JP2004071324A - 高分子電解質型燃料電池およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガス拡散層間の短絡をなくすことにより耐久性の優れた高性能の高分子電解質型燃料電池を提供すること、さらに、この電池を高い信頼性をもって製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】正負極のうち少なくとも一方の電極において、高分子電解質膜に対向する側のガス拡散層の表面に存在する突起部に絶縁層を形成する。この絶縁層は、無機絶縁性材料と重合性樹脂を含むことが好ましい。絶縁層は、支持体上に予め形成した絶縁層をガス拡散層の突起部に転写する方法、あるいは、絶縁性材料を含む塗布材を突起部に塗布し、これを乾燥もしくは硬化させる方法により形成する。
【選択図】 図2
【解決手段】正負極のうち少なくとも一方の電極において、高分子電解質膜に対向する側のガス拡散層の表面に存在する突起部に絶縁層を形成する。この絶縁層は、無機絶縁性材料と重合性樹脂を含むことが好ましい。絶縁層は、支持体上に予め形成した絶縁層をガス拡散層の突起部に転写する方法、あるいは、絶縁性材料を含む塗布材を突起部に塗布し、これを乾燥もしくは硬化させる方法により形成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子電解質型燃料電池(以下、PEFCで表す)、特にこれに用いる電解質膜−電極接合体(以下、MEAで表す)、およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PEFCは、水素などの燃料ガスと、酸素を含有する空気などの酸化剤ガスとをガス拡散電極において電気化学的に反応させることで、化学エネルギーを電気エネルギーと熱に変換させるものである。PEFCの発電要素を構成するMEAの一例を図3の模式図を用いて説明する。プロトンを選択的に輸送する高分子電解質膜31の両側面のそれぞれに、アノード側触媒層32およびカソード側触媒層33が密着して配置されている。これらの触媒層32および33は、白金系の金属触媒を担持した炭素粒子を主成分とし、プロトン伝導性の高分子電解質を混合した層である。
【0003】
これらの触媒層32および33の外面に、ガス透過性と電子導電性を有するアノード側ガス拡散層34およびカソード側ガス拡散層35をそれぞれ密着させて配置することでMEAが構成される。通常、ガス拡散層には、カーボンペーパ、カーボンクロス、カーボンフェルトなどを撥水処理した通気性を有する導電性材料(多孔質炭素材)が使用されている。また、このガス拡散層の表面は完全に平滑ではなく、ガス拡散層を形成する炭素繊維やその先端部が露出している。そのために、ガス拡散層の表面には、通常、数マイクロメートルから数百マイクロメートルの高さの小さな突起部36および37が多数存在している。これらの突起部36および37によって、触媒層32および33が部分的に突き破られ、高分子電解質膜31が部分的に押し潰されたような状態でMEAが構成されている。
【0004】
このMEAを用いたPEFCでは、燃料ガスあるいは酸化剤ガスが、ガス拡散層34あるいは35の外側に配したセパレータ板に設けられたガス通路から供給され、ガス拡散層34あるいは35を通過して触媒層32あるいは33に到達する。これらの燃料ガスや酸化剤ガスが外にリークしたり、互いに混合したりしないように、ガス拡散層34あるいは35の周囲には、高分子電解質膜を挟んでガスシール材やガスケットが配置されている。
【0005】
PEFCから電力を取り出すためには、高分子電解質膜中をプロトンが移動しなければならない。高分子電解質膜中を移動するプロトンは、アノード側触媒層32の中で次式(1)の反応によって生じる。
H2→2H++2e− (1)
カソード側触媒層33では、アノードから移動してきたプロトンと酸素との次式(2)の反応により水が生成する。
1/2O2+2H++2e−→H2O (2)
【0006】
高分子電解質としては、−CF2−を主鎖とし、これにスルホン酸基(−SO3H)を末端官能基とする側鎖を導入したパーフルオロカーボンスルホン酸、例えば、Nafion(デュポン社製)、Flemion(旭硝子(株)製)、Aciplex(旭化成(株)製)などが一般的に使用されている。これらの高分子電解質では、スルホン酸が凝集してできた三次元ネットワーク状に広がる導通路が、プロトン伝導性のチャネルとして機能する。
【0007】
PEFCの性能は、同一の電流密度で作動させたときのアノード側ガス拡散層34およびカソード側ガス拡散層35間の電圧(セル電圧)で評価される。図3のように、MEAは各構成要素の層が直列に接続されているため、最も内部抵抗が高い層である高分子電解質膜がセル電圧、すなわちPEFCの性能を大きく左右する。従って、MEAの内部抵抗を下げるために、すなわちプロトン伝導性を高めるために、より薄い膜厚の高分子電解質膜を使用することが必要になる。
【0008】
従来のMEAの製造方法には二通りの方法がある。第1の製造方法は、まず触媒層を高分子電解質膜の表面に形成し、これにガス拡散層を結合させる方法である。触媒層は、金属触媒が担持された炭素粒子と高分子電解質を含む触媒ペーストをポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリ4フッ化エチレンなどのフィルムからなる支持体上に塗布し、乾燥して形成する。このようにして支持体上に形成された触媒層を高分子電解質膜の両側にホットプレスまたは熱ロールによって高分子電解質膜に転写する。次いで、支持体を触媒層から剥離して、触媒層付き高分子電解質膜を形成する。
【0009】
上記の転写法以外に、高分子電解質膜の表側および裏側に印刷やスプレーなどで触媒ペーストを塗布し、乾燥して触媒層を高分子電解質膜上に直接に形成する方法もある。これら表側および裏側の触媒層の上に、ホットプレスや熱ロールによりガス拡散層を熱圧着してMEAを作製する。
【0010】
従来の第2の製造方法は、予めガス拡散層の上に形成した触媒層を、高分子電解質膜の表裏両側にそれぞれ重ね合わせ、ホットプレスまたは熱ロールによって熱圧着することにより、上記と同じ構造のMEAを作製する方法である。この触媒層は、触媒ペーストを印刷法やスプレー法などでガス拡散層の上に塗布し乾燥する方法などで形成される。
【0011】
しかしながら、前述のように、ガス拡散層の表面は完全に平滑ではなく、多くの小さな突起部が存在する。そのため、従来のMEAの製造方法では、上記のホットプレスや熱ロールによる圧着工程などにおいて、アノード側ガス拡散層の突起部とカソード側ガス拡散層の突起部により、高分子電解質膜が圧縮されて押し潰され、さらには高分子電解質膜が部分的に突き破られる現象が発生しやすい。このような、アノード側とカソード側のガス拡散層が相互に接触し易い状態あるいは接触した状態は、電池の信頼性を損なうと共に、内部短絡による著しい電池性能低下を引き起こす。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決して両極間の電気的短絡をなくし、電池性能が優れた高信頼性を有する高分子電解質型燃料電池、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の高分子電解質型燃料電池は、ガス拡散層と触媒層からなる一対の電極が高分子電解質膜の両面に接合した電解質膜−電極接合体を具備し、前記ガス拡散層の少なくとも一方において、前記高分子電解質膜に対向する側の表面に存在する突起部に、絶縁層を形成したことを特徴とするものである。この絶縁層は、無機絶縁性材料と重合性樹脂を含むものが好ましい。
【0014】
本発明の高分子電解質型燃料電池の第1の製造方法は、ガス拡散層と触媒層からなる一対の電極が高分子電解質膜の両面に接合した電解質膜−電極接合体を具備した高分子電解質型燃料電池の製造方法であって、少なくとも一方の前記ガス拡散層の前記高分子電解質膜に対向する側の表面に存在する突起部に、予め支持体上に形成された絶縁層を転写する工程を有することを特徴とするものである。
【0015】
本発明の高分子電解質型燃料電池の第2の製造方法は、ガス拡散層と触媒層からなる一対の電極が高分子電解質膜の両面に接合した電解質膜−電極接合体を具備した高分子電解質型燃料電池の製造方法であって、少なくとも一方の前記ガス拡散層の前記高分子電解質膜に対向する側の表面に存在する突起部に、絶縁性材料を含む塗布材を塗布し、これを乾燥もしくは硬化させて絶縁層を形成する工程を有することを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明によるPEFCは、正負極のうちの少なくとも一方の電極において、触媒層を介して高分子電解質膜に接する側のガス拡散層の表面の突起部に絶縁層を形成するものである。この絶縁層の働きにより、PEFCの製造工程中、特にMEAを構成するための熱圧着工程などで印加される熱と応力によって、ガス拡散層の表面の突起部が高分子電解質膜を押し潰し、さらに突き破って、アノード側ガス拡散層とカソード側ガス拡散層とが万が一接触した場合でも、内部短絡を引き起こす心配がなくなる。
【0017】
すなわち、本発明によれば、アノード側ガス拡散層あるいはカソード側ガス拡散層の突起部が相手極のガス拡散層と接触した場合でも、両極間の電気的接触が前記の絶縁層によって絶たれるため、内部短絡が発生しない。前記絶縁層は前記突起部のみに形成すれば充分である。前記突起部以外の部分に不必要に絶縁層が形成されると、ガス拡散層と触媒層の間の導電性が低下し、PEFCの性能が却って低下する場合がある。
【0018】
図1に、本発明のPEFCにおけるガス拡散層の要部の断面を模式的に示す。図1において、多孔質炭素材からなるガス拡散層1の表面の突起部3の頂面に絶縁層2が形成されており、突起部3の頂面以外の部分は電気導電性を有する構造を持っている。
図2に、前記絶縁層を形成したガス拡散層を用いた本発明におけるMEAの断面を模式的に示す。高分子電解質膜21の両側の面のそれぞれに、アノード側触媒層22およびカソード側触媒層23が密着して配置されている。その外面に、ガス透過性と電子導電性を有するアノード側ガス拡散層24およびカソード側ガス拡散層25をそれぞれ圧着して結合することでMEAが構成されている。
【0019】
図2では、アノード側ガス拡散層24の表面の突起部26の頂面のみに絶縁層27が形成されている。この突起部26がアノード側触媒層22および高分子電解質膜21を突き破り、カソード側ガス拡散層25の表面の突起部28と物理的に接触した場合でも、絶縁層27により突起部26が電気的に絶縁されているため、アノード側ガス拡散層24とカソード側ガス拡散層25とは電気的に導通することはなく、内部短絡は発生しない。
【0020】
本発明における絶縁層は、ガス拡散層の表面の突起部の形状にもよるが、点状、線状、面状、あるいはドーム状などの形態を採ることができる。また、粉末状の絶縁体粒子を前記突起部に付着させても良い。
前記絶縁層は、前記熱圧着などの工程で、アノード側ガス拡散層やカソード側ガス拡散層の表面の突起部が高分子電解質膜や相手極に接触することなどによって破壊されてはならない。そのため、特に絶縁層の膜厚が薄い場合には、硬度の高い材料を選択することが好ましい。
【0021】
絶縁層を形成する無機材料としては、ガラス、セラミック、雲母などの鉱物、および様々な無機物の結晶などを用いることができる。これらの中でも、電気化学的な腐食雰囲気においても安定な材料、例えば、チッ化ケイ素などの無機化合物や、酸化ケイ素、アルミナ、酸化チタンなどの無機酸化物が特に好ましい。これら無機絶縁性材料を用いた絶縁層は、例えば、無機絶縁性材料の粒子を重合性の樹脂材料単体、あるいは、室温での蒸気圧の低い、アルコール類、グリコール類、グリセリン、ケトン類、炭化水素類などの分散媒を添加した混合塗布液を前記突起部に塗布し乾燥して形成することができる。
【0022】
絶縁層を形成する樹脂材料としては、初期には流動性があり、あるいは液体状であり、加熱、紫外線あるいは放射線の照射などにより架橋して弾性率が上昇する性質を有する樹脂を用いることができる。このような樹脂としては熱あるいは紫外線重合性多官能モノマー、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなどがあげられる。
【0023】
これらの重合性樹脂は、そのまま単体で突起部に塗布してもよいが、絶縁層の絶縁性を一層高めるためには、チッ化ケイ素、酸化ケイ素、アルミナなどの上記の無機絶縁性材料の粒子と混合して使用することがより好ましい。塗布された重合性樹脂は、前記の熱圧着あるいは組立の工程中の加熱、紫外線あるいは放射線の照射などにより硬化させることができる。上記のように、塗布後の工程で重合性樹脂を硬化させる方法は製造面からも好ましい方法である。 図5に、無機絶縁性材料55と重合性樹脂54を含む絶縁層を突起部53に形成したガス拡散層51の要部の断面を模式的に示す。
【0024】
重合性樹脂には上記の利点があるが、重合性樹脂以外の樹脂材料を無機絶縁性材料と混合して用いることも可能である。さらに、これら以外にも、ゴム、エボナイトなどの樹脂および植物繊維など様々な絶縁性材料、さらには架橋などにより弾性率を高くしたプロトン伝導性樹脂、プロトン伝導性を持つ架橋型の陽イオン交換樹脂などを、絶縁層を形成する材料として使用することができる。
【0025】
本発明の高分子電解質型燃料電池の第1の製造方法は、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのフィルムからなる支持体上に形成した絶縁層を、ガス拡散層の触媒層が形成される側の面と重ね合わせ、圧着あるいはロール加圧などの手段により、絶縁層をガス拡散層表面の突起部に転写する工程を有するものである。これにより、高分子電解質膜に対向する側のガス拡散層の表面に存在する突起部に優先的に絶縁層を形成し、突起部以外の部分での絶縁層の形成が効果的に防止できる。
【0026】
絶縁層は、流動性を有する樹脂材料あるいは液状の樹脂材料、これに無機絶縁性材料を混合したもの、あるいは無機材料の粒子を分散媒に分散させたものなど(これらを総称して塗布材で表す)を、前記支持体上にダイコートなどで塗布し、乾燥あるいは硬化させて形成することができる。転写方法としては、支持体上の塗布層を乾燥あるいは硬化させてを形成した後に、この絶縁層をガス拡散層に転写する方法、あるいは、未硬化のままの塗布層をガス拡散層に転写し、その後の工程で、塗布層を硬化させて絶縁層を形成する方法のいずれを採ることもできる。
【0027】
本発明の高分子電解質型燃料電池の第2の製造方法は、絶縁性材料を含む上記の塗布材を、ガス拡散層の触媒層が形成される側の面の突起部に塗布し、これを乾燥、加熱、紫外線照射あるいは放射線照射により硬化させるなどの方法により、ガス拡散層表面の突起部に絶縁層を形成する工程を有するものである。上記塗布材を塗布する方法としては、例えば、厚手のメタルマスクを使用し、刃の位置を高く調整したドクターブレードによる印刷法が好ましい。これにより、ガス拡散層表面の突起部に優先して塗布材を塗布することができ、突起部以外の部分への塗布材の付着を効果的に防止できる。
【0028】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0029】
《実施例1》
まず、高分子電解質の7重量%エタノール溶液(旭硝子(株)製:Flemion)30mlを直径20cmのシャーレに入れ、一昼夜室温で乾燥させた後、130℃で30分間乾燥させて厚さ30μmの高分子電解質のキャスト膜を得た。
つぎに、平均粒径30nmの炭素粒子(ケッチェンインターナショナル製:ケッチェンブラックEC)に平均粒径2nmの白金触媒を50重量%担持した触媒担持炭素粉末5.0gに蒸留水を15cc加え、これに高分子電解質の9重量%エタノール溶液(旭硝子(株)製:Flemion)25.0gを加え、超音波振動を与えながらスターラーを使用して1時間攪拌し、触媒ペーストを作製した。この触媒ペーストをバーコーターにより、膜厚50μmのポリプロピレンフィルム(東レ(株)製)の支持体上に塗布し、室温で乾燥後、6cm×6cmの正方形に切り抜き、触媒層付き支持体を作製した。このときの支持体上の白金含有量は約0.2mg/cm2であった。
【0030】
つぎに、前記高分子電解質膜の両側に前記触媒層付きポリプロピレンフィルムを触媒層が内側になるように重ね合わせ、その外側をポリ4フッ化エチレン製シート、および耐熱ラバーシートで挟んで、135℃のホットプレス装置で圧接した。このポリプロピレンフィルムを触媒層から剥離し、高分子電解質膜の両面に転写法による触媒層が形成された触媒層付き高分子電解質膜を作製した。
【0031】
一方では、膜厚約400μmのカーボンクロス(日本カーボン(株)製:カーボロンGF−20−31E)を、フッ素樹脂分散液(ダイキン工業(株)製:ND−1)に浸した後、300℃で焼成して撥水処理を施した。このカーボンクロス上に絶縁性材料を含むペースト状の塗布材を印刷し、印刷された塗布材に高圧水銀灯で100mWの紫外線を120秒間照射し、塗布材中の重合性モノマーを架橋、硬化させた。これにより、撥水処理を施したカーボンクロスの表面の突起部に絶縁層を形成したガス拡散層を作製した。
【0032】
塗布材は、粒径約30ナノメートルのシリカ粒子(日本アエロジル(株)製AEROSIL #50)、重合性モノマーであるエチレングリコールジメタクリレート(共栄社化学(株)製)および光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:ダロキュア)を重量比1:5:0.1で混合して調製した。塗布材の印刷は、0.3mmの正方形の窓の開いたメタルマスクを使用し、ドクターブレードにより行った。ドクターブレードの刃の高さは、カーボンクロス表面の突起部のみにペーストが塗布されていることを顕微鏡で確認しながら調整した。
【0033】
このようにして作製した触媒層付き高分子電解質膜の両面を、絶縁層を形成した側を内側にしてガス拡散層で挟み、これをポリ4フッ化エチレン製シートで挟んで135℃のホットプレス装置で圧接し、図2の模式図に示すMEAを作製した。
【0034】
《比較例1》
膜厚約400ミクロンのカーボンクロス(日本カーボン(株)製:カーボロンGF−20−31E)を、フッ素樹脂分散液(ダイキン工業(株)製:ND−1)に浸した後、300℃で焼成して撥水処理を施した。これをそのままガス拡散層として使用した以外は実施例1と全く同様にして、図3に示すMEAを作製した。
【0035】
実施例1および比較例1で作製したMEAを用いて、それぞれ単電池および電池スタックを作製し、それぞれの特性を評価した。まず、MEAの外周部の高分子電解質膜の両面に、厚さ0.25ミリのシリコン樹脂製ガスケットをホットプレスにより圧接して取り付けた。このガスケット付きのMEAを用いて図4の模式図に示すPEFCの単電池を作製した。
【0036】
図4において、高分子電解質膜401を挟んで、外側にアノード側触媒層402およびカソード側触媒層403が配置され、それぞれの外側にアノード側ガス拡散層407およびカソード側ガス拡散層408が配置されている。ガス拡散層407および408の外側には、ガス拡散層側にガス流路413および414を形成したセパレータ板411および412がそれぞれ配されている。セパレータ板411および412のガス流路側の反対側には、冷却水流路415および416がそれぞれ形成されている。高分子電解質膜401、触媒層402および403、並びにガス拡散層407および408からなるMEAの部分は、ガス拡散層表面の突起部などの細部の構成は便宜上省略されている。これらMEAの構成は、実施例1の場合は図2に示した通りであり、比較例1の場合は図3に示した通りである。
【0037】
作製したそれぞれの単電池を75℃に保持し、アノード側に70℃の露点となるように加温・加湿した水素ガスを、カソード側に70℃の露点となるように加温・加湿した空気をそれぞれ供給した。これら単電池を、水素利用率70%、空気利用率40%の条件で作動させ、無負荷状態(電流密度がゼロ)のときの単電池のセル電圧(開放電圧)を調べた。その結果、セル電圧は、実施例1では0.99V、比較例1では0.88Vであった。これにより、比較例1の単電池ではガス拡散層間の短絡が発生しているが、実施例1の単電池ではこれが効果的に防止され、内部短絡が無い電池が構成されていることが確認された。
【0038】
また、上記の各単電池の100セルをそれぞれ積層して電池スタックを作製した。これら各電池スタックの両端部にはそれぞれステンレス鋼製の集電板、絶縁板、さらに補強板を配し、これらを締結ロッドで固定した。このときの締結圧はセパレータの面積あたり15kgf/cm2とした。このように作製したそれぞれの電池スタックについて、上記の単電池の場合と同条件で1000時間連続運転を行い、その間の開放電圧の変化を調べた。その結果、単電池当たりの平均セル電圧の降下は実施例1では2mVと非常に少なく、比較例1では50mVという大きな電圧降下を示した。これにより実施例1の積層電池スタックにおいては、高い信頼性と耐久性をもって、内部短絡が防止されていることが確認された。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、ガス拡散層間の短絡を効果的に阻止することができ、耐久性の優れた高性能の高分子電解質型燃料電池を高い信頼性をもって供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により、その表面の突起部に絶縁層を形成したガス拡散層の要部の模式的縦断面図である。
【図2】本発明の実施例における高分子電解質型燃料電池用電解質膜−電極接合体の模式的縦断面である。
【図3】比較例における高分子電解質型燃料電池用電解質膜−電極接合体の模式的縦断面である。
【図4】本発明の実施例および比較例における単電池の縦断面図である。
【図5】本発明により、その表面の突起部に絶縁層を形成したガス拡散層を局部的に拡大した模式的縦断面図である。
【符号の説明】
1、24、25、34、35、407、408 ガス拡散層
2、27 絶縁層
3、26、28、36、37 突起部
21、31、401 高分子電解質膜
22、23、32、33、402、403 触媒層
409 ガスケット
411、412 セパレータ板
413、414 ガス流路
415、416 冷却水流路
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子電解質型燃料電池(以下、PEFCで表す)、特にこれに用いる電解質膜−電極接合体(以下、MEAで表す)、およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PEFCは、水素などの燃料ガスと、酸素を含有する空気などの酸化剤ガスとをガス拡散電極において電気化学的に反応させることで、化学エネルギーを電気エネルギーと熱に変換させるものである。PEFCの発電要素を構成するMEAの一例を図3の模式図を用いて説明する。プロトンを選択的に輸送する高分子電解質膜31の両側面のそれぞれに、アノード側触媒層32およびカソード側触媒層33が密着して配置されている。これらの触媒層32および33は、白金系の金属触媒を担持した炭素粒子を主成分とし、プロトン伝導性の高分子電解質を混合した層である。
【0003】
これらの触媒層32および33の外面に、ガス透過性と電子導電性を有するアノード側ガス拡散層34およびカソード側ガス拡散層35をそれぞれ密着させて配置することでMEAが構成される。通常、ガス拡散層には、カーボンペーパ、カーボンクロス、カーボンフェルトなどを撥水処理した通気性を有する導電性材料(多孔質炭素材)が使用されている。また、このガス拡散層の表面は完全に平滑ではなく、ガス拡散層を形成する炭素繊維やその先端部が露出している。そのために、ガス拡散層の表面には、通常、数マイクロメートルから数百マイクロメートルの高さの小さな突起部36および37が多数存在している。これらの突起部36および37によって、触媒層32および33が部分的に突き破られ、高分子電解質膜31が部分的に押し潰されたような状態でMEAが構成されている。
【0004】
このMEAを用いたPEFCでは、燃料ガスあるいは酸化剤ガスが、ガス拡散層34あるいは35の外側に配したセパレータ板に設けられたガス通路から供給され、ガス拡散層34あるいは35を通過して触媒層32あるいは33に到達する。これらの燃料ガスや酸化剤ガスが外にリークしたり、互いに混合したりしないように、ガス拡散層34あるいは35の周囲には、高分子電解質膜を挟んでガスシール材やガスケットが配置されている。
【0005】
PEFCから電力を取り出すためには、高分子電解質膜中をプロトンが移動しなければならない。高分子電解質膜中を移動するプロトンは、アノード側触媒層32の中で次式(1)の反応によって生じる。
H2→2H++2e− (1)
カソード側触媒層33では、アノードから移動してきたプロトンと酸素との次式(2)の反応により水が生成する。
1/2O2+2H++2e−→H2O (2)
【0006】
高分子電解質としては、−CF2−を主鎖とし、これにスルホン酸基(−SO3H)を末端官能基とする側鎖を導入したパーフルオロカーボンスルホン酸、例えば、Nafion(デュポン社製)、Flemion(旭硝子(株)製)、Aciplex(旭化成(株)製)などが一般的に使用されている。これらの高分子電解質では、スルホン酸が凝集してできた三次元ネットワーク状に広がる導通路が、プロトン伝導性のチャネルとして機能する。
【0007】
PEFCの性能は、同一の電流密度で作動させたときのアノード側ガス拡散層34およびカソード側ガス拡散層35間の電圧(セル電圧)で評価される。図3のように、MEAは各構成要素の層が直列に接続されているため、最も内部抵抗が高い層である高分子電解質膜がセル電圧、すなわちPEFCの性能を大きく左右する。従って、MEAの内部抵抗を下げるために、すなわちプロトン伝導性を高めるために、より薄い膜厚の高分子電解質膜を使用することが必要になる。
【0008】
従来のMEAの製造方法には二通りの方法がある。第1の製造方法は、まず触媒層を高分子電解質膜の表面に形成し、これにガス拡散層を結合させる方法である。触媒層は、金属触媒が担持された炭素粒子と高分子電解質を含む触媒ペーストをポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリ4フッ化エチレンなどのフィルムからなる支持体上に塗布し、乾燥して形成する。このようにして支持体上に形成された触媒層を高分子電解質膜の両側にホットプレスまたは熱ロールによって高分子電解質膜に転写する。次いで、支持体を触媒層から剥離して、触媒層付き高分子電解質膜を形成する。
【0009】
上記の転写法以外に、高分子電解質膜の表側および裏側に印刷やスプレーなどで触媒ペーストを塗布し、乾燥して触媒層を高分子電解質膜上に直接に形成する方法もある。これら表側および裏側の触媒層の上に、ホットプレスや熱ロールによりガス拡散層を熱圧着してMEAを作製する。
【0010】
従来の第2の製造方法は、予めガス拡散層の上に形成した触媒層を、高分子電解質膜の表裏両側にそれぞれ重ね合わせ、ホットプレスまたは熱ロールによって熱圧着することにより、上記と同じ構造のMEAを作製する方法である。この触媒層は、触媒ペーストを印刷法やスプレー法などでガス拡散層の上に塗布し乾燥する方法などで形成される。
【0011】
しかしながら、前述のように、ガス拡散層の表面は完全に平滑ではなく、多くの小さな突起部が存在する。そのため、従来のMEAの製造方法では、上記のホットプレスや熱ロールによる圧着工程などにおいて、アノード側ガス拡散層の突起部とカソード側ガス拡散層の突起部により、高分子電解質膜が圧縮されて押し潰され、さらには高分子電解質膜が部分的に突き破られる現象が発生しやすい。このような、アノード側とカソード側のガス拡散層が相互に接触し易い状態あるいは接触した状態は、電池の信頼性を損なうと共に、内部短絡による著しい電池性能低下を引き起こす。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決して両極間の電気的短絡をなくし、電池性能が優れた高信頼性を有する高分子電解質型燃料電池、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の高分子電解質型燃料電池は、ガス拡散層と触媒層からなる一対の電極が高分子電解質膜の両面に接合した電解質膜−電極接合体を具備し、前記ガス拡散層の少なくとも一方において、前記高分子電解質膜に対向する側の表面に存在する突起部に、絶縁層を形成したことを特徴とするものである。この絶縁層は、無機絶縁性材料と重合性樹脂を含むものが好ましい。
【0014】
本発明の高分子電解質型燃料電池の第1の製造方法は、ガス拡散層と触媒層からなる一対の電極が高分子電解質膜の両面に接合した電解質膜−電極接合体を具備した高分子電解質型燃料電池の製造方法であって、少なくとも一方の前記ガス拡散層の前記高分子電解質膜に対向する側の表面に存在する突起部に、予め支持体上に形成された絶縁層を転写する工程を有することを特徴とするものである。
【0015】
本発明の高分子電解質型燃料電池の第2の製造方法は、ガス拡散層と触媒層からなる一対の電極が高分子電解質膜の両面に接合した電解質膜−電極接合体を具備した高分子電解質型燃料電池の製造方法であって、少なくとも一方の前記ガス拡散層の前記高分子電解質膜に対向する側の表面に存在する突起部に、絶縁性材料を含む塗布材を塗布し、これを乾燥もしくは硬化させて絶縁層を形成する工程を有することを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明によるPEFCは、正負極のうちの少なくとも一方の電極において、触媒層を介して高分子電解質膜に接する側のガス拡散層の表面の突起部に絶縁層を形成するものである。この絶縁層の働きにより、PEFCの製造工程中、特にMEAを構成するための熱圧着工程などで印加される熱と応力によって、ガス拡散層の表面の突起部が高分子電解質膜を押し潰し、さらに突き破って、アノード側ガス拡散層とカソード側ガス拡散層とが万が一接触した場合でも、内部短絡を引き起こす心配がなくなる。
【0017】
すなわち、本発明によれば、アノード側ガス拡散層あるいはカソード側ガス拡散層の突起部が相手極のガス拡散層と接触した場合でも、両極間の電気的接触が前記の絶縁層によって絶たれるため、内部短絡が発生しない。前記絶縁層は前記突起部のみに形成すれば充分である。前記突起部以外の部分に不必要に絶縁層が形成されると、ガス拡散層と触媒層の間の導電性が低下し、PEFCの性能が却って低下する場合がある。
【0018】
図1に、本発明のPEFCにおけるガス拡散層の要部の断面を模式的に示す。図1において、多孔質炭素材からなるガス拡散層1の表面の突起部3の頂面に絶縁層2が形成されており、突起部3の頂面以外の部分は電気導電性を有する構造を持っている。
図2に、前記絶縁層を形成したガス拡散層を用いた本発明におけるMEAの断面を模式的に示す。高分子電解質膜21の両側の面のそれぞれに、アノード側触媒層22およびカソード側触媒層23が密着して配置されている。その外面に、ガス透過性と電子導電性を有するアノード側ガス拡散層24およびカソード側ガス拡散層25をそれぞれ圧着して結合することでMEAが構成されている。
【0019】
図2では、アノード側ガス拡散層24の表面の突起部26の頂面のみに絶縁層27が形成されている。この突起部26がアノード側触媒層22および高分子電解質膜21を突き破り、カソード側ガス拡散層25の表面の突起部28と物理的に接触した場合でも、絶縁層27により突起部26が電気的に絶縁されているため、アノード側ガス拡散層24とカソード側ガス拡散層25とは電気的に導通することはなく、内部短絡は発生しない。
【0020】
本発明における絶縁層は、ガス拡散層の表面の突起部の形状にもよるが、点状、線状、面状、あるいはドーム状などの形態を採ることができる。また、粉末状の絶縁体粒子を前記突起部に付着させても良い。
前記絶縁層は、前記熱圧着などの工程で、アノード側ガス拡散層やカソード側ガス拡散層の表面の突起部が高分子電解質膜や相手極に接触することなどによって破壊されてはならない。そのため、特に絶縁層の膜厚が薄い場合には、硬度の高い材料を選択することが好ましい。
【0021】
絶縁層を形成する無機材料としては、ガラス、セラミック、雲母などの鉱物、および様々な無機物の結晶などを用いることができる。これらの中でも、電気化学的な腐食雰囲気においても安定な材料、例えば、チッ化ケイ素などの無機化合物や、酸化ケイ素、アルミナ、酸化チタンなどの無機酸化物が特に好ましい。これら無機絶縁性材料を用いた絶縁層は、例えば、無機絶縁性材料の粒子を重合性の樹脂材料単体、あるいは、室温での蒸気圧の低い、アルコール類、グリコール類、グリセリン、ケトン類、炭化水素類などの分散媒を添加した混合塗布液を前記突起部に塗布し乾燥して形成することができる。
【0022】
絶縁層を形成する樹脂材料としては、初期には流動性があり、あるいは液体状であり、加熱、紫外線あるいは放射線の照射などにより架橋して弾性率が上昇する性質を有する樹脂を用いることができる。このような樹脂としては熱あるいは紫外線重合性多官能モノマー、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなどがあげられる。
【0023】
これらの重合性樹脂は、そのまま単体で突起部に塗布してもよいが、絶縁層の絶縁性を一層高めるためには、チッ化ケイ素、酸化ケイ素、アルミナなどの上記の無機絶縁性材料の粒子と混合して使用することがより好ましい。塗布された重合性樹脂は、前記の熱圧着あるいは組立の工程中の加熱、紫外線あるいは放射線の照射などにより硬化させることができる。上記のように、塗布後の工程で重合性樹脂を硬化させる方法は製造面からも好ましい方法である。 図5に、無機絶縁性材料55と重合性樹脂54を含む絶縁層を突起部53に形成したガス拡散層51の要部の断面を模式的に示す。
【0024】
重合性樹脂には上記の利点があるが、重合性樹脂以外の樹脂材料を無機絶縁性材料と混合して用いることも可能である。さらに、これら以外にも、ゴム、エボナイトなどの樹脂および植物繊維など様々な絶縁性材料、さらには架橋などにより弾性率を高くしたプロトン伝導性樹脂、プロトン伝導性を持つ架橋型の陽イオン交換樹脂などを、絶縁層を形成する材料として使用することができる。
【0025】
本発明の高分子電解質型燃料電池の第1の製造方法は、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのフィルムからなる支持体上に形成した絶縁層を、ガス拡散層の触媒層が形成される側の面と重ね合わせ、圧着あるいはロール加圧などの手段により、絶縁層をガス拡散層表面の突起部に転写する工程を有するものである。これにより、高分子電解質膜に対向する側のガス拡散層の表面に存在する突起部に優先的に絶縁層を形成し、突起部以外の部分での絶縁層の形成が効果的に防止できる。
【0026】
絶縁層は、流動性を有する樹脂材料あるいは液状の樹脂材料、これに無機絶縁性材料を混合したもの、あるいは無機材料の粒子を分散媒に分散させたものなど(これらを総称して塗布材で表す)を、前記支持体上にダイコートなどで塗布し、乾燥あるいは硬化させて形成することができる。転写方法としては、支持体上の塗布層を乾燥あるいは硬化させてを形成した後に、この絶縁層をガス拡散層に転写する方法、あるいは、未硬化のままの塗布層をガス拡散層に転写し、その後の工程で、塗布層を硬化させて絶縁層を形成する方法のいずれを採ることもできる。
【0027】
本発明の高分子電解質型燃料電池の第2の製造方法は、絶縁性材料を含む上記の塗布材を、ガス拡散層の触媒層が形成される側の面の突起部に塗布し、これを乾燥、加熱、紫外線照射あるいは放射線照射により硬化させるなどの方法により、ガス拡散層表面の突起部に絶縁層を形成する工程を有するものである。上記塗布材を塗布する方法としては、例えば、厚手のメタルマスクを使用し、刃の位置を高く調整したドクターブレードによる印刷法が好ましい。これにより、ガス拡散層表面の突起部に優先して塗布材を塗布することができ、突起部以外の部分への塗布材の付着を効果的に防止できる。
【0028】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0029】
《実施例1》
まず、高分子電解質の7重量%エタノール溶液(旭硝子(株)製:Flemion)30mlを直径20cmのシャーレに入れ、一昼夜室温で乾燥させた後、130℃で30分間乾燥させて厚さ30μmの高分子電解質のキャスト膜を得た。
つぎに、平均粒径30nmの炭素粒子(ケッチェンインターナショナル製:ケッチェンブラックEC)に平均粒径2nmの白金触媒を50重量%担持した触媒担持炭素粉末5.0gに蒸留水を15cc加え、これに高分子電解質の9重量%エタノール溶液(旭硝子(株)製:Flemion)25.0gを加え、超音波振動を与えながらスターラーを使用して1時間攪拌し、触媒ペーストを作製した。この触媒ペーストをバーコーターにより、膜厚50μmのポリプロピレンフィルム(東レ(株)製)の支持体上に塗布し、室温で乾燥後、6cm×6cmの正方形に切り抜き、触媒層付き支持体を作製した。このときの支持体上の白金含有量は約0.2mg/cm2であった。
【0030】
つぎに、前記高分子電解質膜の両側に前記触媒層付きポリプロピレンフィルムを触媒層が内側になるように重ね合わせ、その外側をポリ4フッ化エチレン製シート、および耐熱ラバーシートで挟んで、135℃のホットプレス装置で圧接した。このポリプロピレンフィルムを触媒層から剥離し、高分子電解質膜の両面に転写法による触媒層が形成された触媒層付き高分子電解質膜を作製した。
【0031】
一方では、膜厚約400μmのカーボンクロス(日本カーボン(株)製:カーボロンGF−20−31E)を、フッ素樹脂分散液(ダイキン工業(株)製:ND−1)に浸した後、300℃で焼成して撥水処理を施した。このカーボンクロス上に絶縁性材料を含むペースト状の塗布材を印刷し、印刷された塗布材に高圧水銀灯で100mWの紫外線を120秒間照射し、塗布材中の重合性モノマーを架橋、硬化させた。これにより、撥水処理を施したカーボンクロスの表面の突起部に絶縁層を形成したガス拡散層を作製した。
【0032】
塗布材は、粒径約30ナノメートルのシリカ粒子(日本アエロジル(株)製AEROSIL #50)、重合性モノマーであるエチレングリコールジメタクリレート(共栄社化学(株)製)および光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:ダロキュア)を重量比1:5:0.1で混合して調製した。塗布材の印刷は、0.3mmの正方形の窓の開いたメタルマスクを使用し、ドクターブレードにより行った。ドクターブレードの刃の高さは、カーボンクロス表面の突起部のみにペーストが塗布されていることを顕微鏡で確認しながら調整した。
【0033】
このようにして作製した触媒層付き高分子電解質膜の両面を、絶縁層を形成した側を内側にしてガス拡散層で挟み、これをポリ4フッ化エチレン製シートで挟んで135℃のホットプレス装置で圧接し、図2の模式図に示すMEAを作製した。
【0034】
《比較例1》
膜厚約400ミクロンのカーボンクロス(日本カーボン(株)製:カーボロンGF−20−31E)を、フッ素樹脂分散液(ダイキン工業(株)製:ND−1)に浸した後、300℃で焼成して撥水処理を施した。これをそのままガス拡散層として使用した以外は実施例1と全く同様にして、図3に示すMEAを作製した。
【0035】
実施例1および比較例1で作製したMEAを用いて、それぞれ単電池および電池スタックを作製し、それぞれの特性を評価した。まず、MEAの外周部の高分子電解質膜の両面に、厚さ0.25ミリのシリコン樹脂製ガスケットをホットプレスにより圧接して取り付けた。このガスケット付きのMEAを用いて図4の模式図に示すPEFCの単電池を作製した。
【0036】
図4において、高分子電解質膜401を挟んで、外側にアノード側触媒層402およびカソード側触媒層403が配置され、それぞれの外側にアノード側ガス拡散層407およびカソード側ガス拡散層408が配置されている。ガス拡散層407および408の外側には、ガス拡散層側にガス流路413および414を形成したセパレータ板411および412がそれぞれ配されている。セパレータ板411および412のガス流路側の反対側には、冷却水流路415および416がそれぞれ形成されている。高分子電解質膜401、触媒層402および403、並びにガス拡散層407および408からなるMEAの部分は、ガス拡散層表面の突起部などの細部の構成は便宜上省略されている。これらMEAの構成は、実施例1の場合は図2に示した通りであり、比較例1の場合は図3に示した通りである。
【0037】
作製したそれぞれの単電池を75℃に保持し、アノード側に70℃の露点となるように加温・加湿した水素ガスを、カソード側に70℃の露点となるように加温・加湿した空気をそれぞれ供給した。これら単電池を、水素利用率70%、空気利用率40%の条件で作動させ、無負荷状態(電流密度がゼロ)のときの単電池のセル電圧(開放電圧)を調べた。その結果、セル電圧は、実施例1では0.99V、比較例1では0.88Vであった。これにより、比較例1の単電池ではガス拡散層間の短絡が発生しているが、実施例1の単電池ではこれが効果的に防止され、内部短絡が無い電池が構成されていることが確認された。
【0038】
また、上記の各単電池の100セルをそれぞれ積層して電池スタックを作製した。これら各電池スタックの両端部にはそれぞれステンレス鋼製の集電板、絶縁板、さらに補強板を配し、これらを締結ロッドで固定した。このときの締結圧はセパレータの面積あたり15kgf/cm2とした。このように作製したそれぞれの電池スタックについて、上記の単電池の場合と同条件で1000時間連続運転を行い、その間の開放電圧の変化を調べた。その結果、単電池当たりの平均セル電圧の降下は実施例1では2mVと非常に少なく、比較例1では50mVという大きな電圧降下を示した。これにより実施例1の積層電池スタックにおいては、高い信頼性と耐久性をもって、内部短絡が防止されていることが確認された。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、ガス拡散層間の短絡を効果的に阻止することができ、耐久性の優れた高性能の高分子電解質型燃料電池を高い信頼性をもって供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により、その表面の突起部に絶縁層を形成したガス拡散層の要部の模式的縦断面図である。
【図2】本発明の実施例における高分子電解質型燃料電池用電解質膜−電極接合体の模式的縦断面である。
【図3】比較例における高分子電解質型燃料電池用電解質膜−電極接合体の模式的縦断面である。
【図4】本発明の実施例および比較例における単電池の縦断面図である。
【図5】本発明により、その表面の突起部に絶縁層を形成したガス拡散層を局部的に拡大した模式的縦断面図である。
【符号の説明】
1、24、25、34、35、407、408 ガス拡散層
2、27 絶縁層
3、26、28、36、37 突起部
21、31、401 高分子電解質膜
22、23、32、33、402、403 触媒層
409 ガスケット
411、412 セパレータ板
413、414 ガス流路
415、416 冷却水流路
Claims (4)
- ガス拡散層と触媒層からなる一対の電極が高分子電解質膜の両面に接合した電解質膜−電極接合体を具備し、前記ガス拡散層の少なくとも一方において、前記高分子電解質膜に対向する側の表面に存在する突起部に、絶縁層を形成したことを特徴とする高分子電解質型燃料電池。
- 前記絶縁層が、無機絶縁性材料と重合性樹脂を含む請求項1に記載の高分子電解質型燃料電池。
- ガス拡散層と触媒層からなる一対の電極が高分子電解質膜の両面に接合した電解質膜−電極接合体を具備した高分子電解質型燃料電池の製造方法であって、少なくとも一方の前記ガス拡散層の前記高分子電解質膜に対向する側の表面に存在する突起部に、予め支持体上に形成された絶縁層を転写する工程を有することを特徴とする高分子電解質型燃料電池の製造方法。
- ガス拡散層と触媒層からなる一対の電極が高分子電解質膜の両面に接合した電解質膜−電極接合体を具備した高分子電解質型燃料電池の製造方法であって、少なくとも一方の前記ガス拡散層の前記高分子電解質膜に対向する側の表面に存在する突起部に、絶縁性材料を含む塗布材を塗布し、これを乾燥もしくは硬化させて絶縁層を形成する工程を有することを特徴とする高分子電解質型燃料電池の製造方法。
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