料電池 | |
EP2120277B1 (en) | Membrane electrode assembly for fuel cell, method for making the same, and fuel cell system including the same | |
JP2004071324A (ja) | 高分子電解質型燃料電池およびその製造方法 | |
JP6307960B2 (ja) | 固体高分子形燃料電池用触媒層付電解質膜の製造方法、固体高分子形燃料電池および触媒層付電解質膜 | |
JP6319940B2 (ja) | 触媒層付電解質膜の製造方法 | |
JP2011076738A (ja) | 燃料電池用セパレータおよびその製造方法 | |
KR100705553B1 (ko) | 연료전지용 막전극접합체의 수소이온교환막 상에 촉매층을형성시키는 방법 | |
JP6326862B2 (ja) | 膜電極接合体、燃料電池、及び膜電極接合体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160823 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170719 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170725 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170922 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20171205 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20180703 |